JP3401047B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

エンジンの吸気装置

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JP3401047B2
JP3401047B2 JP12118893A JP12118893A JP3401047B2 JP 3401047 B2 JP3401047 B2 JP 3401047B2 JP 12118893 A JP12118893 A JP 12118893A JP 12118893 A JP12118893 A JP 12118893A JP 3401047 B2 JP3401047 B2 JP 3401047B2
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air
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intake port
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの吸気装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンにおいては低回転時あ
るいは低負荷時に混合気の着火性・燃焼性が低下すると
いった問題があり、とくにリーンバーンエンジンではか
かる問題が顕著となる。そこで、近年、低回転時あるい
は低負荷時には点火プラグまわりに燃料を集中させて燃
焼室内の混合気を成層化し、着火性・燃焼性を高めると
いった手法が多用されている。他方、高回転時にはエン
ジンの出力向上を図るため、できるかぎり吸気充填効率
を高めることが要求される。このため、従来より、高回
転時には吸気慣性効果を利用して吸気充填効率を高める
といった手法(慣性過給)が多用されている(例えば、特
開平3−279620号公報参照)。
【0003】具体的には、低回転時あるいは低負荷時に
混合気の成層化を促進するため、燃料噴射弁の噴射口を
点火プラグに向けて配置したエンジンが提案されてい
る。しかしながら、かかるエンジンでは燃料噴射弁から
燃料が強い勢いで噴射されるため、燃料が点火プラグ付
近を通り抜けてしまい、有効に混合気の成層化を図るこ
とができないといった問題がある。
【0004】これを改善するため、燃焼室中心部に配置
された点火プラグ付近に向かって開口する燃料噴射弁を
設ける一方、吸気ポートをスワール生成ポートとし、低
回転時あるいは低負荷時には燃焼室内にスワールを生成
して燃料噴射弁から噴射された燃料をスワールで点火プ
ラグまわりに集めるようにしたエンジンが提案されてい
る。しかしながら、このようにスワールにより成層化を
促進するようにしても、やはり燃料噴射弁から噴射され
た燃料は勢いが強いので点火プラグ付近を通り抜けてし
まう傾向が強い。
【0005】そこで、点火プラグ付近に向かって開口す
る混合気供給ポートと、該混合気供給ポート内に燃料を
噴射する燃料噴射弁と、吸気行程後半から圧縮行程前半
の間において所定期間だけ混合気供給ポートを開かせる
混合気供給ポート開閉弁とを設け、混合気供給ポートか
ら燃焼室内に流入する勢いの弱い混合気を点火プラグま
わりに集中させて成層化を促進するようにしたエンジン
が提案されている(例えば、実開昭62−18335号
公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
混合気供給ポートを備えた従来のエンジンでは、普通、
吸入行程後半から筒内圧が上昇してくる圧縮行程前半に
かけて、混合気供給ポートから燃焼室内へ混合気を供給
することになるので、混合気供給ポートへ供給するエア
をエアポンプ等を用いて加圧するようにしている。しか
しながら、かかるエアポンプから吐出される加圧エアに
は半ば必然的に脈動が伴われるので、かかる脈動によっ
て混合気供給ポートから燃焼室内への混合気の流出速度
が変動し、これによって燃焼室内での上記混合気の分布
位置が変動し、このため着火性・燃焼性が十分には改善
されないといった問題がある。
【0007】さらに、混合気供給ポートは、高回転時に
おいては燃焼室への吸気供給力が低下するので、高回転
領域では吸気充填効率の低下すなわちエンジン出力の低
下を招くといった問題がある。なお、前記したとおり、
高回転時には吸気慣性効果を利用して吸気充填効率を高
めるといった手法が多用されているが、従来のエンジン
ではサージタンクを圧力反転部とするようにしているの
で、圧力波の伝播経路長が比較的長くなり、このため慣
性効果が有効となる回転領域をそれほどは高回転側には
もってくることができず、高回転時の吸気充填効率を十
分には高めることができないといった問題がある。
【0008】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、低回転時には混合気を十分
に成層化してその着火性・燃焼性を有効に高めることが
でき、高回転時には吸気充填効率を十分に高めることが
できるエンジンの吸気装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、燃焼室に開口する一方、加圧エア供
給源から加圧エアが供給されるともに燃料供給源から燃
料が供給されこれらの加圧エアと燃料とで混合気を生成
する混合気供給ポートと、混合気供給ポートの燃焼室へ
の開口部を、吸気行程後半から圧縮行程前半の間におい
て所定期間だけ開く混合気供給ポート開閉弁とが設けら
れたエンジンの吸気装置において、混合気供給ポートの
上流部に接続される拡大室と、該拡大室と吸気ポートの
中途部とを連通させる連通部と、該連通部を開閉する連
通部開閉弁とが設けられ、拡大室と連通部とが、拡大室
から吸気ポート下流端に至る吸気経路長がサージタンク
から吸気ポート下流端に至る吸気経路長よりも短くなる
ように形成され、連通部開閉弁が所定の高回転領域で開
かれるようになっていることを特徴とするエンジンの吸
気装置を提供する。
【0010】第2の発明は、第1の発明にかかるエンジ
ンの吸気装置において、吸気ポートが、スワール生成ポ
ートである第1吸気ポートと、所定の運転領域で閉じら
れるスワールコントロール弁を備えた第2吸気ポートと
に分けられていて、連通部が拡大室と第2吸気ポートの
中途部とを連通させるように形成されていることを特徴
とするエンジンの吸気装置を提供する。
【0011】第3の発明は、第1の発明にかかるエンジ
ンの吸気装置において、吸気ポートが、スワール生成ポ
ートである第1吸気ポートと、所定の運転領域で閉じら
れるスワールコントロール弁を備えた第2吸気ポートと
に分けられるとともに、各気筒毎に第1吸気ポートと第
2吸気ポートとが上流側で合流させられていて、連通部
が拡大室と上記合流部とを連通させるように形成され、
連通路開閉弁がスワールコントロール弁が閉じられる領
域で部分的に開かれ、かつスワールコントロール弁が開
かれる領域で全開されるようになっていることを特徴と
するエンジンの吸気装置を提供する。
【0012】第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれ
か1つにかかるエンジンの吸気装置において、連通部開
閉弁が所定の高負荷・高回転領域で開かれ、かつ該高負
荷・高回転領域では混合気供給ポートへの燃料供給が停
止もしくは減少され、吸気ポートからの燃料供給が実質
的に開始されるようになっていることを特徴とするエン
ジンの吸気装置を提供する。
【0013】第5の発明は、第1〜第3の発明のいずれ
か1つにかかるエンジンの吸気装置において、混合気供
給ポートが、低回転領域における平均マッハ係数が0.
4以上となるように形成され、吸気ポートが、高回転領
域における平均マッハ係数が0.4未満となるように形
成されていることを特徴とするエンジンの吸気装置を提
供する。
【0014】第6の発明は、第2の発明にかかるエンジ
ンの吸気装置において、加圧エア供給源で加圧されたエ
アを第1吸気ポート側へリリーフするリリーフ通路が設
けられていることを特徴とするエンジンの吸気装置を提
供する。
【0015】第7の発明は、第2の発明にかかるエンジ
ンの吸気装置において、加圧エア供給源で加圧されたエ
アを両吸気ポート側へリリーフする第1リリーフ通路
と、第1吸気ポート側へのみリリーフする第2リリーフ
通路と、加圧されたエアを第1リリーフ通路へリリーフ
するかそれとも第2リリーフ通路へリリーフするかを切
り替えるリリーフ切替手段とが設けられ、該リリーフ切
替手段が、スワールコントロール弁が開かれているとき
には加圧されたエアを第1リリーフ通路へリリーフさ
せ、スワールコントロール弁が閉じられているときには
加圧されたエアを第2リリーフ通路へリリーフさせるよ
うになっていることを特徴とするエンジンの吸気装置を
提供する。
【0016】第8の発明は、燃焼室に開口する一方、加
圧エア供給源から加圧エアが供給されるともに燃料供給
源から燃料が供給されこれらの加圧エアと燃料とで混合
気を生成する混合気供給ポートと、混合気供給ポートの
燃焼室への開口部を、吸気行程後半から圧縮行程前半の
間において所定期間だけ開く混合気供給ポート開閉弁と
が設けられたエンジンの吸気装置において、吸気ポート
が、スワール生成ポートである第1吸気ポートと、所定
の運転領域で閉じられるスワールコントロール弁を備え
た第2吸気ポートとに分けられていて、混合気供給ポー
トの上流部に接続される拡大室と、該拡大室と第2吸気
ポートの中途部とを連通させる連通部と、該連通部を開
閉する連通部開閉弁とが設けられ、拡大室と連通部と
が、拡大室から第2吸気ポート下流端に至る吸気経路長
がサージタンクから第2吸気ポート下流端に至る吸気経
路長よりも短くなるように形成され、連通部開閉弁が、
スワールコントロール弁が開かれる運転領域で開かれる
ようになっていることを特徴とするエンジンの吸気装置
を提供する。
【0017】第9の発明は、第8の発明にかかるエンジ
ンの吸気装置において、混合気供給ポートが、低回転領
域における平均マッハ係数が0.4以上となるように形
成され、吸気ポートが、高回転領域における平均マッハ
係数が0.4未満となるように形成されていることを特
徴とするエンジンの吸気装置を提供する。
【0018】第10の発明は、第8の発明にかかるエン
ジンの吸気装置において、加圧エア供給源で加圧された
エアを第1吸気ポート側へリリーフするリリーフ通路が
設けられていることを特徴とするエンジンの吸気装置を
提供する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 <第1実施例>図1と図2とに示すように、第1〜第4
気筒(#1〜#4)を備えた4気筒エンジンCEの各シ
リンダ1内には夫々燃焼室2が設けられ、各燃焼室2の
天井部の吸気側半部(図1、図2では左半部)に第1,第
2吸気ポート3,4が開口する一方、排気側半部(図1、
図2では右半部)に第1,第2排気ポート5,6が開口し
ている。さらに、第1吸気ポート3と第2吸気ポート4
の間において燃焼室2の天井部には混合気供給ポート7
が開口している。また、平面視で燃焼室2のほぼ中心部
には点火プラグ8が配置されている。
【0020】ここで、第1吸気ポート3は、シリンダ1
(燃焼室2)のほぼ周方向に向かって開口するタンジェン
シャルポートとされ、この第1吸気ポート3から燃焼室
2内に流入するエアによって、燃焼室2内にスワールが
生成されるようになっている。すなわち、第1吸気ポー
ト3はスワール生成ポートとされている。なお、第1吸
気ポート3をヘリカル式のスワール生成ポートとしても
よい。
【0021】そして、第1吸気ポート3は、第1吸気弁
9によって、クランク軸19と同期する所定のタイミン
グで開閉されるようになっている(例えば、クランク角
でみて上死点前13°〜下死点後43°で開弁状態)。
なお、第1吸気弁9は図示していない動弁機構によって
駆動されるようになっている。同様に、第2吸気ポート
4は第2吸気弁10によって開閉されるようになってい
る。また、第1,第2排気ポート5,6は夫々第1,第2
排気弁11,12によって開閉されるようになってい
る。さらに、混合気供給ポート7は、混合気供給ポート
開閉弁20によって、吸気行程後半から圧縮行程前半の
間において、クランク軸19と同期する所定のタイミン
グで開閉されるようになっている(例えば、クランク角
でみて上死点後90°〜下死点後90°で開弁状態)。
【0022】また、第1吸気ポート3に臨んで該第1吸
気ポート3内のエア中に燃料を噴射する第1燃料噴射弁
13が設けられる一方、混合気供給ポート7に臨んで該
混合気供給ポート7内のエア中に燃料を噴射する第2燃
料噴射弁14が設けられている。第1,第2排気ポート
11,12の下流端は夫々独立排気通路15に接続され
ている。なお、第2燃料噴射弁14は、特許請求の範囲
に記載された「燃料供給源」に相当する。
【0023】上記構成において、エンジンCEは、基本
的には、第1,第2吸気弁9,10が開かれたときに第
1,第2吸気ポート3,4から燃焼室2内に混合気を吸入
し、この混合気をピストン16で圧縮して点火プラグ8
で着火・燃焼させ、第1,第2排気弁11,12が開かれ
たときに燃焼ガス(排気ガス)を第1,第2排気ポート5,
6を介して独立排気通路15に排出するようになってい
る。これに伴って、ピストン16がシリンダ1内でシリ
ンダ軸線方向に往復運動し、この往復運動がコンロッド
17とクランクピン18とを介して回転運動に変換され
てクランク軸19に伝達されるようになっている。
【0024】しかしながら、低回転・低負荷領域等、混
合気の着火性・燃焼性が悪くなる所定の運転領域では、
後で説明するように、混合気供給ポート7から燃焼室2
内へ混合気を供給し、この混合気で点火プラグ8の周囲
にリッチな混合気層を形成(成層化)して着火性・燃焼性
を高めるようにしている。具体的には、概ね混合気供給
ポート開閉弁20が開かれる前に、第2燃料噴射弁14
から混合気供給ポート7内の加圧エア中に燃料を噴射
し、混合気供給ポート7内に比較的圧力の高いリッチな
混合気を生成し、混合気供給ポート開閉弁20が開かれ
たときにこの混合気を点火プラグ8付近に流出させるよ
うにしている。この場合、混合気供給ポート7から燃焼
室2内に流出する混合気はそれほど勢いが強くないので
ちょうど点火プラグ8まわりに集中し、燃焼室2内が成
層化されて着火性・燃焼性が高められるわけである。
【0025】ところで、第1,第2吸気ポート3,4のス
ロート部は、高回転時におけるマッハ係数が0.4未満
となるよう比較的大径とされている。すなわち、一般的
に吸気ポートにおけるマッハ係数はエンジン回転数の上
昇に伴って増加するが、マッハ係数が0.4以上になる
とポート内のエアの流通抵抗が急増し、エアの流れが飽
和状態となり、エンジン回転数を上昇させても単位時間
当たりのエア流量はほとんど増加しなくなる。そこで、
このようにマッハ係数を0.4未満に押さえて、エンジ
ン回転数の上昇に伴ってエア流量すなわちエンジン出力
が有効に上昇するようにしている。これによって、高回
転時のエンジン出力が高められ、かつエンジンの制御性
が高められる。
【0026】他方、混合気供給ポート7のスロート部
は、低回転時におけるマッハ係数が0.4以上となるよ
う比較的小径とされている。このため、混合気供給ポー
ト7から燃焼室2内に流入するエアないし混合気の単位
時間当たりの流量(流速)はエンジン回転数にかかわらず
ほぼ一定となる。したがって、混合気供給ポート7から
燃焼室2内に流入した混合気が、燃焼室2内において点
火プラグ8まわりでほぼ一定の位置に分布することにな
り、混合気の成層化が安定化される。なお、この場合、
1サイクル当たりの流量はエンジン回転数の上昇に反比
例して減少する。
【0027】各気筒の燃焼室2にエアを供給するため
に、上流端が大気に開放された共通吸気通路21が設け
られ、この共通吸気通路21には上流側から順にエアク
リーナ30とエアフローセンサ22とスロットル弁23
とが設けられている。そして、共通吸気通路21の下流
端は、エアの流れを安定化させる第1,第2サージタン
ク24,25に接続されている。なお、エンジン幅方向
(図1、図2では左右方向)にみて、第2サージタンク2
5は第1サージタンク24よりもエンジン本体部に近い
位置に配置されている。
【0028】第1サージタンク24には各気筒用の第1
独立吸気通路26の上流端が接続され、この第1独立吸
気通路26の下流端は夫々対応する第1吸気ポート3に
接続されている。他方、第2サージタンク25には各気
筒用の第2独立吸気通路27の上流端が接続され、この
第2独立吸気通路27の下流端は夫々対応する第2吸気
ポート4に接続されている。ここで、各第2独立吸気通
路27には夫々スワールコントロール弁28(以下、こ
れをS弁28と略称する)が設けられている。これらの
S弁28はスワール強度を調節するために設けられてい
て、該S弁28の開度が小さいときほどスワールが強化
されるようになっている。すなわち、S弁28の開度が
小さいときほどスワール生成ポートである第1吸気ポー
ト3を介して燃焼室2内に流入するエアの割合が大きく
なり、スワールが強化されるわけである。
【0029】混合気供給ポート7にエアを供給するため
に、エアポンプ33を備えた加圧エア通路31が設けら
れ、この加圧エア通路31の上流端は、共通吸気通路2
1の、エアフローセンサ22より下流側でかつスロット
ル弁23よりも上流側の部分に接続されている。そし
て、加圧エア通路31の下流端は所定の容量を備えた拡
大室32に接続されている。この拡大室32には各気筒
用の独立加圧エア通路29が接続され、該独立加圧エア
通路29の下流端は夫々対応する混合気供給ポート7に
接続されている。ここで、拡大室32は、エンジン幅方
向にみて第2サージタンク25よりもエンジン本体部に
近い位置において、第2独立吸気通路27の上面に隣接
して配設されている。そして、拡大室32と各第2独立
吸気通路27とを連通させる連通穴38(連通部)と、該
連通穴38を開閉する連通部開閉弁37(以下、これを
VICS弁37と略称する)とが設けられている。な
お、エアポンプ33は、特許請求の範囲に記載された
「加圧エア供給源」に相当する。
【0030】拡大室32は、第一義的にはエアポンプ3
3から吐出される加圧エアの脈動を減衰させ、後で説明
する所定の運転領域(成層燃焼領域)において混合気供給
ポート7から燃焼室2内に流入する混合気の流速の変動
を低減ないし防止し、燃焼室2内における混合気の成層
化を安定させて着火性・燃焼性を高めるために設けられ
ている。しかしながら、この拡大室32は、後で説明す
るように所定の高回転領域における慣性過給の圧力反転
部としても利用され、これによって高回転領域における
吸気充填効率すなわちエンジン出力が高められるように
なっている。
【0031】加圧エア通路31のエアポンプ33より下
流側の部分と、共通吸気通路21のスロットル弁23よ
りやや上流側の部分とを連通する第1リリーフ通路34
が設けられ、この第1リリーフ通路34に三方弁である
リリーフ切替弁35(リリーフ切替手段)が介設されてい
る。そして、リリーフ切替弁35の第3の端子には、下
流端が第1サージタンク24に接続された第2リリーフ
通路36が接続されている。
【0032】このように混合気供給ポート7に供給する
エアを加圧するのは、前記したとおり、混合気供給ポー
ト開閉弁20が下死点後において第1,第2吸気弁9,1
0が閉じられた後でも開かれるので、常圧のエアでは混
合気供給ポート7内の混合気を燃焼室2に押し込むこと
ができないからである。また、第1,第2リリーフ通路
34,36を介して加圧エアを第1吸気ポート側あるい
は第2吸気ポート側へリリーフするのは、かかる加圧エ
アによって吸気充填効率を高めることができ、かつスワ
ールを強めることができるからである。具体的には、S
弁28が開かれているときには第1,第2吸気ポート3,
4から燃焼室2にエアが供給されるので加圧エアを第1
リリーフ通路34を介して両吸気ポート側へリリーフさ
せて充填効率を高める一方、S弁28が閉じられている
ときには第1吸気ポート3のみから燃焼室2にエアが供
給されるので加圧エアを第2リリーフ通路36を介して
第1吸気ポート側へのみリリーフさせるようにしてい
る。かかるリリーフ経路の切り替えは、コントロールユ
ニットCから印加される信号に従ってリリーフ切替弁3
5によって行われる。
【0033】以下、S弁28及びVICS弁37を開閉
駆動するための駆動機構を説明する。各気筒のS弁28
は、1つのS弁用弁軸41に取り付けられこの弁軸41
を介して、コントロールユニットCから印加される信号
に従って、負圧応動式の第1アクチュエータ42によっ
て開閉駆動されるようになっている。具体的には、第1
アクチュエータ42の圧力室には、上流部にバキューム
ポンプ43とバキュームチャンバ44とが介設された第
1負圧供給通路45の下流端が接続され、さらにこの第
1負圧供給通路45に第1ソレノイドバルブ46が介設
されている。ここで、第1ソレノイドバルブ46は、コ
ントロールユニットCから印加される信号に従って第1
アクチュエータ42の圧力室にかけられる負圧を制御し
てS弁28を開閉するようになっている。
【0034】各気筒のVICS弁37は、1つのVIC
S弁用弁軸48に取り付けられこの弁軸48を介して、
コントロールユニットCから印加される信号に従って、
負圧応動式の第2アクチュエータ49によって開閉駆動
されるようになっている。ここで、第2アクチュエータ
49の圧力室には、上流端がバキュームチャンバ44に
接続された第2負圧供給通路50が接続され、さらにこ
の第2負圧供給通路50に第2ソレノイドバルブ51が
介設されている。ここで、第2ソレノイドバルブ51
は、コントロールユニットCから印加される信号に従っ
て第2アクチュエータ49の圧力室にかけられる負圧を
調節してVICS弁37を開閉するようになっている。
【0035】コントロールユニットCは、エンジン回転
数、エンジン負荷(スロットル開度)等を制御情報とし
て、エンジンCEの運転状態に応じてS弁28とVIC
S弁37とを制御して、低回転時には混合気を成層化し
てその着火性・燃焼性を高める一方、高回転時には吸気
充填効率を高めるようになっているが、以下コントロー
ルユニットCによるS弁28及びVICS弁37の開閉
制御並びにこれに付随する制御の制御方法を説明する。
【0036】図5に示すように、S弁28は曲線G2
りも低回転・低負荷側の領域(成層燃焼領域)では閉じら
れ、これ以外の領域では開かれる。他方、VICS弁3
7はエンジン回転数が所定値N1以下である低回転領域
では閉じられ、N1を超える高回転領域では開かれる。
ここで、第2燃料噴射弁14は、コントロールユニット
Cからの信号に従って、成層燃焼領域では燃料を噴射す
るが、これ以外の領域では燃料噴射を停止もしくは減少
する。これにより、予混合均一燃焼が行われ、高出力が
得られる。なお、リリーフ切替弁35は、コントロール
ユニットCからの信号に従って、S弁28が開かれる領
域では加圧エアを第1リリーフ通路34にリリーフさ
せ、S弁28が閉じられる領域では加圧エアを第2リリ
ーフ通路36にリリーフさせるようになっている。
【0037】エンジンCEの運転状態が成層燃焼領域に
入っている場合は、S弁28及びVICS弁37が閉じ
られる。この場合、吸気ポート側から燃焼室2に供給さ
れるエアはすべて第1吸気ポート3を介して燃焼室2に
流入し、燃焼室2内に強いスワールが生成される。ま
た、第2燃料噴射弁14から燃料が噴射されるので、混
合気供給ポート7から燃焼室2内に勢いの弱い混合気が
供給され、この混合気が点火プラグ8まわりに集中す
る。したがって、強いスワールと、混合気供給ポート7
から供給される混合気とによって、燃焼室2内の混合気
が十分に成層化され、燃焼室2内での混合気の着火性・
燃焼性が高められる。また、前記したとおりマッハ係数
が0.4以上とされ、かつ拡大室32によって加圧エア
の脈動が低減ないしは防止されるので、混合気供給ポー
ト7から燃焼室2内に流入する混合気の単位時間当たり
の流量(流速)がエンジン回転数にかかわりなくほぼ一定
化・均一化され、安定した成層化が行われる。なお、こ
の場合第2リリーフ通路36を介して第1サージタンク
24内に加圧エアがリリーフされ、これによって吸気充
填効率が高められ、かつスワールが強化される。
【0038】エンジンの運転状態が、エンジン回転数が
1以下でかつ成層燃焼領域外にある場合はS弁28が
開かれ、第1,第2吸気ポート3,4及び混合気供給ポー
ト7を介して燃焼室2内にエアが供給される。この場
合、VICS弁37が閉じられているので、第1,第2
吸気ポート3,4側の吸気系統と混合気供給ポート7側
の吸気系統とは互いに分離され、両者間にはとくには相
互作用は生じない。なお、この場合、第1リリーフ通路
34を介して両サージタンク24,25内に加圧エアが
リリーフされ、吸気充填効率が高められる。
【0039】エンジン回転数がN1を超える高回転領域
では、S弁28及びVICS弁37がいずれも開かれ、
また第2燃料噴射弁14からの燃料噴射は停止される。
この場合、VICS弁37が開かれているので、第2吸
気ポート4側では、拡大室32を圧力反転部(容積部)と
する慣性過給が行われる。前記したとおり、拡大室32
は第2サージタンク25よりもエンジン本体部に近い位
置に配置されているので、拡大室32から第2吸気ポー
ト4の下流端(燃焼室2への開口部)までの経路長は比較
的短くなる。このため、拡大室32を圧力反転部とする
慣性過給の同調固有振動数が高くなり、したがってかか
る高回転領域で高い慣性効果が得られ、吸気充填効率が
高められエンジン出力が高められる。この場合、第1リ
リーフ通路34を介して両サージタンク24,25内に
加圧エアがリリーフされるので、吸気充填効率が一層高
められる。なお、かかる高回転領域において、エンジン
回転数が比較的低いときには、第1サージタンク24あ
るいは第2サージタンク5を圧力反転部とする慣性過給
も行われるのはもちろんである。
【0040】S弁28とVICS弁37とがこのように
制御された場合の、エンジンCEの出力トルクTのエン
ジン回転数に対する特性は図5中の曲線G1のようにな
る。なお、図5において、矢印X1は、エンジン回転数
がN1を超える高回転領域における拡大室32を圧力反
転部とする慣性過給による全開トルクの向上効果を示し
ている。
【0041】なお、このようにVICS弁37をエンジ
ン回転数がN1以下であるか否かによって開閉するので
はなく、S弁28が閉じられる領域すなわち成層燃焼領
域でVICS弁37を閉じ、S弁28が開かれる領域で
VICS弁37を開くようにしてもよい。図6に、この
ようにした場合の、WOT時の吸気充填効率ηvのエン
ジン回転数に対する特性を示す(曲線G3)。図6におい
て、曲線G4は拡大室32を設けない場合の吸気充填効
率を示しており、したがって矢印X2は拡大室32を設
けたことによる吸気充填効率の向上効果を示している。
なお、曲線G5は成層燃焼領域と他の領域との境界を示
している。
【0042】前記したとおり、加圧エア通路31内の加
圧エアを、第1吸気ポート側あるいは第2吸気ポート側
にリリーフさせ、吸気充填効率を高めるようにしている
が、図7に、かかる加圧エアのリリーフによる吸気充填
効率の向上効果を示す。図7において、エンジン回転数
がN1以下の低回転領域で、曲線G6は加圧エアのリリー
フが行われる場合のWOT時のエンジン出力トルクであ
り、曲線G7は加圧エアのリリーフが行われない場合の
出力トルクである。図7から明らかなとおり、かかるリ
リーフにより低回転領域でのエンジン出力トルクが高め
られている。なお、図7において、エンジン回転数がN
1を超える高回転領域での出力トルク向上効果は、拡大
室32を圧力反転部とする慣性過給によるものである。
【0043】なお、S弁28が閉じられているときに、
第2リリーフ通路36を介して第1サージタンク24へ
加圧エアをリリーフすることにより、第1吸気ポート3
内でのエアの流速が高められ、これによってスワールが
強化され、燃焼室2内の混合気の着火性・燃焼性が一層
高められる。図8に、エンジン回転数が所定値N1以下
の低回転領域でS弁28を閉じるようにした場合の、加
圧エアのリリーフを行う場合のエアの乱れの強さすなわ
ちスワール強度(曲線G13)と、加圧エアのリリーフを行
わない場合の乱れ強さ(曲線G14)とを示す。図8から明
らかなとおり、加圧エアのリリーフによって乱れ強さ
(スワール強度)が高められている。図9において、曲線
15はエアポンプ33から吐出される加圧エアの流量で
あり、直線G16は混合気供給ポート7から燃焼室2内へ
流入するエアの流量である。ここで、G15とG16の差が
加圧エア通路31から、第1リリーフ通路34又は第2
リリーフ通路36へリリーフされる加圧エアの流量を示
している。このようにリリーフされる加圧エアによっ
て、吸気充填効率が高められるとともにスワールが強化
される。
【0044】<第2実施例>以下、図3及び図4を参照
しつつ第2実施例を説明するが、第2実施例の基本部分
は図1及び図2に示す第1実施例と共通であるので、以
下では説明の重複を避けるため第1実施例との相異点に
ついてのみ説明する。なお、図3及び図4において第1
実施例と共通の部材には図1及び図2と同一の番号を付
している。図3及び図4に示すように、第2実施例で
は、共通吸気通路21の下流端が単一のサージタンク6
0に接続されている。そして、このサージタンク60に
各気筒用の分岐吸気通路61が接続され、これらの分岐
吸気通路61の下流端に第1吸気ポート3と第2吸気ポ
ート4とが接続されている。換言すれば、第1吸気ポー
ト3と第2吸気ポート4とが上流側で合流され、この合
流部が分岐吸気通路61とされていることになる。
【0045】そして、拡大室32が、これらの分岐吸気
通路61の上面に隣接して配置され、拡大室32と各分
岐吸気通路61とを連通する連通穴38(連通部)が形成
され、この連通穴38が連通部開閉弁37(VICS弁
37)によって開閉されるようになっている。また、サ
ージタンク60が単一であるので、第1実施例のような
第2リリーフ通路36は設けられていない。その他の構
成については第1実施例と同様である。
【0046】かかる構成において、S弁28及びVIC
S弁37は、コントロールユニットCによって以下のよ
うに制御される。図10に示すように、第2実施例で
は、S弁28はエンジン回転数がN1以下の領域では閉
じられ、N1を超える領域では開かれる。他方、VIC
S弁37は、エンジン回転数がN1よりも低回転側に設
定される所定値N1'以下の領域では全閉され、N1'〜N
1の領域では部分的に開かれ、N1を超える領域では全開
される。
【0047】この場合、エンジン回転数がN1'以下の領
域では、VICS弁37が全閉され、混合気供給ポート
7から燃焼室2内に混合気が供給され、成層化が促進さ
れる。また、エンジン回転数がN1'〜N1である領域で
はS弁28が閉じられる一方、VICS弁37が部分的
に開かれるので、第1吸気ポート3側でのみ拡大室32
を圧力反転部とする慣性過給が行われ吸気充填効率が高
められる。エンジン回転数がN1を超える領域ではS弁
28が開かれるとともに、VICS弁37が全開される
ので、第1,第2吸気ポート3,4側で拡大室32を圧力
反転部とする慣性過給が行われ、吸気充填効率が高めら
れる。
【0048】図10において、曲線G10はかかる制御が
行われた場合のエンジン出力トルクのエンジン回転数に
対する特性を示し、曲線G11は拡大室32を圧力反転部
とする慣性過給を行われない場合の出力トルクを示して
いる。図10から明らかなとおり、拡大室32を圧力反
転部とする慣性過給が行われる場合は、エンジン回転数
がN1'を超える領域でエンジン出力トルクが高められて
いる。とくに、エンジン回転数がN1を超える領域で
は、第1実施例の場合とは違って両吸気ポート側で慣性
過給が行われるので、吸気充填効率が一層高められる。
このように、第2実施例によっても、低回転領域で混合
気の着火性・燃焼性を高めることができ、高回転領域で
吸気充填効率を高めることができる。
【0049】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、低回転領域
では、混合気供給ポートに供給される加圧エアの脈動が
拡大室で減衰させられるので、混合気供給ポートから燃
焼室内に流入する混合気の流速(流量)が均一化され、燃
焼室内での混合気の成層化が安定し、混合気の着火性・
燃焼性が高められる。他方、高回転領域では、吸気ポー
ト内で拡大室を圧力反転部とする慣性過給が行われ、吸
気充填効率が高められ、エンジン出力が高められる。こ
の場合、拡大室から吸気ポート下流端に至る圧力波伝播
経路長が比較的短くなるので、慣性過給における同調固
有振動数が高くなり、このため高回転領域での慣性過給
効果が高められる。
【0050】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、第1吸気ポ
ートがスワール生成ポートとされているので、低回転領
域ではスワールを強化しつつ、混合気供給ポートから燃
焼室内に混合気を供給することができ、燃焼室内での混
合気の成層化を一層促進することができ、着火性・燃焼
室が一層高められる。
【0051】第3の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、連通部が拡
大室と両吸気ポートの合流部とを連通させるので、高回
転領域での慣性過給効果がさらに高められる。また、ス
ワールコントロール弁が閉弁される領域では、連通部開
閉弁が部分的に開かれるので、混合気供給ポート側の過
剰なエアが吸気ポート側にリリーフされ、混合気供給ポ
ートへのエア供給量が一定化・適正化され、混合気の成
層化が一層促進・安定化される。かつ、スワールコント
ロール弁が開かれる領域では、連通部開閉弁が全開され
るので、吸気充填効率が一層高められる。
【0052】第4の発明によれば、基本的には第1〜第
3の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、高負荷・高回転領域では混合気供給ポート
への燃料供給が停止されるので、該高負荷・高回転領域
では燃焼室内の混合気が均質化されて均一燃焼が行わ
れ、エンジン出力が高められる。
【0053】第5の発明によれば、基本的には第1〜第
3の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、混合気供給ポートではマッハ係数が全運転
領域で0.4以上となるので、混合気供給ポートから燃
焼室内へ流入するエアの単位時間当たりの流量(流速)が
エンジン回転数にかかわりなくほぼ一定となる。このた
め、混合気供給ポートから燃焼室に流入した混合気の分
布位置が均一化され、成層化が安定し、着火性・燃焼性
が一層高められる。また、吸気ポートではマッハ係数が
全領域で0.4未満となるので、エンジン回転数の上昇
に伴って単位時間当たりのエア流量が増加し、エンジン
出力の制御性が良好となる。
【0054】第6の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、加圧エアが
第1吸気ポート側にリリーフされるので、この加圧エア
によって吸気充填効率が高められるとともに、スワール
が強化されて混合気の着火性・燃焼性が高められる。
【0055】第7の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、スワールコ
ントール弁が閉じられる領域では第2リリーフ通路を介
して第1吸気ポート側に加圧エアがリリーフされ、この
加圧エアによって吸気充填効率が高められるとともに、
スワールが強化されて混合気の着火性・燃焼性が高めら
れる。また、スワールコントール弁が開かれる領域では
第1リリーフ通路を介して両吸気ポート側に加圧エアが
リリーフされ、この加圧エアによって吸気充填効率が高
められる。
【0056】第8の発明によれば、低回転領域では、混
合気供給ポートに供給されるエアの脈動が拡大室で減衰
させられるので、混合気供給ポートから燃焼室内に流入
する混合気の流速(流量)が均一化され、燃焼室内での混
合気の成層化が安定し、混合気の着火性・燃焼性が高め
られる。他方、高回転領域では、拡大室を圧力反転部と
する慣性過給が行われ、吸気充填効率が高められ、エン
ジン出力が高められる。また、第1吸気ポートがスワー
ル生成ポートとされているので、低回転領域ではスワー
ルを強化しつつ、混合気供給ポートから燃焼室内に混合
気を供給することができ、燃焼室内での混合気の成層化
を一層促進することができ、着火性・燃焼性が一層高め
られる。さらに、拡大室から第2吸気ポート下流端に至
る圧力波伝播経路長が比較的短くなるので、慣性過給に
おける同調固有振動数が高くなり、このため高回転領域
での慣性過給効果が高められる。
【0057】第9の発明によれば、基本的には第8の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、混合気供給
ポートではマッハ係数が全運転領域で0.4以上となる
ので、混合気供給ポートから燃焼室内へ流入するエアの
単位時間当たりの流量(流速)がエンジン回転数にかかわ
りなくほぼ一定となる。このため、混合気供給ポートか
ら燃焼室に流入した混合気の分布位置が均一化され、成
層化が安定し、着火性・燃焼性が一層高められる。ま
た、吸気ポートではマッハ係数が全領域で0.4未満と
なるので、エンジン回転数の上昇に伴って単位時間当た
りのエア流量が増加し、エンジン出力の制御性が良好と
なる。
【0058】第10の発明によれば、基本的には第8の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、加圧エア
が第1吸気ポート側にリリーフされるので、この加圧エ
アによって吸気充填効率が高められるとともに、スワー
ルが強化されて混合気の着火性・燃焼性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示すエンジンのシステ
ム構成図である。
【図2】 図1に示すエンジンの縦断面説明図である。
【図3】 本発明の第2実施例を示すエンジンのシステ
ム構成図である。
【図4】 図3に示すエンジンの縦断面説明図である。
【図5】 第1実施例における、エンジン出力トルクの
エンジン回転数に対する特性を示す図である。
【図6】 第1実施例において、VICS弁をS弁の開
閉に伴って開閉するようにした場合の、充填効率のエン
ジン回転数に対する特性を示す図である。
【図7】 第1実施例における、エンジン出力トルクの
エンジン回転数に対する特性を示す図である。
【図8】 第1実施例における、エアの乱れの強さのエ
ンジン回転数に対する特性を示す図である。
【図9】 第1実施例における、エアポンプのエア吐出
量及び混合気供給ポートから燃焼室に流入するエア流量
の、エンジン回転数に対する特性を示す図である。
【図10】 第2実施例における、エンジン出力トルク
のエンジン回転数に対する特性を示す図である。
【符号の説明】
CE…エンジン C…コントロールユニット 2…燃焼室 3,4…第1,第2吸気ポート 7…混合気供給ポート 14…第2燃料噴射弁 20…混合気供給ポート開閉弁 24,25…第1,第2サージタンク 28…スワールコントール弁(S弁) 32…拡大室 33…エアポンプ 34,36…第1,第2リリーフ通路 35…リリーフ切替弁 37…連通部開閉弁(VICS弁) 38…連通穴 30…サージタンク 61…分岐吸気通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 35/104 F02M 35/10 102M 69/00 301P 360 69/00 350F 350G (72)発明者 荒木 啓二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−79404(JP,A) 特開 平3−279620(JP,A) 特開 昭58−38324(JP,A) 実開 昭63−22341(JP,U) 実開 昭62−18335(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 31/02 F02B 17/00 F02B 27/02 F02D 41/02 325 F02M 35/10 F02M 35/104 F02M 69/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に開口する一方、加圧エア供給源
    から加圧エアが供給されるともに燃料供給源から燃料が
    供給されこれらの加圧エアと燃料とで混合気を生成する
    混合気供給ポートと、 混合気供給ポートの燃焼室への開口部を、吸気行程後半
    から圧縮行程前半の間において所定期間だけ開く混合気
    供給ポート開閉弁とが設けられたエンジンの吸気装置に
    おいて、 混合気供給ポートの上流部に接続される拡大室と、該拡
    大室と吸気ポートの中途部とを連通させる連通部と、該
    連通部を開閉する連通部開閉弁とが設けられ、 拡大室と連通部とが、拡大室から吸気ポート下流端に至
    る吸気経路長がサージタンクから吸気ポート下流端に至
    る吸気経路長よりも短くなるように形成され、 連通部開閉弁が所定の高回転領域で開かれるようになっ
    ていることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジンの吸気装
    置において、 吸気ポートが、スワール生成ポートである第1吸気ポー
    トと、所定の運転領域で閉じられるスワールコントロー
    ル弁を備えた第2吸気ポートとに分けられていて、 連通部が拡大室と第2吸気ポートの中途部とを連通させ
    るように形成されていることを特徴とするエンジンの吸
    気装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたエンジンの吸気装
    置において、 吸気ポートが、スワール生成ポートである第1吸気ポー
    トと、所定の運転領域で閉じられるスワールコントロー
    ル弁を備えた第2吸気ポートとに分けられるとともに、
    各気筒毎に第1吸気ポートと第2吸気ポートとが上流側
    で合流させられていて、 連通部が拡大室と上記合流部とを連通させるように形成
    され、連通路開閉弁がスワールコントロール弁が閉じら
    れる領域で部分的に開かれ、かつスワールコントロール
    弁が開かれる領域で全開されるようになっていることを
    特徴とするエンジンの吸気装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記
    載されたエンジンの吸気装置において、 連通部開閉弁が所定の高負荷・高回転領域で開かれ、か
    つ該高負荷・高回転領域では混合気供給ポートへの燃料
    供給が停止もしくは減少され、吸気ポートからの燃料供
    給が実質的に開始されるようになっていることを特徴と
    するエンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記
    載されたエンジンの吸気装置において、 混合気供給ポートが、低回転領域における平均マッハ係
    数が0.4以上となるように形成され、 吸気ポートが、高回転領域における平均マッハ係数が
    0.4未満となるように形成されていることを特徴とす
    るエンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載されたエンジンの吸気装
    置において、 加圧エア供給源で加圧されたエアを第1吸気ポート側へ
    リリーフするリリーフ通路が設けられていることを特徴
    とするエンジンの吸気装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載されたエンジンの吸気装
    置において、 加圧エア供給源で加圧されたエアを両吸気ポート側へリ
    リーフする第1リリーフ通路と、第1吸気ポート側への
    みリリーフする第2リリーフ通路と、加圧されたエアを
    第1リリーフ通路へリリーフするかそれとも第2リリー
    フ通路へリリーフするかを切り替えるリリーフ切替手段
    とが設けられ、 該リリーフ切替手段が、スワールコントロール弁が開か
    れているときには加圧されたエアを第1リリーフ通路へ
    リリーフさせ、スワールコントロール弁が閉じられてい
    るときには加圧されたエアを第2リリーフ通路へリリー
    フさせるようになっていることを特徴とするエンジンの
    吸気装置。
  8. 【請求項8】 燃焼室に開口する一方、加圧エア供給源
    から加圧エアが供給されるともに燃料供給源から燃料が
    供給されこれらの加圧エアと燃料とで混合気を生成する
    混合気供給ポートと、 混合気供給ポートの燃焼室への開口部を、吸気行程後半
    から圧縮行程前半の間において所定期間だけ開く混合気
    供給ポート開閉弁とが設けられたエンジンの吸気装置に
    おいて、 吸気ポートが、スワール生成ポートである第1吸気ポー
    トと、所定の運転領域で閉じられるスワールコントロー
    ル弁を備えた第2吸気ポートとに分けられていて、 混合気供給ポートの上流部に接続される拡大室と、該拡
    大室と第2吸気ポートの中途部とを連通させる連通部
    と、該連通部を開閉する連通部開閉弁とが設けられ、 拡大室と連通部とが、拡大室から第2吸気ポート下流端
    に至る吸気経路長がサージタンクから第2吸気ポート下
    流端に至る吸気経路長よりも短くなるように形成され、 連通部開閉弁が、スワールコントロール弁が開かれる運
    転領域で開かれるようになっていることを特徴とするエ
    ンジンの吸気装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載されたエンジンの吸気装
    置において、 混合気供給ポートが、低回転領域における平均マッハ係
    数が0.4以上となるように形成され、 吸気ポートが、高回転領域における平均マッハ係数が
    0.4未満となるように形成されていることを特徴とす
    るエンジンの吸気装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載されたエンジンの吸気
    装置において、 加圧エア供給源で加圧されたエアを第1吸気ポート側へ
    リリーフするリリーフ通路が設けられていることを特徴
    とするエンジンの吸気装置。
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