JP3400865B2 - 導電性樹脂を利用したコンクリート用電極及びそれを用いたコンクリートの補修方法 - Google Patents

導電性樹脂を利用したコンクリート用電極及びそれを用いたコンクリートの補修方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材を内部に含むコン
クリートの電気化学的処理方法に関し、特にコンクリー
ト中の塩分を電気化学的に除去する方法、及び、中性化
したコンクリートにアルカリ性溶液を供給する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術とその課題】コンクリートは一般的には、
種々の環境に対する抵抗性が強く、又、強アルカリ性で
あるので、その内部にある鋼材は、鋼材表面に不動態被
膜を形成して腐食から保護され、その為に、コンクリー
ト構造物は耐久性の有る永久構造物であると考えられて
きた。しかしながら、この永久構造物と考えられてきた
コンクリート構造物も、中性化や塩害等の原因により、
その耐久性が低下し、構造物としての寿命に疑問が投げ
かけられるようになってきた。このような劣化したコン
クリート構造物を補修する方法として、コンクリート構
造物中の鉄筋をマイナス極とし、コンクリート表面に電
解質溶液を含浸させた電解質保持材を被覆し、この電解
質保持材にチタン等を用いた網目状の電極をプラス極に
して埋設し、両極間に電流を流し、コンクリート中の塩
素イオンを除去する脱塩処理又は、中性化を受けたコン
クリート内を再度アルカリ化する再アルカリ化処理と言
う電気化学的な手法を用いた補修工法が開示されている
(特開平1−176287号公報、特開平2−3023
84号公報)。
【0003】しかしながら、これらの手法を用いてコン
クリートの補修処理をする場合、電解質保持材を被覆す
る際に、プラス側の電極を均一に埋設する為に、被覆膜
厚を均一にする必要が有り、仮に部分的に被覆膜厚が厚
い箇所が有れば、脱落等の問題が生じる。又、電解質保
持材の被覆膜厚が不均一で有ると、プラス側の電極を埋
設時に部分的に埋設されない箇所が生じ、その埋設が不
十分な部分のコンクリート内部の脱塩及び再アルカリ化
処理がほとんど行なわれず、補修効果が現われない結果
となる。
【0004】これらの手法は、ある一定期間以上の通電
処理が必要で有り、この通電処理継続に伴ない、処理雰
囲気及び環境に応じて電解質保持材に含まれる電解質溶
液の経時的な蒸発が生じ、コンクリート構造物中の鉄筋
と電解質保持材中に埋設された電極の両極間の電圧値が
上昇する。この電圧値の上昇を防ぐ為に、電解質溶液の
経時的な蒸発分又は、それ以上の電解質溶液の定期的な
再供給が必要となり、処理工数の増加の一因となる。
【0005】又、電解質保持材中に埋設した電極は、脱
塩処理中にコンクリート内部より腐食性の高い塩素イオ
ンがコンクリート外部へ放出され、電解質保持材中に存
在する為、耐食性の高い材質の電極を使用する必要が有
る。例えば、純チタンや表面を白金等の貴金属でめっき
処理した材質等で有るが、これらは、かなり高価な材質
で有り、大幅なコストアップの原因となっている。
【0006】更に、これらの手法の場合、コンクリート
構造物中の鉄筋と電解質保持材中に埋設された電極の両
極間に電流を流す際に、最表面に電解質溶液を含む電解
質保持材が存在している為、感電の危険性を有した状態
のまま処理している。
【0007】本発明者らは、前記課題を解消すべく種々
検討した結果、電極として導電性を有する樹脂を使用す
ることにより、前記課題を解消できる知見を得て、本発
明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)
コンクリートの表面に設置した電極を外部電極とし、コ
ンクリート内部の鋼材を内部電極とし、外部電極間及び
/又は外部電極と内部電極間に電流を流す方法におい
て、外部電極が膜厚100〜1,000μmの導電性を有する樹
脂からなる、又は金属性外部電極が膜厚100〜1,000μm
導電性を有する樹脂により被覆されていることを特徴
とするコンクリート用電極、(2)導電性を有する樹脂
の体積抵抗率が103Ω・cm以下であることを特徴とする請
求項1記載のコンクリート用電極、(3)コンクリート
の表面に設置した電極を外部電極とし、コンクリート内
部の鋼材を内部電極とし、外部電極間及び/又は外部電
極と内部電極間に電流を流す方法において、(1)乃至
(2)記載の電極を用いることを特徴とするコンクリー
トの補修方法、(4)コンクリートの表面に設置した電
極を外部電極とし、コンクリート内部の鋼材を内部電極
とし、外部電極間及び/又は外部電極と内部電極間に電
解質溶液を含浸させた電解質保持材を有し、両極間に電
流を流す方法において、(1)乃至(2)記載の電極を
電解質保持材で被覆することを特徴とするコンクリート
の補修方法、(5)(1)乃至(2)記載の電極の表面
を更に絶縁性を有する樹脂で被覆することを特徴とする
(3)記載のコンクリートの補修方法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用する導電性を有する樹脂としては、樹脂内を均一に
電流を流す為に103 Ω・cm以下の体積抵抗率を有す
る必要があり、101 〜102 Ω・cmがより好まし
く、100 Ω・cm以下が最も好ましい。
【0010】又、導電性を有する樹脂の膜厚としては、
体積抵抗率と同様、樹脂内を均一に電流を流す為に、10
0〜1000μmの膜厚を有する必要が有り、300〜900μm
がより好ましい。1000μmを超えると、導電性を有する
樹脂が塗料の場合、液垂れを生じ易くなり、均一に塗布
する事が困難となってくる。
【0011】本発明で使用する導電性を有する樹脂に含
有されるの導電性フィラーとしては、一般に使用される
導電性材料であれば良く、例えば、導電性カーボンブラ
ック、グラファイト、銀・銅・ニッケル・ステンレス
粉、酸化スズ系、銅−銀・ニッケル−銀複合粉、銀コー
トガラスビーズ、カーボンバルーン等の粒子状、又はア
ルミニウムフレーク、ステンレスフレーク、ニッケルフ
レーク等のフレーク状、又はカーボン繊維、アルミニウ
ム繊維、黄銅繊維、銅繊維、ステンレス繊維、アルミニ
ウムリボン、メタライズドガラス繊維、カーボンコート
ガラス繊維、メタライズドカーボン繊維等の繊維状のい
ずれでも良い。また、粒子状、フレーク状、繊維状とな
るに従って、低充填で高い導電性が得られる傾向にある
ので、導電性カーボンブラック、グラファイトが特に好
ましい。
【0012】本発明の樹脂の被覆方法としては、吹き付
け法、浸漬引き上げ法、はけ塗り法、めっき法、粉末の
焼き付け法のいずれでも良いが、特に好ましくは、吹き
付け法である。
【0013】本発明で使用する電解質溶液を含浸させた
電解質保持材としては、パルプ、布及び不織布等の繊維
状物質、ゼオライト、シラスバルーン及び発泡ビーズ等
の無機、有機の多孔質材料、並びに吸水性の有機高分子
等が挙げられる。更に、それらの組み合わせ又は、成形
物の使用が好ましい。
【0014】本発明で使用する導電性を有する樹脂を使
用し、被覆を行なう金属性電極としては、各種金属材料
であれば問題無く、コスト的な面より鉄、鉄/亜鉛めっ
き、ステンレス、アルミニウム線材等の使用が好まし
い。又、導電性を有する樹脂を使用し、被覆を行なう電
極の形状としては、格子状、亀甲状、菱形状、リボン
状、線状、棒状、膜状のいずれでも良いが、特に好まし
くは、格子状又は亀甲状である。
【0015】導電性を有する樹脂上に設置する絶縁性を
有する樹脂としては、油性、アルキド系、アミノアルキ
ド系、不飽和ポリエステル系、エポキシ系、ポリウレタ
ン系、水溶性高分子、熱硬化性アクリル系、エマルジョ
ン、ラッカー、ビニルゾル、粉末塗料等の導電性を有し
ていない樹脂で有れば良い。又、絶縁性を有する樹脂の
膜厚としては、導電性を有する樹脂を被覆可能な最低限
の膜厚以上で有れば良く、一般的に膜厚が均一となる1
00μm以上が好ましい。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例には限定されるものではな
い。 実施例1 電極設置可能な塩ビ製の容器内を1規定の塩化ナトリウ
ム水溶液で満たした。マイナス電極として、格子状のチ
タン/白金めっき電極をセットし、プラス電極として、
チタン/白金めっき電極、チタン電極、鉄電極、アルミ
ニウム電極、鉄電極表面を導電性塗料にて完全に被覆し
た電極、アルミニウム電極表面を導電性塗料にて完全に
被覆した格子状の電極を各々セットした。
【0017】使用塗料としては、エポキシ樹脂100重
量部に導電性フィラーとしてグラファイトを150重量
部含有する、体積抵抗率8.2×100 Ω・cmの導電
性塗料であり、吹き付け法にて電極表面を膜厚500〜
600μmで被覆した。定電流直流電源を用いて、通電
時の電流密度としては、5A/m2 にて3週間通電し
た。そして、通電期間中のプラス電極の電極状態、及
び、両極間の電圧値を測定した。結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1より鉄、アルミニウムに関しては、数
日後に電極自体が腐食され溶解したのに対し、表面を導
電性塗料にて被覆した電極に関しては、参考例の従来の
チタン/白金めっき電極と同等の電圧値にて推移してお
り、電極表面を導電性塗料にて被覆することにより、よ
り安価で安定した電極を得ることができる。
【0020】実施例2 セメント100重量部に細骨材250重量部、粗骨材4
00重量部を混合し、水セメント比54%で、塩素イオ
ン量がセメント100重量部に対して、2重量部となる
様に塩化ナトリウムを含有したコンクリートを混練し
た。このコンクリートを用いて、横幅1.2m、縦幅
1.2m、厚み0.15mのコンクリートパネル板を作
製した。この際、コンクリート内部に横幅1.0m,縦
幅1.0m,ピッチ0.2mの格子状のφ13mmの異
形鉄筋を組み込み、内部鉄筋とした。尚、この内部鉄筋
には、マイナス極用のリード線を結線しておいた。
【0021】次に、コンクリートパネル表面をセルロー
ス系ファイバーの電解質保持材にて被覆した。電解質溶
液としては水道水を使用した。この電解質保持材中に格
子状の鉄電極表面を体積抵抗率1.3×101 Ω・cm
の導電性塗料を使用し、膜厚300〜400μmに被覆
した電極を埋設した。内部鉄筋をマイナス極、電解質保
持材中に埋設した電極をプラス極とし、定電流直流電源
を用いて、電解質溶液は1日当たり1リットル供給し
て、4週間通電した。そして通電期間中の両極間の電圧
値及び、コンクリート内部に含有されている塩素イオン
量を測定した。結果を表2に示す。
【0022】<コンクリートパネル用使用材料> セメント:電気化学工業(株)社製 普通ポルトランド
セメント 水 :水道水 細骨材 :姫川産川砂 比重=2.62 F.M.=
2.75 粗骨材 :姫川産砕石 比重=2.65 F.M.=
6.26 塩化ナトリウム:食卓用精製塩 NaCl純度99.0
【0023】
【表2】
【0024】表2より、格子状の鉄表面を導電性塗料に
て被覆した電極を使用することにより、参考例として挙
げた従来使用の電極と同等の効果が得られており、電極
表面を導電性塗料にて被覆した電極を使用することによ
り、より安価で、安定した電極を得ることができる。
【0025】実施例3 電極被覆に使用する塗料の体積抵抗率と被覆膜厚によ
り、外部電極としての評価を行なった。評価方法として
は、実施例1と同一方法である。外部電極としては、鉄
電極表面を導電性塗料にて被覆した電極を使用し、プラ
ス極の腐食の程度を電圧の上昇を目安として、両極間の
電圧値が安定しているかどうか評価した。結果を表3に
示す。
【0026】
【表3】
【0027】〈測定方法〉 体積抵抗率:四探針プローブ間の電位差Vと電流Iから
抵抗値を求め、次式より体積抵抗率に換算する。 体積抵抗率=RCF×t×V/I RCFは、抵抗率補正係数であり、tは試料の膜厚であ
る。 被膜膜厚:非鉄金属上に導電性樹脂を塗布し、一定の高
周波電流を流した誘導コイルを接触させると、非鉄金属
上に渦電流が生じ、この渦電流の電流変化と導電性樹脂
の膜厚との間には直線関係が存在する為、電流変化より
膜厚換算。
【0028】実施例4 セメント100重量部に細骨材250重量部、粗骨材4
00重量部を混合し、水セメント比54%で、塩素イオ
ン量がセメント100重量部に対して、2重量部となる
様に塩化ナトリウムを含有したコンクリートを混練し
た。このコンクリートを用いて、横幅1.2m、縦幅
1.2m、厚み0.15mのコンクリートパネル板を作
製した。この際、コンクリート内部に横幅1.0m、縦
幅1.0m、ピッチ0.2mの格子状のφ13mmの異
形鉄筋を組み込み、内部鉄筋とした。尚、この内部鉄筋
には、マイナス極用のリード線を結線しておいた。次
に、作製した供試体上に導電性を有する塗料を塗布し
た。使用塗料としては、エポキシ樹脂100重量部に導
電性フィラーとしてグラファイトを150重量部含有す
る、体積抵抗率8.2×100 Ω・cmの導電性塗料で
あり、膜厚500±50μmにて塗布した。又、導電性
塗料内への電源供給部として、コンクリートパネルの一
部にチタンメッシュを取り付け、その部分にプラス極の
リード線を結線した。導電性塗料内の溶剤を完全に揮発
させる為に塗料塗布後、1日放置した後に内部鉄筋をマ
イナス極、導電性の塗料をプラス極とし、定電流直流電
源を用いて、4週間通電した。そして、通電期間中の両
極間の電圧値、塗膜自体の抵抗値及び通電終了時点での
コンクリート内部に含有されている塩素イオン量を測定
した。結果を表4に示す。尚、コンクリートパネル用使
用材料は、実施例2と同様である。
【0029】
【表4】
【0030】比較例1 実施例4と同様のコンクリートパネルに、チタンメッシ
ュ及び、電解質溶液を含むセルロースファイバーを吹き
付け、電圧が20〜40Vで4週間通電した。4週間後
の塩素イオン残存率が35%程度になる様、電流値を調
整する為に電解質溶液を供給したところ、平均して毎日
1リットルの溶液の供給が必要であった。従って、毎日
1リットルもの溶液を4週間もの間、供給し続けなけれ
ばならなかった。
【0031】実施例5、比較例2 実施例4に用いたコンクリートパネルと同形状の供試体
を使用し、次にコンクリートパネル表面をセルロース系
ファイバーの電解質保持材にて被覆した。電解質溶液と
しては水道水を使用した。この電解質保持材上を実施例
4にて使用した導電性の塗料にて膜厚500±50μm
に被覆した。被覆時に電源供給部としてチタンメッシュ
を一部使用した。塗料塗布後、1日放置後に内部鉄筋を
マイナス極、導電性の塗料を塗布した供試体をプラス極
とし、定電流直流電源を用いて4週間通電した。そし
て、通電期間中の両極間の電圧値及び電解質保持材の含
水率につき測定した。又、セルロースファイバー上に導
電性塗料を吹き付けない工法による結果を比較例2とし
た。結果を表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】表5より、電解質保持材上を導電性の塗料
により完全に被覆することにより、電解質溶液の蒸発を
抑えることが可能であり、安定した処理を長時間行なう
ことができる。
【0034】実施例6 実施例4にて通電終了した導電性の塗料を設置したコン
クリートパネル上に、絶縁性塗料としてエポキシ樹脂塗
料を700〜900μm塗布し、導電性の塗料表面を完
全に被覆した。次に、コンクリートパネルに再度通電
し、コンクリート表面と絶縁塗料塗布面間及びコンクリ
ート表面と絶縁性塗料未塗布面間の電圧の測定結果及
び、コンクリート外観検査結果を表6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】表6より、導電性の塗料表面を絶縁性の塗
料にて被覆することにより、表面は完全に絶縁され、感
電の危険性を全く無くすことができる。又、補修終了後
のコンクリート外観は絶縁性の塗料を塗布することによ
り、導電性の塗料を含め全体の塗料膜厚が増える為、コ
ンクリートに元来存在していた、ひび割れ、クラック等
を覆うことができ、更にコンクリートの美観を向上させ
ることができる。
【0037】
【発明の効果】 (1)コンクリート表面に設置する電極表面が導電性を
有する樹脂により被覆されていることにより、より安価
で安定した電極を得ることができ、且つ腐食性雰囲気に
さらされた電極の保護効果を有する。 (2)外部電極が導電性を有する樹脂によりなること又
は金属性電極を導電性を有する樹脂にて被覆することに
より、より簡便な方法にて均一にコンクリートの補修処
理を行なうことができる。又、電解質保持材上に使用す
る際には、電解質溶液の蒸発を防ぐ効果を有する。更に
導電性の樹脂上に、絶縁性を有する樹脂を被覆すること
により、感電の危険性を避けられ、且つ、コンクリート
美観を向上させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に用いたテスト方法の概略図である
【図2】実施例2に用いた処理方法の概略図である
【図3】比較例1、2に用いた処理方法の概略図であ
る。
【図4】実施例4に用いた処理方法の概略図である。
【図5】実施例5に用いた処理方法の概略図である。
【図6】実施例6に用いた処理方法の概略図である。
【符号の説明】
1 電解質保持材 2 チタンメッシュ 3 コンクリートパネル 4 内部鉄筋 5 導電性塗料 6 絶縁性塗料 7 直流電源 8 塩ビ製容器 9 塩化ナトリウム水溶液 10 電極 11 導電性樹脂被覆電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−294758(JP,A) 特開 平3−93682(JP,A) 特開 昭62−199785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/80 - 41/72

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートの表面に設置した電極を外
    部電極とし、コンクリート内部の鋼材を内部電極とし、
    外部電極間及び/又は外部電極と内部電極間に電流を流
    す方法において、外部電極が膜厚100〜1,000μmの導電
    性を有する樹脂からなる、又は金属性外部電極が膜厚10
    0〜1,000μmの導電性を有する樹脂により被覆されてい
    ることを特徴とするコンクリート用電極。
  2. 【請求項2】 導電性を有する樹脂の体積抵抗率が103
    Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1記載のコン
    クリート用電極。
  3. 【請求項3】 コンクリートの表面に設置した電極を外
    部電極とし、コンクリート内部の鋼材を内部電極とし、
    外部電極間及び/又は外部電極と内部電極間に電流を流
    す方法において、請求項1乃至2記載の電極を用いるこ
    とを特徴とするコンクリートの補修方法。
  4. 【請求項4】 コンクリートの表面に設置した電極を
    外部電極とし、コンクリート内部の鋼材を内部電極と
    し、外部電極間及び/又は外部電極と内部電極間に電解
    質溶液を含浸させた電解質保持材を有し、両極間に電流
    を流す方法において、請求項1乃至2記載の電極を電解
    質保持材で被覆することを特徴とするコンクリートの補
    修方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至2記載の電極の表面を更に
    絶縁性を有する樹脂で被覆することを特徴とする請求項
    3記載のコンクリートの補修方法。
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