JP7377460B2 - 電気防食工法、埋戻材の選定方法、排流端子の設置方法、および、コンクリート構造物 - Google Patents
電気防食工法、埋戻材の選定方法、排流端子の設置方法、および、コンクリート構造物 Download PDFInfo
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Description
しかしながら、既存のコンクリート構造物の電気抵抗率が埋戻部の電気抵抗率よりも高い場合、防食電流が埋戻部に集中し、埋戻部以外の領域への防食電流の供給量が減少することになる。このため、埋戻部以外の位置では、電気防食を効果的に行うことができない虞がある。又は、埋戻部以外の部分で効果的な電気防食が行えるように防食電流の供給量を設定すると、埋戻部における防食電流の供給量が過剰になり、コンクリート構造物全体での電気防食の効率が低下することになる。
電気防食の対象となるコンクリート構造物中の鋼材が露出するようにコンクリートを斫り取って凹部を形成し、鋼材における凹部内に露出した部分に排流端子を連結し、凹部を埋戻材で埋め戻して埋戻部を形成する電気防食工法において、
基準埋戻材で形成した基準埋戻部と基準コンクリートで形成した基準コンクリート部とを備える基準構造物における基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、
基準構造物に埋設された鋼材に基準構造物に設置した陽極材から電流を供給する電流供給工程を行った際に基準埋戻部および基準コンクリート部における鋼材の分極量が100mVとなるときの基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である基準電気抵抗率比と、
の関係を示す散布図に基づいて、対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比を求め、
該対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて要求電気抵抗率を算出し、該要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を形成する。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
基準埋戻部の電気抵抗率が異なる複数の基準構造物のそれぞれにおける基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である個別基準電気抵抗率比と、
各基準構造物に前記電流供給工程を行って基準コンクリート部における鋼材の分極量を100mVとした際の基準埋戻部における鋼材の分極量と、
の関係を示す散布図を作成し、該散布図に基づいて個別基準電気抵抗率比に対する基準埋戻部における鋼材の分極量の近似曲線を作成し、
該近似曲線に基づいて基準埋戻部における鋼材の分極量が100mVであるときの個別基準電気抵抗率比を求め、該個別基準電気抵抗率比を前記基準電気抵抗率比とすることが好ましい。
基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量が異なる複数の基準構造物のそれぞれにおける基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、前記複数の基準構造物のそれぞれにおける前記基準電気抵抗率比と、
の関係を示す散布図を作成し、該散布図に基づいて塩化物イオンの含有量に対する基準電気抵抗率比の近似曲線を作成し、
該近似曲線に基づいて対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する対象電気抵抗率比を求めることが好ましい。
電気防食の対象となるコンクリート構造物中の鋼材が露出するようにコンクリートを斫り取って凹部を形成し、鋼材における凹部内に露出した部分に排流端子を連結し、凹部を埋戻材で埋め戻して埋戻部を形成する際の埋戻材の選定方法であって、
基準埋戻材で形成した基準埋戻部と基準コンクリートで形成した基準コンクリート部とを備える基準構造物における基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、
基準構造物に埋設された鋼材に基準構造物に設置した陽極材から電流を供給する電流供給工程を行った際に基準埋戻部および基準コンクリート部における鋼材の分極量が100mVとなるときの基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である基準電気抵抗率比と、
の関係を示す散布図に基づいて、対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比を求め、該対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて要求電気抵抗率を算出し、該要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を形成する埋戻材を選定する。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
電気防食の対象となるコンクリート構造物中の鋼材が露出するようにコンクリートを斫り取って凹部を形成し、鋼材における凹部内に露出した部分に排流端子を連結し、凹部を埋戻材で埋め戻して埋戻部を形成する排流端子の設置方法であって、
基準埋戻材で形成した基準埋戻部と基準コンクリートで形成した基準コンクリート部とを備える基準構造物における基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、
基準構造物に埋設された鋼材に基準構造物に設置した陽極材から電流を供給する電流供給工程を行った際に基準埋戻部および基準コンクリート部における鋼材の分極量が100mVとなるときの基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である基準電気抵抗率比と、
の関係を示す散布図に基づいて、対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比を求め、該対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて要求電気抵抗率を算出し、該要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を形成する。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
電気防食の対象となるコンクリート構造物中の鋼材が露出するようにコンクリートが斫り取られて形成された凹部と、鋼材における凹部内に露出した部分に連結された排流端子と、凹部が埋戻材で埋め戻されて形成された埋戻部とを備えるコンクリート構造物であって、
基準埋戻材で形成した基準埋戻部と基準コンクリートで形成した基準コンクリート部とを備える基準構造物における基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、基準構造物に埋設された鋼材に基準構造物に設置した陽極材から電流を供給する電流供給工程を行った際に基準埋戻部および基準コンクリート部における鋼材の分極量が100mVとなるときの基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である基準電気抵抗率比と、の関係を示す散布図における対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて算出される要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を備える。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
塩化物イオンの含有量は、JIS A 1154(硬化コンクリート中に含まれる塩化物試験方法)の規定に基づいて測定することができる。
図2に示すように、基準埋戻材で形成した基準埋戻部10aと基準コンクリートで形成した2つの基準コンクリート部10bとを備える基準構造物10を作成する。該基準構造物10には、鋼材10cが埋設されると共に、陽極材20が設置される。具体的には、基準埋戻部10aおよび基準コンクリート部10bのそれぞれに、鋼材10cおよび陽極材20が埋設される。
各鋼材10cは、抵抗器R1~R3を介して直流電源装置X1に並列に電気的に連結される。また、基準埋戻部10aの陽極材20は、2つの基準コンクリート部10bの陽極材20と電気的に連結される。そして、基準埋戻部10aの陽極材20が直流電源装置X1に電気的に連結される。
また、基準コンクリート部10bとしては、塩化物イオンの含有量が異なるものを複数準備する。
そして、塩化物イオンの含有量が同一の2つの基準コンクリート部10bの間に一つの基準埋戻部10aを配置して導電性クリームを塗布して密着させることで、基準構造物10を作製する。つまり、基準コンクリート部10bの塩化物イオンの含有量と基準埋戻部10aの電気抵抗率との組み合わせが異なる複数の基準構造物10を作製する。
基準埋戻部10aおよび基準コンクリート部10bの電気抵抗率を以下の方法で求める。なお、電気抵抗率は、基準構造物10において陽極材20から鋼材10cへ電流を供給する前に求める。
具体的には、図3(a)(b)に示すように、基準埋戻部10a(または基準コンクリート部10b)に位置する陽極材20と鋼材10cとを交流電源装置X2及び電位差計V1に電気的に接続する。また、鋼材10cと交流電源装置X2との間に、抵抗器R4を電気的に接続すると共に該抵抗器R4にかかる電圧を測定する電位差計V2を電気的に接続する。
そして、電位差計V1で測定される電圧V1、電位差計V2で測定される電圧V2、抵抗器R4の抵抗値R0、および、下記(2)式に基づいて、基準埋戻部10a(または基準コンクリート部10b)の電気抵抗率を求める。
電気抵抗率=V1/I=V1/(V2/R0)…(2)
(V1:基準埋戻部10a(または基準コンクリート部10b)にかかる交流電圧,V2:抵抗器R4にかかる電圧,I:回路に流れる電流値,R0:抵抗器R4の抵抗値)
各基準構造物10それぞれについて、下記(3)式に基づいて、基準コンクリート部10bの電気抵抗率に対する基準埋戻部10aの電気抵抗率の比(個別基準電気抵抗率比)を算出する。
個別基準電気抵抗率比=
基準埋戻部の電気抵抗率/基準コンクリート部の電気抵抗率…(3)
各基準構造物10それぞれについて、陽極材20から鋼材10cへ電流を供給し(電流供給工程)、基準コンクリート部10bに位置する鋼材10cの分極量(基準コンクリート部分極量)が100mVとなる際の基準埋戻部10aに位置する鋼材10cの分極量(以下では、「基準埋戻部分極量」とも記す)を求める。
基準埋戻部分極量および基準コンクリート部分極量は、以下の方法で求めることができる。
具体的には、図4(a)(b)に示すように、基準埋戻部10aおよび基準コンクリート部10bのそれぞれに鉛照合電極X3を設置し、基準埋戻部10aおよび基準コンクリート部10bそれぞれの鉛照合電極X3と、基準埋戻部10aおよび基準コンクリート部10bそれぞれに位置する鋼材10cとを電気的に接続する。また、鋼材10cと鉛照合電極X3との間に電位差計V3を接続する。そして、鋼材10cへ陽極材20から電流が供給されていない状態において、鉛照合電極X3を基準に鋼材10cの電位(自然電位)を測定する。
また、基準構造物10において陽極材20から鋼材10cに電流を供給し(電流供給工程)、鋼材10cの電位を安定させた後、電流を遮断し、その直後に基準埋戻部10aおよび基準コンクリート部10bそれぞれの鋼材10cの電位(インスタントオフ電位)を鉛照合電極X3を基準に測定する。そして、下記(4)式に基づいて、基準コンクリート部分極量および基準埋戻部分極量を算出する。
分極量=鋼材10cの自然電位―鋼材10cのインスタントオフ電位…(4)
基準コンクリート部10bの塩化物イオンの含有量が同一であり、且つ、基準埋戻部10aの電気抵抗率が異なる複数の基準構造物10のそれぞれについて、個別基準電気抵抗率比と、基準埋戻部分極量(即ち、基準コンクリート部分極量が100mVとなる際の基準埋戻部10aに位置する鋼材10cの分極量)との関係を示す散布図を作成する。
そして、斯かる散布図の近似曲線(累乗近似曲線)における基準埋戻部分極量が100mVである際の個別基準電気抵抗率比を求め、該個別基準電気抵抗率比を基準電気抵抗率比とする。該基準電気抵抗率比は、基準埋戻部10aおよび基準コンクリート部10bそれぞれに位置する鋼材10cの分極量が共に100mVとなる際の基準コンクリート部10bの電気抵抗率に対する基準埋戻部10aの電気抵抗率の比である。
基準電気抵抗率比は、基準コンクリート部10bの塩化物イオンの含有量が異なる基準構造物10毎に求める。これにより、異なる塩化物イオンの含有量のそれぞれに対応した基準電気抵抗率比を得ることができる。
そして、該散布図の近似曲線に基づいて、対象コンクリート構造物1の塩化物イオンの含有量に対応した基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比を求める。
更に、該対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物1の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて要求電気抵抗率を算出し、該要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部4を形成する埋戻材を選定する。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
セメント(C)、細骨材(S)、セメント混和用ポリマー(P)、及び、水(W)を材料とし、図5(a)に示す条件で、基準埋戻部10a(サイズ:100mm×100mm×100mm)を複数作製した。各基準埋戻部10aの電気抵抗率は、W/C、S/C、P/Cを変動させることにより調節した。各基準埋戻部10aの電気抵抗率は、上記実施形態の測定方法で測定した。各基準埋戻部10aの塩化物イオンの含有量、及び、電気抵抗率は、下記表1~3に示す。
鋼材10cとしては、D13鉄筋(長さ:80mm)を使用した。また、陽極材20としては、チタンリボンメッシュ陽極材(サイズ:12.7mm×120mm×1mm)を使用した。
塩化物イオンの含有量が下記表1~3の数値となる基準コンクリート部10b(サイズ:100mm×100mm×100mm)を、図5(b)に示す条件で複数作製した。鋼材10cとしては、D13鉄筋(長さ:120mm)を使用した。また、陽極材20としては、チタンリボンメッシュ陽極材(サイズ:12.7mm×120mm×1mm)を使用した。
また、基準コンクリート部10bの電気抵抗率を上記実施形態の測定方法で測定した。基準コンクリート部10bの電気抵抗率は、下記表1~3に示す。
塩化物イオンの含有量が同一の2つの基準コンクリート部10bの間に1つの基準埋戻部10aを配置し、上記実施形態と同様に複数の基準構造物10を作成した。
各基準構造物10のそれぞれにおいて、基準コンクリート部10bの電気抵抗率に対する基準埋戻部10aの電気抵抗率の比(個別基準電気抵抗率比)を上記実施形態と同様の方法で求めた。各基準構造物10それぞれの個別基準電気抵抗率比については、下記表1~3に示す。
上記実施形態と同様に、各基準構造物それぞれについて、基準コンクリート部分極量が100mVとなる際の基準埋戻部分極量を上記実施形態と同様の方法で求めた。基準埋戻部分極量については、下記表1~3に示す。
基準コンクリート部10bの塩化物イオンの含有量が同一であり、且つ、基準埋戻部10aの電気抵抗率が異なる複数の基準構造物10のそれぞれについて、個別基準電気抵抗率比と、基準埋戻部分極量(即ち、基準コンクリート部分極量が100mVとなる際の基準埋戻部10aに位置する鋼材10cの分極量)との関係を示す散布図を作成した。該散布図は、基準コンクリート部10bの塩化物イオンの含有量が異なる基準構造物10毎に作成した。個別基準電気抵抗率比と基準埋戻部分極量との関係を示す散布図は、図6~8に示す。
また、各散布図における近似曲線(累乗近似曲線)を作成し、各近似曲線の数式から基準埋戻部分極量が100mVの時の個別基準電気抵抗率比を算出し、該個別基準電気抵抗率比を基準電気抵抗率比とした。基準コンクリート部10bの塩化物イオンの含有量と基準電気抵抗率比は、下記表4に示す。
各基準コンクリート部10bの塩化物イオンの含有量と該塩化物イオンの含有量に対応した基準電気抵抗率比との関係(表4の関係)を示す散布図を作成すると共に、近似曲線(指数近似曲線)を作成した。散布図は、図9に示す。
基準コンクリート部10bの塩化物イオンの含有量と基準電気抵抗率比との関係を示す散布図の近似曲線(図9の近似曲線)よりも上の領域は、基準コンクリート部分極量が100mVとなるように基準構造物10の陽極材20から鋼材10cに電流を供給した際に、基準埋戻部分極量が100mVを超えない領域である。
そこで、図9の近似曲線に基づいて、電気防食の対象となる対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比を求める。そして、該対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量と、電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて、要求電気抵抗率を算出し、該要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を形成するような埋戻材を選定する。
要求電気抵抗率=基準電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
これにより、対象コンクリート構造物における埋戻部以外の領域に位置する鋼材で100mV程度の分極を生じさせても埋戻部に位置する鋼材では100mVを超えないことになる。このため、埋戻部以外の領域で効果的な電気防食を行いつつ、埋戻部では鋼材に過剰な電流が供給されるのを抑制することができる。
Claims (6)
- 電気防食の対象となるコンクリート構造物中の鋼材が露出するようにコンクリートを斫り取って凹部を形成し、鋼材における凹部内に露出した部分に排流端子を連結し、凹部を埋戻材で埋め戻して埋戻部を形成する電気防食工法において、
基準埋戻材で形成した基準埋戻部と基準コンクリートで形成した基準コンクリート部とを備える基準構造物における基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、
基準構造物に埋設された鋼材に基準構造物に設置した陽極材から電流を供給する電流供給工程を行った際に基準埋戻部および基準コンクリート部における鋼材の分極量が100mVとなるときの基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である基準電気抵抗率比と、
の関係を示す散布図に基づいて、対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比を求め、
該対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて要求電気抵抗率を算出し、該要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を形成する、
電気防食工法。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
- 基準埋戻部の電気抵抗率が異なる複数の基準構造物のそれぞれにおける基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である個別基準電気抵抗率比と、
各基準構造物に前記電流供給工程を行って基準コンクリート部における鋼材の分極量を100mVとした際の基準埋戻部における鋼材の分極量と、
の関係を示す散布図を作成し、該散布図に基づいて個別基準電気抵抗率比に対する基準埋戻部における鋼材の分極量の近似曲線を作成し、
該近似曲線に基づいて基準埋戻部における鋼材の分極量が100mVであるときの個別基準電気抵抗率比を求め、該個別基準電気抵抗率比を前記基準電気抵抗率比とする、
請求項1に記載の電気防食工法。 - 基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量が異なる複数の基準構造物のそれぞれにおける基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、前記複数の基準構造物のそれぞれにおける前記基準電気抵抗率比と、
の関係を示す散布図を作成し、該散布図に基づいて塩化物イオンの含有量に対する基準電気抵抗率比の近似曲線を作成し、
該近似曲線に基づいて対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する対象電気抵抗率比を求める、
請求項1または2に記載の電気防食工法。 - 電気防食の対象となるコンクリート構造物中の鋼材が露出するようにコンクリートを斫り取って凹部を形成し、鋼材における凹部内に露出した部分に排流端子を連結し、凹部を埋戻材で埋め戻して埋戻部を形成する際の埋戻材の選定方法であって、
基準埋戻材で形成した基準埋戻部と基準コンクリートで形成した基準コンクリート部とを備える基準構造物における基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、
基準構造物に埋設された鋼材に基準構造物に設置した陽極材から電流を供給する電流供給工程を行った際に基準埋戻部および基準コンクリート部における鋼材の分極量が100mVとなるときの基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である基準電気抵抗率比と、
の関係を示す散布図に基づいて、対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比を求め、該対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて要求電気抵抗率を算出し、該要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を形成する埋戻材を選定する、
埋戻材の選定方法。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
- 電気防食の対象となるコンクリート構造物中の鋼材が露出するようにコンクリートを斫り取って凹部を形成し、鋼材における凹部内に露出した部分に排流端子を連結し、凹部を埋戻材で埋め戻して埋戻部を形成する排流端子の設置方法であって、
基準埋戻材で形成した基準埋戻部と基準コンクリートで形成した基準コンクリート部とを備える基準構造物における基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、
基準構造物に埋設された鋼材に基準構造物に設置した陽極材から電流を供給する電流供給工程を行った際に基準埋戻部および基準コンクリート部における鋼材の分極量が100mVとなるときの基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である基準電気抵抗率比と、
の関係を示す散布図に基づいて、対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比を求め、該対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて要求電気抵抗率を算出し、該要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を形成する、
排流端子の設置方法。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
- 電気防食の対象となるコンクリート構造物中の鋼材が露出するようにコンクリートが斫り取られて形成された凹部と、鋼材における凹部内に露出した部分に連結された排流端子と、凹部が埋戻材で埋め戻されて形成された埋戻部とを備えるコンクリート構造物であって、
基準埋戻材で形成した基準埋戻部と基準コンクリートで形成した基準コンクリート部とを備える基準構造物における基準コンクリート部の塩化物イオンの含有量と、基準構造物に埋設された鋼材に基準構造物に設置した陽極材から電流を供給する電流供給工程を行った際に基準埋戻部および基準コンクリート部における鋼材の分極量が100mVとなるときの基準コンクリート部の電気抵抗率に対する基準埋戻部の電気抵抗率の比である基準電気抵抗率比と、の関係を示す散布図における対象コンクリート構造物の塩化物イオンの含有量に対応する基準電気抵抗率比である対象電気抵抗率比と、対象コンクリート構造物の電気抵抗率と、下記(1)式と、に基づいて算出される要求電気抵抗率を超える電気抵抗率を有する埋戻部を備え、
前記埋戻部は、塩化物イオンを含まない、
コンクリート構造物。
要求電気抵抗率=対象電気抵抗率比×対象コンクリート構造物の電気抵抗率…(1)
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