JP3400597B2 - 超電導回転電機の回転子及びその製造方法 - Google Patents

超電導回転電機の回転子及びその製造方法

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JP3400597B2 JP06800795A JP6800795A JP3400597B2 JP 3400597 B2 JP3400597 B2 JP 3400597B2 JP 06800795 A JP06800795 A JP 06800795A JP 6800795 A JP6800795 A JP 6800795A JP 3400597 B2 JP3400597 B2 JP 3400597B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超電導回転電機の回
転子及びその製造方法に関し、特に超電導界磁コイルを
固定するとともにコイル冷却用の冷媒を密封する冷媒外
筒のコイル取付軸への嵌着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は例えば実開昭59−10358
7号公報に示された従来の超電導回転電機の回転子を示
す断面図、図15は図14のXV−XV線断面図であ
る。図において、中空のトルクチューブ1は、コイル取
付軸2とその両端に形成されたトルク伝達部3とからな
っている。コイル取付軸2の外周部には、スロット溝2
0が設けられ、超電導界磁コイル4が収納されている。
【0003】コイル取付軸3の外周部には、さらに冷媒
外筒であるへリウム外筒7が嵌着されており、さらにそ
の外側には低温ダンパ6が嵌着されている。ヘリウム外
筒7は、長尺の薄肉円筒材により構成され、コイル取付
軸2に焼き嵌められている。低温ダンパ6のさらに外側
には、トルクチューブ1と同じ長さを持つ常温ダンパ5
がトルクチューブ1と同心に配設されている。
【0004】トルクチューブ1及び常温ダンパ5の両端
部には、駆動側端部軸9及び反駆動側端部軸10が結合
されている。これらの端部軸9,10は、それぞれ軸受
11で軸支されている。また、反駆動側端部軸10には
スリップリング12が設けられ、超電導界磁コイル4に
界磁電流が供給されるようになっている。
【0005】コイル取付軸2の両端部には、ヘリウム端
板8が取り付けられている。トルク伝達部3の外周には
熱交換器13が、また内側には側部輻射シールド14が
それぞれ配設されている。トルク伝達部3,低温ダンパ
6及び常温ダンパ5の内側には、それぞれ熱遮蔽のため
の真空部15が形成されている。コイル取付軸2の内側
には、冷媒であるヘリウムの液溜め部16が形成されて
いる。
【0006】液溜め部16内に設けられた伝熱円板17
は、コイル取付軸2とは異なり、銅,銅合金,アルミニ
ウム,アルミニウム合金又はチタンのような熱伝導率の
大きな材料からなり、中空孔を有するもので、コイル取
付軸2の内壁に回転子軸線方向と直交するように取り付
けられている。
【0007】上記のように構成された従来の超電導回転
電機の回転子においては、極低温、例えば4.2Kに冷
却され超電導状態にされた超電導界磁コイル4に電流を
流すことによって、超電導界磁コイル4に磁界を発生さ
せて、固定子(図示せず)に交流電力を発生させる。こ
のとき、超電導界磁コイル4を極低温に保つために、冷
媒である液体ヘリウムが、反駆動側端部軸10の中央部
から導入管(図示せず)を通じ、ヘリウム外筒7及びヘ
リウム端板8により形成される液体ヘリウム収容部に供
給される一方、回転子内部が真空部15で熱遮蔽され
る。
【0008】さらに、コイル取付軸2にトルクを伝える
トルク伝達部3を薄肉円筒とするとともに、熱交換器1
3を設けることにより、トルク伝達部3を経て極低温部
に流入する熱量が制限されている。また、側部輻射シー
ルド14により、軸方向側面からの熱輻射が低減され
る。
【0009】常温ダンパ5は真空外筒として、低減ダン
パ6はヘリウム収容部への輻射シールドとしてそれぞれ
機能している。また、これらは、固定子からの高調波磁
界をシールドして超電導界磁コイル4を保護するととも
に、電力系統の擾乱による回転子の振動を抑制するよう
に機能する。
【0010】ヘリウム外筒7は、スロット溝20内に収
納された超電導界磁コイル4を強固に固定する。このヘ
リウム外筒7の両端部は、コイル取付軸2に溶接されて
おり、これにより液体ヘリウムが密閉されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の超電導回転電機の回転子においては、ヘリウム
外筒7をコイル取付軸2に焼き嵌めする際に、加熱挿入
後のヘリウム外筒7の熱収縮が成り行き任せであるた
め、焼き嵌め完了時のヘリウム外筒7の軸方向位置にば
らつきが生じてしまうという問題点があった。このた
め、ヘリウム外筒7をコイル取付軸2に密封溶接するた
めのスペースが確保できないことがあり、溶接欠陥が発
生しやすく、密封の信頼性が低いという問題点もあっ
た。
【0012】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、冷媒外筒の取
付位置精度を向上させることができ、これにより冷媒外
筒のコイル取付軸への溶接スペースを安定して確保し、
溶接欠陥の発生を防止して、冷媒密封の信頼性を向上さ
せることができる超電導回転電機の回転子及びその製造
方法を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る超
電導回転電機の回転子は、円筒状のコイル取付軸と、こ
のコイル取付軸の外周部に設けられている超電導界磁コ
イルと、コイル取付軸の外周部に焼き嵌められ、超電導
界磁コイルをコイル取付軸に固定するとともに、超電導
コイルを冷却する冷媒をコイル取付軸との間に密封する
円筒状の冷媒外筒と、この冷媒外筒の軸方向の1箇所で
冷媒外筒とコイル取付軸との間に設けられ、コイル取付
軸に対する冷媒外筒の軸方向への位置決めを行う位置決
め部材とを備えたものである。
【0014】請求項2の発明に係る超電導回転電機の回
転子は、円筒状のコイル取付軸と、このコイル取付軸の
外周部に設けられている超電導界磁コイルと、コイル取
付軸の外周部に焼き嵌められ、かつ軸方向の1箇所に他
の部分よりも内径の小さい部分が設けられており、超電
導界磁コイルをコイル取付軸に固定するとともに、超電
導コイルを冷却する冷媒をコイル取付軸との間に密封す
る円筒状の冷媒外筒とを備えたものである。
【0015】請求項3の発明に係る超電導回転電機の回
転子は、冷媒外筒の内径が、一端部から他端部へ向けて
テーパ状に変化しているものである。
【0016】請求項4の発明に係る超電導回転電機の回
転子は、軸方向の1箇所に他の部分よりも外径の大きい
部分が設けられている円筒状のコイル取付軸と、このコ
イル取付軸の外周部に設けられている超電導界磁コイル
と、コイル取付軸の外周部に焼き嵌められ、超電導界磁
コイルをコイル取付軸に固定するとともに、超電導コイ
ルを冷却する冷媒をコイル取付軸との間に密封する円筒
状の冷媒外筒とを備えたものである。
【0017】請求項5の発明に係る超電導回転電機の回
転子は、コイル取付軸の外径が、一端部から他端部へ向
けてテーパ状に変化しているものである。
【0018】請求項6の発明に係る超電導回転電機の回
転子は、円筒状のコイル取付軸と、このコイル取付軸の
外周部に設けられている超電導界磁コイルと、それぞれ
コイル取付軸の外周部に軸方向に隣接して焼き嵌められ
互いに密封溶接されている複数個の円筒状の分割外筒か
ら構成され、超電導界磁コイルをコイル取付軸に固定す
るとともに、超電導コイルを冷却する冷媒をコイル取付
軸との間に密封する冷媒外筒とを備えたものである。
【0019】請求項7の発明に係る超電導回転電機の回
転子の製造方法は、冷媒外筒を熱収縮させる際に、軸方
向両端部から冷媒外筒を押圧して冷媒外筒の軸方向への
位置ずれを防止するものである。
【0020】請求項8の発明に係る超電導回転電機の回
転子の製造方法は、冷媒外筒を熱収縮させる際に、冷媒
外筒の軸方向の1箇所を急冷するものである。
【0021】請求項9の発明に係る超電導回転電機の回
転子の製造方法は、冷媒外筒を熱収縮させる際に、軸方
向の1箇所を除いて冷媒外筒を加熱して非加熱部の熱収
縮を進行させてから残りの部分を熱収縮させるものであ
る。
【0022】
【作用】請求項1の発明においては、冷媒外筒の熱収縮
時に位置決め部材を設けることにより、熱収縮が位置決
め部材を中心として進行し、焼き嵌め完了後の冷媒外筒
の位置精度が向上する。
【0023】請求項2の発明においては、コイル取付軸
に対する締代が大きい部分、即ち内径寸法が小さい部分
が熱収縮の起点となり、その部分から冷媒外筒の軸方向
の熱収縮が進行するため、焼き嵌め完了後の冷媒外筒の
位置精度が向上する。
【0024】請求項3の発明においては、冷媒外筒の内
径をテーパ状に変化させたので、冷媒外筒の位置精度が
一層向上する。
【0025】請求項4の発明においては、コイル取付軸
に対する締代が大きい部分、即ち冷媒外筒のコイル取付
軸の外径寸法が大きい部分に接触する部分が熱収縮の起
点となり、その部分から冷媒外筒の軸方向の熱収縮が進
行するため、焼き嵌め完了後の冷媒外筒の位置精度が向
上する。
【0026】請求項5の発明においては、コイル取付軸
の外径をテーパ状に変化させたので、冷媒外筒の位置精
度が一層向上する。
【0027】請求項6の発明においては、各分割外筒の
1個ずつの軸方向寸法が小さいため、各分割外筒の熱収
縮時の軸方向への位置ずれが小さくなり、熱収縮後に密
封溶接により一体化された冷媒外筒の軸方向の位置精度
が向上する。
【0028】請求項7の発明においては、冷媒外筒をそ
の軸方向両端部から押圧しつつ熱収縮させることによ
り、熱収縮時の冷媒外筒の軸方向への位置ずれを防止
し、これにより焼き嵌め完了後の冷媒外筒の位置精度が
向上する。
【0029】請求項8の発明においては、冷媒外筒の急
冷された部分が熱収縮の起点となり、その部分から冷媒
外筒の軸方向の熱収縮が進行するため、焼き嵌め完了後
の冷媒外筒の位置精度が向上する。
【0030】請求項9の発明においては、冷媒外筒の非
加熱部が熱収縮の起点となり、その部分から冷媒外筒の
軸方向の熱収縮が進行するため、焼き嵌め完了後の冷媒
外筒の位置精度が向上する。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.図1はこの発明の実施例1による超電導回転
電機の回転子の要部断面図、図2は図1のII−II線
断面図であり、図14及び図15と同一又は相当部分に
は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0032】図において、ヘリウム外筒7は、位置決め
部材としての複数本の位置決めピン18によりトルクチ
ューブ1のコイル取付軸2に固定されている。位置決め
ピン18は、軸方向1箇所で周方向数箇所に設けられて
いる。
【0033】次に、動作について説明する。ヘリウム外
筒7を加熱し、径方向及び軸方向に熱膨張させ、この状
態でヘリウム外筒7にトルクチューブ1を挿入する。そ
して、ヘリウム外筒7の熱収縮が開始される以前に、即
ち挿入後直ちに、ヘリウム外筒7を通してコイル取付軸
2に位置決めピン18を打ち込む。
【0034】これにより、ヘリウム外筒7の軸方向の熱
収縮は、位置決めピン18を中心として進行することに
なる。従って、焼き嵌め完了後のヘリウム外筒7の位置
が特定され、ばらつきが生じなくなる。このため、ヘリ
ウム外筒7のコイル取付軸2への溶接スペースが安定し
て確保されて、溶接欠陥の発生が防止され、ヘリウム密
封の信頼性が向上する。
【0035】なお、位置決めピン18の本数や打ち込み
位置等は、上記実施例1に限定されるものではない。ま
た、位置決め部材は、ピン形状のものに限定されない。
【0036】実施例2.次に、図3はこの発明の実施例
2によるヘリウム外筒の断面図、図4は図3の左側面図
である。図において、冷媒外筒であるヘリウム外筒21
は、その外径寸法が軸方向に均一になっているのに対し
て、その内径寸法がテーパ状に変化している。
【0037】このようなヘリウム外筒21を用いた場
合、コイル取付軸に焼き嵌めする際、コイル取付軸に対
する締代が大きい部分、即ち内径寸法が小さい側の端部
(図3の右端部)からコイル取付軸に対する締付が開始
される。従って、図3の右端部が熱収縮の起点となり、
その部分からヘリウム外筒21の軸方向の熱収縮が進行
するため、焼き嵌め完了後のヘリウム外筒21の位置精
度が向上する。このため、ヘリウム外筒21のコイル取
付軸への溶接スペースが安定して確保されて、溶接欠陥
の発生が防止され、ヘリウム密封の信頼性が向上する。
【0038】実施例3.なお、上記実施例2では、ヘリ
ウム外筒21の内径をテーパ状に変化させた例を示した
が、例えば図5に示すヘリウム外筒22のように、その
内径に段差を設けることにより、他の部分よりも内径の
小さい小径部22aを軸方向の1箇所に形成してもよ
い。
【0039】この場合、小径部22aが熱収縮の起点と
なり、焼き嵌め完了後のヘリウム外筒22の位置精度が
向上する。また、内径をテーパ状に変化させる場合より
もヘリウム外筒22の機械加工が容易になる。
【0040】実施例4.次に、図6はこの発明の実施例
4による超電導回転電機の回転子の要部断面図である。
図において、ヘリウム外筒7の内径は、軸方向に均一に
なっている。これに対して、コイル取付軸23の外径
は、一端部から他端部へ向けてテーパ状に変化してい
る。これにより、コイル取付軸23の他端部(図の右端
部)は、その外径が他の部分よりも大きくなっている。
【0041】このような回転子では、ヘリウム外筒7を
コイル取付軸23に焼き嵌める際、締代が大きい部分、
即ちコイル取付軸23の外径寸法が大きい側の端部(図
の右端部)からコイル取付軸23に対する締付が開始さ
れる。従って、ヘリウム外筒7の図の右端部が熱収縮の
起点となり、その部分からヘリウム外筒7の軸方向の熱
収縮が進行するため、焼き嵌め完了後のヘリウム外筒7
の位置精度が向上する。このため、ヘリウム外筒7のコ
イル取付軸23への溶接スペースが安定して確保され
て、溶接欠陥の発生が防止され、ヘリウム密封の信頼性
が向上する。また、コイル取付軸23の外径を変化させ
る加工は、ヘリウム外筒の内径に対する加工よりも容易
である。
【0042】実施例5.なお、上記実施例4では、コイ
ル取付軸23の内径をテーパ状に変化させた例を示した
が、例えば図7に示すコイル取付軸24のように、その
外径に段差を設けることにより、他の部分よりも外径の
大きい大径部24aを軸方向の1箇所に形成してもよ
い。
【0043】この場合、ヘリウム外筒7の大径部24a
に接触する部分が熱収縮の起点となり、焼き嵌め完了後
のヘリウム外筒7の位置精度が向上する。また、外径を
テーパ状に変化させる場合よりもコイル取付軸24の機
械加工が一層容易になる。
【0044】実施例6.次に、図8はこの発明の実施例
6による超電導回転電機の回転子の製造方法を示す断面
図である。図において、トルクチューブ1の軸方向両端
部、即ち各トルク伝達部3には、それぞれヘリウム外筒
7を両端部から押圧するための油圧プレス等の加圧装置
25が着脱可能に取り付けられている。各加圧装置25
の詳細については省略する。
【0045】この実施例6の製造方法では、従来例と同
様の加熱膨張したヘリウム外筒7内にコイル取付軸2を
挿入した直後、加圧装置25をセットし、ヘリウム外筒
7をその軸方向両端部から押圧しつつ、ヘリウム外筒7
を熱収縮させることにより、熱収縮時のヘリウム外筒7
の軸方向への位置ずれを防止する。
【0046】このような方法により、焼き嵌め完了後の
ヘリウム外筒7の位置精度が向上し、ヘリウム外筒7の
コイル取付軸2への溶接スペースが安定して確保され
て、溶接欠陥の発生が防止され、ヘリウム密封の信頼性
が向上する。また、ヘリウム外筒7の嵌着後には、加圧
装置25は容易に取り外され、後段の製造工程の実施が
可能となる。
【0047】実施例7.次に、図9はこの発明の実施例
7による超電導回転電機の回転子の要部断面図である。
図において、冷媒外筒であるヘリウム外筒26は、それ
ぞれコイル取付軸2の外周部に軸方向に隣接して焼き嵌
められ互いに密封溶接されている複数個の円筒状の分割
外筒26a〜26eから構成されている。
【0048】このような回転子では、軸方向に一体のヘ
リウム外筒を用いる場合に比べて、各分割外筒26a〜
26eの1個ずつの軸方向寸法が小さくなるため、各分
割外筒26a〜26eの熱収縮時の軸方向への位置ずれ
が小さくなる。従って、熱収縮後に密封溶接により一体
化されたヘリウム外筒26の軸方向の位置精度が向上
し、ヘリウム外筒26のコイル取付軸2への溶接スペー
スが安定して確保されて、溶接欠陥の発生が防止され、
ヘリウム密封の信頼性が向上する。
【0049】実施例8.図10はこの発明の実施例8に
よる超電導回転電機の回転子の製造方法を示す断面図、
図11は図10のXI−XI線断面図である。図におい
て、ヘリウム外筒7の外方には、ヘリウム外筒7の軸方
向の1箇所を局所的に急冷するための冷却装置27が設
けられている。この冷却装置27は、例えばヘリウム外
筒7に水,油,空気又はドライアイス等の冷媒を吹き付
けるものであり、周方向に互いに間隔をおいて複数個の
冷媒吹出口27aが設けられている。
【0050】この実施例8の製造方法では、従来例と同
様の加熱膨張したヘリウム外筒7内にコイル取付軸2を
挿入した直後、冷却装置27をセットし、ヘリウム外筒
7の軸方向の1箇所(ここでは中央部)を全周急冷す
る。これにより、急冷された部分からコイル取付軸2に
対するヘリウム外筒7の締付が開始される。即ち、ヘリ
ウム外筒7の軸方向の中央部が熱収縮の起点となり、そ
の部分を中心にヘリウム外筒7の軸方向の熱収縮が進行
するため、焼き嵌め完了後のヘリウム外筒7の位置精度
が向上する。このため、ヘリウム外筒7のコイル取付軸
2への溶接スペースが安定して確保されて、溶接欠陥の
発生が防止され、ヘリウム密封の信頼性が向上する。
【0051】なお、この実施例8の方法は、上記実施例
2〜5と組み合わせることにより、ヘリウム外筒の熱収
縮の起点が一層明確となり効果的である。この場合、ヘ
リウム外筒の構造的に熱収縮の起点となる位置を急冷す
るのは言うまでもない。
【0052】実施例9.次に、図12はこの発明の実施
例9による超電導回転電機の回転子の製造方法を示す断
面図、図13は図12のXIII−XIII線断面図で
ある。図において、ヘリウム外筒7の外周部には、軸方
向の1箇所を除いてバンドヒータ等の加熱装置28が設
けられている。
【0053】この実施例9の製造方法では、従来例と同
様の加熱膨張したヘリウム外筒7内にコイル取付軸2を
挿入した直後、加熱装置28をセットし、ヘリウム外筒
7を加熱する。これにより、加熱された部分の熱収縮が
抑えられ、加熱装置28が設けられていない非加熱部2
9、ここでは軸方向の中央部でヘリウム外筒7の締付が
開始される。この非加熱部29の熱収縮がある程度進行
した後に、加熱装置28による加熱を停止することによ
り、他の部分の熱収縮が進行する。
【0054】即ち、ヘリウム外筒7の軸方向の中央部が
熱収縮の起点となり、その部分を中心にヘリウム外筒7
の軸方向の熱収縮が進行するため、焼き嵌め完了後のヘ
リウム外筒7の位置精度が向上する。このため、ヘリウ
ム外筒7のコイル取付軸2への溶接スペースが安定して
確保されて、溶接欠陥の発生が防止され、ヘリウム密封
の信頼性が向上する。
【0055】なお、この実施例9の方法は、上記実施例
2〜5と組み合わせることにより、ヘリウム外筒の熱収
縮の起点が一層明確となり効果的である。この場合、ヘ
リウム外筒の構造的に熱収縮の起点となる位置を非加熱
部とするのは言うまでもない。
【0056】また、上記各実施例では冷媒として液体ヘ
リウムを使用するものを示したが、超電導界磁コイルの
種類に応じて他の冷媒を使用してもよい。さらに、この
発明は、超電導発電機及び超電導電動機のいずれの回転
子にも適用できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
超電導回転電機の回転子は、コイル取付軸に対する冷媒
外筒の軸方向への位置決めを行う位置決め部材を、冷媒
外筒の軸方向の1箇所で冷媒外筒とコイル取付軸との間
に設け、位置決め部材を中心として熱収縮を進行させる
ようにしたので、冷媒外筒の取付位置精度を向上させる
ことができ、これにより冷媒外筒のコイル取付軸への溶
接スペースを安定して確保し、溶接欠陥の発生を防止し
て、冷媒密封の信頼性を向上させることができるなどの
効果を奏する。
【0058】請求項2の発明の超電導回転電機の回転子
は、冷媒外筒の軸方向の1箇所に他の部分よりも内径の
小さい部分を設けることにより、コイル取付軸に対する
締代が大きい部分、即ち内径寸法が小さい部分を起点と
して冷媒外筒の軸方向の熱収縮を進行させるようにした
ので、冷媒外筒の取付位置精度を向上させることがで
き、これにより冷媒外筒のコイル取付軸への溶接スペー
スを安定して確保し、溶接欠陥の発生を防止して、冷媒
密封の信頼性を向上させることができるなどの効果を奏
する。
【0059】請求項3の発明の超電導回転電機の回転子
は、冷媒外筒の内径を、一端部から他端部へ向けてテー
パ状に変化させたので、上記請求項2の発明と同様の効
果に加えて、冷媒外筒の位置精度を一層向上させること
ができるという効果を奏する。
【0060】請求項4の発明の超電導回転電機の回転子
は、コイル取付軸の軸方向の1箇所に他の部分よりも外
径の大きい部分を設けることにより、コイル取付軸に対
する締代が大きい部分、即ちコイル取付軸の外径寸法が
大きい部分に接触する部分を起点として冷媒外筒の軸方
向の熱収縮を進行させるようにしたので、冷媒外筒の取
付位置精度を向上させることができ、これにより冷媒外
筒のコイル取付軸への溶接スペースを安定して確保し、
溶接欠陥の発生を防止して、冷媒密封の信頼性を向上さ
せることができるなどの効果を奏する。また、冷媒外筒
の内径を加工する場合よりも機械加工を容易にすること
ができるという効果も奏する。
【0061】請求項5の発明の超電導回転電機の回転子
は、コイル取付軸の外径を、一端部から他端部へ向けて
テーパ状に変化させたので、上記請求項4の発明と同様
の効果に加えて、冷媒外筒の位置精度を一層向上させる
ことができるという効果を奏する。
【0062】請求項6の発明の超電導回転電機の回転子
は、それぞれコイル取付軸の外周部に軸方向に隣接して
焼き嵌められ互いに密封溶接されている複数個の円筒状
の分割外筒から冷媒外筒を構成したので、各分割外筒の
1個ずつの軸方向寸法が小さくなり、これにより各分割
外筒の熱収縮時の軸方向への位置ずれが小さくなり、熱
収縮後に密封溶接により一体化された冷媒外筒の軸方向
の位置精度を向上させることができ、従って冷媒外筒の
コイル取付軸への溶接スペースを安定して確保し、溶接
欠陥の発生を防止して、冷媒密封の信頼性を向上させる
ことができるなどの効果を奏する。
【0063】請求項7の発明の超電導回転電機の回転子
の製造方法は、冷媒外筒を熱収縮させる際に、軸方向両
端部から冷媒外筒を押圧して冷媒外筒の軸方向への位置
ずれを防止するようにしたので、冷媒外筒の取付位置精
度を向上させることができ、これにより冷媒外筒のコイ
ル取付軸への溶接スペースを安定して確保し、溶接欠陥
の発生を防止して、冷媒密封の信頼性を向上させること
ができるなどの効果を奏する。
【0064】請求項8の発明の超電導回転電機の回転子
の製造方法は、冷媒外筒を熱収縮させる際に、冷媒外筒
の軸方向の1箇所を急冷するようにしたので、急冷され
た部分を起点として冷媒外筒の軸方向の熱収縮を進行さ
せることができ、冷媒外筒の取付位置精度を向上させる
ことができ、これにより冷媒外筒のコイル取付軸への溶
接スペースを安定して確保し、溶接欠陥の発生を防止し
て、冷媒密封の信頼性を向上させることができるなどの
効果を奏する。
【0065】請求項9の発明の超電導回転電機の回転子
の製造方法は、冷媒外筒を熱収縮させる際に、軸方向の
1箇所を除いて冷媒外筒を加熱して非加熱部の熱収縮を
進行させてから残りの部分を熱収縮させるようにしたの
で、非加熱部を熱収縮の起点として冷媒外筒の軸方向の
熱収縮を進行させることができ、冷媒外筒の取付位置精
度を向上させることができ、これにより冷媒外筒のコイ
ル取付軸への溶接スペースを安定して確保し、溶接欠陥
の発生を防止して、冷媒密封の信頼性を向上させること
ができるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による超電導回転電機の
回転子の要部断面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 この発明の実施例2によるヘリウム外筒の断
面図である。
【図4】 図3の左側面図である。
【図5】 この発明の実施例3によるヘリウム外筒の断
面図である。
【図6】 この発明の実施例4による超電導回転電機の
回転子の要部断面図である。
【図7】 この発明の実施例5による超電導回転電機の
回転子の要部断面図である。
【図8】 この発明の実施例6による超電導回転電機の
回転子の製造方法を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施例7による超電導回転電機の
回転子の要部断面図である。
【図10】 この発明の実施例8による超電導回転電機
の回転子の製造方法を示す断面図である。
【図11】 図10のXI−XI線断面図である。
【図12】 この発明の実施例9による超電導回転電機
の回転子の製造方法を示す断面図である。
【図13】 図12のXIII−XIII線断面図であ
る。
【図14】 従来の超電導回転電機の回転子の一例を示
す断面図である。
【図15】 図14のXV−XV線断面図である。
【符号の説明】 2,23,24 コイル取付軸、4 超電導界磁コイ
ル、7,21,22,26 ヘリウム外筒(冷媒外
筒)、18 位置決めピン(位置決め部材)、25加圧
装置、26a〜26e 分割外筒、27 冷却装置、2
8 加熱装置、29非加熱部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−49235(JP,A) 特開 平4−334966(JP,A) 特開 昭59−178958(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 55/00 ZAA

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のコイル取付軸と、 このコイル取付軸の外周部に設けられている超電導界磁
    コイルと、 上記コイル取付軸の外周部に焼き嵌められ、上記超電導
    界磁コイルを上記コイル取付軸に固定するとともに、上
    記超電導コイルを冷却する冷媒を上記コイル取付軸との
    間に密封する円筒状の冷媒外筒と、 この冷媒外筒の軸方向の1箇所で上記冷媒外筒と上記コ
    イル取付軸との間に設けられ、上記コイル取付軸に対す
    る上記冷媒外筒の軸方向への位置決めを行う位置決め部
    材とを備えていることを特徴とする超電導回転電機の回
    転子。
  2. 【請求項2】 円筒状のコイル取付軸と、 このコイル取付軸の外周部に設けられている超電導界磁
    コイルと、 上記コイル取付軸の外周部に焼き嵌められ、かつ軸方向
    の1箇所に他の部分よりも内径の小さい部分が設けられ
    ており、上記超電導界磁コイルを上記コイル取付軸に固
    定するとともに、上記超電導コイルを冷却する冷媒を上
    記コイル取付軸との間に密封する円筒状の冷媒外筒とを
    備えていることを特徴とする超電導回転電機の回転子。
  3. 【請求項3】 冷媒外筒の内径が、一端部から他端部へ
    向けてテーパ状に変化していることを特徴とする請求項
    2記載の超電導回転電機の回転子。
  4. 【請求項4】 軸方向の1箇所に他の部分よりも外径の
    大きい部分が設けられている円筒状のコイル取付軸と、 このコイル取付軸の外周部に設けられている超電導界磁
    コイルと、 上記コイル取付軸の外周部に焼き嵌められ、上記超電導
    界磁コイルを上記コイル取付軸に固定するとともに、上
    記超電導コイルを冷却する冷媒を上記コイル取付軸との
    間に密封する円筒状の冷媒外筒とを備えていることを特
    徴とする超電導回転電機の回転子。
  5. 【請求項5】 コイル取付軸の外径が、一端部から他端
    部へ向けてテーパ状に変化していることを特徴とする請
    求項4記載の超電導回転電機の回転子。
  6. 【請求項6】 円筒状のコイル取付軸と、 このコイル取付軸の外周部に設けられている超電導界磁
    コイルと、 それぞれ上記コイル取付軸の外周部に軸方向に隣接して
    焼き嵌められ互いに密封溶接されている複数個の円筒状
    の分割外筒から構成され、上記超電導界磁コイルを上記
    コイル取付軸に固定するとともに、上記超電導コイルを
    冷却する冷媒を上記コイル取付軸との間に密封する冷媒
    外筒とを備えていることを特徴とする超電導回転電機の
    回転子。
  7. 【請求項7】 超電導界磁コイルが設けられている円筒
    状のコイル取付軸を、加熱膨張した円筒状の冷媒外筒内
    に挿入した後、上記冷媒外筒を熱収縮させて上記コイル
    取付軸に嵌着させる超電導回転電機の回転子の製造方法
    において、上記冷媒外筒を熱収縮させる際に、軸方向両
    端部から上記冷媒外筒を押圧して上記冷媒外筒の軸方向
    への位置ずれを防止することを特徴とする超電導回転電
    機の回転子の製造方法。
  8. 【請求項8】 超電導界磁コイルが設けられている円筒
    状のコイル取付軸を、加熱膨張した円筒状の冷媒外筒内
    に挿入した後、上記冷媒外筒を熱収縮させて上記コイル
    取付軸に嵌着させる超電導回転電機の回転子の製造方法
    において、上記冷媒外筒を熱収縮させる際に、上記冷媒
    外筒の軸方向の1箇所を急冷することを特徴とする超電
    導回転電機の回転子の製造方法。
  9. 【請求項9】 超電導界磁コイルが設けられている円筒
    状のコイル取付軸を、加熱膨張した円筒状の冷媒外筒内
    に挿入した後、上記冷媒外筒を熱収縮させて上記コイル
    取付軸に嵌着させる超電導回転電機の回転子の製造方法
    において、上記冷媒外筒を熱収縮させる際に、軸方向の
    1箇所を除いて上記冷媒外筒を加熱して非加熱部の熱収
    縮を進行させてから残りの部分を熱収縮させることを特
    徴とする超電導回転電機の回転子の製造方法。
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