JP3400430B2 - 固相、二光子励起および共焦点蛍光検出を用いた生体特異的均一アッセイ - Google Patents

固相、二光子励起および共焦点蛍光検出を用いた生体特異的均一アッセイ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】生体親和性アッセイ法は様々な生物活性分
子の分析に汎用されている。それらの方法の様々な応用
が日常診断や学術研究に広く用いられている。最も一般
的に用いられている生体親和性アッセイ法は、抗原が生
体特異的試薬として働くイムノアッセイである。
【0002】本発明の方法は、第一の生体特異的試薬A
-b(例えばタンパク質、抗体、ヌクレオチド)が固形
反応母材(例えば反応キュベットの内壁または微粒子懸
濁液であることができる)に固定されている蛍光測定生
体親和性アッセイに関する。反応母材に固定された成分
を以降固相と称することにする。もう1つの生体特異的
試薬(以下、リガンドと称する)(例えばステロイドや
別のホルモン、薬物またはオリゴヌクレオチドといった
生物活性分子)は蛍光標識により標識されている。以降
はこの試薬を単に標識と呼称する。本発明のアッセイ法
は、固体母材に固定された試薬が分析物と標識リガンド
の両方に対して親和性を有する、いわゆる競合アッセイ
である。
【0003】本発明の競合アッセイ法は、小型の分析物
分子Agに特に適している。競合アッセイ法に特徴的な
点は、典型的には生体特異的試薬Abの濃度が分析物と
標識リガンドの濃度よりも低くなるように反応成分の濃
度が調節され、そしてアッセイの形式が限定試薬アッセ
イとも呼ばれることである。標識リガンドAg* は分析
物分子Agと同じ分子であってもよいし、またはAgの
ような対応する親和性決定基を含有する別の分子であっ
てもよい。試薬Abの濃度は反応溶液中の別の成分の濃
度よりも低いので、成分AgとAg* はそれらの相対的
濃度で固相の試薬Abに結合する。従って、これは競合
結合と呼ばれる。このアッセイの標準曲線は非線形(S
字形)である。標準曲線は較正(キャリブレーション)
測定から得られたグラフを指す。このグラフは分析物濃
度に対するシグナル応答(蛍光強度)の依存を表す。
【0004】従来アッセイおよび研究法に関する問題点
はそれらの複雑さにある。例えば、競合蛍光測定イムノ
アッセイ法によるホルモンの測定は、次のような数段階
を要する:血清からの細胞の分離、血清試料の調合と希
釈、標識試薬の添加、インキュベーション、洗浄による
遊離画分の分離、測定溶液の添加、およびシグナルの測
定。既知測定装置の大部分が少なくとも10〜100マイク
ロリットルの反応容積を必要とする。反応容積が10マイ
クロリットル未満であれば、信頼できるように分離段階
を実施することは非常に難しい。
【0005】日常診断用に、より単純で、微量で且つ原
価効率のよいアッセイが常に必要とされている。実際
上、これは現行アッセイの容積のほんの一部の液体容積
を使用する一段階アッセイを意味する。本発明の新規蛍
光測定生体特異的アッセイ法は一段階法であり、標識の
分離を必要とせず、且つ溶液でも細胞懸濁液のいずれで
もよい非常に少量の試料をアッセイするのに良く適して
いる。本発明の方法では、シグナル強度は試料サイズに
無関係であり、最少可能試料サイズは利用できる液体処
理技術にだけ依存する。
【0006】本発明の独特の特徴は請求項1に与えられ
る。典型的なアッセイのコンピューターシュミレーショ
ンの例を図1と図2に与えた。本発明の方法は例えば次
のようにして実施することができる。
【0007】−固相を予め調製しておく。前記分析物と
リガンドを結合する生体特異的試薬Abで固相をコーテ
ィングする。固相を反応キュベットの内壁上または反応
容積に添加する微粒子の表面上に置いてもよい。
【0008】−リガンドを蛍光分子で標識する。
【0009】−測定しようとする試料と標識リガンドA
* それ自体でまたは微粒子懸濁液と一緒に反応キュベ
ット中に添加する。すると生体親和性のために、分析物
分子Agと標識リガンドAg* が固相表面上に存在する
試薬分子に競合的に結合し始める。
【0010】−対物レンズを通してレーザービームをキ
ュベット中の液体に集束させる。レーザーのパラメータ
ーおよびレンズの開口数を、レーザービームの焦点容積
がキュベットの容積よりも有意に小さくなるように、そ
して実際上は回折により制限されるように選択する。更
に、該溶液の蛍光分子に二光子励起を生じさせるように
レーザーの波長と強度を選択する。蛍光分子の励起状態
が特定の蛍光減衰速度で解かれて光子を放出するので、
それを適当な光子検出器で検出する。検出器から得られ
るシグナル強度または一光子計数率が、溶液中の蛍光標
識の濃度に正比例する。
【0011】−溶液中に存在する分析物が少なくなれば
なるほど、固相に結合している蛍光標識が多くなる。従
って、較正と標識より得られたシグナルに基づいて、溶
液中の分析物の濃度を求めることが可能である。
【0012】上記方法では、レーザーを集束させそして
シグナルを検出するのに用いる光学システムが二光子励
起に基づいたものである。二光子励起は、制限された焦
点容積(これは二光子励起焦点の点分散関数によって求
められる)の中にのみ励起状態を作成する。この焦点容
積は非常に小さく、典型的には1フェムトリットル以下
であり、あるいは適当な光学パラメーターを選択するこ
とによって10フェムトリットルまでまたはそれ以上にま
で拡大することができる。焦点容積を決定する因子につ
いては本明細書の下記に説明する。レーザービームの焦
点容積をキュベットの液体容積の中心に設定した場合、
焦点容積が高度に制限されるため、レーザービームは焦
点容積の外側、すなわち固相中、溶液中のどこかまたは
オプチクス中に蛍光励起を生成することはできない。焦
点容積中にランダムに浮遊している微粒子は、それらが
焦点容積中のレーザービームの影響下にある短期間の間
だけシグナルを発生する。しかしながら、それらのシグ
ナルは微粒子検出器に明確なシグナルを出すので、それ
らを電気的に棄却することができる。微粒子検出器と
は、焦点容積中に浮遊する微粒を検出する構成成分のこ
とを指す。微粒子検出器は、例えば典型的な光散乱検出
器であることができる。それは、微粒子表面に取り付け
られたまたは微粒子の内側に置かれた色素の蛍光シグナ
ルを検出する光子検出器であることもできる。前記光散
乱または蛍光は、別個の光源を使ってまたは二光子励起
に使用する同一のレーザーを使って励起される。光散乱
または蛍光シグナルはスペクトルの可視または近赤外
(NIR)領域のいずれかに検出され、そして励起−検
出系は共焦点であってもよい。
【0013】二光子励起を使って散乱または自己蛍光に
より引き起こされるバックグラウンドシグナルを排除で
きることは知られている(FI 90175, FI 951040およびW
O 9622531)。二光子励起が蛍光放出の検出をごく少量
に、1フェムトリットル制限容積以下にさえも制限でき
るようにすることも知られている。
【0014】本発明に至った本質的な発見は、進歩的な
二光子励起/検出概念を使うことにより、希釈した蛍光
溶液に使用できる更に高感度の測定系を創意工夫して設
計することであった。その感度は上記で説明した方法に
も十分である。FI 90175, FI 951040およびWO 9622531
に記載された従来の方法とは違い、本発明の方法は、溶
液中の蛍光リガンドの濃度およびリガンドが固相に結合
した時の該濃度の減少を測定する。本発明の方法では、
焦点容積中に遊離の標識リガンドが存在するときにのみ
(遊離の標識リガンドは最終的には溶液全体に拡が
る)、二光子励起により生じるシグナルが記録される。
二光子検出は溶積が大幅に制限されるので、固相に結合
した標識リガンドと焦点容積の外側に存する標識リガン
ドはシグナルを発生しない。回折により制限された焦点
容積の外側の固相は、それが同じ測定キュベット中にあ
るにもかかわらずシグナルに寄与しない。このことは、
分離段階を必要としない競合的生物親和性アッセイを可
能にする。文献では、このタイプのアッセイを均一アッ
セイと呼んでいる。よって、本発明の最も重要な発見
は、溶液中のリガンド濃度の容積制限検出である。
【0015】本発明の方法では、蛍光の二光子励起がレ
ーザービームの回折制限焦点容積(これは典型的には約
1フェムトリットルである)内で起こり、焦点容積の外
側では全く励起が起こらないという事実に基づいて、結
合した標識リガンドと遊離の標識リガンドから発せられ
る2つのシグナルが分離される。焦点容積に影響を与え
る因子は、主として対物レンズの開口数に加えて、対物
レンズの瞳孔より前方のレーザービームの強度分布に依
存する。小さい開口数を選択するかまたは均一レーザー
ビーム分布の代わりにガウス分布を選択することによ
り、焦点容積を拡大することができる。しかしながら、
同時に二光子励起効率は減少してしまうだろう。二光子
励起は非線形性を有するために、焦点容積中により多数
の標識分子の占める空間はあるけれども、同時に蛍光の
強度も低下する。しかしながら、相応してレーザーの平
均出力を増すことにより、このシグナル低下を補うこと
が可能である。平均出力を増加させる最も好適な方法は
レーザーパルス速度を増加させることである。何故な
ら、最大可能パルスピーク出力は焦点容積中の標識の光
分解(「漂白」)と飽和により制限されるからである。
【0016】固相はキュベット壁にまたは微粒子表面上
に固定してもよい。微粒子は例えばラテックス微粒子ま
たは生物学的粒子であることができる。前記粒子の光吸
収は二光子励起に使用するレーザービームのNIR波長
(実際面では、例えば1064 nmである)のところでは最
少であるかまたは存在しない。それらの粒子の光散乱強
度は相対屈折率に依存する。散乱は生物学的粒子(例え
ば細胞)を使ったときよりもラテックス粒子を使ったと
きの方が強い。ラテックス粒子のシグナルは、それらの
粒子に取り付けられた蛍光色素により発せられるシグナ
ルを通してまたは散乱を通して別の粒子のシグナルから
区別される。ある場合には、それらのラテックス粒子が
溶液よりも低い密度を有する材料で作られているならば
有用かもしれない。そのような場合、粒子は反応中に徐
々に表面に向かって浮遊し、それと同時に固相を焦点容
積から離れた方に物理的に運ぶだろう。別の可能性は、
磁場を使うことによってレーザーの焦点域から移動させ
ることができる磁性粒子を使用することである。
【0017】本発明の方法では、反応キュベットの透明
な壁を通して蛍光励起に使うレーザー光線が直接的に反
応溶液中に集束せしめられる。各レーザーパルスごとに
溶液からの蛍光シグナルを得、そして拡散または液体移
動のいずれかのために固相として用いた微粒子が焦点容
積の内外に出入りしたら、シグナルの記録を中断する。
微粒子は、微粒子に結合した標識複合体の量に正比例す
る振幅を有するシグナルを与える。更に、微粒子から得
られたそれらのシグナルを記録することにより、遊離シ
グナルより得られるシグナルの他に、固相に結合した標
識より得られるシグナルを分析することが可能である。
これは、例えば、より高い測定精度を得るのに有用かも
しれない。
【0018】上述した特徴のため、本発明の方法は、分
離を必要とせずに、例えば液体および細胞懸濁液からの
迅速な一段階生体特異的アッセイを可能にする。本発明
の方法で使用する赤外照射波長では、例えば血液細胞は
完全に透明である。従って、希釈した全血においてアッ
セイを実施でき、これは今日の日常手順の大幅な簡略化
を意味する。
【0019】理論上、測定容積は二光子励起の焦点容積
に等しいので、本発明の蛍光測定概念は焦点容積のもの
より大きい試料容積を必要としない。よって、本発明の
方法の最も重要な利点の1つは、感度や測定精度を犠牲
にすることなく、1マイクロリットル以下の液体容積の
試料を許容することである。これは医薬物質のスクリー
ニングの際に特に重要である。実際上、試料サイズは、
少なくとも問題の液体を正確に反応キュベット中に移す
ことができるような容積のものでなければならない。従
来の自動ディスペンサーでは、5〜10マイクロリットル
の試料を移すことが可能である。更にずっと小さい液体
容積である1ナノリットルから1マイクロリットルの場
合には新型のピペットディスペンサーを必要とする。
【0020】二光子励起 二光子励起は、強力な光源を集束させることにより、二
つの光子が同一色素分子中に吸収されるのに十分な位に
単位容積あたりおよび単位時間あたりの光子密度が高く
なったときに造成される。この場合、吸収されるエネル
ギーは二光子のエネルギーの和である。確率理論によれ
ば、色素への一光子の吸収は独立事象であり、そして複
数個の光子の吸収は1つの独立事象の連続である。一光
子の吸収の確率は、励起させようとするエネルギー状態
が飽和されない限り、線形関数として説明することがで
きる。二光子の吸収は非線形プロセスである。二光子励
起の場合、二光子の両方が同時に吸収されたときのみ、
色素分子が励起される。二光子の吸収の確率は単一光子
の吸収の確率分布の積に等しい。よって、二光子の発光
は二次式プロセスである。
【0021】蛍光色素の励起に用いる光学系の特徴は、
点様光源に対する系の応答を用いて説明することができ
る。点様光源は、回折のため、焦点のところで光学系に
特徴的な強度分布(点分散関数)を形成する。標準化す
ると、この強度分布は点光源から光子がいかにして焦点
域に達するかの確率分布である。よって、このように誘
導された確率分布は、三次元空間、特に軸(深さ)方向
において、一光子の確率分布よりも明らかに大きく制限
される。従って、二光子励起では、明らかに制限された
三次元空間(これは焦点容積とも呼称される)に形成さ
れた蛍光だけが励起される。
【0022】色素が二光子励起されると、通常の励起に
比較して焦点の周辺および光学成分からの光の散乱が明
らかに減少する。更に二光子励起は焦点の外側、試料の
周辺およびオプチクスのバックグラウンド蛍光を減少さ
せる。励起光ビームを可能な限り小さい点に集中すべき
であるので、小さい試料容積の分析に二光子励起は最も
適している。これは本発明の方法の場合にも同様であ
る。
【0023】二光子励起の利点は、例えば可視または近
赤外(NIR)光を紫外または青色領域での励起にも使
用することができるという事実にも基づいている。同様
に、NIRまたはIR光によって可視領域での励起を達
成することもできる。光源の波長は色素の発光波長より
相当長いので、光源の波長での散乱および起こり得る自
己蛍光は生成されないか、または低域通過フィルターを
使ってそれらを検出器に到達しないようにすることによ
って効果的に減衰(少なくとも10オーダーの減衰)させ
ることができる。NIR領域での赤血球の光吸収は非常
に小さい。本発明者らは、例えば1064 nm波長の励起光
がヘマトポルフィリンの蛍光を誘導せず、従って微粒子
懸濁液が顕著な量の赤血球を含むときであっても、赤血
球により引き起こされるバックグラウンド蛍光は重要で
ないことも発見した。二光子励起な大抵の場合高エネル
ギー超短パルスを生成することができるレーザー装置を
必要とする。本発明者らの実験において、安価のマイク
ロチップレーザーをナノ秒パルス持続時間で使うことに
よって、短命の蛍光標識と二光子励起を用いて非常に高
いシグナル対バックグラウンド比と優れた感度を達成で
きることが観察された。二光子励起に適した蛍光標識
は、例えばBODIPYおよびローダミン誘導体である。
【0024】測定感度に関する例 文献は、二光子励起の場合と同様な点分散関数を得るこ
とが可能である。共焦点測定法を記載している。共焦点
法に比較した二光子励起の欠点はシグナル強度が低いこ
とである。しかしながら、二光子励起法は多くの利点を
有しており、そのうちの最も重要なものは散乱バックグ
ラウンドが無いことと自己蛍光がより低いことである。
本発明者らは、自由裁量で装置を使って比較測定を実施
し、そして1ナノモル/Lのローダミン溶液を使用した
場合、シグナル対バックグラウンド比は二光子法では10
00であり、一方で共焦点法では7であることを発見し
た。
【0025】例 数式モデルを使って、全ての可能な反応パラメーターを
変動させながら、反応速度論並びに様々な反応成分の消
費および生産をシミュレートした。この実施例のアッセ
イの反応スキームは、AbとAgとの反応がいかにして
複合体AbAgを生成するかを示す。
【0026】
【数1】 ここで k1 =会合速度定数〔L・モル-1・s-1〕および k2 =解離速度定数〔s-1〕。
【0027】AbとAg* との反応は複合体AbAg*
を生成する
【数2】 ここで k3 =会合速度定数〔L・モル-1・s-1〕および k4 =解離速度定数〔s-1〕。
【0028】 (3) K1=k1/k2=Agについての反応平衡定数(親和性)〔L/モル〕 (4) K3=k3/k4=Ag*についての反応平衡定数(親和性)〔L/モル〕
【0029】反応は次の微分方程式によって表すことが
できる:
【数3】
【0030】ここで 〔Ag〕=x1 〔Ag*〕=x2 〔Ab〕=x3 〔AgAb〕=x4 〔Ag*Ab〕=x5 〔Ab〕=抗体の時間依存濃度〔モル/L〕 〔Ag〕=抗原の時間依存濃度〔モル/L〕 〔Ag*〕=標識抗原の時間依存濃度〔モル/L〕 〔AbAg〕=抗原−抗体複合体の時間依存濃度〔モル
/L〕 〔AbAg*〕=標識抗原−抗体複合体の時間依存濃度
〔モル/L〕 〔x〕=モル・L-1 〔dx/dt〕=モル・L-1・s-1 〔k1〕=L・モル-1・s-1 〔k2〕=s-1
【0031】Ag,Ag* およびAbの初質量は反応中
保存されるだろうから、
【数4】 上式中 p=初期Ag濃度 p* =初期Ag* 濃度 q=初期Ab濃度。
【0032】微分方程式(方程式6〜10)とそれらの解
は反応速度論を説明する。それらの微分方程式の解は容
易に数量計算することができ、その解にMethcad 6.0+
数学プログラム(Matsoft Inc., Cambridge, Mass, US
A)により提供される改良ルンゲ−クッタ法を使用し
た。
【0033】この場合において、次の初濃度を使うこと
によりモデル化のための実施例を選択した:反応懸濁液
中の分析物Agの初濃度はp=1・10-10モル/L〜1
・10-6 モル/Lの範囲でありに、反応容量に関係させ
たときの固相試薬Abの当量濃度はq=1・10-9 モル
/Lであり、そして標識リガンドAg*の初濃度はp*
=1・10-9 モル/Lである。生体特異的試薬AbとA
* の平衡定数(親和定数)はK=1・109 L/モルで
ある。分析物と固相の間の会合定数はk1=1・107
モル-1-1であり、標識リガンドと固相の間の会合定
数はk2=1・107 L モル-1-1である。また、標識
リガンドを遊離標識の100%純度であると仮定した。標
識とリガンドの両方とも比較的低分子量を有するため、
普通のクロマトグラフィー法の使用によって高純度が得
られることは明らかである。
【0034】図1および図2は一晩インキュベーション
期間のアッセイの標準曲線を示す。横座標は分析物の濃
度(モル/L)である。図1は〔Ag*〕(モル/L)
についての標準曲線を示す。図2は〔Ag*Ab〕(モ
ル/L)についての標準曲線を示す。両場合とも異なる
固相濃度について4種類の曲線が示されている:曲線A
は1・10-9モル/L、曲線Bは2・10-9モル/L、曲線
Cは4・10-9モル/L、曲線Dは8・10-9モル/Lにつ
いて。
【0035】それらの標準曲線から、標識リガンドの濃
度よりずっと高い濃度と結合能を有する固相試薬Abを
使用することが有利であることがわかる。高い固相結合
能は、分析物濃度が或る閾値を越えた場合により強い応
答結果を提供する。
【0036】それらの標準曲線から、本発明の方法がス
クリーニングアッセイ、すなわち量的数値があまり重要
な役割を持たず、アッセイの目的が最も単純な場合には
陽性と陰性の2つのカテゴリーのみに試料を分類するこ
とであるアッセイ、に特に適することが理解できる。
【0037】一般記載 本発明の方法および必要な装置は多くの異なるやり方で
実現することができる。しかしながら、本発明の本質的
な所見は、レーザービームを反応懸濁液中に直接集束さ
せ、そして溶液中の遊離型の標識リガンドの濃度を測定
することにより、速度論の測定または終点測定のいずれ
かとして反応の進行を追跡することができるということ
である。溶液中の遊離型標識の濃度は、それが固相に結
合するにつれて減少する。二光子励起に使用した短時間
のレーザーパルス期間の間だけ蛍光検出器を作動させる
ことができ、これは、励起と励起の間隙に起こる光子放
出と熱ノイズが測定されないことを意味する。同時に、
微粒子が焦点容積に達したその瞬間に光子検出器を休止
させることができる。焦点容積での微粒子の位置に関す
る情報は、例えば、レーザービーム波長での散乱を通し
て、または粒子に結合した蛍光を通して得られる。散乱
を測定する最良の方法は、共焦点散乱検出器を使用する
ことである。血液細胞からの散乱シグナルは、それらの
相対屈折率がラテックス微粒子のそれよりずっと低いた
め、小さいオーダーである。等張溶液を細胞膜の中に貫
通させ、その結果としてアッセイ懸濁液中の細胞内液並
びにヘモグロビンおよびそれの蛍光ポルフィリン化合物
が希釈されることにより、細胞によって引き起こされる
散乱とバックグラウンド蛍光を更に最小化することがで
きる。
【0038】当業者は、前記発明の別の態様を本明細書
に与えられる特許請求の範囲内で変更することができる
ことを十分認識している。 [図面の簡単な説明]
【図1】図1は〔Ag*〕(モル/L)についての標準
曲線を示す。異なる固相濃度について4種類の曲線が示
されている:曲線Aは1・10-9モル/L、曲線Bは2・
10-9モル/L、曲線Cは4・10-9モル/L、曲線Dは8
・10-9モル/Lについて。
【図2】図2は〔Ag*Ab〕(モル/L)についての
標準曲線を示す。異なる固相濃度について4種類の曲線
が示されている:曲線Aは1・10-9モル/L、曲線Bは
2・10-9モル/L、曲線Cは4・10-9モル/L、曲線D
は8・10-9モル/Lについて。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液中または生物学的懸濁液中の分析物
    についての生体特異的均一アッセイ法であって、蛍光分
    子で標識されたリガンドと前記分析物を競合的に結合す
    る生体特異的試薬が固相に固定され、二光子励起に適し
    たレーザービームを使って溶液中の遊離リガンドの蛍光
    が励起され、そして二光子励起を用いて得られる焦点容
    積が鋭く回折制限されるという方法であり、 前記レーザービームを前記溶液の液体容積中に集束さ
    せ、焦点容積中またはその周辺に全く固相が存在しない
    期間の間、前記標識からの光子放出を記録することによ
    り、前記溶液中の標識された遊離リガンドの濃度を検出
    することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記固相がキュベットの内面に固定され
    ていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 二光子励起に特徴的な高度に制限された
    焦点容積が、前記固相に結合した標識試薬上に集束しな
    いことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記固相が、反応溶液中に懸濁される微
    粒子の表面に固定されていることを特徴とする、請求項
    1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記焦点容積中に微粒子が浮遊したとき
    に前記光子放出の記録が中断されることを特徴とする、
    請求項4に記載の方法。
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