JP2002517727A - 固相、二光子励起および共焦点蛍光検出を用いた生体特異的均一アッセイ - Google Patents

固相、二光子励起および共焦点蛍光検出を用いた生体特異的均一アッセイ

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Abstract

(57)【要約】 本発明の目的は、溶液中または生物学的懸濁液中の分析物についての生体特異的均一アッセイ法であって、蛍光分子で標識されたリガンドおよび前記分析物を競合的に結合する生体特異的試薬を固相と反応させて固相に固定し、二光子励起に適したレーザービームを試料液体容積中に集束させることにより、二光子励起を使ってリガンドの蛍光を励起させ、そして前記標識により与えられる光子放出を通して標識リガンドの濃度を検出するという方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 生体親和性アッセイ法は様々な生物活性分子の分析に汎用されている。それら
の方法の様々な応用が日常診断や学術研究に広く用いられている。最も一般的に
用いられている生体親和性アッセイ法は、抗原が生体特異的試薬として働くイム
ノアッセイである。
【0002】 本発明の方法は、第一の生体特異的試薬Ab(例えばタンパク質、抗体、ヌク
レオチド)が固形反応母材(例えば反応キュベットの内壁または微粒子懸濁液で
あることができる)に固定されている蛍光測定生体親和性アッセイに関する。反
応母材に固定された成分を以降固相と称することにする。もう1つの生体特異的
試薬(以下、リガンドと称する)(例えばステロイドや別のホルモン、薬物また
はオリゴヌクレオチドといった生物活性分子)は蛍光標識により標識されている
。以降はこの試薬を単に標識と呼称する。本発明のアッセイ法は、固体母材に固
定された試薬が分析物と標識リガンドの両方に対して親和性を有する、いわゆる
競合アッセイである。
【0003】 本発明の競合アッセイ法は、小型の分析物分子Agに特に適している。競合ア
ッセイ法に特徴的な点は、典型的には生体特異的試薬Abの濃度が分析物と標識
リガンドの濃度よりも低くなるように反応成分の濃度が調節され、そしてアッセ
イの形式が限定試薬アッセイとも呼ばれることである。標識リガンドAg* は分
析物分子Agと同じ分子であってもよいし、またはAgのような対応する親和性
決定基を含有する別の分子であってもよい。試薬Abの濃度は反応溶液中の別の
成分の濃度よりも低いので、成分AgとAg* はそれらの相対的濃度で固相の試
薬Abに結合する。従って、これは競合結合と呼ばれる。このアッセイの標準曲
線は非線形(S字形)である。標準曲線は較正(キャリブレーション)測定から
得られたグラフを指す。このグラフは分析物濃度に対するシグナル応答(蛍光強
度)の依存を表す。
【0004】 従来アッセイおよび研究法に関する問題点はそれらの複雑さにある。例えば、
競合蛍光測定イムノアッセイ法によるホルモンの測定は、次のような数段階を要
する:血清からの細胞の分離、血清試料の調合と希釈、標識試薬の添加、インキ
ュベーション、洗浄による遊離画分の分離、測定溶液の添加、およびシグナルの
測定。既知測定装置の大部分が少なくとも10〜100マイクロリットルの反応容積
を必要とする。反応容積が10マイクロリットル未満であれば、信頼できるように
分離段階を実施することは非常に難しい。
【0005】 日常診断用に、より単純で、微量で且つ原価効率のよいアッセイが常に必要と
されている。実際上、これは現行アッセイの容積のほんの一部の液体容積を使用
する一段階アッセイを意味する。本発明の新規蛍光測定生体特異的アッセイ法は
一段階法であり、標識の分離を必要とせず、且つ溶液でも細胞懸濁液のいずれで
もよい非常に少量の試料をアッセイするのに良く適している。本発明の方法では
、シグナル強度は試料サイズに無関係であり、最少可能試料サイズは利用できる
液体処理技術にだけ依存する。
【0006】 本発明の独特の特徴は請求項1に与えられる。典型的なアッセイのコンピュー
ターシュミレーションの例を図1と図2に与えた。本発明の方法は例えば次のよ
うにして実施することができる。
【0007】 −固相を予め調製しておく。前記分析物とリガンドを結合する生体特異的試薬
Abで固相をコーティングする。固相を反応キュベットの内壁上または反応容積
に添加する微粒子の表面上に置いてもよい。
【0008】 −リガンドを蛍光分子で標識する。
【0009】 −測定しようとする試料と標識リガンドAg* それ自体でまたは微粒子懸濁液
と一緒に反応キュベット中に添加する。すると生体親和性のために、分析物分子
Agと標識リガンドAg* が固相表面上に存在する試薬分子に競合的に結合し始
める。
【0010】 −対物レンズを通してレーザービームをキュベット中の液体に集束させる。レ
ーザーのパラメーターおよびレンズの開口数を、レーザービームの焦点容積がキ
ュベットの容積よりも有意に小さくなるように、そして実際上は回折により制限
されるように選択する。更に、該溶液の蛍光分子に二光子励起を生じさせるよう
にレーザーの波長と強度を選択する。蛍光分子の励起状態が特定の蛍光減衰速度
で解かれて光子を放出するので、それを適当な光子検出器で検出する。検出器か
ら得られるシグナル強度または一光子計数率が、溶液中の蛍光標識の濃度に正比
例する。
【0011】 −溶液中に存在する分析物が少なくなればなるほど、固相に結合している蛍光
標識が多くなる。従って、較正と標識より得られたシグナルに基づいて、溶液中
の分析物の濃度を求めることが可能である。
【0012】 上記方法では、レーザーを集束させそしてシグナルを検出するのに用いる光学
システムが二光子励起に基づいたものである。二光子励起は、制限された焦点容
積(これは二光子励起焦点の点分散関数によって求められる)の中にのみ励起状
態を作成する。この焦点容積は非常に小さく、典型的には1フェムトリットル以
下であり、あるいは適当な光学パラメーターを選択することによって10フェムト
リットルまでまたはそれ以上にまで拡大することができる。焦点容積を決定する
因子については本明細書の下記に説明する。レーザービームの焦点容積をキュベ
ットの液体容積の中心に設定した場合、焦点容積が高度に制限されるため、レー
ザービームは焦点容積の外側、すなわち固相中、溶液中のどこかまたはオプチク
ス中に蛍光励起を生成することはできない。焦点容積中にランダムに浮遊してい
る微粒子は、それらが焦点容積中のレーザービームの影響下にある短期間の間だ
けシグナルを発生する。しかしながら、それらのシグナルは微粒子検出器に明確
なシグナルを出すので、それらを電気的に棄却することができる。微粒子検出器
とは、焦点容積中に浮遊する微粒を検出する構成成分のことを指す。微粒子検出
器は、例えば典型的な光散乱検出器であることができる。それは、微粒子表面に
取り付けられたまたは微粒子の内側に置かれた色素の蛍光シグナルを検出する光
子検出器であることもできる。前記光散乱または蛍光は、別個の光源を使ってま
たは二光子励起に使用する同一のレーザーを使って励起される。光散乱または蛍
光シグナルはスペクトルの可視または近赤外(NIR)領域のいずれかに検出さ
れ、そして励起−検出系は共焦点であってもよい。
【0013】 二光子励起を使って散乱または自己蛍光により引き起こされるバックグラウン
ドシグナルを排除できることは知られている(FI 90175, FI 951040およびWO 96
22531)。二光子励起が蛍光放出の検出をごく少量に、1フェムトリットル制限
容積以下にさえも制限できるようにすることも知られている。
【0014】 本発明に至った本質的な発見は、進歩的な二光子励起/検出概念を使うことに
より、希釈した蛍光溶液に使用できる更に高感度の測定系を創意工夫して設計す
ることであった。その感度は上記で説明した方法にも十分である。FI 90175, FI
951040およびWO 9622531に記載された従来の方法とは違い、本発明の方法は、
溶液中の蛍光リガンドの濃度およびリガンドが固相に結合した時の該濃度の減少
を測定する。本発明の方法では、焦点容積中に遊離の標識リガンドが存在すると
きにのみ(遊離の標識リガンドは最終的には溶液全体に拡がる)、二光子励起に
より生じるシグナルが記録される。二光子検出は容積が大幅に制限されるので、
固相に結合した標識リガンドと焦点容積の外側に存する標識リガンドはシグナル
を発生しない。回折により制限された焦点容積の外側の固相は、それが同じ測定
キュベット中にあるにもかかわらずシグナルに寄与しない。このことは、分離段
階を必要としない競合的生物親和性アッセイを可能にする。文献では、このタイ
プのアッセイを均一アッセイと呼んでいる。よって、本発明の最も重要な発見は
、溶液中のリガンド濃度の容積制限検出である。
【0015】 本発明の方法では、蛍光の二光子励起がレーザービームの回折制限焦点容積(
これは典型的には約1フェムトリットルである)内で起こり、焦点容積の外側で
は全く励起が起こらないという事実に基づいて、結合した標識リガンドと遊離の
標識リガンドから発せられる2つのシグナルが分離される。焦点容積に影響を与
える因子は、主として対物レンズの開口数に加えて、対物レンズの瞳孔より前方
のレーザービームの強度分布に依存する。小さい開口数を選択するかまたは均一
レーザービーム分布の代わりにガウス分布を選択することにより、焦点容積を拡
大することができる。しかしながら、同時に二光子励起効率は減少してしまうだ
ろう。二光子励起は非線形性を有するために、焦点容積中により多数の標識分子
の占める空間はあるけれども、同時に蛍光の強度も低下する。しかしながら、相
応してレーザーの平均出力を増すことにより、このシグナル低下を補うことが可
能である。平均出力を増加させる最も好適な方法はレーザーパルス速度を増加さ
せることである。何故なら、最大可能パルスピーク出力は焦点容積中の標識の光
分解(「漂白」)と飽和により制限されるからである。
【0016】 固相はキュベット壁にまたは微粒子表面上に固定してもよい。微粒子は例えば
ラテックス微粒子または生物学的粒子であることができる。前記粒子の光吸収は
二光子励起に使用するレーザービームのNIR波長(実際面では、例えば1064 n
mである)のところでは最少であるかまたは存在しない。それらの粒子の光散乱
強度は相対屈折率に依存する。散乱は生物学的粒子(例えば細胞)を使ったとき
よりもラテックス粒子を使ったときの方が強い。ラテックス粒子のシグナルは、
それらの粒子に取り付けられた蛍光色素により発せられるシグナルを通してまた
は散乱を通して別の粒子のシグナルから区別される。ある場合には、それらのラ
テックス粒子が溶液よりも低い密度を有する材料で作られているならば有用かも
しれない。そのような場合、粒子は反応中に徐々に表面に向かって浮遊し、それ
と同時に固相を焦点容積から離れた方に物理的に運ぶだろう。別の可能性は、磁
場を使うことによってレーザーの焦点域から移動させることができる磁性粒子を
使用することである。
【0017】 本発明の方法では、反応キュベットの透明な壁を通して蛍光励起に使うレーザ
ー光線が直接的に反応溶液中に集束せしめられる。各レーザーパルスごとに溶液
からの蛍光シグナルを得、そして拡散または液体移動のいずれかのために固相と
して用いた微粒子が焦点容積の内外に出入りしたら、シグナルの記録を中断する
。微粒子は、微粒子に結合した標識複合体の量に正比例する振幅を有するシグナ
ルを与える。更に、微粒子から得られたそれらのシグナルを記録することにより
、遊離シグナルより得られるシグナルの他に、固相に結合した標識より得られる
シグナルを分析することが可能である。これは、例えば、より高い測定精度を得
るのに有用かもしれない。
【0018】 上述した特徴のため、本発明の方法は、分離を必要とせずに、例えば液体およ
び細胞懸濁液からの迅速な一段階生体特異的アッセイを可能にする。本発明の方
法で使用する赤外照射波長では、例えば血液細胞は完全に透明である。従って、
希釈した全血においてアッセイを実施でき、これは今日の日常手順の大幅な簡略
化を意味する。
【0019】 理論上、測定容積は二光子励起の焦点容積に等しいので、本発明の蛍光測定概
念は焦点容積のものより大きい試料容積を必要としない。よって、本発明の方法
の最も重要な利点の1つは、感度や測定精度を犠牲にすることなく、1マイクロ
リットル以下の液体容積の試料を許容することである。これは医薬物質のスクリ
ーニングの際に特に重要である。実際上、試料サイズは、少なくとも問題の液体
を正確に反応キュベット中に移すことができるような容積のものでなければなら
ない。従来の自動ディスペンサーでは、5〜10マイクロリットルの試料を移すこ
とが可能である。更にずっと小さい液体容積である1ナノリットルから1マイク
ロリットルの場合には新型のピペットディスペンサーを必要とする。
【0020】 二光子励起 二光子励起は、強力な光源を集束させることにより、ニつの光子が同一色素分
子中に吸収されるのに十分な位に単位容積あたりおよび単位時間あたりの光子密
度が高くなったときに造成される。この場合、吸収されるエネルギーは二光子の
エネルギーの和である。確率理論によれば、色素への一光子の吸収は独立事象で
あり、そして複数個の光子の吸収は1つの独立事象の連続である。一光子の吸収
の確率は、励起させようとするエネルギー状態が飽和されない限り、線形関数と
して説明することができる。二光子の吸収は非線形プロセスである。二光子励起
の場合、二光子の両方が同時に吸収されたときのみ、色素分子が励起される。二
光子の吸収の確率は単一光子の吸収の確率分布の積に等しい。よって、二光子の
発光は二次式プロセスである。
【0021】 蛍光色素の励起に用いる光学系の特徴は、点様光源に対する系の応答を用いて
説明することができる。点様光源は、回折のため、焦点のところで光学系に特徴
的な強度分布(点分散関数)を形成する。標準化すると、この強度分布は点光源
から光子がいかにして焦点域に達するかの確率分布である。よって、このように
誘導された確率分布は、三次元空間、特に軸(深さ)方向において、一光子の確
率分布よりも明らかに大きく制限される。従って、二光子励起では、明らかに制
限された三次元空間(これは焦点容積とも呼称される)に形成された蛍光だけが
励起される。
【0022】 色素が二光子励起されると、通常の励起に比較して焦点の周辺および光学成分
からの光の散乱が明らかに減少する。更に、二光子励起は焦点の外側、試料の周
辺およびオプチクスのバックグラウンド蛍光を減少させる。励起光ビームを可能
な限り小さい点に集中すべきであるので、小さい試料容積の分析に二光子励起は
最も適している。これは本発明の方法の場合にも同様である。
【0023】 二光子励起の利点は、例えば可視または近赤外(NIR)光を紫外または青色
領域での励起にも使用することができるという事実にも基づいている。同様に、
NIRまたはIR光によって可視領域での励起を達成することもできる。光源の
波長は色素の発光波長より相当長いので、光源の波長での散乱および起こり得る
自己蛍光は生成されないか、または低域通過フィルターを使ってそれらを検出器
に到達しないようにすることによって効果的に減衰(少なくとも10オーダーの減
衰)させることができる。NIR領域での赤血球の光吸収は非常に小さい。本発
明者らは、例えば1064 nm波長の励起光がヘマトポルフィリンの蛍光を誘導せず
、従って微粒子懸濁液が顕著な量の赤血球を含むときであっても、赤血球により
引き起こされるバックグラウンド蛍光は重要でないことも発見した。二光子励起
は大抵の場合高エネルギー超短パルスを生成することができるレーザー装置を必
要とする。本発明者らの実験において、安価のマイクロチップレーザーをナノ秒
パルス持続時間で使うことによって、短命の蛍光標識と二光子励起を用いて非常
に高いシグナル対バックグラウンド比と優れた感度を達成できることが観察され
た。二光子励起に適した蛍光標識は、例えばBODIPYおよびローダミン誘導体であ
る。
【0024】 測定感度に関する例 文献は、二光子励起の場合と同様な点分散関数を得ることが可能である、共焦
点測定法を記載している。共焦点法に比較した二光子励起の欠点はシグナル強度
が低いことである。しかしながら、二光子励起法は多くの利点を有しており、そ
のうちの最も重要なものは散乱バックグラウンドが無いことと自己蛍光がより低
いことである。本発明者らは、自由裁量で装置を使って比較測定を実施し、そし
て1ナノモル/Lのローダミン溶液を使用した場合、シグナル対バックグラウン
ド比は二光子法では1000であり、一方で共焦点法では7であることを発見した。
【0025】 例 数式モデルを使って、全ての可能な反応パラメーターを変動させながら、反応
速度論並びに様々な反応成分の消費および生産をシミュレートした。この実施例
のアッセイの反応スキームは、AbとAgとの反応がいかにして複合体AbAg
を生成するかを示す。
【0026】
【数1】 ここで k1 =会合速度定数〔L・モル-1・s-1〕および k2 =解離速度定数〔s-1〕。
【0027】 AbとAg* との反応は複合体AbAg* を生成する
【数2】 ここで k3 =会合速度定数〔L・モル-1・s-1〕および k4 =解離速度定数〔s-1〕。
【0028】 (3) K1=k1/k2=Agについての反応平衡定数(親和性)〔L/モル〕 (4) K3=k3/k4=Ag*についての反応平衡定数(親和性)〔L/モル〕
【0029】 反応は次の微分方程式によって表すことができる:
【数3】
【0030】 ここで 〔Ag〕=x1 〔Ag*〕=x2 〔Ab〕=x3 〔AgAb〕=x4 〔Ag*Ab〕=x5 〔Ab〕=抗体の時間依存濃度〔モル/L〕 〔Ag〕=抗原の時間依存濃度〔モル/L〕 〔Ag*〕=標識抗原の時間依存濃度〔モル/L〕 〔AbAg〕=抗原−抗体複合体の時間依存濃度〔モル/L〕 〔AbAg*〕=標識抗原−抗体複合体の時間依存濃度〔モル/L〕 〔x〕=モル・L-1 〔dx/dt〕=モル・L-1・s-1 〔k1〕=L・モル-1・s-1 〔k2〕=s-1
【0031】 Ag,Ag* およびAbの初質量は反応中保存されるだろうから、
【数4】 上式中 p=初期Ag濃度 p* =初期Ag* 濃度 q=初期Ab濃度。
【0032】 微分方程式(方程式6〜10)とそれらの解は反応速度論を説明する。それらの
微分方程式の解は容易に数量計算することができ、その解にMethcad 6.0+ 数学
プログラム(Matsoft Inc., Cambridge, Mass, USA)により提供される改良ルン
ゲ−クッタ法を使用した。
【0033】 この場合において、次の初濃度を使うことによりモデル化のための実施例を選
択した:反応懸濁液中の分析物Agの初濃度はp=1・10-10モル/L〜1・10- 6 モル/Lの範囲でありに、反応容量に関係させたときの固相試薬Abの当量濃
度はq=1・10-9 モル/Lであり、そして標識リガンドAg*の初濃度はp*
1・10-9 モル/Lである。生体特異的試薬AbとAb* の平衡定数(親和定数
)はK=1・109 L/モルである。分析物と固相の間の会合定数はk1=1・107 L モル-1-1であり、標識リガンドと固相の間の会合定数はk2=1・107
モル-1-1である。また、標識リガンドを遊離標識の100%純度であると仮定
した。標識とリガンドの両方とも比較的低分子量を有するため、普通のクロマト
グラフィー法の使用によって高純度が得られることは明らかである。
【0034】 図1および図2は一晩インキュベーション期間のアッセイの標準曲線を示す。
横座標は分析物の濃度(モル/L)である。図1は〔Ag*〕(モル/L)につ
いての標準曲線を示す。図2は〔Ag*Ab〕(モル/L)についての標準曲線
を示す。両場合とも異なる固相濃度について4種類の曲線が示されている:曲線
Aは1・10-9モル/L、曲線Bは2・10-9モル/L、曲線Cは4・10-9モル/L
、曲線Dは8・10-9モル/Lについて。
【0035】 それらの標準曲線から、標識リガンドの濃度よりずっと高い濃度と結合能を有
する固相試薬Abを使用することが有利であることがわかる。高い固相結合能は
、分析物濃度が或る閾値を越えた場合により強い応答結果を提供する。
【0036】 それらの標準曲線から、本発明の方法がスクリーニングアッセイ、すなわち量
的数値があまり重要な役割を持たず、アッセイの目的が最も単純な場合には陽性
と陰性の2つのカテゴリーのみに試料を分類することであるアッセイ、に特に適
することが理解できる。
【0037】 一般記載 本発明の方法および必要な装置は多くの異なるやり方で実現することができる
。しかしながら、本発明の本質的な所見は、レーザービームを反応懸濁液中に直
接集束させ、そして溶液中の遊離型の標識リガンドの濃度を測定することにより
、速度論の測定または終点測定のいずれかとして反応の進行を追跡することがで
きるということである。溶液中の遊離型標識の濃度は、それが固相に結合するに
つれて減少する。二光子励起に使用した短時間のレーザーパルス期間の間だけ蛍
光検出器を作動させることができ、これは、励起と励起の間隙に起こる光子放出
と熱ノイズが測定されないことを意味する。同時に、微粒子が焦点容積に達した
その瞬間に光子検出器を休止させることができる。焦点容積での微粒子の位置に
関する情報は、例えば、レーザービーム波長での散乱を通して、または粒子に結
合した蛍光を通して得られる。散乱を測定する最良の方法は、共焦点散乱検出器
を使用することである。血液細胞からの散乱シグナルは、それらの相対屈折率が
ラテックス微粒子のそれよりずっと低いため、小さいオーダーである。等張溶液
を細胞膜の中に貫通させ、その結果としてアッセイ懸濁液中の細胞内液並びにヘ
モグロビンおよびそれの蛍光ポルフィリン化合物が希釈されることにより、細胞
によって引き起こされる散乱とバックグラウンド蛍光を更に最小化することがで
きる。
【0038】 当業者は、前記発明の別の態様を本明細書に与えられる特許請求の範囲内で変
更することができることを十分認識している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は〔Ag*〕(モル/L)についての標準曲線を示す。異なる固相濃度に
ついて4種類の曲線が示されている:曲線Aは1・10-9モル/L、曲線Bは2・
10-9モル/L、曲線Cは4・10-9モル/L、曲線Dは8・10-9モル/Lについて
【図2】 図2は〔Ag*Ab〕(モル/L)についての標準曲線を示す。異なる固相濃
度について4種類の曲線が示されている:曲線Aは1・10-9モル/L、曲線Bは
2・10-9モル/L、曲線Cは4・10-9モル/L、曲線Dは8・10-9モル/Lにつ
いて。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液中または生物学的懸濁液中の分析物についての生体特異
    的均一アッセイ法であって、蛍光分子で標識されたリガンドと前記分析物を競合
    的に結合する生体特異的試薬が固相に固定され、二光子励起に適したレーザービ
    ームを使って溶液中の遊離リガンドの蛍光が励起され、そして二光子励起を用い
    て得られる焦点容積が鋭く回折制限されるという方法であり、 前記レーザービームを前記溶液の液体容積中に集束させ、焦点容積中またはその
    周辺に全く固相が存在しない期間の間、前記標識からの光子放出を記録すること
    により、前記溶液中の標識された遊離リガンドの濃度を検出することを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】 前記固相がキュベットの内面に固定されていることを特徴と
    する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 二光子励起に特徴的な高度に制限された焦点容積が、前記固
    相に結合した標識試薬上に集束しないことを特徴とする、請求項2に記載の方法
  4. 【請求項4】 前記固相が、反応溶液中に懸濁される微粒子の表面に固定さ
    れていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記焦点容積中に微粒子が浮遊したときに前記光子放出の記
    録が中断されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
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