JP3398715B2 - 閉鎖系空間における水循環利用方法及び装置 - Google Patents
閉鎖系空間における水循環利用方法及び装置Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/30—Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
- Y02W10/37—Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy
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- Gas Separation By Absorption (AREA)
- Drying Of Gases (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部から水の供給が不
可能か或いは十分な供給ができない閉鎖系空間におい
て、生命維持に使用する水を、生命体から気相中に発散
される水蒸気から高吸湿感熱性高分子ゲルを媒介として
回収し、該閉鎖系空間内の生命体に供給する水の循環利
用方法および装置に関する。
可能か或いは十分な供給ができない閉鎖系空間におい
て、生命維持に使用する水を、生命体から気相中に発散
される水蒸気から高吸湿感熱性高分子ゲルを媒介として
回収し、該閉鎖系空間内の生命体に供給する水の循環利
用方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在閉鎖系あるいは準閉鎖系空間におけ
る水循環システムの形成は要望が強く、さらに地球環境
保全、省資源、省エネルギーの観点からも水循環システ
ムの形成は社会的にも強く要望されている。
る水循環システムの形成は要望が強く、さらに地球環境
保全、省資源、省エネルギーの観点からも水循環システ
ムの形成は社会的にも強く要望されている。
【0003】本発明でいう閉鎖系空間とは、例えば地球
を周回する宇宙カプセル内部や月に設けたシェルター、
地球上に設けた無菌室などを意味する。また、準閉鎖系
空間とは、例えば大気中の成分気体の一部や使用する水
の一部を該空間外からの供給や、閉鎖系空間からの廃棄
物の排出が不可能ではない閉鎖系空間を意味し、このよ
うな空間として例えば植物工場、バイオスペースや深海
潜水機のようなものを挙げることができる。本発明では
閉鎖系空間と準閉鎖系空間とを区別せず閉鎖系空間と呼
ぶことにする。
を周回する宇宙カプセル内部や月に設けたシェルター、
地球上に設けた無菌室などを意味する。また、準閉鎖系
空間とは、例えば大気中の成分気体の一部や使用する水
の一部を該空間外からの供給や、閉鎖系空間からの廃棄
物の排出が不可能ではない閉鎖系空間を意味し、このよ
うな空間として例えば植物工場、バイオスペースや深海
潜水機のようなものを挙げることができる。本発明では
閉鎖系空間と準閉鎖系空間とを区別せず閉鎖系空間と呼
ぶことにする。
【0004】従来、閉鎖系空間における液体の水につい
ては種々の処理が提案されているが、系内での生体の呼
吸、発汗や蒸散などに起因する水蒸気やミストの回収再
利用について、効率的でコンパクトな手段はなかった。
このため水利用にロスが生じ、長期間にわたり閉鎖系空
間内で活動する際の阻害要因となっている。
ては種々の処理が提案されているが、系内での生体の呼
吸、発汗や蒸散などに起因する水蒸気やミストの回収再
利用について、効率的でコンパクトな手段はなかった。
このため水利用にロスが生じ、長期間にわたり閉鎖系空
間内で活動する際の阻害要因となっている。
【0005】近年、ゲルに吸水や脱水を行わせる技術が
進歩している。このような機能を持つゲルとして感熱性
高分子ゲルが挙げられる。この感熱性高分子ゲルの性質
を利用し、高性能の感熱性高分子ゲルを開発して、温度
較差を駆動力として高能率で、低コストの水循環システ
ムが開発できる可能性があるとして期待されている。こ
の感熱性高分子ゲルとは、低温では水和により膨潤して
いるゲルが、加熱により高温になって脱水和して水をゲ
ル外に放出する、感熱的に相転移を行う高分子ゲルの総
称である。感熱性高分子ゲルとしては、アクリルアミド
系モノマーとメチレンビスアクリルアミドのような2官
能基を持つモノマーを共重合することにより合成するこ
とができる。また別の種類の感熱性高分子ゲルとしてポ
リビニールメチルエーテル水溶液にγ線或いは電子線を
照射することにより高分子ゲルを生成することが出来
る。現段階ではこれらの中、アクリルアミド系の感熱性
高分子ゲルが主流であり、共重合するモノマーの種類を
選択し、共重合の量的比率を適切に設定することにより
希望する相転移温度に対応する高分子を合成できる利点
がある。
進歩している。このような機能を持つゲルとして感熱性
高分子ゲルが挙げられる。この感熱性高分子ゲルの性質
を利用し、高性能の感熱性高分子ゲルを開発して、温度
較差を駆動力として高能率で、低コストの水循環システ
ムが開発できる可能性があるとして期待されている。こ
の感熱性高分子ゲルとは、低温では水和により膨潤して
いるゲルが、加熱により高温になって脱水和して水をゲ
ル外に放出する、感熱的に相転移を行う高分子ゲルの総
称である。感熱性高分子ゲルとしては、アクリルアミド
系モノマーとメチレンビスアクリルアミドのような2官
能基を持つモノマーを共重合することにより合成するこ
とができる。また別の種類の感熱性高分子ゲルとしてポ
リビニールメチルエーテル水溶液にγ線或いは電子線を
照射することにより高分子ゲルを生成することが出来
る。現段階ではこれらの中、アクリルアミド系の感熱性
高分子ゲルが主流であり、共重合するモノマーの種類を
選択し、共重合の量的比率を適切に設定することにより
希望する相転移温度に対応する高分子を合成できる利点
がある。
【0006】上記従来の感熱性高分子ゲルは、水中では
高分子ゲルの相転移温度の低温側或いは高温側におい
て、敏感に、かつ短時間に水和或いは脱水和する。しか
しながら、従来の感熱性高分子ゲルは水蒸気を含む気相
中に存在する場合には、相転移温度の高温側における脱
水和現象は、水中におけると同様に行われるが、相転移
温度の低温側における水蒸気の吸収力、すなわち水和力
はゲル表面に接触している水の分子凝集状態が水中にお
けると異なるので微弱であり、水蒸気を吸収するために
は大量の感熱性高分子ゲルが必要となる。
高分子ゲルの相転移温度の低温側或いは高温側におい
て、敏感に、かつ短時間に水和或いは脱水和する。しか
しながら、従来の感熱性高分子ゲルは水蒸気を含む気相
中に存在する場合には、相転移温度の高温側における脱
水和現象は、水中におけると同様に行われるが、相転移
温度の低温側における水蒸気の吸収力、すなわち水和力
はゲル表面に接触している水の分子凝集状態が水中にお
けると異なるので微弱であり、水蒸気を吸収するために
は大量の感熱性高分子ゲルが必要となる。
【0007】閉鎖系空間、例えばバイオスフェア、バイ
オスペースやバイオカプセルなどの生命維持装置におい
て、生命体への水の供給を維持するために利用するに
は、従来の感熱性高分子ゲルの場合では、大容量のゲル
を多量に使用する必要があり水循環システムの形成は容
易ではなかった。更に、現時点においては気相中の水蒸
気をその相転移温度以下において強力に水和できる感熱
性高分子ゲルは存在せず、従ってこのゲルを媒体として
の閉鎖系空間における水循環システムは全く存在しな
い。
オスペースやバイオカプセルなどの生命維持装置におい
て、生命体への水の供給を維持するために利用するに
は、従来の感熱性高分子ゲルの場合では、大容量のゲル
を多量に使用する必要があり水循環システムの形成は容
易ではなかった。更に、現時点においては気相中の水蒸
気をその相転移温度以下において強力に水和できる感熱
性高分子ゲルは存在せず、従ってこのゲルを媒体として
の閉鎖系空間における水循環システムは全く存在しな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の上
記欠陥を改善し、閉鎖系空間において必要とする水を外
部から供給することなく循環水として提供する、全く新
規な発想による水循環の方法および装置を提供すること
を目的とする。
記欠陥を改善し、閉鎖系空間において必要とする水を外
部から供給することなく循環水として提供する、全く新
規な発想による水循環の方法および装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、高吸湿感熱
性高分子ゲルによる本発明の閉鎖系空間における水循環
利用方法および装置によって達成される。
性高分子ゲルによる本発明の閉鎖系空間における水循環
利用方法および装置によって達成される。
【0010】すなわち、
(1)水蒸気の吸収を助長する物質を、感熱性高分子ゲ
ルの表面に添着及び/又は内部に混練し、固定化して得
た高吸湿感熱性高分子ゲルを用いて、前記高吸湿感熱性
高分子ゲルの温度を相転移温度以下として該高吸湿感熱
性高分子ゲル内に閉鎖系空間の気相中の水分を液体とし
て保持した後、該高吸湿感熱性高分子ゲルの温度を前記
相転移温度以上として該高吸湿感熱性高分子ゲル外に液
体の水として放出させ使用点に供給することを特徴とす
る閉鎖系空間における水循環利用方法。 (2)水蒸気の吸収を助長する物質を、感熱性高分子ゲ
ルの表面に添着及び/又は内部に混練し、固定化して得
た高吸湿感熱性高分子ゲルを保持する調整装置と、該調
整装置に閉鎖系空間の気相を導く送気装置と、前記調整
装置内の高吸湿感熱性高分子ゲルの温度を維持又は変化
させる温度調整手段と、高吸湿感熱性高分子ゲルより放
出された液体の水を使用点に供給する供給装置を配備し
てなることを特徴とする閉鎖系空間における水循環利用
装置。 (3)前記水蒸気の吸収を助長する物質が、Zn、C
a、Mg、Cu及びFeより選ばれた金属の酸化物、又
は硫酸塩であるか、又はアクリル酸ユニットを含む架橋
高分子であるか、又は該高分子と前記金属の酸化物、又
は硫酸塩の混合物であって、前記感熱性高分子ゲルの基
材が、アクリルアミド系樹脂又はポリビニルメチルエー
テル系樹脂の単独又は2官能性モノマーとの重合物であ
ることを特徴とする上記(1)記載の閉鎖系空間におけ
る水循環利用方法。 (4)前記水蒸気の吸収を助長する物質が、Zn、C
a、Mg、Cu及びFeより選ばれた金属の酸化物、又
は硫酸塩であるか、又はアクリル酸ユニットを含む架橋
高分子であるか、又は該高分子と前記金属の酸化物、又
は硫酸塩の混合物であって、前記感熱性高分子ゲルの基
材が、アクリルアミド系樹脂又はポリビニルメチルエー
テル系樹脂の単独又は2官能性モノマーとの重合物であ
ることを特徴とする上記(2)記載の閉鎖系空間におけ
る水循環利用装置。
ルの表面に添着及び/又は内部に混練し、固定化して得
た高吸湿感熱性高分子ゲルを用いて、前記高吸湿感熱性
高分子ゲルの温度を相転移温度以下として該高吸湿感熱
性高分子ゲル内に閉鎖系空間の気相中の水分を液体とし
て保持した後、該高吸湿感熱性高分子ゲルの温度を前記
相転移温度以上として該高吸湿感熱性高分子ゲル外に液
体の水として放出させ使用点に供給することを特徴とす
る閉鎖系空間における水循環利用方法。 (2)水蒸気の吸収を助長する物質を、感熱性高分子ゲ
ルの表面に添着及び/又は内部に混練し、固定化して得
た高吸湿感熱性高分子ゲルを保持する調整装置と、該調
整装置に閉鎖系空間の気相を導く送気装置と、前記調整
装置内の高吸湿感熱性高分子ゲルの温度を維持又は変化
させる温度調整手段と、高吸湿感熱性高分子ゲルより放
出された液体の水を使用点に供給する供給装置を配備し
てなることを特徴とする閉鎖系空間における水循環利用
装置。 (3)前記水蒸気の吸収を助長する物質が、Zn、C
a、Mg、Cu及びFeより選ばれた金属の酸化物、又
は硫酸塩であるか、又はアクリル酸ユニットを含む架橋
高分子であるか、又は該高分子と前記金属の酸化物、又
は硫酸塩の混合物であって、前記感熱性高分子ゲルの基
材が、アクリルアミド系樹脂又はポリビニルメチルエー
テル系樹脂の単独又は2官能性モノマーとの重合物であ
ることを特徴とする上記(1)記載の閉鎖系空間におけ
る水循環利用方法。 (4)前記水蒸気の吸収を助長する物質が、Zn、C
a、Mg、Cu及びFeより選ばれた金属の酸化物、又
は硫酸塩であるか、又はアクリル酸ユニットを含む架橋
高分子であるか、又は該高分子と前記金属の酸化物、又
は硫酸塩の混合物であって、前記感熱性高分子ゲルの基
材が、アクリルアミド系樹脂又はポリビニルメチルエー
テル系樹脂の単独又は2官能性モノマーとの重合物であ
ることを特徴とする上記(2)記載の閉鎖系空間におけ
る水循環利用装置。
【0011】本発明においては、上記調整装置、引いて
は調整装置内部のゲルの温度変化が重要なファクターで
ある。また、上記高吸湿感熱性高分子ゲルの相転移温度
は5〜80℃の範囲であることが好ましい。上記温度変
化は温度調整手段により達成される。これら温度調整の
態様は概ね下記の3つの態様である。
は調整装置内部のゲルの温度変化が重要なファクターで
ある。また、上記高吸湿感熱性高分子ゲルの相転移温度
は5〜80℃の範囲であることが好ましい。上記温度変
化は温度調整手段により達成される。これら温度調整の
態様は概ね下記の3つの態様である。
【0012】すなわち、
閉鎖系空間に自然的、必然的に温度変化が生じる。例
えば、人工衛星では昼夜の温度変化により必然的に衛星
内部(閉鎖系空間)に温度変化が生じる。また地球上に
ある例でも、移動する潜水装置や火山調査機などでは、
装置が行う熱源との相対的運動により装置内部に必然的
に温度変化が生じる。 加温及び/又は冷却装置を設けて人為的、強制的に温
度を変化させる。 自然的、必然的に生じる温度変化を助長あるいは緩和
するため人為的手段を併用する。 である。
えば、人工衛星では昼夜の温度変化により必然的に衛星
内部(閉鎖系空間)に温度変化が生じる。また地球上に
ある例でも、移動する潜水装置や火山調査機などでは、
装置が行う熱源との相対的運動により装置内部に必然的
に温度変化が生じる。 加温及び/又は冷却装置を設けて人為的、強制的に温
度を変化させる。 自然的、必然的に生じる温度変化を助長あるいは緩和
するため人為的手段を併用する。 である。
【0013】本発明に使用する調整装置は、装置に収納
した高吸湿感熱性高分子ゲル中に光線を透過させない材
質又は紫外線吸収剤などの紫外線劣化防止材とする必要
がある。それは本発明の高吸湿感熱性高分子ゲルが紫外
線などの光線によって性能が劣化するからである。
した高吸湿感熱性高分子ゲル中に光線を透過させない材
質又は紫外線吸収剤などの紫外線劣化防止材とする必要
がある。それは本発明の高吸湿感熱性高分子ゲルが紫外
線などの光線によって性能が劣化するからである。
【0014】本発明は閉鎖系空間で生命体を維持する維
持装置内或いは準閉鎖系空間内において、高吸湿感熱性
高分子ゲルにより、それを低温に維持して気相中に存在
する水蒸気を水和し、次の段階で高温に維持してゲル外
に液体の水として取り出し、水を気体→液体→気体に相
転換することにより循環せしめて、生命体に水を有効に
利用せしめる閉鎖系空間における水循環利用システムで
ある。本発明では、高吸湿感熱性高分子ゲルに与える温
度差、すなわち相転移温度以下の温度に維持して水蒸気
を液体の水に相転移し、相転移温度以上の温度に維持し
てゲル内に保持した水をゲル外に液体の水として放出せ
しめる作用を該高分子ゲルに行わせるための温度差を特
に温度較差と呼ぶことにする。
持装置内或いは準閉鎖系空間内において、高吸湿感熱性
高分子ゲルにより、それを低温に維持して気相中に存在
する水蒸気を水和し、次の段階で高温に維持してゲル外
に液体の水として取り出し、水を気体→液体→気体に相
転換することにより循環せしめて、生命体に水を有効に
利用せしめる閉鎖系空間における水循環利用システムで
ある。本発明では、高吸湿感熱性高分子ゲルに与える温
度差、すなわち相転移温度以下の温度に維持して水蒸気
を液体の水に相転移し、相転移温度以上の温度に維持し
てゲル内に保持した水をゲル外に液体の水として放出せ
しめる作用を該高分子ゲルに行わせるための温度差を特
に温度較差と呼ぶことにする。
【0015】本発明に使用する高吸湿感熱性高分子ゲル
を具体的に説明する。本発明の高吸湿感熱性高分子ゲル
を製造するにあたって、それぞれ官能基をもつ感熱性高
分子ゲル構成モノマーを共重合する際に添加する水蒸気
の吸収を助長する物質の内、 1)水蒸気の緩徐な無機吸収物は、Zn、Ca、Mg、
Al、Cu、Feなど金属の酸化物及び硫酸塩などの
内、水に不溶解性の粉末であり、それらを重量として5
0%を越えない範囲でモノマーと混合し、好ましくは均
一に混合する。 2)有機物としての高吸水性高分子ゲルは、例えば市販
のサンウエットIMI1000(三洋化成工業製スター
チポリアクリル酸)、イゲタゲルP(住友化学工業製ビ
ニルアルコールポリアクリル酸ソーダ)或いはアラソー
プG・KR713(荒川化学工業製ポリアクリル酸)な
どの粉末、あるいは顆粒状のものであり、それらを適当
に選択し、前記モノマーの合計重量の50%を越えない
範囲でモノマーと混合し、好ましくは均一に混合する。 ここで、上記1)の無機物と2)の有機物は各々単独で
も、両者を混合してでも添加することができる。混合し
た場合でも添加物の総量は重量として50%を越えな
い。
を具体的に説明する。本発明の高吸湿感熱性高分子ゲル
を製造するにあたって、それぞれ官能基をもつ感熱性高
分子ゲル構成モノマーを共重合する際に添加する水蒸気
の吸収を助長する物質の内、 1)水蒸気の緩徐な無機吸収物は、Zn、Ca、Mg、
Al、Cu、Feなど金属の酸化物及び硫酸塩などの
内、水に不溶解性の粉末であり、それらを重量として5
0%を越えない範囲でモノマーと混合し、好ましくは均
一に混合する。 2)有機物としての高吸水性高分子ゲルは、例えば市販
のサンウエットIMI1000(三洋化成工業製スター
チポリアクリル酸)、イゲタゲルP(住友化学工業製ビ
ニルアルコールポリアクリル酸ソーダ)或いはアラソー
プG・KR713(荒川化学工業製ポリアクリル酸)な
どの粉末、あるいは顆粒状のものであり、それらを適当
に選択し、前記モノマーの合計重量の50%を越えない
範囲でモノマーと混合し、好ましくは均一に混合する。 ここで、上記1)の無機物と2)の有機物は各々単独で
も、両者を混合してでも添加することができる。混合し
た場合でも添加物の総量は重量として50%を越えな
い。
【0016】感熱性高分子ゲル構成モノマーの共重合組
成は希望する相転移温度に対応させる。モノマー中に前
記水蒸気の吸収を助長する物質を混合し、モノマーの共
重合が完了した時点で、ポリマーにγ線或いは電子線を
照射し、ポリマー同士を架橋せしめて最終的に高吸湿感
熱性高分子ゲルを得る。さらに、前記水蒸気の吸収を助
長する物質である無機吸収剤、吸着剤あるいは高吸水性
高分子ゲルを従来の感熱性高分子ゲルの表面に一定の厚
さで添着することにより水蒸気の吸収、吸着能力を強化
することができ、この種のゲルも本発明の意図するもの
であり、その適用を妨げるものではない。
成は希望する相転移温度に対応させる。モノマー中に前
記水蒸気の吸収を助長する物質を混合し、モノマーの共
重合が完了した時点で、ポリマーにγ線或いは電子線を
照射し、ポリマー同士を架橋せしめて最終的に高吸湿感
熱性高分子ゲルを得る。さらに、前記水蒸気の吸収を助
長する物質である無機吸収剤、吸着剤あるいは高吸水性
高分子ゲルを従来の感熱性高分子ゲルの表面に一定の厚
さで添着することにより水蒸気の吸収、吸着能力を強化
することができ、この種のゲルも本発明の意図するもの
であり、その適用を妨げるものではない。
【0017】一方、高吸湿感熱性高分子ゲル(以下、強
化ゲルと略記する)の基材となる、所謂感熱性高分子ゲ
ル(以下、従来ゲルと略記する)は、例えばアクリルア
ミド系モノマーを希望する相転移温度に対応してその種
類を選択し、共重合の量的比率を適切に設定し、これに
メチレンビスアクリルアミドのような2官能基を持つモ
ノマーを加えることにより従来ゲルが生成する。またこ
れらアクリルアミド系モノマーと2官能基性モノマーの
混合物に水蒸気の吸収を助長する物質を加えて共重合し
て強化ゲルが生成する。また、2官能基モノマーを含ま
ない鎖状高分子も、これにγ線或いは電子線を照射する
ことにより強化ゲルを製造することができる。さらにポ
リビニルメチルエーテル系の従来ゲルおよび強化ゲルの
製造も前記に準拠して行われる。
化ゲルと略記する)の基材となる、所謂感熱性高分子ゲ
ル(以下、従来ゲルと略記する)は、例えばアクリルア
ミド系モノマーを希望する相転移温度に対応してその種
類を選択し、共重合の量的比率を適切に設定し、これに
メチレンビスアクリルアミドのような2官能基を持つモ
ノマーを加えることにより従来ゲルが生成する。またこ
れらアクリルアミド系モノマーと2官能基性モノマーの
混合物に水蒸気の吸収を助長する物質を加えて共重合し
て強化ゲルが生成する。また、2官能基モノマーを含ま
ない鎖状高分子も、これにγ線或いは電子線を照射する
ことにより強化ゲルを製造することができる。さらにポ
リビニルメチルエーテル系の従来ゲルおよび強化ゲルの
製造も前記に準拠して行われる。
【0018】強化ゲルの合成法を要約するとつぎの通り
となる。ただし説明をわかり易くするため水蒸気の吸収
を助長する物質の添加のことは省略した。 1.ホモポリマー相転移温度が異なる複数のモノマーを
共重合することにより強化ゲルの相転移温度を設定す
る。架橋剤としてのメチレンビスアクリルアミドを感熱
性高分子ゲル基材モノマーの1%程度添加することによ
り感熱性高分子ゲルとなる。 2.また、共重合により合成した強化ゲル基材高分子を
所定の形にしてγ線あるいは電子線を照射、架橋し、強
化ゲルを合成する。
となる。ただし説明をわかり易くするため水蒸気の吸収
を助長する物質の添加のことは省略した。 1.ホモポリマー相転移温度が異なる複数のモノマーを
共重合することにより強化ゲルの相転移温度を設定す
る。架橋剤としてのメチレンビスアクリルアミドを感熱
性高分子ゲル基材モノマーの1%程度添加することによ
り感熱性高分子ゲルとなる。 2.また、共重合により合成した強化ゲル基材高分子を
所定の形にしてγ線あるいは電子線を照射、架橋し、強
化ゲルを合成する。
【0019】本発明の高吸湿感熱性高分子ゲルの形状は
無定形塊状であってもよいが、繊維状、ビーズ状、角型
状、円柱状など種々の形状にしたり、或いはカプセル内
に包蔵するなど適当に適宜自由に選択できるが、ゲルの
水和機能をさらに助長、促進するためには複合材料を使
用することが好ましい。本発明による強化ゲルによって
十分に気相中の水蒸気は捕捉できるが、例えば、課題解
決の手段にも記載した通り、気相部の水蒸気が強化ゲル
に接触する以前に細孔を有する多孔板、表面が毛状の微
細構造となっている繊維束或いはスポンジ構造をもつプ
ラスチック成形物に高吸湿感熱性高分子ゲルを接触せし
めた複合材料的形状あるいは該多孔板、表面が微細繊維
によって毛羽立っており、大なる表面積を有する織布或
いは不織布、さらにはスポンジ状の3次元構造をもつポ
リウレタン・フォーム(PUF)などプラスチック成形
物と強化ゲルを板状に接触せしめた複合材料を使用すれ
ば、その微細な表面にまず水蒸気が温度差により凝縮
し、液体の水が段階的に強化ゲルに水和される。
無定形塊状であってもよいが、繊維状、ビーズ状、角型
状、円柱状など種々の形状にしたり、或いはカプセル内
に包蔵するなど適当に適宜自由に選択できるが、ゲルの
水和機能をさらに助長、促進するためには複合材料を使
用することが好ましい。本発明による強化ゲルによって
十分に気相中の水蒸気は捕捉できるが、例えば、課題解
決の手段にも記載した通り、気相部の水蒸気が強化ゲル
に接触する以前に細孔を有する多孔板、表面が毛状の微
細構造となっている繊維束或いはスポンジ構造をもつプ
ラスチック成形物に高吸湿感熱性高分子ゲルを接触せし
めた複合材料的形状あるいは該多孔板、表面が微細繊維
によって毛羽立っており、大なる表面積を有する織布或
いは不織布、さらにはスポンジ状の3次元構造をもつポ
リウレタン・フォーム(PUF)などプラスチック成形
物と強化ゲルを板状に接触せしめた複合材料を使用すれ
ば、その微細な表面にまず水蒸気が温度差により凝縮
し、液体の水が段階的に強化ゲルに水和される。
【0020】複合材料の最も好ましい形状としては、強
化ゲルを架橋する前にスポンジ状の成形物を溶液中に浸
漬し架橋すれば、大なる表面積を有する部材と強化ゲル
を一体化できるだけでなく、水和効果も顕著である。ま
た、これらの繊維集合体又はプラスチック成形物に感熱
性モノマーをグラフト重合することによっても複合材料
が得られる。
化ゲルを架橋する前にスポンジ状の成形物を溶液中に浸
漬し架橋すれば、大なる表面積を有する部材と強化ゲル
を一体化できるだけでなく、水和効果も顕著である。ま
た、これらの繊維集合体又はプラスチック成形物に感熱
性モノマーをグラフト重合することによっても複合材料
が得られる。
【0021】本発明のシステムを自然の環境で適用する
場合には、気象条件(温度)が不可抗力的に変動し、本
システムで中枢的役割を演じている強化ゲルが極端に乾
燥或いは湿潤した状態に曝されることが危惧される。従
って、本発明のシステムでは補助的に加温及び/又は冷
却のための装置、手段を具備しており、本システムが常
に定常状態を維持することが望ましい。
場合には、気象条件(温度)が不可抗力的に変動し、本
システムで中枢的役割を演じている強化ゲルが極端に乾
燥或いは湿潤した状態に曝されることが危惧される。従
って、本発明のシステムでは補助的に加温及び/又は冷
却のための装置、手段を具備しており、本システムが常
に定常状態を維持することが望ましい。
【0022】さらに、本システムの閉鎖系空間内で植物
を栽培する場合には、植物の栄養物質の選択吸着性によ
る栄養物質の選択的吸収により特定の元素が培養基(主
に土壌中或いは水)に偏差、蓄積すると植物の健全な成
長が阻害されるだけでなく、枯死することも懸念され
る。この種の障害を排除するために、本発明では閉鎖系
培養基内から特定元素(塩類)を除去する手段を設ける
ことが望ましい。
を栽培する場合には、植物の栄養物質の選択吸着性によ
る栄養物質の選択的吸収により特定の元素が培養基(主
に土壌中或いは水)に偏差、蓄積すると植物の健全な成
長が阻害されるだけでなく、枯死することも懸念され
る。この種の障害を排除するために、本発明では閉鎖系
培養基内から特定元素(塩類)を除去する手段を設ける
ことが望ましい。
【0023】(作用)本発明の作用について説明する。
本発明は、強化ゲルを各種の水蒸気発散体を有する閉鎖
系空間内に、その空間容積、存在水分量に対応して設置
し、空間内の温度較差、例えば昼夜の温度差を利用して
空間内に存在する水を相の変化、すなわち気体→液体→
気体の転換によって宇宙カプセルなどの閉鎖系空間内で
水を繰り返し循環することを可能にした水循環システム
である。さらに、植物工場などにおいてもハウス内の植
物体から発散された水蒸気を昼夜の温度差を利用するこ
とにより強化ゲルを媒介として回収し、効率的に植物に
供給することができる。
本発明は、強化ゲルを各種の水蒸気発散体を有する閉鎖
系空間内に、その空間容積、存在水分量に対応して設置
し、空間内の温度較差、例えば昼夜の温度差を利用して
空間内に存在する水を相の変化、すなわち気体→液体→
気体の転換によって宇宙カプセルなどの閉鎖系空間内で
水を繰り返し循環することを可能にした水循環システム
である。さらに、植物工場などにおいてもハウス内の植
物体から発散された水蒸気を昼夜の温度差を利用するこ
とにより強化ゲルを媒介として回収し、効率的に植物に
供給することができる。
【0024】即ち、本発明は刺激応答性高分子ゲルの一
種である従来ゲルに、各種の水蒸気吸収能力の強い無機
物、有機物をゲル内部に混練又は表面に添着して、新た
な水蒸気吸収能力の優れた強化ゲルを開発したものであ
る。
種である従来ゲルに、各種の水蒸気吸収能力の強い無機
物、有機物をゲル内部に混練又は表面に添着して、新た
な水蒸気吸収能力の優れた強化ゲルを開発したものであ
る。
【0025】次に、本発明の作用を図1及び図2を例と
して説明する。ただし、本発明はこれらの例に限定され
ない。まず、図1において例えばバイオスフェア、バイ
オスペース、バイオカプセルなど、人間、動物、植物な
どの生命体の生命を維持する閉鎖系空間1を想定する。
この閉鎖系空間1には生命体を維持する基盤7となる土
壌、水5などが存在し、水蒸気4の発散体6として人
間、動物、植物や微生物などが生活或いは棲息し、また
排水、廃棄物処理装置が存在する。さらにこの閉鎖系空
間1においては食料生産、排水処理、廃棄物の再資源化
などの生活、生産活動が行われる。これらの活動の結果
として、閉鎖系空間1の気相部に発散体から水蒸気4が
発散される。
して説明する。ただし、本発明はこれらの例に限定され
ない。まず、図1において例えばバイオスフェア、バイ
オスペース、バイオカプセルなど、人間、動物、植物な
どの生命体の生命を維持する閉鎖系空間1を想定する。
この閉鎖系空間1には生命体を維持する基盤7となる土
壌、水5などが存在し、水蒸気4の発散体6として人
間、動物、植物や微生物などが生活或いは棲息し、また
排水、廃棄物処理装置が存在する。さらにこの閉鎖系空
間1においては食料生産、排水処理、廃棄物の再資源化
などの生活、生産活動が行われる。これらの活動の結果
として、閉鎖系空間1の気相部に発散体から水蒸気4が
発散される。
【0026】夜間に外部の気温が低下し、強化ゲルの相
転移温度以下になると、水蒸気4は強化ゲル3に水和・
包蔵される。この強化ゲル3の保水能力は、通常30〜
100gH2 O/gゲルの範囲に調整することが好まし
く、大量の水蒸気4を液体の水5として貯留することが
出来る。次に、昼間に至り外気温が上昇し、閉鎖系空間
1の気相部の温度が強化ゲル3の相転移温度以上になる
と、強化ゲル3に保持されていた水は液体の水5となっ
て強化ゲル3から相分離するので、この分離水5を適当
な輸送手段、例えば重力により自然に、又は遠心あるい
は吸引ポンプを援用して土壌7や水蒸気発散体6に供給
され生活や生産活動に利用される。
転移温度以下になると、水蒸気4は強化ゲル3に水和・
包蔵される。この強化ゲル3の保水能力は、通常30〜
100gH2 O/gゲルの範囲に調整することが好まし
く、大量の水蒸気4を液体の水5として貯留することが
出来る。次に、昼間に至り外気温が上昇し、閉鎖系空間
1の気相部の温度が強化ゲル3の相転移温度以上になる
と、強化ゲル3に保持されていた水は液体の水5となっ
て強化ゲル3から相分離するので、この分離水5を適当
な輸送手段、例えば重力により自然に、又は遠心あるい
は吸引ポンプを援用して土壌7や水蒸気発散体6に供給
され生活や生産活動に利用される。
【0027】水蒸気発散体6と強化ゲル3との間に水蒸
気4あるいは液体の水5が連続した一体システムをなす
よう構築され、強化ゲル3の調整装置2に例えば昼夜の
温度較差が存在する限り、このシステム内の水5は気体
→液体→気体と相転換して半永久的に反復循環し、本発
明のシステムは外部から水を運搬、供給しなくても生命
の維持のために有効に利用することが出来る。また、閉
鎖系空間1において昼夜の温度較差が十分に確保されな
い場合の温度調整のためや強化ゲル3の機能が低下する
のを防ぐために、さらに本発明の水循環システムが常に
正常に機能し、定常状態を維持するために閉鎖系空間1
外に温度調節器8を設置し、強化ゲル3の調整装置2内
の温度を補助的に加温或いは冷却する機能を付加するこ
とが好ましい。
気4あるいは液体の水5が連続した一体システムをなす
よう構築され、強化ゲル3の調整装置2に例えば昼夜の
温度較差が存在する限り、このシステム内の水5は気体
→液体→気体と相転換して半永久的に反復循環し、本発
明のシステムは外部から水を運搬、供給しなくても生命
の維持のために有効に利用することが出来る。また、閉
鎖系空間1において昼夜の温度較差が十分に確保されな
い場合の温度調整のためや強化ゲル3の機能が低下する
のを防ぐために、さらに本発明の水循環システムが常に
正常に機能し、定常状態を維持するために閉鎖系空間1
外に温度調節器8を設置し、強化ゲル3の調整装置2内
の温度を補助的に加温或いは冷却する機能を付加するこ
とが好ましい。
【0028】また強化ゲル3は、通常、太陽光線中の紫
外線、赤外線に対する抵抗性が弱いため、強化ゲル3の
調整装置2はこれらの波長の光線を吸収或いは反射する
保護体で被覆することが望ましい。
外線、赤外線に対する抵抗性が弱いため、強化ゲル3の
調整装置2はこれらの波長の光線を吸収或いは反射する
保護体で被覆することが望ましい。
【0029】図2は、本発明の別の実施態様を図示した
ものである。自然界における昼夜の温度格差は閉鎖系あ
るいは準閉鎖系空間の例えば太陽からの位置などにより
かなり相違する。図2に図示した改善方式は、閉鎖系空
間1がどのような条件に位置しても適当な温度較差を確
実に維持するために、強化ゲル3の調整装置2の一部或
いは全部を閉鎖系空間1の外に設置し、必要な強化ゲル
3の作用温度較差を保持するためのものである。図2に
おいて、左側の図は調整装置2の部分が低温になる夜間
の状態で、水蒸気発散体6からの水蒸気4が強化ゲル3
に吸収される状態を示し、右側の図は調整装置2の部分
が高温になる昼間の状態で、強化ゲル3に吸収されてい
た液体の水5が強化ゲル3より土壌7に供給される状態
を示している。
ものである。自然界における昼夜の温度格差は閉鎖系あ
るいは準閉鎖系空間の例えば太陽からの位置などにより
かなり相違する。図2に図示した改善方式は、閉鎖系空
間1がどのような条件に位置しても適当な温度較差を確
実に維持するために、強化ゲル3の調整装置2の一部或
いは全部を閉鎖系空間1の外に設置し、必要な強化ゲル
3の作用温度較差を保持するためのものである。図2に
おいて、左側の図は調整装置2の部分が低温になる夜間
の状態で、水蒸気発散体6からの水蒸気4が強化ゲル3
に吸収される状態を示し、右側の図は調整装置2の部分
が高温になる昼間の状態で、強化ゲル3に吸収されてい
た液体の水5が強化ゲル3より土壌7に供給される状態
を示している。
【0030】本発明でいう閉鎖系空間としては、地上に
おける無菌室、植物工場やバイオスペースのような生命
維持装置などに限定されることなく、宇宙カプセルや将
来的に実現されるであろう宇宙ステーションまでも適用
範囲に含む。例えば宇宙カプセルのように地球の自転や
公転にともなって太陽からの熱線を周期的変動して受け
る場合には太陽との相対的な位置関係によって、その片
面は高温、反対面は低温となり、この関係が繰り返され
ている。 このように、必然的に作り出される宇宙カプ
セルの両面の温度較差は、強化ゲルを介在せしめた閉鎖
系空間での水循環利用システムを適用するには格好の条
件である。この場合、温度調整手段は特に必要としな
い。また、例えば月に設けたシェルターや無菌室などの
場合には高吸湿感熱性高分子ゲルの収納領域の温度は補
助加温、補助冷却により確実に制御することもできる。
おける無菌室、植物工場やバイオスペースのような生命
維持装置などに限定されることなく、宇宙カプセルや将
来的に実現されるであろう宇宙ステーションまでも適用
範囲に含む。例えば宇宙カプセルのように地球の自転や
公転にともなって太陽からの熱線を周期的変動して受け
る場合には太陽との相対的な位置関係によって、その片
面は高温、反対面は低温となり、この関係が繰り返され
ている。 このように、必然的に作り出される宇宙カプ
セルの両面の温度較差は、強化ゲルを介在せしめた閉鎖
系空間での水循環利用システムを適用するには格好の条
件である。この場合、温度調整手段は特に必要としな
い。また、例えば月に設けたシェルターや無菌室などの
場合には高吸湿感熱性高分子ゲルの収納領域の温度は補
助加温、補助冷却により確実に制御することもできる。
【0031】従来、宇宙カプセル内で用水を確保するに
は太陽電池により太陽エネルギーを電気エネルギーに変
換し、この電気エネルギーにより水を電気分解して酸素
と水素を確保し、さらに空気と水素を燃料電池で反応さ
せて再度電気エネルギーに変換し、反応の結果生成され
る水を飲料水、生活用水に使用している。しかしなが
ら、この機構は極めて高度、かつ複雑であり、高度の維
持管理技術が要求されるが、本発明を適用することによ
り完全閉鎖系空間で水を確実に確保するシステムは著し
く簡略化される。なお、宇宙空間などの無重力域では、
ゲルが相転移を起こしても水分の分離が困難なことが考
えられる。この際には補助的に遠心分離や吸引などの手
段を併用できる。
は太陽電池により太陽エネルギーを電気エネルギーに変
換し、この電気エネルギーにより水を電気分解して酸素
と水素を確保し、さらに空気と水素を燃料電池で反応さ
せて再度電気エネルギーに変換し、反応の結果生成され
る水を飲料水、生活用水に使用している。しかしなが
ら、この機構は極めて高度、かつ複雑であり、高度の維
持管理技術が要求されるが、本発明を適用することによ
り完全閉鎖系空間で水を確実に確保するシステムは著し
く簡略化される。なお、宇宙空間などの無重力域では、
ゲルが相転移を起こしても水分の分離が困難なことが考
えられる。この際には補助的に遠心分離や吸引などの手
段を併用できる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)高吸湿感熱性高分子ゲルの製造法。 (1)N−nプロピルアクリルアミドモノマーに水蒸気
の吸収剤である酸化鉄(Fe2 O3 )、もしくは酸化ア
ルミニウム(Al2 O3 )をモノマー重量の50%を越
えない範囲で添加し、両者を均一に混合した。次に、そ
れに重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを加
え、それらを重合リアクターで反応させ、N−nプロピ
ルメタアクリルアミドの前駆体を生成させた。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)高吸湿感熱性高分子ゲルの製造法。 (1)N−nプロピルアクリルアミドモノマーに水蒸気
の吸収剤である酸化鉄(Fe2 O3 )、もしくは酸化ア
ルミニウム(Al2 O3 )をモノマー重量の50%を越
えない範囲で添加し、両者を均一に混合した。次に、そ
れに重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを加
え、それらを重合リアクターで反応させ、N−nプロピ
ルメタアクリルアミドの前駆体を生成させた。
【0033】さらに、その前駆体に、架橋剤であるメチ
レンビスアクリルアミドモノマーを1%加え、3次元状
に架橋させ、以下に示す高吸湿感熱性高分子ゲルを得
た。 酸化鉄強化の高吸湿感熱性高分子ゲル 酸化アルミニウム強化の高吸湿感熱性高分子ゲル この高吸湿感熱性高分子ゲルの相転移温度は、27〜2
8℃、保水能力は30〜100gH2 O/gゲルであっ
た。
レンビスアクリルアミドモノマーを1%加え、3次元状
に架橋させ、以下に示す高吸湿感熱性高分子ゲルを得
た。 酸化鉄強化の高吸湿感熱性高分子ゲル 酸化アルミニウム強化の高吸湿感熱性高分子ゲル この高吸湿感熱性高分子ゲルの相転移温度は、27〜2
8℃、保水能力は30〜100gH2 O/gゲルであっ
た。
【0034】(2)ポリビニールメチルエーテルの30
%水溶液に酸化鉄(Fe2 O3 )もしくは酸化アルミニ
ウム(Al2 O3 )又は酸化マグネシウム(MgO)を
ポリマー重量の50%を越えない範囲で添加し、両者を
均一に混合した。次に、その混合物を一定の形状の容器
に入れ、38〜40℃の温度に保った状態でγ線を10
0〜150kGy照射して、ポリマーを架橋させ、酸化
金属含有のポリビニールメチルエーテルゲルを生成させ
た。このゲルの相転移温度は38〜40℃、保水能力は
30〜100gH2 O/gゲルであった。
%水溶液に酸化鉄(Fe2 O3 )もしくは酸化アルミニ
ウム(Al2 O3 )又は酸化マグネシウム(MgO)を
ポリマー重量の50%を越えない範囲で添加し、両者を
均一に混合した。次に、その混合物を一定の形状の容器
に入れ、38〜40℃の温度に保った状態でγ線を10
0〜150kGy照射して、ポリマーを架橋させ、酸化
金属含有のポリビニールメチルエーテルゲルを生成させ
た。このゲルの相転移温度は38〜40℃、保水能力は
30〜100gH2 O/gゲルであった。
【0035】(3)感熱性高分子のその他の種類である
N−iプロピルメタアクリルアミドモノマーとN−iプ
ロピルアクリルアミドモノマーを容器に等重量ずつ取
り、それに重合開始剤であるペルオキソ二硫酸アンモニ
ウムを加えて反応させ、N−iプロピルメタアクリルア
ミドモノマーとN−iプロピルアクリルアミドモノマー
の共重合体を形成させた。そこに市販の高吸水性高分子
ポリマーであるサンウエットIMI−1000(スター
チポリアクリル酸・・・三洋化成工業製)を両モノマー
の合計重量の50%を越えない範囲で添加し、両者を均
一に混合した。この混合物に架橋剤であるメチレンビス
アクリルアミドモノマーを約1%加え、共重合体とスタ
ーチポリアクリル酸を3次元状に架橋させ、高吸湿感熱
性高分子ゲルを得た。この高吸湿感熱性高分子ゲルの相
転移温度は、37〜38℃、保水能力は80gH2 O/
gゲルであった。
N−iプロピルメタアクリルアミドモノマーとN−iプ
ロピルアクリルアミドモノマーを容器に等重量ずつ取
り、それに重合開始剤であるペルオキソ二硫酸アンモニ
ウムを加えて反応させ、N−iプロピルメタアクリルア
ミドモノマーとN−iプロピルアクリルアミドモノマー
の共重合体を形成させた。そこに市販の高吸水性高分子
ポリマーであるサンウエットIMI−1000(スター
チポリアクリル酸・・・三洋化成工業製)を両モノマー
の合計重量の50%を越えない範囲で添加し、両者を均
一に混合した。この混合物に架橋剤であるメチレンビス
アクリルアミドモノマーを約1%加え、共重合体とスタ
ーチポリアクリル酸を3次元状に架橋させ、高吸湿感熱
性高分子ゲルを得た。この高吸湿感熱性高分子ゲルの相
転移温度は、37〜38℃、保水能力は80gH2 O/
gゲルであった。
【0036】(実施例2)本発明システムを適用して閉
鎖系空間内で植物を栽培することを想定し、模擬的に恒
温室内にアクリル製の1m3 の密閉閉鎖系空間を造り、
底面に約20cmの深さに細粒の砂を堆積した。この砂
の堆積層に適量の水を散布して、実験中に想定した気相
部の湿度が常に維持されるように配慮した。昼夜の温度
はそれぞれ40℃、10℃に設定した。この密閉空間内
に、本発明の強化ゲルに、スポンジ状に成形したポリウ
レタンフォーム100gを添着し、これを密閉閉鎖系空
間の上部に固定した受皿構造を持つ支持体にセットし、
支持体の底部には脱水和した水が滴下できるように複数
個の孔を開けた。
鎖系空間内で植物を栽培することを想定し、模擬的に恒
温室内にアクリル製の1m3 の密閉閉鎖系空間を造り、
底面に約20cmの深さに細粒の砂を堆積した。この砂
の堆積層に適量の水を散布して、実験中に想定した気相
部の湿度が常に維持されるように配慮した。昼夜の温度
はそれぞれ40℃、10℃に設定した。この密閉空間内
に、本発明の強化ゲルに、スポンジ状に成形したポリウ
レタンフォーム100gを添着し、これを密閉閉鎖系空
間の上部に固定した受皿構造を持つ支持体にセットし、
支持体の底部には脱水和した水が滴下できるように複数
個の孔を開けた。
【0037】実験は、低温時間帯を2時間、高温時間帯
を1時間に設定して、製造した各種の高吸湿感熱性高分
子ゲルの水蒸気の吸収、脱水の状態を観察した。高吸湿
感熱性高分子ゲルの水和、脱水和の機能は、供試したそ
れぞれのゲルの重量増加を測定することにより判定した
(従来の感熱性高分子ゲルとの比較)。 供試感熱性高分子ゲル 従来の感熱性高分子ゲル 酸化鉄強化の高吸湿性高分子ゲル 酸化アルミニウム強化の高吸湿感熱性高分子ゲル 高吸水性高分子ゲル強化の高吸湿性高分子ゲル
を1時間に設定して、製造した各種の高吸湿感熱性高分
子ゲルの水蒸気の吸収、脱水の状態を観察した。高吸湿
感熱性高分子ゲルの水和、脱水和の機能は、供試したそ
れぞれのゲルの重量増加を測定することにより判定した
(従来の感熱性高分子ゲルとの比較)。 供試感熱性高分子ゲル 従来の感熱性高分子ゲル 酸化鉄強化の高吸湿性高分子ゲル 酸化アルミニウム強化の高吸湿感熱性高分子ゲル 高吸水性高分子ゲル強化の高吸湿性高分子ゲル
【0038】この実験での昼夜の各条件を整理すると表
1の通りである。
1の通りである。
【0039】
【表1】
【0040】対象を従来の感熱性高分子ゲルとし、本発
明の高吸湿感熱性高分子ゲルの3種類について、想定し
た昼夜の温度差によるそれぞれの試料の重量増加をチェ
ックし、このテストを反復することによって、閉鎖系空
間における水循環利用の可能性を検証した。検証実験の
結果を図3及び図4に示した。図3は昼夜における閉鎖
系空間の温度変化を示す図である。図4において、11
で示す線は従来の感熱性高分子ゲルを用いた場合のゲル
の重量変化を示し、12で示す線は酸化鉄強化の高吸湿
性高分子ゲルを用いた場合のゲルの重量変化を示し、1
3で示す線は酸化アルミニウム強化の高吸湿感熱性高分
子ゲルを用いた場合のゲルの重量変化を示し、14で示
す線は高吸水性高分子ゲル強化の高吸湿性高分子ゲルを
用いた場合のゲルの重量変化をそれぞれ示している。
明の高吸湿感熱性高分子ゲルの3種類について、想定し
た昼夜の温度差によるそれぞれの試料の重量増加をチェ
ックし、このテストを反復することによって、閉鎖系空
間における水循環利用の可能性を検証した。検証実験の
結果を図3及び図4に示した。図3は昼夜における閉鎖
系空間の温度変化を示す図である。図4において、11
で示す線は従来の感熱性高分子ゲルを用いた場合のゲル
の重量変化を示し、12で示す線は酸化鉄強化の高吸湿
性高分子ゲルを用いた場合のゲルの重量変化を示し、1
3で示す線は酸化アルミニウム強化の高吸湿感熱性高分
子ゲルを用いた場合のゲルの重量変化を示し、14で示
す線は高吸水性高分子ゲル強化の高吸湿性高分子ゲルを
用いた場合のゲルの重量変化をそれぞれ示している。
【0041】以上、(実施例2)により本発明の高吸湿
感熱性高分子ゲルは、従来の感熱性高分子ゲルに比較し
て気体状の水、すなわち水蒸気を相転移温度以下におい
て急速に水和し、また相転移温度以上において吸収した
水を急速に脱水和して液体の水に変換する能力があるこ
とが証明された。また、本発明の高吸湿感熱性高分子ゲ
ルを媒体として、閉鎖系空間内の水を気体→液体→気体
の変換により反復循環することにより、系内の水は生命
体に限りなく利用されることが証明された。なお、(実
施例2)の実験に供した強化ゲルの基材は、N−プロピ
ルアクリルアミド:N−アクリロイルピペリジン=8.
5:1.5の割合に混合し、共重合した高分子ゲルであ
り、相転移温度は約16℃であった。
感熱性高分子ゲルは、従来の感熱性高分子ゲルに比較し
て気体状の水、すなわち水蒸気を相転移温度以下におい
て急速に水和し、また相転移温度以上において吸収した
水を急速に脱水和して液体の水に変換する能力があるこ
とが証明された。また、本発明の高吸湿感熱性高分子ゲ
ルを媒体として、閉鎖系空間内の水を気体→液体→気体
の変換により反復循環することにより、系内の水は生命
体に限りなく利用されることが証明された。なお、(実
施例2)の実験に供した強化ゲルの基材は、N−プロピ
ルアクリルアミド:N−アクリロイルピペリジン=8.
5:1.5の割合に混合し、共重合した高分子ゲルであ
り、相転移温度は約16℃であった。
【0042】
【発明の効果】本発明は、詳述したように従来技術とは
発想の次元を全く異にする発明であり、本発明により次
のような効果を奏する事ができる。 (1)従来の感熱性高分子ゲルに比較して、相転移温度
以下において気相中の水蒸気を、急速かつ短時間に水和
することが可能であり、また、相転移温度以上において
急速に脱水和がおこなわれる。 (2)この新規の発明による高吸湿感熱性高分子ゲルを
媒体として、閉鎖系および準閉鎖系空間内において、従
来全く捕捉、回収できなかった気相中の水蒸気を確実に
捕捉することが可能であり、気相内の温度差によりこれ
を脱水和して貴重な水を系内で、理論的には無限に利用
することができる。 (3)このシステムを適用することにより、系外からの
水の供給が無くても、完全閉鎖系空間で人間、動物の生
命を維持できる。
発想の次元を全く異にする発明であり、本発明により次
のような効果を奏する事ができる。 (1)従来の感熱性高分子ゲルに比較して、相転移温度
以下において気相中の水蒸気を、急速かつ短時間に水和
することが可能であり、また、相転移温度以上において
急速に脱水和がおこなわれる。 (2)この新規の発明による高吸湿感熱性高分子ゲルを
媒体として、閉鎖系および準閉鎖系空間内において、従
来全く捕捉、回収できなかった気相中の水蒸気を確実に
捕捉することが可能であり、気相内の温度差によりこれ
を脱水和して貴重な水を系内で、理論的には無限に利用
することができる。 (3)このシステムを適用することにより、系外からの
水の供給が無くても、完全閉鎖系空間で人間、動物の生
命を維持できる。
【図1】閉鎖系空間における強化ゲルを媒体とした水の
循環図
循環図
【図2】閉鎖系空間内の調整装置の一部を外界の露出さ
せた場合の強化ゲルを媒体とした昼間の水(右)及び夜
間(左)の水蒸気の移動図
せた場合の強化ゲルを媒体とした昼間の水(右)及び夜
間(左)の水蒸気の移動図
【図3】閉鎖系空間の温度変化を示す図
【図4】閉鎖系空間においた各種の強化ゲルの温度変化
に伴う重量変化をを示す図
に伴う重量変化をを示す図
1 閉鎖系空間
2 調整装置
3 高吸湿感熱性高分子ゲル(強化ゲル)
4 水蒸気
5 水
6 水蒸気発散体
7 生命維持基盤(土壌など)
8 温度調節装置
9 脱塩装置
11 従来ゲルの重量変化
12、13、14 強化ゲルの重量変化
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 一条 久夫
茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術
院物質工学工業技術研究所内
(72)発明者 遠矢 泰典
東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イ
ンフィルコ株式会社内
(72)発明者 小林 武司
東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イ
ンフィルコ株式会社内
(56)参考文献 特開 昭62−19299(JP,A)
特開 昭63−93938(JP,A)
特開 昭57−38924(JP,A)
特開 平5−262300(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
E03B 3/28
B01D 53/14
B01D 53/28
B64G 9/00
C02F 1/00
Claims (4)
- 【請求項1】 水蒸気の吸収を助長する物質を、感熱性
高分子ゲルの表面に添着及び/又は内部に混練し、固定
化して得た高吸湿感熱性高分子ゲルを用いて、前記高吸
湿感熱性高分子ゲルの温度を相転移温度以下として該高
吸湿感熱性高分子ゲル内に閉鎖系空間の気相中の水分を
液体として保持した後、該高吸湿感熱性高分子ゲルの温
度を前記相転移温度以上として該高吸湿感熱性高分子ゲ
ル外に液体の水として放出させ使用点に供給することを
特徴とする閉鎖系空間における水循環利用方法。 - 【請求項2】 水蒸気の吸収を助長する物質を、感熱性
高分子ゲルの表面に添着及び/又は内部に混練し、固定
化して得た高吸湿感熱性高分子ゲルを保持する調整装置
と、該調整装置に閉鎖系空間の気相を導く送気装置と、
前記調整装置内の高吸湿感熱性高分子ゲルの温度を維持
又は変化させる温度調整手段と、高吸湿感熱性高分子ゲ
ルより放出された液体の水を使用点に供給する供給装置
を配備してなることを特徴とする閉鎖系空間における水
循環利用装置。 - 【請求項3】 前記水蒸気の吸収を助長する物質が、Z
n、Ca、Mg、Cu及びFeより選ばれた金属の酸化
物、又は硫酸塩であるか、又はアクリル酸ユニットを含
む架橋高分子であるか、又は該高分子と前記金属の酸化
物、又は硫酸塩の混合物であって、前記感熱性高分子ゲ
ルの基材が、アクリルアミド系樹脂又はポリビニルメチ
ルエーテル系樹脂の単独又は2官能性モノマーとの重合
物であることを特徴とする請求項1記載の閉鎖系空間に
おける水循環利用方法。 - 【請求項4】 前記水蒸気の吸収を助長する物質が、Z
n、Ca、Mg、Cu及びFeより選ばれた金属の酸化
物、又は硫酸塩であるか、又はアクリル酸ユニットを含
む架橋高分子であるか、又は該高分子と前記金属の酸化
物、又は硫酸塩の混合物であって、前記感熱性高分子ゲ
ルの基材が、アクリルアミド系樹脂又はポリビニルメチ
ルエーテル系樹脂の単独又は2官能性モノマーとの重合
物であることを特徴とする請求項2記載の閉鎖系空間に
おける水循環利用装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13506093A JP3398715B2 (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 閉鎖系空間における水循環利用方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13506093A JP3398715B2 (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 閉鎖系空間における水循環利用方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06322798A JPH06322798A (ja) | 1994-11-22 |
JP3398715B2 true JP3398715B2 (ja) | 2003-04-21 |
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ID=15142956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13506093A Expired - Lifetime JP3398715B2 (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 閉鎖系空間における水循環利用方法及び装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-05-14 JP JP13506093A patent/JP3398715B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH06322798A (ja) | 1994-11-22 |
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