JP3398368B2 - 連続鋳造鋳片の案内ローラ - Google Patents

連続鋳造鋳片の案内ローラ

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JP3398368B2
JP3398368B2 JP2001237829A JP2001237829A JP3398368B2 JP 3398368 B2 JP3398368 B2 JP 3398368B2 JP 2001237829 A JP2001237829 A JP 2001237829A JP 2001237829 A JP2001237829 A JP 2001237829A JP 3398368 B2 JP3398368 B2 JP 3398368B2
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博之 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造機のモー
ルドにより鋳造される連続鋳造鋳片に転接して、この連
続鋳造鋳片の外寸を保持しながら案内する連続鋳造鋳片
の案内ローラの改善に関し、より詳しくは、耐久性に優
れた連続鋳造鋳片の案内ローラの技術分野に属するもの
である。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、連続鋳造機の直下には、
この連続鋳造機のモールドにより鋳造される連続鋳造鋳
片を案内する案内ローラであるフットローラを備えた連
続鋳造鋳片案内装置が設けられているが、従来から後述
するような構成になる連続鋳造鋳片案内装置が使用され
ている。以下、典型的な構成の従来例に係る連続鋳造鋳
片案内装置の概要を、その主要部斜視図の図7と、その
フットローラの断面図の図8と、そのフットローラの冷
却構成説明図の図9とを参照しながら説明する。
【0003】符号51は、連続鋳造鋳片案内装置のロー
ラ支持ユニットであって、このローラ支持ユニット51
(例えば、図示しない四角枠状のフレームの内側に、フ
ットローラ55を相対して2セットずつ、計4セット配
設されている。)は支持ブロック52を備えている。こ
の支持ブロック52にはガイド孔52aが設けられてお
り、このガイド孔52aに、反嵌合部側に一対の平行な
ブラケット53aを備えてなるローラ支持金具53の嵌
合部53bが摺動可能に嵌合されている。このローラ支
持金具53は前記支持ブロック52を貫通するねじロッ
ド54aとナット54bとからなる位置調整機構54に
より、支持ブロック52に対して接近、かつ離反し得る
ようになっている。
【0004】前記一対の平行なブラケット53aのそれ
ぞれには軸嵌合穴が設けられており、これら軸嵌合穴
に、一端側から長手方向の中心を超える深さの潤滑油供
給横孔57と、この潤滑油供給横孔57の先端付近から
外周に連通する潤滑油供給縦孔58とが設けられてなる
固定軸55aの端部が嵌合されて固定されている。前記
潤滑油供給横孔57には、前記ローラ支持金具53に設
けられた一方のブラケット53aの、厚さ方向の中心を
貫通する潤滑油供給基孔56が連通しており、この潤滑
油供給基孔56から供給された潤滑油(グリース)が、潤
滑油供給横孔57を経て潤滑油供給縦孔58から固定軸
55aの外周に流出し得るようになっている。そして、
この固定軸55aの外周には、2列のローラ列を備えて
なる2個のローラ軸受55bが嵌着されており、これら
ローラ軸受55bの外輪のそれぞれに、円筒体55cが
嵌合されている。つまり、フットローラ55は、固定軸
55a、2個のローラ軸受55bおよび円筒体55cと
から構成されており、そして前記ローラ軸受55b、5
5bは潤滑油供給縦孔58から流出する潤滑油(グリー
ス)により潤滑されるように構成されている。
【0005】前記支持ブロック52の上下のローラ支持
金具53間に対応する位置には、図8に示すように、断
面形状が矩形の鋳片Bの表面から高温の熱が伝達される
上下のフットローラ55の外周面に冷却水を噴射して冷
却する冷却水噴射ノズル59が設けられている。なお、
前記フットローラ55の円筒体55cとして、例えばS
US310、SUH660、13Cr系ステンレス鋼を
肉盛したもの等が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例に係る連続
鋳造鋳片案内装置では、短期的な観点からすれば、格別
の問題はなく、それなりに有用であると考えられる。し
かしながら、長期的な観点からすると、後述するような
解決すべき課題がある。即ち、この連続鋳造鋳片案内装
置のフットローラは冷却水噴射ノズルから噴射される冷
却水により冷却されるのであるが、周辺からの熱伝達に
より500〜700℃程度の温度になり、これ以下の温
度にすることが困難である。つまり、連続鋳造鋳片案内
装置のフットローラが高温に維持され続けると、フット
ローラを回転可能に支持する軸受に供給されるグリース
が炭化するので、このフットローラの回転に支障が生じ
る。そのため、フットローラと連続鋳造鋳片との間に滑
りが発生し、このフットローラに偏磨耗が生じる結果、
連続鋳造鋳片の表面品質に悪影響を及ぼすという解決す
べき課題があった。
【0007】また、この従来例に係る連続鋳造鋳片案内
装置のフットローラは、上記のとおり、SUS310
S、SUH660、13Cr系ステンレス鋼を肉盛した
もの等から製造される関係上、高温雰囲気下での稼働に
よる強度の低下により、早期磨耗を回避することができ
ない。フットローラが磨耗したとしても、連続鋳造鋳片
を案内することは可能であるが、フットローラの磨耗が
進行すると、連続鋳造鋳片の幅方向中央部の膨出部を除
去しなければならず、膨出部の除去作業を要するのに加
えて、連続鋳造鋳片の歩留まりが低下してしまうので好
ましくない。そのため、連続鋳造鋳片案内装置の点検作
業やフットローラの交換作業を頻繁に行わなければなら
ず、連続鋳造設備のランニングコストに関して不利にな
る。さらに、連続鋳造鋳片案内装置の点検作業中やフッ
トローラの交換作業中は連続鋳造設備の稼働を停止しな
ければならないから、連続鋳造鋳片の生産性の向上も望
めず、連続鋳造鋳片のコスト低減を妨げる一つの要因に
なっていた。
【0008】従って、本発明の目的は、耐久性に優れた
連続鋳造鋳片の案内ローラを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記実情に鑑
みてなされたものであって、従って、上記課題を解決す
るために、本発明の請求項1に係る連続鋳造鋳片の案内
ロールが採用した手段は、フレームにブラケットを介し
て回転可能に支持され、連続鋳造機のモールドにより鋳
造される連続鋳造鋳片に転接して、この鋳片を案内する
連続鋳造鋳片の案内ローラにおいて、前記ブラケットに
端部が支持されてなる固定軸と、この固定軸に外嵌され
てなる一対の球面軸受と、これら球面軸受が端部に嵌着
されてなる円筒体と、前記固定軸の端部からその内側を
経て、前記円筒体の内側と前記一対の球面軸受との間に
形成されてなる円筒体内空間に連通する冷却水流路とか
らなることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項2に係る連続鋳造鋳片の案
内ロールが採用した手段は、請求項1に記載の連続鋳造
鋳片の案内ローラにおいて、前記球面軸受の内輪の外周
面、または外輪の内周面に、幅方向の一端側から他端側
に連なり、前記円筒体内空間内から外方へ冷却水を排水
する排水溝が設けられてなることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項3に係る連続鋳造鋳片の案
内ロールが採用した手段は、請求項1に記載の連続鋳造
鋳片の案内ローラにおいて、前記球面軸受の外輪の内周
面に、幅方向の一端側から他端側に連なり、前記円筒体
内空間内から外方へ冷却水を排水する複数の排水溝が設
けられ、これら排水溝の円筒体内空間の内側に開口する
内部開口は、この円筒体内空間の外側に開口する外部開
口よりも外輪の回転方向側に位置するように設定されて
なることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項4に係る連続鋳造鋳片の案
内ロールが採用した手段は、請求項3に記載の連続鋳造
鋳片の案内ローラにおいて、前記排水溝の内部開口と外
部開口との間の経路が、これら内部開口と外部開口とを
結ぶ直線よりも外輪の回転方向側に凸になるように湾曲
形成されてなることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項5に係る連続鋳造鋳片の案
内ロールが採用した手段は、請求項1乃至4のうちの何
れか一つの項に記載の連続鋳造鋳片の案内ローラにおい
て、前記固定軸の内側に、前記円筒体内空間内の冷却水
を外方に排水する冷却水排水路が設けられてなることを
特徴とする。
【0014】本発明の請求項6に係る連続鋳造鋳片の案
内ロールが採用した手段は、請求項1乃至5のうちの何
れか一つの項に記載の連続鋳造鋳片の案内ローラにおい
て、前記球面軸受の内輪および外輪は、550℃〜75
0℃で高温時効硬化処理され、マルテンサイトとオース
テナイトとフェライトとの混合組成からなる3相の析出
硬化型高珪素ステンレス鋼から製造されると共に、前記
円筒体はオーステナイトとフェライトとの混合組成から
なる2相の析出硬化型高珪素ステンレス鋼から製造され
てなることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項7に係る連続鋳造鋳片の案
内ロールが採用した手段は、請求項6に記載の連続鋳造
鋳片の案内ローラにおいて、前記3相の析出硬化型高珪
素ステンレス鋼は、C:0.05wt%以下、Si;3
〜5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:8〜13wt
%、Ni:5〜10wt%、Mo:2wt%以下、C
u:4wt%以下、Nb:2wt%以下、残Feからな
る組成の高珪素ステンレス鋼A、またはC:0.05w
t%以下、Si;3〜5wt%、Mn:2wt%以下、
Cr:8〜13wt%、Ni:5〜10wt%、Mo:
3wt%以下、Cu:4wt%以下、Nb:2wt%以
下、Ti:2wt%以下、Ta:2wt%以下、Co:
8wt%以下、残Feからなる組成の高珪素ステンレス
鋼Xと称するものであり、前記2相の析出硬化型高珪素
ステンレス鋼はC:0.05wt%以下、Si;3〜
5.5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:15〜20
wt%、Ni:10〜24wt%、Mo:2wt%以
下、W:2wt以下%、Co:3wt%以下、V:2w
t%以下、残Feからなる組成の高珪素ステンレス鋼D
と称するものであることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態1に係
る連続鋳造鋳片の案内ローラが、連続鋳造鋳片案内装置
のフットローラである場合を例として、ローラ支持金具
を含むフットローラの側面図の図1(a)と、図1(a)の
A−A線断面図の図1(b)と、球面軸受の正面図の図2
(a)と、図2(a)のB矢視図の図2(b)とを順次参照し
ながら説明する。
【0017】図1において示す符号1は、図示しない支
持ブロックに嵌合部を介して位置調整可能に支持されて
なるローラ支持金具で、このローラ支持金具1の一対の
平行なブラケット1aのそれぞれには軸嵌合穴1bが設
けられている。そして、これら軸嵌合穴1b、1bに、
後述するフットローラ2の固定軸2aが嵌合されて固定
されている。この固定軸2aには、両端開口が閉蓋され
た冷却水供給横孔3bと、この冷却水供給横孔3bの長
手方向の中央位置から外周に連通する複数の冷却水供給
縦孔3cが設けられている。
【0018】前記冷却水供給横孔3bには、前記ローラ
支持金具1のうち、一方のブラケット1aの厚さ方向中
心を貫通する冷却水供給基孔3aが連通しており、この
冷却水供給基孔3aから供給された冷却水が冷却水供給
横孔3bを経て、冷却水供給縦孔3cから固定軸2aの
外周に流出し得るように構成されている。この固定軸2
aの外周には、2個の後述する構成、かつ素材からなる
球面軸受2bが嵌着されており、これら球面軸受2bの
外輪に、後述する素材からなる円筒体2cが嵌合されて
いる。
【0019】以上の説明から良く理解されるように、本
実施の形態1の場合には、冷却水流路3は、前記冷却水
供給基孔3a、冷却水供給横孔3b、および冷却水供給
縦孔3cとから構成されるものである。なお、前記固定
軸2aに外嵌され、前記冷却水供給縦孔3cの開口に合
致する位置に貫通孔を有すると共に、端面のそれぞれが
球面軸受2bの内輪同士の端面に当接してなるものは、
球面軸受2b同士間の間隔を保持する筒状スペーサ2e
である。
【0020】前記球面軸受2bは、図2(a),(b)に示
すように、幅方向の中央外径が大径であって、かつ端部
外径が小径になるように、外側が凸になる湾曲面を備え
てなる内輪と、この内輪に外嵌され、幅方向の中央内径
が大径であって、かつ端部内径が小径になるように、内
側が凹になる湾曲面を備えてなる外輪とから構成されて
いる。そして、外輪の内周面に、幅方向の一端側から他
端側に連なり、前記円筒体2cの内側に形成される円筒
体内空間2d内から外方へ冷却水を排水する複数の後述
する構成の排水溝4が設けられている。なお、本実施の
形態1に係るフットローラ2の球面軸受2bの場合に
は、2本の排水溝4が設けられている。しかしながら、
排水溝は1本であっても、また3本以上であっても良い
ので、特に排水溝の本数に限定されるものではない。
【0021】これら排水溝4の円筒体内空間2dの内側
に開口する内部開口4aは、この円筒体内空間2dの外
側に開口する外部開口4bよりも外輪の回転方向側に位
置するように設定されると共に、内部開口4aと外部開
口4bとの間の経路4cが、これら内部開口4aと外部
開口4bとを結ぶ直線より外輪の回転方向側に凸になる
ように湾曲形成されている。そのため、ポンプ作用によ
って円筒体内空間2d内から外方へ、より効果的に冷却
水が排水されると共に、内輪と外輪との間への水の侵入
が促進される。
【0022】なお、前記排水溝4の経路4cが真直状で
あっても、またこの排水溝4の経路4cが固定軸2aと
平行であっても、それなりの排水効果、および内輪と外
輪との間への水の侵入効果を期待することができる。さ
らに、排水溝4を内輪に設けても、それなりの効果を期
待することができる。換言すれば、排水溝4は内外輪の
相対する面の何れか、または双方に設けられていて、円
筒体内空間2d内の水が内部開口4aから外部開口4b
に排水されれば良く、特に経路4cの形状に限定される
ものではない。しかしながら、排水溝4を内輪に設ける
と、内輪が固定されている関係上、ポンプ作用を期待す
ることができないので、本実施の形態1のとおり、排水
溝を外輪に設ける方が好ましい。
【0023】前記フットローラ2を構成する球面軸受2
bの内輪および外輪と、円筒体2cは、それぞれ後述す
る組成を有する析出硬化型高珪素ステンレス鋼から製造
されている。先ず、前記球面軸受2bの内輪および外輪
を構成する析出硬化型高珪素ステンレス鋼は、550℃
〜750℃で高温時効硬化処理され、C:0.05wt
%以下、Si;3〜5wt%、Mn:2wt%以下、C
r:8〜13wt%、Ni:5〜10wt%、Mo:2
wt%以下、Cu:4wt%以下、Nb:2wt%以
下、残Feからなる組成(一例)のものであり、高珪素ス
テンレス鋼Aと称し、マルテンサイトとオーステナイト
とフェライトとの混合組成からなる3相のものである。
【0024】また、前記円筒体2cを構成する析出硬化
型高珪素ステンレス鋼は、オーステナイトとフェライト
との混合組成からなる2相のものである。そして、その
組成(一例)は、C:0.05wt%以下、Si;3〜
5.5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:15〜20
wt%、Ni:10〜24wt%、Mo:2wt%以
下、W:2wt以下%、Co:3wt%以下、V:2w
t%以下、残Feであり、高珪素ステンレス鋼Dと称す
るものである。
【0025】これら素材は、例えば特開平7−1395
49号に開示されてなる「軸受」の素材と類似である。
フットローラ2を構成する球面軸受2bの内輪および外
輪と円筒体2cとは、圧延または鋳造で最終部品に近い
形状に形成した後に、素材を調質する第1熱処理工程
(900℃〜1000℃、好ましくは950℃で所定時
間加熱後に急水冷)と、高温時効硬化処理する第2熱処
理工程(550℃〜750℃、、好ましくは650℃)
と、時効硬化のもとになる過飽和固溶体をつくる第3熱
処理工程(溶体化熱処理:950℃〜1150℃、好ま
しくは1050℃前後の温度に加熱した後、急冷)と、
特定の製品形状に加工する機械加工工程と、時効硬化さ
せる第4熱処理工程(400℃〜550℃、好ましくは
450℃〜500℃)とを経て製造したものである。
【0026】鋼の場合には、Siの含有量が増大する
と、A3変態点が上昇して結晶粒が粗大になり、靭性が
低下してしまう。そのため、これらの析出硬化型高珪素
ステンレス鋼の場合には、靭性の低下を防止するため
に、A3変態点の低下に対して効果があるNi、Mn、
Crを含有させてA3変態点を750℃以下に下げるこ
とにより、結晶粒の粗大化を防止するようにしている。
従って、これらの析出硬化型高珪素ステンレス鋼を、従
来例に係るフットローラの素材であるニッケル、クロム
系耐熱合金と比較した場合には、耐摺動磨耗性、耐ヒー
トチェック特性、高温耐酸化性、高温強度、高温におけ
る硬度、耐腐食性、および溶接性において優れている。
【0027】ところで、フットローラに要求される特性
は、耐磨耗性(熱間の軟化抵抗に関係)、耐ヒートチェッ
ク性(応力腐食割れに関係)、耐腐食性(応力腐食割れ、
およびCCパウダーの腐食に関係)、耐変形性(熱間の軟
化抵抗に関係)である。因みに、これら高珪素ステンレ
ス鋼A、および高珪素ステンレス鋼Dの機械的性質、物
理的性質、および耐食性を、SUS321、SUH66
0、およびSCM435それぞれの性質と合わせて示す
と、表1に示すとおりである。なお、この表1におい
て、表1中のAは高珪素ステンレス鋼Aを示し、Dは高
珪素ステンレス鋼Dを示しており、そして強度、密度、
熱膨張係数、熱電動率、および5%H2SO4(硫酸)腐食
減量の各データは、何れも室温(20℃)における計測に
より得られたものである。
【0028】
【表1】 なお、上記表1中の強度の単位はN/mm2、密度の単
位はg/cm3、熱膨張係数の単位は×10-6/℃、熱
伝導率の単位はW/m・K(Kはケルビン)であり、ま
た腐食減量については、上記のとおり、5%H2SO4
食減量で、その単位はg/m2/hである。
【0029】先ず、ヒートチェック特性の指標は、下記
の式から求められるヒートチェック抵抗係数Kで表され
る。 K=σ/Δt・αE なお、上記式において、σは強度、ΔtはTmax−T
min、αは熱膨張係数、Eはヤング率である。高珪素
ステンレス鋼A、および高珪素ステンレス鋼Dは、表1
に示すとおり、高強度、高熱電動率、かつ低熱膨張率で
あって、諸特性が良好であるために、熱応力による亀裂
の発生、進行が抑制される。また、CCパウダーに含ま
れているSが冷却水に溶け込んで硫酸になるために、フ
ットローラは腐食されるが、高珪素ステンレス鋼A、お
よび高珪素ステンレス鋼Dは適度の耐食性を有している
ために、亀裂の進行が抑制され、フットローラの寿命の
延長に寄与する。従来の装置に、この素材を使用した結
果では、1500チャージ使用後の肌の状況も良好で亀
裂の発生は少ない。このことは、溶体化熱処理による結
晶粒の微細化により、亀裂の発生や進行が抑制されるた
めであると理解することができる。
【0030】熱間における軟化抵抗を知るために、15
00チャージ使用後に切断して硬度分布を調査した。そ
の結果、SUS321の表面硬度がHRC23程度、か
つ心部硬度がHRC17程度であるのに対して、高珪素
ステンレス鋼Dの表面硬度がHRC35程度で、かつ心
部硬度がHRC30程度であるから、硬度低下が少なく
熱間における軟化抵抗に優れている。その理由は、結晶
粒が微細であるからである。
【0031】また、応力腐食割れ感受性については、縦
軸に負荷応力(N/mm2)をとり、横軸に破断時間(h)
をとって示す、42%MgCl2沸騰中定荷重試験結果
説明図の図3に示す通りである。この図3によれば、高
珪素ステンレス鋼A、および高珪素ステンレス鋼Dは、
SUS321やSUH660よりも遥かに応力腐食割れ
感受性が鈍く破断しにくいことが分る。
【0032】ところで、高珪素ステンレス鋼A、および
高珪素ステンレス鋼Dの500℃における0.2%耐
力、および引張強さを、これら高珪素ステンレス鋼A,
Dの温度(℃)に対する0.2%耐力(N/mm2)、引張
強さ(N/mm2)説明図の図4、図5を参照しながら、
SUH660およびSUS310Sと比較してみる。な
お、図4,5において、高珪素ステンレス鋼Aを白丸印
で、高珪素ステンレス鋼Dを黒丸印で、SUH660を
黒四角印で、SUS310Sを白三角印でそれぞれ示し
ている。
【0033】先ず、0.2%耐力については、高珪素ス
テンレス鋼A、および高珪素ステンレス鋼Dがそれぞれ
608(N/mm2)、186(N/mm2)であるのに対
し、SUH660は726(N/mm2)、SUS310
Sは142(N/mm2)である。また、引張強さについ
ては、高珪素ステンレスA、および高珪素ステンレス鋼
Dがそれぞれ608(N/mm2)、490(N/mm2)で
あるのに対し、SUH660、およびSUS310Sは
それぞれ902(N/mm2)、466(N/mm2)であ
る。このように、高珪素ステンレス鋼A、および高珪素
ステンレス鋼Dの0.2%耐力や引張強さはSUH66
0よりもかなり劣っている。それにもかかわらず、フッ
トローラ2の素材として高珪素ステンレス鋼A(球面軸
受の内輪および外輪の素材)、および高珪素ステンレス
鋼D(円筒体の素材)を用いた場合、他の金属を用いた場
合よりも寿命が優れているということは、これら高珪素
ステンレス鋼A、および高珪素ステンレス鋼Dの上記各
特性の相乗作用によるものであると理解することができ
る。
【0034】以下、本実施の形態1に係る連続鋳造鋳片
案内装置のフットローラの使用態様を説明すると、図示
しない連続鋳造機のモールドで鋳造された連続鋳造鋳片
Bを案内するに際しては、フットローラ2の円筒体内空
間2d内に冷却水を供給するために、図示しない冷却水
供給源からフィルタを介して冷却水供給基孔3aに連通
する冷却水送水管から冷却水が送水される。前記円筒体
内空間2d内に送水された冷却水は、フットローラ2の
固定軸2a、円筒体2c、球面軸受2b,2bを冷却す
る。次いで、冷却水は、これら球面軸受2b,2bの内
輪と外輪との間に侵入して流体層を形成し、これら球面
軸受2b,2bを潤滑する。そして、熱を奪って高温に
なった冷却水は、排水溝4の外部開口4bから迸るよう
に排水されて、連続鋳造鋳片Bからの輻射熱によって加
熱された連続鋳造鋳片案内装置の各部位を効果的に冷却
する。
【0035】上記のとおり、フットローラ2の球面軸受
2bは冷却水により潤滑されるのであるから、球面軸受
2bの内輪と外輪とに、かじりや焼付きが発生すること
が考えられた。しかしながら、フットローラ2は正常に
回転し続け、球面軸受2bの内輪と外輪との間にかじり
は勿論のこと、焼付きも見出すことができなかった。こ
のことは、球面軸受2bの内輪および外輪の素材である
高珪素ステンレス鋼AがSUH660、SUS310
S、SUS321等に比較して摩擦係数が小さく、滑り
性能が優れていることに起因すると理解することができ
る。
【0036】例えば、高珪素ステンレス鋼AとSUS4
20J2(前記高珪素ステンレス鋼Aと同様に3相であ
る。)とのBalltoFaceによる摩擦試験(鈴木
式)の結果を説明すると、SUS420J2が約300回
でかじり、焼付き現象が生じるのに対して、高珪素ステ
ンレス鋼Aでは約4000回でかじり、焼付き現象が生
じており、高珪素ステンレス鋼Aの寿命はSUS420
J2の寿命の約13倍であった。また、摩擦係数につい
ては、SUS420J2が0.035であるのに対し
て、高珪素ステンレス鋼Aは0.022であり、高珪素
ステンレス鋼Aの摩擦係数はSUS420J2の摩擦係
数の約3/5であった。
【0037】フットローラ2の円筒体2cが500℃以
下の温度に冷却され、また球面軸受2b,2bが300
℃以下の温度に冷却されるように円筒体内空間2d内に
冷却水が供給されるのに加えて、フットローラ2の円筒
体2cと球面軸受2b,2bとは、高温耐酸化性、高温
強度、高温における硬度、耐腐食性等に優れた高珪素ス
テンレス鋼で製造されているので、従来例に係る連続鋳
造用鋳片案内装置に比較してフットローラ2の耐久性が
大幅に向上する。しかも、本実施の形態1に係る連続鋳
造鋳片案内装置の場合には、従来例に係る連続鋳造鋳片
案内装置のように、軸受にグリースを供給して潤滑する
構成でないから、フットローラ2がグリースの炭化に起
因して回転不具合を起こすようなことがなく、連続鋳造
鋳片Bの表面品質に悪影響を及ぼすようなことがない。
なお、冷却水の供給量は、使用条件によって相違するの
で、使用条件に応じた供給量を予め求めておけば良い。
【0038】また、上記のとおり、フットローラ2の円
筒体2cが500℃以下に冷却されるのに加えて、耐久
性に優れているので、連続鋳造鋳片案内装置の点検やフ
ットローラ2の交換時間間隔が大幅に延長され、連続鋳
造設備のランニングコストの低減に大いに寄与すること
ができる。因みに、従来例に係る連続鋳造鋳片案内装置
では、例えば1000〜1500チャージ毎にフットロ
ーラを交換する必要があった。しかしながら、高珪素ス
テンレス鋼Dにより従来例に係るフットローラと同寸
法、かつ同構成のフットローラを製造して装置に組込ん
で使用したところ、5000〜9000チャージ(従来
例の5〜6倍である。)の間、何の支障もなく連続使用
することができた。従って、本実施の形態1に係る連続
鋳造鋳片案内装置のフットローラ2によれば、5000
〜9000チャージよりも遥かに多チャージの連続使用
が可能になるから、連続鋳造設備の稼働率の向上に伴っ
て生産性が向上し、連続鋳造鋳片のコスト低減に大いに
寄与することができる。
【0039】本発明の実施の形態2に係る連続鋳造鋳片
案内装置のフットローラを、ローラ支持金具3を含むフ
ットローラの側面図の図6(a)と、図6(a)のC−C線
断面図の図6(b)とを順次参照しながら説明する。但
し、本実施の形態2が上記実施の形態1と相違するとこ
ろは、冷却水排水路の有無にあり、これ以外は同構成で
あるから、同一のものには同一符号を付して、その相違
する点について以下に説明する。
【0040】固定軸2aの径方向の中心に設けられた冷
却水供給横孔3bの長手方向に所定の間隔を隔てて、こ
の冷却水供給横孔3bの内側から固定軸2aの外周に連
通する冷却水供給縦孔3cが設けられている。そして、
この固定軸2aの冷却水供給横孔3b内に、固定軸2a
の反冷却水供給基孔3a側の端部に排水口5cが設けら
れ、この排水口5cに、冷却水供給基孔3a側が閉蓋さ
れてなる排水横管5bの開口側が連結されると共に、こ
の排水横管5bに、この排水横管5bの内側から固定軸
2aの外周に連通する排水縦管5aが設けられている。
つまり、この冷却水排水路5は、排水縦管5a、排水横
管5b、および排水口5cとから構成されている。
【0041】本実施の形態2に係る連続鋳造鋳片案内装
置のフットローラによれば、冷却水流路3の冷却水供給
縦孔3cから円筒体内空間2d内に流入した冷却水は、
円筒体2c、球面軸受2b、2bを冷却し、そしてこれ
ら球面軸受2bに設けられた排水溝4から排水されると
共に、内輪と外輪との間に侵入して、これら球面軸受2
bを潤滑する。一方、これと併行して、排水縦管5a、
排水横管5b、および排水口5cを経て排水されること
となる。
【0042】従って、本実施の形態2に係る連続鋳造鋳
片案内装置のフットローラ2によれば、上記のとおり、
冷却水供給縦孔3cから円筒体内空間2d内に流入した
冷却水により、円筒体2c、球面軸受2b、2bが冷却
されると共に、内輪と外輪との間に侵入する冷却水によ
って、これら球面軸受2bが潤滑されるから、本実施の
形態2は上記本実施の形態1と同効である。
【0043】ところで、以上の実施の形態では、フット
ローラを構成する球面軸受2bと円筒体2cとの素材の
好ましい組み合わせ、即ち、球面軸受2bの内輪および
外輪の素材が高珪素ステンレス鋼Aであり、また円筒体
2cの素材が高珪素ステンレル鋼Dである場合を例とし
て説明した。しかしながら、球面軸受2bの内輪および
外輪を、C:0.05wt%以下、Si;3〜5wt
%、Mn:2wt%以下、Cr:8〜13wt%、N
i:5〜10wt%、Mo:3wt%以下、Cu:4w
t%以下、Nb:2wt%以下、Ti:2wt%以下、
Ta:2wt%以下、Co:8wt%以下、残Feから
なる組成(一例)のマルテンサイトとオーステナイトとフ
ェライトとの混合組成からなる3相の高珪素ステンレス
鋼Xと称するものを用いることができる。
【0044】また、球面軸受2bの内輪および外輪と円
筒体2cとを、共に高珪素ステンレス鋼Aにより、また
は高珪素ステンレス鋼Dにより、または高珪素ステンレ
ス鋼Xにより製造したとしてもそれなりの効果を期待す
ることができる。さらに、以上の実施の形態では、案内
ローラが連続鋳造鋳片案内装置のフットローラである場
合を例として説明したが、フットローラに限らず、特に
高温の素材を案内する各種案内ローラに、本発明の技術
的思想を適用することができる。従って、上記実施の形
態1または2によって、本発明の技術的思想の適用範囲
が限定されるものではない。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
乃至7に係る連続鋳造鋳片の案内ローラによれば、円筒
体内空間内へ冷却水を供給することにより、案内ローラ
の円筒体を500℃以下に、また球面軸受を300℃以
下の温度に冷却することができるのに加えて、案内ロー
ラの円筒体と、球面軸受とは、何れも高温耐酸化性、高
温強度、高温硬度、高温耐腐食性等に優れた析出硬化型
高珪素ステンレス鋼で製造されているので、従来例に比
較して案内ローラの耐久性が大幅に向上する。しかも、
従来例のように、軸受にグリースを供給する構成でない
から、案内ローラがグリースの炭化に起因して回転不具
合を起こすようなことがなく、連続鋳造鋳片の表面品質
に悪影響が及ぶようなことがない。
【0046】また、上記のとおり、案内ローラの円筒体
を500℃以下に、球面軸受を300℃以下の温度に冷
却することができるのに加えて、高温度における耐久性
が優れているので、連続鋳造設備の点検や案内ローラの
交換時間間隔が大幅に延長され、連続鋳造設備のランニ
ングコストの低減に寄与することができるという優れた
効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係り、図1(a)はロー
ラ支持金具を含む連続鋳造鋳片案内装置のフットローラ
の側面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図
である。
【図2】本発明の実施の形態1に係り、図2(a)は球面
軸受の側面図であり、図2(b)は図2(a)のB矢視図で
ある。
【図3】本発明の実施の形態1に係り、42%MgCl
2沸騰中定荷重試験結果説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係り、析出硬化型高珪
素ステンレス鋼の温度(℃)に対する0.2%耐力説明図
である。
【図5】本発明の実施の形態1に係り、析出硬化型高珪
素ステンレス鋼の温度(℃)に対する引張強さ説明図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態2に係り、図6(a)はロー
ラ支持金具を含む連続鋳造鋳片案内装置のフットローラ
の側面図であり、図6(b)は図6(a)のC−C線断面図
である。
【図7】従来例に係る典型的な連続鋳造鋳片案内装置の
主要部斜視図である。
【図8】従来例に係る典型的な連続鋳造鋳片案内装置の
フットローラの断面図である。
【図9】従来例に係る典型的な連続鋳造鋳片案内装置の
フットローラの冷却構成説明図である。
【符号の説明】
1…ローラ支持金具、1a…ブラケット、1b…軸嵌合
穴 2…フットローラ、2a…固定軸、2b…球面軸受、2
c…円筒体、2d…円筒体内空間、2e…筒状スペーサ 3…冷却水流路、3a…冷却水供給基孔、3b…冷却水供
給横孔、3c…冷却水供給縦孔 4…排水溝、4a…内部開口、4b…外部開口 5…冷却水排水路、5a…排水縦管、5b…排水横管、5
c…排水口 B…連続鋳造鋳片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16C 23/04 F16C 23/04 E 37/00 37/00 A (56)参考文献 特開 平9−52157(JP,A) 特開2002−31148(JP,A) 実開 昭62−199245(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/128 340 F16C 23/04 F16C 37/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームにブラケットを介して回転可能
    に支持され、連続鋳造機のモールドにより鋳造される連
    続鋳造鋳片に転接して、この鋳片を案内する連続鋳造鋳
    片の案内ローラにおいて、前記ブラケットに端部が支持
    されてなる固定軸と、この固定軸に外嵌されてなる一対
    の球面軸受と、これら球面軸受が端部に嵌着されてなる
    円筒体と、前記固定軸の端部からその内側を経て、前記
    円筒体の内側と前記一対の球面軸受との間に形成されて
    なる円筒体内空間に連通する冷却水流路とからなること
    を特徴とする連続鋳造鋳片の案内ローラ。
  2. 【請求項2】 前記球面軸受の内輪の外周面、または外
    輪の内周面に、幅方向の一端側から他端側に連なり、前
    記円筒体内空間内から外方へ冷却水を排水する排水溝が
    設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の連続
    鋳造鋳片の案内ローラ。
  3. 【請求項3】 前記球面軸受の外輪の内周面に、幅方向
    の一端側から他端側に連なり、前記円筒体内空間内から
    外方へ冷却水を排水する複数の排水溝が設けられ、これ
    ら排水溝の円筒体内空間の内側に開口する内部開口は、
    この円筒体内空間の外側に開口する外部開口よりも外輪
    の回転方向側に位置するように設定されてなることを特
    徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳片の案内ローラ。
  4. 【請求項4】 前記排水溝の内部開口と外部開口との間
    の経路が、これら内部開口と外部開口とを結ぶ直線より
    も外輪の回転方向側に凸になるように湾曲形成されてな
    ることを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造鋳片の案
    内ローラ。
  5. 【請求項5】 前記固定軸の内側に、前記円筒体内空間
    内の冷却水を外方に排水する冷却水排水路が設けられて
    なることを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一
    つの項に記載の連続鋳造鋳片の案内ローラ。
  6. 【請求項6】 前記球面軸受の内輪および外輪は、55
    0℃〜750℃で高温時効硬化処理され、マルテンサイ
    トとオーステナイトとフェライトとの混合組成からなる
    3相の析出硬化型高珪素ステンレス鋼から製造されると
    共に、前記円筒体はオーステナイトとフェライトとの混
    合組成からなる2相の析出硬化型高珪素ステンレス鋼か
    ら製造されてなることを特徴とする請求項1乃至5のう
    ちの何れか一つの項に記載の連続鋳造鋳片の案内ロー
    ラ。
  7. 【請求項7】 前記3相の析出硬化型高珪素ステンレス
    鋼は、C:0.05wt%以下、Si;3〜5wt%、
    Mn:2wt%以下、Cr:8〜13wt%、Ni:5
    〜10wt%、Mo:2wt%以下、Cu:4wt%以
    下、Nb:2wt%以下、残Feからなる組成の高珪素
    ステンレス鋼A、またはC:0.05wt%以下、S
    i;3〜5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:8〜1
    3wt%、Ni:5〜10wt%、Mo:3wt%以
    下、Cu:4wt%以下、Nb:2wt%以下、Ti:
    2wt%以下、Ta:2wt%以下、Co:8wt%以
    下、残Feからなる組成の高珪素ステンレス鋼Xと称す
    るものであり、前記2相の析出硬化型高珪素ステンレス
    鋼はC:0.05wt%以下、Si;3〜5.5wt
    %、Mn:2wt%以下、Cr:15〜20wt%、N
    i:10〜24wt%、Mo:2wt%以下、W:2w
    t以下%、Co:3wt%以下、V:2wt%以下、残
    Feからなる組成の高珪素ステンレス鋼Dと称するもの
    であることを特徴とする請求項6に記載の連続鋳造鋳片
    の案内ローラ。
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