JP3398115B2 - 導電部材 - Google Patents

導電部材

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JP3398115B2
JP3398115B2 JP2000091541A JP2000091541A JP3398115B2 JP 3398115 B2 JP3398115 B2 JP 3398115B2 JP 2000091541 A JP2000091541 A JP 2000091541A JP 2000091541 A JP2000091541 A JP 2000091541A JP 3398115 B2 JP3398115 B2 JP 3398115B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板に
表面実装された状態で当該プリント配線板の導電パター
ンと接地導体とを電気的に接続する導電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリント配線板に導電部材を
表面実装し、その状態でプリント配線板を固定すると導
電部材がケースなどの接地導体に圧接するようにして、
導電部材を介してプリント配線板の導電パターンを接地
導体に電気的に接続する(接地する)技術が知られてい
る。特に近年、コンピュータ技術の発達に伴いマイクロ
コンピュータを組み込んだ機器が多く製品化されてお
り、このような機器内部のプリント配線板を接地するの
に欠かせない技術となっている。
【0003】このような小型機器の一例として携帯電話
機が挙げられるが、小型化・軽量化に伴って接地対象と
なる本体ケースが薄く形成されている。そのため、外部
からの荷重によってある程度ケースが変形すると、導電
部材が接地導体としてのケースから離れてしまうことが
あった。このような場合、携帯電話機の仕様によっては
通信が中断されてしまうことがあった。
【0004】これを解決するための手法として、接地導
体との接点が2箇所以上となるような導電部材が従来よ
り提案されている。例えば弾性変形して接地導体に圧接
する接触片を2つ以上備えるという具合である。例えば
実開昭61−142483号のマイクロフィルムには、
このような導電部材に相当する多接点アースバネが開示
されている。図5(a)はこの多接点アースバネの概略
構成を説明するための模式図であり、図5(b)は、図
5(a)中に記号Kで示す方向から見た正面図である。
【0005】すなわち、この多接点アースバネは、薄板
状の部材を折り曲げて一方の面がプリント配線板600
の導体パターンに半田付けされる折り曲げ部501を両
側に形成し、さらに本体中央部分にL字型の切り欠き5
02を形成して接触片503を形成したものである。そ
して、図5(b)に示すようにプリント配線板600に
折り曲げ部501の一方の面が半田付けされた状態で接
触片503を接地導体に圧接させてプリント配線板60
0の導体パターンを接地導体に接地する。
【0006】このような導電部材を用いれば、ケースが
変形した場合であっても、複数の接触片のいずれか1つ
がケースに接触する可能性が高くなり、接地状態を維持
できる可能性が高くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように接地導体としての本体ケースが変形する場合に
は、本体ケースに固定されるプリント配線板600が撓
むことがある。これを図6の説明図に示した。
【0008】例えば図6(a)に示すようにプリント配
線板600が撓むと、多接点アースバネは、中央部分C
を上方へ移動させるように変形する。このため、接触片
503がプリント配線板600から離れる方向に移動す
る。一方、図6(b)に示すようにプリント配線板60
0が撓むと、多接点アースバネは、中央部分Cを下方へ
移動させるように変形する。このため、接触片503が
プリント配線板600に近づく方向に移動する。つま
り、従来の構成では、プリント配線板600が撓むと、
接触片503の高さが大きく変わってしまう。そのた
め、ケースに対する接触片の接触圧が大きく変化し、良
好な接地がなされない場合があった。
【0009】また、プリント配線板600が撓み、多接
点アースバネが変形すると、プリント配線板600との
半田付け部分に負荷がかかり、半田付け部分がはがれて
接触不良を生じる可能性がある。この点でも、良好な接
地が妨げられる結果を招く。一方、近年、このような導
電部材は、自動実装機の吸着ノズルに吸着されてプリン
ト配線板の予め定められた位置に配置されて半田付けさ
れる。したがって、自動実装機の吸着ノズルで適切に自
動実装できる構成が望まれる。
【0010】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、自動実装機による自動実装がで
き、しかも、接地導体としてのケースの変形によってケ
ースに固定されたプリント配線板が撓んだ場合にも、良
好な接地を可能とする導電部材を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明の
導電部材には、複数の接地構造と当該各接地構造を連接
する連接部とが薄板状の部材を折り曲げることによって
形成されている。接地構造は、プリント配線板の導体パ
ターンに半田付けされる接合面を有した接合部と、接合
面が導体パターンに半田付けされた状態でプリント配線
板を所定位置に固定することによって接地導体に圧接す
る接触片が形成された接触部とを有している。そして、
この複数の接地構造によって、プリント配線板の導体パ
ターンと接地導体とを複数点で電気的に接続する。
【0012】ここで特に、上述した連接部は、平坦面を
有する平坦部と、当該平坦部の端から平坦面の反対側へ
略垂直に折り曲げられた脚部とを有している。そして、
脚部の先端部分を外側に折り曲げて接地構造を連接し、
当該脚部と連接された前記接地構造との間に隙間を設け
当該脚部の先端部分を中心とした弾性変形によって複
数の接地構造が相互に位置を変えられるようにした。
【0013】これを具体的に説明する。例えば本発明の
導電部材は、図1に示すように、2つの接地構造10と
それら接地構造10を連接する連接部20を備える導電
部材1として具現化できる。接地構造10は、接合部1
1及び接触部12を有している。接合部11の下面であ
る接合面11aは(図1(b)参照)、図1(c)に示
すように、プリント配線板200の導体パターン200
aに半田付けされる。同じく図1(c)に示すように、
この状態でプリント配線板200を所定位置に固定する
と、接触部12の接触片12aが、接地導体としてのケ
ース300に圧接する。これによって複数点での接地が
なされる。
【0014】一方、連接部20は、平坦部21と平坦部
21から略垂直に折り曲げられた脚部22とを有してい
る。図1(b)に示すように、平坦部21の上面が平坦
面21aであり、この平坦面21aが自動実装機の吸着
ノズルに吸着されてプリント配線板200上に配置され
る。脚部22の先端部分22aは外側に折り曲げられて
接地構造10に連接される。なお、この先端部分22a
の折り曲がり具合は、図1(a)では略垂直に折り曲が
っているように示されているが、正確には図1(b)に
示すようにアールを有している。このとき、脚部22の
先端部分22aを中心とした弾性変形によって2つの接
地構造10が相互に位置を変えることができるようにし
た。この場合は、脚部22の外側、すなわち接地構造1
0との間に隙間αを設けている。
【0015】このように構成すれば、以下に示すよう
に、プリント配線板が撓んでも、良好な接地が可能とな
る。プリント配線板200が撓んだ状態を図2に示し
た。なお、図2では、煩雑になることを避けるため、接
触部12の接触片12aは省略している。
【0016】図2(a)に示すように、プリント配線板
200の中心部分が上方に移動するように撓むと、脚部
22の先端部分22aを中心とした弾性変形が生じ、上
述した隙間αを大きくするように導電部材1が変形す
る。一方、図2(b)に示すように、プリント配線板2
00の中心部分が下方に移動するように撓むと、同じく
脚部22の先端部分22aを中心とした弾性変形が生
じ、隙間αを小さくするように導電部材1が変形する。
【0017】つまり、本発明では、連接部の脚部の先端
部分を中心とした弾性変形によって接地構造が位置を変
えるようにしたため、接地構造自体、例えば接触片など
が変形することがないのである。これによって、プリン
ト配線板が撓んだとしても、接触片の高さが変わらず、
ケースとの接触圧が大きく変化しないため、良好な接地
が確保される。
【0018】また、連接部の脚部の先端部分を中心とし
た弾性変形によって接地構造が位置を変えるため、プリ
ント配線板の半田付け部分への負荷が軽減され、半田付
け部分の劣化を招くこともない。したがって、半田付け
部分がはがれて接触不良が生じることを防止でき、この
点でも、良好な接地が確保される。
【0019】さらに、本導電部材では、平坦面を有する
平坦部を連接部に形成したため、自動実装機によって
動実装することができる。自動実装機による自動実装に
は、接触部が接合部の両側に立設された側方壁を有して
いて、接触片の一部が側方壁の間に配置されている構造
が有効となる。なお、側方壁の上端部は連接部側から他
方の端へ向かうにつれて接合部側へ傾斜している。例え
ば図1(a)に示すように、接合部11の両側に側方壁
12bを立設するという具合である。このとき、接触片
12aの一部は、側方壁12bの間に配置する(図1
(b)参照)。このようにすれば、吸着ノズルなどが誤
って接触片12aを引っかけることを防止できる。
【0020】また、吸着ノズルによって導電部材が水平
に吸着されないと、自動実装効率が低下する。そこで、
請求項3に示すように、平坦部の平坦面の中心を通る当
該平坦面に垂直な直線上に重心が位置するようにするこ
とが考えられる。例えば上述した図1に示す導電部材1
では、同一構造の2つの接地構造10を左右対称に配置
することによって、導電部材1の重心を、平坦面21a
の中心を通る、平坦面21aに垂直な直線上に位置させ
た。具体的には、図1(b)中の一点鎖線で示した直線
上の記号Gで示す位置に重心を位置させた。
【0021】このようにすれば、吸着ノズルで吸着した
際に導電部材が傾くことを防止でき、自動実装効率の低
下を防止することができる。ところで、図1を用いて述
べた導電部材1は接地構造10を2つ備えるものであっ
たが、3つ以上の接地構造を備える導電部材を構成する
こともできる。例えば図1を用いて説明すれば、接地構
造10の形成方向に垂直な方向に、すなわち図1(a)
中の記号Xで示す方向に、平坦部21から脚部を形成し
て別の接地構造10を連接すれば、接地構造10を4つ
備える導電部材を形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施例
を図面を参照して説明する。 [第1実施例]図1は、第1実施例の導電部材1を示し
ている。図1(a)は構成を説明するための模式図であ
り、(b)は図1(a)中の記号Aで示す方向から見た
正面図であり、(c)は、導電部材1がプリント配線板
200に半田付けされた状態で接地導体としてのケース
300に電気的に接続された使用状態を示す説明図であ
る。
【0023】導電部材1は、2つの接地構造10と、そ
れら2つの接地構造10を連接する連接部20とを備え
ており、薄板状の金属部材を折り曲げて形成されてい
る。接地構造10は、プリント配線板200に半田付け
される接合面11aを有する接合部11、及び、接触片
12a及び側方壁12bを有する接触部12を備えてい
る。
【0024】接合部11は長方形形状であり、この接合
部11の短手方向両側から接合面11aの反対側へ略垂
直に折り曲げられて、側方壁12bが形成されている。
さらに、側方壁12bの上端部の一方の端が内側へ略垂
直に折り曲げられ、この折り曲げ部分から、上端部の他
方の端に向けて接触片12aが延設されている。したが
って、2つの側方壁12bから2つの接触片12aが並
べて形成されている。側方壁12bの上端部は、他方の
端へ向かうにつれて接合部11側へ傾斜している。そし
て、接触片12aは、この傾斜に合わせ、側方壁12b
の間に位置するように延設されている。接触片12aの
先端部分は、上に凸となるような丸みを持たせて折り曲
げられ、側方壁12bの上端部よりも上方に配置されて
いる。
【0025】一方、連接部20は、長方形形状の平坦部
21と、平坦部21の端から略垂直に折り曲げられた脚
部22とを有している。平坦部21の一方の面が吸着ノ
ズルに吸着される平坦面21aとなっており、脚部22
は、この平坦面21aの反対側へ折り曲げられて形成さ
れている。脚部22の先端部分22aは、外側へ折り曲
げられて上述した接地構造10の接合部11に連接され
ている。なお、この先端部分22aの折り曲がり具合
は、図1(a)では略垂直に折り曲がっているように示
されているが、正確には図1(b)に示すようにアール
を有している。脚部22は、平坦面21aが上述した側
方壁12bの上端部とほぼ同じ高さになるような長さに
なっている。そして、脚部22の先端部分22aを中心
とした弾性変形によって接地構造10が位置を変えられ
るように、脚部22の外側には隙間αが設けられている
(図1(b)参照)。
【0026】なお、このように同一構造の2つの接地構
造10を左右対称に配置することによって、導電部材1
の重心を、平坦面21aの中心を通る、平坦面21aに
垂直な直線上に位置させた。図1(b)中に記号Gで示
す如くである。このように構成された導電部材1は、自
動実装機の吸着ノズルによって平坦部21の平坦面21
aを吸着されて、プリント配線板200の予め定められ
た位置に配置される。具体的には、プリント配線板20
0の導体パターン200a上に接合部11の接合面11
aが来るように配置される。導体パターン200a上に
は粘着性を有するクリーム半田などを予め供給してお
く。導電部材1は、このクリーム半田で仮固定された
後、リフローソルダリングによって半田付けされる。こ
のようにして導電部材1がプリント配線板200に半田
付けされた状態で、プリント配線板200が所定位置に
固定されると、図1(c)に示すように、接地導体とし
てのケース300に接触部12の接触片12aが当接し
下方に弾性変形することによって、ケース300に圧接
する。なお、ケース300は、側方壁12bの上端部に
平行な傾斜面を有していることを前提としている。
【0027】この導電部材1によれば、2つの接地構造
10によってケース300に接地されるため、外部から
の荷重によってケース300が変形しても、少なくとも
いずれか一方の接地構造10によって接地状態が保たれ
る可能性が高く、良好な接地状態を確保できる。
【0028】しかも、ケース300の変形に伴ってプリ
ント配線板200が撓んでも、良好な接地状態を確保で
きる。これについて説明する。プリント配線板200が
撓んだ様子を図2に示した。なお、図2では、煩雑にな
ることを避けるため、接触部12の接触片12aは省略
している。
【0029】図2(a)に示すように、プリント配線板
200の中心部分が上方に移動するように撓むと、脚部
22の先端部分22aを中心とした弾性変形が生じ、上
述した隙間αを大きくするように導電部材1が変形す
る。一方、図2(b)に示すように、プリント配線板2
00の中心部分が下方に移動するように撓むと、同じく
脚部22の先端部分22aを中心とした弾性変形が生
じ、隙間αを小さくするように導電部材1が変形する。
【0030】つまり、脚部22の先端部分22aを中心
とした弾性変形によって、接地構造10は相互に位置を
変えるため、接地構造10自体が変形することがない。
したがって、例えば接合面11aからの接触片12aの
高さが変化することはない。その結果、ケース300に
対する接地圧が大きく変化することを極力防止すること
ができる。また、プリント配線板200が撓んでも、脚
部22が弾性変形して接地構造10が相互に位置を変え
るため、接地構造10の半田付け部分にかかる負荷を大
幅に低減させることができる。したがって、半田付け部
分の劣化を抑えることができ、接地構造10の半田付け
がはがれて接触不良を招くこともない。
【0031】このように導電部材1によれば、たとえプ
リント配線板200に撓みが発生した場合であっても、
接地状態を良好に維持することができる。また、本導電
部材1は、自動実装機の吸着ノズルに吸着される平坦面
21aを有する構成であり、上述したように自動実装機
でプリント配線板200への配置が可能となる。しかも
その重心が平坦面21aの中心を通る直線上に位置する
ため、吸着ノズルで吸着した状態において、導電部材1
が傾くことを防止でき、自動実装効率の向上を図ること
ができる。さらに、接触部12は、接合部11の両側に
立設された側方壁12bを有する構造であり、接触片1
2aの一部がこの側方壁12bの間に配置されている。
したがって、自動実装作業において接触片12aを誤っ
て引っかけ、変形させてしまう可能性を低減させること
ができる。
【0032】[第2実施例]また、図3に示すような導
電部材2を形成することが考えられる。なお、図3
(a)は構成を説明するための模式図であり、図3
(b)は、図3(a)中の記号Bで示す方向から見た正
面図である。
【0033】導電部材2は、2つの接地構造30と、そ
れら2つの接地構造30を連接する連接部40とを備え
ており、薄板状の金属部材を折り曲げて形成されてい
る。接地構造30は、プリント配線板に半田付けされる
接合面31aを有する接合部31を備えている。また、
接触片32a及び側方壁32bを有する接触部32を備
えている。
【0034】接合部31は長方形形状であり、この接合
部31の短手方向両側から接合面31aの反対側へ略垂
直に折り曲げられて、側方壁32bが形成されている。
側方壁32bは、上記第1実施例と同様の形状であり、
その上端部は、一方の端から他方の端へ向かうにつれて
接合部31側へ傾斜している。本第2実施例では、接触
片32aが、接合部31の長手方向の一方の端から折り
曲げられて形成され、側方壁32bの間に位置してい
る。そして、接触片32aの先端部分は、上に凸となる
ような丸みを持たせて折り曲げられ、側方壁32bの上
端部よりも上方に配置されている。
【0035】一方、連接部40は、上記第1実施例と同
様に、長方形形状の平坦部41と平坦部41から略垂直
に平坦面41aの反対側へ折り曲げられた脚部42を備
えている。そして、脚部42の先端部分42aは、外側
へ折り曲げられて上述した接地構造30の接合部31の
長手方向に、詳しくは接触片32aが形成されていない
側に連接されている。なお、この先端部分42aの折り
曲がり具合は、図3(a)では略垂直に折り曲がってい
るように示されているが、正確には図3(b)に示すよ
うにアールを有している。そして、脚部42の先端部分
42aを中心とした弾性変形によって接地構造30が位
置を変えられるように、脚部42の外側には隙間βが設
けられている(図3(b)参照)。
【0036】なお、この第2実施例の導電部材2におい
ても、その重心が平坦面41aの中心を通る、平坦面4
1aに垂直な直線上に位置するようにした。このように
構成された導電部材2は、上記第1実施例と同様に、自
動実装機の吸着ノズルによって平坦面41aを吸着さ
れ、プリント配線板の予め定められた位置に配置され半
田付けされて、接地導体としてのケースに接触片32a
を圧接させる。
【0037】したがって、この導電部材2によっても、
上記第1実施例に記載の導電部材1と全く同様の効果が
発揮される。 [第3実施例]さらに、図4に示すような導電部材3を
形成することが考えられる。なお、図4(a)は構成を
説明するための模式図であり、図4(b)は、図4
(a)中の記号Cで示す方向から見た正面図である。
【0038】導電部材3は、2つの接地構造50と、そ
れら2つの接地構造50を連接する連接部60とを備え
ており、薄板状の金属部材を折り曲げて形成されてい
る。接地構造50は、プリント配線板に半田付けされる
接合面51aを有する接合部51を備えている。また、
接触片52a及び側方壁52bを有した接触部52を備
えている。
【0039】接触部52は、長方形形状の基部52cを
有しており、この基部52cの長手方向端部が側方壁5
2bの上端部の一方の端に連接されており、基部52c
の長手方向端部から側方壁52bが略垂直に折り曲げら
れて形成されている。さらに側方壁52bの下端部が内
側に略垂直に折り曲げられて接合部51が形成されてい
る。この接合部51の下面がプリント配線板に半田付け
される接合面51aである。側方壁52bの形状は、上
記第1及び第2実施例と同様であり、その上端部は一方
の端から他方の端へ向かうにつれて接合部51側へ傾斜
している。そして、基部52cの短手方向の一方の端か
ら接触片52aが延設されており、接触片52aは、側
方壁52bの上端部の傾斜に合わせて、側方壁52bの
間に位置するように延設されている。そして、接触片5
2aの先端部分は、上に凸となるような丸みを持たせて
折り曲げられ、側方壁52bの上端部よりも上方に配置
されている。
【0040】連接部60は、上記第1及び第2実施例と
同様に、長方形形状の平坦部61と平坦部61から略垂
直に、平坦面61aの反対側へ折り曲げられた脚部62
を備えている。そして、本第3実施例では、接地構造5
0の基部52cの短手方向に、つまり上述した接触片5
2aの反対方向に、略垂直に接合部51側へ折り曲げら
れた腕部52dが延設されており、この腕部52dの先
端部分に、外側へ折り曲げられた脚部62の先端部分6
2aが接続されている(図4(b)参照)。なお、この
先端部分62aの折り曲がり具合は、図4(a)では略
垂直に折り曲がっているように示されているが、正確に
は図4(b)に示すようにアールを有している。そし
て、脚部62の先端部分62aを中心とした弾性変形に
よって接地構造50が位置を変えられるように腕部52
dと脚部62との間に隙間γが設けられている。
【0041】なお、この第3実施例の導電部材3におい
ても、その重心が平坦面61aの中心を通る、平坦面6
1aに垂直な直線上に位置するようにした。このように
構成された導電部材3は、上記第1及び第2実施例と同
様に、自動実装機の吸着ノズルによって平坦部61の平
坦面61aを吸着されて、プリント配線板の予め定めら
れた位置に配置され半田付けされて、接地導体としての
ケースに接触片52aを圧接させる。
【0042】この導電部材3によっても、上記第1及び
第2実施例に記載の導電部材1と全く同様の効果が発揮
されることは言うまでもない。 [その他]以上、本発明は上記実施例に何等限定される
ものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において
種々なる形態で実施し得る。
【0043】上記実施例では、接地構造10,30,5
0を2つ備えるものであったが、3以上の接地構造を備
える導電部材を構成することもできる。例えば図1にお
いて、接地構造10の形成方向に垂直な方向、すなわち
図1(a)中の記号Xで示す方向に、平坦部21から脚
部を形成して別の接地構造10を形成すれば、接地構造
10を4つ備える導電部材を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の導電部材を示し、(a)は模式図
であり、(b)は正面図であり、(c)は使用状態を示
す説明図である。
【図2】導電部材の発揮する効果を示すための説明図で
ある。
【図3】第2実施例の導電部材を示し、(a)は模式図
であり、(b)は正面図である。
【図4】第3実施例の導電部材を示し、(a)は模式図
であり、(b)は正面図である。
【図5】従来の導電部材の概略を示し、(a)は模式図
であり、(b)は正面図である。
【図6】従来の導電部材の問題点を示すための説明図で
ある。
【符号の説明】
1,2,3…導電部材 10,30,50…接地構造 11,31,51…接合部 11a,31a,51a…接合面 12,32,52…接触部 12a,32a,52a…接触片 12b,32b,52b…側方壁 52c…基部 52d…腕部 20,40,60…連接部 21,41,61…平坦部 21a,41a,61a…平坦面 22,42,62…脚部 22a,42a,62a…先端部分 200…プリント配線板 200a…導体パターン 300…ケース 501…折り曲げ部 502…切り欠き 503…接触片 600…プリント配線板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−45396(JP,A) 特開2000−323216(JP,A) 特開 平7−122324(JP,A) 特開 平2−250276(JP,A) 特開 平8−307084(JP,A) 特開 平5−136591(JP,A) 実開 昭63−112772(JP,U) 実開 昭60−59583(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 9/09 H05K 7/14 H01R 4/64

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プリント配線板の導体パターンに半田付け
    される接合面を有した接合部と、前記接合部から前記接
    合面の反対側に形成され、前記接合面が前記導体パター
    ンに半田付けされた状態で、前記プリント配線板を所定
    位置に固定することによって接地導体に圧接する接触片
    が形成された接触部とを有する複数の接地構造と、 前記各接地構造を連接する連接部とが薄板状部材を折り
    曲げることによって形成され、 前記プリント配線板の導体パターンと前記接地導体とを
    前記複数の接地構造によって複数点で電気的に接続する
    導電部材であって、 前記連接部は、平坦面を有する平坦部と、当該平坦部の
    端から前記平坦面の反対側へ略垂直に折り曲げられた脚
    部とを有しており、当該脚部の先端部分を外側に折り曲
    げて前記接地構造を連接し、当該脚部と連接された前記
    接地構造との間に隙間を設けて当該脚部の先端部分を中
    心とした弾性変形によって前記接地構造が相互に位置を
    変えられるようにし、 前記接触部は、前記接合部の両側に立設された側方壁で
    あって、その上端部は前記連接部側から他方の端へ向か
    うにつれて前記接合部側へ傾斜している側方壁を有し、 前記接触片の一部が前記側方壁の間に配置されているこ
    を特徴とする導電部材。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の導電部材において、前記側方壁の前記接合部からの最大高さは、前記平坦面
    の前記接合部からの高さと等しい ことを特徴とする導電
    部材。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の導電部材におい
    て、 前記平坦部の平坦面の中心を通る当該平坦面に垂直な直
    線上に重心が位置するようにしたことを特徴とする導電
    部材。
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