JP3397855B2 - 原子炉圧力容器劣化検定方法及び装置 - Google Patents

原子炉圧力容器劣化検定方法及び装置

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JP3397855B2 JP25302593A JP25302593A JP3397855B2 JP 3397855 B2 JP3397855 B2 JP 3397855B2 JP 25302593 A JP25302593 A JP 25302593A JP 25302593 A JP25302593 A JP 25302593A JP 3397855 B2 JP3397855 B2 JP 3397855B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉圧力容器の中性子
照射脆化に伴う材質の劣化を定量検定すると共に、材質
劣化の分布を測定する方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】原子炉圧力容器は供用中に高速中性子の
照射を受けて材質が劣化することが知られており、この
劣化程度を検定することが原子炉の寿命を推定する上
で、また原子炉の安全を確保する上で非常に重要なこと
となっている。そこで、従来は原子炉圧力容器と同じ材
質の試験片をいくつか原子炉内に置いておき、適宜その
試験片を取出して破壊試験を行い、その時点での原子炉
圧力容器の劣化程度を推定する方法がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の原子炉圧力容器
劣化検定方法は試験片の破壊検査によるもので、原子炉
圧力容器のものの検査ではなく、また、用意されている
試験片にも限りがあるため、長期運転の場合には不足す
るおそれがある。
【0004】さらに、過度に容器劣化が進んだ場合に
は、その回復のための熱処理も検討されており、この場
合の回復度合いを定量検定する方法が確立されていな
い。
【0005】原子炉圧力容器の高速中性子照射量は原子
炉圧力容器の部分部分によって異なりまた厚み方向に分
布をもつので、試験片が受ける高速中性子照射量とすべ
てが一致するものではない。
【0006】また、実際の原子炉圧力容器は供用中に高
い内圧を受けており、内圧の影響を受けない試験片と完
全に同一の応力条件下に保持されているものではない。
【0007】そのため、試験片による劣化検定結果は過
大な安全係数を見込んだものとなる傾向がある。
【0008】本発明は、以上の欠点を解決するために、
原子炉圧力容器の直接の非破壊測定対象とした原子炉圧
力容器劣化検定方法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、任意の磁路長及び磁路断面積を有し且つ励磁コイル
と磁束測定手段を有する1個の磁気ヨークを原子炉圧力
容器の内壁又は外壁に密着させ、当該磁気ヨーク及び原
子炉圧力容器で形成する閉磁路のヒステリシス磁化特性
を測定し、そのヒステリシス磁化特性から保磁力を求
め、その保磁力から原子炉圧力容器内に形成された磁路
部分の原子炉圧力容器の材質の劣化を検定する本発明の
原子炉圧力容器劣化検定方法(第1の発明)は、前記磁
束測定手段が磁束測定コイルからなり、前記磁気ヨーク
を3つの並列した磁気回路に分割してそれぞれを右側部
磁気ヨーク、中央部磁気ヨーク、および左側部磁気ヨー
クとするとき、前記中央部磁気ヨークにのみ前記磁束測
定コイルを巻いてヒステリシス磁化特性を測定すること
を特徴とする。
【0010】上記目的を達成するため、任意の磁路長及
び磁路断面積を有し且つ励磁コイルと磁束測定手段を有
する1個の磁気ヨークを原子炉圧力容器の内壁又は外壁
に密着させ、当該磁気ヨーク及び原子炉圧力容器で形成
する閉磁路のヒステリシス磁化特性を測定し、そのヒス
テリシス磁化特性から保磁力を求め、その保磁力から原
子炉圧力容器内に形成された磁路部分の原子炉圧力容器
の材質の劣化を検定する本発明の原子炉圧力容器劣化検
定方法(第2の発明)は、前記磁気ヨークを3つの並列
した磁気回路に分割してそれぞれを右側部磁気ヨーク、
中央部磁気ヨーク、左側部磁気ヨークとするとき、前記
中央部磁気ヨークの原子炉圧力容器との密着断面部にの
み複数個の磁束センサが取付けられてヒステリシス磁化
特性を測定することを特徴とする。
【0011】上記目的を達成するため、任意の磁路長及
び磁路断面積を有し且つ励磁コイルと磁束測定コイルを
有する1個の磁気ヨークと、前記磁気ヨークを原子炉圧
力容器の内壁又は外壁に密着させることにより当該磁気
ヨーク及び原子炉圧力容器で形成する閉磁路のヒステリ
シス磁化特性を測定する手段と、前記ヒステリシス磁化
特性から保磁力を求め、その保磁力から原子炉圧力容器
内に形成された磁路部分の原子炉圧力容器の材質の劣化
を検定する手段とを備える本発明の原子炉圧力容器劣化
検定装置(第3の発明)は、前記磁束測定手段が磁束測
定コイルからなり、前記磁気ヨークは、当該磁気ヨーク
を3つの並列した磁気回路を構成するよう分割された右
側部磁気ヨーク、中央部磁気ヨーク、および左側部磁気
ヨークからなり、前記磁束測定コイルが前記中央部磁気
ヨークにのみ巻かれていることを特徴とする。
【0012】上記目的を達成するため、任意の磁路長及
び磁路断面積を有し且つ励磁コイルと磁束測定コイルを
有する1個の磁気ヨークと、前記磁気ヨークを原子炉圧
力容器の内壁又は外壁に密着させることにより当該磁気
ヨーク及び原子炉圧力容器で形成する閉磁路のヒステリ
シス磁化特性を測定する手段と、前記ヒステリシス磁化
特性から保磁力を求め、その保磁力から原子炉圧力容器
内に形成された磁路部分の原子炉圧力容器の材質の劣化
を検定する手段とを備える本発明の原子炉圧力容器劣化
検定装置(第4の発明)は、前記磁気ヨークは、当該磁
気ヨークを3つの並列した磁気回路を構成するよう分割
された右側部磁気ヨーク、中央部磁気ヨーク、および左
側部磁気ヨークからなり、前記中央部磁気ヨークの原子
炉圧力容器との密着断面部にのみ複数個の磁束センサが
取付けられていることを特徴とする。
【0013】上記目的を達成するため、磁路長及び磁路
断面積が異なり且つ励磁コイルと磁束測定手段を有する
複数の磁気ヨーク又は磁路長及び磁路断面積を変えるこ
とができ且つ励磁コイルと磁束測定手段を有する磁気ヨ
ークを原子炉圧力容器の内壁又は外壁に密着させ、当該
磁気ヨーク及び原子炉圧力容器で形成する複数の閉磁路
のヒステリシス磁化特性を測定し、これらのヒステリシ
ス磁化特性から原子炉圧力容器の厚み方向の保磁力分布
を求め、この保磁力分布から原子炉圧力容器の厚み方向
の材質劣化分布を検定する本発明の原子炉圧力容器劣化
検定方法(第5の発明)は、前記磁束測定手段が磁束測
定コイルからなり、前記磁気ヨークを3つの並列した磁
気回路に分割してそれぞれを右側部磁気ヨーク、中央部
磁気ヨーク、および左側部磁気ヨークとするとき、前記
中央部磁気ヨークにのみ前記磁束測定コイルを巻いてヒ
ステリシス磁化特性を測定することを特徴とする。
【0014】上記目的を達成するため、磁路長及び磁路
断面積が異なり且つ励磁コイルと磁束測定手段を有する
複数の磁気ヨーク又は磁路長及び磁路断面積を変えるこ
とができ且つ励磁コイルと磁束測定手段を有する磁気ヨ
ークと、前記磁気ヨークを原子炉圧力容器の内壁又は外
壁に密着させることにより当該磁気ヨーク及び原子炉圧
力容器で形成する複数の閉磁路のヒステリシス磁化特性
を測定する手段と、これらのヒステリシス磁化特性から
原子炉圧力容器の厚み方向の保磁力分布を求め、この保
磁力分布から原子炉圧力容器の厚み方向の材質劣化分布
を検定する手段とを備える本発明の原子炉圧力容器劣化
検定装置(第6の発明)は、前記磁束測定手段が磁束測
定コイルからなり、前記磁気ヨークは、当該磁気ヨーク
を3つの並列した磁気回路を構成するよう分割された右
側部磁気ヨーク、中央部磁気ヨーク、および左側部磁気
ヨークからなり、前記磁束測定コイルが前記中央部磁気
ヨークにのみ巻かれていることを特徴とする。
【0015】
【作用】図1に示されるように、原子炉圧力容器の劣化
の程度を表す原子炉圧力容器の材質の硬さは保磁力と相
関があるので、保磁力を知れば原子炉圧力容器の劣化を
検定することができる。本発明はこの関係を利用したも
ので、各発明は上記の構成を有するので以下のような作
用を呈する。
【0016】第1及び第5発明は、中央部磁気ヨークに
のみ磁束測定コイルを巻いてヒステリシス磁化特性を測
定し、そのヒステリシス磁化特性から保磁力を求め、そ
の保磁力から原子炉圧力容器内に形成された磁路部分の
原子炉圧力容器の材質の劣化を検定することができる。
【0017】第2及び第4の発明は、中央部磁気ヨーク
の原子炉圧力容器との密着断面部にのみ取付けられてい
る複数個の磁束センサを用いてヒステリシス磁化特性を
測定し、そのヒステリシス磁化特性から保磁力を求め、
その保磁力から原子炉圧力容器内に形成された磁路部分
の原子炉圧力容器の材質の劣化を検定することができ
る。
【0018】第3及び第6の発明は、中央部磁気ヨーク
にのみ巻かれている磁束測定コイルを用いてヒステリシ
ス磁化特性を測定し、そのヒステリシス磁化特性から保
磁力を求め、その保磁力から原子炉圧力容器内に形成さ
れた磁路部分の原子炉圧力容器の材質の劣化を検定する
ことができる。
【0019】
【実施例】原子炉圧力容器の劣化は、原子炉圧力容器が
供用中に高速中性子の照射を受けて当該原子炉圧力容器
の材質が脆化することである。すなわち、「照射脆化」
として知られているところの材質が硬さを増し脆くなっ
ていく問題がある。したがって、脆化の程度は硬さを測
定することによって検定することができる。一方、強磁
性材料においては、相変態を伴うような大きな金属組織
変化がない範囲において、その硬さと保磁力の間には図
1に示すような直線関係が成立していることが知られて
いる。したがって、この比例関係が既知の場合には保磁
力を測定すれば硬さを知ることができる。原子炉圧力容
器の多くは、非磁性ステンレス鋼の肉盛溶接部を内張と
して有する低合金鋼より出来ており、原子炉圧力容器の
劣化はこの低合金鋼の照射脆化であり、そしてこの低合
金鋼は磁性材料である。したがって当該原子炉圧力容器
の低合金鋼の硬さと保磁力の間の関係が既知ならば、保
磁力を測定することにより硬さを知ることができ、この
硬さから材質の劣化の程度を検定することが出来る。
【0020】本発明の一つは、上記の考えに基づき、非
破壊的に当該原子炉圧力容器の低合金鋼の保磁力を測定
し、原子炉圧力容器の劣化程度を検定する一手段を提供
するもので、この方法及び装置を図2を用いて説明す
る。
【0021】図2において、201は磁気ヨーク、20
2は巻き数Nの励磁コイル、203は磁束測定コイル、
204は原子炉圧力容器の非磁性ステンレス肉盛溶接
部、205は原子炉圧力容器の低合金鋼、206は磁路
で磁気ヨーク201内の磁路長をa[m]、低合金鋼2
05内に形成される磁路の等価長さをb[m]、また肉
盛溶接部204の厚さをg[m]とする。ここで、磁気
ヨーク201の飽和磁束密度が当該低合金鋼205の飽
和磁束密度とほぼ同等とすると、通常よく用いられてい
る方法及び装置を使用して、図3に示すような、形成さ
れた閉磁路206に対するヒステリシス磁化特性を測定
することができる。ここに、Hは磁界[A/m]、Bは
磁束密度[T]である。ここで、閉磁路に対するアンペ
ールの法則を適用すると、一般にB≠0においては、
【数1】 H(a+b+2g)=Hya+2Hgg+Hcb (1) となる。ここに、Hy、Hg、Hcはそれぞれ磁気ヨーク
201、非磁性ステンレス肉盛溶接部204の磁路部及
び低合金鋼205の磁路部の磁界である。しかるに、B
=0においては、非磁性ステンレス肉盛溶接部204の
磁路部の磁界Hgはゼロとなるので、(1)式は
【数2】 Hmc(a+b+2g)=Hyca+Hccb (2) となる。ここに、Hmcは測定されたヒステリシス磁化特
性から得られた等価保磁力、HycとHccはそれぞれ磁気
ヨーク201および低合金鋼205の磁路部の保磁力で
ある。したがって、
【数3】 となり、Hmcは測定値、aとgは既知、bは磁気ヨーク
201の形状が定まれば有限要素法などを用いた計算に
より推定可能な値、Hycは磁気ヨーク201の材料が定
まれば決定される値であり、(3)式より原子炉圧力容
器低合金鋼205の磁路部の保磁力が求められる。そこ
で、当該低合金鋼205の硬さと保磁力の関係がデータ
ベース化されていれば、この保磁力から原子炉圧力容器
低合金鋼205の磁路部の硬さが求まり、劣化の程度が
検定できる。低合金鋼の硬さと保磁力の関係のデータベ
ース化はこれまでの照射試験データの収集と現在進行中
の照射試験の結果を用いて達成できる。
【0022】さて、原子炉圧力容器の劣化は高速中性子
の照射によって引き起されるので、劣化の度合いは原子
炉圧力容器内壁近傍ほど大きく、厚み方向に沿って外壁
面に近付くにしたがって減衰する。したがって、原子炉
圧力容器低合金鋼の照射脆化に基づく硬さの増加は内壁
近傍表面部が最も大きく、厚み方向に沿って外壁に向か
うにしたがって減衰している。一般にこの減衰は図4に
示すような対数的な減衰曲線で表すことが出来る。従っ
て、この厚み方向の硬さ分布を知ることにより、原子炉
圧力容器の劣化をより確実に検定することが可能とな
る。
【0023】本発明の一つは、かかる考えに基づき、非
破壊的に当該原子炉圧力容器低合金鋼の厚み方向の保磁
力分布を測定し、原子炉圧力容器の劣化程度を検定する
一手段を提供するもので、この方法及び装置を図2及び
図5を用いて説明する。
【0024】図2は、非破壊的に当該原子炉圧力容器の
低合金鋼の保磁力を測定し、原子炉圧力容器の劣化程度
を検定する方法及び装置の作用を説明した図面である
が、図2において原子炉圧力容器低合金鋼205内の磁
路の厚み方向の幅をD1とすると、当該低合金鋼205
の厚み方向の硬さが図4のような対数減衰分布している
ときにはそれに応じて保磁力も図5のように対数減衰分
布していると考えられるので、図2に示した方法及び装
置によって得られた低合金鋼205の磁路部の保磁力は
図5に示した平均的な保磁力Ha1を示すものと考えられ
る。すなわち、図5の保磁力の対数減衰曲線を
【数4】 H=Hc0+Hcm・exp(−r/A) (4) と表すと、Hc0は低合金鋼本来の保磁力で値が既知、H
cmは照射脆化とともに増大した原子炉圧力容器低合金鋼
内表面部の最大保磁力、Aは減衰定数である。したがっ
て、図2に示した方法及び装置によって測定される原子
炉圧力容器低合金鋼205内の磁路部の平均保磁力Ha1
は以下の式で示される。
【0025】
【数5】 同様にして、磁路長及び磁路断面積の異なる別の磁気ヨ
ークを用いて原子炉圧力容器低合金鋼内の磁路の厚み方
向幅D2に対する平均保磁力Ha2を測定すると、
【数6】 が得られる。したがって、(5)、(6)式を連立させ
ることによりHcmとAが求まり、当該低合金鋼の硬さと
保磁力の関係がデータベース化されておれば、原子炉圧
力容器低合金鋼部の厚み方向の硬度分布がわかり、より
正確な原子炉圧力容器劣化の検定が可能となる。
【0026】また、本発明は、非破壊的に原子炉圧力容
器低合金鋼の厚み方向の保磁力分布を測定し、原子炉圧
力容器の劣化程度を検定する別の手段を提供するもの
で、この方法及び装置を図6及び図7を用いて説明す
る。図6において、201は磁気ヨーク、202は励磁
コイル、204は肉盛溶接部、205は原子炉圧力容器
の低合金鋼、601、602、603、604は磁束セ
ンサ、605、606、607、608は磁路、D1
2、D3、D4はそれぞれ磁路605、606、60
7、608の低合金鋼部205の厚み方向の深さ、であ
る。いま、磁路605の磁気ヨーク部201の長さをa
1、低合金鋼部205の長さをb1とし、同様に606、
607、608のそれらをそれぞれa2、b2、a3
3、a4、b4とする。励磁コイル202に電流を供給
して、磁束センサ601、602、603、604のそ
れぞれによる四つのヒステリシス磁化特性を測定する
と、それぞれ異なる四つの保磁力の測定値Hmc1
mc2、Hmc3、Hmc4が得られる。そこで、(3)式の
関係を使って低合金鋼部205の保磁力Hcci(i=1
〜4)を求めると、測定値Hmc1、Hmc2、Hmc3、Hmc4
に対してそれぞれHcc1、Hcc2、Hcc3、Hcc4が得られ
る。ここにHcc1、Hcc2、Hcc3、Hcc4は図7に示すよ
うに磁路605、606、607、608の低合金鋼部
205の平均の保磁力Ha1、Ha2、Ha3、Ha4である。
ここに、低合金鋼部205の厚み方向の保磁力分布が
(4)式で表せるとすると、Ha1は図5及び(5)式か
【数7】 となる。同様にして、
【数8】
【数9】 となる。したがって、これらの式を連立させることによ
りHcmとAが求まり、当該低合金鋼の硬さと保磁力の関
係がデータベース化されておれば、原子炉圧力容器低合
金鋼部の厚み方向の硬度分布がわかり、より正確な原子
炉圧力容器劣化の検定が可能となる。
【0027】一般には、硬度と保磁力の関係が図1のよ
うな直線関係で表せない場合もあるが、この非直線関係
を記述できる低合金鋼の硬さと保磁力の関係のデータベ
ースがあれば、本発明による原子炉圧力容器の劣化検定
に支障はない。
【0028】また、原子炉圧力容器低合金鋼部の厚み方
向の保磁力分布が単純な1つの対数減衰曲線で記述でき
ず、2つの対数減衰曲線の和として記述するのが妥当な
場合も考えられる。この場合は決定すべき未知のパラメ
ータは4つとなるので、4通りの異なる保磁力測定を実
施すればよい。これには、同一の磁気ヨークまたは第
3、第4の磁気ヨークによる原子炉圧力容器外壁側から
のヒステリシス磁化特性測定を実施することも含まれ
る。
【0029】さて、実際においては、原子炉圧力容器低
合金鋼内の磁束の流れは3次元的に広く分布する。すな
わち、図8に示すような磁気ヨーク201によって作ら
れる原子炉圧力容器低合金鋼205中の磁束分布を考え
ると、C−C’断面においては図9の(イ)の206’
のようになり、また図9の(イ)のA−A’面において
は同図の(ロ)のようになる。このような原子炉圧力容
器低合金鋼部205内の磁束の流れを分類してみると、
同図の(ハ)に示すように磁気ヨークの直下断面部を流
れる磁束φcとこの直下断面部を迂回して流れる磁束φ
s1、φs2に分けることができる。これまでの説明におい
ては、作用の理解を容易にするために、磁束の流れを図
2及び図6のように単純なモデルで表し、図9の(ハ)
に示すところのφcのみであるとしてきた。このような
条件下においては、式(3)、(5)〜(9)のような
定式化が可能であり、原子炉圧力容器低合金鋼部内の保
磁力分布の同定のための計算が簡単である。
【0030】ここで、原子炉圧力容器低合金鋼部内の磁
束の流れが図9のように3次元的に広く分布する場合に
おいても、本発明が有効であることを説明する。このよ
うな場合において、図8に示した磁気ヨーク201によ
って測定される保磁力は磁気ヨーク201内の磁束量が
ゼロになる起磁力(NI)cとして測定される。ここに
Nは励磁コイル202の巻数でIは励磁電流である。こ
のとき、測定値(NI)cは、磁気ヨーク201の磁気
特性及び幾何学的形状、励磁コイル202及び磁束測定
コイル203の巻数、原子炉圧力容器の肉盛り溶接部の
厚さ及び低合金鋼部の厚さの既知のパラメータ群Gと同
定すべき低合金鋼部内の保磁力分布を規定する未知のパ
ラメータHcmとAの関数として与えられる。ここに、低
合金鋼部内の保磁力分布は式(4)で規定されるとし
た。すなわち、
【数10】 (NI)c=f(G,Hcm,A) (10) となる。ここで、Gが定まると、従来の有限要素法又は
境界要素法などの磁界解析手段を駆使して、いくつかの
cmとAの組合せに対して、関数fの値を解析的に求め
ることが可能である。したがって、決定すべき未知のパ
ラメータがHcmとAの2つである場合には、異なる2つ
の磁気ヨークを用いてそれぞれにおける(NI)cを測
定して(NI)c1、(NI)c2とすると、
【数11】 (NI)c1=f1(G1,Hcm,A) (11) (NI)c2=f2(G2,Hcm,A) (12) となり、HcmとAを同定することが可能である。
【0031】つぎに、図8に示した磁気ヨーク201の
原子炉圧力容器との接触部において、異なる2つの位置
にそれぞれ磁束センサ1及び2を設置して、それぞれの
磁束センサの検出磁束がゼロとなる起磁力(NI)c
測定する場合を考える。この場合には、式(11)、
(12)に相当する式として、
【数12】 (NI)c1=g1(G1,s1,Hcm,A) (13) (NI)c2=g2(G1,s2,Hcm,A) (14) が得られる。ここにs1,s2は磁束センサ1及び2の位
置を示す既知の定数である。関数g1及びg2は先と同様
に有限要素法又は境界要素法などの磁界解析手段により
解析的に求めることが可能である。したがって、式(1
3)、(14)よりHcmとAを同定することが可能であ
る。
【0032】つぎに、図2及び図6に示した単純な磁路
モデルを工学的手段により形成し、原子炉圧力容器内の
保磁力分布推定計算を簡素化できる構造の磁気ヨークと
励磁コイルおよび磁束測定コイルの構成について説明す
る。即ち、かかる構成は、一般には図9に示すように磁
気ヨーク201によって作られる原子炉圧力容器内の磁
束206’は3次元的に拡がって流れるのを、工学的手
段によって等価的に図10に示すように磁気ヨーク直下
断面内にのみに集中して流れるようにするものである。
ここに、図9の(ハ)に示すφc、φs1、φs2と図10
の(ハ)のφtとの間には
【数13】 φt=φc+φs1+φs2 (15) の関係があり、φtはまた磁気ヨークの中を流れる全磁
束量に等しい。
【0033】実効的に式(15)を成立させ得る磁気ヨ
ークと励磁コイルおよび磁束測定コイルの構成の一つを
図11に示す。図11に示されるように、磁気ヨーク2
01は3つの部分ヨーク201a、201b、201c
より構成されており、磁束測定コイル203は部分ヨー
ク201cにのみ巻かれている。ここで、図9の(ハ)
に示した磁束の一般的な流れを考慮して、部分ヨーク2
01cの直下断面内の磁束のみを考えると、部分ヨーク
201c内を流れる磁束は原子炉圧力容器内において2
01cの直下断面内を流れる磁束φcと左右の領域に分
岐してながれる磁束φs1、φs2とに分かれる。このこと
は部分ヨーク201a、201bのそれぞれについても
同様である。そこで、部分ヨーク201a、201bの
厚さ及び原子炉圧力容器との接触部の形状等を調整する
ことで、部分ヨーク201aが原子炉圧力容器内に作る
部分ヨーク201cの直下断面内の磁束φs1に、また部
分ヨーク201bが作るそれをφs2にすることが可能で
ある。その結果、原子炉圧力容器内の部分ヨーク201
c直下断面内の総磁束量φtは、φt=φc+φs1
φs2、となり、実効的に式(15)が成立し、結果とし
て図2に示した磁路モデルが実現され、原子炉圧力容器
内の保磁力分布推定計算が簡単になる。また、このよう
な磁路モデルが成立すれば、有限要素法又は境界要素法
などの磁界解析は2次元の計算となり、計算が簡素化で
きる。
【0034】また、図12は、実効的に図6に示された
磁路モデルを実現させ得る磁気ヨークの構成を示す図で
ある。図12の(イ)において、磁気ヨーク201の中
央断面C−C’近傍に幅wの部分201cを考え、その
両脇の部分をそれぞれ201a、201bとすると、図
11と同様の効果によって、部分201c内の磁路及び
原子炉圧力容器内の部分201c直下断面内の磁路につ
いて、式(15)が成立する。したがって、図12の
(イ)の矢印Aの方向から磁気ヨーク201をみた図で
ある(ロ)に示すように部分201cの原子炉圧力容器
との接触部221に磁束センサ122a〜122eを取
付ければ、実効的に図6に示した磁路モデルが実現で
き、原子炉圧力容器内の保磁力分布推定計算が簡単にな
る。また、このような磁路モデルが成立すれば、有限要
素法又は境界要素法などの磁界解析は2次元の計算とな
り、計算が簡素化できる。
【0035】本発明によるより具体的な構成を示す一実
施例を図13に示す。図13において、204は原子炉
圧力容器の非磁性ステンレス肉盛溶接部、205は原子
炉圧力容器の低合金鋼である。801は磁気ヨークで、
励磁コイル802と磁束測定コイル803を有してい
る。804は、磁気ヨーク801端部の断面積を変化さ
せて、形成される磁気閉回路の等価磁路断面積および磁
路長を変化させるための磁気ヨーク片である。801と
804は図11に示したように3分割部分ヨークとする
ことも可能である。図13の(イ)は磁気ヨーク片80
4を磁気回路より取りのぞいたときの図で、(ロ)は磁
気回路に挿入したときの図である。(ロ)の場合には
(イ)に比べて磁路断面積および磁路長が大きく、した
がって原子炉圧力容器低合金鋼205内の磁路の厚み方
向の幅Dが大きい。805はヒステリシス磁化特性測定
装置、806は制御・データ解析用計算機、807はデ
ータベースである。このデータベースには各種の原子炉
圧力容器低合金鋼に関する硬度と保磁力の関係及び低合
金鋼厚み方向の硬度分布と原子炉圧力容器劣化度合いの
判定基準がデータベース化されている。制御・データ解
析用計算機806からの司令により磁気ヨーク片804
の磁気ヨーク801への装着と脱着が自動的に実施され
ると共に、ヒステリシス磁化特性測定装置805を自動
操作して形成された2種類の磁気回路に対するヒステリ
シス磁化特性を測定し、それぞれの磁気回路における保
磁力を検出する。そして、この測定より得られた2つの
保磁力の値を使って原子炉圧力容器低合金鋼部205の
厚み方向の保磁力分布を解析する。この解析精度を向上
させるために、有限要素法や境界要素法による低合金鋼
内部での磁束分布を求める従来手法を取り入れることも
可能である。解析により保磁力分布が求まると、データ
ベース807と比較してその保磁力分布を硬度分布に変
換し、その硬度分布から原子炉圧力容器の劣化度合を判
定する。
【0036】本発明によるより具体的な構成を示す別の
実施例を図14に示す。図14において、901は磁気
ヨーク、902は励磁コイル、903、904、905
はホール素子または磁気抵抗素子などの磁束センサ、9
06はヒステリシス磁化特性測定装置、907は制御・
データ解析用計算機、807は図13に示される実施例
において示したものと同様のデータベースである。磁束
センサ903、904、905は図12の(ロ)に示す
ように、磁気ヨーク磁路断面中央部に取付けられてい
る。制御・データ解析用計算機907からの司令により
ヒステリシス磁化特性測定装置906を自動操作して、
3個の磁束センサ903〜905のそれぞれによるヒス
テリシス磁化特性を測定する。そして、この測定により
得られた3つの保磁力の値を使って原子炉圧力容器低合
金鋼部205の厚み方向の保磁力分布を解析する。この
解析精度を向上させるために、有限要素法や境界要素法
による低合金鋼内部での磁束分布を求める従来手法を取
り入れることも可能である。解析により保磁力分布が求
まると、データベース807と比較してその保磁力分布
を硬度分布に変換し、その硬度分布から原子炉圧力容器
の劣化度合を判定する。
【0037】図15は、本発明によるより具体的な構成
を示す更に別の実施例を説明するための図である。図1
5に示される実施例は、図6に示したような異なる磁路
を効率良く且つ目標とする位置に制御して形成するため
に、原子炉圧力容器の外側にも磁気ヨークを設けたもの
である。図15の(イ)はその磁気ヨーク部を、(ロ)
は電源制御・信号処理部をそれぞれ示す。図15の
(イ)において、201は原子炉圧力容器の内側、即ち
非磁性ステンレス肉盛溶接部204の面に取り付けられ
た磁気ヨークを、又201’は原子炉圧力容器の外側、
即ち低合金鋼205の外面に取り付けられた磁気ヨーク
を、202及び202’はそれぞれ磁気ヨーク201及
び201’に巻かれた励磁コイルを、206’’は磁束
密度がゼロである磁路を、1000及び1006はそれ
ぞれ複数のホール素子等で構成される磁束センサ群を、
1001は磁束の流れとその方向を示す矢印をそれぞれ
示す。図15の(ロ)において、(イ)と同一参照番号
により示されるものは(イ)と同一のものを示し、ま
た、1002及び1002’はそれぞれ励磁コイル20
2及び202’に流れる電流の大きさを制御する励磁電
流制御器を、1003はヒステリシス磁化特性装置を、
1004は制御・データ解析用計算機を、1005はデ
ータベースをそれぞれ示す。
【0038】本実施例においては、まず励磁電流制御器
1002及び1002’によりその励磁コイル202及
び202’に流れる励磁電流を制御して、磁気ヨーク2
01及び201’が共にゼロ磁化の状態から出発して飽
和するまで磁化する。この時の磁化の方向はそれぞれの
磁気ヨーク201及び201’で発生した磁束が原子炉
圧力容器の低合金鋼205内で同方向に加え合うように
する。次に、磁気ヨーク201’の飽和を保ちつつ、磁
気ヨーク201のみを減磁し、ついで逆方向に磁化す
る。逆方向の磁化が適当に進むと、図15の(イ)に示
すように、磁気ヨーク201及び原子炉圧力容器の低合
金鋼205の内部のそれぞれに互いに逆向きの2つの磁
束が生じる。この2つの磁束の流れの境界は磁束密度が
ゼロの磁路206’’を形成するので、この磁路20
6’’に対して前述した式(2)及び(3)が成立する
ことから、この磁路206’’の低合金鋼205部分の
平均的な保磁力を求めることができる。従って、以上述
べた磁化過程における磁気ヨーク201及び201’周
辺の磁束密度を磁束センサ群1000で測定し、当該測
定された磁束密度を表す信号と、励磁コイル202及び
202’のそれぞれに流れる電流の大きさを表す励磁電
流値信号とをヒステリシス磁化特性装置1003へ供給
し、磁束センサ群1000及び1006の個々のセンサ
による複数のヒステリシス磁化曲線を測定する。そし
て、この測定より得られた複数の保磁力の値を制御・デ
ータ解析用計算機1004に送り、そこで原子炉圧力容
器の低合金鋼205の厚み方向の保磁力分布を解析す
る。なお、磁束センサ群1006は、主として磁気ヨー
ク201’による磁化の大きさをモニタするためであ
り、磁束センサ群1006の個々のセンサにより測定さ
れるヒステリシス磁化曲線のデータは原子炉圧力容器の
低合金鋼205の厚み方向の保磁力分布の解析にはなく
てもよい。
【0039】また、この解析精度を向上させるために、
有限要素法や境界要素法による低合金鋼205内部での
磁束分布を求める従来手法を取り入れることも可能であ
る。上記解析により保磁力分布が求まると、制御・デー
タ解析用計算機1004は、その保磁力分布をデータベ
ース1005と比較して硬度分布に変換し、その硬度分
布から原子炉圧力容器の劣化度合いを判定する。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、原子炉圧力容器を直接の判定対象とした非
破壊的な原子炉圧力容器劣化検定方法及び装置が提供可
能となり、劣化検定の精度及び信頼性が向上して、原子
炉の長寿命化と安全性の両立が確実なものとなる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】強磁性材料の硬さと保磁力の関係を説明するた
めの図である。
【図2】本発明の非破壊的に原子炉圧力容器の低合金鋼
の保磁力を測定する方法及び装置を説明するための図で
ある。
【図3】図2に示した方法及び装置によって測定された
ヒステリシス磁化特性を示す図である。
【図4】原子炉圧力容器低合金鋼内の厚み方向の硬さ分
布を示す図である。
【図5】原子炉圧力容器低合金鋼内の厚み方向の保磁力
分布と任意の厚さまでの平均保磁力を示す図である。
【図6】本発明の非破壊的に原子炉圧力容器の低合金鋼
の保磁力を測定する方法及び装置を説明するための図で
ある。
【図7】原子炉圧力容器低合金鋼内の厚み方向の保磁力
分布と任意の点における任意の厚さでの平均保磁力を示
す図である。
【図8】圧力容器に接触して取付けた励磁コイル及び磁
束測定コイルを有する磁気ヨークの立体図である。
【図9】圧力容器内の磁束分布を説明するための図であ
る。
【図10】圧力容器内の磁束分布を空間的に限定するこ
とを説明するための図である。
【図11】本発明の非破壊的に原子炉圧力容器の低合金
鋼の保磁力を測定する方法及び装置を説明するための図
である。
【図12】本発明の非破壊的に原子炉圧力容器の低合金
鋼の保磁力を測定する方法及び装置を説明するための図
である。
【図13】本発明によるより具体的な構成を示す一実施
例を説明するための図である。
【図14】本発明によるより具体的な構成を示す別の実
施例を説明するための図である。
【図15】本発明によるより具体的な構成を示す更に別
の実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
201、201’、801、901は磁気ヨークを、2
01a、201b、201cは磁気ヨークを3分割した
ときの部分ヨークを、221は磁気ヨークの圧力容器と
の接触部を、202、202’、802、902は励磁
コイルを、203、803は磁束測定コイルを、204
は原子炉圧力容器の非磁性ステンレス肉盛溶接部を、2
05は原子炉圧力容器の低合金鋼を、206、206’
は磁路でありまた磁束を、206’’は磁束密度がゼロ
である磁路を、601、602、603、604、12
2a、122b、122c、122d、122e、90
3、904、905は磁束センサを、605、606、
607、608は磁路を、804は磁気ヨーク片を、8
05、906、1003はヒステリシス磁化特性測定装
置を、806、907、1004は制御・データ解析用
計算機を、807、1005はデータベースを、100
0、1006は複数のホール素子等で構成される磁束セ
ンサ群、1001は磁束の流れとその方向を示す矢印、
1002及び1002’は励磁電流制御器をそれぞれ示
す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−147360(JP,A) 特開 平5−142203(JP,A) 特開 平3−273157(JP,A) 特開 昭48−28293(JP,A) 特公 昭48−1785(JP,B1) 特公 昭50−36791(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 G01R 33/00 - 33/26 G21C 17/00 - 17/14 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の磁路長及び磁路断面積を有し且つ
    励磁コイルと磁束測定手段を有する1個の磁気ヨークを
    原子炉圧力容器の内壁又は外壁に密着させ、当該磁気ヨ
    ーク及び原子炉圧力容器で形成する閉磁路のヒステリシ
    ス磁化特性を測定し、そのヒステリシス磁化特性から保
    磁力を求め、その保磁力から原子炉圧力容器内に形成さ
    れた磁路部分の原子炉圧力容器の材質の劣化を検定する
    原子炉圧力容器劣化検定方法において、 前記磁束測定手段が磁束測定コイルからなり、前記磁気
    ヨークを3つの並列した磁気回路に分割してそれぞれを
    右側部磁気ヨーク、中央部磁気ヨーク、および左側部磁
    気ヨークとするとき、前記中央部磁気ヨークにのみ前記
    磁束測定コイルを巻いてヒステリシス磁化特性を測定す
    ることを特徴とする原子炉圧力容器劣化検定方法。
  2. 【請求項2】 任意の磁路長及び磁路断面積を有し且つ
    励磁コイルと磁束測定手段を有する1個の磁気ヨークを
    原子炉圧力容器の内壁又は外壁に密着させ、当該磁気ヨ
    ーク及び原子炉圧力容器で形成する閉磁路のヒステリシ
    ス磁化特性を測定し、そのヒステリシス磁化特性から保
    磁力を求め、その保磁力から原子炉圧力容器内に形成さ
    れた磁路部分の原子炉圧力容器の材質の劣化を検定する
    原子炉圧力容器劣化検定方法において、 前記磁気ヨークを3つの並列した磁気回路に分割してそ
    れぞれを右側部磁気ヨーク、中央部磁気ヨーク、左側部
    磁気ヨークとするとき、前記中央部磁気ヨークの原子炉
    圧力容器との密着断面部にのみ複数個の磁束センサが取
    付けられてヒステリシス磁化特性を測定することを特徴
    とする原子炉圧力容器劣化検定方法。
  3. 【請求項3】 任意の磁路長及び磁路断面積を有し且つ
    励磁コイルと磁束測定コイルを有する1個の磁気ヨーク
    と、 前記磁気ヨークを原子炉圧力容器の内壁又は外壁に密着
    させることにより当該磁気ヨーク及び原子炉圧力容器で
    形成する閉磁路のヒステリシス磁化特性を測定する手段
    と、 前記ヒステリシス磁化特性から保磁力を求め、その保磁
    力から原子炉圧力容器内に形成された磁路部分の原子炉
    圧力容器の材質の劣化を検定する手段とを備える原子炉
    圧力容器劣化検定装置において、 前記磁束測定手段が磁束測定コイルからなり、前記磁気
    ヨークは、当該磁気ヨークを3つの並列した磁気回路を
    構成するよう分割された右側部磁気ヨーク、中央部磁気
    ヨーク、および左側部磁気ヨークからなり、前記磁束測
    定コイルが前記中央部磁気ヨークにのみ巻かれているこ
    とを特徴とする原子炉圧力容器劣化検定装置。
  4. 【請求項4】 任意の磁路長及び磁路断面積を有し且つ
    励磁コイルと磁束測定コイルを有する1個の磁気ヨーク
    と、 前記磁気ヨークを原子炉圧力容器の内壁又は外壁に密着
    させることにより当該磁気ヨーク及び原子炉圧力容器で
    形成する閉磁路のヒステリシス磁化特性を測定する手段
    と、 前記ヒステリシス磁化特性から保磁力を求め、その保磁
    力から原子炉圧力容器内に形成された磁路部分の原子炉
    圧力容器の材質の劣化を検定する手段とを備える原子炉
    圧力容器劣化検定装置において、 前記磁気ヨークは、当該磁気ヨークを3つの並列した磁
    気回路を構成するよう分割された右側部磁気ヨーク、中
    央部磁気ヨーク、および左側部磁気ヨークからなり、前
    記中央部磁気ヨークの原子炉圧力容器との密着断面部に
    のみ複数個の磁束センサが取付けられていることを特徴
    とする原子炉圧力容器劣化検定装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気ヨークはその磁路長と磁路断面
    積が変えられる構造を有することを特徴とする請求項3
    又は4記載の原子炉圧力容器劣化検定装置。
  6. 【請求項6】 磁路長及び磁路断面積が異なり且つ励磁
    コイルと磁束測定手段を有する複数の磁気ヨーク又は磁
    路長及び磁路断面積を変えることができ且つ励磁コイル
    と磁束測定手段を有する磁気ヨークを原子炉圧力容器の
    内壁又は外壁に密着させ、当該磁気ヨーク及び原子炉圧
    力容器で形成する複数の閉磁路のヒステリシス磁化特性
    を測定し、これらのヒステリシス磁化特性から原子炉圧
    力容器の厚み方向の保磁力分布を求め、この保磁力分布
    から原子炉圧力容器の厚み方向の材質劣化分布を検定す
    る原子炉圧力容器劣化検定方法において、 前記磁束測定手段が磁束測定コイルからなり、前記磁気
    ヨークを3つの並列した磁気回路に分割してそれぞれを
    右側部磁気ヨーク、中央部磁気ヨーク、および左側部磁
    気ヨークとするとき、前記中央部磁気ヨークにのみ前記
    磁束測定コイルを巻いてヒステリシス磁化特性を測定す
    ることを特徴とする原子炉圧力容器劣化検定方法。
  7. 【請求項7】 磁路長及び磁路断面積が異なり且つ励磁
    コイルと磁束測定手段を有する複数の磁気ヨーク又は磁
    路長及び磁路断面積を変えることができ且つ励磁コイル
    と磁束測定手段を有する磁気ヨークと、 前記磁気ヨークを原子炉圧力容器の内壁又は外壁に密着
    させることにより当該磁気ヨーク及び原子炉圧力容器で
    形成する複数の閉磁路のヒステリシス磁化特性を測定す
    る手段と、 これらのヒステリシス磁化特性から原子炉圧力容器の厚
    み方向の保磁力分布を求め、この保磁力分布から原子炉
    圧力容器の厚み方向の材質劣化分布を検定する手段とを
    備える原子炉圧力容器劣化検定装置において、 前記磁束測定手段が磁束測定コイルからなり、前記磁気
    ヨークは、当該磁気ヨークを3つの並列した磁気回路を
    構成するよう分割された右側部磁気ヨーク、中央部磁気
    ヨーク、および左側部磁気ヨークからなり、前記磁束測
    定コイルが前記中央部磁気ヨークにのみ巻かれているこ
    とを特徴とする原子炉圧力容器劣化検定装置。
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