JP3397369B2 - 組み合わせ式家具 - Google Patents

組み合わせ式家具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は家具の構成部材として
の背面板を共通にした組み合わせ式家具に関するもので
ある。そしてこの発明は、壁面によせて取り付ける家
具、広い部屋を仕切ると共に収納スペースを構成する間
仕切り家具、移動可能であって通常は部屋の中央にあっ
て間仕切り家具であるが必要に応じて壁面によせること
ができる家具、キッチン、バス、トイレ、家事一般をな
すユーティリティ空間に配置して必要に応じて簡単に配
置替えのできるシステム家具、リビングルームの壁面に
沿って一連に配置する書棚、テレビ台(テレビ収納スペ
ース)・オーディオシステムなどの収納棚、オフィス空
間で繁閑に対応して部屋の再配置を図ることができるオ
フィス用間仕切り兼収納システムを備えた家具など、人
の住空間を自在に演出できるようにした組み合わせ式家
具として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の家具は壁面に沿って配置する独立
した特種の用途のもの、すなわち、書棚、洋服ダンス、
収納戸棚、オーディオ用収納棚などがそれぞれ販売され
ていたり、台所用としては独立型のキッチンセットを配
置するようにしていた。これらの単体としての家具に飽
き足らないことから、全体として個人の趣味、嗜好に最
大限配慮することができるようにし、しかも、統一した
意匠でシステム化した製品が供給されるようになってき
た。しかし、システムとして供給されている製品は、台
所用、オフィス用、リビング用などのようにオフィス用
や生活シーンに合わせた用途が限定されているもので、
これらを統一したものとして提供されているものは全く
なかった。また、背面板が二面以上からなり、この背面
板の内側に家具の構成部材を取り付けるようにしたもの
が、実開昭50-126518 号及び実開昭55-118643 号として
提案されている。しかし、これらは単体としての間仕切
り家具や書棚であって複数の機能を備えた家具をシステ
ムと組み合わせて展開することは全く想定していないも
のであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
設置箇所を限定した家具では無理であっても、使用条件
に合わせてシステムとして組み合わせを選び変更するこ
とができる組み合わせ式家具として発明したものであ
る。
【0004】従来の家具が、一般的には平面矩形状で、
せいぜい入隅に配置される家具が平面四角形の一の角を
落とした平面五角形としたものがある程度であった。平
面矩形状の家具は壁面に添って一列に配置する場合や背
中合わせに配置する場合はよいが、L型、溝型、交差
状、曲線状に配置する場合は家具の隅の収納が面倒とな
り、かつ、スッキリとした配置とすることができなかっ
た。
【0005】また、部屋の壁面に沿って、複数の部材を
組み合わせることにより趣味思考に合わせた配置のオー
ディオラック、書棚、書類用引き出し、飾り棚などを形
成することができるようにした組立式家具は提供されて
いるが、これは部屋の中央に配置することはできなかっ
た。
【0006】家具自体の底板にキャスターを取り付けて
可動可能とした家具も提供されているが、これらは単体
として移動可能にしたにすぎないものであった。多数の
家具を様々に組み合わせ、そのまま移動可能としたもの
は提供されていなかった。特に、厨房家具はガスの配
管、給水、給湯、排気の必要があるために、一般的には
壁面を背に配置される固定式であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の課題を解決するために創案された組み合わせ式家具
であり、その要旨とするのは、中央及び左右の三面から
構成される家具の背面板において、左右の二面が中央面
に対して135度をなすように構成し、左右の二面の端
部には連結用支柱を、背面板及び連結用支柱にはキャス
ターを設けるようにし、背面板の内側に平面六角形をな
す家具を配置するようにしたことを特徴とする。
【0008】
【実施例】以下図面に示す実施例に即して説明する。図
1は、家具の背面板1を示すもので、中央背面板11及
び左右背面板12、12の三面から構成される家具の背
面板1において、左右背面板12、12の二面が同一形
状で中央背面板11に対して鈍角をなすように構成し、
左右背面板12、12の端部には連結用支柱2を設け、
背面板1及び連結用支柱2に適宜キャスター3を設ける
ようにしたものである。左右背面板12、12は中央背
面板11に対して135度になるように構成する。それ
は、図14、図15に示すレイアウトにするときに整然
となるからである。
【0009】連結用支柱2の詳細は図示しないが、家具
を繋げる態様によって一の左右背面板12のみを繋げる
端部用や複数の左右背面板12、12を繋げるものなど
複数用意する。連結のための技術的手段としては、左右
背面板12、12をはめ込み、引っ掛け、別途金具によ
る連結など適宜公知の手段をもってなす。このような家
具の背面板1は予め規格が決まれば予め製作しておくも
ので、その場合起立させたまま重なり合う状態となる
(図2)ので、在庫上及び運搬して現場で組み立てる際
に有利なものとなる。
【0010】図3、図4は、以上の説明の背面板1を用
いた単体の家具の斜視図であり、厨房家具としての流し
台a、加熱器b、ウオールキャビネットc、コーヒーメ
ーカーd、湯沸かし器e、レンジフードfなどを背面板
1の内側に一体に取り付けるようにしたキッチンシステ
ムKである。このキッチンシステムKにおいては、独立
性及び可動性を確保するために上水は上部キャビネット
g内に収納されるタンクによりなし、加熱器bは電気プ
レート乃至電子レンジを主とする。このキッチンは本格
的な調理用ではなく、オフィスや家庭でのサブキッチ
ン、個室でのミニキッチンとして好適なものであること
から、煙や匂いの強いものを加熱器bにかけることは想
定せず、レンジフードfは小型換気扇で高性能な交換式
フィルターを備えたものとする。
【0011】この背面板1の内側にキッチンの機器を配
置したキッチンシステムKの全体的な平面形状は図11
以下に示すように、平行する前面及び背面を比較的長く
すると共に両側を尖らせるような平面六角形状をなすよ
うにしてある。連結用支柱2は複数の隣り合うキッチン
システムKを繋ぐもので、連結部にひとつあれば足りる
ので二以上組み合わせる場合は別途取り付けられるよう
にしておくことが望ましい。キッチンシステムKの独立
性を確保しつつ、利便性を考慮して流し台aの下部の左
右に出し入れ自在なワゴンhを設けるようにしてある。
勿論、このワゴンhには排水タンクを収納しておくもの
も用意する。中央には冷蔵庫iを設けるようにする。
【0012】次に図5及び図6は、図3、4に示す単体
としてのキッチンシステムKとは若干構造が異なるもの
に、主として収納棚j及び加熱器bを備えたカウンター
kを有するキッチンシステムKを並列するようにしたも
のである。このキッチンシステムKは上部にウオールキ
ャビネットcとレンジフードfを備え、この下部に電子
レンジlと食器洗浄機mを設けるようにしたものであ
る。
【0013】図7及び図8のキッチンシステムは、収納
機能を主とするキッチンシステムKを中央に、左にはベ
ースキャビネットにオーブンレンジnを組み込んだキッ
チンシステムKを並列に並べるようにしたものである。
【0014】図9及び図10のキッチンシステムKは四
連としたもので、一番左に冷凍庫oを中央に組み込んだ
キッチンシステムKを配置するようにしたものである。
【0015】図11及び図12は単体としてのキッチン
システムKを五連連ねて構成するようにしたものであ
る。
【0016】これらの実施例から明らかなように、この
発明に係わるキッチンシステムKは様々な組み合わせに
係るキッチンシステムKを背面板1に組みつけることに
より、一のキッチンシステムKから二以上のキッチンシ
ステムK、Kを連結して部屋の規模や好みに合致させて
組み合わせて構成することが可能となるのである。それ
に伴ってそれぞれのキッチンシステムKに組み付ける機
器、棚などの機能部品、製品を変更することになる。
【0017】図13はこれまでの組み合わせのように単
体あるいは複数のキッチンシステムKを組み合わせて一
列に並べる場合は背面の平面三角状のスペースが有効利
用するために棚板4を設けるようにした例を示すもので
ある。壁面によせて並べる場合などは棚板4を設けずに
配管スペースとして利用することもできる。
【0018】これまでの説明では、キッチンシステムK
を横方向に並べるように配置したものであるが、図14
(イ)乃至(ニ)に平面的な概略で示すように、内側に
正面を向かせてキッチンシステムK〜を三つ凹型(イ)
としたり、キッチンシステムK〜を四つ底面の広い凹型
(ロ)に配置したり、キッチンシステムK〜を三つL型
(ハ)に並べるようにしたり、キッチンシステムK〜を
四つX型(ニ)に配置するようにしたりさまざまな配置
組み合わせとすることができる。
【0019】図15(イ)乃至(ニ)は外側に正面とす
るようにしたもので、(イ)は四つを口型に配置したも
の、(ロ)は三つを凹型にしたもの、(ハ)は三つをT
字型に配置したもの、(ニ)は三つをS型に配置するよ
うにしたものである。
【0020】これまで説明した実施例では、キッチンシ
ステムKとしての家具について説明したが、勿論これに
限定されることなくリビングルームの家具やオフィスに
おける収納や間仕切り家具とすることもできる。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、背面板の両側
に中央面に対して135度の鈍角をなす左右背面板を設
け、背面板及び連結用支柱にはキャスターを設けるよう
にしたので、起立させたまま重なり合う状態となり在庫
上及び運搬して現場で組み立てる際に便利なものとな
る。また左右の端部には連結用支柱を設けるようにした
ので複数連結する際に連結の手間が簡単になるのであ
る。この背面板の内側に全体として略平面六角形をなす
ように機器、部材を組み込み家具を構成すると、隣接す
る組み込み家具の背板を直角に配置することで様々な配
置とすることができ自在性が増すことになる。請求項2
の発明では、必然的に複数の家具を配置することになる
厨房家具において、連結用支柱で繋げるようにすること
で、直線状、コ字状、X型、L型、U型、丸型、T字
型、S字型などのようにさまざまな配置とすることがで
きるものであり、その自在性は類を見ないものであると
いえる。さらには、組み合わせる場合背面板を内側にす
るかあるいは外側にするかで全く使い勝手や方向の異な
った厨房家具とすることができるものであり、その展開
は同じ製品を組み合わせることによって全く異なったシ
ーンを演出することになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いる背面板の斜視図である。
【図2】背面板を重ね合わせた状態の斜視図である。
【図3】この発明に係る家具としてのキッチンシステム
の斜視図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】二つのキッチンシステムを組み合わせた厨房用
システムの斜視図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】三つのキッチンシステムを組み合わせた厨房用
システムの斜視図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】四つのキッチンシステムを組み合わせた厨房用
システムの斜視図である。
【図10】図9の正面図である。
【図11】五つのキッチンシステムを組み合わせた厨房
用システムの斜視図である。
【図12】図11の正面図である。
【図13】キッチンシステムを横方向に並べた場合の平
面概略図を示す。
【図14】この発明に係る家具の配置の概略平面図の組
み合わせを示す。
【図15】同じくこの発明に係る家具の配置の概略平面
図の組み合わせを示す。
【符号の説明】
K キッチンシステム 1 背面板 11 中央背面板 12 左右背面板 2 連結用支柱 3 キャスター 4 棚板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央及び左右の三面から構成される家具
    の背面板において、左右の二面が中央面に対して135
    をなすように構成し、左右の二面の端部には連結用支
    を、背面板及び連結用支柱にはキャスターを設けるよ
    うにし、背面板の内側に平面六角形をなす家具を配置す
    ようにしたことを特徴とする組み合わせ式家具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の家具が厨房家具であり、
    複数の厨房家具を連結用支柱にて繋げるようにしたこと
    を特徴とする組み合わせ式家具。
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