JP3396980B2 - 濃度分布の解析方法 - Google Patents

濃度分布の解析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濃度分布の解析方法に
係り、さらに詳しくは、基板の深さ方向の特定イオンの
濃度分布のみ成らず、基板に対して水平方向の濃度分布
をも正確に解析することができる濃度分布の解析方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】SIMS法は、超高感度特性(〜ppb
レベル)と深さ方向の高分解能特性(〜1nm)とを有
する分析方法である。このSIMS法は、例えば半導体
分野では、超低エネルギーイオン注入による超浅領域の
ドーピング不純物の濃度分布を知る場合などに最も有力
な分析方法として注目されている。
【0003】このSIMS法では、細く絞った1次イオ
ンビームを試料表面に照射して試料内の原子をたたき出
し、その1部のイオン化した粒子群、すなわち2次イオ
ンを質量分析する。通常、1次イオンのエネルギーとし
ては、スパッタリング効率の高い数keVから20ke
程度が用いられる。また、1次イオンとしては、O2
+ ,Cs+ ,Ar+ ,Ga+ などが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、SIMS装
置の平面分解能は、装置原理と分析諸条件とに強く依存
しており、良好に装置の諸ファクターを微調整した場合
でも、せいぜい数μm 〜10数μm 程度である。このた
め、イオン注入領域からの横広がりのようなサブミクロ
ン以下の領域に分布する不純物濃度を、試料の上面方向
から直接的に表面分析することはほとんど不可能であ
る。
【0005】このようなサブミクロン以下の領域に分布
する不純物濃度を、SIMS法を用いて解析する場合
に、何らかの加工処理を行うことが提案されている。従
来より試みられている方法として、大別すると、次の二
通りの方法がある。第1の方法は、文献(J.Vac.Scl.Te
chnol.B,Vol.10,No.1,Jan/Feb 1992 の第353頁〜第
357頁)にて記載してあるような方法である。この方
法では、複数のストライプ状に形成したイオン注入領域
の長手方向に対して、きわめて浅い角度(θ=0.08
〜0.1度)でクロスするように、平行な複数本のエッ
チング溝をドライエッチング法で形成する。その深さ
は、注入不純物の主分布領域よりやや深めとする。次
に、SIMS分析時の形状効果を回避するため、半導体
平坦化技術を用いて、ポリシリコンなどの材料で、この
溝の埋め込みを行う。このようにして得られた試料の溝
端に隣接する元の注入基板の表面上を、溝方向に、順
次、イオンビームまたはサンプル・ステージをシフトせ
しめ、ポイント状に分析する。
【0006】この方法では、クロス角度(θ)に依存し
て、横方向実距離(ΔX)がエッチング溝端線に沿い拡
大射影され、分解能が向上する。たとえばl=ΔX/s
inθ、θ=0.08〜0.1として、ほぼ800〜1
000倍に拡大される。ところが、この第1の方法で
は、イオンビームを、実用レベルの実効径である10μ
m 以下程度にスポット状に絞り込んでも、横方向実距離
に換算して、0.01〜0.0125μm の平面分解能
しか得られない。たとえば、ΔX=0.1μm を対象と
すると、射影されてl=80〜100μm であり、分析
ポイントは高々8〜10点に分離されているに過ぎな
い。
【0007】また、この第1の方法では、試料加工に、
フォトリソグラフィー技術、ドライエッチング技術、平
坦化技術などの高度かつ複雑な半導体プロセス技術を要
する上、その試料の作成に時間がかかると言う課題を有
する。さらに、この第1の方法では、イオン注入領域と
非注入領域との境界線と、エッチング溝ストライプ線と
のクロスポイントを、高精度で判定することが困難であ
り、最終的に、横方向に分布する濃度の分布解析の絶対
位置精度を高く保つことが困難である上、各分析ポイン
トで同一条件で分析したと仮定しても、初期表面から深
さ位置を正確に決定することが、著しく困難という欠点
を有している。
【0008】第2の方法は、シーメンス(Siemens )社
のクリーゲルン(R. von Criegern)等が提案している
方法であり、この方法では、イオン注入された試料の表
面と略直角方向に試料側面を切断加工し、この面に対し
て垂直にSIMSデプスプロファイリング分析を行う。
この第2の方法では、試料側面からSIMS分析を行う
ため、イオン注入による不純物の横方向分布を測定する
ことはできる。
【0009】ところが、この方法では、試料側面を切断
及び研磨加工する必要があるため、研磨加工のための特
殊な治具を必要とする。また、この第2の方法では、S
IMSデプスプロファイリング分析を行うことから、サ
ブナノレベル(1nm以下)の分解能を必要とするた
め、ポイント状のイオンビームを使うことができず、あ
る面域(たとえば100×100μm 、500×500
μm )にラスタースキャンを施すなどのビーム走査が必
要不可欠である。このため、元来マスク直下において
も、イオン注入窓明け直下の領域と同様に、イオン注入
方向に対して、ドーピング不純物が、ある濃度勾配を形
成しているにもかかわらず、その分布状態を分解して捕
らえることはできない。すなわち、従来の第2の方法で
は、単に横方向に拡散分布している濃度分布状態を、注
入方向に対しては積分してしまうにとどまる。
【0010】なお、SIMS法以外に、濃度分布を解析
する方法も存在する。ところが、イオン注入からマスク
下へ拡散再分布する不純物の濃度レベルは、注入ドーズ
量やアニール条件などに依存するが、1013〜1017at
oms /cm3程度である。投射飛程深さ(RP )のマス
ク端直下でも、せいぜい〜1019atoms /cm3 程度で
ある。したがって、SIMS法以外の物理的分析技術
(XPS,AES,RBS,EPMA−WDX/EDX
など)では、いずれも検出限界を下回ってしまい、分析
は不可能である。分析的手法以外で、従来から試みられ
てる方法として、透過型電子顕微鏡(TEM)法、走査
型トンネル顕微鏡(STM)法などがある。いずれもp
n接合領域を、その垂直断面部より評価する方法であ
る。以下、それぞれの特徴と問題点とを簡単に指摘す
る。
【0011】TEMを利用した選択エッチング/断面T
EM観察法では、ステイン液を用いて、注入領域の垂直
断面に化学的エッチングを施し、不純物の濃度高低に依
存した選択エッチングを行う。当然、注入窓と注入マス
クとの両方の領域にわたって連続的な濃度等高線が形成
されているから、これをエッチング縞模様としてTEM
法により高倍率で観察することができる。
【0012】この手法は、TEM観察用に超薄膜試験片
を作製する高度な技術を要する上、観察結果の定量的取
扱が困難である。但し、定性的評価法としては優れてい
る。STMを利用した超高真空STM計測法では、pn
接合表面を超高真空(UHV)下(または大気中)で劈
開露出し、STMチップを二次元的にスキャンさせる。
プローブの面内分解能数は10nmと比較的高いが、ト
ンネル電流値と不純物濃度値との定量的関係が未だ明確
ではない。
【0013】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、基板の深さ方向の特定イオンの濃度分布のみ成ら
ず、基板に対して水平方向の濃度分布をも正確に解析す
ることができる濃度分布の解析方法を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点によ
れば、濃度分布を解析すべき基板の表面に、当該基板と
異なる材質のダミー膜を成膜し、膜厚が異なる前記ダミ
ー膜が成膜されたサンプル基板を複数種類準備する工程
と、前記準備された複数種類のサンプル基板に対して、
前記ダミー膜方向から、略同一条件で特定の不純物を導
入する工程と、前記不純物が導入された前記複数種類の
サンプル基板の表面に存在する前記ダミー膜を除去する
工程と、前記ダミー膜が除去された前記複数種類の各サ
ンプル基板の側方から、破壊式質量分析を行い、前記各
サンプル基板に導入された前記不純物の二次イオン強度
を測定する質量分析工程と、前記前記ダミー膜の膜厚が
異なり、かつ、ダミー膜の膜厚が近似した、2枚のサン
プル基板についての前記測定した二次イオン強度の差分
を、順次複数のサンプル基板について算出する差分算出
工程と、 前記算出した差分を濃度変換する工程と を有す
る濃度分布の解析方法が提供される。
【0015】好ましくは、前記ダミー膜が除去されたサ
ンプル基板の表面に、当該サンプル基板と異なる材質の
緩衝膜をそれぞれ成膜する工程をさらに有し、前記質量
分析工程において、前記緩衝膜が成膜されたサンプル基
板の側方から質量分析を行う。
【0016】本発明の第2の観点によれば、濃度分布を
解析すべきサンプル基板を複数準備する工程と、前記準
備された複数のサンプル基板に同一条件で不純物を導入
する工程と、前記不純物を導入した複数のサンプル基板
の表面を、それぞれ異なる深さでエッチング加工する工
程と、前記各サンプル基板の側方から、破壊式質量分析
を行い、前記エッチング加工された各サンプル基板に前
記導入された前記不純物の二次イオン強度を測定する質
量分析工程と、前記エッチング深さが異なり、かつエッ
チング深さが近似する2枚のサンプル基板についての前
記測定した二次イオン強度の差分を、順次複数のサンプ
ル基板について算出する差分算出工程と、前記算出した
差分を濃度変換する工程とを有する濃度分布の解析方法
が提供される。
【0017】好ましくは、前記エッチング加工されたサ
ンプル基板の表面に、当該サンプル基板と異なる材質の
緩衝膜をそれぞれ成膜する工程をさらに有し、前記質量
分析工程において、前記緩衝膜が成膜されたサンプル基
板の側方から質量分析を行う。また好ましくは、前記サ
ンプル基板の表面に不純物を導入する工程において、イ
オン注入により前記サンプル基板の表面に不純物を導入
する。
【0018】好ましくは、前記ダミー膜は、前記濃度分
布を解析すべきサンプル基板に対して、エッチング時の
選択性が大きく、しかも前記不純物の導入に際しては、
前記濃度分布を解析すべきサンプル基板と略同様に不純
物の導入現象が生じる材質で構成される。たとえば、前
記濃度分布を解析すべきサンプル基板が単結晶シリコン
基板であり、前記ダミー膜が熱酸化による酸化シリコン
膜で構成される。また、前記緩衝膜がポリシリコン膜で
構成される得る。好ましくは、前記質量分析を行うに際
して、一次イオンのラスタースキャンを行い、そのスキ
ャン領域の一部が、前記緩衝膜の領域にもかかる。ま
た、好ましくは、前記質量分析を行うに際して、一次イ
オンをラスタースキャンすると共に、前記濃度分布を解
析すべきサンプル基板を、スキャン方向に重ねて直線往
復移動させる。また好ましくは、前記破壊式質量分析工
程において、二次イオン質量分析を行なう。
【0019】
【作用】
1.本発明に係る第1の濃度分布解析方法評価用サンプル基板の作製 本発明に係る第1の濃度分布の解析方法では、膜厚がそ
れぞれΔt×k(k=0,1,2… n)nmのダミー
膜が成膜されたn+1個のサンプル基板を準備する。こ
れらサンプル基板のダミー膜の表面には、実デバイス作
製時と同一条件の不純物導入マスク(たとえばイオン注
入用レジストマスク)をそれぞれ形成する。この場合、
窓明け部分の形状としては、その窓幅は、実デバイス作
製時のそれと等しくし、窓の長さは半無限ストライプ状
とする。
【0020】そして、この窓からイオン注入法などで、
各サンプル基板に対して、同一条件で不純物を導入す
る。一方、注入不純物の主分布領域は、イオン注入時の
投影飛程値をRpとした時、注入窓直下方向にk0 ×R
p(k0 =2〜5)の領域とみなして良いことから、Δ
tは、k0 ×Rp/N(N=20程度)を目安として決
定する。Δtは、可能な限り小さいことが、精度向上の
観点から好ましいが、ダミー膜の成膜技術に依存し、た
とえば1nm程度である。各サンプル基板に形成された
ダミー膜の膜厚は、エリプソメータなどにより実測して
おくことが必須である(実測しない場合でも、成膜の膜
厚を成膜条件との相関データにより実験的評価を行って
おくこと)。このダミー膜の膜厚精度を、nmレベルに
保つことが本発明の一つのポイントである。
【0021】また、ダミー膜は、前記基板に対して、エ
ッチング時の選択性が大きく、しかも不純物の導入に際
しては、前記基板と略同様に不純物の導入現象が生じる
材質で構成される。たとえば、基板が単結晶シリコン基
板である場合には、ダミー膜としては、酸化シリコン膜
であることが好ましい。これらの両物質は、核阻止能及
び電子阻止能の等価性より、イオン注入不純物種や注入
エネルギーなどによらず、注入現象に対してはほとんど
等価な物質としてみなすことができる。この点も、本発
明のポイントの一つである。
【0022】次に、不純物導入マスクを除去し、その後
ダミー膜をそれぞれ除去する。ダミー膜の除去により、
その中に導入された不純物も除去される。次に、ダミー
膜が除去されたそれぞれの基板の表面に、緩衝膜を成膜
する。緩衝膜の膜厚は、全て略同一でよく、その膜厚
は、たとえば数μm 程度である。緩衝膜としては、特に
限定されず、たとえばポリシリコン膜が用いられる。こ
の緩衝膜を形成することで、後工程で基板の側面を研磨
加工する際に、もともとの基板表面と側端部とのコーナ
ー部での研磨ダレを極力防止し得る。
【0023】次に、上記の処理を行った各サンプル基板
の側端面(基板の表面に対して略直角な側端面)であっ
て、不純物導入マスクの窓明け部の長手方向に沿って平
行な側端面を切断・研磨する。SIMSデプス・プロフ
ァイリング時の面内並びに深さ方向の不均一エッチング
効果を回避し、0.01〜0.1nmレベルの深さ分解
能を保つためには、側端面は、通常の半導体ウェーハの
ミラー面程度の仕上げ加工を施すことが重要である。
【0024】SIMS分析 次に、本発明では、上記のようにして準備された(n+
1)個のサンプル基板の研磨した側端面から破壊式質量
分析を行う。破壊式質量分析としては、たとえばSIM
Sが用いられる。SIMSでは、一次イオンビームを照
射し、以下の要領で、SIMSデプス・プロファイリン
グを行う。
【0025】一次イオンビームの照射方法 深さ方向の分解能を0.01nm程度に保持してデプス
・プロファイリングを実行するためには、一次イオンビ
ームの広域ラスタースキャン(Lμm ×Lμm)が必要
である。たとえばL=500とする。ただし、現在着目
している領域(イオン注入層からの不純物拡散層の厚
さ)は著しく薄いため、アパーチャ・サイズをラスター
サイズに対し、十分大きく設定する。たとえばアパーチ
ャサイズを、0.9L×0.9Lとするか、あるいはア
パーチャをかけずに分析を行う。
【0026】サンプリングの方法 ラスタースキャンによる一次イオンビームの照射に際し
ては、サンプル基板を支持するステージを、スキャン方
向に重ねて直線往復移動させることが好ましい。直線往
復移動の方向は、不純物導入マスクのストライプ窓方向
に実質的に平行である。この直線往復移動の往復距離
は、ラスタースキャンサイズLに対して、最大で5〜1
0倍の距離であることが好ましい。
【0027】この直線往復移動のターニングポイント間
で、着目している不純物元素の特定の二次イオン強度
(I)を計測する。なお、良好な深さ分解能を保つため
には、不純物元素は1種類に限ることが好ましい。ま
た、モニター・イオン種を別に1種類選定することが好
ましい。ただし、不純物元素種を複数同時に分析するこ
とも可能ではある。
【0028】このようなサンプリング方式は、単なる固
定域でのラスタースキャンによるサンプリング方式に比
較して、以下の(i ),(ii)の仮定をおくことによ
り、 実質的にスキャンされる範囲を広がり、これにより
測定の分析感度が向上する。 (i )不純物の濃度勾配は、注入窓(ストライプ状)の
長手方向には形成されていないこと。
【0029】(ii)注入窓直下領域から注入マスク直下
領域への不純物拡散に対して、その拡散係数(diffusio
n coefficient )は濃度に非依存であること。 ラスタースキャン領域の設定方法 一次イオンビームのラスタースキャンによる照射領域
は、サンプル基板のもともとの基板側端面のみならず、
その一部分が、緩衝膜の領域もカバーすることが好まし
い。これにより、不純物導入マスク直下の基板表面近傍
に拡散している不純物元素の濃度分布をも何等欠落させ
ることなく解析することができる。なお、本発明では、
サンプル基板の側端面からSIMSデプス・プロファイ
リングを行うことで、不純物分布の低濃度領域から高濃
度領域側に分析を行うことになり、SIMSに特有のク
レータ周辺効果を極力抑制することができ、分析の精度
が向上する。
【0030】SIMS分析後または分析と同時に行う処
(n+1)個のサンプル基板に対してSIMS分析を行
った後、または分析と同時に、次に示す関係式に基づ
き、二次元濃度分布を求めるための処理を行う。(n+
1)個のサンプル基板に対してSIMS分析を行った結
果の二次イオン強度値の積分値をIk (Xm )とする
と、一般に次式(1)の関係が保たれる。
【0031】
【数1】
【0032】なお、kはk番目のサンプル基板を示し、
m はSIMS分析の深さ方向距離を示す。また、ΔI
k (Xm )は二つのサンプル基板(k−1,k)間の二
次イオン強度値の差分である。上記数式(1)と等価な
次式(2)が成り立つ。
【0033】
【数2】
【0034】SIMS法では、きわめて広域(ダイナミ
ックレンジが100 〜106 )にわたり二次イオン強度
測定が可能である。したがって、差分ΔIk (Xm
は、有意な量として検出し得る。一方、一般に、ある固
体サンプルの微小空間内に存在している、第J番目の元
素種の特定質量の二次イオン強度値(ΔIj )は次式
(3)で与えられる。
【0035】
【数3】
【0036】ここで、Ip は一次イオン電流、η,Sは
二次イオン透過率とスパッタリング比ある。また、Y
j , Cj はそのぞれ元素(J)の二次イオン生成率と原
子濃度である。(n+1)種類のサンプルに対するSI
MSデプス・プロファイリング条件を一定に保つことに
より、前記数式(3)中のη、S、Yj 、Ip は、いず
れも一定値を取り得ることから、解析目標としている原
子濃度Cj は、二次イオン強度値ΔIj とリニアな関係
を保つ。すなわち、Cj =K×ΔIj である。ここで、
比例係数Kは、既知濃度の標準サンプルを用いて決定す
る。
【0037】以上の解析手続を経ることにより、マスク
端直下の垂直面を横切り、マスク下の領域で横方向拡散
(lateral diffusion )するドーピング不純物の濃度分
布を、二次元的に解析することが可能である。すなわ
ち、特定位置(x)毎に、相隣合う2サンプル間で実測
された二次イオン強度値Ik (Xm )とIK-1 (Xm
の差分を、順次(n,n−1)→(n−1,n−2)→
……→(2,1)→(2,1)→(1,0)間で求め
(各m値に対してn個)、これらを濃度変換して(X,
Z)面上に二次元的にプロットすることにより、C
(X,Z)の二次元濃度分布図が得られる。ただし、こ
こで、Z=Zn =(n−k)×Δtの関係を保つ。ただ
し、k=0,1,2,…nである。
【0038】本発明の方法を採用することにより、その
空間分布の分解能を、横方向(X)、縦方向(Z,イオ
ン注入方向)に対して最高値を、それぞれ、ΔX=0.
02〜0.10nm、ΔZ=1nmの水準で確保するこ
とができる。 2.本発明に係る第2の濃度分布解析方法 本発明に係る第2の濃度布解析方法は、前記第1の方法
に比較し、次の点が相違するのみであり、その他の手法
は同一なので、重複する部分の説明は、省略する。
【0039】この発明では、膜厚の異なるダミー膜が形
成された複数のサンプル基板を準備する代わりに、ダミ
ー膜が形成されていないサンプル基板を複数準備する。
そして、これらサンプル基板に対して、同一条件で不純
物の導入を行った後、不純物の導入を行った側の基板表
面を、それぞれ異なる深さでエッチング加工する。その
後、そのサンプル基板の表面に必要に応じて、緩衝膜を
成膜し、その後は、前記第1の方法と同様にして、SI
MSデプス・プロファイル分析、その後の演算処理を行
う。
【0040】この方法では、複数のサンプル基板の表面
を、高精度の深さでエッチング加工することがポイント
となる。本発明の第2の方法も、前記と同様な作用を有
する。
【0041】
【実施例】以下、本発明に係る濃度分布の解析方法を、
図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。図1は本
発明の一実施例に係る濃度分布の解析方法の要点を示す
説明図、図2は不純物導入の際のサンプル基板の要部断
面図、図3はサンプル基板の一部破断斜視図、図4はサ
ンプル基板の側端部を研磨するために基板を保持するホ
ルダーの断面図、図5は一次イオンビームのラスタース
キャンサイズと基板の往復直線移動との関係を示す概略
図、図6はサンプル基板の斜視図である。
【0042】第1実施例 本実施例では、まず、図2に示すように、膜厚がそれぞ
れΔt×k(k=0,1,2… n)nmのダミー膜4
が成膜されたn+1個のサンプル基板2を準備する。本
実施例では、サンプル基板2としては、単結晶シリコン
ウェーハが用いられる。それらのサンプル基板2の上に
成膜されるダミー膜4は、たとえば酸化シリコン膜で構
成される。酸化シリコン膜で構成されるダミー膜4は、
シリコン基板の表面を熱酸化して形成される。そのダミ
ー膜4の膜厚は、熱酸化条件を調節することにより制御
される。各サンプル基板2の表面に形成されるダミー膜
4の膜厚差Δtは、可能な限り小さいことが、精度向上
の観点から好ましいが、ダミー膜の成膜技術に依存し、
たとえば1nm程度である。各サンプル基板2に形成さ
れたダミー膜4の膜厚は、エリプソメータまたはX線光
電子分光計(XPS)などにより実測しておくことが好
ましい。このダミー膜の膜厚精度を、nmレベルに保つ
ことが本実施例の一つのポイントである。なお、k=0
の場合とは、基板2の表面に酸化シリコン膜で構成され
るダミー膜を形成しない場合である。
【0043】また、ダミー膜4は、基板2に対して、エ
ッチング時の選択性が大きく、しかも不純物の導入に際
しては、前記基板2と略同様に不純物の導入現象が生じ
る材質で構成される。このような観点から、本実施例で
は、ダミー膜4として、酸化シリコン膜を用いる。シリ
コンと酸化シリコンとは、核阻止能及び電子阻止能の等
価性より、イオン注入不純物種や注入エネルギーなどに
よらず、注入現象に対してはほとんど等価な物質として
みなすことができる。この点も、本実施例のポイントの
一つである。
【0044】次に、図2に示すように、これらサンプル
基板2のダミー膜4の表面には、実デバイス作製時と同
一条件のイオン注入用レジストマスク6をそれぞれ形成
する。この場合、レジスト膜6の窓8の形状としては、
その窓幅は、実デバイス作製時のそれと等しくし、窓8
の長さは半無限ストライプ状とする。
【0045】そして、この窓8からイオン注入法で、各
サンプル基板2に対して、同一条件で不純物を導入す
る。イオン注入により、図2に示す窓8から、ダミー膜
4及び基板2の表面に不純物が導入される。一方、注入
不純物の主分布領域は、イオン注入時の投影飛程値をR
pとした時、注入窓直下方向にk0 ×Rp(k0 =2〜
5)の領域とみなして良いことから、前記Δtは、k0
×Rp/N(N=20程度)を目安として決定する。Δ
tは、前述したように、可能な限り小さいことが、精度
向上の観点から好ましいが、ダミー膜の成膜技術に依存
し、たとえば1nm程度である。
【0046】次に、それぞれのサンプル基板2のレジス
ト膜6を除去し、その後、ダミー膜4をそれぞれ除去す
る。ダミー膜4の除去により、その中に導入された不純
物も除去される。次に、ダミー膜4が除去されたそれぞ
れの基板2の表面に、図3,6に示すように、緩衝膜1
0を成膜する。緩衝膜10の膜厚は、各サンプル基板2
について全て略同一でよく、その膜厚は、たとえば数μ
m 程度である。緩衝膜10としては、特に限定されず、
たとえばポリシリコン膜が用いられる。この緩衝膜10
を形成することで、後工程で基板2の側面を研磨加工す
る際に、もともとの基板表面と側端部とのコーナー部で
の研磨ダレを極力防止する。
【0047】次に、上記の処理を行った各サンプル基板
2の側端面(基板の表面に対して略直角な側端面)であ
って、レジスト膜6の窓明け部8の長手方向に沿って平
行な側端面11(図4参照)を、平面E(図3,4,
5,6参照)まで切断・研磨する。SIMSデプス・プ
ロファイリング時の面内並びに深さ方向の不均一エッチ
ング効果を回避し、0.01〜0.1nmレベルの深さ
分解能を保つためには、側端面11は、通常の半導体ウ
ェーハのミラー面程度の仕上げ加工を施すことが重要で
ある。
【0048】側端面11の加工に際しては、図4に示す
チップ固定治具12を用い、市販の研磨装置で、メカニ
カルにラップ/ポリッシュまたはメカノケミカル研磨を
行う。メカノケミカル研磨に際しては、たとえばSOI
技術などで用いられる高純度シリカ微粒子を主成分とし
た研磨剤を含むアルカリ溶液などが用いられる。
【0049】固定治具12としては、加工精度が高いも
のを使用し、且つサンプル基板2の固定は、ネジ部16
によるネジ締め固定に加え、溝14の内部でのワックス
止めを行い、研磨時のガタ、ズレ、傾きなどが発生しな
いようにする。通常のメカニカル研磨で、平面Eをミラ
ー面程度に仕上げ加工するには、0.05〜0.1μm
程度のペーストと適正オイルとを用いる。
【0050】このような基板2の側端面11の加工は、
市販の研磨装置、たとえば拡がり抵抗測定で用いられる
試料研磨装置を応用して達成し得るが、たとえば特開平
5−206090号などに示す装置などを用いることも
できる。このような研磨に際し、本実施例では、基板2
の表面に、緩衝膜10が形成してあることから、基板2
と緩衝膜10との界面に研磨ダレが発生することはな
い。
【0051】次に、本実施例では、上記のようにして準
備された(n+1)個のサンプル基板2の研磨した側端
面である平面Eから、一次イオンビームを照射し、以下
の要領で、SIMSデプス・プロファイリングを行う。
深さ方向の分解能を0.01nm程度に保持してデプス
・プロファイリングを実行するためには、一次イオンビ
ームの広域ラスタースキャン(Lμm ×Lμm)が必要
である。たとえばL=500μm とする。ただし、現在
着目している領域(イオン注入層からの不純物拡散層の
厚さ)は著しく薄いため、アパーチャ・サイズをラスタ
ーサイズに対し、十分大きく設定する。たとえばアパー
チャサイズを、0.9L×0.9Lとするか、あるいは
アパーチャをかけずに分析を行う。
【0052】SIMSによる実測条件の一例を下記の表
1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】本実施例では、ラスタースキャンによる一
次イオンビームの照射に際しては、図5,6に示すよう
に、サンプル基板2を支持するステージを、スキャン方
向に重ねて直線往復移動させる。図6に示すように、サ
ンプル基板2の直線往復移動の方向V,Wは、図2に示
すレジスト膜6のストライプ窓8方向に実質的に平行で
ある。この直線往復移動の往復距離(α×L)は、図5
に示すように、ラスタースキャンサイズLに対して、最
大でα=5〜10倍の距離であることが好ましい。な
お、図5,6において、符号18に示す範囲が、一次イ
オンビームによるラスタースキャンの範囲である。
【0055】この直線往復移動のターニングポイントY
1 ,Y2 間で、着目している不純物元素の特定の二次イ
オン強度(I)を計測する。なお、図6に示すように、
一次イオンビームによるラスタースキャンと同時に、基
板2を矢印V,W方向に往復移動させることから、一次
イオンビームが実質的に照射される範囲は、ghijで
囲まれる領域である。
【0056】なお、良好な深さ分解能を保つためには、
不純物元素は1種類に限ることが好ましい。また、モニ
ター・イオン種を別に1種類選定することが好ましい。
ただし、不純物元素種を複数同時に分析することも可能
ではある。このようなサンプリング方式は、単なる固定
域でのラスタースキャンによるサンプリング方式に比較
して、以下の(i ),(ii)の仮定をおくことにより、
実質的にスキャンされる範囲を広がり、これにより測定
の分析感度が向上する。
【0057】(i )不純物の濃度勾配は、注入窓8(ス
トライプ状)の長手方向には形成されていないこと。 (ii)注入窓直下領域から注入マスク直下領域への不純
物拡散に対して、その拡散係数(diffusion coefficien
t )は濃度に非依存であること。
【0058】一次イオンビームのラスタースキャンによ
る照射領域は、サンプル基板2のもともとの基板側端面
のみならず、その一部分が、緩衝膜10の領域もカバー
することが好ましい。これにより、レジスト膜6直下の
基板表面近傍に拡散している不純物元素の濃度分布をも
何等欠落させることなく解析することができる。なお、
本実施例では、サンプル基板2の側端面である平面Eか
ら平面Iに向かう方向X(向きはマイナス)にSIMS
デプス・プロファイリングを行う。このことは、結果的
に、不純物分布の低濃度領域から高濃度領域側に分析を
行うことになり、SIMSに特有のクレータ周辺効果を
極力抑制することができ、分析精度が向上する。
【0059】なお、図6において、ダミー膜が除去され
た後の基板2の表面のストライプ状のイオン注入領域が
ABCDabcdで囲まれた領域であり、平面I(Bb
eE)及び平面II(AafF)が、図2に示すレジス
ト膜6の窓8の縁に対応する平面である。不純物は、イ
オン注入領域内で深さ方向Zにも拡散分布するが、平面
I及びIIを越えて、横方向Xにも拡散する。本実施例
の方法は、後述するように、基板2の深さ方向Z及び横
方向Xの不純物濃度分布を高精度で求めるために、都合
のよい方法である。
【0060】本実施例では、(n+1)個のサンプル基
板2に対して横方向XからSIMS分析を行った後、ま
たは分析と同時に、次に示す関係式に基づき、二次元濃
度分布を求めるための処理を行う。(n+1)個のサン
プル基板2に対して、ターニングポイントの2点(Y
1 ,Y2 )間で、SIMS分析を行った結果の二次イオ
ン強度値の積分値をIk (Xm )とすると、一般に次式
(1)の関係が保たれる。
【0061】
【数4】
【0062】上記式は、2点(Y1 ,Y2 )間で片道又
は往復の積分のどちらでも成り立つ。なお、kはk番目
のサンプル基板を示し、Xm はSIMS分析の深さ方向
距離を示す。また、ΔIk (Xm )は二つのサンプル基
板(k−1,k)間の二次イオン強度値の差分である。
【0063】上記数式(1)と等価な次式(2)が成り
立つ。
【0064】
【数5】
【0065】SIMS法では、きわめて広域(ダイナミ
ックレンジが100 〜106 )にわたり二次イオン強度
測定が可能である。したがって、差分ΔIk (Xm
は、有意な量として検出し得る。なお、Xm =0、すな
わち、SIMSプロファイリングが平面Iを横切り、イ
オン注入領域に入る界面位置は、第k番目のサンプル毎
にIk (Xm )がもはや変化を示さず、一定値を示し始
めることから判別することができる。
【0066】一方、一般に、ある固体サンプルの微小空
間内に存在している、第J番目の元素種の特定質量の二
次イオン強度値(ΔIj )は次式(3)で与えられる。
【0067】
【数6】
【0068】ここで、Ip は一次イオン電流、η,Sは
二次イオン透過率とスパッタリング比である。また、Y
j , Cj はそれぞれ元素(J)の二次イオン生成率と原
子濃度である。(n+1)種類のサンプルに対するSI
MSデプス・プロファイリング条件を一定に保つことに
より、前記数式(3)中のη、S、Yj 、Ip は、いず
れも一定値を取り得ることから、解析目標としている原
子濃度Cj は、二次イオン強度値ΔIj とリニアな関係
を保つ。すなわち、Cj =K×ΔIj である。ここで、
比例係数Kは、既知濃度の標準サンプルを用いて決定す
る。
【0069】以上の解析手続を経ることにより、マスク
端直下の垂直面I,IIを横切り、マスク下の領域で横
方向拡散(lateral diffusion )するドーピング不純物
の濃度分布を、二次元的に解析することが可能である。
すなわち、図1に示すように、特定位置(X)毎に、相
隣合う2サンプル間で実測された二次イオン強度値Ik
(Xm )とIK-1 (Xm )の差分を、順次(n,n−
1)→(n−1,n−2)→……→(2,1)→(2,
1)→(1,0)間で求める(各m値に対してn個)。
この差分ΔIk (Xm )が、横方向座標Xm 、深さ座標
Zでの不純物濃度に対応する二次イオン強度値である。
したがって、これらを、上記数式(3)に基づき、濃度
変換して(X,Z)面上に二次元的にプロットすること
により、C(X,Z)の二次元濃度分布図が得られる。
ただし、ここで、Z=Zn =(n−k)×Δtの関係を
保つ。ただし、k=0,1,2,…nである。
【0070】本実施例の方法を採用することにより、そ
の空間分布の分解能を、横方向(X)、縦方向(Z,イ
オン注入方向)に対して最高値を、それぞれ、ΔX=
0.02〜0.10nm、ΔZ=1nmの水準で確保す
ることができる。第2実施例 本発明に係る第2実施例に係る濃度分布解析方法は、前
記第1実施例の方法に比較し、次の点が相違するのみで
あり、その他の手法は同一なので、重複する部分の説明
は、省略する。
【0071】この実施例では、膜厚の異なるダミー膜が
形成された複数のサンプル基板2を準備する代わりに、
ダミー膜が形成されていないサンプル基板2を複数準備
する。そして、これらサンプル基板2に対して、同一条
件で不純物の導入を行った後、不純物の導入を行った側
の基板表面を、それぞれ異なる深さでエッチング加工す
る。その後、そのサンプル基板2の表面に必要に応じ
て、緩衝膜10を成膜し、その後は、前記第1の方法と
同様にして、SIMSデプス・プロファイル分析、その
後の演算処理を行う。
【0072】この方法では、複数のサンプル基板2の表
面を、高精度の深さでエッチング加工することがポイン
トとなる。本発明の第2実施例の方法も、前記と同様な
作用を有する。なお、本発明は、上述した実施例に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0073】たとえば、上記実施例では、イオン注入法
(垂直または斜め)で導入された不純物濃度の解析を行
ったが、本発明は、これに限定されず、熱拡散法により
導入された不純物のマスク直下の解析へも全く同様にし
て適用することができる。さらに、サブミクロン立方以
下の微小空間内に分布する組成解析へも応用可能であ
る。
【0074】さらに、上記実施例では、基板2の側端面
からSIMSによる二次イオン質量分析を行ったが、本
発明は、これに限定されず、SIMS法の改良として、
PI(Post-Ionization )−SIMS法の一種であるS
IRIS(Sputter-Initiated Resonance Ionization
Spectroscopy)法などの破壊式質量分析法を用いても
よい。このSIRIS法では、試料に対して、イオンビ
ームを照射し、試料の表面から粒子をスパッタさせ、ス
パッタされた粒子群に対して、RISレーザビームを、
試料の表面と平行に照射し、中性粒子をポストイオン
(Post-Ionization :PI)化し、そのイオン化された
二次イオンを、ピックアップ電極、エネルギーフィルタ
ーおよび質量フィルターを通し、検出系に導き、そこで
質量分析を行う。
【0075】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、既存のSIMS装置またはPI−SIMS装置の性
能(特にその平面分解能)のままで、簡便なサンプル作
製と加工処理とにより、二次元方向に拡散したドーピン
グ不純物の二次元的濃度分布状態を、精度良く定量解析
することが可能になる。
【0076】すなわち、二次イオン質量分析法の二大特
徴(超高感度特性と超高深さ分解能)をフルに生かし、
マスク直下領域に再分布する任意の不純物元素の濃度分
布を、横方向及び深さ方向に、それぞれ0.02〜0.
10nm、1nm程度の分解能で解析することができ
る。
【0077】その結果、微細寸法(ハーフ/クォータ・
ミクロンレベル)の、デバイス設計最適化の基礎的検討
のための実験データの提供が可能になる。また、プロセ
ス・シミュレータ構築に必要となる、拡散データ、濃度
分布データなどの実測値を提供することができる。ま
た、逆に、プロセス・シミュレータ検証用としての実測
値を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る濃度分布の解析
方法の要点を示す説明図である。
【図2】図2は不純物導入の際のサンプル基板の要部断
面図である。
【図3】図3はサンプル基板の一部破断斜視図である。
【図4】図4はサンプル基板の側端部を研磨するために
基板を保持するホルダーの断面図である。
【図5】図5は一次イオンビームのラスタースキャンサ
イズと基板の往復直線移動との関係を示す概略図であ
る。
【図6】図6はサンプル基板の斜視図である。
【符号の説明】
2… サンプル基板 4… ダミー膜 6… レジスト膜 8… 窓 10… 緩衝膜 11… 側端面 18… ラスタースキャン範囲

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】濃度分布を解析すべき基板の表面に、当該
    基板と異なる材質のダミー膜を成膜し、膜厚が異なる前
    記ダミー膜が成膜されたサンプル基板を複数種類準備す
    る工程と、 前記準備された複数種類のサンプル基板に対して、前記
    ダミー膜方向から、略同一条件で特定の不純物を導入す
    る工程と、 前記不純物が導入された前記複数種類のサンプル基板の
    表面に存在する前記ダミー膜を除去する工程と、 前記ダミー膜が除去された前記複数種類の各サンプル基
    板の側方から、破壊式質量分析を行い、前記各サンプル
    基板に導入された前記不純物の二次イオン強度を測定す
    る質量分析工程と、 前記ダミー膜の膜厚が異なり、かつ、ダミー膜の膜厚が
    近似した、2枚のサンプル基板についての前記測定した
    二次イオン強度の差分を、順次複数のサンプル基板につ
    いて算出する差分算出工程と、 前記算出した差分を濃度変換する工程とを有する濃度分
    布の解析方法。
  2. 【請求項2】前記ダミー膜が除去されたサンプル基板の
    表面に、当該サンプル基板と異なる材質の緩衝膜をそれ
    ぞれ成膜する工程をさらに有し、 前記質量分析工程において、前記緩衝膜が成膜されたサ
    ンプル基板の側方から質量分析を行う請求項1に記載の
    濃度分布の解析方法。
  3. 【請求項3】濃度分布を解析すべきサンプル基板を複数
    備する工程と、 前記準備された複数のサンプル基板に同一条件で不純物
    を導入する工程と、 前記不純物を導入した複数のサンプル基板の表面を、そ
    れぞれ異なる深さでエッチング加工する工程と、 前記各サンプル基板の側方から、破壊式質量分析を行
    い、前記エッチング加工された各サンプル基板に前記導
    入された前記不純物の二次イオン強度を測定する質量分
    析工程と、 前記エッチング深さが異なり、かつエッチング深さが近
    似する2枚のサンプル基板についての前記測定した二次
    イオン強度の差分を、順次複数のサンプル基板について
    算出する差分算出工程と、 前記算出した差分を濃度変換する工程とを有する濃度分
    布の解析方法。
  4. 【請求項4】前記エッチング加工されたサンプル基板の
    表面に、当該サンプル基板と異なる材質の緩衝膜をそれ
    ぞれ成膜する工程をさらに有し、 前記質量分析工程において、前記緩衝膜が成膜されたサ
    ンプル基板の側方から質量分析を行う、 請求項3に記載の濃度分布の解析方法。
  5. 【請求項5】前記サンプル基板の表面に不純物を導入す
    る工程において、イオン注入により前記サンプル基板の
    表面に不純物を導入する、 請求項1または3に記載の濃度分布の解析方法。
  6. 【請求項6】前記ダミー膜は、前記濃度分布を解析すべ
    きサンプル基板に対して、エッチング時の選択性が大き
    く、しかも前記不純物の導入に際しては、前記濃度分布
    を解析すべきサンプル基板と略同様に不純物の導入現象
    が生じる材質で構成される請求項3記載の濃度分布の解
    析方法。
  7. 【請求項7】前記濃度分布を解析すべきサンプル基板が
    単結晶シリコン基板であり、 前記ダミー膜が熱酸化による酸化シリコン膜で構成され
    る請求項2に記載の濃度分布の解析方法。
  8. 【請求項8】前記緩衝膜がポリシリコン膜で構成される
    請求項2または4に記載の濃度分布の解析方法。
  9. 【請求項9】前記質量分析を行うに際して、一次イオン
    のラスタースキャンを行い、そのスキャン領域の一部
    が、前記緩衝膜の領域にもかかる、 請求項2,4,8のいずれかに記載の濃度分布の解析方
    法。
  10. 【請求項10】前記質量分析を行うに際して、一次イオ
    ンをラスタースキャンすると共に、前記濃度分布を解析
    すべきサンプル基板を、スキャン方向に重ねて直線往復
    移動させる、 請求項1〜9のいずれかに記載の濃度分布の解析方法。
  11. 【請求項11】前記破壊式質量分析工程において、二次
    イオン質量分析を行なう、 請求項1〜10のいずれかに記載の濃度分布の解析方
    法。
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