JP3393716B2 - 透光性セラミック部材の接着方法 - Google Patents
透光性セラミック部材の接着方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透光性セラミック部材の
接着方法に関し、特に透光性セラミック部材を器物や装
飾品などに、もしくはその一部に用いた場合に、美観を
損なうことなく被着部材に接着することができる透光性
セラミック部材の接着方法に関する。 【0002】 【従来の技術】陶器や磁器などでは、同質もしくは異質
の部材を組合せ一体に組み立てることで、より価値のあ
る器物や装飾品を製作することが行われている。 【0003】この場合、異質の部材としては、金属金
具、木工品、樹脂製品などが用いられる。また、これら
の組立や接合には接着剤を用いることが普通に行われて
いる。近時、陶芸品の応用分野を拡大するために、器物
や装飾品を高強度のアルミナ質セラミック部材やジルコ
ニア質セラミック部材などで形成することが提案されて
いる。このようなセラミック部材は、一般的には不透明
であるが、透光性アルミナのように半透明でしかも材質
自体の発色によって着色できるセラミック部材もある。 【0004】透光性着色セラミック部材は内部で光を程
よく散乱させながら透過させるために、鋭い光を当てて
も透過した光は柔らかく散乱し、部材は着色と相まって
半透明で美しいものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、透光性セラ
ミック部材を被着部材に接着して器物や装飾品を製作し
た場合に、その接着部分を透光性セラミック部材を通し
て見ると、被着部材の色や接着剤の色が少しぼやけた色
調と輪郭でもって見える。特に、セラミック部材の特色
である高強度を生かして薄肉に作った器物や装飾品にお
いて顕著である。 【0006】したがって、陶器や磁器などのような不透
明な部材と同様に、透光性セラミック部材を被着部材に
接着すると、器物や装飾品自体の美観を損なうという問
題があった。 【0007】このような問題を解決するために、透光性
セラミック部材の透光度合いを調節して不透明感を増す
ことも考えられるが、透光性セラミック部材の本来の美
しさが損なわれる。特に、透光性セラミック部材は、内
部で光を程よく散乱させながら透過させ、柔らかく拡散
した調子の透光性が特徴であり、反射光での美観ととも
に、透かして見た透過光での美しさも重要である。した
がって、透光性セラミック部材を用いた器物や装飾品で
は、陶器や磁器などにおいて行われている通常の接着で
は、その最良の美しさを表現できない。 【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、透光性セラミック部材を被
着部材に接着する際に、被着部材との接着部分で美観を
損なうことのない透光性セラミック部材の接着方法を提
供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る透光性セラミック部材の接着方法で
は、透光性セラミック部材を接着剤で被着部材に接着す
る透光性セラミック部材の接着方法において、前記透光
性セラミック部材が被着部材に接着される部位に、この
透光性セラミック部材の基調色に近い上絵具もしくは不
透明な釉薬を焼き付けた有色層を設け、この有色層と被
着部材との間に接着剤を介在させて透光性セラミック部
材を被着部材に接着する。 【0010】 【作用】上記のように構成すると、透光性セラミック部
材と被着部材を接着した器物や装飾品を製作することが
できると共に、この接着部分を透光性セラミック部材を
通してみた場合、透光性セラミック部材の基調色に近い
上絵具ないしは不透明な釉薬などからなる有色層の彩色
を、わずかな散乱をともないながら見ることになり、被
着部材の色や接着剤の色が視認されることはない。もっ
て透光性セラミック部材の美観を損なうことなく器物や
装飾品を形成することができる。 【0011】 【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づき詳
細に説明する。図1は、本発明に係る透光性セラミック
部材の接着方法を説明するための図であり、透光性セラ
ミック部材1を被着部材4に接着して器物を形成した断
面図である。図1に示す器物では、透光性セラミック部
材1で器物の本体を構成し、被着部材4で器物の脚を構
成する。透光性セラミック部材1における被着部材4と
の当接部には、透光性セラミック部材1の基調色に近い
上絵具もしくは不透明な釉薬を焼き付けた有色層2が設
けてあり、この有色層2と被着部材4の間に接着剤3を
介在させて、透光性セラミック部材1を被着部材4に接
着する。なお、被着部材4は、セラミック部材、金属金
具、木工品、樹脂製品などから成る。 【0012】まず、透光性アルミナなどから成る透光性
セラミック部材1で器物の本体を形成する。すなわち、
高純度アルミナ100部に、分散剤0.5〜1部、バイ
ンダー2〜5部、純水25〜30部を加え、ボールミル
にて混合し、真空脱泡する。次に、鋳込み成形法などで
透光性セラミック部材1の生成形体を形成する。次に、
乾燥後、電気炉で脱バインダーのために500℃付近ま
でゆっくり昇温し、900〜1000℃で素焼きする。
次に、真空炉または水素炉で1700℃以上で焼成す
る。最後にグラインダーなどを用いた手研磨またはバレ
ル研磨で表面仕上げを行い、透光性セラミック部材1か
ら成る器物の本体が完成する。 【0013】透光性セラミック部材1を着色する場合、
セラミックの原料調合の時点で着色剤を添加する方法
と、セラミック部材を900℃前後で素焼きした後に、
着色剤の水溶液をセラミック部材に含浸させる方法があ
る。原料の調合時点で着色剤を添加する場合の着色剤と
しては、コバルト、マンガン、ニッケルもしくはクロム
のうちのずれか一種もしくは複数種の酸化物を用いるこ
とができる。コバルトの酸化物を用いると青色系にな
り、マンガンの酸化物を用いるとピンク色系になり、ニ
ッケルの酸化物を用いると青色系になり、クロムの酸化
物を用いると赤色系になる。着色剤の水溶液をセラミッ
ク部材に含浸させる場合の着色剤としては、コバルト、
マンガン、ニッケル、クロムもしくはバナジウムのうち
のいずれか一種もしくは複数種の金属塩、または銅(酢
酸銅)などを用いることができる。金属塩としては硝酸
塩が好適である。コバルトの金属塩を用いると黄色系も
しくは緑色系になり、クロムの金属塩を用いると赤色系
になり、バナジウムの金属塩を用いると茶色系もしくは
緑色系になり、銅(酢酸銅)を用いると茶色系になる。 【0014】次に、透光性セラミック部材1の被着部材
4との当接部に、バルサムで粘度を持たせたオイルで溶
いた陶芸用の上絵具を塗布し、乾燥後電気炉で上絵具の
通常の焼付温度条件で焼成して融着させることにより、
有色層2を形成する。この有色層2を形成するための上
絵具としては、従来から陶器や磁器などに用いられてい
るものをそのまま適用することができる。すなわち、陶
芸用の上絵具はあらゆる色が豊富に市販されており、所
望の色調のものを容易に得ることができる。市販の上絵
具について、例えば白色の上絵具の組成はPb、Si、
Al、Na、K、Bなどの酸化物を主成分とするガラス
フリットに白色の顔料としてSn酸化物を15〜20重
量%添加したもので、透光性セラミック部材1に塗布し
た後、通常は電気炉で200℃/時間で昇温し、820
℃×20分で焼成して自然冷却する。 【0015】また、この有色層2は不透明な釉薬で形成
してもよい。このような釉薬としては、シリカ(SiO
2 )を主成分とし、アルミナ(Al2 O3 )、リチア
(Li2 O)、酸化ホウ素(B2 O3 )、酸化ナトリウ
ム(NaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化カリウム
(K2 O)、酸化カルシウム(CaO)、マグネシア
(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)などのうちの複数種を
含む混合物から成る。また、着色剤としては、白色系は
酸化ジルコニウムや酸化スズ、緑色系は酸化銅、青色系
は酸化コバルト、黄色系は重クロム酸カリや酸化アンチ
モン、茶色系は酸化鉄、紫色系は二酸化マンガン、赤色
系は塩化金やセレン赤などが用いられる。この釉薬は、
乳鉢などを用いて釉薬粉末(フリット)と着色剤を少量
のバインダー(糊料)と共に水で練り、塗布しやすい粘
度に水で調整し、これを筆に含ませて透光性セラミック
部材1の被着部材4との当接部に塗布する。乾燥後、は
み出た釉薬粉末は布で拭い取る。次に、釉薬が熔ける温
度で焼成し融着させることにより有色層2を形成する。
釉薬が熔ける温度は通常、800〜1250℃である。 【0016】このようにして、上述の透光性セラミック
部材1の基調色に近い(同色系)陶芸用の上絵の具もし
くは釉薬を適宜選択して有色層2とする。 【0017】次に、この有色層2上に接着剤3を塗布
し、被着部材4を接着する。本発明に係る透光性セラミ
ック部材の接着方法では、接着剤3の色調に制約を受け
ないので、広く市販品のなかから選ぶことができる。中
でもエポキシ系とシリコンゴム系の接着剤は被着部材4
の材質を問わず好適に用いることができる。 【0018】 【発明の効果】以上のように、本発明に係る透光性セラ
ミック部材の接着方法によれば、セラミック部材の基調
色に近い上絵具ないしは不透明な釉薬などからなる有色
層を形成したうえで被着部材に接着することから、透光
性セラミック部材を通してこの接着部分を見た場合、セ
ラミック部材の基調色に近い彩色の有色層を見て、被着
部材や接着剤を視認することがない。もって透光性セラ
ミック部材の美観を損なうことのない器物や装飾品を得
ることができる。
接着方法に関し、特に透光性セラミック部材を器物や装
飾品などに、もしくはその一部に用いた場合に、美観を
損なうことなく被着部材に接着することができる透光性
セラミック部材の接着方法に関する。 【0002】 【従来の技術】陶器や磁器などでは、同質もしくは異質
の部材を組合せ一体に組み立てることで、より価値のあ
る器物や装飾品を製作することが行われている。 【0003】この場合、異質の部材としては、金属金
具、木工品、樹脂製品などが用いられる。また、これら
の組立や接合には接着剤を用いることが普通に行われて
いる。近時、陶芸品の応用分野を拡大するために、器物
や装飾品を高強度のアルミナ質セラミック部材やジルコ
ニア質セラミック部材などで形成することが提案されて
いる。このようなセラミック部材は、一般的には不透明
であるが、透光性アルミナのように半透明でしかも材質
自体の発色によって着色できるセラミック部材もある。 【0004】透光性着色セラミック部材は内部で光を程
よく散乱させながら透過させるために、鋭い光を当てて
も透過した光は柔らかく散乱し、部材は着色と相まって
半透明で美しいものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、透光性セラ
ミック部材を被着部材に接着して器物や装飾品を製作し
た場合に、その接着部分を透光性セラミック部材を通し
て見ると、被着部材の色や接着剤の色が少しぼやけた色
調と輪郭でもって見える。特に、セラミック部材の特色
である高強度を生かして薄肉に作った器物や装飾品にお
いて顕著である。 【0006】したがって、陶器や磁器などのような不透
明な部材と同様に、透光性セラミック部材を被着部材に
接着すると、器物や装飾品自体の美観を損なうという問
題があった。 【0007】このような問題を解決するために、透光性
セラミック部材の透光度合いを調節して不透明感を増す
ことも考えられるが、透光性セラミック部材の本来の美
しさが損なわれる。特に、透光性セラミック部材は、内
部で光を程よく散乱させながら透過させ、柔らかく拡散
した調子の透光性が特徴であり、反射光での美観ととも
に、透かして見た透過光での美しさも重要である。した
がって、透光性セラミック部材を用いた器物や装飾品で
は、陶器や磁器などにおいて行われている通常の接着で
は、その最良の美しさを表現できない。 【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、透光性セラミック部材を被
着部材に接着する際に、被着部材との接着部分で美観を
損なうことのない透光性セラミック部材の接着方法を提
供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る透光性セラミック部材の接着方法で
は、透光性セラミック部材を接着剤で被着部材に接着す
る透光性セラミック部材の接着方法において、前記透光
性セラミック部材が被着部材に接着される部位に、この
透光性セラミック部材の基調色に近い上絵具もしくは不
透明な釉薬を焼き付けた有色層を設け、この有色層と被
着部材との間に接着剤を介在させて透光性セラミック部
材を被着部材に接着する。 【0010】 【作用】上記のように構成すると、透光性セラミック部
材と被着部材を接着した器物や装飾品を製作することが
できると共に、この接着部分を透光性セラミック部材を
通してみた場合、透光性セラミック部材の基調色に近い
上絵具ないしは不透明な釉薬などからなる有色層の彩色
を、わずかな散乱をともないながら見ることになり、被
着部材の色や接着剤の色が視認されることはない。もっ
て透光性セラミック部材の美観を損なうことなく器物や
装飾品を形成することができる。 【0011】 【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づき詳
細に説明する。図1は、本発明に係る透光性セラミック
部材の接着方法を説明するための図であり、透光性セラ
ミック部材1を被着部材4に接着して器物を形成した断
面図である。図1に示す器物では、透光性セラミック部
材1で器物の本体を構成し、被着部材4で器物の脚を構
成する。透光性セラミック部材1における被着部材4と
の当接部には、透光性セラミック部材1の基調色に近い
上絵具もしくは不透明な釉薬を焼き付けた有色層2が設
けてあり、この有色層2と被着部材4の間に接着剤3を
介在させて、透光性セラミック部材1を被着部材4に接
着する。なお、被着部材4は、セラミック部材、金属金
具、木工品、樹脂製品などから成る。 【0012】まず、透光性アルミナなどから成る透光性
セラミック部材1で器物の本体を形成する。すなわち、
高純度アルミナ100部に、分散剤0.5〜1部、バイ
ンダー2〜5部、純水25〜30部を加え、ボールミル
にて混合し、真空脱泡する。次に、鋳込み成形法などで
透光性セラミック部材1の生成形体を形成する。次に、
乾燥後、電気炉で脱バインダーのために500℃付近ま
でゆっくり昇温し、900〜1000℃で素焼きする。
次に、真空炉または水素炉で1700℃以上で焼成す
る。最後にグラインダーなどを用いた手研磨またはバレ
ル研磨で表面仕上げを行い、透光性セラミック部材1か
ら成る器物の本体が完成する。 【0013】透光性セラミック部材1を着色する場合、
セラミックの原料調合の時点で着色剤を添加する方法
と、セラミック部材を900℃前後で素焼きした後に、
着色剤の水溶液をセラミック部材に含浸させる方法があ
る。原料の調合時点で着色剤を添加する場合の着色剤と
しては、コバルト、マンガン、ニッケルもしくはクロム
のうちのずれか一種もしくは複数種の酸化物を用いるこ
とができる。コバルトの酸化物を用いると青色系にな
り、マンガンの酸化物を用いるとピンク色系になり、ニ
ッケルの酸化物を用いると青色系になり、クロムの酸化
物を用いると赤色系になる。着色剤の水溶液をセラミッ
ク部材に含浸させる場合の着色剤としては、コバルト、
マンガン、ニッケル、クロムもしくはバナジウムのうち
のいずれか一種もしくは複数種の金属塩、または銅(酢
酸銅)などを用いることができる。金属塩としては硝酸
塩が好適である。コバルトの金属塩を用いると黄色系も
しくは緑色系になり、クロムの金属塩を用いると赤色系
になり、バナジウムの金属塩を用いると茶色系もしくは
緑色系になり、銅(酢酸銅)を用いると茶色系になる。 【0014】次に、透光性セラミック部材1の被着部材
4との当接部に、バルサムで粘度を持たせたオイルで溶
いた陶芸用の上絵具を塗布し、乾燥後電気炉で上絵具の
通常の焼付温度条件で焼成して融着させることにより、
有色層2を形成する。この有色層2を形成するための上
絵具としては、従来から陶器や磁器などに用いられてい
るものをそのまま適用することができる。すなわち、陶
芸用の上絵具はあらゆる色が豊富に市販されており、所
望の色調のものを容易に得ることができる。市販の上絵
具について、例えば白色の上絵具の組成はPb、Si、
Al、Na、K、Bなどの酸化物を主成分とするガラス
フリットに白色の顔料としてSn酸化物を15〜20重
量%添加したもので、透光性セラミック部材1に塗布し
た後、通常は電気炉で200℃/時間で昇温し、820
℃×20分で焼成して自然冷却する。 【0015】また、この有色層2は不透明な釉薬で形成
してもよい。このような釉薬としては、シリカ(SiO
2 )を主成分とし、アルミナ(Al2 O3 )、リチア
(Li2 O)、酸化ホウ素(B2 O3 )、酸化ナトリウ
ム(NaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化カリウム
(K2 O)、酸化カルシウム(CaO)、マグネシア
(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)などのうちの複数種を
含む混合物から成る。また、着色剤としては、白色系は
酸化ジルコニウムや酸化スズ、緑色系は酸化銅、青色系
は酸化コバルト、黄色系は重クロム酸カリや酸化アンチ
モン、茶色系は酸化鉄、紫色系は二酸化マンガン、赤色
系は塩化金やセレン赤などが用いられる。この釉薬は、
乳鉢などを用いて釉薬粉末(フリット)と着色剤を少量
のバインダー(糊料)と共に水で練り、塗布しやすい粘
度に水で調整し、これを筆に含ませて透光性セラミック
部材1の被着部材4との当接部に塗布する。乾燥後、は
み出た釉薬粉末は布で拭い取る。次に、釉薬が熔ける温
度で焼成し融着させることにより有色層2を形成する。
釉薬が熔ける温度は通常、800〜1250℃である。 【0016】このようにして、上述の透光性セラミック
部材1の基調色に近い(同色系)陶芸用の上絵の具もし
くは釉薬を適宜選択して有色層2とする。 【0017】次に、この有色層2上に接着剤3を塗布
し、被着部材4を接着する。本発明に係る透光性セラミ
ック部材の接着方法では、接着剤3の色調に制約を受け
ないので、広く市販品のなかから選ぶことができる。中
でもエポキシ系とシリコンゴム系の接着剤は被着部材4
の材質を問わず好適に用いることができる。 【0018】 【発明の効果】以上のように、本発明に係る透光性セラ
ミック部材の接着方法によれば、セラミック部材の基調
色に近い上絵具ないしは不透明な釉薬などからなる有色
層を形成したうえで被着部材に接着することから、透光
性セラミック部材を通してこの接着部分を見た場合、セ
ラミック部材の基調色に近い彩色の有色層を見て、被着
部材や接着剤を視認することがない。もって透光性セラ
ミック部材の美観を損なうことのない器物や装飾品を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る透光性セラミック部材の接着方
法の一実施例を示す断面図である。 【符号の説明】 1・・・透光性セラミック部材、2・・・有色層、3・
・・接着剤、4・・・被着部材。
法の一実施例を示す断面図である。 【符号の説明】 1・・・透光性セラミック部材、2・・・有色層、3・
・・接着剤、4・・・被着部材。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 37/00 - 37/02
C04B 41/87
C03C 27/10
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 透光性セラミック部材を接着剤で被着部
材に接着する透光性セラミック部材の接着方法におい
て、前記透光性セラミック部材が被着部材に接着される
部位に、この透光性セラミック部材の基調色に近い上絵
具もしくは不透明な釉薬を焼き付けた有色層を設け、こ
の有色層と被着部材との間に接着剤を介在させて透光性
セラミック部材を被着部材に接着することを特徴とする
透光性セラミック部材の接着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26364594A JP3393716B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 透光性セラミック部材の接着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26364594A JP3393716B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 透光性セラミック部材の接着方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08119762A JPH08119762A (ja) | 1996-05-14 |
JP3393716B2 true JP3393716B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=17392362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26364594A Expired - Fee Related JP3393716B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 透光性セラミック部材の接着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3393716B2 (ja) |
-
1994
- 1994-10-27 JP JP26364594A patent/JP3393716B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08119762A (ja) | 1996-05-14 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090131 Year of fee payment: 6 |
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