JP3392971B2 - 可変容量型斜軸式液圧回転機 - Google Patents

可変容量型斜軸式液圧回転機

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JP3392971B2
JP3392971B2 JP04912295A JP4912295A JP3392971B2 JP 3392971 B2 JP3392971 B2 JP 3392971B2 JP 04912295 A JP04912295 A JP 04912295A JP 4912295 A JP4912295 A JP 4912295A JP 3392971 B2 JP3392971 B2 JP 3392971B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えば土木・建設機械
またはその他の一般機械等に油圧ポンプ、油圧モータと
して好適に用いられる可変容量型斜軸式液圧回転機に関
する。 【0002】 【従来の技術】油圧機器の油圧源としての油圧ポンプ
や、駆動源としての油圧モータ等に用いられる液圧回転
機のうち、斜軸式の容量可変機構を備えた可変容量型斜
軸式液圧回転機が知られている。 【0003】そこで、図7に従来技術の可変容量型斜軸
式液圧回転機として可変容量型斜軸式の油圧ポンプを例
に挙げて示す。 【0004】図において、1は筒状のケーシングで、該
ケーシング1は、一端側が軸受部分となった略円筒状の
ケーシング本体1Aと、該ケーシング本体1Aの他端側
を閉塞したヘッドケーシング1Bとから構成されてい
る。 【0005】2はケーシング本体1A内に回転可能に設
けられた回転軸、3はケーシング本体1A内に位置して
該回転軸2と共に回転するシリンダブロックで、該シリ
ンダブロック3にはその軸方向に複数のシリンダ4が穿
設されている。そして、該各シリンダ4内にはそれぞれ
ピストン5が摺動可能に設けられ、該各ピストン5には
コネクティングロッド6が取付けられている。 【0006】また、該各コネクティングロッド6の先端
には球形部6Aが形成され、該各球形部6Aは回転軸2
の先端に形成されたドライブディスク7に揺動自在に支
持されている。ここで、シリンダブロック3は後述の弁
板8と共に回転軸2に対し傾転量としての傾転角θをも
って配設され、この傾転角θによってポンプ容量が決定
される。 【0007】8は弁板を示し、該弁板8はその一側端面
にシリンダブロック3が摺接し、弁板8の他側端面はヘ
ッドケーシング1Bに形成された凹湾曲状の傾転摺動面
9に摺動可能に摺接している。また、該弁板8の中心に
は貫通孔8Aが穿設され、該貫通孔8Aには後述するセ
ンタシャフト10と揺動ピン15の各先端部が両側から
それぞれ挿入されている。そして、該弁板8にはシリン
ダブロック3の回転時に各シリンダ4と間歇的に連通す
る一対の給排ポート(図示せず)が穿設され、ヘッドケ
ーシング1Bの傾転摺動面9に開口する一対の給排通路
(図示せず)はこれらの給排ポートに弁板8の傾転位置
(傾転角θ)の如何に拘らず連通するようになってい
る。 【0008】10はドライブディスク7と弁板8との間
でシリンダブロック3を支持するためのセンタシャフト
で、該センタシャフト10の一端側には球形部10Aが
形成され、該球形部10Aはドライブディスク7の軸中
心位置に揺動自在に支持されている。一方、前記シリン
ダブロック3の中心を貫通して突出したセンタシャフト
10の他端側は弁板8の貫通孔8A内に摺動可能に挿入
され、シリンダブロック3を弁板8に対してセンタリン
グするようになっている。 【0009】11は傾転摺動面9に沿って弁板8を傾転
させる傾転機構で、該傾転機構11はヘッドケーシング
1B内に形成され、軸方向両端側に油通孔12A,12
Bを有したシリンダ室12と、該シリンダ室12内に摺
動可能に挿嵌され、該シリンダ室12内に液圧室13
A,13Bを画成したサーボピストン14と、基端側が
該サーボピストン14に固着され、先端側が球形状先端
部15Aとなって弁板8の貫通孔8Aに揺動可能に挿嵌
された揺動ピン15とから構成されている。 【0010】16は傾転機構11を介して弁板8を傾転
制御する制御部で、該制御部16はヘッドケーシング1
Bの外側に設けられ、パイロットポンプから給排される
圧油量(パイロット圧)をフィードバック制御する絞り
切換弁(いずれも図示せず)を備えている。そして、こ
の絞り切換弁にはスリーブ(図示せず)が設けられ、こ
のスリーブとサーボピストン14とは、ヘッドケーシン
グ1Bの長孔1Cに挿通されたフィードバックピン17
によって一体的に連結されている。 【0011】ここで、該制御部16の絞り切換弁を操作
レバー等で切換操作すると、このときの切換操作量に応
じた圧油(パイロット圧)が前記パイロットポンプから
前記油通孔12A,12Bを介して傾転機構11の液圧
室13A,13B内に給排され、該液圧室13A,13
B間の圧力差でサーボピストン14を摺動変位させるこ
とにより、該サーボピストン14は揺動ピン15を介し
て弁板8およびシリンダブロック3を傾転角θをもって
矢示A方向に傾転させる。そして、前記絞り切換弁のス
リーブはサーボピストン14の変位に追従して変位する
ことにより、前記パイロットポンプからの圧油量をフィ
ードバック制御し、サーボピストン14の変位量を絞り
切換弁の切換操作量に対応させた状態に保持する。 【0012】従来技術による可変容量型斜軸式の油圧ポ
ンプは上述の如き構成を有するもので、次にその作動に
ついて述べる。 【0013】まず、傾転機構11によりシリンダブロッ
ク3を弁板8と共に矢示A方向に傾転角θをもって傾転
させる場合には、制御部16で制御されたパイロットポ
ンプからの圧油(パイロット圧)を傾転機構11の油通
孔12A,12B等を介して液圧室13A(13B)に
給排し、これによりサーボピストン14をシリンダ室1
2内で摺動変位させる。そして、該サーボピストン14
は揺動ピン15と一体的に変位することにより、弁板8
を傾転摺動面9上で摺動させつつ傾転し、シリンダブロ
ック3も共に傾転する結果、シリンダブロック3の回転
中心は回転軸2の回転中心に対し傾転角θをもって、例
えば最小傾転位置から最大傾転位置へと傾転し図示の状
態となる。 【0014】次に、エンジン等の駆動源によって回転軸
2を回転駆動すると、回転軸2のドライブディスク7と
シリンダブロック3の各シリンダ4に挿入した各ピスト
ン5との間はそれぞれコネクティングロッド6で連結さ
れているから、回転軸2と共にシリンダブロック3が回
転せしめられ、該シリンダブロック3の回転によって各
ピストン5はシリンダ4内を往復動する。そして、各ピ
ストン5がシリンダ4内から後退(伸長)する時は給排
通路から給排ポートを介してシリンダ4内に作動油を吸
入する吸入行程となり、ピストン5がシリンダ4内に進
入(縮小)する時は該シリンダ4内の作動油を加圧し、
給排ポートを介して給排通路から吐出させる吐出行程と
なる。 【0015】かくして、回転軸2を外部から回転駆動し
て各ピストン5を各シリンダ4内で往復動させることに
より、各ピストン5の吸入行程で各シリンダ4内に吸入
した作動油を吐出行程で加圧し、高圧の圧油を油圧配管
内に吐出させる。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、弁板8が傾転摺動面9上を摺動するときに
該弁板8は円弧運動を行なうのに対し、サーボピストン
14はシリンダ室12内で上下に直線運動を行なうか
ら、傾転機構11で弁板8を傾転するときには、サーボ
ピストン14に固定された揺動ピン15の球形状先端部
15Aが弁板8の貫通孔8A内で揺動または摺動するよ
うになる。そして、該揺動ピン15の先端部15Aを貫
通孔8A内で円滑に揺動または摺動させるためには、揺
動ピン15の先端部15Aと貫通孔8Aとの間に少なく
とも若干の隙間を設ける必要があり、油圧ポンプを長時
間稼働して弁板8等の傾転を繰返すうちに、この隙間は
摩耗によって徐々に拡大してしまう。 【0017】このため、従来技術では、弁板8の貫通穴
8Aと揺動ピン15の先端部15Aとの間に前記隙間に
よるガタが生じるようになり、このガタによって弁板8
の実際の傾転位置と、揺動ピン15を介してフィードバ
ックピン17で検出する弁板8の位置とに誤差が生じ、
フィードバックピン17を介した制御部16の追従精度
が悪くなって、制御部16によるフィードバック制御時
の性能が著しく低下するという欠点がある。 【0018】また、弁板8の傾転角θを制御部16に伝
達するフィードバックピン17は弁板8を傾転させるサ
ーボピストン14に直接固定され、サーボピストン14
の変位量とフィードバックピン17の変位量とが同一と
なるように、制御部16をヘッドケーシング1Bの外側
面に設けているから、この制御部16がケーシング1か
ら後方に大きく突出し全体が大型化してしまい、コンパ
クトにすることができないという欠点がある。 【0019】これに対し、本出願人は上記欠点を解決す
るため、先に実願昭59−103891号(実公平4−
41257号公報)において、ケーシングの上部側に制
御部を設け、該制御部と弁板との間をケーシング内に延
びるリンク等で連結することにより、弁板の傾転量(傾
転角θ)を傾転機構を介して間接的にフィードバックす
るのではなく、弁板から傾転角θを直接的にフィードバ
ックできるようにし、制御部の応答性や弁板に対する追
従精度等を高めると共に、装置全体の小型化を図るよう
にした可変容量型斜軸式液圧回転機(以下、他の従来技
術という)を提案した。 【0020】しかし、これらの液圧回転機を可変容量型
の油圧ポンプとして用いる場合に、最近の傾向としては
ポンプ容量をより高精度に制御することが要求されてお
り、このためには弁板の傾転角θまたは傾転量を常にモ
ニタ(監視)できるように、別途に傾転量検出手段を設
ける必要が生じている。然るに、これらの液圧回転機に
傾転量検出手段を追加すると、全体の構造がさらに複雑
化するばかりでなく、装置が大型化しコンパクトに形成
することが難しくなるという問題がある。 【0021】そこで、本発明者等は上記問題を解決すべ
く、先に特願平5−346168号により、基端側が弁
板に連結されたリンク機構と、該リンク機構の先端側に
常時当接するロッドを有し、弁板の傾転に伴うリンク機
構の先端側が変位するときにその変位量を検出する傾転
量検出手段とを備え、リンク機構先端側の変位量を検出
することにより弁板の傾転角θを直接的に取出せるよう
にした可変容量型斜軸式液圧回転機を提案している。 【0022】しかし、特願平5−346168号におい
て提案した可変容量型斜軸式液圧回転機では、傾転量検
出手段のロッドとリンク機構の先端側とが点接触してい
るため、このロッドとリンク機構の先端側との当接部が
摩耗を生じ易く、傾転量検出手段が検出するリンク機構
先端側の変位量と、弁板の傾転角θに対応した実際のリ
ンク機構先端側の変位量との間に誤差が生じてしまい、
弁板の傾転角θに対応する精度の高いフィードバック制
御を長期に亘って行うことができなくなるという未解決
な問題がある。 【0023】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、傾転量検出手段を設けた場合でも、全体
の構造が複雑化するのを防止でき、小型化を図ることが
できる上に、傾転量検出手段により傾転角に対する精度
の高いフィードバック制御を長期に亘って行えるように
した可変容量型斜軸式液圧回転機を提供することを目的
としている。 【0024】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による可変容量型斜軸式液圧回転機は、端面
がヘッドケーシングによって閉塞された筒状のケーシン
グと、該ケーシング内に回転可能に設けられ、該ケーシ
ング内の先端がドライブディスクとなった回転軸と、該
回転軸と共に回転するように前記ケーシング内に設けら
れ、軸方向に複数のシリンダが形成されたシリンダブロ
ックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に摺動可能
に設けられ、コネクティングロッドを介して前記回転軸
のドライブディスクに揺動可能に支持された複数のピス
トンと、一側端面が前記シリンダブロックに摺接し、他
側端面が前記ヘッドケーシングの傾転摺動面に摺動可能
に摺接する弁板と、該弁板と共にシリンダブロックを傾
転させる傾転機構とからなる。 【0025】そして、本発明が採用する構成の特徴は、
傾転機構に傾転制御用の圧油を給排するため、弁板の最
小傾転側に位置してケーシングに設けられた制御部と、
該制御部とケーシングとの間に支持ピンを介して回動可
能に設けられ、先端側が該制御部側に突出する検出部と
なり、基端側が前記ケーシング内に突出する連結部とな
ったフィードバックリンクと、先端側が該フィードバッ
クリンクの連結部に回動可能に連結され、基端側が前記
弁板に回動可能に取付けられた揺動リンクと、前記弁板
の傾転量を比例的に減少させた状態で前記制御部にフィ
ードバックするため、前記フィードバックリンクの検出
部途中で前記支持ピンから寸法rとなる位置に設けられ
た出力ピンと、前記制御部の外側に設けられ、前記支持
ピンから前記寸法rよりも大きい寸法Lとなる位置で
記検出部に常時接触することにより前記フィードバック
リンクの回動変位に追従する検出ロッドを有し、該検出
ロッドの変位量を検出することにより前記弁板の傾転量
を取出す傾転量検出手段とを備え、該傾転量検出手段の
検出ロッドには、基端側が該検出ロッドに対して回動可
能な球面継手部となり、先端側が前記フィードバックリ
ンクの検出部に常時摺接する摺動面部となったシュー部
材を設けたことにある。 【0026】 【作用】上述のように、ケーシングと制御部との間には
支持ピンを介してフィードバックリンクを設けると共
に、該フィードバックリンクの連結部に先端側が連結さ
れた揺動リンクの基端側を弁板に検出ピンを介して取付
けているから、前記弁板の傾転量を揺動リンクを介した
フィードバックリンクの回動変位量として直接的に取出
すことができる。そして、前記フィードバックリンクの
検出部にはその途中で支持ピンから寸法rとなる位置に
出力ピンを設けているから、前記弁板に対する揺動リン
クの取付部位からシリンダブロックの傾転中心までの寸
法Rと、支持ピンから出力ピンまでの寸法rの比とし
て、弁板の傾転量を比例的に減少させた状態で、制御部
に出力することができる。 【0027】さらに、傾転量検出手段は、前記支持ピン
から前記寸法rよりも大きい寸法Lとなる位置で前記検
出部に常時接触することにより前記フィードバックリン
クの回動変位量を取出す構成となっているから、前記支
持ピンから出力ピンまでの寸法rに対する前記検出部の
先端までの寸法Lの比として、前記フィードバックリン
クの回動変位量を比例的に大きくして取出すことがで
き、前記弁板の傾転量をより正確に検出することができ
る。 【0028】しかも、フィードバックリンクの検出部は
シュー部材の摺動面部と面接触し、該シュー部材と傾転
量検出手段の検出ロッドとは球面継手部を介して面接触
するから、傾転量検出手段の検出ロッドとフィードバッ
クリンクの検出部とが局部的に摩耗してしまうのを長期
に亘って防止でき、摩耗による検出誤差をなくすことが
できる。 【0029】 【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図6に基
づき説明する。なお、実施例では前述した図7に示す従
来技術と同一構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略するものとする。 【0030】図中、21は本実施例による可変容量型斜
軸式の油圧ポンプ、22は該油圧ポンプ21のケーシン
グで、該ケーシング22は従来技術で述べたケーシング
1とほぼ同様に、筒状のケーシング本体22Aとヘッド
ケーシング22Bとから構成されているものの、該ケー
シング22には開口部22Cが形成されている。ここ
で、該開口部22Cはシリンダブロック3または弁板8
の最小傾転側に位置するように、ケーシング本体22A
の周胴部上側に開口している。 【0031】23は傾転機構11の制御部で、該制御部
23は、ケーシング22の開口部22Cを施蓋するよう
にケーシング本体22Aの周胴部上側に設けられた筐体
24と、該筐体24内に設けられた後述の絞り切換弁3
8とから構成されている。 【0032】25は弁板8の傾転量(傾転角θ)を制御
部23にフィードバックさせるフィードバック機構とし
てのリンク機構で、該リンク機構25は図1および図2
に示すように、シリンダブロック3の傾転中心Oから寸
法Rの位置で弁板8の左右両側面に回動可能に取付けら
れた一対の検出ピン26,26と、下端側がシリンダブ
ロック3を跨ぐように円弧状となって二又に分岐し、そ
れぞれの端部が該各検出ピン26を介して弁板8に取付
けられた揺動リンク27と、後述のフィードバックリン
ク28とから大略構成されている。 【0033】28はリンク機構25の一部を構成するフ
ィードバックリンクを示し、該フィードバックリンク2
8は図2に示すように制御部23の筐体24とケーシン
グ本体22Aとの間でケーシング22の開口部22C内
に支持ピン29を介して回動可能に取付けられている。
そして、該フィードバックリンク28の下端側は開口部
22Cからケーシング22内に突出して二又状の連結部
28Aとなり、該連結部28Aは連結ピン30を介して
揺動リンク27の上端に回動可能に連結されている。ま
た、該フィードバックリンク28の上端側は、図3に示
すように制御部23の筐体24内を上向きに突出する検
出部28Bとなり、該検出部28Bの先端側は後述する
センサケース32内へと延びている。 【0034】ここで、フィードバックリンク28は、弁
板8の傾転動作に対する応答性をよくするため、例えば
アルミニウム材からダイカスト等により連結部28A,
検出部28Bが一体形成され、全体が軽量化されてい
る。 【0035】31はフィードバックリンク28の検出部
28B中間部位に固着された出力ピンで、該出力ピン3
1は後述する絞り切換弁38のスリーブ38Aに連結さ
れている。ここで、該出力ピン31は前記支持ピン29
の中心から寸法rの位置でフィードバックリンク28の
検出部28B途中に設けられ、この寸法rは前記シリン
ダブロック3の傾転中心Oから検出ピン26までの寸法
Rに対して比例的に減少している。また、フィードバッ
クリンク28における後述のシュー部材34が当接する
部位から支持ピン29までの寸法Lは前記寸法rに比較
して2倍前,後となっており、フィードバックリンク2
8の回動変位量を比例的に大きくして傾転量センサ33
から取出しうるようにしている。 【0036】32は制御部23の筐体24上に設けられ
たセンサケースで、該センサケース32には、フィード
バックリンク28の検出部28B先端側が突出する検出
室32Aと、該検出室32Aに開口し後述の傾転量セン
サ33が取付けられるセンサ取付穴32Bとが形成さ
れ、検出室32Aはプラグ32Cにより閉塞されてい
る。 【0037】33は該センサケース32に設けられた傾
転量検出手段としての傾転量センサを示し、該傾転量セ
ンサ33は、センサケース32のセンサ取付穴32Bに
螺着されたセンサ本体33Aと、基端側が該センサ本体
33A内に摺動可能に挿入され、先端側がセンサケース
32の検出室32A内に突出した検出ロッド33Bと、
該検出ロッド33Bの基端側に設けられたマグネット等
の被検出体33C、およびセンサ本体33A内に設けら
れ、該被検出体33Cの変位量を検出する検出部33D
等とから構成されている。 【0038】ここで、検出ロッド33Bは、例えばステ
ンレス鋼等の非磁性材料により形成され、その軸方向中
間部位にはセンサケース32のセンサ取付穴32B内を
摺動する大径円板状のばね受板33Eが一体的に設けら
れ、先端側には後述のシュー部材34の球状凹部34A
と共に球面継手部を構成する球状凸部33Fが形成され
ている。 【0039】34は検出ロッド33Bの先端側に設けら
れたシュー部材を示し、該シュー部材34の基端側は、
検出ロッド33B先端側に形成された球状凸部33Fに
回動可能に嵌合し、該球状凸部33Fと共に球面継手部
を構成する球状凹部34Aとなり、先端側はフィードバ
ックリンク28の検出部28Bに摺接し、該検出部28
Bの回動変位に応じて図3中の矢印M方向に摺動する平
滑な摺動面部34Bとなっている。 【0040】35はセンサ取付穴32B内に設けられ、
その中心孔に検出ロッド33Bが軸方向に摺動可能に挿
通された軸受で、該軸受35はばね受板33Eと協働し
て検出ロッド33Bがセンサ取付穴32B内で傾くのを
規制するものである。36は検出ロッド33Bのばね受
板33Eと軸受35との間に縮装された圧縮ばねで、該
圧縮ばね36は、検出ロッド33Bをセンサケース32
の検出室32A側に常時付勢しており、シュー部材34
の摺動面部34Bは、センサケース32の検出室32A
内において、圧縮ばね36の付勢力に応じた圧力をもっ
てフィードバックリンク28の検出部28Bに常時当接
している。 【0041】従って、傾転量センサ33は、弁板8の傾
転動作に伴ってフィードバックリンク28の検出部28
Bが回動変位したときに、検出ロッド33Bと共に軸方
向に変位する被検出体33Cの変位量を検出部33Dに
より検出することにより、フィードバックリンク28の
回動変位を弁板8の傾転角θとして検出するようになっ
ている。 【0042】ここで、フィードバックリンク28の検出
部28Bと検出ロッド33Bとの間にはシュー部材34
が介在しており、フィードバックリンク28の検出部2
8Bはシュー部材34の摺動面部34Bと面接触し、か
つ、検出ロッド33Bとシュー部材34とは球状凸部3
3Fと球状凹部34Aとを介して面接触しているから、
検出ロッド33Bとフィードバックリンク28の検出部
28Bとの当接部が局部的に摩耗してしまうのを長期に
亘って防止できるようになっている。 【0043】37はセンサケース32に傾転量センサ3
3を締着したロックナットを示し、該ロックナット37
は傾転量センサ33の外周側に螺合し、例えば傾転量セ
ンサ33をセンサケース32から適宜に進退させ、検出
部33Dに対する被検出体33Cの位置調整(零点調
整)等を行った後に、傾転量センサ33をセンサケース
32に位置決めするようになっている。 【0044】次に、38は制御部23の筐体24内に設
けられた絞り切換弁で、該絞り切換弁38はパイロット
ポンプ39、タンク40と傾転機構11のシリンダ室1
2との間に位置して管路41A,41Bの途中に設けら
れ、パイロットポンプ39からの圧油(パイロット圧)
をフィードバック制御するスリーブ38Aと、該絞り切
換弁38のスプール(図示せず)を常時に中立位置に向
けて付勢する弁ばね38Bと、該弁ばね38Bに抗して
絞り切換弁38のスプールを切換操作する油圧パイロッ
ト部38Cとを備えている。 【0045】ここで、該絞り切換弁38のスリーブ38
Aは前記リンク機構25のフィードバックリンク28に
出力ピン31を介して連結され、弁板8の傾転がリンク
機構25を介して伝えられることにより、このときの傾
転角θに対応する変位量をもって摺動変位する。そし
て、絞り切換弁38は後述の減圧弁43を介してパイロ
ットポンプ39からのパイロット圧が油圧パイロット部
38Cに供給されると、このパイロット圧に応じて中立
位置から左,右の切換位置に切換られ、パイロットポン
プ39からの圧油を管路41A,41Bを介してサーボ
ピストン14の液圧室13A,13Bに給排し、サーボ
ピストン14によって弁板8をシリンダブロック3と共
に傾転駆動させる。 【0046】このときに、絞り切換弁38のスリーブ3
8Aは弁板8の傾転に追従して変位することにより、弁
板8の傾転角θが油圧パイロット部38Cに供給された
パイロット圧に対応した傾転量となるように、パイロッ
トポンプ39から液圧室13A,13Bに給排される圧
油量をフィードバック制御し、前記パイロット圧が変化
するまでは弁板8の傾転角θを一定に保持するようにな
っている。 【0047】42は絞り切換弁38の油圧パイロット部
38Cとパイロットポンプ39との間を接続するパイロ
ット管路、43は該パイロット管路42の途中に設けら
れた電磁比例式の減圧弁を示し、該減圧弁43は電磁比
例式のソレノイド部43Aを備え、後述のコントローラ
46から出力される制御信号Ip の電流値に応じてその
設定圧が可変に制御される。そして、該減圧弁43はそ
の設定圧に基づいてパイロットポンプ39から絞り切換
弁38の油圧パイロット部38Cに供給するパイロット
圧を変化させ、このパイロット圧に応じて絞り切換弁3
8を中立位置から左,右の切換位置に切換えさせる。 【0048】44は指令装置を示し、該指令装置44は
オペレータによる指令操作または油圧ポンプ21の吐出
圧等に応じて油圧ポンプ21の目標傾転角θp を指令す
る傾転角指令θsoを出力する。 【0049】45は選択スイッチを示し、該選択スイッ
チ45はオペレータによってON−OFF操作され、油
圧ポンプ21から吐出される圧油の吐出量を制限すべ
く、目標制限傾転角θpb(制限傾転角θsb)を出力す
る。ここで、この目標制限傾転角θpbは油圧ポンプ21
の弁板8等を傾転させるときに、例えば図5に示すよう
に弁板8の傾転可能な最大傾転角θmax に対して、 【0050】 【数1】θpb=0.8×θmax として設定されている。そして、選択スイッチ45がO
N操作されたときには、コントローラ46により弁板8
等の傾転角θを目標制限傾転角θpb以下に制限させる。 【0051】46はマイクロコンピュータ等によって構
成されたコントローラを示し、該コントローラ46はそ
の入力側が傾転量センサ33、指令装置44および選択
スイッチ45等に接続され、出力側が減圧弁43のソレ
ノイド部43A等に接続されている。そして、該コント
ローラ46はその記憶回路内に図6に示すプログラム等
を格納し、油圧ポンプ21の実際の傾転角θに基づいた
傾転角制御処理等を行うようになっている。また、該コ
ントローラ46の記憶回路にはその記憶エリア46A内
に、図5に例示する傾転角制御マップ、制限傾転角θsb
および不感帯領域を設定するヒステリシス値k等が格納
されている。 【0052】本実施例は上述の如く構成されており、可
変容量型斜軸式の油圧ポンプ21としての基本的作動に
ついては前述した従来技術によるものと格別差異はな
い。 【0053】そこで、本実施例の特徴であるコントロー
ラ46による油圧ポンプ21の傾転角制御処理について
図5、図6を参照して説明する。 【0054】まず、処理動作がスタートすると、ステッ
プ1で指令装置44からの傾転角指令θsoを読込み、ス
テップ2に移って傾転量センサ33から現在の傾転角θ
(実傾転角θ)を読込む。そして、ステップ3では選択
スイッチ45がON操作されているか否かを判定し、
「NO」と判定したときには選択スイッチ45がOFF
状態であるから、ステップ4に移って選択スイッチ後の
傾転角指令θs に前記傾転角指令θsoが入る。 【0055】また、前記ステップ3で「YES」と判定
したときには選択スイッチ45がON操作されているか
ら、ステップ5に移ってこのときの傾転角指令θsoが目
標制限傾転角θpbに該当する制限傾転角θsb(θsb=θ
pb)以上となっているか否かを判定する。そして、ステ
ップ5で「YES」と判定したときには、ステップ6に
移って選択スイッチ後の傾転角指令θs に制限傾転角θ
sbが入る。これによって傾転角指令θs に上限を設定す
ることができる。例えば最大傾転角θmax の80%に制
限され、油圧ポンプ21の最大吐出量を制限することに
より、走行用油圧モータ(図示せず)の最高回転数を制
限したり、作業用油圧シリンダ(図示せず)の作動速度
を制限したりして、操作性や安全性を向上できるように
なる。 【0056】一方、ステップ5で「NO」と判定したと
きには、このときの傾転角指令θsoが制限傾転角θsbよ
りも小さいから、ステップ4に移って選択スイッチ後の
傾転角指令θs に前記傾転角指令θsoが入る。 【0057】次に、前述のようにステップ4またはステ
ップ6で選択スイッチ後の傾転角指令θs が決定される
と、ステップ7に移って選択スイッチ後の傾転角指令θ
s と実傾転角θとの傾転角差Δθを、 【0058】 【数2】Δθ=θs −θ として演算する。そして、ステップ8に移って、この傾
転角差Δθがヒステリシス値k以下となっているか否か
を判定する。 【0059】ここで、ヒステリシス値kとは傾転角指令
θs と実傾転角θとが実質的に一致しているか否かを判
定するための不感帯領域を設定するもので、ヒステリシ
ス値kを零(k=0)とすると、ハンチング等の不具合
が生じる場合があり、通常は精度に影響のない小さな値
を入れている。 【0060】そして、ステップ8で「YES」と判定し
たときには、傾転角指令θs と実傾転角θとが実質的に
一致しているから、ステップ9に移ってこのときの傾転
角指令θs を、 【0061】 【数3】θp ←θs として目標傾転角θp を設定する。 【0062】また、ステップ8で「NO」と判定したと
きには、ステップ10に移って傾転角差Δθが零(Δθ
>0)より大きいか否かで傾転角差Δθの符号判定を行
う。そして、ステップ10で「YES」と判定したとき
には、傾転角差Δθが正の値であって傾転角指令θs が
実傾転角θよりも大きい場合であるから、ステップ11
に移って実傾転角θを大きくする方向で傾転角指令θs
を補正するように、目標傾転角θp を、 【0063】 【数4】θp =θs +Δθ として算定する。 【0064】一方、ステップ10で「NO」と判定した
ときには、傾転角差Δθが負の値であって傾転角指令θ
s が実傾転角θよりも小さい場合であるから、ステップ
12に移って実傾転角θを小さくする方向で傾転角指令
θs を補正するように、目標傾転角θp を、 【0065】 【数5】θp =θs −Δθ として算定する。 【0066】次に、前述の如くステップ9、ステップ1
1またはステップ12で目標傾転角θp が決定される
と、ステップ13に移って目標傾転角θp に基づいた制
御信号Ip を図5に示す傾転角制御マップから求め、こ
の制御信号Ip を電流値として減圧弁43のソレノイド
部43Aに出力し、ステップ14でリターンする。 【0067】かくして、上述の制御処理を繰返すことに
より、傾転角差Δθは小さくなっていき、傾転角指令θ
s と実傾転角θとが実質的に一致させることができる。
つまり、減圧弁43の設定圧は制御信号Ip に応じて可
変に制御され、パイロットポンプ39から絞り切換弁3
8の油圧パイロット部38Cにはこの設定圧に対応した
パイロット圧が供給される。この結果、絞り切換弁38
はこのときのパイロット圧に応じて中立位置から左,右
の切換位置に切換られ、パイロットポンプ39からの圧
油を管路41A,41Bを介してサーボピストン14の
液圧室13A,13Bに給排し、サーボピストン14に
より弁板8をシリンダブロック3と共に傾転駆動させ
る。 【0068】そして、油圧ポンプ21の傾転角θは前記
傾転角指令θs に対応した傾転量となり、絞り切換弁3
8のスリーブ38Aは弁板8の傾転に追従して変位し、
弁板8の傾転角θが油圧パイロット部38Cに供給され
たパイロット圧に対応した傾転量となるように、パイロ
ットポンプ39から液圧室13A,13Bに給排される
圧油量をフィードバック制御する。この結果、弁板8の
傾転角θは前記パイロット圧が変化するまで前記傾転角
指令θs に対応した角度に保持され、油圧ポンプ21か
らはこのときの傾転角θに対応した流量の圧油が吐出さ
れる。 【0069】而して、本実施例によれば、油圧ポンプ2
1のケーシング22上に制御部23の筐体24およびセ
ンサケース32を介して傾転量センサ33を設け、該傾
転量センサ33によりフィードバックリンク28の回動
変位量を弁板8の傾転角θとして取出すようにしたか
ら、傾転量センサ33によって弁板8の傾転角θを常に
モニタ(監視)でき、油圧ポンプ21のポンプ容量をよ
り高精度に制御することが可能となると共に、流量制限
機能等の付加機能が、ソフトの変更だけで対応できる。 【0070】即ち、前述の傾転角制御処理で述べたよう
に、指令装置44から読込んだ傾転角指令θs (傾転角
指令θso)と傾転量センサ33から読込んだ実傾転角θ
とから、前記数2の式の如く傾転角差Δθを演算し、こ
の傾転角差Δθにより傾転角指令θs を補正し、目標傾
転角θp を算出しているから、実際の傾転角θに基づい
て目標傾転角θp をフィードバック制御することがで
き、ポンプ容量を高精度に制御できる。 【0071】そして、オペレータが選択スイッチ45を
ON操作したときには、コントローラ46により弁板8
等の実際の傾転角θを、目標制限傾転角θpb(制限傾転
角θsb)以下に制限することができ、油圧ポンプ21の
最大吐出量を制限することによって、走行用油圧モータ
の最高回転数を制限したり、作業用油圧シリンダの作動
速度を制限したりして、操作性や安全性を確実に向上さ
せることができる。 【0072】また、油圧ポンプ21のケーシング22と
制御部23の筐体24との間には支持ピン29を介して
フィードバックリンク28を設けると共に、該フィード
バックリンク28の連結部28Aに上端側が連結された
揺動リンク27の下端側を弁板8に各検出ピン26を介
して取付けているから、弁板8の傾転角θを揺動リンク
27を介したフィードバックリンク28の回動変位量と
して直接的に取出すことができる。そして、フィードバ
ックリンク28の検出部28Bにはその途中に位置して
出力ピン31を設けているから、弁板8に対する揺動リ
ンク27の取付部位(検出ピン26)からシリンダブロ
ック3の傾転中心Oまでの寸法Rと、支持ピン29から
出力ピン31までの寸法rの比として、弁板8の傾転角
θとなる傾転量を比例的に減少させた状態で、制御部2
3のスリーブ38Aに出力することができる。 【0073】この結果、弁板8に設けた各検出ピン2
6、揺動リンク27およびフィードバックリンク28等
によって弁板8の傾転角θを直接的に検出することがで
き、弁板8の傾転に対する制御部23の追従制御にずれ
を生じることがなく、制御部23の応答性、追従精度お
よび制御性能等を大幅に向上させることができる。そし
て、弁板8の傾転量はシリンダブロック3の傾転中心O
から検出ピン26までの寸法Rと、支持ピン29から出
力ピン31までの寸法rとの比率を適宜設定することに
より、傾転量を減少して制御部23に伝達することがで
きるから、制御部23の絞り切換弁38およびスリーブ
38A等の設計の自由度が増し、各検出ピン26、揺動
リンク27およびフィードバックリンク28等からなる
リンク機構25および制御部23の小型化が可能にな
る。 【0074】さらに、傾転量センサ33は、シュー部材
34を介して検出ロッド33Bを常時フィードバックリ
ンク28の検出部28B先端側に当接させることによ
り、フィードバックリンク28の回動変位量を検出ロッ
ド33Bの変位量として取出す構成としたから、前記支
持ピン29から出力ピン31までの寸法rに対する検出
部28Bの先端(シュー部材34との当接部)までの寸
法Lの比として、フィードバックリンク28の回動変位
量を比例的に大きくして取出すことができ、傾転量セン
サ33によって弁板8の傾転角θをより正確に検出する
ことができると共に、傾転量センサ33を油圧ポンプ2
1の制御部23上にコンパクトに付設することができ
る。 【0075】しかも、フィードバックリンク28の検出
部28Bと検出ロッド33Bとの間にシュー部材34を
介在させ、フィードバックリンク28の検出部28Bが
シュー部材34の摺動面部34Bと面接触し、かつ、検
出ロッド33Bとシュー部材34とが球状凸部33Fと
球状凹部34Aとを介して面接触する構成としたから、
油圧ポンプ21の作動時において、フィードバックリン
ク28が弁板8の傾転動作に伴って回動変位を繰返して
も、検出ロッド33Bとフィードバックリンク28の検
出部28Bとの当接部が摩耗を生じるのを著しく低減す
ることができる。従って、傾転量センサ33が検出する
フィードバックリンク28の検出部28Bの回動変位量
と、弁板8の傾転量に対応した実際の検出部28Bの変
位量とを正確に対応させることができ、弁板8等の傾転
角θに対する精度の高いフィードバック制御を長期に亘
って行うことができる。 【0076】さらにまた、制御部23の筐体24は弁板
8の最小傾転側に位置してケーシング本体22Aの周胴
部外側に設けることができるから、当該油圧ポンプ21
を製造するに当たって設計の自由度を高めることがで
き、図7に例示した従来技術のものに比較して軸方向長
さを確実に短縮することができ、当該油圧ポンプ21を
傾転量センサ33を含めて全体を小型化することができ
る。 【0077】従って、本実施例によれば、傾転量センサ
33を設けることによって、弁板8の傾転角θを常にモ
ニタ(監視)でき、油圧ポンプ21のポンプ容量をより
高精度に制御することができる上に、傾転量センサ33
により油圧ポンプ21全体の構造が複雑化するのを防止
でき、全体をコンパクトに形成して小型化を図りうる
等、種々の効果を奏する。 【0078】なお、前記各実施例では、選択スイッチ4
5をオペレータがON操作したときには、弁板8の傾転
可能な最大の傾転角θを、実際の最大傾転角θmax に対
して80%となる目標制限傾転角θpb以下に制限するも
のとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば最大
傾転角θmax の60〜90%の範囲内で目標制限傾転角
θpbを適宜に設定するようにしてもよい。 【0079】 【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、弁板
の最小傾転側に位置してケーシングに傾転制御用の制御
部を設け、該制御部とケーシングとの間には支持ピンを
介してフィードバックリンクを設けると共に、該フィー
ドバックリンクの連結部に先端側が連結された揺動リン
クの基端側を前記弁板に検出ピンを介して取付ける構成
としているから、前記弁板の傾転量を揺動リンクを介し
たフィードバックリンクの回動変位量として直接的に取
出すことができる。そして、前記フィードバックリンク
の検出部にはその途中で支持ピンから寸法rとなる位置
出力ピンを設けているから、前記弁板に対する揺動リ
ンクの取付部位からシリンダブロックの傾転中心までの
寸法Rと、支持ピンから出力ピンまでの寸法rの比とし
て、弁板の傾転量を比例的に減少させた状態で、制御部
に出力することができ、制御部をコンパクトにすること
ができ、かつ制御部の設計の自由度を大きくできる。 【0080】また、傾転量検出手段は、前記支持ピンか
ら前記寸法rよりも大きい寸法Lとなる位置で前記検出
部に常時接触することにより前記フィードバックリンク
の回動変位量を取出すようにしているから、前記支持ピ
ンから出力ピンまでの寸法rに対する前記検出部の先端
までの寸法Lの比として、前記フィードバックリンクの
回動変位量を比例的に大きくして取出すことができ、前
記弁板の傾転量をより正確に検出することができる。そ
して、傾転量検出手段を設けることによって、弁板の傾
転量を常にモニタ(監視)することができ、当該液圧回
転機の容量をより高精度に制御することができる上に、
傾転量検出手段により全体の構造が複雑化するのを防止
でき、全体をコンパクトに形成して小型化を図りうる
等、種々の効果を奏する。 【0081】さらに、フィードバックリンクの検出部と
傾転量検出手段の検出ロッドとの間にシュー部材を設
け、フィードバックリンクの検出部がシュー部材の摺動
面部と面接触し、かつ、検出ロッドとシュー部材とが球
面継手部を介して面接触する構成としたから、液圧回転
機の作動時においてフィードバックリンクが弁板の傾転
動作に伴って回動変位を繰返しても、フィードバックリ
ンクの検出部と傾転量検出手段の検出ロッドとの当接部
が摩耗するのを効果的に防止できるから、傾転量検出手
段が検出するフィードバックリンク検出部の変位量と、
弁板の傾転量に対応した実際のフィードバックリンク検
出部の変位量とを正確に対応させることができ、弁板等
の傾転角に対する精度の高いフィードバック制御を長期
に亘って行うことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例による容量可変型斜軸式の油圧
ポンプを示す縦断面図である。 【図2】図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。 【図3】傾転量センサ等を示す図2中の矢示III−III方
向拡大断面図である。 【図4】油圧ポンプの弁板等を傾転する傾転制御用の油
圧回路図である。 【図5】コントローラの記憶エリア内に格納した傾転角
制御マップを示す説明図である。 【図6】油圧ポンプの傾転角制御処理を示す流れ図であ
る。 【図7】従来技術による容量可変型斜軸式の油圧ポンプ
を示す縦断面図である。 【符号の説明】 2 回転軸 3 シリンダブロック 4 シリンダ 5 ピストン 6 コネクティングロッド 7 ドライブディスク 8 弁板 9 傾転摺動面 11 傾転機構 21 油圧ポンプ 22 ケーシング 22A ケーシング本体 22B ヘッドケーシング 23 制御部 25 リンク機構 26 検出ピン 27 揺動リンク 28 フィードバックリンク 28B 検出部 29 支持ピン 30 連結ピン 31 出力ピン 32 センサケース 33 傾転量センサ(傾転量検出手段) 33B 検出ロッド 33F 球状凸部(球面継手部) 34 シュー部材 34A 球状凹部(球面継手部) 34B 摺動面部 38 絞り切換弁 38A スリーブ 43 減圧弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−158574(JP,U) 実開 平2−132868(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 1/24 F03C 1/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 端面がヘッドケーシングによって閉塞さ
    れた筒状のケーシングと、該ケーシング内に回転可能に
    設けられ、該ケーシング内の先端がドライブディスクと
    なった回転軸と、該回転軸と共に回転するように前記ケ
    ーシング内に設けられ、軸方向に複数のシリンダが形成
    されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シ
    リンダ内に摺動可能に設けられ、コネクティングロッド
    を介して前記回転軸のドライブディスクに揺動可能に支
    持された複数のピストンと、一側端面が前記シリンダブ
    ロックに摺接し、他側端面が前記ヘッドケーシングの傾
    転摺動面に摺動可能に摺接する弁板と、該弁板と共にシ
    リンダブロックを傾転させる傾転機構とからなる可変容
    量型斜軸式液圧回転機において、 前記傾転機構に傾転制御用の圧油を給排するため、前記
    弁板の最小傾転側に位置して前記ケーシングに設けられ
    た制御部と 制御部とケーシングとの間に支持ピンを介して回動可
    能に設けられ、先端側が該制御部側に突出する検出部と
    なり、基端側が前記ケーシング内に突出する連結部とな
    ったフィードバックリンクと 端側が該フィードバックリンクの連結部に回動可能に
    連結され、基端側が前記弁板に回動可能に取付けられた
    揺動リンクと 記弁板の傾転量を比例的に減少させた状態で前記制御
    部にフィードバックするため、前記フィードバックリン
    クの検出部途中で前記支持ピンから寸法rとなる位置
    設けられた出力ピンと 記制御部の外側に設けられ、前記支持ピンから前記寸
    法rよりも大きい寸法Lとなる位置で前記検出部に常時
    接触することにより前記フィードバックリンクの回動変
    位に追従する検出ロッドを有し、該検出ロッドの変位量
    を検出することにより前記弁板の傾転量を取出す傾転量
    検出手段とを備え 傾転量検出手段の検出ロッドには、基端側が該検出ロ
    ッドに対して回動可能な球面継手部となり、先端側が前
    記フィードバックリンクの検出部に常時摺接する摺動面
    部となったシュー部材を設けたことを特徴とする可変容
    量型斜軸式液圧回転機。
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