JP3392267B2 - スピニングリール及びその往復動装置 - Google Patents

スピニングリール及びその往復動装置

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JP3392267B2
JP3392267B2 JP23166495A JP23166495A JP3392267B2 JP 3392267 B2 JP3392267 B2 JP 3392267B2 JP 23166495 A JP23166495 A JP 23166495A JP 23166495 A JP23166495 A JP 23166495A JP 3392267 B2 JP3392267 B2 JP 3392267B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、往復動装置、特
に、スピニングリールに設けられ、ハンドルの回転装置
に伴ってスプールを往復動させるためのスピニングリー
ルの往復動装置に関する。また本発明は、前述のような
往復動装置を有するスピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にスピニングリールは、リール本体
と、リール本体に回転自在に支持されたロータと、外周
に釣り糸が巻かれるスプールとを有している。ロータ
は、1対のアーム部を有しており、両アーム部の間には
糸巻取り姿勢と糸開放姿勢との間で開閉自在なベールが
設けられている。また、一方のアーム部先端には、糸巻
取り時に巻き取られた釣り糸をスプール外周に案内する
ためのラインローラが設けられている。
【0003】このようなスピニングリールでは、ベール
及びラインローラによって案内された釣り糸を、スプー
ル外周に前後方向に均一に巻くためのレベルワインド機
構が設けられている。レベルワインド機構は、スプール
が固定されたスプール軸と平行に配置された螺軸と、螺
軸を回転するための歯車機構と、螺軸を摺動するスライ
ダーとを有している。螺軸の外周には螺旋状の溝が形成
されており、スライダーの一部がこの溝に係合してい
る。また、スライダーはスプール軸の後端に装着されて
おり、スライダーが螺軸に沿って往復動することによ
り、スプール軸及びスプールも同様に往復動する。この
ように、ハンドルの回転操作に伴ってスプールを往復動
させることにより、スプール外周に釣り糸が均一に巻か
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のレベルワインド
機構では、ハンドル1回転につき螺軸が3.5〜3.8
回転しており、このためスプールの往復動の速度が比較
的速い。したがって、スプールに対して釣り糸が前後方
向に粗く巻かれてしまい、効率良く釣り糸を巻くことが
困難である。このため、スプールに巻くことのできる釣
り糸の長さが短くなってしまう。
【0005】そこで、螺軸の溝のねじれ角度(軸線に直
交する線と溝との間の角度)を小さくして、すなわち螺
旋状の溝の螺旋ピッチを小さくしてスプールの移動速度
を低くすることが考えられる。しかし螺軸の溝の螺旋ピ
ッチを小さくすると、螺軸の溝の交差部が増加すること
となり、スライダーの一部(係合部材としてのクロスギ
ヤピン)と交差部とが接触する回数が増える。クロスギ
ヤピンと溝の交差部とが接触すると振動が発生するの
で、ハンドル回転時の感触が良くないという問題が発生
する。
【0006】本発明の課題は、スピニングリールにおい
て、釣り糸を効率良くスプールに巻くことができるよう
にすることにある。本発明の他の課題は、スピニングリ
ールにおいて、ハンドル回転時の回転フィーリングを悪
化させることなく釣り糸を効率よくスプールに巻くこと
ができるようにすることにある。
【0007】本発明のさらに他の課題は、スピニングリ
ールのリール本体を大きくすることなく、釣り糸を効率
良くスプールに巻くことができるようにすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明1に係る往復動装置
は、ハンドルの回転操作により回転させられるロータ
と、ロータの回転によって案内された釣り糸が外周に巻
き付けられるスプールと、スプールの中心部に固定され
たスプール軸とを有するスピニングリールに設けられ、
ハンドルの回転操作に伴ってスプールを往復動させるた
めの装置であり、螺軸と歯車と摺動部材とガイド軸と
有している。螺軸は、スプール軸に沿って配置され、外
周に螺旋状の溝が形成された回転自在な軸である。歯車
は、ロータに連結されるとともにハンドルからの回転力
を螺軸に伝達するために設けられ、螺軸に対する回転数
比が1.5以上である。摺動部材は、螺旋状溝に係合す
る係合部と螺軸の外周の一部にのみ対向する対向部と
有し、スプール軸に対して軸方向に固定されるとともに
螺軸の回転によりスプール軸とともに往復動する。ガイ
ド軸は、スプール軸に沿って配置され、摺動部材の往復
動を案内するためのものである。
【0009】この場合は、ハンドルを回転操作すると、
この回転力は歯車を介して螺軸に伝達される。螺軸が回
転すると、螺軸外周の螺旋状溝に係合する摺動部材は、
螺軸に沿って前後方向に往復動する。摺動部材はスプー
ル軸に対して軸方向に固定されているので、摺動部材が
往復動することにより、スプール軸及びスプールが同様
に前後方向に往復動する。これにより、スプール外周に
前後方向に均一に釣り糸が巻かれる。
【0010】ここで、歯車は螺軸に対する回転数比が
1.5以上になるように設定されている。このため、螺
軸の回転数が従来の装置に比較して低くなり、スプール
が比較的遅い速度で往復動する。したがって、より密に
スプール外周に釣り糸が巻かれることとなり、効率良く
釣り糸を巻くことができる。また、螺軸の溝のねじれ角
度を大きくする必要がないので、溝の交差部の数が増え
ることはなく、ハンドル回転時のフィーリングの劣化を
避けられる。
【0011】また、ガイド軸を設けているので摺動部材
をスムーズに往復動させることができる。したがって、
摺動部材は、螺軸の外周の全周を覆うような形状にする
必要がなく、摺動部材及びその外周を覆うリール本体を
小型化できる。発明に係る往復動装置は、発明の装
置において、前記ハンドルに固定され前記歯車と噛み合
う主歯車と、前記螺軸に固定され歯車と噛み合う中間歯
車とをさらに有している。
【0012】この場合は、ハンドルの回転は、このハン
ドルに固定された主歯車を介して一旦歯車に伝達され、
さらに歯車に噛み合う中間歯車を介して螺軸に伝達され
る。ここでは、遊星歯車等の複雑な構造を用いることな
く歯車の螺軸に対する回転数比を1.5以上にしている
ので、構造が簡単になる。発明に係る往復動装置は、
発明1又は2に記載の装置において、前記歯車の前記螺
軸に対する回転数比は、1.8〜2.5である。ここで
は、装置を大型化することなく釣り糸を効率良く巻くこ
とができる。
【0013】発明に係る往復動装置は、発明1から
のいずれかに記載の装置において、前記螺軸に形成され
た螺旋状溝のリード角が20゜〜45゜である。ここで
は、溝間の肉厚が薄くなるのが抑えられるとともに溝の
交差部の数が増えるのを抑えられ、しかも回転から直線
運動への変換効率が低下しない。発明に係るスピニン
グリールは、ハンドルが回転自在に装着されたリール本
体と、糸案内部を有しハンドルによって回転させられる
ロータと、リール本体に対して前後方向に往復動自在に
支持されたスプール軸と、スプール軸に固定され糸案内
部によって案内された釣り糸が外周に巻かれるスプール
と、スプール軸を往復動させるための往復動機構とを備
えている。そして、前記往復動機構は螺軸と歯車と摺動
部材とガイド軸とを有している。螺軸は、スプール軸に
沿って配置され、外周に螺旋状の溝が形成された回転自
在な軸である。歯車は、ロータに連結されるとともにハ
ンドルからの回転力を螺軸に伝達するために設けられ、
螺軸に対する回転比が1.5以上である。摺動部材は、
螺軸の螺旋状溝に係合する係合部と螺軸の外周の一部に
のみ対向する対向部とを有し、スプール軸に対して軸方
向に固定されるとともに螺軸の回転によりスプール軸と
ともに往復動する。ガイド軸は、スプール軸に沿って配
置され、摺動部材の往復動を案内するためのものであ
る。
【0014】ここでは、発明1と同様に、スプールが比
較的遅い速度で往復動するため、スプール外周に釣り糸
がより密に巻かれることとなり、効率良く釣り糸を巻く
ことができる。また、回転時のフィーリングの劣化を避
けられる。さらに、ガイド軸を設けているので摺動部材
をスムーズに往復動させることができる。したがって、
摺動部材は、螺軸の外周の全周を覆うような形状にする
必要がなく、摺動部材及びその外周を覆うリール本体を
小型化できる。
【0015】
〔全体構成及びリール本体の構成〕
図1〜図3に示す本発明の一実施例によるスピニングリ
ールは、ハンドル1を備えたリール本体2と、リール本
体2の前部に回転自在に支持されたロータ3と、ロータ
3の前部に配置され釣り糸を巻き取るスプール4とを備
えている。
【0016】リール本体2はボディ2aを有しており、
その上部にはスピニングリールを釣り竿に取りつけるた
めの取付け部2bが形成されている。ボディ2aの内部
には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5
と、スプール4を回転軸芯Xに沿って前後方向に移動さ
せてスプール4に釣り糸を均一に巻き取るためのレベル
ワインド機構6とが設けられている。
【0017】ロータ駆動機構5は、ハンドル1が固定さ
れた軸10とともに回転するフェースギア11と、この
フェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有し
ている。ピニオンギア12は筒状に形成されており、そ
の前部12aはロータ3の中心部を貫通してスプール4
側に延びている。そして、その先端にはねじ部が形成さ
れている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と
後端部とが、それぞれ軸受13,14を介してリール本
体2に回転自在に支持されている。
【0018】レベルワインド機構6は、スプール4の中
心部に固定されたスプール軸20を前後方向に移動させ
てスプール4を同方向に移動させるための機構である。
レベルワインド機構6は、スプール軸20の下方に配置
された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動す
るスライダー22と、螺軸21の先端に固定された中間
ギア23とを有している。螺軸21は、スプール軸20
と平行に配置されており、ボディ2aに回転自在に支持
されている。また、螺軸21の外周部には螺旋状の溝2
1aが形成されている。この溝21aのリード角θは、
20〜45゜に設定されている。なお、螺旋溝21aの
リード角θとは、溝21aの底径をD、螺軸21の1回
転で進む軸方向の長さすなわちリードをLとした場合、 リード角θ=アークcot(πD/L) で表される角度である。このリード角が20゜より小さ
い場合は溝間の肉厚が薄くなるとともに溝の交差部の数
が増加するので好ましくない。一方、45゜を越える
と、回転運動から直線運動への変換効率が低下するので
好ましくない。
【0019】スライダー22にはスプール軸20の後端
が固定されている。また、中間ギア23はピニオンギア
12に噛み合っている。ここで、ピニオンギア12及び
中間ギア23は、ピニオンギア12の螺軸21に対する
回転数比が1.5以上、好ましくは1.8〜2.5にな
るようにそれぞれの歯数が設定されている。なお、前記
回転数比が1.5未満になると釣り糸巻き上げ時の効率
の向上が望めない。また、前記回転数比が1.8以上の
場合は効率の向上が著しく、2.5を越えると、中間ギ
ア23の径が大きくなりすぎ、リール本体2の小型化が
困難となる。
【0020】〔スライダーの構造〕 スライダー22は、図4及び図5に示すように、スライ
ダー本体25と、スライダー本体25内に収納された係
合部材26とを有している。スライダー本体25は、ス
プール軸20に対して軸方向に移動不能に固定されると
ともに、スプール軸20と平行に配置された2本のガイ
ド軸28,29に摺動自在に装着されている。なお、ス
プール軸20のスライダー本体25と嵌合する部分には
切欠き20aが形成されており、外周の一部が平坦にな
っている。そして、スライダー本体25の対応する孔も
完全な円形ではなく、切欠き20aに対応する平坦部を
有している。このような嵌合により、スライダー本体2
5は、スプール軸20に対して相対回転が禁止されてい
る。スライダー本体25は、2本のガイド軸28,29
によって案内されるので、摺動時の傾きが防止される。
このため、スライダー本体25を、従来のスライダー本
体のように螺軸全周を覆うような形状とする必要がな
い。このため本実施例のスライダー本体25は、螺軸2
1の一側面側にのみ対向するような形状となっており、
他側面側への張り出しが少なくなっている。したがって
リール本体を小さくすることが可能である。
【0021】また、スライダー本体25には螺軸21と
直交するように横方向の孔25aが形成されており、こ
の孔25aに係合部材26が摺動自在に挿入されてい
る。係合部材26の先端には、螺軸21の溝21aに噛
み合う係合部26aが形成されている。スライダー本体
25の孔25aの一端には、蓋部材24が固定されてい
る。
【0022】〔ロータの構成〕 ロータ3は、図1に示すように、円筒部30と、円筒部
30の側方に互いに対向して設けられた第1アーム部3
1及び第2アーム部32とを有している。円筒部30と
両アーム部31,32とは一体成形されている。円筒部
30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の
中央部にはボス33aが形成されている。ボス33aの
中心部には貫通孔が形成されており、この貫通孔をピニ
オンギア12の前部12a及びスプール軸20が貫通し
ている。前壁33の前方側にはナット34が配置されて
おり、このナット34がピニオンギア12の先端ねじ部
に螺合している。ナット34の内周部には、スプール軸
20を回転自在に支持する軸受35が配置されている。
【0023】第1アーム部31の先端の内周側には、第
1ベール支持部材40が揺動自在に取り付けられてい
る。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプ
ール4に案内するためのラインローラ41が装着されて
いる。また、第2アーム部32の先端の内周側には、第
2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。こ
の第2ベール支持部材42は、たとえば他の部分より比
重の大きい材質で構成し、第1ベール支持部材40及び
ラインローラ41に起因する回転時のアンバランスを解
消するためのバランサとして機能させることも可能であ
る。第1ベール支持部材40先端のラインローラ41と
第2ベール支持部材42との間には、ベール43が設け
られている。このように、第1ベール支持部材40を第
1アーム部31の内周側に装着することにより、第1ベ
ール支持部材40の回転半径が小さくなり、釣り竿を持
つ手に当たりにくくなる。したがって、スプールと釣り
竿とを近づけることができ、全体として小型化が可能と
なる。さらに、同様の理由により、回転半径が小さくな
り、回転時のアンバランスを抑えやすくなる。
【0024】また、各アーム部31,32の外周側に
は、カバー44,45が取り付けられている。このカバ
ー44,45の表面は、前後方向にかつ円周方向に滑ら
かに連続する形状となっており、このため、釣り糸の引
っ掛かりを防止できる。ここで、両ベール支持部材4
0,42は、一本の揺動軸Mを中心に揺動自在である。
そして、揺動軸Mと第1アーム部31の第1ベール支持
部材取り付け面とが交差する点を揺動中心C1とし、揺
動軸Mと第2アーム部32の第2ベール支持部材取り付
け面とが交差する点を揺動中心C2とした場合、揺動中
心C2は揺動中心C1に比較して前方側に位置してい
る。すなわち、揺動軸Mは回転軸芯Xに対して傾いてい
る。また、各ベール支持部材40,42は、それらの揺
動面が揺動軸Mに対して直交するように配置されてい
る。
【0025】また、図6及び図7に示すように、第1ア
ーム部31は、リール本体側の後部が回転軸芯Xよりも
糸巻取り姿勢のベール側に偏位している。そして、軸方
向中央部から前方側にかけては、逆側(糸解放姿勢のベ
ール側)に傾斜している。このように、後部が糸巻取り
姿勢のベール側に偏位していることによって、図6の一
点鎖線で示すように、ベール43を糸解放姿勢側に倒し
た際に、ベール43と第1アーム部31との干渉が少な
くなる。また、第1ベール支持部材40及びラインロー
ラ等に起因する回転時のアンバランスを抑えることがで
きる。一方、第2アーム部32は、図7に示すように、
全体がほぼ直線状に延びている。さらに、第1及び第2
ベール支持部材40,42の揺動中心は、回転軸芯Xか
ら糸解放姿勢のベール側にDだけ偏位している。これに
より、ベール43に起因する回転時のアンバランスを抑
えられる。
【0026】ここで、第2ベール支持部材42の取付部
分について詳細に説明する。第2アーム部32の第2ベ
ール支持部材42を取り付ける先端内側面32aは、回
転軸芯Xに対して外方に開いている。そして、第2ベー
ル支持部材42と第2アーム部32の先端内側面32a
との間には、樹脂製のスペーサ46が配置されている。
スペーサ46の一端側にはカラー部46aが一体で形成
されており、このカラー部46aが第2ベール支持部材
42の揺動軸部を支持している。なお、第2ベール支持
部材42の揺動軸部先端には、抜け止め用のE型止め輪
47が装着されている。このように、樹脂製のスペーサ
46を設けて第2アーム部32先端の内側面32aを外
方に開くように形成しているので、ロータ3を形成する
ための金型形成が容易になる。また、第2ベール支持部
材42の揺動軸を樹脂製のカラー部46aで支持してい
るので、振動がカラー部46aで吸収されたり、減衰さ
れる。特にロータをアルミニウム製とした場合に、この
効果は顕著となる。
【0027】〔スプールの構成〕 スプール4は、ロータ3の第1アーム部31と第2アー
ム部32との間に配置されており、スプール軸20の先
端にドラグ機構70を介して装着されている。スプール
4は、外周の釣り糸が巻かれる糸巻胴部4aと、糸巻胴
部4aの後部に一体で形成されたスカート部4bと、糸
巻胴部4aの前端に固定されたフランジ板4cとを有し
ている。フランジ板4cは、ステンレス製の板材で形成
されており、ねじによって糸巻胴部4aに装着されてい
る。このとき、フランジ板4cは若干湾曲しており、そ
の湾曲によるばね性を利用して、糸巻胴部4aの前端と
フランジ板4cとの間に隙間が形成されないように取り
付けられている。このため、釣り糸がこれらの間に侵入
することはない。
【0028】ドラグ機構70は、スプール4の内部前端
面に押し付けられる押し付け部材71と、ドラグ力を調
整するための調整つまみ72と、押し付け部材71と調
整つまみ72との間に配置された押圧ばね73,74
と、押し付け部材71とスプール4との間に配置された
複数のクラッチ板75とを有している。このような構成
では、調整つまみ72の締め付け量を調整することによ
り、押し付け部材71のスプール4に対する押圧力を調
整でき、ドラグ力を調整可能である。
【0029】〔リールの操作及び動作〕 キャスティング時には、ベール43を糸開放姿勢側に倒
す。これにより、第1及び第2ベール支持部材40,4
2は揺動軸Mを中心として同方向に回転する。このと
き、第1ベール支持部材40は第1アーム部31の内周
側に配置され、かつ揺動軸Mが回転軸芯Xに対して図1
に示すように傾いているので、第1ベール支持部材40
及びその先端のラインローラ41は糸巻取り姿勢時の位
置よりもさらに内周側に移動する。このため、キャステ
ィング時に繰り出された釣り糸が第1ベール支持部材4
0やラインローラ41に絡みにくくなる。また、揺動軸
Mは回転軸芯Xに対して傾いているが、両ベール支持部
材40,42は1本の揺動軸Mを中心に回転し、かつそ
れぞれの回転面は揺動軸Mに対して垂直である。このた
め、ベール43を操作する際には、こじることなくスム
ーズに操作することができる。
【0030】釣り糸巻取り時には、ベール43を糸巻取
り姿勢側に倒す。この状態でハンドル1を回転させる
と、この回転力はハンドル軸及びフェスギア11を介
してピニオンギア12に伝達される。このピニオンギア
12に伝達された回転力は、ピニオンギア前部12aを
介してロータ3に伝達される。一方、ピニオンギア12
に噛み合う中間ギア23によって螺軸21が回転し、こ
の螺軸21の溝21aに噛み合うスライダ22がガイ
ド軸28,29に案内されて前後方向に移動する。この
ため、スプール軸20及びスプール4が回転軸芯Xに沿
って前後方向に往復動し、ベール45及びラインローラ
41によってスプール4に案内された釣り糸は、スプー
ル4の外周に前後方向に均一に巻き取られる。ここで、
ピニオンギア12の螺軸21に対する回転数比を1.5
以上にしているので、スプール4の移動速度を従来装置
に比較して低くでき、釣り糸巻き上げ時の効率を向上で
きる。また、釣り糸を多量に巻くことができる。
【0031】また、スライダ22は2本のガイド軸2
8,29に案内されて往復動するので、回転したりある
いは傾いたりすることなくスムーズに往復動する。この
ため、スライダ本体25は螺軸21の全周を覆う必要
がなく、係合部材26と逆側のスペースを小さくでき
る。このため、リール本体2の後方部分については、横
方向に突出を少なくできる。
【0032】〔ロータ回転時のアンバランスについて〕 ロータ3の回転時には、ベール43等の部材に起因して
回転時のアンバランスが生じやすい。このため本実施例
では、ベール支持部材40,42、ラインローラ41及
びベール43によるアンバランスを解消するために、両
アーム部31,32の後端部を糸巻取り姿勢のベール側
に偏位させて配置し、さらに各ベール支持部材40,4
2を、その揺動軸が回転軸芯Xに対して糸開放姿勢のベ
ール側に偏位するように配置している。さらに、ライン
ローラ41に起因するアンバランスは、第2ベール支持
部材42を第1ベール支持部材40よりも前方側に配置
することにより抑えられる。また、この第2ベール支持
部材を他の部材に比較して比重の高い重量物で構成する
ことにより、バランサとして機能させることが可能であ
る。
【0033】第2実施形態 前記第1実施形態では、ドラグ機構がスプール4の前部
に設けられているタイプのスピニングリールについて説
明したが、図8及び図9に示す第2実施形態のリールで
はドラグ機構がリールの後方に設けられている。このリ
アドラグタイプのスピニングリールにおいても、スライ
ダー部分の構成は前記実施形態とほぼ同様であり、図9
にその構成を示している。
【0034】図において、前記第1実施形態の構成部品
に相当する部分は同一の符号で示している。このリアド
ラグタイプでは、スプール軸20の先端部はピン79に
よりスプール4に対して相対回転不能に固定されてい
る。またこのタイプのスピニングリールでは、スプール
軸20とスライダー本体25とが軸方向に相対移動不能
であるとともに、相対回転可能でなければならない。こ
のため、スライダー本体25においてスプール軸20に
装着されている部分は、前記第1実施形態と異なり円形
となっている。また、スライダー本体25は、スプール
軸20と平行に配置されたガイド軸28に摺動自在とな
っている。
【0035】この実施形態においても、スライダー本体
25は、ガイド軸28によって案内されるので、摺動時
の傾きが防止される。このため、前記同様にスライダー
本体25を、螺軸全周を覆うような形状とする必要がな
く、リール本体を小さくすることが可能である。次に、
第1実施形態と異なる部分、すなわちリアドラグ機構部
分について説明する。
【0036】図8に示すリアドラグ機構80は、主に、
円筒状のブッシュ81と、複数の摩擦プレートから構成
された摩擦係合部82と、摩擦係合部82を押圧するた
めのスプリング83と、支持部材84と、固定キャップ
85とから構成されている。ブッシュ81はフランジを
有しており、このフランジに対して摩擦係合部82を構
成する複数の摩擦プレートが押圧される。固定キャップ
85は、リール本体2の一部に後方に延出して設けられ
たネジ部に外周側から螺合しており、支持部材84を所
定の位置に位置決めしている。この固定キャップ85の
締め付け量を調整することにより、摩擦係合部82の各
摩擦プレートの押圧力を変更でき、ドラグ力を調節する
ことが可能である。
【0037】なお、他の構成は基本的に前記第1実施形
態の構成と同様である。
【0038】
【発明の効果】以上のように、発明1及び6に係るスピ
ニングリール及びその往復動装置では、ハンドルの回転
操作によって回転させられる歯車の螺軸に対する回転数
比を1.5以上としたので、ハンドルの回転操作に対す
る螺軸の回転数が従来装置に比較して低くなる。このた
め、スプールが比較的遅い速度で往復動し、スプール外
周にはより密に釣り糸が巻かれ、多量の釣り糸を効率良
く巻き上げることができる。また、螺軸の溝のねじれ角
度を大きくする必要がないので、溝の交差部の数が増え
ることはなく、ハンドル回転時のフィーリングの劣化を
避けられる。
【0039】また、ガイド軸を設けているので摺動部材
をスムーズに往復動させることができる。したがって、
摺動部材は、螺軸の外周の全周を覆うような形状にする
必要がなく、摺動部材及びその外周を覆うリール本体を
小型化できる。発明に係るスピニングリールの往復動
装置では、ハンドルの回転は、主歯車、歯車及び中間歯
車を介して螺軸に伝達される。すなわち、遊星歯車等の
複雑な構造を用いることなく歯車の螺軸に対する回転数
比を1.5以上にしているので、構造が簡単になる。
【0040】発明に係るスピニングリールの往復動装
置では、歯車の螺軸に対する回転数比を1.8〜2.5
にしているので、装置を大型化することなく釣り糸を効
率良く巻くことができる。発明に係るスピニングリー
ルの往復動装置では、螺軸に形成された螺旋状溝のリー
ド角が20゜〜45゜であるので、溝間の肉厚が薄くな
ること及び溝の交差部の数が増えることを抑えられると
ともに回転から直線運動への変換効率が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるスピニングリールの
断面正面図。
【図2】前記スピニングリールの釣り竿取り付け部を示
す図。
【図3】前記スピニングリールの断面平面図。
【図4】前記スピニングリールの断面背面図。
【図5】スライダーの一部断面構成図。
【図6】ロータの一側面図。
【図7】ロータの他側面図。
【図8】本発明の別の実施形態によるスピニングリール
の図1に相当する図。
【図9】別の実施形態の図5に相当する図。
【符号の発明】
1 ハンドル 2 リール本体 3 ロータ 4 スプール 6 レベルワインド機構 11 フェースギア 12 ピニオンギア 20 スプール軸 21 螺軸 22 スライダー 23 中間ギア 25 スライダー本体 26 係合部材 28,29 ガイド軸

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハンドルの回転操作によって回転させられ
    るロータと、前記ロータの回転により案内された釣り糸
    が外周に巻き付けられるスプールと、前記スプールの中
    心部に固定されたスプール軸とを有するスピニングリー
    ルに設けられ、前記ハンドルの回転操作に伴って前記ス
    プールを往復動させるための往復動装置であって、 前記スプール軸に沿って配置され、外周に螺旋状の溝が
    形成された回転自在な螺軸と、 前記ロータに連結されるとともに前記ハンドルからの回
    転力を前記螺軸に伝達するために設けられ、前記螺軸に
    対する回転数比が1.5以上である歯車と、 前記螺旋状溝に係合する係合部と前記螺軸の外周の一部
    にのみ対向する対向部とを有し、前記スプール軸に対し
    て軸方向に固定されるとともに前記螺軸の回転により前
    記スプール軸とともに往復動する摺動部材と、前記スプール軸に沿って配置され、前記摺動部材の往復
    動を案内するためのガイド軸と、 を有するスピニングリールの往復動装置。
  2. 【請求項2】前記ハンドルに固定され前記歯車と噛み合
    う主歯車と、前記螺軸に固定され前記歯車と噛み合う中
    間歯車とをさらに有している、請求項に記載のスピニ
    ングリールの往復動装置。
  3. 【請求項3】前記歯車の前記螺軸に対する回転数比は、
    1.8〜2.5である、請求項1又は2に記載のスピニ
    ングリールの往復動装置。
  4. 【請求項4】前記螺軸に形成された螺旋状溝のリード角
    が20゜〜45゜である、請求項1からのいずれかに
    記載のスピニングリールの往復動装置。
  5. 【請求項5】ハンドルが回転自在に装着されたリール本
    体と、 糸案内部を有し、前記ハンドルによって回転させられる
    ロータと、 前記リール本体に対して前後方向に往復動自在に支持さ
    れたスプール軸と、 前記スプール軸に固定され、前記糸案内部によって案内
    された釣り糸が外周に巻かれるスプールと、 前記スプール軸を往復動させるための往復動機構とを備
    え、 前記往復動機構は、 前記スプール軸に沿って配置され、外周に螺旋状の溝が
    形成された回転自在な螺軸と、 前記ロータに連結されるとともに前記ハンドルからの回
    転力を前記螺軸に伝達するために設けられ、前記螺軸に
    対する回転比が1.5以上である歯車と、 前記螺旋状溝に係合する係合部と前記螺軸の外周の一部
    にのみ対向する対向部とを有し、前記スプール軸に対し
    て軸方向に固定されるとともに前記螺軸の回転により前
    記スプール軸とともに往復動する摺動部材と、前記スプール軸に沿って配置され、前記摺動部材の往復
    動を案内するためのガイド軸とを有している、 スピニングリール。
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