JP3392257B2 - 試料ホルダ支持装置 - Google Patents

試料ホルダ支持装置

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JP3392257B2 JP09669495A JP9669495A JP3392257B2 JP 3392257 B2 JP3392257 B2 JP 3392257B2 JP 09669495 A JP09669495 A JP 09669495A JP 9669495 A JP9669495 A JP 9669495A JP 3392257 B2 JP3392257 B2 JP 3392257B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料に対する精密作業
を行う装置(電子顕微鏡装置、電子、X線等を用いた分
析装置、等)で使用する試料ホルダ支持装置に関する。
本発明の試料ホルダ支持装置は、内部が真空に保持され
た壁部材を貫通して内方および外方にスライド可能に配
置された試料ホルダが、周囲の大気圧の変動時に内方又
は外方に移動するのを防止するために使用される。
【0002】
【従来の技術】前記電子顕微鏡等のような、試料に対す
る精密作業を真空中で行う装置は、試料を微動させる装
置により、前記試料の水平面内および鉛直軸方向等の移
動、回転等を高精度で行い、観察または分析を行う必要
がある。次に、前記電子顕微鏡等の試料に対する精密作
業を真空中で行う装置(以下「真空作業装置」ともい
う。)で使用される従来の試料ホルダ支持装置について
説明する。図10は本発明が適用される従来の試料ホル
ダ支持装置を備えた電子顕微鏡(真空作業装置)の概略
説明図である。図11は前記図10の要部の拡大説明図
である。図12は前記図11のXI−XI線断面図であ
る。図10において、電子顕微鏡01は、内部を真空に
保持されたケース02を有し、ケース02上端に電子銃
03が設けられている。ケース02下端部には蛍光板0
4、および観察窓06が設けられている。前記電子銃0
3の下方には電子レンズ07が配置され、前記蛍光板0
4の上方には電子レンズ08が配置されている。そし
て、前記電子レンズ07および電子レンズ08の間には
試料装着部としてのゴニオステージSが設けられてい
る。
【0003】図11および図12において、前記ゴニオ
ステージSは、円筒状外周面を有する磁性材料製のヨー
ク011およびヨーク011内側に支持された非磁性材
料製の略円筒状の試料ステージ012により構成されて
いる。なお、前記ヨーク011は前記ケース02の一部
を構成している。また、前記ヨーク011は、励磁コイ
ル013、電子通過孔を有する電子レンズ上磁極片01
4および電子レンズ下磁極片015を支持している。前
記ゴニオステージSの内側で前記上下の電子レンズ磁極
片014および015の間には試料室016が形成され
ている。
【0004】前記ヨーク011および試料ステージ01
2には、図11,12において左側部分に、前記ヨーク
011の外側と前記試料室016とを連通させるゴニオ
メータ装着孔011aおよび012aが設けられている。
また、前記ヨーク011および試料ステージ012の、
図11,12において右側部分には、前記ヨーク011
の外側と前記試料室016とを連通させる位置決め部材
装着孔011bおよび012bが設けられている。
【0005】前記ゴニオメータ装着孔011aおよび0
12aには、ゴニオメータGが装着されている。ゴニオ
メータGはヨーク011の外側から内側の前記試料室0
16に延びる試料ホルダHを支持する部材である。試料
ホルダHは外端部に操作用のホルダグリップH1を有
し、内端部に細長い形状の試料保持部H2を有してい
る。また、試料ホルダHには、OリングH3を収容する
Oリング溝が設けられている。
【0006】前記ゴニオメータGは、前記ゴニオメータ
装着孔011aおよび012aにそれぞれ固定支持された
筒状軸受018および球面軸受019を有している。前
記筒状軸受018はベアリング装着用の円筒状内周面を
有し、その円筒状の内周面にはベアリング021,02
1が装着されている。前記筒状軸受018は、その円筒
状内周面の軸が水平で且つ前記球面軸受019の前記球
面の中心(以後「球面中心」という)Oを通るように配
置されている。
【0007】以後の説明を分かり易くするため、図1
1,12において、前記球面中心Oを通る直交する3軸
X,Y,Zを定義する。すなわち、前記筒状軸受018
の円筒状内周面の軸に一致し且つ左向きの軸をY軸、鉛
直方向上向きの軸をZ軸、図11で紙面の前側に向かう
軸(図12で下向きの軸)をX軸とする。前記ゴニオメ
ータGは、前記ベアリング021,021によってY軸
周りに回動調節可能に支持された回動部材022および
前記球面中心O周りに小さな角度範囲内(2〜3度の範
囲内)で回動調節可能に支持されたホルダ支持部材02
3を有している。前記ホルダ支持部材023はホルダ貫
通孔023aを有している。ホルダ貫通孔023aは、前
記試料ホルダHを保持するための孔である。ホルダ貫通
孔023aの軸は基準位置では前記Y軸と一致してい
る。しかしながら、ホルダ貫通孔023aの軸は、前記
試料ホルダH先端部に保持した試料を前記試料室016
内で位置調節する際、ホルダ支持部材023を前記球面
中心O周りに回動した状態ではY軸と一致しなくなる。
【0008】前記ヨーク011および試料ステージ01
2の、図11,12において右側部分に設けた前記位置
決め部材装着孔011bおよび012b(図11参照)に
は、試料位置決め部材Cが装着されている。試料位置決
め部材Cは前記試料ホルダH先端の位置を定める部材で
ある。試料位置決め部材Cは、前記位置決め部材装着孔
011bに挿入された位置決め用ブロック026を有し
ている。位置決め用ブロック026は、前記試料ステー
ジ012にねじ込まれたボルトにより固定されている。
位置決め用ブロック026には、前記Y軸と同軸のスラ
イダ収容孔027が設けられており、スライダ収容孔0
27には位置決め用スライダ028がY軸方向に移動調
節可能に収容されている。
【0009】前記試料ステージ012の位置決め部材装
着孔012b内には、前記試料ホルダHの内端および前
記位置決め用スライダ028内端がそれぞれ当接する内
端位置決め部材029が配置されている。この内端位置
決め部材029は、試料ホルダHの内端の位置を定める
部材であり、前記試料ステージ012によって微小な範
囲で移動可能に支持されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】前述の構成を備えた電子顕微鏡等の真空作
業装置においては、前記ゴニオメータGのホルダ支持部
材023に支持された前記試料ホルダHは、ホルダ貫通
孔023aに沿って前記壁部材02の内外にスライド可
能である。前記スライド可能な試料ホルダHが貫通する
前記ホルダ支持部材023の外側周囲の大気圧は、電子
顕微鏡等が設置された部屋のドアの開閉、または戸外の
風によって生じるすきま風等により変動する。
【0011】前記大気圧が上昇する時には、試料ホルダ
Hの外端部に作用する押圧力が上昇して内方に移動する
力を受けることになる。試料ホルダHの試料保持部H2
の内方位置は前記内端位置決め部材029によって位置
決めされているが、試料保持部H2および前記内端位置
決め部材029は、前記試料ホルダHが大気圧の上昇に
より内方に押された場合に僅かに変形または変位する。
また、前記大気圧が低下する時には、試料ホルダHの外
端部に作用する押圧力が低下して外方に移動する力を受
けることになる。前記試料ホルダHの試料保持部H2の
内方位置は前記内端位置決め部材029によって位置決
めされている。このとき、前記試料ホルダH内端が前記
内端位置決め部材029に当接するために必要な圧力に
より、前記試料保持部H2および前記内端位置決め部材
029は僅に弾性変形または変位している。前記弾性変
形または変位した部材には、元の形状に戻ろうとする復
元力がある。前記復元力により、試料ホルダHは外方に
向かって常時反発力を受けている。したがって、大気圧
が低下すると試料保持部H2および前記内端位置決め部
材029の復元力による前記反発力により試料ホルダH
は外方に押し出される。前記真空作業装置により、高精
度の作業(観察、顕微分析等)を行おうとすると、前記
内端位置決め部材029等の僅かな変形による試料の移
動が大きな問題となる。最近は前記高精度の作業が行わ
れるようになっており、前記真空作業装置周囲の大気圧
の変動が大きな問題となっている。
【0012】本発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載
内容を課題とする。(O01)内部に真空の試料室が設け
られた壁部材を貫通して前記壁部材の内外を連通させる
貫通孔により、試料ホルダをスライド可能に支持する試
料ホルダ支持装置において、周囲の大気の変動によって
試料ホルダが試料室内に押し込まれたり引き出されたり
しないようにすること。
【0013】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。ま
た、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0014】(第1発明)前記課題を解決するために、
本出願の第1発明の試料ホルダ支持装置は、下記の要件
を備えたことを特徴とする、(Y01)内部が真空に保持
された壁部材(S)、(Y02)壁部材(S)に支持され
た球面軸受(9)により回動可能に支持されるとともに
前記壁部材(S)の内外を連通させるホルダ貫通孔(1
3a)を有するホルダ支持部材(13)、(Y03)内端
部の試料保持部(H2)が前記壁部材(S)の内部に配
置されるとともに外端部(H1)が前記壁部材(S)の
外側に配置された試料ホルダ(H)を、スライド可能且
つ気密に保持する前記ホルダ貫通孔(13a)、(Y0
4)前記ホルダ支持部材(13)に支持されて、前記試
料ホルダ(H)に前記スライド方向の力を作用させる作
用力伝達部材(38b;44a;77a)、(Y05)前記
作用力伝達部材(38b;44a;77a)を、周囲の大
気圧が上昇したときには前記壁部材(S)の外方へ移動
させる力を発生するとともに周囲の大気圧が低下したと
きには前記壁部材(S)の内方に移動させる力を発生す
る気圧応動装置(45;78)。
【0015】(第2発明)また、本出願の第2発明の試
料ホルダ支持装置は、前記第1発明の試料ホルダ支持装
置において、下記の要件を備えたことを特徴とする、
(Y06)前記作用力伝達部材(38b;44a;77a)
の外方位置で前記ホルダ支持部材(13)に固定された
固定部材およびこの固定部材と前記作用力伝達部材(3
8b;44a;77a)との間に設けられた内部が定圧に
保持されたベローズ(43;75,76)により構成さ
れた前記気圧応動装置(45;78)。
【0016】
【作用】次に、前述の特徴を備えた本発明の作用を説明
する。 (第1発明の作用)前述の特徴を備えた本出願の第1発
明の試料ホルダ支持装置では、壁部材(S)の内部は真
空に保持されている。前記壁部材(S)に支持された球
面軸受(9)により回動可能に支持されたホルダ支持部
材(13)は、前記壁部材(S)の内外を連通させるホ
ルダ貫通孔(13a)を有している。前記ホルダ貫通孔
(13a)によりスライド可能且つ気密に保持された試
料ホルダ(H)は、内端部の試料保持部(H2)が前記
壁部材(S)の内部に配置されるとともに外端部(H
1)が前記壁部材(S)の外側に配置される。前記壁部
材(S)周囲の大気圧の上昇は、前記試料ホルダ(H)
を壁部材(S)の内方へ移動させる外力を試料ホルダ
(H)外端部(H1)に作用させる。また、前記壁部材
(S)周囲の大気圧の低下は、前記試料ホルダ(H)を
壁部材(S)の外方へ移動させる前記反発力を試料ホル
ダ(H)内端部に作用させる。前記壁部材(S)周囲の
大気圧が上昇したときには気圧応動装置(45;78)
は、前記ホルダ支持部材(13)に支持された作用力伝
達部材(38b;44a;77a)を前記壁部材(S)の
外方へ移動させる力を発生する。また、気圧応動装置
(45;78)は、周囲の大気圧が低下したときには前
記作用力伝達部材(38b;44a;77a)を前記壁部
材(S)の内方に移動させる力を発生する。そして、作
用力伝達部材(38b;44a;77a)は、前記試料ホ
ルダ(H)に前記スライド方向の力(ホルダ貫通孔13
aの軸方向の力)を作用させる。
【0017】したがって、前記壁部材(S)周囲の大気
圧の上昇時に発生する前記試料ホルダ(H)を壁部材
(S)の内方へ移動させる外力は、前記気圧応動装置
(45;78)により作用力伝達部材(38b;44a;
77a)を介して試料ホルダ(H)を前記壁部材(S)
の外方へ移動させる力の増加または内方へ移動させる力
の減少によって打ち消される。また、前記壁部材(S)
周囲の大気圧の低下時に発生する前記試料ホルダ(H)
を壁部材(S)の外方へ移動させる力は、前記気圧応動
装置(45;78)により作用力伝達部材(38b;4
4a;77a)を介して試料ホルダ(H)を前記壁部材
(S)の内方へ移動させる力の増加または外方へ移動さ
せる力の減少によって打ち消される。
【0018】(第2発明の作用)また、本出願の第2発
明の試料ホルダ支持装置では、前記気圧応動装置(4
5;78)は、前記作用力伝達部材(38b;44a;7
7a)の外方位置で前記ホルダ支持部材(13)に固定
された固定部材およびこの固定部材と前記作用力伝達部
材(38b;44a;77a)との間に設けられた内部が
定圧に保持されたベローズ(43;75,76)により
構成されている。したがって、壁部材(S)周囲の大気
圧が上昇すると、ベローズ(43;75,76)が収縮
して作用力伝達部材(38b;44a;77a)が外方に
向かって移動しようとする。この作用力伝達部材(38
b;44a;77a)は前記試料ホルダ(H)を外方に向
かってスライド移動させる力を試料ホルダ(H)に作用
させる。また、壁部材(S)周囲の大気圧が低下する
と、ベローズ(43;75,76)が膨張して作用力伝
達部材(38b;44a;77a)が内方に向かって移動
しようとする。この作用力伝達部材(38b;44a;7
7a)は前記試料ホルダ(H)を内方に向かってスライ
ド移動させる力を試料ホルダ(H)に作用させる。この
作用力伝達部材(38b;44a;77a)により試料ホ
ルダ(H)に作用する力は、大気圧上昇時には試料ホル
ダ(H)を内方へ移動させる外力を打ち消す方向に作用
し、大気圧低下時には試料ホルダ(H)を外方へ移動さ
せる前記反発力を打ち消す方向に作用する。
【0019】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の実施例の
試料に対する精密作業を行う装置を説明するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以後
の説明の理解を容易にするために、図面において後述す
る球面軸受の球面の中心Oを通り、互いに直交する座標
軸X軸、Y軸、Z軸を定義し、矢印X方向を前方、矢印
Y方向を左方、 矢印Z方向を上方とする。この場合、
X方向と逆向き(−X方向)は後方、Y方向と逆向き
(−Y方向)は右方、Z方向と逆向き(−Z方向)は下
方となる。また、X方向及び−X方向を含めて前後方向
又はX軸方向といい、Y方向及び−Y方向を含めて左右
方向又はX軸方向といい、Z方向及び−Z方向を含めて
上下方向又はZ軸方向ということにする。さらに図中、
「○」の中に「・」が記載されたもの(矢の先端を前か
ら見た図)は紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、
「○」の中に「×」が記載されたもの(矢の羽根を後ろ
から見た図)は紙面の表から裏に向かう矢印を意味する
ものとする。
【0020】(実施例1) 図1は本発明の実施例1の試料ホルダ支持装置の平断面
図で、前記図12に対応する図である。図2は同実施例
1の縦断面図で、前記図1のII−II線断面図である。図
3は前記図1,2のIII−III線断面図である。図4は前
記図2のIV−IV線断面図である。図5は同実施例1の
作用説明図でる。
【0021】図1および図2において、ゴニオステージ
Sは、円筒状外周面を有する磁性材料製のヨーク1およ
びヨーク1内側に支持された非磁性材料製の略円筒状の
試料ステージ2により構成されている。なお、ヨーク1
および試料ステージ2により構成された前記ゴニオステ
ージSは、内部が真空に保持された試料室3を形成する
壁部材を構成している。前記ヨーク1は、励磁コイル4
(図2参照)、電子線通過孔を有する電子レンズ上磁極
片5および電子レンズ下磁極片6を支持している。前記
試料室3は、前記ゴニオステージSの内側で前記上下の
電子レンズ磁極片5および6の間に形成されている。
【0022】前記ヨーク1および試料ステージ2には、
図1,2において左側部分に、前記ヨーク1の外側と前
記試料室3とを連通させるゴニオメータ装着孔1aおよ
び2aが設けられている。また、前記ヨーク1および試
料ステージ2の、図1,2において右側部分には、前記
ヨーク1の外側と前記試料室3とを連通させる位置決め
部材装着孔1bおよび2bが設けられている。
【0023】前記ゴニオメータ装着孔1aおよび2aに
は、ゴニオメータGが装着されている。ゴニオメータG
は前記ヨーク1の外側から前記試料室3に延びる試料ホ
ルダHを支持する部材である。試料ホルダHは外端部に
操作用のホルダグリップH1を有し、内端部に細長い形
状の試料保持部H2を有している。また、試料ホルダH
には、OリングH3を収容するOリング溝が設けられて
いる。
【0024】前記ゴニオメータGは、前記ゴニオメータ
装着孔1aおよび2aにそれぞれ固定支持された筒状軸受
8および球面軸受9を有している。前記筒状軸受8は、
その円筒状内周面の軸が水平で且つ前記球面軸受9の前
記球面の中心(以後「球面中心」という)Oを通るよう
に配置されている。図1,2から分かるように、前記3
軸X,Y,Zは、球面中心Oを通る直交する3軸であ
る。
【0025】前記筒状軸受8はボルト10(図1,4参
照)によりヨーク1に固定されている。また、筒状軸受
8は、ベアリング装着用の円筒状内周面を有し、その円
筒状の内周面にはベアリング11,11が装着されてい
る。前記ゴニオメータGは、前記ベアリング11,11
によってY軸周りに回動調節可能に支持された回動部材
12、および前記球面中心O周りにで回動調節可能に支
持されたホルダ支持部材13を有している。
【0026】前記ベアリング11,11によってY軸回
りに回動自在に支持された回動部材12は、その外周に
歯車14(図1,2,4参照)を有している。図2,4
において、前記筒状軸受8の上端部には、ギヤホルダ1
6が設けられている。ギヤホルダ16にはウォームギヤ
17が回転可能に支持されており、前記ウォームギヤ1
7は前記回動部材12の歯車14と噛み合っている。ウ
ォームギヤ17はギヤホルダ16の貫通する軸の外端部
に装着された操作ハンドル18によって回転するように
構成されている。したがって、操作ハンドル18を回転
操作することにより、回動部材12を前記Y軸回りに回
動調節できるようになっている。
【0027】前記球面軸受9の球面中心O回りに回動可
能な前記ホルダ支持部材13は、ホルダ貫通孔13aを
有している。ホルダ貫通孔13aは、前記試料ホルダH
を保持するための孔である。ホルダ貫通孔13aの軸は
基準位置では前記Y軸と一致している。しかしながら、
ホルダ貫通孔13aの軸は、前記試料ホルダH先端部に
保持した試料を前記試料室3内で位置調節する際、ホル
ダ支持部材13を前記球面中心O周りに回動した状態で
はY軸と一致しなくなる。図1〜3において、ホルダ支
持部材13は、その左端部分に前後に突出する突出部材
13b,13bを有している。図2,3から分かるように
前記突出部材13b,13bが設けられている部分におい
て、円筒状のホルダ支持部材13の上部は平坦に削られ
ている。前記平坦に削られた面には、前記回動部材12
により上下動可能に支持された当接部材19aが押圧バ
ネ19bによって押し付けられている。前記当接部材1
9aおよび押圧バネ19bによって、前記ホルダ支持部材
13の前記球面中心O回りの上方方向の回動位置を定め
る上方位置決め手段19が構成されている。
【0028】図1〜3に示す揺動部材21は、前後方向
(X軸方向)に延びる水平部分21a(図3参照)とそ
の両端部に設けられた上方突出部分21b,21bとを有
している。前記上方突出部分21b,21bの上端部は、
それぞれ前記回動部材12に支持された前後一対の軸2
2(図1,2参照)により揺動可能に支持されている。
上方突出部分21b,21bにはそれぞれ、前記ホルダ支
持部材13の突出部13b,13bの下面に当接する当接
球23を支持する球支持面が設けられている。また、前
記揺動部材21の水平部分21aの中央部には下方に突
出する下方突出部分21c(図2,3参照)が設けられ
ている。
【0029】図2において、前記揺動部材21の下方突
出部分21cの右側面に対向して、上下動調節用ねじ2
4が前記回動部材12により支持されている。上下動調
節用ねじ24の右端部(−Y側端部)には歯車25が固
着されている。前記歯車25は、前記回動部材12に支
持された上下回動用モータ26の出力歯車27と噛み合
っている。したがって、前記上下回動用モータ26を正
逆いずれかの方向に回転させると、前記出力歯車27お
よび歯車25を介して上下動調節用ねじ24が回転し、
その回転方向に応じて上下動調節用ねじ24が下方突出
部材21cに対して進退移動を行う。上下動調節用ねじ
24の先端が前記揺動部材21の下方突出部分21cと
当接しているので、上下動調節用ねじ24が進退移動す
ると揺動部材21が前記軸22回りに揺動する。このと
き、前記上方位置決め手段19の押圧バネ19bが収縮
または伸長して、前記ホルダ支持部材13は前記球面中
心O回りに小さな角度範囲内(4〜5度の範囲内)で上
下方向に回動するように構成されている。
【0030】図1において、前記ホルダ支持部材13の
後側(−X側)部分には、回動部材12により左右動可
能に支持された当接部材29aが押圧バネ29bによって
押し付けられている。前記当接部材29aおよび押圧バ
ネ29bによって、前記ホルダ支持部材13の前記球面
中心O回りの後方回動位置を定める後方位置決め手段2
9が構成されている。前記ホルダ支持部材13の前記当
接部材29aとの当接部の反対側の側面に対向して前後
動調節用ねじ31が前記回動部材12により支持されて
いる。前後動調節用ねじ31の前端部(X側端部)には
歯車32が固着されている。前記歯車32は、前記回動
部材12に支持された前後回動用モータ33の出力歯車
34と噛み合っている。したがって、前記前後回動用モ
ータ33を正逆いずれかの方向に回転させると、前記出
力歯車34および歯車32を介して前後動調節用ねじ3
1が回転し、その回転方向に応じて前後動調節用ねじ3
1がホルダ支持部材13に対して進退移動を行う。前後
動調節用ねじ31の先端が前記ホルダ支持部材13の前
側面と当接しているので、前後動調節用ねじ31が進退
移動すると前記前後位置規制手段29の押圧バネ29b
が収縮または伸長して、前記ホルダ支持部材13は前記
球面中心O回りに小さな角度範囲内(5〜6度の範囲
内)で前後方向に回動するように構成されている。
【0031】図1,2において、前記ホルダ支持部材1
3の左端には、前記試料ホルダHのホルダグリップH1
の周囲を囲うグリップカバー36がネジ37(図1参
照)により支持されている。前記グリップカバー36内
を大気に連通させるために、前記グリップカバー36側
面には複数個の連通孔36aが設けられている。前記グ
リップカバー36の左端には揺動レバー38が配置さ
れ、その上端部が支点38a周りに揺動自在に支持され
ている。揺動レバー38の下端には試料ホルダHの左端
面(外端面)に当接する当接球38bが支持されてい
る。当接球38bは、前記ホルダ支持部材13にグリッ
プカバー36および揺動レバー38を介して支持されて
おり、前記試料ホルダHに前記ホルダ貫通孔13aに沿
ったスライド方向の力を作用させる作用力伝達部材とし
て機能している。前記作用力伝達部材としての当接球3
8bと前記試料ホルダH左端面との当接位置は、ホルダ
貫通孔13aの軸線上に設定されている。
【0032】グリップカバー36の左端には気圧応動装
置支持ケース39がねじ40(図1参照)により固定さ
れている。気圧応動装置支持ケース39の左端壁には左
端壁を貫通する調節ネジ41が螺合している。調節ネジ
41の内端(右端、すなわち、−Y側の端部)にはプレ
ート状の固定部材42が固着されている。固定部材42
の右側には内側が気密且つ定圧に保持されたベローズ4
3を介してプレート状の気圧応動部材44が支持されて
いる。気圧応動部材44の右側端面の中央部には当接球
44aが支持されている。前記符号42〜44で示され
た要素から気圧応動装置45が構成されている。図5に
おいて、ベローズ43の有効断面積をR1、前記ホルダ
貫通孔13aの断面積をR2、前記気圧応動部材44の当
接球44aが揺動レバー38と接する位置と前記支点3
8aとの前記ボルダ貫通孔13aの軸に垂直な方向の距離
をZ1、前記揺動レバー38の当接球38bがホルダクリ
ップH1左端面(外端面)と接する位置と前記支点38a
との前記ボルダ貫通孔13aの軸に垂直な方向の距離を
Z2とした場合、R1,R2,Z1,Z2の値は、次式を満
たすように設定されている。 R1・Z1=R2・Z2 …………………………………………………………(1)
【0033】図1,2において、前記ヨーク1および試
料ステージ2の右側部分に設けた前記位置決め部材装着
孔1bおよび2bには、試料位置決め部材Cが装着されて
いる。試料位置決め部材Cは前記試料ホルダH内端の位
置を定める部材である。試料位置決め部材Cは、前記位
置決め部材装着孔1bに挿入された位置決め用ブロック
46を有している。位置決め用ブロック46は、前記試
料ステージ2にねじ込まれたボルト47により固定され
ている。位置決め用ブロック46には、前記Y軸と同軸
のスライダ収容穴48が設けられており、スライダ収容
穴48には位置決め用スライダ49がY軸方向に移動調
節可能に収容されている。前記位置決め用ブロック46
においては、前記スライダ収容穴48の右端にはスライ
ダ収容穴48および外部との間にネジ孔51が設けられ
ている。
【0034】前記ネジ孔51には左右位置調整ネジ52
が螺合し、貫通している。左右位置調整ネジ52の右端
部(−Y側端部)には歯車53が固着されている。前記
歯車53は、前記位置決め用ブロック46に支持された
左右位置調整用モータ54の出力歯車55と噛み合って
いる。したがって、前記左右位置調整用モータ54を正
逆いずれかの方向に回転させると、前記出力歯車55お
よび歯車53を介して左右位置調整ネジ52が回転し、
その回転方向に応じて左右位置調整ネジ52が進退移動
を行うように構成されている。
【0035】前記試料ステージ2の位置決め部材装着孔
2b内には、前記試料ホルダHの内端および前記位置決
め用スライダ49内端がそれぞれ当接する内端位置決め
部材56が配置されている。この内端位置決め部材56
は、試料ホルダHの内端(右端)の位置を定める部材で
あり、前記試料ステージ2に複数のバネを介して微小な
範囲で移動可能に支持されている。
【0036】内端位置決め部材56は、その左端にスリ
バチ状の凹部を有し、そのスリバチ状の凹部に試料ホル
ダH内端(右端)に設けたルビーの球が当接している。
また、前記内端位置決め部材56は、その右端にルビー
の球を有しており、そのルビーの球が前記位置決め用ス
ライダ49内端(左端)のスリバチ状の凹部に当接して
いる。したがって、試料ホルダHを支持するホルダ支持
部材13が前記球面中心周Oりに回動したときには、試
料ホルダH内端(右端)のルビーの球は、内端位置決め
部材56内端(左端)のスリバチ状凹部に沿って滑り、
内端位置決め部材56外端(右端)のルビーの球は、位
置決め用スライダ49内端(左端)のスリバチ状凹部に
沿って滑るように構成されている。
【0037】(実施例1の作用)次に前記図1〜5に示
す本発明の実施例1の試料ホルダ支持装置の作用を説明
する。図2,5において、大気圧Pが一定であり、気圧
応動部材44の当接球44aが力Qで揺動レバー38の
左端面を押圧しているものとする。この場合の試料ホル
ダH内端の位置(すなわち、試料ホルダHのY軸方向の
位置)は前記左右位置調整用モータ54の回動により調
節することができる。また、試料ホルダHのY軸周りの
回動位置は前記操作ハンドル18の回転により調節する
ことができる。また、試料ホルダH先端部の上下方向の
位置は上下回動用モータ26の回転により調節すること
ができる。また、試料ホルダH先端部の前後方向の位置
は前後回動用モータ33の回転により調節することがで
きる。
【0038】前記大気圧Pが前記壁部材を構成するゴニ
オステージS内部に試料ホルダHを押圧する力は次式で
あらわせる。 P・R2 …………………………………………………………………………(2) また、前記力Qの大きさは、調節ネジ41により調節す
ることができる。気圧応動部材44の当接球44aが力
Qで揺動レバー38の左端面を押圧している場合、前記
揺動レバー38の当接球38bがホルダクリップH1左端
面を押圧する力をQ1とすると、Q1は次式であらわせ
る。 Q1=Q(Z1/Z2) ………………………………………………………(3) したがって、大気圧がPのときに大気圧および気圧応動
部材44が試料ホルダHを前記ゴニオステージ内側に押
圧する力は、次式であらわせる。 P・R2+Q1 …………………………………………………………………(4)
【0039】次に、前記左右位置調整用モータ54、操
作ハンドル18、上下回動用モータ26、前後回動用モ
ータ33等により試料ホルダHの位置を調節して、顕微
観察等の作業を行っている間に、例えば大気圧PがΔP
だけ増加した場合について考える。この場合、大気圧が
試料ホルダHをゴニオステージ内方へ押圧する力は、Δ
P・R2だけ増加する。すなわち、このときに大気圧P
+ΔPが試料ホルダHをゴニオステージ内方へ押圧する
力は次式であらわせる。 (P+ΔP)・R2 ……………………………………………………………(5)
【0040】また、このとき前記ΔPは気圧応動部材4
4の右端面に作用し、気圧応動部材44を左方に押圧す
る。このときの押圧力はΔP・R1である。すなわち、
前記揺動レバー38を右方に押圧する力Qの大きさはΔ
P・R1だけ減少する。したがって、このときに、前記
気圧応動部材44の当接球44aが揺動レバー38を右
方に押す力は次式であらわせる。 Q−ΔP・R1 ………………………………………………………………(6) 前記式(6)の力(Q−ΔP・R1)により、前記揺動
レバー38の当接球38bがホルダクリップH1左端面を
押圧する力をQ2とすると、Q2は次式であらわせる。 Q2=(Q−ΔP・R1)(Z1/Z2) ……………………………………(7)
【0041】前記式(5),(7)により、大気圧がP
+ΔPのときに大気圧および気圧応動部材44が試料ホ
ルダHをゴニオステージS内方に押す力は、次式で表せ
る。(P+ΔP)・R2+Q2 =(P+ΔP)・R2+(Q−ΔP・R1)(Z1/Z2)…………………(8) 前記式(8)は次のように変形される。 (P+ΔP)・R2+(Q−ΔP・R1)(Z1/Z2) =P・R2+Q・(Z1/Z2)+ΔP{R2−R1(Z1/Z2)}………(9) この式(9)に前記式(1)および(3)を適用する
と、 =P・R2+Q・(Z1/Z2)+ΔP{R2−R1(Z1/Z2)} =P・R2+Q1 ……………………………………………………………(10) となる。この式(10)は前記大気圧がPのときに試料
ホルダHをゴニオステージS内方に押圧する前記式
(4)と同じである。すなわち、この実施例1では、大
気圧がPからP+ΔPに変動しても、試料ホルダHをゴ
ニオステージS内方に押圧する力の大きさは変動しな
い。
【0042】次に、前記顕微観察等の作業を行っている
間に、大気圧PがΔPだけ減少した場合について考え
る。この場合、大気圧が試料ホルダHをゴニオステージ
内方へ押圧する力が減少し、前記試料ホルダHをゴニオ
ステージS外方へ移動させる前記反発力が相対的に大き
くなる。また、このとき前記大気圧Pの減少により前記
気圧応動部材44の右端面に作用していた外力が減少し
て、気圧応動部材44を右方に移動させる力が増加す
る。前記気圧応動部材44を右方に移動させる力の増加
により、前記揺動レバー38を右方に押圧する力Qの大
きさが増加する。このため、前記揺動レバー38の当接
球38bがホルダクリップH1左端面を押圧する力Q1の
大きさが増加して前記試料ホルダHをゴニオステージS
外方へ移動させる前記反発力が打ち消される。したがっ
て、大気圧がP−ΔPのときに大気圧および気圧応動部
材44が試料ホルダHをゴニオステージS内方に押す力
は、前記大気圧PがΔPだけ増加した場合と同様に、前
記大気圧がPのときに試料ホルダHをゴニオステージS
内方に押圧する前記式(4)と同じになる。すなわち、
この実施例1では、大気圧がPからP−ΔPに変動して
も、試料ホルダHをゴニオステージS内方に押圧する力
の大きさは変動しない。
【0043】この実施例1では、ベローズ43として市
販の製品を購入した場合、ベローズ43の有効断面積が
前記ホルダ支持部材13のホルダ貫通孔13aの断面積
と異なる場合でも、前記図5に示すZ1,Z2の値を調節
することにより、対応できる。すなわち、市販のベロー
ズを使用できるので、ベローズを特別注文して製作する
必要がない。このため、製造コストを節約することがで
きる。
【0044】(実施例2)次に、図6,7により本発明
の試料ホルダ支持装置の実施例2について説明する。図
6は本発明の実施例2の試料ホルダ支持装置の平断面図
で、前記図11に対応する図である。図7は同実施例2
の縦断面図で、前記図6のVII−VII線断面図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構
成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、そ
の詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で
前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例
1と同様に構成されている。
【0045】図6,7において、前記実施例1の図1,
2に示すグリップカバー36およびグリップカバー36
にネジ40を用いて固定された気圧応動装置支持ケース
39の代わりに、ケース61がホルダ支持部材13の外
端部(左端部)に固定されている。前記ケース61内を
大気に連通させるために、前記ケース61の右側面には
複数個の連通孔61aが設けられている。そして、前記
実施例1の符号41〜44で示された要素は、前記ケー
ス61によって支持されている。また、前記実施例1の
図1,2に示す揺動レバー38が省略されている。そし
て、気圧応動部材44の当接球44aが試料ホルダHの
外端面(左端面)の中心位置(ホルダ貫通孔13aの軸
上の位置)に直接当接している。したがって、この実施
例2では気圧応動部材44の当接球44aが作用力伝達
部材として使用されている。気圧応動部材44の当接球
(作用力伝達部材)44aが試料ホルダHの外端面(ホ
ルダグリップの左端面)を押圧する力はQ1′であらわ
せる。また、この実施例2では、ベローズ43の有効断
面積R1と、前記ホルダ貫通孔13aの断面積R2とは同
一の値に設定されている。すなわち、次式を満たすよう
に設定されている。 R1=R2 ……………………………………………………………………(11)
【0046】(実施例2の作用)次に図8により、前記
図6,7に示す本発明の実施例2の試料ホルダ支持装置
の作用を説明する。前記大気圧P試料ホルダHに直接作
用して、前記壁部材を構成するゴニオステージS内部に
試料ホルダHを押圧する力は次式であらわせる。 P・R2 ………………………………………………………………………(12) したがって、大気圧がPのときに大気圧Pおよび気圧応
動部材44が試料ホルダHを前記ゴニオステージS内側
に押圧する力は、次式であらわせる。 P・R2+Q1′ ………………………………………………………………(13)
【0047】大気圧PがΔPだけ増加した場合、大気圧
が試料ホルダHをゴニオステージS内方へ押圧する力
は、ΔP・R2だけ増加する。すなわち、このときに大
気圧P+ΔPが試料ホルダHをゴニオステージ内方へ押
圧する力は次式であらわせる。 (P+ΔP)・R2 …………………………………………………………(14)
【0048】また、このとき前記ΔPは気圧応動部材4
4の右端面に作用し、気圧応動部材44を左方に押圧す
る。このΔPによる押圧力は左向きで大きさはΔP・R
1である。すなわち、前記試料ホルダHを右方に押圧す
る力Q1′の大きさはΔP・R1だけ減少する。したがっ
て、このとき(P+ΔPのとき)に、前記気圧応動部材
44の当接球(作用力伝達部材)44aが試料ホルダH
を右方に押す力Q2は次式であらわせる。 Q2=Q1′−ΔP・R1 ………………………………………………………(15)
【0049】前記式(14),(15)により、大気圧
がP+ΔPのときに大気圧および気圧応動部材44の当
接球44aが試料ホルダHをゴニオステージS内方に押
す力は、次式で表せる。 (P+ΔP)・R2+Q2 =(P+ΔP)・R2+(Q1′−ΔP・R1) =P・R2+ΔP・R2+Q1′−ΔP・R1 =P・R2+Q1′+ΔP・(R2−R1)……………………………………(16) 前記式(11)により、式(16)の第3項は0とな
る。したがって、大気圧がP+ΔPのときの式(16)
と大気圧がPのときの前記式(13)とは同一となる。
すなわち、この実施例2では、大気圧がPからP+ΔP
に変動しても、試料ホルダHをゴニオステージS内方に
押圧する力の大きさは変動しない。
【0050】次に、大気圧PがΔPだけ減少した場合に
ついて考える。この場合、大気圧が試料ホルダHをゴニ
オステージS内方へ押圧する力が減少し、前記試料ホル
ダHをゴニオステージS外方へ移動させる前記反発力が
相対的に大きくなる。また、このとき前記大気圧Pの減
少により前記気圧応動部材44の右端面に作用していた
外力が減少して、気圧応動部材44を右方に移動させる
力が増加する。このため、気圧応動部材44の当接球4
4aがホルダクリップH1左端面を押圧する力Q1′の大
きさが増加して前記試料ホルダHをゴニオステージS外
方へ移動させる前記反発力が打ち消される。したがっ
て、大気圧がP−ΔPのときに大気圧および気圧応動部
材44が試料ホルダHをゴニオステージS内方に押す力
は、前記大気圧PがΔPだけ増加した場合と同様に、前
記大気圧がPのときに試料ホルダHをゴニオステージS
内方に押圧する前記式(13)と同一となる。すなわ
ち、この実施例2では、大気圧がPからP−ΔPに変動
しても、試料ホルダHをゴニオステージS内方に押圧す
る力の大きさは変動しない。
【0051】(実施例3)次に、図9により本発明の試
料ホルダ支持装置の実施例3について説明する。図9は
本発明の実施例3の試料ホルダ支持装置の気圧応動装置
の平断面図である。なお、この実施例3の説明におい
て、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同
一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実
施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、
他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0052】図9において、前記実施例1の図1,2に
示すグリップカバー36およびグリップカバー36にネ
ジ40を用いて固定された気圧応動装置支持ケース39
の代わりに、ケース71がホルダ支持部材13の外端部
(左端部)に固定されている。前記ケース71内を大気
に連通させるために、ケース71の左端壁には連通孔7
1aが設けられている。前記ケース71の左端壁には左
端壁を貫通する調節ネジ72が螺合している。前記調節
ネジ72の内端(右端、すなわち、−Y側の端部)は球
面に構成されている。調節ネジ72の内端には、リング
状の固定部材73が引張バネ74によって当接してい
る。前記固定部材73は前記引張バネ74により左側に
引張られて前記調節ネジ72の内端位置に固定されてい
る。前記固定部材73の右側には外側ベローズ75およ
び内側ベローズ76を介してリング状の気圧応動部材7
7が支持されている。前記外側ベローズ75と内側ベロ
ーズ76の間は気密且つ定圧に保持されている。この実
施例3では、前記気密且つ定圧に保持されている外側ベ
ローズ75と内側ベローズ76の間の有効断面積R1′
と前記ホルダ貫通孔13aの断面積R2とは同一の値に設
定されている。前記気圧応動部材77の左側端面には作
用力伝達部材としての当接球77aが支持されている。
前記符号73〜77で示された要素から実施例3の気圧
応動装置78が構成されている。
【0053】(実施例3の作用)次に本発明の実施例3
の試料ホルダ支持装置の作用を説明する。前記顕微観察
等の作業を行っている間に大気圧が上昇した場合につい
て考える。この場合、大気圧が前記試料ホルダHをゴニ
オステージS内方へ押圧する力が増加し、試料ホルダH
をゴニオステージS内方へ移動させる外力が発生する。
また、このとき前記大気圧の上昇により前記気圧応動部
材77の右端面に作用していた外力が増加して、気圧応
動部材77を左方に移動させる力が増加する。このた
め、気圧応動部材77の当接球77aがホルダクリップ
H1右端面を押圧する力が増加して試料ホルダHをゴニ
オステージS内方へ移動させる前記外力が打ち消され
る。
【0054】次に、大気圧が低下した場合について考え
る。この場合、大気圧が試料ホルダHをゴニオステージ
S内方へ押圧する力が減少し、前記試料ホルダHをゴニ
オステージS外方へ移動させる前記反発力が相対的に大
きくなる。また、このとき前記大気圧の低下により前記
気圧応動部材77の右端面に作用していた外力が減少し
て、気圧応動部材77は右方に移動しようとする。この
ため、気圧応動部材77の当接球77aがホルダクリッ
プH1右端面を押圧する力が減少して前記試料ホルダH
をゴニオステージS外方へ移動させる前記反発力が打ち
消される。すなわち、この実施例3では、大気圧が上昇
または低下しても、試料ホルダHをゴニオステージS内
方に押圧する力の大きさは変動しない。 (変更例)以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明
は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更
を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に
例示する。
【0055】(H01)前記各実施例において、前記試料
ホルダH先端の位置を定める部材である試料位置決め部
材Cは、ゴニオメータGの対向位置すなわちゴニオステ
ージSの180°ずれた位置に配置する代わりに、90
°ずれた位置に配置して、試料ホルダHの進退位置を規
制するように構成することが可能である。 (H02)前記実施例3において、前記外側ベローズ75
および内側ベローズ76の代わりに、有効断面積の合計
が前記有効断面積R1′と同一となる複数のベローズを
採用することが可能である。
【0056】
【発明の効果】前述の本発明の試料ホルダ支持装置は、
下記の効果を奏することができる。 (E01)内部に真空の試料室が設けられた壁部材を貫通
して前記壁部材の内外を連通させる貫通孔により、試料
ホルダをスライド可能に支持する試料ホルダ支持装置に
おいて、周囲の大気の変動によって試料ホルダが試料室
内に押し込まれたり引き出されたりしないようにするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1の試料ホルダ支持装
置の平断面図で、従来例の説明図である図11に対応す
る図である。
【図2】 図2は同実施例1の縦断面図で、前記図1の
II−II線断面図である。
【図3】 図3は前記図1,2のIII−III線断面図であ
る。
【図4】 図4は前記図2のIV−IV線断面図である。
【図5】 図5は実施例1の作用説明図でる。
【図6】 図6は本発明の実施例2の試料ホルダ支持装
置の平断面図で、前記図11に対応する図である。
【図7】 図7は同実施例2の縦断面図で、前記図6の
VII−VII線断面図である。
【図8】 図8は実施例2の作用説明図でる。
【図9】 図9は本発明の実施例3の試料ホルダ支持装
置の気圧応動装置の平断面図である。
【図10】 図10は本発明が適用される従来の試料ホ
ルダ支持装置を備えた電子顕微鏡(真空作業装置)の概
略説明図である。
【図11】 図11は前記図10の要部の拡大説明図で
ある。
【図12】 図12は前記図11のXI−XI線断面図で
ある。
【符号の説明】 H…試料ホルダ、H1…試料ホルダ外端部(ホルダグリ
ップ)、H2…試料保持部、S…壁部材(ゴニオステー
ジ)、9…球面軸受、13…ホルダ支持部材、13a…
ホルダ貫通孔、(38b;44a;77a)…作用力伝達
部材、(43;75,76)…ベローズ、(45;7
8)…気圧応動装置。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とする試
    料ホルダ支持装置、(Y01)内部が真空に保持された壁
    部材、(Y02)壁部材に支持された球面軸受により回動
    可能に支持されるとともに前記壁部材の内外を連通させ
    るホルダ貫通孔を有するホルダ支持部材、(Y03)内端
    部の試料保持部が前記壁部材の内部に配置されるととも
    に外端部が前記壁部材の外側に配置された試料ホルダ
    を、スライド可能且つ気密に保持する前記ホルダ貫通
    孔、(Y04)前記ホルダ支持部材に支持されて、前記試
    料ホルダに前記スライド方向の力を作用させる作用力伝
    達部材、(Y05)前記作用力伝達部材を、周囲の大気圧
    が上昇したときには前記壁部材の外方へ移動させる力を
    発生するとともに周囲の大気圧が低下したときには前記
    壁部材の内方に移動させる力を発生する気圧応動装置。
  2. 【請求項2】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の試料ホルダ支持装置、(Y06)前記作用力
    伝達部材の外方位置で前記ホルダ支持部材に固定された
    固定部材およびこの固定部材と前記作用力伝達部材との
    間に設けられた内部が定圧に保持されたベローズにより
    構成された前記気圧応動装置。
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