JP3391371B2 - 都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去装置およびその方法 - Google Patents

都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去装置およびその方法

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JP3391371B2
JP3391371B2 JP27362197A JP27362197A JP3391371B2 JP 3391371 B2 JP3391371 B2 JP 3391371B2 JP 27362197 A JP27362197 A JP 27362197A JP 27362197 A JP27362197 A JP 27362197A JP 3391371 B2 JP3391371 B2 JP 3391371B2
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    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水中または酸性
溶液中での比重選別を採用したことで、ごみ焼却場から
排出される都市ごみ焼却灰中より、ステンレス等の異物
と同時に塩素をも除去して、これをセメント原料の一部
として利用することができるようにした都市ごみ焼却灰
のセメント原料化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】生活圏から排出された一般廃棄物である
都市ごみは、清掃車などにより収集され、その一部がご
み処理工場の焼却炉により焼却される。焼却後の焼却灰
の主成分は、ポルトランドセメントの原料に類似したS
iO,Al,Fe,CaOなどである。し
かしながら、都市ごみ焼却灰中には、セメントとしては
不適合な成分も含まれている。その代表成分が、鉄筋コ
ンクリート中の鉄筋を溶損させる塩素である。この塩素
は、都市ごみ焼却灰、殊にその飛灰中に5〜10重量%
前後も含まれている。したがって、都市ごみ焼却灰は、
珪素やアルミニウムの原料としては有用であっても、そ
のままではポルトランドセメントの原料として用いるこ
とができない。
【0003】そこで、従来、都市ごみ焼却灰を、乾燥し
た下水汚泥とともに乾式セメントキルン内へ投入して、
1350℃前後という比較的低い温度の焼成によりセメ
ントクリンカを中間製造するエコセメント(エコロジー
とセメントとの合成語)と称されるものが開発されてい
る。エコセメントでは、ポルトランドセメントに含まれ
ないカルシウムクロロアルミネート(C11・Ca
Cl)が、セメントクリンカ中の隙間を埋める間隙相
となって多量に存在する。反面、普通ポルトランドセメ
ントに含まれるカルシウムアルミネート(CA)がほ
とんどない。これにより、エコセメントは、普通ポルト
ランドセメントの初期水和反応とは異なり、注水直後に
エトリンガイトおよびフリーデル氏塩(CA・CaC
・10HO)を生成しながら水和反応が進行し、
その後、エトリンガイトの活発な水和が生じることにな
る。この結果、セメントの凝結時間が短縮し、強さ発現
の速硬性が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術におけるエコセメントは、その成分中に比
較的多量の塩素を有している。このため、鉄筋を用いな
い無筋系の分野にその用途が限定されていた。例えば、
漁礁、消波ブロックなどの海洋コンクリートや、地盤改
良材などである。この結果、セメントの用途の大半を占
める鉄筋構造物用としては利用することができなかっ
た。また一方では、この都市ごみ焼却灰は、多量の異物
(金属類など)を含むため、セメント原料化するために
は、この異物を除去する必要がある。異物除去の手段と
しては、磁力による選別、ふるい分けなどが通常用いら
れる。
【0005】しかしながら、ふるい分け手段により都市
ごみ焼却灰を分級する場合、5mm以下の大きさにまで
分級しなければ、セメント原料として使用することがで
きなかった。5mmを越えた大きさの都市ごみ焼却灰中
には、例えばボルト、ナット、小型フォークなどといっ
た異物の混入割合が大きくなるからである。また、磁選
のみによれば、ステンレス製品などを除去することがで
きなかった。ところが、5mm以下までの大きさにまで
分級すると、その歩留りが全焼却灰中の20〜30%と
低くなっていた。また、その分、処理コストの高騰を招
くという問題点があった。
【0006】そこで、発明者らは、鋭意研究の結果、都
市ごみ焼却灰を水中または酸性溶液中に投入して比重選
別すれば、都市ごみ焼却灰中の塩素を除去することがで
きると同時に、セメント原料として有用な比較的比重の
小さい灰成分だけを取り出することができることを見出
し、この発明を開発するに至った。
【0007】
【発明の目的】この発明は、都市ごみ焼却灰中からステ
ンレス等の異物を除去することができると同時に、都市
ごみ焼却灰中に含まれる塩素分をも除去することがで
き、これにより比較的大きな歩留りで、都市ごみ焼却灰
をセメント原料の一部として利用することができる都市
ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去方法およびその
装置を提供することを、その目的とする。また、この発
明は、その設備コストを低減することができる都市ごみ
焼却灰の塩素および金属類等の除去方法およびその装置
を提供することを、その目的としている。さらに、この
発明は、塩素分の除去率を高められる都市ごみ焼却灰の
塩素および金属類等の除去方法および装置を提供するこ
とを、その目的としている。さらにまた、この発明は、
水洗では除去することができない都市ごみ焼却灰中の不
溶性塩素を除去することができる都市ごみ焼却灰の塩素
および金属類等の除去方法を提供することを、その目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、水槽内の水または酸性溶液中に保持された都市ごみ
焼却灰中の塩素分を水洗または酸洗すると同時に、比重
選別により、この都市ごみ焼却灰のうち、比較的比重の
小さい灰成分を水槽からオーバフローさせて分離する一
方、比較的比重の大きな金属類成分を水槽側壁の排出口
より除去する都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除
去装置において、上記水槽内は、都市ごみ焼却灰を固定
された網上に載置する網室と、上記水槽中の水または酸
性溶液を躍動させるプランジャが配備されたプランジャ
室とに平面視して二分され、上記網室およびプランジャ
室の下部同士は内水路により連結され、上記プランジャ
室内の水または酸性溶液を上記プランジャで押圧し、ま
たはその押圧を解除することにより、上記網室内の都市
ごみ焼却灰を上下に躍動させるとともに、上記排出口を
網室に開口させ、上記網上の金属類成分をダムに迫り上
げた後排出口より排出する都市ごみ焼却灰の塩素および
金属類等の除去装置である。都市ごみとは、都市などの
生活圏から排出される一般廃棄物をいう。すなわち、こ
こで取り扱う一般廃棄物の主なものには、ごみ処理工場
で焼却処分される一般ごみのうち、紙類、ちゅうかい、
繊維、木、竹類などの可燃ごみが挙げられる。なお、現
実的な分別ごみの収集状況から、この中には、一部のプ
ラスチック、ゴム、金属、ガラス・陶器類、雑物などの
不燃・焼却不適ごみも含まれる。
【0009】都市ごみ焼却灰中の塩素は、通常、焼却灰
全体の0.4〜5重量%を占めていた。この発明は、水
中で都市ごみ焼却灰を上昇および下降の交換水流により
十分に水洗することで、その塩素濃度を好ましくは例え
ば200ppm以下とする。これは、200ppmを超
えると、セメント原料として投入した場合キルンの運転
に支障をきたすからである。ただし、塩素濃度の低減値
は、この数値に限定されない。
【0010】なお、都市ごみ焼却灰を比重選別する前
に、予めふるいを用いて粗い分級を実施してもよい。こ
の都市ごみ焼却灰の分級には、例えば網目65mmの粗
いふるいで粗分級し(空き缶,鉄くず,未燃の電話帳な
どを除去)、その後、網目20mmの細かいふるいを用
いて細分級する(空き缶,ガラス,陶器片,大型のフォ
ークなどを除去)ようにしてもよい。こうして分級され
たポルトランドセメントの一部の原料として使用可能な
都市ごみ焼却灰の成分は、ポルトランドセメントの原料
である粘土に比較的類似した成分になる。すなわち、例
えば水分(11.4重量%)、ig.loss(5.45重量
%)、SiO(39.62重量%)、Al(1
4.71重量%)、Fe(13.20重量%)、
CaO(16.84重量%)、MgO(2.42重量
%)、SO(0.68重量%)、NaO(2.35
重量%)、KO(1.41重量%)、TiO(1.
40重量%)、MnO(0.13重量%)、P
(1.50重量%)という具合である。
【0011】発明者の実験によれば、水洗前、全塩素分
4100ppmだった都市ごみ焼却灰が、水洗後には約
1000ppmまで低下した。残りの不溶性塩素分は、
例えば、硫酸などを使用して酸洗することで除去するこ
とができる。これにより、さらに塩素濃度を200pp
m程度まで低減することができる。塩素分が少なくなる
ほど、この都市ごみ焼却灰から得られた物質が、セメン
ト原料の一部に代替えされる割合が増加する。
【0012】ここでいう比重選別とは、水槽の水中で混
合物を上下に躍動させた後、その比重の差を利用して、
混合物中の各成分を分離する方法である。すなわち、水
中で網板などの上に保持された被選別物(混合物)を、
いったん、押し上げて水中に分散させると、この分散状
態の被選別物は上昇の頂点において一瞬停止したのち、
下降水流(サクション・ストローク)に入るまでの間
に、被選別物を構成する各成分が、大きさに関係なく、
比重の差だけによって選別される。これは、比重の大き
い成分がより速い沈降速度により次第に下層に移る一
方、比重の小さい成分は上層に残るためである。比重選
別は、この現象を利用した混合物の選別方法である。
【0013】都市ごみ焼却灰を水中に投入して比重選別
する装置は、一般に跳汰機と称されている。この跳汰機
は、被選別物である都市ごみ焼却灰に対する跳汰運動
(躍動)の与え方において、次の2種類に大別される。
すなわち、(1)網板を固定し、上昇および下降の交換
水流を利用することにより都市ごみ焼却灰を比重選別す
る固定網式跳汰機と、(2)都市ごみ焼却灰を載置した
網板自体を昇降させて比重選別する可動網式跳汰機とで
ある。
【0014】このうち、固定網式跳汰機は、水を動かす
方法によって、次の3種類に分けられる。すなわち、
(a)例えば請求項2のような、水槽の内部が、都市ご
み焼却灰が載置される網室と、この網室の下部と内水路
によって連結されたプランジャ室とに区分され、またプ
ランジャ室に、この室内の水を押圧したり、この押圧を
解除したりするプランジャを備えたプランジャ式跳汰機
(Mechanicaljig, plunger j
ig; Kolbensetzmaschine)と、
(b)圧縮空気の膨張力を利用して、水槽内の水を脈動
させるバウム・ジグ(Baum jig)などの気力跳
汰機(Air pulsated jig; luft
gesteuerte Setzmaschine)
と、(c)網室のみとして、その網下のハッチを水頭を
有する水に連絡し、その水の通路中に機械動の弁を配置
して水の流れを断続的とし、これにより水の吸い込みを
なくして押し上げだけを行う鼓動水力跳汰機(リチャー
ズ式鼓動水力跳汰機または汎アメリカ式鼓動水力跳汰
機)とである。なお、(a)のプランジャ式跳汰機とし
ては、例えば網室の横にプランジャを配設したもの、網
下にプランジャを配設したものなどがある。また、比重
選別により得られた都市ごみ焼却灰の灰成分の用途は、
セメント原料の代替え物に限定されず、その他、例えば
焼成骨材の原料などにも利用することができる。水槽内
における網室の設置箇所は限定されず、例えば水槽の上
部でも水槽の中央部でもよい。ただし、水槽の上部近く
の方が一般的である。要は、網室の底に堆積した略全部
の都市ごみ焼却灰を、その上昇水流により水面近くまで
押し上げることができ、しかも下降水流によって都市ご
み焼却灰が引き下げられるまでの間に、その比重差によ
り、都市ごみ焼却灰中の比較的軽い灰成分と、比較的重
い金属類などの成分とに選別することができればよい。
【0015】請求項2に記載の発明は、水槽内の水また
は酸性溶液中に保持された都市ごみ焼却灰を上下に躍動
させて、この都市ごみ焼却灰中の塩素分をその水または
酸性溶液で洗浄すると同時に、比重選別により、この都
市ごみ焼却灰のうち、比較的比重の小さい灰成分を水槽
からオーバフローさせて分離する一方、比較的比重の大
きな金属類成分を水槽側壁に形成した排出口より除去す
る都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去方法であ
って、固定された網上に載置された上記金属類成分をい
ったんダムに迫り上げてその後排出口より水槽外部に除
去する都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去方法
である。
【0016】請求項3に記載の発明は、上記都市ごみ焼
却灰中の塩素分は、そのうちの水溶性塩素を水洗した
後、水に不溶性の塩素を酸性溶液により酸洗する請求項
2に記載の都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去
方法である。この酸洗とは、例えば硫酸溶液、硝酸溶液
などの各種酸性溶液を使用して、都市ごみ焼却灰の塩素
分のうち、水に溶けない不溶性塩素を酸洗することをい
う。酸洗は水洗後に行われる。なお、この酸洗は、通
常、酸洗後の処理水の水素イオン指数がpH7より高く
なるまで(例えば、処理水がpH7〜pH9になるま
で)行う。酸洗により、都市ごみ焼却灰中に含まれるカ
ルシウムなどが溶出して、その処理水はアルカリ化す
る。なお、酸洗の方法としては、例えば都市ごみ焼却灰
を酸性溶液中に浸す浸漬法や、スプリンクラーなどを使
って酸性溶液を噴射する噴射酸洗方法などが採用するこ
とができる。
【0017】
【作用】この発明によれば、網固定式跳汰機にあって、
水中または酸性溶液中の都市ごみ焼却灰を上昇および下
降の交換水流により上下に躍動させることで、都市ごみ
焼却灰の分散を行う。この際、都市ごみ焼却灰中に含ま
れる塩素分が水洗または酸洗されて除去される。この分
散された都市ごみ焼却灰は、上昇の頂点において一瞬停
止したのち、下降水流に入るまでの間に、その構成する
灰成分や金属類成分などが、大きさに関係なく、比重の
差だけによって選別される。すなわち、比重が大きい金
属類成分などがより速い沈降速度により次第に下層に移
り、比重が小さい灰成分が上層に残る。その後、灰成分
は、水槽からオーバフローさせることにより水中から取
り出して、例えばエコセメントでは使用することができ
なかった鉄筋構造物用のセメント原料の一部として利用
することができる。また、不要成分である残部の金属類
成分などは、ダムに迫り上げられた後排出口より分離さ
れて除去される。しかも、このように水中またh酸性溶
液中での比重選別を採用したので、一般的なふるいによ
る選別に比べて良好な歩留り(50〜80%程度)で、
このセメント原料として使用可能な成分(例えばステン
レス製の釘,ボルトナット類,小型フォークなどが除去
された灰成分)が得られる。
【0018】特に、水槽の内水路の一方側に連結された
網室内に都市ごみ焼却灰を投入し、その後、この内水路
の他方側に連結されたプランジャ室内の水または酸性溶
液をプランジャで押圧し、またはこの押圧を解除して、
網室内で上昇水流および下降水流からなる交換水流を発
生させるので、前述した効果が、比較的構造が簡単な汎
用の跳汰機により得られ、これにより設備コストの低減
が図れる。
【0019】また、請求項3に記載の発明によれば、上
記都市ごみ焼却灰中の塩素分は、水洗工程により水溶性
塩素を除去するだけではなく、水に溶けない不溶性の塩
素も酸性溶液により酸洗するので、その塩素濃度を、水
洗だけの場合に比べて、例えば水洗だけでは1000p
pmまでが限界だったのが、200ppm以下の濃度ま
で低減させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を説明す
る。図1は、この発明の一実施例に係る都市ごみ焼却灰
の塩素および金属類等の除去方法が適用された都市ごみ
焼却灰の塩素および金属類等の除去装置の模式側面図で
ある。図2は、図1のS2−S2断面図である。図3
は、同都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去装置
の模式平面図である。図1〜図3において、10は都市
ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去装置の一例であ
るプランジャ式跳汰機であり、このプランジャ式跳汰機
10は、下部がホッパ形状に徐々に細められた横長な水
槽11を有している。水槽11の下端部には排水バルブ
12が設けられており、また水槽11の長幅方向の一端
には都市ごみ焼却灰15の投入口11aが設けられる一
方、この長幅方向の他端には都市ごみ焼却灰15中の比
較的比重が小さい灰成分15aの排出口11bが設けら
れている。
【0021】この水槽11の上部空間は、垂直な仕切り
板13によって平面視して二分されている。一方は若干
幅狭なプランジャ室14であり、他方は若干幅広でしか
も都市ごみ焼却灰15が載置される網板16aを有する
網室16である。また、両室14,16の下部同士は、
内水路100によりU字状に連結されている。プランジ
ャ室14には、図外のプランジャ昇降装置(昇降モータ
や減速機などを含む)によって昇降されるプランジャ1
7が配備されている。また、網室16には、その側面形
成板の中央部にダム18が設けられている。このダム1
8上には、都市ごみ焼却灰15のうち、比重が大きな金
属類成分15bの排出口19が形成されている。この排
出口19の形成部には、排出口19を水槽11の内側か
ら覆うように、上下端面が開放され、かつその下縁が、
排出口19の下端高さより低く設計された枠板状のゲー
ト20が取り付けられている。なお、図1,図3におい
て、17aはプランジャロッドである。
【0022】次に、このプランジャ式跳汰機10を用い
た一実施例の都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除
去方法を説明する。図1〜図3に示すように、水がいっ
ぱいに張られた水槽11の投入口11aから、網室16
内へ向かって都市ごみ焼却灰15を投入する。投入直後
の都市ごみ焼却灰15は、網板16a上に灰成分15a
および金属類成分15bが混在状態になっている。その
後、図外のプランジャ昇降装置を作動させてプランジャ
17を昇降させると、水槽11内の水に上昇および下降
の交換水流が起き、これにより水槽11の内水路100
を介して、網板16a上の都市ごみ焼却灰15が上下に
躍動する。この結果、都市ごみ焼却灰15が水中に分散
される。この際、都市ごみ焼却灰15中の塩素分が水洗
されて除去される。この分散後、都市ごみ焼却灰15の
一部を構成する灰成分15aおよび金属類成分15b
は、その比重の差により選別されて、比重の小さい灰成
分15aはプランジャ17の押し下げ時にオーバーフロ
ー水とともに排出口11bから槽外へ排出される。一
方、比重の大きな金属類成分15bは、ゲート20を潜
ってダム18を迫り上がり、排出口19から槽外へ排出
される。
【0023】次に、図4を参照して、この都市ごみ焼却
灰15の比重選別を詳細に説明する。図4は、水中にお
ける都市ごみ焼却灰の比重選別の説明図である。図4
(a)は、都市ごみ焼却灰15を網室16内へ投入した
直後を示し、この状態では、網板16a上に灰成分15
aと金属類成分15bとが混在している。次に、プラン
ジャ17を押し下げて網室16内において上昇水流を発
生させると、図4(b)に示すように、網室16の水位
が上昇し、都市ごみ焼却灰15が分散する。
【0024】分散された都市ごみ焼却灰15は、プラン
ジャ17の押し上げが停止した上昇の頂点において一瞬
停止し、その後、灰成分15aおよび金属類成分15b
が、その比重の差によって選別される。すなわち、比重
が大きい金属類成分15bの沈降速度は速くなり次第に
下層に移動する。一方、比重が小さい灰成分は沈降速度
が遅くて上層に残る(図4(c)参照)。その後、プラ
ンジャ17の引き上げにより、網室16内において下降
水流が発生し、これにより網板16a上に、上層の灰成
分15aと下層の金属類成分15bとに分かれた都市ご
み焼却灰15が堆積する(図4(d)参照)。以降、こ
の操作が連続して繰り返される。なお、比重の小さい灰
成分15aは、図4(b)に示す網室16の水位上昇時
に、オーバーフロー水とともに排出口11bから排出さ
れて、その後、水分が除去されてセメント原料の一部と
して利用される。また、比重の大きな金属類成分15b
は、図4(d)に示す網室16の水位低下時に、ゲート
20を潜って排出口19から排出され、廃棄処分され
る。
【0025】このように、水中において都市ごみ焼却灰
15を、セメント原料の代替え物質として有用な灰成分
15aと、不要なステンレス等の異物である金属類成分
15bとに比重選別するようにしたので、都市ごみ焼却
灰15中に含まれる塩素分をを除去することができる。
と同時に、比較的大きな歩留り(50〜80%程度)
で、都市ごみ焼却灰15を、例えば従来開発されたエコ
セメントでは使用することができなかった鉄筋構造物用
のセメント原料の一部として利用することができる。ま
た、この実施例では、水槽11の網室16内に都市ごみ
焼却灰15を投入し、その後、プランジャ室14内の水
をプランジャ17で押圧したり、この押圧を解除したり
して交換水流を発生させるようにした。このため、前述
したようなこの実施例の効果が、汎用機で比較的安価な
プランジャ式跳汰機10によって得られる。
【0026】なお、都市ごみ焼却灰15中の塩素分は、
このように水溶性塩素を水洗するだけでなく、水に溶け
ない不溶性塩素を硫酸などの酸性溶液により酸洗しても
よい。この場合、その酸洗の目安は、洗浄後の処理水の
水素イオン指数が中性を示すpH7より高くなるまで行
うものとする。好ましくはpH7から弱アルカリを示す
pH9になるまでとする。また、水槽11に酸性溶液を
貯留して、プランジャ17を作動させれば、前述したよ
うな比重選別と同時に、都市ごみ焼却灰15中の塩素分
のうち、水に溶けない不溶性塩素を単独で除去すること
ができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明にあ
っては、水中において都市ごみ焼却灰を比重選別するよ
うにしたので、都市ごみ焼却灰中からステンレス等の異
物を除去することができると同時に、都市ごみ焼却灰中
に含まれる塩素分をも除去することができる。これによ
り比較的大きな歩留りで、都市ごみ焼却灰を通常のセメ
ント原料の一部として代替え利用することができる。特
に、汎用されている比較的簡単な構造のプランジャ式跳
汰機を用いて、この都市ごみ焼却灰の比重選別を行うよ
うにしたので、設備コストの低減が図れる。また、都市
ごみ焼却灰中の塩素分は、水洗工程により水溶性塩素を
除去するだけではなく、水に溶けない不溶性塩素も酸洗
するようにしたので、その塩素濃度を、水洗だけの場合
に比べてより低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る都市ごみ焼却灰の塩
素および金属類等の除去方法が適用されたその除去装置
の模式側面図である。
【図2】図1のS2−S2線での断面図である。
【図3】この発明の一実施例に係る都市ごみ焼却灰の塩
素および金属類等の除去装置の模式平面図である。
【図4】この発明の一実施例に係る水中における都市ご
み焼却灰の比重選別の説明図である。
【符号の説明】 10 プランジャ式跳汰機(都市ごみ焼却灰の塩素およ
び金属類等の除去装置)、11 水槽、14 プランジ
ャ室、15 都市ごみ焼却灰、15a 灰成分、15b
金属類成分、16 網室、16a 網板、17 プラ
ンジャ、100 内水路。
フロントページの続き (72)発明者 石▲崎▼ 倫朗 福岡県北九州市八幡西区洞南町1番1号 三菱マテリアル株式会社セメント開発 センタ−内 (56)参考文献 特開 平7−136545(JP,A) 特開 平8−24831(JP,A) 特開 平7−155737(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 - 5/00 B03B 5/22,5/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水槽内の水または酸性溶液中に保持され
    た都市ごみ焼却灰中の塩素分を水洗または酸洗すると同
    時に、比重選別により、この都市ごみ焼却灰のうち、比
    較的比重の小さい灰成分を水槽からオーバフローさせて
    分離する一方、比較的比重の大きな金属類成分を水槽側
    壁の排出口より除去する都市ごみ焼却灰の塩素および金
    属類等の除去装置において、 上記水槽内は、都市ごみ焼却灰を固定された網上に載置
    する網室と、上記水槽中の水または酸性溶液を躍動させ
    るプランジャが配備されたプランジャ室とに平面視して
    二分され、 上記網室およびプランジャ室の下部同士は内水路により
    連結され、 上記プランジャ室内の水または酸性溶液を上記プランジ
    ャで押圧し、またはその押圧を解除することにより、上
    記網室内の都市ごみ焼却灰を上下に躍動させるととも
    に、 上記排出口を網室に開口させ、上記網上の金属類成分を
    ダムに迫り上げた後排出口より排出する都市ごみ焼却灰
    の塩素および金属類等の除去装置。
  2. 【請求項2】 水槽内の水または酸性溶液中に保持され
    た都市ごみ焼却灰を上下に躍動させて、この都市ごみ焼
    却灰中の塩素分をその水または酸性溶液で洗浄すると同
    時に、比重選別により、この都市ごみ焼却灰のうち、比
    較的比重の小さい灰成分を水槽からオーバフローさせて
    分離する一方、比較的比重の大きな金属類成分を水槽側
    壁に形成した排出口より除去する都市ごみ焼却灰の塩素
    および金属類等の除去方法であって、 固定された網上に載置された上記金属類成分をいったん
    ダムに迫り上げてその後排出口より水槽外部に除去する
    都市ごみ焼却灰の塩素および金属類等の除去方法。
  3. 【請求項3】 上記都市ごみ焼却灰中の塩素分は、その
    うちの水溶性塩素を水洗した後、水に不溶性の塩素を酸
    性溶液により酸洗する請求項2に記載の都市 ごみ焼却灰
    の塩素および金属類等の除去方法。
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