JP3390498B2 - 布はく、その巻き取り方法およびその巻き取り装置 - Google Patents
布はく、その巻き取り方法およびその巻き取り装置Info
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- JP3390498B2 JP3390498B2 JP25364593A JP25364593A JP3390498B2 JP 3390498 B2 JP3390498 B2 JP 3390498B2 JP 25364593 A JP25364593 A JP 25364593A JP 25364593 A JP25364593 A JP 25364593A JP 3390498 B2 JP3390498 B2 JP 3390498B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この出願発明は、布はく、その巻
き取り方法およびその巻き取り装置に関するものであっ
て、とくに、長手方向に張力がかからず、厚さ方向に圧
縮された布はくであり、布はくを所望の密度に巻き取る
方法およびその装置に関する。
き取り方法およびその巻き取り装置に関するものであっ
て、とくに、長手方向に張力がかからず、厚さ方向に圧
縮された布はくであり、布はくを所望の密度に巻き取る
方法およびその装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、布はくの主な巻き取り方式として
は、センター巻きとサーフェイス巻きが知られている
が、これらの巻き方式でコンパクトに巻き上げる硬巻き
を行うには、つぎのような制約および欠点がある。セン
ター巻き方式で硬巻きを行う場合は、布はくにテンショ
ンを掛ける以外に方法はなく、充分な引っ張り強さを有
し、かつ、引き伸ばされない布はくであるか、もしく
は、引き伸ばされても支障のないものに限られ、均一に
巻き上げるには当然ながら、布はくに掛かるテンション
を一定にする必要がある。そして、このためには、巻き
径が成長するのに合わせ、巻き軸の回転数を含めた駆動
力の制御を行わなければならない。一方、サーフェイス
巻き方式の場合は、受けロールおよび押さえロールで巻
き中心方向に圧力を加えて巻き取ることになり、圧縮を
受けると厚み減りする中入れ綿のような布はくにおいて
は、各ロールと巻き軸間の距離で決まる布はくが引き取
られる作用円径に比べ、各ロールに接していない部分は
膨れ上がりによる大きな径になっており、この差は布は
くが外周付近ではテンションを受け、内側では締め上げ
られて緩みが生じ皺の発生を見る場合もある。また、濾
過寿命および濾過精度の良好な巻き込み積層型カートリ
ッジフィルタは、密度の異なる複数の不織布濾材を密度
の低いものから順次長尺のメッシュ上に並べて、多孔性
巻芯に巻回して製造するが、メッシュは不織布濾材を巻
回するための支持体であるだけで、濾過面積を減少さ
せ、巻き径も大きくなるという問題があった。
は、センター巻きとサーフェイス巻きが知られている
が、これらの巻き方式でコンパクトに巻き上げる硬巻き
を行うには、つぎのような制約および欠点がある。セン
ター巻き方式で硬巻きを行う場合は、布はくにテンショ
ンを掛ける以外に方法はなく、充分な引っ張り強さを有
し、かつ、引き伸ばされない布はくであるか、もしく
は、引き伸ばされても支障のないものに限られ、均一に
巻き上げるには当然ながら、布はくに掛かるテンション
を一定にする必要がある。そして、このためには、巻き
径が成長するのに合わせ、巻き軸の回転数を含めた駆動
力の制御を行わなければならない。一方、サーフェイス
巻き方式の場合は、受けロールおよび押さえロールで巻
き中心方向に圧力を加えて巻き取ることになり、圧縮を
受けると厚み減りする中入れ綿のような布はくにおいて
は、各ロールと巻き軸間の距離で決まる布はくが引き取
られる作用円径に比べ、各ロールに接していない部分は
膨れ上がりによる大きな径になっており、この差は布は
くが外周付近ではテンションを受け、内側では締め上げ
られて緩みが生じ皺の発生を見る場合もある。また、濾
過寿命および濾過精度の良好な巻き込み積層型カートリ
ッジフィルタは、密度の異なる複数の不織布濾材を密度
の低いものから順次長尺のメッシュ上に並べて、多孔性
巻芯に巻回して製造するが、メッシュは不織布濾材を巻
回するための支持体であるだけで、濾過面積を減少さ
せ、巻き径も大きくなるという問題があった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この出願発明は布はく
を張力のかからない状態で、しかも、所望の密度に圧縮
して巻き取る方法およびそのための装置を提供するもの
である。
を張力のかからない状態で、しかも、所望の密度に圧縮
して巻き取る方法およびそのための装置を提供するもの
である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】この出願発明は、ベルト
を利用した巻き取り装置において、巻芯の大部分を包囲
するようにベルトを配置することにより、布はくを巻き
取る方法およびそのための巻き取り装置であって、張力
のかからない状態で、しかも、布はくを所望の密度で巻
き取ることができるという優れた効果が得られる。
を利用した巻き取り装置において、巻芯の大部分を包囲
するようにベルトを配置することにより、布はくを巻き
取る方法およびそのための巻き取り装置であって、張力
のかからない状態で、しかも、布はくを所望の密度で巻
き取ることができるという優れた効果が得られる。
【０００５】この出願発明の巻き取り装置の一例を図１
の巻き始めの状態および図２の巻き上がりの状態を示す
図によって説明する。図１に示すように、巻芯２を回転
可能な軸に装着し、その巻芯２の大部分をベルト３で包
囲し、その前方にベルト３を駆動する一対のドライブロ
ール４を、その後方にベルト３に負荷をかける一対のブ
レーキロール５を配置したものである。ここで、ベルト
３は、巻芯２の直径の大小、巻き取りによる巻き径の増
大に応じて変化できるようにダンサーロール６等によっ
て遊びを有したものが外れないので好ましく、しかも、
エンドレスになったものが連続生産上好ましいが、とく
に限定されるものではない。まず、ドライブロール４と
ブレーキロール５とを駆動させて、ベルト３を巻芯２に
密着させる。つぎに、コンベア上に乗せられて連続的に
送られてくる、連続または不連続の布はく１を、この巻
芯２とこれを大部分包囲するように配置したベルト３と
の間に挿入し、巻芯２に巻き取る。
の巻き始めの状態および図２の巻き上がりの状態を示す
図によって説明する。図１に示すように、巻芯２を回転
可能な軸に装着し、その巻芯２の大部分をベルト３で包
囲し、その前方にベルト３を駆動する一対のドライブロ
ール４を、その後方にベルト３に負荷をかける一対のブ
レーキロール５を配置したものである。ここで、ベルト
３は、巻芯２の直径の大小、巻き取りによる巻き径の増
大に応じて変化できるようにダンサーロール６等によっ
て遊びを有したものが外れないので好ましく、しかも、
エンドレスになったものが連続生産上好ましいが、とく
に限定されるものではない。まず、ドライブロール４と
ブレーキロール５とを駆動させて、ベルト３を巻芯２に
密着させる。つぎに、コンベア上に乗せられて連続的に
送られてくる、連続または不連続の布はく１を、この巻
芯２とこれを大部分包囲するように配置したベルト３と
の間に挿入し、巻芯２に巻き取る。
【０００６】このとき、布はく１は、ベルト３にかかる
ブレーキ力を調整することにより一定の硬さで巻き取る
ことができる。図２のように、布はく１を一定の長さあ
るいは一定の巻き径に巻き取ったとき、ドライブロール
４を止め、ついで、ベルト３を緩めて開放し、得られた
巻物状布はくをこの装置から取り出す。このとき、布は
くの最終端を粘着テープ等でとめるが、予め、布はくの
最終端に粘着テープ等を取り付けておいて巻き込んでも
よいし、布はくの最終端の後に包装材をおいて巻き込ん
でもよい。このようにこの出願発明は、巻芯の大部分を
包囲するようにベルトを配置し、ドライブロールでベル
トを走行させながら、一方でそのベルトを挟んだブレー
キロールのブレーキ力を調整することによって、布はく
を所望の密度に巻き取ることができるものである。ブレ
ーキ力の調整は、パッド、スプリング、電気制動等の手
段により、ベルトに負荷をかけることにより行われる。
ブレーキ力を調整することにより一定の硬さで巻き取る
ことができる。図２のように、布はく１を一定の長さあ
るいは一定の巻き径に巻き取ったとき、ドライブロール
４を止め、ついで、ベルト３を緩めて開放し、得られた
巻物状布はくをこの装置から取り出す。このとき、布は
くの最終端を粘着テープ等でとめるが、予め、布はくの
最終端に粘着テープ等を取り付けておいて巻き込んでも
よいし、布はくの最終端の後に包装材をおいて巻き込ん
でもよい。このようにこの出願発明は、巻芯の大部分を
包囲するようにベルトを配置し、ドライブロールでベル
トを走行させながら、一方でそのベルトを挟んだブレー
キロールのブレーキ力を調整することによって、布はく
を所望の密度に巻き取ることができるものである。ブレ
ーキ力の調整は、パッド、スプリング、電気制動等の手
段により、ベルトに負荷をかけることにより行われる。
【０００７】この出願発明により、布はくを張力のかか
らない状態で、しかも、高密度で巻き取ることができる
ので、例えば、中入綿やフィルタのように、嵩高で低密
度のものを硬く巻き取って高密度化すれば、厚さ方向に
元の厚さの２／３以上に圧縮でき、容積を大幅に縮小で
きるので、保管あるいは運搬を小さな空間で行うことが
できる。しかも、使用時に巻き戻すと、元の低密度の状
態に容易に回復させることができる。
らない状態で、しかも、高密度で巻き取ることができる
ので、例えば、中入綿やフィルタのように、嵩高で低密
度のものを硬く巻き取って高密度化すれば、厚さ方向に
元の厚さの２／３以上に圧縮でき、容積を大幅に縮小で
きるので、保管あるいは運搬を小さな空間で行うことが
できる。しかも、使用時に巻き戻すと、元の低密度の状
態に容易に回復させることができる。
【０００８】また、この出願発明の巻き取り方法は、巻
き径の大きさが変化しても周速度が常に一定であり、し
かも、張力がかからない状態で布はくを巻き取ることが
できるので、巻物状布はくが従来のように巻き径の中心
部が柔らかく、外周部が硬く巻かれ、中心部にしわが発
生することもない。しかも、巻き取りの前後で、布はく
の品質は厚み方向に圧縮されるだけで殆ど変わらない。
き径の大きさが変化しても周速度が常に一定であり、し
かも、張力がかからない状態で布はくを巻き取ることが
できるので、巻物状布はくが従来のように巻き径の中心
部が柔らかく、外周部が硬く巻かれ、中心部にしわが発
生することもない。しかも、巻き取りの前後で、布はく
の品質は厚み方向に圧縮されるだけで殆ど変わらない。
【０００９】この出願発明に適用できる布はくとして
は、綿、ウェブ、不織布、織布、編布、紙、フィルム、
フォーム等があり、とくに限定するものではないが、嵩
高な中入綿、フィルタ等の不織布に好適で、また、種々
の密度を有する不連続な複数の布はくを、順次多孔性巻
芯に巻き取る積層型カートリッジフィルタに好適であ
る。
は、綿、ウェブ、不織布、織布、編布、紙、フィルム、
フォーム等があり、とくに限定するものではないが、嵩
高な中入綿、フィルタ等の不織布に好適で、また、種々
の密度を有する不連続な複数の布はくを、順次多孔性巻
芯に巻き取る積層型カートリッジフィルタに好適であ
る。
【００１０】積層型カートリッジフィルタ８の構造の一
例を図３に示す。図３において９は多孔性巻芯、１０は
不織布濾材、１１は多孔網筒、１２はエンドキャップで
ある。図３は、多孔性巻芯９に、平均繊維径、平均孔径
が内層から外層へ順次大きくなるように、密度の異なる
複数の不織布濾材１０を巻回した積層型カートリッジフ
ィルタ８で、更に不織布濾材１０を保護するために、外
部にポリプロピレン樹脂製多孔網筒１１を配置し、その
両端に加熱溶融法によってポリプロピレン樹脂製エンド
キャップ１２を完全に溶着させたものである。この出願
発明のカートリッジフィルタ８は、フィルタハウジング
内に設置され、濾過しようとする媒体を、外部の多孔網
筒１１から不織布濾材１０を通って内部の多孔性巻芯９
に透過させることにより、液体中の微粒子や微生物を効
率よく除去することができるため、エレクトロニクス分
野における水、溶剤、化学薬品等の濾過や製薬、化粧品
業界におけるプロセス水、溶剤および中間体製品の濾過
等に好適に使用される。
例を図３に示す。図３において９は多孔性巻芯、１０は
不織布濾材、１１は多孔網筒、１２はエンドキャップで
ある。図３は、多孔性巻芯９に、平均繊維径、平均孔径
が内層から外層へ順次大きくなるように、密度の異なる
複数の不織布濾材１０を巻回した積層型カートリッジフ
ィルタ８で、更に不織布濾材１０を保護するために、外
部にポリプロピレン樹脂製多孔網筒１１を配置し、その
両端に加熱溶融法によってポリプロピレン樹脂製エンド
キャップ１２を完全に溶着させたものである。この出願
発明のカートリッジフィルタ８は、フィルタハウジング
内に設置され、濾過しようとする媒体を、外部の多孔網
筒１１から不織布濾材１０を通って内部の多孔性巻芯９
に透過させることにより、液体中の微粒子や微生物を効
率よく除去することができるため、エレクトロニクス分
野における水、溶剤、化学薬品等の濾過や製薬、化粧品
業界におけるプロセス水、溶剤および中間体製品の濾過
等に好適に使用される。
【００１１】また、従来、積層型カートリッジフィルタ
は、メッシュ上に密度の異なる不連続な不織布濾材を順
次並べて多孔性巻芯に巻き取って製造しており、メッシ
ュを使用せずに、このような不連続な複数の不織布濾材
を巻き取ることができず、メッシュと接触する部分では
濾過性能が劣るため、フィルタとして好ましくなかっ
た。しかし、この出願発明の巻き取り装置を使用するこ
とにより、メッシュを使用せずに、密度の異なる不連続
な不織布濾材をロール状に巻き込み積層したカートリッ
ジフィルタを連続的に製造することができる。
は、メッシュ上に密度の異なる不連続な不織布濾材を順
次並べて多孔性巻芯に巻き取って製造しており、メッシ
ュを使用せずに、このような不連続な複数の不織布濾材
を巻き取ることができず、メッシュと接触する部分では
濾過性能が劣るため、フィルタとして好ましくなかっ
た。しかし、この出願発明の巻き取り装置を使用するこ
とにより、メッシュを使用せずに、密度の異なる不連続
な不織布濾材をロール状に巻き込み積層したカートリッ
ジフィルタを連続的に製造することができる。
【００１２】不織布濾材を巻き込んだ積層型カートリッ
ジフィルタは、メルトブロー法またはジェット紡糸法で
作られた、平均繊維径０．５〜５０μｍ、平均見かけ密
度０．０３〜０．２ｇ／ｃｍ3の複数の不織布濾材から
なるものであって、多孔性巻芯の外層になる程、不織布
濾材の平均繊維径、平均孔径が順次大きくなるように複
数層巻回されている。
ジフィルタは、メルトブロー法またはジェット紡糸法で
作られた、平均繊維径０．５〜５０μｍ、平均見かけ密
度０．０３〜０．２ｇ／ｃｍ3の複数の不織布濾材から
なるものであって、多孔性巻芯の外層になる程、不織布
濾材の平均繊維径、平均孔径が順次大きくなるように複
数層巻回されている。
【００１３】この積層型カートリッジフィルタに用いら
れる不織布は、例えば、メルトブロー法における、紡糸
オリフィスから出た高速のポリプロピレン繊維流を駆動
中の一対のロール間に噴きつける集積装置により形成さ
れる。高速の繊維流を、紡糸速度よりも遅く回転する一
対のロール間に集積することにより、狭い間隙に繊維流
が押し込まれた状態となり、交絡した繊維が、厚み方向
に交差して積層される。更に、紡糸オリフィスとロール
との距離が２０〜８０ｃｍの範囲で集積すれば、繊維交
絡及び繊維径分布の点で均一なものが得られるので好ま
しい。その距離が８０ｃｍを越えて大きくなればなるほ
ど繊維流の乱れが大きくなって、繊維交絡が増すため、
不均一な繊維集合体及び幅広い繊維径分布となり好まし
くなく、一方、２０ｃｍ未満であると、繊維が固化する
前にフィルム状になり、加工上また濾過性能上好ましく
ない。
れる不織布は、例えば、メルトブロー法における、紡糸
オリフィスから出た高速のポリプロピレン繊維流を駆動
中の一対のロール間に噴きつける集積装置により形成さ
れる。高速の繊維流を、紡糸速度よりも遅く回転する一
対のロール間に集積することにより、狭い間隙に繊維流
が押し込まれた状態となり、交絡した繊維が、厚み方向
に交差して積層される。更に、紡糸オリフィスとロール
との距離が２０〜８０ｃｍの範囲で集積すれば、繊維交
絡及び繊維径分布の点で均一なものが得られるので好ま
しい。その距離が８０ｃｍを越えて大きくなればなるほ
ど繊維流の乱れが大きくなって、繊維交絡が増すため、
不均一な繊維集合体及び幅広い繊維径分布となり好まし
くなく、一方、２０ｃｍ未満であると、繊維が固化する
前にフィルム状になり、加工上また濾過性能上好ましく
ない。
【００１４】他の集積装置としては、ロール上、コンベ
ア上、一対のコンベア間またはロールとコンベア間のい
ずれを使用しても同じような効果が得られる。例えば、
一対のロール間に集積する場合、ロールの形状、繊維流
とロールとの速度比、紡糸オリフィスとロールとの距
離、ロールへの噴きつけ角度等は、不織布の所望密度等
に応じて任意に設定することができ、特に限定されるも
のではない。
ア上、一対のコンベア間またはロールとコンベア間のい
ずれを使用しても同じような効果が得られる。例えば、
一対のロール間に集積する場合、ロールの形状、繊維流
とロールとの速度比、紡糸オリフィスとロールとの距
離、ロールへの噴きつけ角度等は、不織布の所望密度等
に応じて任意に設定することができ、特に限定されるも
のではない。
【００１５】これら不織布濾材の、平均繊維径及び平均
孔径が多孔性巻芯の内層から外層になるにつれて順次大
きくなるように巻回して積層するので、この粗密構造に
よりカートリッジフィルタの濾過抵抗が小さくなり、流
量を大きくすることができ、外層の前濾過効果により濾
過寿命が長くなる。また、不織布濾材の平均孔径がそれ
ぞれほぼ一定であるため、濾過精度が高く、離脱繊維も
少ないなどの優れた効果がある。
孔径が多孔性巻芯の内層から外層になるにつれて順次大
きくなるように巻回して積層するので、この粗密構造に
よりカートリッジフィルタの濾過抵抗が小さくなり、流
量を大きくすることができ、外層の前濾過効果により濾
過寿命が長くなる。また、不織布濾材の平均孔径がそれ
ぞれほぼ一定であるため、濾過精度が高く、離脱繊維も
少ないなどの優れた効果がある。
【００１６】原料としては、ポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂が使用されるが、例
えば、積層型カートリッジフィルタの不織布濾材ではポ
リプロピレンの場合、多孔性巻芯もポリプロピレン樹脂
を使用すれば、全てポリプロピレン樹脂のみから構成す
ることができるので、耐薬品性が高く、溶出物等の問題
がないのみならず、常用温度９０℃まで耐え、通常のオ
ートクレーブ滅菌も可能で、医療、食品等の用途におけ
る衛生面でも優れたものが得られる。
ド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂が使用されるが、例
えば、積層型カートリッジフィルタの不織布濾材ではポ
リプロピレンの場合、多孔性巻芯もポリプロピレン樹脂
を使用すれば、全てポリプロピレン樹脂のみから構成す
ることができるので、耐薬品性が高く、溶出物等の問題
がないのみならず、常用温度９０℃まで耐え、通常のオ
ートクレーブ滅菌も可能で、医療、食品等の用途におけ
る衛生面でも優れたものが得られる。
【００１７】以下、実施例によってこの出願発明を具体
的に示す。
的に示す。
実施例１
表１のように、平均繊維径及び平均孔径の異なる５種類
のメルトブロー法ポリプロピレン不織布濾材を作成し
た。不織布濾材は、目付７０〜９０ｇ／ｍ2、厚さ０．
６〜０．９ｍｍ、見掛密度０．０８〜０．１３ｇ／ｃｍ
3であった。これらの不織布濾材の、平均繊維径及び平
均孔径が外層になるにつれて大きくなるように、コンベ
アベルト上に順次Ｎｏ．１〜Ｎｏ．５の５種類を並べ
て、この出願発明の巻き取り装置により、直径３３ｍ
ｍ、長さ２４５ｍｍの多孔性巻芯に、各４周づつ巻き付
けた。このようにしてメッシュを使用せずに、５種類の
合計で０．８ｍ2の濾材を巻き込んで直径６３ｍｍの積
層型カートリッジフィルタを作製した。このカートリッ
ジフィルタはメッシュを使わずに巻き込まれており、張
力もかかっていないので、濾過抵抗が小さく、寿命も長
いものであった。
のメルトブロー法ポリプロピレン不織布濾材を作成し
た。不織布濾材は、目付７０〜９０ｇ／ｍ2、厚さ０．
６〜０．９ｍｍ、見掛密度０．０８〜０．１３ｇ／ｃｍ
3であった。これらの不織布濾材の、平均繊維径及び平
均孔径が外層になるにつれて大きくなるように、コンベ
アベルト上に順次Ｎｏ．１〜Ｎｏ．５の５種類を並べ
て、この出願発明の巻き取り装置により、直径３３ｍ
ｍ、長さ２４５ｍｍの多孔性巻芯に、各４周づつ巻き付
けた。このようにしてメッシュを使用せずに、５種類の
合計で０．８ｍ2の濾材を巻き込んで直径６３ｍｍの積
層型カートリッジフィルタを作製した。このカートリッ
ジフィルタはメッシュを使わずに巻き込まれており、張
力もかかっていないので、濾過抵抗が小さく、寿命も長
いものであった。
【００１８】
【表１】
濾材Ｎｏ． 平均繊維径（μｍ） 平均 孔径（μｍ）
１ １０．８ ８０．４
２ １４．５ ８８．４
３ １５．６ ９４．４
４ １８．０ ９９．８
５ ３０．９ １０８．１
【００１９】比較例１
従来のセンター巻き方式の巻き取り装置により、メッシ
ュを置いたコンベア上に実施例１と同様の５種類の濾材
をに並べ、順次メッシュと共に巻き込んだ。作製された
積層型カートリッジフィルタの直径は６３ｍｍであっ
た。このカートリッジフィルタは、外層がより強く巻か
れて、張力がかかっているため濾過抵抗が大きかった。
ュを置いたコンベア上に実施例１と同様の５種類の濾材
をに並べ、順次メッシュと共に巻き込んだ。作製された
積層型カートリッジフィルタの直径は６３ｍｍであっ
た。このカートリッジフィルタは、外層がより強く巻か
れて、張力がかかっているため濾過抵抗が大きかった。
【００２０】実施例２
目付６０ｇ／ｍ2、厚さ９ｍｍの中入綿用嵩高不織布を
この出願発明の巻き取り装置を用いて、直径６０ｍｍの
巻芯に５０ｍ巻き取った。この巻き取ったロールの直径
は、２１０ｍｍで、張力がかかっておらずコンパクトで
あった。この巻き取ったロールを１５０℃のドライヤー
で加熱しながら巻き戻したところ、直ちに、ほぼ元の厚
さに回復した嵩高な中入綿不織布が得られた。
この出願発明の巻き取り装置を用いて、直径６０ｍｍの
巻芯に５０ｍ巻き取った。この巻き取ったロールの直径
は、２１０ｍｍで、張力がかかっておらずコンパクトで
あった。この巻き取ったロールを１５０℃のドライヤー
で加熱しながら巻き戻したところ、直ちに、ほぼ元の厚
さに回復した嵩高な中入綿不織布が得られた。
【００２１】比較例２
従来のサーフェイス巻き方式の巻き取り装置によって、
実施例２と同じ不織布を同じ直径の巻芯に５０ｍ巻き取
った。この巻き取ったロールの直径は９５０ｍｍで、嵩
高いものであった。
実施例２と同じ不織布を同じ直径の巻芯に５０ｍ巻き取
った。この巻き取ったロールの直径は９５０ｍｍで、嵩
高いものであった。
【００２２】比較例３
従来のセンター巻き方式の巻き取り装置によって実施例
２と同じ不織布を同じ直径の巻芯に５０ｍ巻き取った。
この巻き取ったロール状物の直径は４５０ｍｍで、かな
りコンパクトであったが、中心部に皺が入っており、張
力がかかっていて加熱しても回復性の悪いものであっ
た。
２と同じ不織布を同じ直径の巻芯に５０ｍ巻き取った。
この巻き取ったロール状物の直径は４５０ｍｍで、かな
りコンパクトであったが、中心部に皺が入っており、張
力がかかっていて加熱しても回復性の悪いものであっ
た。
【００２３】
【発明の効果】この出願発明の巻き取り方法により、均
一な巻き取りができ、巻きの硬さも均一に、かつ、任意
に行うことができる。したがって、この出願発明の巻き
取り装置で製造した積層型カートリッジフィルタは、必
要な硬さで均一なものを生産でき、メッシュを使用しな
いため、濾過抵抗が小さくコストが安価であって、しか
も、コンパクトにすることができるという優れた効果が
ある。また、この出願発明の巻き取り装置で製造した中
入綿のロール状物は、均一な硬巻きができ、コンパクト
になるため、保管、輸送等においてきわめて優れた効果
がある。
一な巻き取りができ、巻きの硬さも均一に、かつ、任意
に行うことができる。したがって、この出願発明の巻き
取り装置で製造した積層型カートリッジフィルタは、必
要な硬さで均一なものを生産でき、メッシュを使用しな
いため、濾過抵抗が小さくコストが安価であって、しか
も、コンパクトにすることができるという優れた効果が
ある。また、この出願発明の巻き取り装置で製造した中
入綿のロール状物は、均一な硬巻きができ、コンパクト
になるため、保管、輸送等においてきわめて優れた効果
がある。
【図１】この出願発明の巻き始めの状態を示す巻き取り
装置である
装置である
【図２】この出願発明の巻き上がりの状態を示す巻き取
り装置である
り装置である
【図３】カートリッジフィルタの一部破断斜視図であ
る。
る。
１ 布はく
２ 巻芯
３ ベルト
４ ドライブロール
５ ブレーキロール
６ ダンサーロール
７ コンベア
８ カートリッジフィルタ
９ 多孔性巻芯
１０ 不織布濾材
１１ 多孔網筒
１２ エンドキャップ
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平３−102060（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−169449（ＪＰ，Ａ)
特開 平３−38264（ＪＰ，Ａ)
特開 平３−278810（ＪＰ，Ａ)
特開 平５−146614（ＪＰ，Ａ)
実開 平３−125751（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B65H 23/18
B01D 39/16
D04H 1/54
Claims (4)
- 【請求項１】 巻芯の大部分を包囲するように配置した
ベルトにより、ドライブロールでベルトを走行させなが
ら、一方でベルトを挟んだブレーキロールのブレーキ力
を調整することによって、張力をかけずに巻芯に巻き取
ることを特徴とする布はくの巻き取り方法。 - 【請求項２】 巻芯と、巻芯を装着する駆動力を有さな
い回転可能な軸と、巻芯の大部分を包囲するように配置
したベルトと、巻芯の前方でベルトを駆動する一対のド
ライブロールと、巻芯の後方でベルトに負荷をかける一
対のブレーキロールとからなり、連続または不連続の布
はくを、巻芯とベルトとの間に挿入し、巻芯に巻き取る
ことを特徴とする布はくの巻き取り装置。 - 【請求項３】 請求項１に記載の方法によって製造され
ていることを特徴とする巻物状布はく。 - 【請求項４】 請求項１に記載の方法によって製造され
ていることを特徴とする密度の異なる不連続な布はくを
多孔性巻芯に巻回したカートリッジフィルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25364593A JP3390498B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 布はく、その巻き取り方法およびその巻き取り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25364593A JP3390498B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 布はく、その巻き取り方法およびその巻き取り装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0781817A JPH0781817A (ja) | 1995-03-28 |
| JP3390498B2 true JP3390498B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=17254211
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25364593A Expired - Fee Related JP3390498B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 布はく、その巻き取り方法およびその巻き取り装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3390498B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3535064B2 (ja) * | 2000-03-07 | 2004-06-07 | カネボウ株式会社 | 熱可塑性エラストマー不織布ロールの製造方法並びに製造装置 |
| JP2004150008A (ja) * | 2004-01-23 | 2004-05-27 | Kanebo Ltd | 熱可塑性エラストマー不織布ロール及びその製造方法並びに製造装置 |
| JP6014831B2 (ja) * | 2012-03-21 | 2016-10-26 | オリオン機械株式会社 | 気液分離フィルター及び圧縮空気用の空気清浄器 |
| CN112871452B (zh) * | 2021-01-22 | 2023-09-01 | 安徽马钢张庄矿业有限责任公司 | 一种高压辊磨系统自动连续布料用初筛结构及其使用方法 |
-
1993
- 1993-09-17 JP JP25364593A patent/JP3390498B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0781817A (ja) | 1995-03-28 |
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