JP3388613B2 - 炭素質材料の製造方法 - Google Patents

炭素質材料の製造方法

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JP3388613B2 JP29533893A JP29533893A JP3388613B2 JP 3388613 B2 JP3388613 B2 JP 3388613B2 JP 29533893 A JP29533893 A JP 29533893A JP 29533893 A JP29533893 A JP 29533893A JP 3388613 B2 JP3388613 B2 JP 3388613B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性を有する木質建
材の材料を提供する炭素質材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木製品を難燃化する方法として例
えば、特開平4−164806号に示す方法がある。こ
の従来の方法は、ブナ及びMDF(中質繊維板)等の気
乾材をフェノール樹脂等の液状の難燃樹脂に漬け、真空
ポンプで数時間減圧注入し、ホルマリン雰囲気で硬化さ
せた後、電気炉内で焼成炭化することで、難燃材として
の炭素質材料を製造するものである。木質板材に難燃樹
脂を含浸すること以外にも、木質板材の表面に難燃樹脂
を塗布する方法等もある。
【0003】また木質板材と不燃材料とを積層で複合す
ることで、木質板材に難燃性を与えようとする方法もあ
る。この場合の不燃材料としては、鉄板等の金属、けい
酸カルシウム板等の窒素材料等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の方法により製造された炭素質材料は、いまだに
耐火性能および強度が十分でないという問題があった。
フェノール樹脂等の難燃樹脂を木質板材に含浸する方法
で、板材内に含浸することができる樹脂の量は、重量比
でせいぜい2%程度に過ぎず、板材の中核部分まで十分
に樹脂を含浸できるものではない。そのため得られる炭
素質材料の耐火性能が十分でない。また板材中に均一に
樹脂を注入することが難しく、さらに樹脂注入後でも使
用した樹脂の特性による過度の吸湿性、樹脂のシミ出し
が起きる。そのため炭化焼成の際に、板材に割れ・ひび
が生じやすく強度的に問題がある。
【0005】また木質板材と不燃材料とを積層で複合す
る方法では、材料の膨張率の違いにより破損しやすく、
やはり強度の点で問題がある。本発明はこのような課題
を解決するものとし、耐火性能および強度の高い炭素質
材料を製造することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】かかる目的を
達成するためになされた請求項1記載の発明は、粒状の
木質材料とバインダーとしての樹脂材料とを主原料とす
る難燃性の木質建材である炭素質材料の製造方法におい
て、焼成開始から焼成温度100度に達するまで温度勾
配0.56℃/分で温度上昇させながら焼成し、焼成温
度100℃に達してから3時間が経過するまでは、焼成
温度100℃一定で焼成し、100℃一定で焼成した
後、425℃に達するまで温度勾配0.83℃/分で温
度上昇させながら焼成し、425℃に達した後、620
℃に達するまで温度勾配0.41℃/分で温度上昇させ
ながら焼成し、620℃に達した後、820℃に達する
まで温度勾配0.83℃/分で温度上昇させながら焼成
することを要旨とする。次に、請求項2記載の発明は、
粒状の木質材料とバインダーとしての樹脂材料とを主原
料とする難燃性の木質建材である炭素質材料の製造方法
において、焼成開始から焼成温度100度に達するまで
温度勾配0.42℃/分で温度上昇させながら焼成し、
焼成温度100℃に達してから3時間が経過するまで
は、焼成温度100℃一定で焼成し、100℃一定で焼
成した後、325℃に達するまで温度勾配0.37℃/
分で温度上昇させながら焼成し、325℃に達した後、
550℃に達するまで温度勾配0.30℃/分で温度上
昇させながら焼成し、550℃に達した後、620℃に
達するまで温度勾配0.36℃/分で温度上昇させなが
ら焼成し、620℃に達した後、820℃に達するまで
温度勾配0.74℃/分で温度上昇させながら焼成する
ことを要旨としている。 次に、請求項3記載の発明は、
粒状の木質材料とバインダーとしての樹脂材料とを主原
料とする難燃性の木質建材である炭素質材料の製造方法
において、焼成開始から焼成温度100度に達するまで
温度勾配0.56℃/分で温度上昇させながら焼成し、
焼成温度100℃に達してから3時間が経過するまで
は、焼成温度100℃一定で焼成し、100℃一定で焼
成した後、750℃に達するまで温度勾配0.83℃/
分で温度上昇させながら焼成し、750℃に達した後、
820℃に達するまで温度勾配1.17℃/分で温度上
昇させながら焼成し、820℃に達してから1時間が経
過するまでは、焼成温度820℃一定で焼成するこ とを
要旨としている。 次に、請求項4記載の発明は、粒状の
木質材料とバインダーとしての樹脂材料とを主原料とす
る難燃性の木質建材である炭素質材料の製造方法におい
て、焼成開始から焼成温度100度に達するまで温度勾
配0.42℃/分で温度上昇させながら焼成し、焼成温
度100℃に達してから3時間が経過するまでは、焼成
温度100℃一定で焼成し、100℃一定で焼成した
後、750℃に達するまで温度勾配0.60℃/分で温
度上昇させながら焼成し、750℃に達した後、820
℃に達するまで温度勾配0.58℃/分で温度上昇させ
ながら焼成し、820℃に達してから3時間が経過する
までは、焼成温度820℃一定で焼成することを要旨と
している。 次に、請求項5記載の発明は、粒状の木質材
料とバインダーとしての樹脂材料とを難燃性の木質建材
である炭素質材料の製造方法において、焼成開始から焼
成温度100度に達するまで温度勾配0.42℃/分で
温度上昇させながら焼成し、焼成温度100℃に達して
から3時間が経過するまでは、焼成温度100℃一定で
焼成し、100℃一定で焼成した後、550℃に達する
まで温度勾配0.88℃/分で温度上昇させながら焼成
し、550℃に達した後、620℃に達するまで温度勾
配0.78℃/分で温度上昇させながら焼成し、620
℃に達してから3時間が経過するまでは、焼成温度62
0℃一定で焼成することを要旨としている。 次に、請求
項6記載の発明は、粒状の木質材料とバインダーとして
の樹脂材料とを主原料とする難燃性の木質建材である炭
素質材料の製造方法において、焼成開始から焼成温度1
00度に達するまで温度勾配0.42℃/分で温度上昇
させながら焼成し、焼成温度100℃に達してから3時
間が経過するまでは、焼成温度100℃一定で焼成し、
100℃一定で焼成した後、550℃に達するまで温度
勾配0.42℃/分で温度上昇させながら焼成し、55
0℃に達した後、620℃に達するまで温度勾配0.5
8℃/分で温度上昇させながら焼成し、620℃に達し
てから3時間が経過するまでは、焼成温度620℃一定
で焼成することを要旨としている。 次に、請求項7記載
の発明は、請求項1〜6いずれか記載の炭素質材料の製
造方法において、前記木質材料に対する前記バインダー
としての前記樹脂材料が20〜60重量%となるよう混
合したものを主原料とし、成型した後、これを焼成炭化
することを要旨としている。 次に、請求項8記載の発明
は、請求項1〜7いずれか記載の炭素質材料の製造方法
において、前記粒状の木質材料と前記バインダーとして
の樹脂材料とカーボンファイバ粉末とを主原料として混
合し、成型した後、これを焼成炭化することを要旨とし
ている。 次に、請求項9記載の発明は、請求項1〜7い
ずれか記載の炭素質材料の製造方法において、前記木質
材料は鋸屑であることを要旨としている。
【0007】本発明の方法による炭素質材料の製造は以
下の手順に従って行えばよい。 (1)粒状の木質材料とバインダーとしての樹脂材料と
を混合する。 本発明に用いる木質材料としては、植物を主成分とする
ものであれば一般に使用することができる。しかし需要
の低迷する木質素材の有効利用に資する為、大量に廃出
される鋸屑を用いればよい。これら鋸屑(以下木粉とす
る)の粒径は特に限定されるものではないが800μm
以下程度が好ましい。木質材料の添加率としては40%
〜80%程度が好ましい。
【0008】バインダーとして用いる樹脂は特に限定さ
れることはなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、天然樹
脂等を用いることができる。その中でも、固定窒素量が
多く成形しやすいという点ではフェノール樹脂が好まし
い。あるいは近年の環境保護の立場から有毒ガスが発生
しにくいという点ではグアーガム等の天然樹脂が好まし
い。樹脂の添加率としては曲げ強度の点から20%〜6
0%程度が好ましい。他に添加する薬剤としては、難燃
薬剤、離型剤、強化剤等が考えられる。その内、強化剤
としては例えば、リグニンスルホン酸カルシウムを用い
ればよい。 (2)板状に成形する。
【0009】木質材料と樹脂材料との混練物を一定条件
で成形して木質板を製造する。成形については実施例で
述べる条件に基づき行えばよい。成形の方法としては、
押出成形、射出成形、プレス成形、熱圧成形、常圧成形
等が考えられる。尚木質板の物性強化としてガラス繊維
・カーボン繊維等の繊維物質を混練してもよい。例え
ば、フェノール樹脂をバインダーとして用いたものであ
れば、20分〜50分、圧力30kgf/cm3 〜35
kgf/cm3 、温度150℃〜230℃程度の条件で
成形すればよい。 (3)焼成炭化する。
【0010】木質材の炭化方法としては、製炭法と乾留
法とに大別される。本発明の方法では乾留法を採用する
のが以下の理由から好ましい。乾留法による炭化は、製
炭法のように通風しながら炭化していくものでなく、割
れ・ひびが生じにくい。このため木質材料と樹脂材料と
を混合し成形した後、乾留法のような密閉下において高
温で炭化することが、硬質で割れ等が少なく、かつ遮炎
性能の高い炭素質材料が得られて好ましい。焼成の条件
としては、焼成時間として全体で20時間〜50時間程
度、焼成温度として0℃〜900℃程度の各種焼成プロ
グラムを用いることができる。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。 (1)炭素質材料の製造 木質板の作製 a)材料の調製 木質材料としての木粉を十分乾燥し、150μm〜50
0μmおよび500μmpassの2種類にふるい分け
したものに、それぞれバインダーとしての樹脂材料を添
加する。添加するバインダーとしては熱硬化性樹脂のフ
ェノール樹脂(アイカP−70)および天然樹脂のグア
ーガム(インディア)を用いる。グアーガムを用いたも
のについては、更に添加剤としてリグニンスルホン酸カ
ルシウム(山陽国策パルプ)を混練する。樹脂の添加率
は木粉に対して10%〜100%まで各種について行
う。
【0012】b)成形条件 実験室における通常のパーティクルボードを製造する方
法に類じて成形する(例えば仕上寸法約20×260×
260mmおよび約20×400×400mm)。成形
条件は下記の通りである。
【0013】
【表1】
【0014】c)製造した木質板の性状 仕上寸法約20×260×260mmの木質板について
バンクや反り等の生じない物が得られた。仕上寸法約2
0×400×400mmの木質板においては、低比重の
物の作製についてはバンクの生じない物が得られた。 炭化板の作製 a)炭化焼成 得られた木質板を炭化試験用冶具に入れ、それをセラミ
ックウールで覆い、電気炉中で炭化焼成する。
【0015】b)作製した炭化板の性状 割れ・ひびのない炭化板(炭素質材料)を得るための条
件を種々検討したが、木粉粒子をある程度揃えて木質板
を作製すること、および最適な炭化焼成プログラムが最
も重要な因子であることが分かった。フェノール樹脂と
グアーガムを用いた場合のそれぞれの炭化焼成プログラ
ムを図1および図2に示す。尚反りについては、ばらつ
きがあるが中央矢高平均4.35mm(仕上寸法約14
×200×200mmに対して)であった。このためワ
イドベルトサンダーでの表面研磨を行った。尚、バイン
ダーの添加率による炭素質材料作製による割れ・ひびの
発生に対する影響はあまり見られなかった。 (2)炭素質材料の物性試験 以下の手順で炭素質材料を作製し、曲げ強度の物性試験
を行った。 木質板の作製 a)材料の調製 (フェノール樹脂をバインダーとするボード) 前記(1).a)の木質板作製の方法に準じ、フェノー
ル樹脂(アイカP−70)を40%および80%とそれ
ぞれ割合を変えて添加し、混練物の仕込量を変えること
によって、作製後の比重を0.5g/cm3 および0.
8g/cm3 になるように調製した。
【0016】(グアーガムをバインダーとするボード) 前記(1).a)の木質板作製の方法に準じ、グアーガ
ム(インディア)およびリグニンスルホン酸カルシウム
(山陽国策パルプ)を木粉に対し割合を変えて添加し、
作製後の比重を0.5g/cm3 および0.8g/cm
3 になるよう調製した。 b)成形条件 表1に示す成形条件に基づいて成形を行った。 炭化板の作製 a)炭化焼成 前記(1).a)の通り炭化焼成した。昇温設定された
炭化焼成プログラムは図3〜図6に示す通りである。 物性試験の方法 a)曲げ強度測定(フェノール樹脂をバインダーとするボ
ード) 前記(2).a)によって得られた木質板およびそれを
焼成し得られた炭化板において曲げ強度試験を実施し
た。 物性試験の結果 a)炭化板の曲げ強度測定 (フェノール樹脂をバインダとするボード) それぞれの条件下における曲げ強度の平均値および曲げ
強度と比重の関係を図7および図8に示す。フェノール
添加率40%で木粉500μmpass、高比重のもの
の曲げ強度値が最も高く、比重と曲げ強度値には非常に
高い相関関係があることが確認できた。また炭化する際
の焼成温度とも関連性がある。また結果を見ると木粉粒
度が500μmpassのものについては、フェノール
添加率40%の曲げ強度値の方が80%の値よりも大き
かった。これは、木質板と同じような結果が表れたこと
から、炭化板と木質板との相関関係から生じたものと思
われる。
【0017】b)木質板の曲げ強度測定 (フェノール樹脂をバインダーとするボード) 参考のために木質板の曲げ強度試験も行った。それぞれ
の条件下における曲げ強度の平均値および曲げ強度との
比重の関係を図9および図10に示す。フェノール添加
率40%で木粉500μm、高比重のものの曲げ強度値
が最も高く、比重と曲げ強度値には非常に高い相関関係
があることが確認できた。ほとんどの条件下でフェノー
ル添加率40%の曲げ強度値の方が80%の値を上回っ
た。これは添加率80%というと成分的にはベークライ
トと類似しているが、製造方法が異なるためこのような
結果が表れたものと思われる。 (3)複合化研究・複合板物性試験 炭化板を以下のように複合化して複合板を作製し、難燃
試験および接着力試験を行った。 複合板の作製 4,5枚の数片の炭化板を縦および横方向に接着して、
約300×300の大きさの板を作製し、サンダーを当
て平滑にし、これを芯として基板(合板)と化粧単板に
はさみサンドイッチ構成の複合板を作製した。用いた化
粧単板の厚みは1.2mm、またその表面にはごく微量
の難燃薬剤処理を施した。炭化板どうしの横はぎ接着お
よび複合に用いる接着剤は同じとして、レゾルシノール
樹脂および水性ビニルウレタン樹脂を用い、塗装につい
てはウレタン塗装のものを用意した。
【0018】複合板の成形条件および複合板作製に用い
た炭素質材料の仕様および複合板の仕様は下記の通りで
ある。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】防火材料(難燃)試験 JISA1321に準じて6分間の表面試験を実施し
た。試験片の大きさは220×220mmである。 難燃試験の結果 前記仕様で2体の試験片を試験した結果、試験片1,2
について、難燃3級の規格をクリアすることができた。
試験結果を表5に表す。
【0023】
【表5】
【0024】この表からも分かるように、排気温度およ
び発煙係数が低い値となっており耐燃性に優れている。
さらに図11に試験片1についての難燃試験結果、図1
2に試験片2についての難燃試験結果をそれぞれ示す。
斜線で示した範囲の面積が排気温度tdθを示してい
る。本試験では、使用接着剤として水性ビニルウレタン
樹脂とレゾルシノール樹脂を用いたが、難燃3級の規格
においてはどちらもクリアでき合格であった。しかし表
5の試験結果よりtdθの値が156.3と92.5と
差が出た。レゾルシノール樹脂は水性ビニルウレタン樹
脂に比較して熱に強く、化粧単板を燃やすことがなくガ
スも発生しにくい。すなわちレゾルシノール樹脂は熱硬
化性樹脂のため火を止める役割をしたため化粧単板の燃
える量も少なく、先ほどの値に差がでたものと思われ
る。
【0025】塗料については、本試験においては簡単な
ウレタン塗装で行ったが、これによる問題は特に起きな
かった。複合板作製に用いた炭化板は炭化層の強度に関
して、(2)の曲げ強度試験の結果を踏まえて使用する
こととしたが、本試験においては熱によって炭化層にひ
びが生じることもなく結果は良好であった。従って、合
格したこの2種類の仕様であれば複合板として用いるた
めの強度は十分である。但し、フェノール添加率は低け
れば低いほど生産コスト面、環境面からみてもよいの
で、グラファイト粉末やカーボンファイバーチップ等を
混入した場合の強度特性向上が期待できる。 接着力試験 参考のため複合板の接着力についての試験も行った。特
殊合板のJAS浸漬剥離試験に準じて実施した。試験片
は難燃試験供試材と同じ複合板により75×75mmの
大きさのものを切り取って用いた。JASにおける2類
・3類の浸漬剥離試験の浸漬および乾燥条件は下記の通
りである。
【0026】A)2類・・・70℃温水2時間浸漬後6
0℃乾燥 B)3類・・・35℃温水2時間浸漬後60℃乾燥 接着力試験の結果 表4における仕様で試験した結果、レゾルシノール樹脂
を用いた試験片については2類、水性ビニルウレタン樹
脂を用いた試験片については3類の規格をクリアするこ
とができた。 (4)グラファイト粉末またはカーボンファイバーを混
練した場合の炭化収縮率次に、粉砕した木粉をグラファ
イト粉末またはカーボンファイバーと混練し接着剤を含
浸することにより木質板を生成して、炭化収縮率を測定
した。バインダーとしては、水溶性フェノール樹脂を用
いた。 木質板の作成 以下の手順で木質板を作成した。
【0027】a)木粉を粉砕機で150μmpassに粉
砕する。 b)上記a)にグラファイト粉末またはカーボンファイバー
を5〜30%混合する。 c)上記b)に水溶性フェノール樹脂を40%添加し、熱圧
成形する。 炭化収縮率の測定結果 の方法で作成した木質板を炭化焼成した結果の炭化収
縮率は以下の表6および表7に示す通りであった。
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】以上説明した通り本実施例の方法ににより
製造した炭素質材料は、耐火性能に優れ、また割れ・ひ
びが生じることがなく強度的にも十分である。すなわち
従来のように木質板材にフェノール樹脂等を含浸する方
法に比較して、粒状の木粉にバインダーとしての樹脂材
料を添加して板材を成形しているので、樹脂材料が板材
の内部まで十分に浸透する。そのため炭化焼成において
も割れ・ひびが生じにくい。本実施例で製造された炭素
質材料は炭素成分を含有していることから導電性を有し
内装壁や戸に用いた場合、電磁波シールド機能、帯電防
止性能、遮音性能を発揮するという効果もある。
【0031】また本実施例で製造した炭素質材料では、
有毒ガスの発生もきわめて少なく、安全性が高く環境保
護の点からも好ましい。
【0032】
【発明の効果】以上説明した通り本発明の炭素質材料の
製造方法によれば、粒状の木質材料とバインダーとして
の樹脂材料とを混合し、成形した後、これを焼成炭化す
ることで、耐火性能および強度の高い炭素質材料を得る
ことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フェノール樹脂をバインダーとする板の炭
化焼成プログラムを示す第1説明図である。
【図2】 グアーガムをバインダーとする板の炭化焼
成プログラムを示す説明図である。
【図3】 フェノール樹脂をバインダーとする板の炭
化焼成プログラムを示す第2説明図である。
【図4】 フェノール樹脂をバインダーとする板の炭
化焼成プログラムを示す第3説明図である。
【図5】 フェノール樹脂をバインダーとする板の炭
化焼成プログラムを示す第4説明図である。
【図6】 フェノール樹脂をバインダーとする板の炭
化焼成プログラムを示す第5説明図である。
【図7】 フェノール樹脂をバインダーとする炭化板
の曲げ強度平均値を示す説明図である。
【図8】 炭化板の曲げ強度値と比重との関係を示す
説明図である。
【図9】 フェノール樹脂をバインダーとする木質板
の曲げ強度平均値を示す説明図である。
【図10】 木質板の曲げ強度値と比重との関係を示
す説明図である。
【図11】 試験片1の複合板の難燃試験結果を示す
説明図である。
【図12】 試験片2の複合板の難燃試験結果を示す
説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 雅章 静岡県浜北市根堅2542−8 静岡県林業 技術センター内 (56)参考文献 特開 昭61−86411(JP,A) 特開 昭62−265109(JP,A) 特開 平2−26817(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/52

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状の木質材料とバインダーとしての樹
    脂材料とを主原料とする難燃性の木質建材である炭素質
    材料の製造方法において、 焼成開始から焼成温度100度に達するまで温度勾配
    0.56℃/分で温度上昇させながら焼成し、 焼成温度100℃に達してから3時間が経過するまで
    は、焼成温度100℃一定で焼成し、 100℃一定で焼成した後、425℃に達するまで温度
    勾配0.83℃/分で温度上昇させながら焼成し、 425℃に達した後、620℃に達するまで温度勾配
    0.41℃/分で温度上昇させながら焼成し、 620℃に達した後、820℃に達するまで温度勾配
    0.83℃/分で温度上昇させながら焼成することを特
    徴とする炭素質材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 粒状の木質材料とバインダーとしての樹
    脂材料とを主原料とする難燃性の木質建材である炭素質
    材料の製造方法において、 焼成開始から焼成温度100度に達するまで温度勾配
    0.42℃/分で温度上昇させながら焼成し、 焼成温度100℃に達してから3時間が経過するまで
    は、焼成温度100℃一定で焼成し、 100℃一定で焼成した後、325℃に達するまで温度
    勾配0.37℃/分で温度上昇させながら焼成し、 325℃に達した後、550℃に達するまで温度勾配
    0.30℃/分で温度上昇させながら焼成し、 550℃に達した後、620℃に達するまで温度勾配
    0.36℃/分で温度上昇させながら焼成し、 620℃に達した後、820℃に達するまで温度勾配
    0.74℃/分で温度上昇させながら焼成することを特
    徴とする炭素質材料の製造方法
  3. 【請求項3】 粒状の木質材料とバインダーとしての樹
    脂材料とを主原料とする難燃性の木質建材である炭素質
    材料の製造方法において、 焼成開始から焼成温度100度に達するまで温度勾配
    0.56℃/分で温度上昇させながら焼成し、 焼成温度100℃に達してから3時間が経過するまで
    は、焼成温度100℃一定で焼成し、 100℃一定で焼成した後、750℃に達するまで温度
    勾配0.83℃/分で温度上昇させながら焼成し、 750℃に達した後、820℃に達するまで温度勾配
    1.17℃/分で温度上昇させながら焼成し、 820℃に達してから1時間が経過するまでは、焼成温
    度820℃一定で焼成することを特徴とする炭素質材料
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 粒状の木質材料とバインダーとしての樹
    脂材料とを主原料とする難燃性の木質建材である炭素質
    材料の製造方法において、 焼成開始から焼成温度100度に達するまで温度勾配
    0.42℃/分で温度上昇させながら焼成し、 焼成温度100℃に達してから3時間が経過するまで
    は、焼成温度100℃一定で焼成し、 100℃一定で焼成した後、750℃に達するまで温度
    勾配0.60℃/分で温度上昇させながら焼成し、 750℃に達した後、820℃に達するまで温度勾配
    0.58℃/分で温度上昇させながら焼成し、 820℃に達してから3時間が経過するまでは、焼成温
    度820℃一定で焼成することを特徴とする炭素質材料
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 粒状の木質材料とバインダーとしての樹
    脂材料とを主原料とする難燃性の木質建材である炭素質
    材料の製造方法において、 焼成開始から焼成温度100度に達するまで温度勾配
    0.42℃/分で温度上昇させながら焼成し、 焼成温度100℃に達してから3時間が経過するまで
    は、焼成温度100℃一定で焼成し、 100℃一定で焼成した後、550℃に達するまで温度
    勾配0.88℃/分で 温度上昇させながら焼成し、 550℃に達した後、620℃に達するまで温度勾配
    0.78℃/分で温度上昇させながら焼成し、 620℃に達してから3時間が経過するまでは、焼成温
    度620℃一定で焼成することを特徴とする炭素質材料
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 粒状の木質材料とバインダーとしての樹
    脂材料とを主原料とする難燃性の木質建材である炭素質
    材料の製造方法において、 焼成開始から焼成温度100度に達するまで温度勾配
    0.42℃/分で温度上昇させながら焼成し、 焼成温度100℃に達してから3時間が経過するまで
    は、焼成温度100℃一定で焼成し、 100℃一定で焼成した後、550℃に達するまで温度
    勾配0.42℃/分で温度上昇させながら焼成し、 550℃に達した後、620℃に達するまで温度勾配
    0.58℃/分で温度上昇させながら焼成し、 620℃に達してから3時間が経過するまでは、焼成温
    度620℃一定で焼成することを特徴とする炭素質材料
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載の炭素質材料
    の製造方法において、 前記木質材料に対する前記バインダーとしての前記樹脂
    材料が20〜60重量%となるよう混合したものを主原
    料とし、成型した後、これを焼成炭化することを特徴と
    する炭素質材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか記載の炭素質材料
    の製造方法において、 前記粒状の木質材料と前記バインダーとしての樹脂材料
    とカーボンファイバ粉末とを主原料として混合し、成型
    した後、これを焼成炭化することを特徴とする炭素質材
    料の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7いずれか記載の炭素質材料
    の製造方法において、 前記木質材料は鋸屑であることを特徴とする炭素質材料
    の製造方法
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