JP3388279B2 - 掘削工法及びそれに使用するロックビット - Google Patents

掘削工法及びそれに使用するロックビット

Info

Publication number
JP3388279B2
JP3388279B2 JP2001131939A JP2001131939A JP3388279B2 JP 3388279 B2 JP3388279 B2 JP 3388279B2 JP 2001131939 A JP2001131939 A JP 2001131939A JP 2001131939 A JP2001131939 A JP 2001131939A JP 3388279 B2 JP3388279 B2 JP 3388279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
excavation
bit
hole
drilling
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001131939A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002322891A (ja
Inventor
博希 永見
洋三 神谷
秀彦 櫻井
Original Assignee
オーナーシステム株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by オーナーシステム株式会社 filed Critical オーナーシステム株式会社
Priority to JP2001131939A priority Critical patent/JP3388279B2/ja
Publication of JP2002322891A publication Critical patent/JP2002322891A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3388279B2 publication Critical patent/JP3388279B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Earth Drilling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土砂層を含む山岳
地盤の不安定な傾斜部等に防災目的でアンカーテンドン
等のアンカー材を埋設する埋設孔を掘削するに適した掘
削工法、及びそれに使用するロックビットに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】山地の法面等、不安定で地滑り発生率の
高い地盤の補強方法として、斜面に掘削した孔にアンカ
ー材を埋設し、その周囲にセメントミルクを注入固化さ
せて該アンカー材を定着する補強方法が広く採用されて
いる。
【0003】上記アンカー材埋設用の孔の掘削に従来使
用されてきた掘削装置は、クローラ等の車体や、鋼材を
組み合わせて構成した架台にガイドセルを組み付け、こ
のガイドセルに削岩機を搭載した大掛かりな装置であっ
た。また、上記従来の掘削法では、目的アンカーの効力
を発揮する岩盤等の定着層掘削時の焼き付きを防止する
ため、送水掘削を行い、その水を利用して掘削ズリを排
出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の掘削工法では、掘削に多量の水を使用するので、掘
削された孔の周辺地盤を緩めてしまうという問題点があ
り、掘削と同時に孔壁が崩落して、アンカー材の埋設や
セメントミルクの注入を完全に行うことができなくなる
という問題点があった。このため、二次的にケーシング
チューブを埋設して孔壁を保持する必要が生じていた。
【0005】また、掘削時に水を使用すると、作業地盤
の地下水の動向把握が全くできなくなるので、被圧地下
水を確認できないままセメントミルクを注入した時、該
セメントミルクが希釈され、アンカー体の造成に必要な
強度が得られず、結果として必要緊張荷重が低下し、斜
面防災の目的が達成できなくなるという問題点もあっ
た。
【0006】さらに、掘削時に水を使用することによ
り、山岳斜面防災のためのロックアンカーに最も大切な
定着層の地質的条件の確認が難しいという問題点もあっ
た。この定着層の地質的条件の確認が行われないまま、
当初設計時における堅固な地質でない所にロックアンカ
ーを定着させた場合は、当然のことながら必要緊張荷重
は確保できなくなるので危険である。そこで本発明は、
「無水掘削」をすることによって、永久アンカーの命で
ある定着層(岩盤等堅固な地質)の確認と、地下水の動
向の把握を可能とし、さらに、確実な永久アンカーを構
築するため、掘削により生じたズリを再使用して孔壁に
圧密し、掘削孔周辺のボイド率を下げることによって、
孔壁崩壊を防止できるようにすることを課題としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、本
発明にかかる掘削工法は、不安定な地盤にダウンザホー
ル式掘削装置を用いてアンカー材埋設用等の孔を掘削す
る掘削工法であって、前記掘削装置のロックビットとし
て、頭部外径がウエアスリーブの外径よりも大きく、該
頭部に硬質刃体と高圧エア吐出口とズリの通路となるズ
リ溝とが設けられたロックビットを用い、ズリ排出用流
体として水を用いず、高圧エアを吐出させつつ無水掘削
を行うとともに、所定長さ掘削するごとに該掘削された
孔内でロックビットを回転させつつ前後往復移動させ
て、掘削により発生したズリを前記ビットの外周部で孔
壁に押し固めることにより、掘削した孔の内壁部分の密
度を向上させることを特徴としている。
【0008】また、この掘削工法に使用するに適したロ
ックビットは、鋼製の台金の頭部に超硬チップの刃体
と、ズリ排出用高圧エアの吐出口と、ズリの後方への移
動通路となるズリ溝とを設けてなるダウンザホール式ロ
ックビットにおいて、該ロックビットの最大径と同じ円
周上まで先端部が突出して、掘削によって生じたズリを
該掘削によって形成された孔壁に押圧固定するように作
用する圧密用超硬チップを、頭部外周面全体に分散させ
て設けず、頭部の外周面における直径方向に対向する2
個所にそれぞれ前後方向及び円周方向に位置をずらして
複数個並設したことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に表された本発明の実
施の形態に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
【0010】図1は、本発明の掘削工法に使用する掘削
装置を例示するもので、この掘削装置1は、架台2にガ
イドセル3を取り付け、このガイドセル3に回転駆動装
置5を前後移動自在に搭載している。ガイドセル3には
送り装置(図示例ではフィードモータ)10が設けら
れ、該送り装置によって回転駆動装置5が前後に移動さ
せられるようになっている。
【0011】掘削場所から離れた土場の良い位置に設置
したコンプレッサー20からホース21を通して供給さ
れる高圧エアは、スイベル装置15を介して回転駆動装
置の回転出力軸14の中空部に導入される。図中の23
は高圧エアを土質にあわせて流量調節するためのエアコ
ントローラである。なお、前記回転駆動装置5は、土場
の良い場所に設置された発電機25を電源とするもので
ある。
【0012】制御装置30は、回転駆動装置5と送り装
置10の遠隔操作を行うもので、前・後進切換ボタン3
2、送り(フィード)コントロールつまみ33、回転方
向切換スイッチ35、回転コントロールつまみ36等の
操作手段が設けられていて、これらを適宜操作すること
により、回転駆動装置5の回転方向と回転速度、フィー
ド装置の送り方向と送り速度等を自在に制御することが
できる。
【0013】回転駆動装置5の出力軸14には、中空ロ
ッド40が接続され、該中空ロッド40にはダウン・ザ
・ホール式ドリル50が接続されている。これらの接続
はねじ式ジョイント42でなされる。
【0014】ダウン・ザ・ホール(「ダウンホール」と
呼ばれることもある)式ドリル50は、公知のもので、
図4に示すように、ウエアスリーブ51の内部にシリン
ダ52が設けられ、該シリンダ内にピストン53が前後
(図では上下)移動自在に設けられている。ウエアスリ
ーブ51の前端部にはチャック54が設けられ、該チャ
ックによってロックビット(「圧密ビット」と呼ぶ)5
5が前後移動自在に保持されている。56はリテイニン
グリングである。
【0015】ウエアスリーブ51の後端部にはバルブ6
0が設けられている。バルブ60は、ディストリビュー
タ61の凹部内に基部が保持され、スプリング62によ
ってバックヘッド63のエア吐出口64を閉じる方向に
付勢されている。バックヘッド63の後部から高圧エア
が供給されると、バルブ60は該高圧エアによって押し
下げられ、エア流通路を開く。この高圧エアは、ディス
トリビュータ61の通路からウエアスリーブ51とシリ
ンダ52の間を通り、ピストン外周部に形成されている
エアチャンバー66に供給され、そこからピストン53
の後側のリヤチャンバー67とピストンの前側のフロン
トチャンバー68に供給され、打撃サイクルが開始され
る。
【0016】上記ロックビット(圧密ビット)55とピ
ストン53が最下部まで下がるとシリンダ52のブロー
ポート69が開き、高圧エアはこのブローポートからピ
ストン内部を通って圧密ビット55の吐出口から吐出さ
れる。ドリルを下げて行くと、圧密ビット55が地盤に
当たってチャック54の肩部まで押し上げられ、当該ビ
ットによってピストン53も押し上げられる。すると、
エアチャンバー66の高圧エアがピストンの縦溝とウエ
アスリーブ51のアンダーカット部を通ってフロントチ
ャンバー68に流入する。このエア圧力によりピストン
が急激に上昇する。
【0017】ピストン53が上昇すると、フロントチャ
ンバー68への流入ポートが閉じられるが、エアチャン
バー66内の高圧エアの膨張と慣性力によってピストン
は上昇を続ける。ピストン上昇によってリヤチャンバー
67内のエアが圧縮されるとともに、エアチャンバー6
6の高圧エアがシリンダとピストンのアンダーカット部
を通ってリヤチャンバー67内に流入する。このため、
ピストン53の上昇が停止し、打撃エネルギーが蓄積さ
れる。なお、フロントチャンバー68内のエアは、圧密
ビット55の吐出口を通って排気される。
【0018】次に、リヤチャンバー67内の圧縮エアの
膨張により、ピストン53が急激に下降(前進)し、圧
密ビット55を打撃する。この時、下降するピストンが
ディストリビュータのステムから抜けると、リヤチャン
バー内のエアはピストン53内部と圧密ビット内部の通
路を通って先端部のエア吐出口から吐出される。圧密ビ
ットを打撃したピストン53は反動で僅かに後退し、フ
ロントチャンバー68内にエアが流入する。このためピ
ストンが上昇し、以下同様なサイクルが繰り返される。
【0019】圧密ビット55は、図2、図3に示すよう
に、頭部70の先端面71と該先端面の周囲の傾斜面7
2に硬質刃体として複数のボタンチップ(超硬合金チッ
プ)75,…が植設されている。また、頭部外周部に
は、複数の前後方向のズリ溝76,…が形成されてい
る。このズリ溝76は、掘削によって生じたズリ(繰
粉)をビット先端部から後方へ移動させるためのもので
ある。さらに、頭部先端面71には、圧密ビットの中空
部77から分岐した通気孔78,78の吐出口79,7
9が開口している。そして、圧密ビット先端面71に
は、これら吐出口79,79の位置から直径方向に対向
するズリ溝76(A,B)に至る一対の排気溝80,8
0が形成されている。
【0020】圧密ビット55の胴部外周部には回転伝達
用のスプライン81が形成され、その芯部にはエア通路
となる前記中空部77が形成されている。なお、胴部後
部には、前記スプラインを切り欠いて形成した係合凹部
83が形成され、後端部にはエアパイプ84が挿入され
ている。係合部83には、逸脱防止用のリテイニングリ
ングが係合する。また、前記エアパイプ84は、ピスト
ン53の通孔部53aに嵌合する。
【0021】圧密ビット55の前記傾斜面72の下側に
はリーミングサーフェスとも呼ばれる第1の外周面85
と、該外周面の下側に僅かに下側の径が小さくなるよう
に傾斜した第2の外周面86とが設けられ、該第2の外
周面の下側は急激に径が小さくなる傾斜面87として形
成されている。そして、上記第1と第2の外周面85,
86の直径方向に対向する部分には、複数(図示例では
片側3個)の圧密用チップ90,…が植設されている。
これら圧密用チップ90,…は、ビット55の外周方向
及び上下(前後)方向に沿って所定の間隔で配置され、
図3に示すように、側面視で斜めに互いの位置をずらせ
た形状に設けられている。図示例では、圧密用チップ9
0,…が片側3個ずつとなっているが、圧密ビット55
の寸法やチップ自体の寸法等によっては2個ずつでもよ
く、4個以上でもよい。
【0022】また、図示例では、圧密用チップ90が圧
密ビット55の頭部の外周面のうち直径方向に対向する
2個所のみに設けられ、他の外周部分には設けられてい
ない。これは、圧密ビット55が岩盤に達した時の繰粉
排出を効果的に行うためである。なお、前記傾斜面87
には、ほぼ後向きに突出するリトラクト用チップ91が
適当間隔で設けられている。このリトラクト用チップ9
1は、圧密ビットを後退させる時に邪魔になる岩石等を
破砕するためのものである。
【0023】次に、この掘削装置1を用いて、斜面の補
強を行う方法について説明する。まず、掘削位置に足場
を組み、その上に掘削装置1を設置する。掘削装置用の
コンプレッサー20と発電機25は土場の良い場所に設
置し、ホース及び電線で掘削装置のモータやドリルに接
続する。ドリル50を中継ロッドを介して回転駆動装置
5に連結し、電力と圧縮空気を供給しつつ掘削位置に圧
密ビット55を押し付けて掘削を開始する。掘削中は、
回転駆動装置5の回転動力と、送り装置10による推力
と、ドリル50のピストンによる打撃力とが圧密ビット
に伝達される。同時に、コンプレッサー20から高圧エ
ア(例えば12〜24kg/cm2 )がスイベルとロッ
ドを介してドリル50に供給される。このエアは、打撃
用の圧力流体及びズリ排出用のクリーニングエアとして
利用され、圧密ビットの吐出口79から吐出される。
【0024】補強が必要な掘削場所は、岩盤の上にかな
りの厚みで土砂層が形成されているのが普通であり、そ
の場合は、掘削開始後しばらくは土砂層を掘削すること
になる。土砂層等軟弱地盤の掘削中は、掘削された孔の
内壁が極めて脆いので、すぐに崩落が始まり、掘削した
孔が詰まってしまうことが多い。これを防止するため、
本発明の工法では、圧密ビットによる掘削がある程度
(例えば100〜500mm)進行するたびに掘削を一
旦停止し、送り装置10のフィードモータを正逆転操作
して、圧密ビット55を所定距離(新たに掘削された長
さ)だけ前後往復移動させる。この前後往復移動(「圧
密工程」と呼ぶ)の間も圧密ビット55の回転と、吐出
口79からのエアの吐出を継続するが、エア吐出量と回
転速度は土質によって微調整することとなる。
【0025】上記圧密工程中は、圧密ビット55の本格
的な打撃は行われず、新たな掘削面に対する圧密ビット
の強力な押し付けもなされないため、新たな掘削が殆ど
行われず、専ら掘削した孔内壁の補強が行われる。すな
わち、掘削によって生じたズリ(繰粉)102が、圧密
ビット55から吐出されたエアによって孔底から後方
(上向き)に送られる過程で、低速回転を続ける圧密ビ
ットの頭部外周部、特に前記圧密チップ90,…によっ
て孔壁に押し付けられる。このため、孔壁の密度が著し
く高くなり、それにつれて当該孔壁の強度が向上する結
果、崩落が生じにくくなるのである。いわば、掘削によ
って生じた破砕物であるズリを再利用して高強度の孔内
壁を形成する。
【0026】上記圧密ビットの往復移動は、例えば10
0〜300mm程度を複数回、例えば3〜5回程度行え
ばよいが、地盤の性質や能率等を考慮して最適な条件を
選べばよい。また、圧密ビットの回転数は、掘削時は6
0rpm以上、好ましくは65〜85rpm(最高10
0rpm以上)であるが、往復移動による圧密中は60
rpm未満、例えば30〜55rpm程度に低下させる
のが好ましい。圧密工程において、圧密ビットの回転数
が高すぎても低過ぎても所望の圧密効果は得られにく
い。また、エア吐出量が少な過ぎるとズリの移動が十分
行われず、多過ぎるとズリが一気に後方へ排出されるた
め十分な圧密効果が得られない。なお、圧密工程におけ
る圧密ビットの前後移動速度は、その外周部によってズ
リがしっかりと孔壁に押し付けられる速度であり、回転
速度との関係もあるが、一般的には数10cm/分程度
である。
【0027】所定区間の圧密工程が終了すると、再度圧
密ビット55の回転を復帰させるとともに、送り装置1
0による推力を付与して新たな掘削を行う。この掘削が
上記の通り所定距離だけ進行したら、再度圧密工程に移
行する。このように、掘削工程と圧密工程とを繰り返し
ながら土砂層の掘削を行うのである。掘削が進行して、
圧密ビット55が岩盤等定着層に到達したら、以後は通
常の掘削を行い、圧密工程は省略する。
【0028】図6(a)に示すように、所定深さの掘削
が完了すると、圧密ビット55とロッドを引き抜き(同
図(b))、アンカーテンドン等のアンカー材100を
掘削された孔101内に挿入する(同図(c))。しか
るのち同図(d)に示すように、セメントミルク105
を注入し、アンカーテンドン100を地盤に定着させ
る。このアンカー材を利用して地盤を強化するのであ
る。図6、図7において、101aは圧密工程によって
強化された孔壁部分、103は岩盤を表す。
【0029】この掘削工法は、所定深さを掘削するたび
に一旦掘削を中止して圧密ビット55を往復移動させ、
ズリ102を孔壁に押圧固定する圧密工程を行うので、
孔壁の密度が向上し、崩壊しにくくなる。従来は、土砂
層の掘削に鋼管のケーシングチューブによる孔壁保持を
行っていたが、この工法によると、ケーシングチューブ
を使用しなくてもよくなる。ただし、土質的に砂質土の
N値5以下では、上記圧密工程が困難となるので、ケー
シングチューブを用いる等の対応策が必要である。
【0030】この無水掘削工法は、水を使用しないの
で、土質の性状を細かく把握することができる。また、
掘削に水を使用しないので、地下水の湧水があった時等
は直ちに知ることができ、これに対処することができ
る。したがって、従来のように、定着層の確認ができな
いまま、あるいは湧水や被圧地下水等、土質性状を確認
できないままセメントミルクを注入し、不確実なアンカ
ー体造成を行うことを未然に防止することができる。
【0031】なお、以上の説明では、掘削装置として、
架台で支持したものを例にとって説明したが、場合によ
ってはクローラ式その他の掘削装置でもよい。さらに、
圧密ビットとして、外周部の一部分にボタン状の圧密チ
ップ90を設けた例を図示したが、圧密チップは、掘削
によって発生したズリ(繰粉)を掘削された孔壁に押し
付けることのできるものであればよく、ボタン状に限ら
ず他の形状のチップでもよい。また、圧密チップをビッ
ト頭部の外周全体に分布させて設けておいてもよい。ま
た、以上の例では、中空ロッド40は単なる円筒状のロ
ッドを用いているが、図8に示すように、外周部に適当
な間隔で圧密部材40a,…を突設した中空ロッド4
0’を用い、その圧密部材でも孔内壁に対するズリの圧
密を行うようにすると、さらに効果的である。この圧密
部材40aの形状は、例えばヘラ状等、ズリをうまく孔
壁に押し付けることができる形状とする。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、土砂等の不安定な地盤にも強固な孔壁を有す
るアンカー材埋設用の孔を簡単に掘削しながら、定着層
地盤を確認することができる。また、掘削に水を使用し
ないので、崩落しやすい地盤でも比較的安全であり、地
下水の湧水が生じた場合は直ちにこれを知ることがで
き、迅速に対応策を講じることが可能である。このた
め、湧水等による結果災害を効果的に防止することがで
きる。しかも、本発明の掘削工法に使用する掘削装置
は、従来のものに比べてコンパクトで安価なものとする
ことができ、取扱や運搬に便利で、経済的にもすぐれた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に使用する掘削装置の外観図であ
る。
【図2】ロックビットの正面図(a)および一部を省略
した縦断面図(b)である。
【図3】ロックビットの要部の側面図(c)である。
【図4】ドリルの断面図である。
【図5】その要部の拡大断面図である。
【図6】本発明を利用した補強方法の説明図である。
【図7】掘削現場の断面図、及びそのA−A断面図であ
る。
【図8】圧密部材付き中空ロッドの使用状態の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 掘削装置 3 ガイドセル 5 回転駆動装置 10 送り装置 20 コンプレッサー 25 発電機 30 制御装置 40 中空ロッド 50 ドリル 55 圧密ビット(ロックビット) 76 ズリ溝 79 吐出口 100 アンカー材 101 掘削孔 101a 圧密孔壁 103 岩盤 105 セメントミルク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−35384(JP,A) 特開2000−104476(JP,A) 特公 昭57−29618(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21B 10/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不安定な地盤にダウンザホール式掘削装
    置を用いてアンカー材埋設用等の孔を掘削する掘削工法
    であって、該掘削装置のロックビットとして、頭部外径
    がウエアスリーブの外径よりも大きく、該頭部に硬質刃
    体と高圧エア吐出口とズリの通路となるズリ溝とが設け
    られたロックビットを用い、ズリ排出用流体として水を
    用いず、高圧エアを吐出させて無水掘削を行うととも
    に、所定長さ掘削するごとに該掘削された孔内でロック
    ビットを回転させつつ、必要に応じてエア量を調節して
    前後往復移動させ掘削により発生したズリを前記ビッ
    トの外周部で孔壁に押し固めることにより、掘削した孔
    の内壁部分の密度を向上させることを特徴とする掘削工
    法。
  2. 【請求項2】 ロックビットの回転数を、掘削工程では
    60rpm以上とし、ズリを孔壁に押し固める圧密工程
    では20rpm以上、60rpm未満とする請求項1に
    記載の掘削工法。
  3. 【請求項3】 鋼製の台金の頭部に超硬チップの刃体
    と、ズリ排出用高圧エアの吐出口と、ズリの後方への移
    動通路となるズリ溝とを設けてなるダウンザホール式ロ
    ックビットにおいて、該ロックビットの最大径と同じ円
    周上まで先端部が突出して、掘削によって生じたズリを
    該掘削によって形成された孔壁に押圧固定するように作
    用する圧密用超硬チップを、頭部外周面全体に分散させ
    て設けず、頭部の外周面における直径方向に対向する2
    個所にそれぞれ前後方向及び円周方向に位置をずらして
    複数個並設したことを特徴とするロックビット。
JP2001131939A 2001-04-27 2001-04-27 掘削工法及びそれに使用するロックビット Expired - Fee Related JP3388279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001131939A JP3388279B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 掘削工法及びそれに使用するロックビット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001131939A JP3388279B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 掘削工法及びそれに使用するロックビット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002322891A JP2002322891A (ja) 2002-11-08
JP3388279B2 true JP3388279B2 (ja) 2003-03-17

Family

ID=18980038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001131939A Expired - Fee Related JP3388279B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 掘削工法及びそれに使用するロックビット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3388279B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174258A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Jos System Kk 掘削工法及び掘削ビット

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4502702B2 (ja) * 2004-04-30 2010-07-14 株式会社クボタ 削孔用ビット
IES20050495A2 (en) * 2005-07-20 2006-11-01 Minroc Techn Promotions Ltd A drill bit assembly for fluid-operated percussion drill tools
JP7295515B2 (ja) * 2020-08-19 2023-06-21 飛島建設株式会社 無水削孔によるロックボルト打設方法、及びそれに用いる無水削孔システム、並びに口元処理装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174258A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Jos System Kk 掘削工法及び掘削ビット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002322891A (ja) 2002-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007211412A (ja) アンカー構築工法
JP4796477B2 (ja) 鋼管ソイルセメント杭の施工方法および合成杭のの施工方法
JP3468724B2 (ja) コンクリート杭の打設方法とその装置並びに拡大ヘッド
KR101762879B1 (ko) 지반 굴착장치
JP4707491B2 (ja) パイプアンカーの埋設方法
US7555854B2 (en) Earth auger head and excavation method
JP3388279B2 (ja) 掘削工法及びそれに使用するロックビット
JP4906335B2 (ja) パイプアンカーの埋設装置
JP4772808B2 (ja) 掘削工法
KR970010505B1 (ko) 굴삭근고결액 주입공법 및 그 장치
JP2008248488A (ja) 斜面安定化工法及び斜面施工装置
JP2009068229A (ja) 吊構造物用アンカーの埋設方法
JP4443329B2 (ja) 廃棄物処分場におけるゴミ処理工法
JP2822687B2 (ja) 掘削工法
JP2012132257A (ja) 電極材埋設用孔のさく孔方法およびそれに使用するさく孔装置
JP4781195B2 (ja) 打込材の打設方法及び先行掘削用打込材
JPH0813486A (ja) 鋼矢板の打ち込み工法
CN109667266A (zh) 自钻大直径管桩的施工方法、装置及其配套的专用管桩
JPH10147931A (ja) ボーリングマシンの中掘り掘削機
JP7396709B1 (ja) 地盤削孔方法、並びに地盤削孔装置の削孔制御装置及びそのプログラム
JP7396708B1 (ja) 地盤削孔方法、並びに地盤削孔装置の削孔制御装置及びそのプログラム
CN220267601U (zh) 旋挖机桶钻附加引泥板
KR200283001Y1 (ko) 오거 해머
JPH06264435A (ja) セメントミルク注入式のダウンホールハンマー
JP7104870B1 (ja) 地盤改良工法及び地盤改良用掘削装置

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350