JP3388107B2 - 走査プローブ顕微鏡におけるフォトセンサ位置調整装置 - Google Patents

走査プローブ顕微鏡におけるフォトセンサ位置調整装置

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JP3388107B2
JP3388107B2 JP25296796A JP25296796A JP3388107B2 JP 3388107 B2 JP3388107 B2 JP 3388107B2 JP 25296796 A JP25296796 A JP 25296796A JP 25296796 A JP25296796 A JP 25296796A JP 3388107 B2 JP3388107 B2 JP 3388107B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子間力顕微鏡
(AFM)等の試料からの力を受けて試料表面を測定す
る走査プローブ顕微鏡(SPM)の技術分野に属し、特
にカンチレバーからの反射光が入射されるフォトダイオ
ード等のフォトセンサの位置を調整するための走査プロ
ーブ顕微鏡用フォトセンサ位置調整装置の技術分野に属
するものである。
【0002】
【従来の技術】探針と試料との間に生じる物理的な力を
測定して試料表面を測定するAFMが、従来から開発さ
れている。図4は、従来のこのようなAFMの一例を模
式的に示す図である。図中、1はレーザー光源、2は先
端に探針2aが取り付けられたカンチレバー、3はミラ
ー、4は2分割または4分割のフォトダイオード(P
D)、5はフォトダイオード支持台、6は粗動スクリュ
ー、6aは粗動スクリュー操作つまみ、7はレーザー光
源1、カンチレバー2、ミラー3、フォトダイオード
4、フォトダイオード支持台5、および粗動スクリュー
6を支持するAFMヘッド、8はAFMヘッド7を支持
するカンナ台、9は試料、10は試料9をX軸、Y軸、
およびZ軸方向に移動調節するスキャナ、11はスキャ
ナ10を移動する粗動アプローチ機構、12は本体、1
3はAFMヘッド7を本体12に固定するヘッド固定機
構、14は本体12の上方の、AFMヘッド7および試
料9等が配置される空間を真空に保持するためのガラス
製の真空ベルジャである。
【0003】このような構成をしたAFMにおいては、
まず使用するAFMヘッド7を支持するカンナ台8を本
体12の上面に、図4の紙面と直交する方向から移動し
て所定位置に載置し、ヘッド固定機構13のヘッド固定
つまみ13aを操作して固定くさび部材13a,13b
により固定する。次いで、試料9をスキャナ10の上面
の試料載置台にセットした後、粗動スクリュー操作つま
み6aをつかんで粗動スクリュー6を回すことにより、
フォトダイオード支持台5を上下動させ、カンチレバー
2からの反射光がフォトダイオードの中心に来るように
フォトダイオード4の上下位置を調節する。
【0004】次に、大気中での観察の場合は、そのま
ま、レーザー光源1からレーザー光をカンチレバー1の
上面に照射し、その反射光をフォトダイオード4にミラ
ー3を介して入射させる。また、真空中での観察の場合
は、真空ベルジャ14をAFMヘッド7および試料9を
覆うようにして本体12に取り付けた後、この真空ベル
ジャ14内の空間に真空を引く。この真空状態で、大気
中の観察の場合と同様にレーザー光源1からのレーザー
光の、カンチレバー1による反射光をフォトダイオード
4に入射させる。
【0005】この状態で、探針2aと試料9とを1nm
以下の距離まで互いに近づけると、探針2aの先端原子
と試料9の表面原子との間に原子間力(引力・斥力)が
作用して、探針2aが上下動し、その結果カンチレバー
2が上下方向に撓む。このカンチレバー2の撓みによ
り、レーザー光の反射光がフォトダイオード4に入射す
る位置が変化する。この変化により、フォトダイオード
4の出力が変化し、この出力の変化に基づいてスキャナ
10のZ軸圧電走査素子に対して、探針2aと試料9と
の間の距離を一定に保つ(すなわち原子間力を一定に保
つ)ようにフィードバック制御を行う。
【0006】そして、このような探針2aと試料9との
間の距離制御を行いながら探針2aまたは試料9を2次
元走査することにより、試料9の表面の凹凸画像(定力
像)が、図示しない例えば画像表示装置において得られ
る。このように、従来の走査プローブ顕微鏡は、大気中
でもまた真空中でも試料9の観察を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
AFMのカンチレバー2には、窒化シリコンの上に反射
用の金をコーティングして形成されたカンチレバー2が
あるが、このような複合材料で形成されたカンチレバー
2は大気中において水分が付着している場合がある。
【0008】しかしながら、このように大気中で水分が
カンチレバー2に付着していると、真空中での観察を行
うにあたって、真空ベルジャ4でAFMヘッド7および
試料9を覆った後、真空ベルジャ4内の空間に真空を引
いたとき、カンチレバー2に付着している水分が真空排
気とともにとれてしまい、その結果カンチレバーの応力
バランスがくずれて、カンチレバー2がたわみ変形を生
じてしまう。このため、大気中で粗動スクリュー6によ
りフォトダイオード4の位置を反射光の中心にせっかく
合わせても、このカンチレバー2のたわみ変形により、
反射光の位置が大きく変化してしまう。
【0009】そこで、真空排気を行った後、マグネット
カップリングを用いて真空の外部から位置調整を行うこ
とが考えられる。しかし、このようなマグネットカップ
リングを用いた場合は、機構が大がかりとなるばかりで
なく、大気中での操作性が悪くなり、しかも高価になっ
てしまう。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は簡易かつ安価な構成で、大気
中にあるフォトダイオード等のフォトセンサの位置調整
を簡単に行うことができることはもちろん、真空中にあ
るフォトセンサの位置調整をも真空外部から簡単に行う
ことのできる走査プローブ顕微鏡におけるフォトセンサ
位置調整装置を提供することである。
【0011】
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、試料を走査する探針を有する
カンチレバーに、光源から放出される光線を照射すると
ともに、前記カンチレバーにおいて反射した前記光線の
反射光をフォトセンサによって受光することにより、大
気中および前記真空中のいずれにおいても前記試料の観
察を行うようになっている走査プローブ顕微鏡におい
て、前記フォトセンサを支持するフォトセンサ支持台を
移動させる移動スクリューと、前記移動スクリューに設
けられ、前記移動スクリューを回転させる回転操作力を
発生する第1操作手段と、前記真空外部に設けられて前
記移動スクリューを回転させる回転操作力を発生する第
2操作手段と、一端が前記第2操作手段に連結された前
記回転操作力を伝達する回し棒と、前記回し棒の他端お
よび前記第1操作手段のいずれか一方に設けられた回し
部と、前記回し棒の他端および前記第1操作手段のいず
れか他方に設けられ、前記回し部がその回転方向に係合
可能な回し部受け部とを備えていることを特徴としてい
る。
【0014】また請求項2の発明は、前記回し部が断面
正多角形の棒状に形成されているとともに、前記回し部
受け部が、前記回し部が嵌合可能な断面正多角形の受け
穴により構成されていることを特徴としている。
【0015】更に請求項3の発明は、前記カンチレバ
ー、前記フォトセンサ、前記フォトセンサ支持台および
前記移動スクリューがともにヘッドに設けられており、
このヘッドは本体に着脱可能に設けられていることを特
徴としている。
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】このような構成をした請求項1および2の各発
明のフォトセンサ位置調整装置においては、真空中での
反射光の位置のずれが生じた場合は、真空外部から第2
操作手段を回転操作して回転操作力を発生させると、こ
の回転操作力により、回し棒、回し部および回し受け部
のいずれか一方、回し部および回し受け部のいずれか他
方および第1操作手段を介して移動スクリューが回動す
る。この移動スクリューの回動により、フォトセンサ支
持台が移動するので、フォトセンサの位置が調整される
ようになる。更に大気中でのフォトセンサの位置調整
は、単に第1操作手段を回して移動スクリューを回動さ
せることにより行われる。
【0019】更に請求項3の発明においては、カンチレ
バー、フォトセンサ、フォトセンサ支持台および移動ス
クリューが設けられたヘッドが本体から取り外されるよ
うになる。その場合、請求項1および2のフォトセンサ
位置調整装置における回し部と回し受け部との係合が解
除されることにより、ヘッドが本体から簡単に取り外さ
れる。したがって、異なるヘッドとの交換が可能とな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明にかかる走査プローブ
顕微鏡用フォトセンサ位置調整装置の実施の形態の第1
例を模式的に示す、図4と同様の図である。なお、以下
の実施の形態の各例においては、前述の図4に示す従来
の走査プローブ顕微鏡と同じ構成要素には同じ符号を付
すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0021】図1に示すように、本第1例のフォトセン
サ位置調整装置は、粗動スクリュー6の下端に、この粗
動スクリュー6と一緒に回転可能な従動側ギヤ15が設
けられている。また、駆動側ギヤ16がこの従動側ギヤ
15に噛み合い可能に設けられており、この駆動側ギヤ
16は、本体12内に設けられた一対のベベルギヤから
なる歯車伝達機構17に連結されている。更に、この歯
車伝達機構17は、本体12の外部に設けられた位置調
整用つまみ18に連結されている。その場合、歯車伝達
機構17は、Oリング19により大気に対して気密が保
持されるようになっている。また、本第1例における走
査プローブ顕微鏡の他の構成は、図4に示す従来の走査
プローブ顕微鏡の構成と同じである。
【0022】このように構成された第1例のフォトセン
サ位置調整装置においては、位置調整用つまみ18を回
すことにより、歯車伝達機構17を介して駆動側ギヤ1
6が回動する。この駆動側ギヤ16の回動により、従動
側ギヤ15を介して粗動スクリュー6が回動するので、
フォトダイオード支持台5が上下動し、フォトダイオー
ド4の上下位置が変化する。
【0023】したがって、真空ベルジャ4でAFMヘッ
ド7および試料9を覆った後、真空ベルジャ4内の空間
内の真空排気を行ったとき、カンチレバー2がたわみ変
形を生じてカンチレバー2からの反射光の位置が大きく
変化した場合は、真空外部から位置調整用つまみ18を
回すことにより、フォトダイオード4の上下位置が調整
されるようになる。また、大気中でのフォトダイオード
4の上下位置調整も、同様に位置調整用つまみ18を回
すことにより行われる。
【0024】また、真空ベルジャ14を本体12から外
した状態で、ヘッド固定機構13のヘッド固定つまみ1
3aを操作して固定くさび部材13a,13bによるA
FMヘッド7のカンナ台8の固定を解除し、AFMヘッ
ド7を図1の紙面と直交する方向に移動することによ
り、AFMヘッド7が本体12から取り外される。この
とき、従動側ギヤ15と駆動側ギヤ16とが歯車の噛み
合いであるため、AFMヘッド7を図1の紙面と直交す
る方向に移動させることによりこの噛み合いが解除され
て、AFMヘッド7は従動側ギヤ15とともに本体12
から簡単に取り外されるようになる。
【0025】このように本第1例のフォトセンサ位置調
整装置によれば、本体12の外部に設けた位置調整用つ
まみ18を操作するだけで、真空外部すなわち大気側か
らフォトダイオード4の位置調整を行うことができるよ
うになる。その場合、従動側ギヤ15、駆動側ギヤ1
6、および歯車伝達機構17を設けるだけであるので、
フォトセンサ位置機構が簡易な構成となるとともに、大
気中および真空中のいずれでも位置調整操作が簡単であ
り、しかもフォトセンサ位置調整装置を安価に形成する
ことができる。
【0026】また、AFM7を本体12から簡単に取り
外すことができるようになるので、例えば走査型トンネ
ル顕微鏡(STM)のSTMヘッド等の異なるヘッドの
交換が可能となる。そして、本体12にこのような異な
るヘッドを取り付けることにより、走査プローブ顕微鏡
をその異なるヘッドが有する機能の顕微鏡として用いる
ことができるようになる。本第1例における走査プロー
ブ顕微鏡の他の作用および効果は、図4の従来の走査プ
ローブ顕微鏡と同じである。
【0027】なお、この第1例では、図4に示す従来の
走査プローブ顕微鏡において粗動スクリュー6の上端に
設けられている粗動スクリュー操作つまみ6aが削除さ
れているが、この粗動スクリュー操作つまみ6aを従来
と同様に設けて、大気中における試料9の観察時に、こ
の粗動スクリュー操作つまみ6aによってもフォトダイ
オード4の上下位置調整を行うようにしてもよい。ま
た、本例のフォトセンサ位置調整装置は、真空中におけ
る試料9の観察のみを行う走査プローブ顕微鏡にも適用
することができる。
【0028】図2は本発明の実施の形態の第2例を示
し、(a)はフォトセンサ位置調整装置を模式的にかつ
部分的に示す図、(b)は(a)におけるIIB−IIB線に
沿う断面図である。
【0029】図4に示す従来の粗動スクリュー操作つま
み6aに代えて、図2(a)に示すように本第2例のフ
ォトセンサ位置調整装置では、粗動スクリュー6の上端
に粗動スクリュー操作つまみ20が設けられている。同
図(b)に示すように、この粗動スクリュー操作つまみ
20には、上端に開口する断面正6角形の回し棒受け穴
20aが穿設されている。
【0030】また、回し棒21がガラスの真空ベルジャ
14を外部から内部に、回動かつ進退動可能にしかもO
リング19によって気密に貫通可能に設けられている。
この回し棒21の下端部には、図2(b)に示すように
断面正6角形の回し部21aが形成されており、この回
し部21aは粗動スクリュー操作つまみ20の回し棒受
け穴20aに嵌合可能とされている。また回し棒21の
上端には、位置調整用つまみ18が設けられている。本
第2例における走査プローブ顕微鏡の他の構成は、図4
の走査プローブ顕微鏡の構成と同じである。
【0031】このように構成された第2例のフォトセン
サ位置調整装置においては、大気中で試料9の観察を行
う場合には、真空ベルジャ14が本体12に取り付けら
れなく、図2(a)において真空ベルジャ14、回し棒
21、および位置調整用つまみ18が削除された状態と
なっているので、粗動スクリュー操作つまみ20を回す
ことにより、従来と同様に粗動スクリュー6が回動して
フォトダイオード4の上下位置が調整される。
【0032】また、真空中で試料9の観察を行う場合に
は、図2(a)に示すように真空ベルジャ14でAFM
ヘッド7および試料9を覆った後、位置調整用つまみ1
8を押して回し棒21を粗動スクリュー操作つまみ20
の方へ移動させることにより、回し部21aを粗動スク
リュー操作つまみ20の回し棒受け穴20aに嵌合させ
る。これにより、回し部21aおよび回し棒受け穴20
aがともに断面正6角形に形成されているので、回し部
21が粗動スクリュー操作つまみ20に伝達されるよう
になる。この状態で真空ベルジャ4内の空間内の真空排
気を行った後、位置調整用つまみ18を回して粗動スク
リュー操作つまみ20および粗動スクリューを回動させ
ることにより、フォトダイオード4の上下位置が調整さ
れるようになる。
【0033】更に、真空ベルジャ14を本体12から外
し、回し部21aを回し棒受け穴20aから脱出させた
状態で、前述の第1例と同様にヘッド固定機構13のヘ
ッド固定つまみ13aを操作し、固定くさび部材13
a,13bによるAFMヘッド7のカンナ台8の固定を
解除して、AFMヘッド7を図1の紙面と直交する方向
に移動することにより、AFMヘッド7が本体12から
簡単に取り外される。
【0034】このように本第1例のフォトセンサ位置調
整装置によれば、従来と同様に粗動スクリュー操作つま
み20を回すだけで、大気中でのフォトダイオード4の
位置調整を行うことができるばかりでなく、真空ベルジ
ャ14の外部に設けた位置調整用つまみ18を操作する
ことにより、真空外部からフォトダイオード4の位置調
整を行うことができるようになる。
【0035】その場合、粗動スクリュー操作つまみ20
に断面正6角形の穴20aを形成するとともに、下端に
断面正6角形の回し部21aが形成されかつ上端に位置
調整用つまみ18が設けられた回し棒21を設けるだけ
であるので、フォトセンサ位置調整機構が簡易な構成と
なるとともに、大気中でも真空中でも位置調整操作が簡
単であり、しかもフォトセンサ位置調整装置を安価に形
成することができる。本第2例における走査プローブ顕
微鏡の他の作用および効果は、図4の従来の走査プロー
ブ顕微鏡と同じである。
【0036】なお、回し棒21の下端に断面正6角形の
穴を形成するとともに、粗動スクリュー操作つまみ20
にこの穴に嵌合可能な断面正6角形の回し部を形成する
ようにしてもよい。
【0037】図3は本発明の実施の形態の第3例のフォ
トセンサ位置調整装置を模式的にかつ部分的に示し、
(a)は図1におけるP方向から見た図に相当する図、
(b)は(a)におけるIIIB−IIIB線に沿う断面図、
(c)は(a)におけるIIIC−IIIC線に沿う断面図であ
る。
【0038】図1に示す第1例のフォトセンサ位置調整
装置では、フォトダイオード4の上下方向(Z軸方向)
のみの位置調整を行うようにしているが、本第3例のフ
ォトセンサ位置調整装置では、図3(a)に示すように
フォトダイオード4の上下方向(Z軸方向)の位置調整
に加えて、図3(a)において左右方向(X軸方向;図
1において紙面に直交する方向)の位置調整を行うよう
にしている。
【0039】すなわち、本第3例のフォトセンサ位置調
整装置は、同図(b)に示すようにフォトダイオード支
持台5がZ軸方向移動支持台5aとX軸方向移動支持台
5bとから構成されており、X軸方向移動支持台5bは
Z軸方向移動支持台5aにこのZ軸方向移動支持台5a
の移動方向と直交する方向に摺動可能に取り付けられて
いる。このX軸方向移動支持台5bに、フォトダイオー
ド4が取り付けられている。
【0040】このX軸方向移動支持台5bに、X軸粗動
スクリュー22が螺合されて貫通しており、このX軸粗
動スクリュー22が回動することにより、X軸方向移動
支持台5bがX軸方向に移動可能となっている。また、
X軸粗動スクリュー22は、一対のベベルギヤからなる
歯車伝達機構23を介してカップリング24の一方の第
1カップリング部24aに接続されている。この第1カ
ップリング部24aは逆U字形の二股状に形成されてい
る。
【0041】一方、同図(c)に示すようにカップリン
グ24の他方の第2カップリング部24bが平板状に形
成されているとともに、この第2カップリング部24b
は第1カップリング部24aの二股状の間に遊嵌される
ようにして配設されている。これにより、第2カップリ
ング部24bは第1カップリング部24aに対して軸方
向には自由に相対移動可能であるが、回転方向には第1
カップリング部24aに係合して相対回動不能とされて
いる。
【0042】この第2カップリング部24bには、本体
12に設けられた回動可能に従動側ギヤ25の回転軸2
5aが連結されており、したがって従動側ギヤ25が回
動することにより回転軸25aを介して第2カップリン
グ部24bが回転し、この第2カップリング部24bの
回転が第1カップリング部24aに伝達されて第1カッ
プリング部24aが回転し、更に第1カップリング部2
4aの回転が歯車伝達機構23を介してX軸粗動スクリ
ュー22に伝達されて、このX軸粗動スクリュー22が
回転するようになっている。
【0043】従動側ギヤ25には駆動側ギヤ26が噛み
合わされており、この駆動側ギヤ26は、図示しないが
前述の駆動側ギヤ16と同様に、歯車伝達機構17に相
当するX軸歯車伝達機構を介して、本体12の外部に設
けられた位置調整用つまみ18(本第3例では、このつ
まみはZ軸位置調整用つまみである)に相当するX軸位
置調整用つまみが設けられている。なお、同様にX軸歯
車伝達機構とX軸位置調整用つまみとの間がOリング1
9に相当するOリングによって気密が保持されている。
本第3例における走査プローブ顕微鏡の他の構成は、図
1の第1例の走査プローブ顕微鏡の構成と同じである。
【0044】このように構成された第3例のフォトセン
サ位置調整装置においては、大気中における試料9の観
察および真空中における試料9の観察の場合、ともにZ
軸位置調整用つまみ18を回すことにより、前述と同様
にZ軸粗動スクリュー6が回動して、Z軸方向移動支持
台5aが上下動する。このとき、X軸方向移動支持台5
b、X軸粗動スクリュー22、歯車伝達機構23が一緒
に上下動するようになるが、カップリング24の第1カ
ップリング部24aが第2カップリング部24bに対し
て軸方向に相対的に移動可能となっているので、これら
の上下動は自由に行われる。またX軸位置調整用つまみ
を回すことにより、同様にX軸粗動スクリュー22が回
動して、X軸方向移動支持台5bがX軸方向に移動す
る。このときは、X軸方向移動支持台5bがZ軸方向移
動支持台5bに対して相対摺動するので、X軸方向移動
支持台5bおよびフォトダイオード4がX軸方向に移動
し、Z軸方向移動支持台5aおよびZ軸粗動スクリュー
6はX軸方向には移動しない。
【0045】第3例のフォトセンサ位置調整装置によれ
ば、本体12の外部に設けたX軸方向位置調整用つまみ
を操作するだけで、真空外部からフォトダイオード4の
X軸方向の位置調整をも行うことができるようになる。
その場合、各ギヤ25,26、歯車伝達機構、および単
純な構造のカップリング24を設けるだけであるので、
X軸位置調整機構を設けてもフォトセンサ位置調整装置
は簡易な構成であるとともに、大気中および真空中のい
ずれにおいてもX軸方向の位置調整操作をZ軸方向の位
置調整操作と同様に簡単に行うことができる。
【0046】第3例のフォトセンサ位置調整装置の他の
作用および効果は、前述の第1例のフォトセンサ位置調
整装置と同じである。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の走査プローブ顕微鏡におけるフォトセンサ位置調整装
置によれば、真空外部からフォトセンサの位置調整を行
うことができる。また、フォトセンサ位置調整機構が簡
易な構成となるとともに、大気中および真空中のいずれ
でも位置調整操作が簡単であり、しかもフォトセンサ位
置調整装置を安価に形成することができる。
【0048】また、走査プローブ顕微鏡のAFMヘッド
を本体から簡単に取り外すことができるようになるの
で、例えば走査型トンネル顕微鏡(STM)のSTMヘ
ッド等の異なるヘッドの交換が可能となる。そして、本
体にこのような異なるヘッドを取り付けることにより、
走査プローブ顕微鏡をその異なるヘッドが有する機能の
顕微鏡として用いることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる走査プローブ顕微鏡における
フォトセンサ位置調整装置の実施の形態の第1例を模式
的に示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態の第2例を示し、(a)
はその部分図、(b)は(a)におけるIIB−IIB線に沿
う断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態の第3例を示し、(a)
は図1における矢視Pに相当する部分図、(b)は
(a)におけるIIIB−IIIB線に沿う断面図、(c)は
(a)におけるIIIC−IIIC線に沿う断面図である。
【図4】 従来の走査プローブ顕微鏡におけるフォトセ
ンサ位置調整装置の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…レーザ光源、2…カンチレバー、2a…探針、3…
ミラー、4…フォトダイオード、5…フォトダイオード
支持台、5a…Z軸方向移動支持台、5b…X軸方向移
動支持台、6…粗動スクリュー(Z軸粗動スクリュ
ー)、6a…粗動スクリュー操作つまみ、7…AFMヘ
ッド、8…カンナ台、9…試料、10…スキャナ、11
…粗動アプローチ機構、12…本体、13…ヘッド固定
機構、14…真空ベルジャ、15…従動ギヤ、16…駆
動ギヤ、17,23…歯車伝達機構、18…位置調整用
つまみ、19…Oリング、20…粗動スクリュー操作つ
まみ、20a…回し棒受け穴、21…回し棒、21a…
回し部、22…X軸粗動スクリュー、24…カップリン
グ、24a…第1カップリング部、24b…第2カップ
リング部、25…従動側ギヤ、26…駆動側ギヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G12B 21/00 - 21/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を走査する探針を有するカンチレバ
    ーに、光源から放出される光線を照射するとともに、前
    記カンチレバーにおいて反射した前記光線の反射光をフ
    ォトセンサによって受光することにより、大気中および
    前記真空中のいずれにおいても前記試料の観察を行うよ
    うになっている走査プローブ顕微鏡において、 前記フォトセンサを支持するフォトセンサ支持台を移動
    させる移動スクリューと、前記移動スクリューに設けら
    れ、前記移動スクリューを回転させる回転操作力を発生
    する第1操作手段と、前記真空外部に設けられて前記移
    動スクリューを回転させる回転操作力を発生する第2操
    作手段と、一端が前記第2操作手段に連結された前記回
    転操作力を伝達する回し棒と、前記回し棒の他端および
    前記第1操作手段のいずれか一方に設けられた回し部
    と、前記回し棒の他端および前記第1操作手段のいずれ
    か他方に設けられ、前記回し部がその回転方向に係合可
    能な回し部受け部とを備えていることを特徴とする走査
    プローブ顕微鏡におけるフォトセンサ位置調整装置。
  2. 【請求項2】 前記回し部は断面正多角形の棒状に形成
    されているとともに、前記回し部受け部は、前記回し部
    が嵌合可能な断面正多角形の受け穴により構成されてい
    ることを特徴とする請求項記載の走査プローブ顕微鏡
    におけるフォトセンサ位置調整装置。
  3. 【請求項3】 前記カンチレバー、前記フォトセンサ、
    前記フォトセンサ支持台および前記移動スクリューがと
    もにヘッドに設けられており、このヘッドは本体に着脱
    可能に設けられていることを特徴とする請求項1または
    記載の走査プローブ顕微鏡におけるフォトセンサ位置
    調整装置。
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