JP3387877B2 - 自動車後席の背凭シート用シートロック装置 - Google Patents

自動車後席の背凭シート用シートロック装置

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JP3387877B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車後席の背凭シー
ト用シートロック装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、背凭軸により回転自在に支持された
背凭シートに取付けられるシートロックアッシーと、前
記シートロックアッシーと係合することにより前記背凭
シートをその位置に保持するストライカとからなり、前
記シートロックアッシーは、前記背凭シートに固定され
前記ストライカが進入可能の横方向に長い進入溝を形成
したベースプレートと、ラッチ軸で前記ベースプレート
に軸支され前記進入溝内に進入した前記ストライカと係
合可能の縦方向の係合溝部を形成したラッチとを備えた
自動車後席の背凭シート用シートロック装置は、公知で
ある。また、従来、自動車のドアに取付けられるドアラ
ッチアッシーと、前記ドアラッチアッシーと係合するこ
とにより前記ドアを閉扉位置に保持するストライカとか
らなり、前記ドアラッチアッシーは、前記ドアに固定さ
れ前記ストライカが進入可能の横方向に長い進入溝を形
成したベースプレートと、ラッチ軸で前記ベースプレー
トに軸支され前記進入溝内に進入した前記ストライカと
係合可能の縦方向の係合溝部を形成したラッチとを備え
たものにおいて、前記ベースプレートには前記係合溝部
が前記ストライカに係合するとその傾斜支持面が前記ス
トライカと当接することにより前記横方向に移動して前
記ストライカを前記進入溝の一方の側面との間で挟持す
るスライドウエッジを設けた自動車用ドアラッチ装置は
公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者のシートロック装
置の課題は、構造的に係合溝部がストライカより多少大
きくなっているため、係合部分に隙間が生じて背凭シー
トが背凭軸を中心とする回転方向にガタ付き易い点にあ
る。また、後者のドアラッチ装置は、ベースプレートに
進入溝と平行の横方向に移動自在のスライドウエッジを
設けて、スライドウエッジによりストライカを縦方向か
ら(上下から)挟持する構成であるため、ドアの上下方
向のガタ付き、即ち、ドアヒンジの軸心方向のガタ付き
を抑制することはできるが、ドアヒンジの回転方向のガ
タ付きは抑制できないから、前者の公知例と同様に課題
がある。
【0004】
【課題を解決する手段】よって、本発明は、背凭軸5に
より回転自在に支持された背凭シート2に取付けられる
シートロックアッシー1と、前記シートロックアッシー
1と係合することにより前記背凭シート2をその位置に
保持するストライカ3とからなり、前記シートロックア
ッシー1は、前記背凭シート2に固定されるベースプレ
ート6と、前記ベースプレート6に形成され横方向に長
くその一方のみが開口していて前記ストライカ3が進入
可能の進入溝7と、ラッチ軸9で前記ベースプレート6
に軸支されたラッチ8と、前記ラッチ8に形成され前記
進入溝7内に進入した前記ストライカ3と係合可能で前
記進入溝7の開口側に近い縦方向の第1係合溝部12
と、前記進入溝7内に進入した前記ストライカ3と係合
可能で前記進入溝7の開口側から遠い縦方向の第2係合
溝部13とを備えたものにおいて、前記ラッチ8には前
第1係合溝部12が前記ストライカ3に係合するとそ
の傾斜支持面21が前記ストライカ3と当接することに
より前記縦方向に移動して前記ストライカ3を前記第1
係合溝部12の一方の側面12Bとの間で挟持するスラ
イドウエッジ19を設けた自動車後席の背凭シート用シ
ートロック装置としたものである。また、本発明は、背
凭軸5により回転自在に支持された背凭シート2に取付
けられるシートロックアッシー1と、前記シートロック
アッシー1と係合することにより前記背凭シート2をそ
の位置に保持するストライカ3とからなり、前記シート
ロックアッシー1は、前記背凭シート2に固定され前記
ストライカ3が進入可能の横方向に長い進入溝7を形成
したベースプレート6と、ラッチ軸9で前記ベースプレ
ート6に軸支され前記進入溝7内に進入した前記ストラ
イカ3と係合可能の縦方向の第1係合溝部12及び第2
係合溝部13を形成したラッチ8とを備えたものにおい
て、前記ラッチ8には前記第1係合溝部12が前記スト
ライカ3に係合するとその傾斜支持面21が前記ストラ
イカ3と当接することにより前記縦方向に移動して前記
ストライカ3を前記第1係合溝部12の一方の側面12
Bとの間で挟持するスライドウエッジ19及び前記第2
係合溝部13が前記ストライカ3に係合するとその傾斜
支持面27が前記ストライカ3と当接することにより前
記縦方向に移動して前記ストライカ3を前記第2係合溝
部13の一方の側面13Bとの間で挟持するスライドウ
エッジ25を設けた自動車後席の背凭シート用シートロ
ック装置としたものである。
【0005】
【実施例】本発明の実施例を図により説明すると、1は
自動車後席の背凭シート2に取付けられシートロックア
ッシー、3は自動車ボディ4に固定されるストライカで
ある。前記背凭シート2は背凭軸5を中心に回転自在で
あり、シートロックアッシー1をストライカ3に係合さ
せることで所定の角度に保持される。
【0006】前記シートロックアッシー1の金属ベース
プレート6には、前記ストライカ3が進入する進入溝7
を形成する。進入溝7は前記背凭軸5を中心とする緩や
かな円弧状を呈し、その長さ方向の一方のみを開口させ
てある。8はベースプレート6にラッチ軸9で回転自在
に軸支させた金属ラッチであり、ラッチ8はバネ10の
弾力で図1において反時計回転方向に付勢され、弾性ス
トッパー11に当接して停止している。ラッチ軸9は進
入溝7の他方側の延長線上に配置し、また、ラッチ8は
ラッチ軸9の放射方向に長く形成して、ラッチ8が弾性
ストッパー11に当接した状態では進入溝7と重合する
ようにしてある。
【0007】前記ラッチ8には前記ストライカ3と係合
する第1係合溝部12と第2係合溝部13とを形成す
る。第1係合溝部12は第2係合溝部13より前記ラッ
チ軸9から離間させてあり、両係合溝部12,13はラ
ッチ軸9を中心とする円弧に伸びており、下方に開口
部12A,13Aを形成した逆U字型を呈する。14は
前記ラッチ8に連結した操作ロッドであり、上方に引っ
張るとラッチ8はバネ10の弾力に抗して時計回転し、
ラッチ8とストライカ3との係合を解除できる。
【0008】図のように、前記ストライカ3が第1係
合溝部12に係合していると、図1のように、前記背凭
シート2は標準位置に保持され、ストライカ3を第2係
合溝部13に係合させると、背凭シート2は後方傾斜位
置に保持され、また、ラッチ8をストライカ3から開放
させたまま背凭シート2を前方に倒すと、背凭シート2
はほぼ水平の前倒し位置となる。
【0009】しかして、前記第1係合溝部12と前記第
2係合溝部13の側方には、それぞれ第1ウエッジ部1
5及び第2ウエッジ部16を設ける。第1ウエッジ部1
5のガイドプレート17は、リベット18でラッチ8に
固定され、ガイドプレート17とラッチ8との間にはス
ライドウエッジ19を設ける。スライドウエッジ19は
ガイドピン20によりガイドプレート17にスライド自
在に支持され、スライドウエッジ19の側面には前記ス
トライカ3と当接するように第1係合溝部12内にはみ
出させた傾斜支持面21が形成される。ガイドピン20
は第1係合溝部12の長さ方向と平行に伸び、スライド
ウエッジ19は第1係合溝部12の開口部12A側に向
かってウエッジバネ22で付勢される。12Bは傾斜支
持面21と対峙する側の第1係合溝部12の側面であ
る。
【0010】前記第2ウエッジ部16は、前記第1ウエ
ッジ部15と多少形状が異なるが、機能的には同一構成
であり、リベット23でラッチ8に固定されるガイドプ
レート24と、ガイドプレート24とラッチ8との間に
設けられたスライドウエッジ25と、スライドウエッジ
25を支持するガイドピン26と、スライドウエッジ2
5の側面に形成した傾斜支持面27と、ウエッジバネ2
8とを備える。13Bは傾斜支持面27と対峙する側の
第2係合溝部13の側面である。図の29はベースプ
レートに取付けられるカバープレートである。
【0011】
【作用】本発明は以上の構成であり、図1、2のよう
に、ストライカ3がラッチ軸9から遠いラッチ8の第1
係合溝部12に係合していると、背凭シート2は標準位
置に保持される。標準位置の背凭シート2を後方に傾斜
させるときは、操作ロッド14を上方に引っ張ってラッ
チ8をバネ10の弾力に抗して時計回転させ、第1係合
溝部12をストライカ3から解放させ、この状態で、背
凭シート2を手や背中で後方に押し込むと、ストライカ
3は進入溝7内を更に奥側に進んで突き当たり、そこ
で、操作ロッド14を離すと、ラッチ8はバネ10の弾
力で反時計回転し、第2係合溝部13がストライカ3に
係合して、背凭シート2は後方傾斜位置に保持される。
また、ラッチ8を時計回転させた状態で、背凭シート2
を前方に倒すと、背凭シート2はほぼ水平の前倒し位置
となる。
【0012】しかして、ラッチ8の第1係合溝部12が
ストライカ3に係合するとき、第1係合溝部12に対応
するスライドウエッジ19は、その傾斜支持面21がス
トライカ3と当接してウエッジバネ22の弾力に抗して
若干上動し、ストライカ3の一方の側面に当接したまま
となる。このため、ストライカ3はスライドウエッジ1
9の傾斜支持面21と第1係合溝部12の側面12Bと
の間で挟持されるから、背凭シート2は背凭軸5を中心
とする回転方向にガタ付くことが防止される。なお、第
1係合溝部12がストライカ3と係合するときに、第1
係合溝部12の側面12Bとストライカ3との間に隙間
があったとしても、この隙間は使用中の背凭シート3の
後方移動により直ちに吸収されるとともに、この後方移
動によりスライドウエッジ19とストライカ3との間に
生じる新たな隙間は、スライドウエッジ19がウエッジ
バネ22の弾力で下方移動することで直ちに吸収される
から、以後、背凭シート2が前後方向にガタ付くことは
なくなる。なお、ラッチ8の第2係合溝部13がストラ
イカ3に係合するときも、前記同様である。
【0013】
【発明の効果】以上のように、本発明は、背凭軸5によ
り回転自在に支持された背凭シート2に取付けられるシ
ートロックアッシー1と、前記シートロックアッシー1
と係合することにより前記背凭シート2をその位置に保
持するストライカ3とからなり、前記シートロックアッ
シー1は、前記背凭シート2に固定されるベースプレー
ト6と、前記ベースプレート6に形成され横方向に長く
その一方のみが開口していて前記ストライカ3が進入可
能の進入溝7と、ラッチ軸9で前記ベースプレート6に
軸支されたラッチ8と、前記ラッチ8に形成され前記進
入溝7内に進入した前記ストライカ3と係合可能で前記
進入溝7の開口側に近い縦方向の第1係合溝部12と、
前記進入溝7内に進入した前記ストライカ3と係合可能
で前記進入溝7の開口側から遠い縦方向の第2係合溝部
13とを備えたものにおいて、前記ラッチ8には前記
係合溝部12が前記ストライカ3に係合するとその傾
斜支持面21が前記ストライカ3と当接することにより
前記縦方向に移動して前記ストライカ3を前記第1係合
溝部12の一方の側面12Bとの間で挟持するスライド
ウエッジ19を設けた自動車後席の背凭シート用シート
ロック装置、および、背凭軸5により回転自在に支持さ
れた背凭シート2に取付けられるシートロックアッシー
1と、前記シートロックアッシー1と係合することによ
り前記背凭シート2をその位置に保持するストライカ3
とからなり、前記シートロックアッシー1は、前記背凭
シート2に固定され前記ストライカ3が進入可能の横方
向に長い進入溝7を形成したベースプレート6と、ラッ
チ軸9で前記ベースプレート6に軸支され前記進入溝7
内に進入した前記ストライカ3と係合可能の縦方向の第
1係合溝部12及び第2係合溝部13を形成したラッチ
8とを備えたものにおいて、前記ラッチ8には前記第1
係合溝部12が前記ストライカ3に係合するとその傾斜
支持面21が前記ストライカ3と当接することにより前
記縦方向に移動して前記ストライカ3を前記第1係合溝
部12の一方の側面12Bとの間で挟持するスライドウ
エッジ19及び前記第2係合溝部13が前記ストライカ
3に係合するとその傾斜支持面27が前記ストライカ3
と当接することにより前記縦方向に移動して前記ストラ
イカ3を前記第2係合溝部13の一方の側面13Bとの
間で挟持するスライドウエッジ25を設けた自動車後席
の背凭シート用シートロック装置としたため、背凭シー
ト2が背凭軸5を中心とする回転方向にガタ付くことが
防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車の後席を示す略図。
【図2】 シートロックアッシーの平面図。
【図3】 ベースプレートの平面図。
【図4】 ラッチの平面図。
【図5】 第1ウエッジ部の縦断平面図。
【図6】 第2ウエッジ部の縦断平面図。
【図7】 シートロックアッシーの横断面図。
【符号の説明】
1…シートロックアッシー、2…背凭シート、3…スト
ライカ、4…自動車ボディ、5…背凭軸、6…ベースプ
レート、7…進入溝、8…ラッチ、9…ラッチ軸、10
…バネ、11…弾性ストッパー、12…第1係合溝部、
12A…開口部、12B…側面、13…第2係合溝部、
13A…開口部、13B…側面、14…操作ロッド、1
5…第1ウエッジ部、16…第2ウエッジ部、17…ガ
イドプレート、18…リベット、19…スライドウエッ
ジ、20…ガイドピン、21…傾斜支持面、22…ウエ
ッジバネ、23…リベット、24…ガイドプレート、2
5…スライドウエッジ、26…ガイドピン、27…傾斜
支持面、28…ウエッジバネ、29…カバープレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 65/12 - 65/42 B60N 2/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背凭軸5により回転自在に支持された背
    凭シート2に取付けられるシートロックアッシー1と、
    前記シートロックアッシー1と係合することにより前記
    背凭シート2をその位置に保持するストライカ3とから
    なり、前記シートロックアッシー1は、前記背凭シート
    2に固定されるベースプレート6と、前記ベースプレー
    ト6に形成され横方向に長くその一方のみが開口してい
    て前記ストライカ3が進入可能の進入溝7と、ラッチ軸
    9で前記ベースプレート6に軸支されたラッチ8と、前
    記ラッチ8に形成され前記進入溝7内に進入した前記ス
    トライカ3と係合可能で前記進入溝7の開口側に近い
    方向の第1係合溝部12と、前記進入溝7内に進入した
    前記ストライカ3と係合可能で前記進入溝7の開口側か
    ら遠い縦方向の第2係合溝部13とを備えたものにおい
    て、前記ラッチ8には前記第1係合溝部12が前記スト
    ライカ3に係合するとその傾斜支持面21が前記ストラ
    イカ3と当接することにより前記縦方向に移動して前記
    ストライカ3を前記第1係合溝部12の一方の側面12
    Bとの間で挟持するスライドウエッジ19を設けた自動
    車後席の背凭シート用シートロック装置。
  2. 【請求項2】 背凭軸5により回転自在に支持された背
    凭シート2に取付けられるシートロックアッシー1と、
    前記シートロックアッシー1と係合することにより前記
    背凭シート2をその位置に保持するストライカ3とから
    なり、前記シートロックアッシー1は、前記背凭シート
    2に固定され前記ストライカ3が進入可能の横方向に長
    い進入溝7を形成したベースプレート6と、ラッチ軸9
    で前記ベースプレート6に軸支され前記進入溝7内に進
    入した前記ストライカ3と係合可能の縦方向の第1係合
    溝部12及び第2係合溝部13を形成したラッチ8とを
    備えたものにおいて、前記ラッチ8には前記第1係合溝
    部12が前記ストライカ3に係合するとその傾斜支持面
    21が前記ストライカ3と当接することにより前記縦方
    向に移動して前記ストライカ3を前記第1係合溝部12
    の一方の側面12Bとの間で挟持するスライドウエッジ
    19及び前記第2係合溝部13が前記ストライカ3に係
    合するとその傾斜支持面27が前記ストライカ3と当接
    することにより前記縦方向に移動して前記ストライカ3
    を前記第2係合溝部13の一方の側面13Bとの間で挟
    持するスライドウエッジ25を設けた自動車後席の背凭
    シート用シートロック装置。
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