JP3387817B2 - 鉄道用レール締結部の絶縁抵抗測定方法 - Google Patents

鉄道用レール締結部の絶縁抵抗測定方法

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JP3387817B2 JP08183298A JP8183298A JP3387817B2 JP 3387817 B2 JP3387817 B2 JP 3387817B2 JP 08183298 A JP08183298 A JP 08183298A JP 8183298 A JP8183298 A JP 8183298A JP 3387817 B2 JP3387817 B2 JP 3387817B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道用の第1レー
ルと第2レールを締結金具により絶縁部材を介して直列
に締結したレール締結部における絶縁部材の抵抗値を測
定する鉄道用レール締結部の絶縁抵抗測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、鉄道用レール締結部の絶縁部
材の劣化を検出するために、絶縁部材の両端に電圧を付
与して同絶縁部材の抵抗値を測定したり、レール締結部
間の一対のレール、送信機及び受信機により構成された
軌道回路で利用される信号電流が前記絶縁部材を介して
漏れる電流を電流計で直接検出し又は同電流による磁界
を検出したりするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の前
者の方法では、絶縁部材の両端に電圧を付与する電圧源
が必要になり、同絶縁部材の抵抗値の検出が簡単に行わ
れないとともに、同絶縁部材の抵抗値を検出するための
検出装置も複雑になるという問題がある。また、上記従
来の後者の方法では、漏れ電流値が小さいので、絶縁部
材の劣化を精度よく検出できなかったり、電流計自体又
は磁界検出装置が複雑になるという問題がある。
【0004】
【発明の概要】本発明は、上記問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、軌道回路で利用されている
列車検出用信号電圧を利用することにより、内部に絶縁
部材の抵抗値を検出するための電圧源を不用とするとと
もに、絶縁部材の抵抗値を簡単かつ精度よく検出する鉄
道用レール締結部の絶縁抵抗測定方法を提供することに
ある。
【0005】本発明の第1の特徴は、図4(A)に示す
ように、鉄道用の第1レール(12a)と第2レール(1
3a)を締結金具(26)により絶縁部材(25,27)を
介して直列に締結したレール締結部における絶縁部材
(25,27)の抵抗値Rを測定する鉄道用レール締結部
の絶縁抵抗測定方法において、抵抗器(40)の両端を第
1及び第2のレール(12a,13a)に平行に配置され
た第3レール(12b)と第1レール(12a)とにそれぞ
れ接続して同抵抗器の両端の電圧値E1を測定する第1
ステップと、抵抗器(40)の両端を第3レール(12b)
と締結金具(26)とにそれぞれ接続して同抵抗器(40)
の両端の電圧値E2を測定する第2ステップとからな
り、第1及び第2のステップにて測定した両電圧値E
1,E2に基づいて絶縁部材(25,27)の抵抗値Rを測
定するようにしたことにある。
【0006】このように構成した第1の特徴によれば、
軌道回路で用いられている列車検出用信号電圧により、
第3レール(12b)と第1レール(12a)及び締結金具
(26)との各間に電圧が発生する。この場合、抵抗器
(40)の抵抗値をR0とし、第2ステップにて絶縁部材
(25,27)及び抵抗器(40)に流れる電流をIとすれ
ば下記数1,2が成立し、同数1,2の関係から下記数
3が成立する。
【0007】
【数1】E1=I・R+E2
【0008】
【数2】E2=I・R0
【0009】
【数3】R=R0・{(E1/E2)−1} したがって、両電圧値E1,E2を測定することにより、
前記数3に基づいて絶縁部材(25,27)の抵抗値Rを
計算して導出できる。また、前記計算に代えて、両電圧
値E1,E2と抵抗値Rとの換算表を用いたり、後述する
本発明に係る絶縁抵抗測定装置を用いれば、簡単に絶縁
部材(25,27)の抵抗値Rを導出できる。
【0010】また、本発明の第2の構成上の特徴は、図
4(B)に示すように、前記第1ステップにて抵抗器
(40)の両端を第1レール(12a)と第2レール(13
a)とにそれぞれ接続して同抵抗器(40)の両端の電圧
値E1を測定するようにし、かつ前記第2ステップにて
抵抗器(40)の両端を第1レール(12a)と締結金具
(26)とにそれぞれ接続して同抵抗器(40)の両端の電
圧値を測定するようにしたことにある。これによって
も、前記数1〜3が成立し、上記第1の特徴の場合と同
様に簡単に絶縁部材(25,27)の抵抗値Rを導出でき
る。
【0011】また、本発明の第3の構成上の特徴は、図
4(A)(B)に示すように、前記第1及び第2の構成
上の特徴において、前記抵抗器(40)として両端間の電
圧を任意に分圧した分圧値を取り出し可能な可動子(4
1)を有する抵抗器(40)を用い、前記第1ステップに
て抵抗器(40)の両端の電圧値E1を測定するのに代え
て、可動子(41)から取り出される電圧値V1を測定し
ながら、同電圧値V1が予め定めた基準電圧値E0に等し
くなる位置まで可動子(41)を移動させて同可動子(4
1)の位置を決定する。また、前記第2ステップにおい
ては、前記決定した位置に可動子(41)を保ったまま、
前記第2ステップにて抵抗器(40)の両端の電圧値E2
を測定するのに代えて、可動子(41)から取り出される
電圧値V2を測定する。これによれば、下記数4,5が
成立し、この数4,5を前記数3に代入すれば下記数6
が成立する。ただし、kは、可動子(41)の位置によっ
て変化する係数である。
【0012】
【数4】V1=k・E1=E0
【0013】
【数5】V2=k・E2
【0014】
【数6】R=R0・{(E0/V2)−1} これによれば、第2ステップで測定した電圧値V2のみ
に基づいて絶縁部材の抵抗値Rを導出できるので、前記
第1及び第2の特徴による場合よりも、前述した抵抗値
Rを導出する計算及び換算表が簡単になり、より簡単に
絶縁部材の抵抗値Rを導出できるようになる。
【0015】また、前記第1乃至第3の構成上の特徴に
おける抵抗器として、両端間の抵抗値が10乃至100
0オームの範囲内にある抵抗器を用いるとよい。さらに
好ましくは、両端間の抵抗値が200乃至800オーム
の範囲内にある抵抗器を用いるとよい。これによれば、
軌道回路に影響を与えることなく、かつ精度よく絶縁部
材の抵抗値Rを測定できる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】a.軌道及び軌道回路 まず、本発明の実施形態について説明する前に、本発明
に係る鉄道用軌道及び軌道回路について説明しておく。
図1(A)は鉄道用軌道を概略的に示しており、同軌道
は平行に配置した複数組の一対のレール11a,11
b,12a,12b,13a,13bを、各レール間を
絶縁するための絶縁部材を含む締結装置21a,21
b,22a,22bを介してそれぞれ直列に接続してい
る。各締結装置21a,21b,22a,22bの近傍
には各一対のレール11a,11b,12a,12b,
13a,13bにそれぞれ接続された各一対の送信端子
14a,14b,15a,15b及び各一対の受信端子
16a,16b,17a,17bがそれぞれ設けられて
いる。
【0024】各一対の送信端子14a,14b,15
a,15bには送信機31,32がそれぞれ接続されて
いるとともに、各一対の受信端子16a,16b,17
a,17bには受信機33,34がそれぞれ接続されて
いる。この場合、締結装置21a,21b,22a,2
2bに挟まれた送信機31、レール12a,12b及び
受信機34は軌道回路を構成するもので、送信機31か
ら送信された列車検出用信号の受信機34による受信の
有無により、列車10の存在が確認される。すなわち、
列車10がレール12a,12b上に存在しなければ、
受信機34は送信機31から送信された列車検出用信号
を受信する。一方、列車10がレール12a,12b上
に存在すれば、同列車10がレール12a,12b間を
短絡するので、受信機34は送信機31から送信された
列車検出用信号を受信しなくなる。なお、列車検出用信
号としては、交流信号を利用するのが通常であるが、場
合によっては直流信号を利用することもできる。
【0025】また、図1(B)に示すように、平行に設
けた各一対のレール11a,11b,12a,12b,
13a,13bのうちの一方の側のレール11b,12
b,13b側の締結装置を、各レール間を絶縁するため
の絶縁部材を含まない締結装置23b,24bで構成す
ることもできる。
【0026】これらの絶縁部材を含む締結装置21a,
21b,22a,22bについて、同締結装置22a,
22bを代表させて説明する。図2(A)はレール締結
部を斜視図により示しており、図3(A)は同レール締
結部をレール軸線方向と直角に切断した断面図により示
している。直列に設けたレール12a,13a及び12
b,13bの各端面間にはそれぞれ紙、樹脂などで構成
した絶縁性の介装部材25,25がそれぞれ介装されて
いる。レール12a,13a及び12b,13bの各繋
ぎ目部分には、同繋ぎ目をほぼ中央にして長尺状に形成
した導電金属性の継目板26,26が絶縁性の接着剤層
27,27を介して両側から当てがわれ、両継目板2
6,26は同継目板26,26及びレール12a,13
a,12b,13bを貫通する導電金属製のボルト28
と、同ボルト28の一端に螺着された導電金属製のナッ
ト29により締め付け固定されている。これらの介装部
材25及び接着剤層27が締結装置22a,22bの絶
縁部材を構成するとともに、継目板26、ボルト28及
びナット29が締結装置22a,22bの締結金具を構
成する。
【0027】また、前記締結装置22a,22bを、図
3(B)に示すように、一方の継目板を絶縁性の木製継
目板26aで構成したり、図3(C)(D)に示すよう
に、継目板26の形状を変形させるようにしてもよい。
【0028】絶縁部材を含まない締結装置24bは、前
記絶縁性の介装部材25及び接着剤層27を用いない
で、レール12b,13bが、継目板26,26、ボル
ト28及びナット29により直列に締結されている。
【0029】b.第1の絶縁抵抗測定方法 次に、本発明の実施形態に係り、上記のように構成した
レール締結部の絶縁部材の抵抗値の第1の絶縁抵抗測定
方法について説明する。この測定方法においては、第1
ステップとして、抵抗値R0を有する抵抗器40の両端
をレール12bとレール12aとにそれぞれ接続し、送
信機31により発生されて軌道回路で用いられる列車検
出用信号電圧によってもたらされる抵抗器40の両端の
電圧値E1を測定する(図2(A)参照)。この場合、抵
抗器40の抵抗値R0は、10〜1000オームの範囲
内の所定値に選択することが、送信機31と受信機34
との間のレール12a,12bの抵抗値がほぼ0.1〜
30オーム程度であるので、送信機31、レール12
a,12b及び受信機34からなる軌道回路に影響を与
えることなく、また介装部材25及び接着剤層27の抵
抗値を精度よく検出するのに適していることを確認し
た。また、望ましくは、抵抗器40の抵抗値R0を、2
00〜800オームの範囲内の所定値に選択するとよ
い。本実施形態においては、同抵抗値R0として500
オームを採用している。
【0030】次に、第2ステップとして、抵抗器40の
両端をレール12bと締結装置22aの継目板26とに
それぞれ接続して、送信機31により発生されて軌道回
路で用いられる列車検出用信号電圧によってもたらされ
る抵抗器40の両端の電圧値E2を測定する(図2(A)
参照)。この場合、締結装置22a側の接続は、図3
(A)に示すように、継目板26でなくなくてもボルト
28、ナット29などの締結金具であればどこでもよ
い。
【0031】前記電圧値E1,E2の測定時の等価回路を
図4(A)に示す。この場合、介装部材25及び接着剤
層27からなる絶縁部材の抵抗値をRとし、また抵抗器
40の両端をレール12bと締結装置22aの継目板2
6とにそれぞれ接続した状態で前記絶縁部材に流れる電
流をIとすると、下記数7,8が成立する。
【0032】
【数7】E1=I・R+E2
【0033】
【数8】E2=I・R0 前記数8により表される電流値I(=E2/R0)を前記
数7に代入して電流値Iを同数7から消すとともに同数
7を変形すると、下記数9が成立する。
【0034】
【数9】R=R0・{(E1/E2)−1} したがって、両電圧値E1,E2を測定すれば、前記数9
に基づいて絶縁部材の抵抗値Rを計算により導出でき
る。また、前記計算に代えて、両電圧値E1,E2と抵抗
値Rとの換算表を用いたり、後述する絶縁抵抗測定装置
を用いれば、簡単に絶縁部材の抵抗値Rを導出できる。
その結果、この測定方法によれば、軌道回路に影響を与
えることなく、精度よく絶縁部材の抵抗値Rを測定でき
る。なお、この絶縁部材の抵抗値Rの測定方法において
は、第1ステップと第2ステップとの順番を入れ替えて
もよい。
【0035】また、図2(B)に示すように、レール1
2a,13a側のみの電圧により締結装置22aの絶縁
部材の抵抗値を測定するようにしてもよい。この場合、
第1ステップにおいて、抵抗器40の両端をレール12
aとレール13aとにそれぞれ接続し、同抵抗器40の
両端の電圧値E1を測定する。また、第2ステップにお
いて、抵抗器40の両端をレール12aと締結装置22
aの継目板26とにそれぞれ接続して、同抵抗器40の
両端の電圧値E2を測定する。この場合も、前記第1ス
テップと第2ステップの順番を逆にしてもよい。
【0036】前記電圧値E1,E2の測定時における等価
回路は図4(B)に示され、前記場合と同様な数7〜数
9が成立する。したがって、このような測定によって
も、締結装置22aの介装部材25及び接着剤層27か
らなる絶縁部材の抵抗値Rを簡単に測定できる。
【0037】c.第2の絶縁抵抗測定方法 次に、上記第1の絶縁抵抗測定方法を一歩進めて絶縁部
材の抵抗値Rをより簡単に測定する第2の絶縁抵抗測定
方法について説明する。この場合、図4(A)に示すよ
うに、前記抵抗器40として両端間の電圧を任意に分圧
した分圧値を取り出し可能な可動子41を有する抵抗器
を用いる。
【0038】まず、第1ステップにおいて、抵抗器40
の両端をレール12bとレール12aにそれぞれ接続
し、電圧値E1を測定するのに代えて可動子41から取
り出される電圧値V1を測定しながら、同電圧値V1が予
め定めた基準電圧値E0に等しくなる位置まで可動子4
1を移動させて同可動子41の位置を決定する。そし
て、第2ステップにおいては、前記決定した位置に可動
子41を保ったまま、上述した場合と同様に抵抗器40
の両端をレール12bと締結装置22aの締結金具に接
続して、前述した抵抗器40の両端の電圧値E2を測定
するのに代えて、可動子41からから取り出される電圧
値V2を測定する。この場合、前記第1及び第2ステッ
プにおいて、可動子41の位置は変更されないから、可
動子41の位置によって変化する係数kを用いると、測
定電圧V1,V2は下記数10,11のように表される。
【0039】
【数10】V1=k・E1
【0040】
【数11】V2=k・E2この数10,11を用いると、
上記数9は下記数12のように変形される。
【0041】
【数12】R=R0・{(V1/V2)−1} ここで、前述した第1ステップの操作により、電圧値V
1は基準電圧E0に等しいので、前記数12は下記数13
のように変形される。
【0042】
【数13】R=R0・{(E0/V2)−1} これによれば、第2ステップで測定した電圧値V2によ
り抵抗値Rが一義的に決まるので、同電圧値V2のみに
基づいて絶縁部材の抵抗値Rを導出できる。そして、こ
の測定方法によれば、変数が一つとなるので、上記最終
的に抵抗値Rを導出する計算及び換算表が簡単になり、
より簡単に絶縁部材の抵抗値Rを導出できるようにな
る。
【0043】また、この測定方法においても、図2
(B)に示すように、レール12a,13a側のみの電
圧により締結装置22aの絶縁部材の抵抗値Rを測定す
るようにしてもよい。この場合、第1ステップにおい
て、抵抗器40の両端をレール12aとレール13aと
にそれぞれ接続し、可動子41から取り出される電圧値
V1を測定しながら、同電圧値V1が予め定めた基準電圧
値E0に等しくなる位置まで可動子41を移動させて同
可動子41の位置を決定する。そして、第2ステップに
おいては、前記決定した位置に可動子41を保ったま
ま、抵抗器40の両端をレール12aと締結装置22a
の締結金具に接続して、可動子41から取り出される電
圧値V2を測定する。
【0044】この場合も、前記電圧値V1,V2の測定時
における等価回路は図4(B)に示され、前記場合と同
様な数10〜数13が成立する。したがって、このよう
な測定によっても、締結装置22aの介装部材25及び
接着剤層27からなる絶縁部材の抵抗値Rをより簡単に
測定できる。
【0045】また、これらの測定方法においても、前記
第1の絶縁抵抗測定方法の場合と同様に、抵抗器40の
抵抗値R0は、10〜1000オームの範囲内の所定値
に選択することが望ましく、さらに望ましくは、抵抗器
40の抵抗値R0を、200〜800オームの範囲内の
所定値に選択するとよい。
【0046】d.第1の絶縁抵抗測定装置 次に、前記第1及び第2の絶縁抵抗測定方法に利用する
のに適した第1の絶縁抵抗測定装置について説明する。
図5は同測定装置の外観を示しており、図6は同測定装
置に内蔵の電気回路図を示している。この絶縁抵抗測定
装置は、電源スイッチ101、第1〜第3接続端子10
2〜104、粗調整操作子105、微調整操作子10
6、表示メータ107及び導通表示器108を備えてい
る。
【0047】電源スイッチ101は、この測定装置を作
動させるためのスイッチである。第1接続端子102
は、絶縁抵抗の測定の際にレール11a〜13a,11
b〜13bに接続するための端子で、同端子102には
接続線111が接続されるようになっている。接続線1
11の一端には第1接続端子102に挿入固定される接
続ピン111aが設けられており、同接続線111の他
端にはレール11a〜13a,11b〜13bの一部を
挟み込んで同レールに固定される固定具111bが設け
られている。第2及び第3接続端子103,104は、
締結装置21a,21b,22a,22bの締結金具
(継目板26、ボルト28及びナット29)に接続する
ための端子で、両端子103,104には接続線11
2,113が接続されるようになっている。接続線11
2,113の各一端には第2及び第3接続端子103,
104に挿入固定される接続ピン112a,113aが
それぞれ設けられており、同接続線112,113の各
他端には締結装置21a,21b,22a,22bの締
結金具に接触させるための接触子112b,113bが
それぞれ設けられている。両接触子112b,113b
は、電気的には分離されているが一体的に合体されてい
るとともに、接続線112,113も、電気的には分離
されているが中間部においては一体的に合体されてい
る。
【0048】この絶縁抵抗測定装置に内蔵の電気回路に
おいては、第1及び第2接続端子102,103に、可
動子121aを有するポテンショメータで構成した抵抗
器121の両端がそれぞれ接続されている。可動子12
1aは粗調整操作子105の回動に連動して抵抗器12
1上を摺動しながら移動するもので、同移動により可動
子121aを介して抵抗器121の両端間の任意の電圧
が取り出されるようになっている。可動子121aは抵
抗器122を介して可動子123aを有するポテンショ
メータで構成した抵抗器123の一端に接続されてお
り、同抵抗器123の他端は第2接続端子103に接続
されている。可動子123aは微調整操作子106の回
動に連動して抵抗器123上を摺動しながら移動するも
ので、同移動により可動子123aを介して抵抗器12
3の両端間の任意の電圧が取り出されるようになってい
る。この場合、抵抗器121〜123からなる抵抗回路
の抵抗値としては、上記第1及び第2絶縁抵抗測定方法
と同様に、10〜1000オームの範囲内の所定値であ
ることが望ましく、200〜800オームの範囲内の所
定値であることがさらに望ましく、本実施形態において
は最大で500オームになるものが採用されている。な
お、第2接続端子103はこの測定装置のアースとして
機能する。
【0049】第2接続端子103と第3接続端子104
との間には、直流電源(電池)124、抵抗器125及
び発光ダイオード126からなる直列回路が接続されて
いる。発光ダイオード126は導通表示器108に内蔵
されているランプとして機能する。
【0050】可動子123a及び第2接続端子103に
は、増幅器131、整流回路132、積分回路133及
び増幅器134からなる直列回路が接続されている。増
幅器131,134は入力信号を増幅して出力するもの
である。整流回路132は、増幅器131を介して入力
した交流信号(軌道回路においては列車検出用信号とし
て交流信号が用いられている)を半波又は全波整流する
ことにより、交流信号を直流信号に変換して出力するも
のである。積分回路133は、前記整流信号を平滑化し
て出力するものである。増幅器134の出力はメータ駆
動回路135に接続されている。メータ駆動回路135
は、表示メータ107の針107aを駆動するもので、
可動子123aの出力電圧が「0」であるとき針107
aを左端位置させ、同出力電圧が高くなるに従って針1
07aを右方向に同電圧に比例した角度だけ回転させ
る。
【0051】表示メータ107の下欄には、10,1
5,20ボルトなどと電圧値が印刷されており、最も右
端は軌道回路にて得られる最大電圧値E0に対応してい
る。なお、この最大電圧値E0は、上述した第2の絶縁
抵抗測定方法で用いた基準電圧E0に相当する。また、
表示メータ107の上欄には、右端(最大電圧値E0に
対応)から左端(電圧値0に対応)に向かって、0,
1,5,1k,2k,∞などと抵抗値が印刷されてい
る。この抵抗値は上記数13にしたがって導出されるも
ので、同数13に従って導出した値を印刷することも可
能であるが、実験により確認した値を印刷することもで
きる。この実験においては、後述するこの絶縁抵抗測定
装置の使用方法で詳しく説明すると同時に上述した第2
の絶縁抵抗測定方法で説明したように、第1ステップに
て可動子121a,123aを移動させることにより針
107aを最大電圧値(基準電圧値)E0位置に設定し
た後に、第2ステップにて予め解っている種々異なる抵
抗値を有する絶縁部材に対して針107aが示す位置に
前記予め解っている抵抗値を印刷するようにしてもよ
い。また、表示メータ107には、抵抗値0〜50オー
ムの位置に対応して赤色の帯107bが印刷され、同抵
抗値50〜200オームの位置に対応して黄色の帯10
7cが印刷され、抵抗値200〜∞オームの位置に対応
して緑色の帯107dが印刷されている。この赤色の帯
107bは絶縁部材の劣化が大きく同部材を取り替える
べきであることを示し、黄色の帯107cは絶縁部材の
劣化がある程度進んでいて同部材を取り替えること望ま
しいことを示し、緑色の帯107dは絶縁部材の機能が
充分に満たされていて同部材を取り替える必要のないこ
とを示している。
【0052】次に、この絶縁抵抗測定装置の動作を、締
結装置22aの絶縁部材(介装部材25及び接着剤層2
7)の抵抗値Rを測定することを例にして説明する。ま
ず、測定者は、電源スイッチ101を操作してこの測定
装置を作動させる。次に、第1〜第3接続線111〜1
13の接続ピン111a〜113aを第1〜第3接続端
子102〜104にそれぞれ挿入して同接続端子102
〜104に固定する。次に、固定具111bをレール1
2bに固定するとともに、接触子112b,113bを
レール12aに接触させる。この接触が的確に行われて
いれば、第2及び第3接続端子103,104間は接続
線112,113を介して導通するので、発光ダイオー
ド126は導通により発光するので、導通表示器108
が点灯する。これにより、接触子112b,113bの
レール12aに対する接触を確認できる。
【0053】この状態では、軌道回路の送信器31によ
り出力された交流信号が第1及び第2接続端子102,
103間に現れ、表示メータ107の針107aが左端
から右方向に触れて、可動子123aの出力電圧に対応
した位置で静止する。なお、この操作は、上述した第2
の絶縁抵抗測定方法における第1ステップの操作に対応
し、前記針107aにより指示された電圧は上記測定電
圧V1に相当する。この状態で、測定者は粗調整操作子
105を回動操作することにより可動子121aを移動
させて、針107aが表示メータ107の最大電圧E0
をほぼ指示している状態にする。次に、微調整操作子1
06を回動操作することにより可動子123aを移動さ
せて、針107aが表示メータ107の最大電圧E0を
正確に指示している状態にする。この操作は、前記第1
ステップにおける可動子123aの出力電圧V1を基準
電圧値E0に設定することに相当する。
【0054】そして、粗調整操作子105及び微調整操
作子106の前記回動位置を保ったまま、接触子112
b,113bを締結装置22aの締結金具(継目板2
6、ボルト28又はナット29)に接触させる。この場
合も、前記と同様に第2及び第3接続端子103,10
4の導通により通電表示器108が点灯する。一方、可
動子123aの出力電圧は前記接触子112b,113
bをレール12aに接触させた場合に比べて低いので、
表示メータ107の針107aは右端よりも少なくとも
左側位置を指示する。この可動子123aの出力電圧の
測定は、上述した第2の絶縁抵抗測定方法における第2
ステップに対応し、前記針107aにより指示された電
圧は上記測定電圧V2に相当する。
【0055】この場合、前述のように、表示メータ10
7の上欄の抵抗値は上記数13に従って目盛られたもの
であるか、実験によるもので、針107aによって示さ
れた抵抗値は、締結装置22aの絶縁部材(介装部材2
5及び接着剤層27)の抵抗値を示している。従って、
この絶縁抵抗測定装置によれば、軌道回路により出力さ
れる電圧の大きさとは無関係に、前記絶縁部材の抵抗値
を針107aにより指示された値により直接読み取るこ
とができる。また、表示メータ107には、前記絶縁部
材の劣化を示す赤色、黄色及び緑色の各帯107b〜1
07dが印刷されているので、同絶縁物の劣化状態を直
視できる。
【0056】さらに、前記絶縁部材が高い絶縁状態に保
たれている場合には、同絶縁部材の抵抗値はほぼ∞オー
ムであって針107aは∞オームを指示する。一方、接
触子112b,113bが締結装置22aの締結金具に
接触していない場合も、針107aは∞オームを指示す
ることになる。しかしながら、接触子112b,113
bの締結装置22aの締結金具に対する接触は、導通表
示ランプ108の点灯により確認できるので、接触子1
12b,113bの締結金具に対する非接触状態にて前
記絶縁部材の抵抗値は大きいと誤った判定がなされるこ
とはない。
【0057】また、この絶縁抵抗測定装置を用いて、図
2(B)に示すような測定方法により、レール12a,
13a間の電圧測定の後に、レール12a及び締結装置
22aの締結金具(継目板26、ボルト28又はナット
29)の間の電圧を測定することにより、絶縁抵抗の抵
抗値(介装部材25及び接着剤装置27)を測定するこ
ともできる。この場合には、固定具111bをレール1
2aに固定するとともに、接触子112b,113bを
レール13aに接触した後に、締結装置22aの締結金
具に接触されるようにすればよい。他の操作方法につい
ては、この第1絶縁抵抗測定装置を用いた前記操作方法
と同じである。したがって、このような測定によって
も、前記場合と同様に、絶縁抵抗の抵抗値R(介装部材
25及び接着剤装置27)を測定することもできる。
【0058】e.第2の絶縁抵抗測定装置 次に、上記第1及び第2の絶縁抵抗測定方法に利用する
のに適した第2の絶縁抵抗測定装置について説明する。
図7は同測定装置の外観を示しており、図8は同測定装
置に内蔵の電気回路図を示している。
【0059】この絶縁抵抗測定装置も、上記第1の絶縁
抵抗測定装置と同様な電源スイッチ101、第1〜第3
接続端子102〜104及び粗調整操作子105を備え
ている。ただし、この第2の絶縁抵抗測定装置において
は、微調整操作子106及び導通表示器108は設けら
れておらず、表示メータ107に代えて絶縁状態表示器
151,152が設けられている。また、調整完了表示
器153も設けられている。また、この測定装置におい
ても、上述した第1〜第3接続端子102〜104に接
続される接続線111〜113(図示しない)を備えて
いる。
【0060】この絶縁抵抗測定装置に内蔵の電気回路に
おいても、上記第1の絶縁抵抗測定装置と同様な抵抗器
121〜123、増幅器131,134、整流回路13
2及び積分回路133を備えている。ただし、この場合
には、抵抗器121の可動子121aは粗調整操作子1
05により移動可能であるが、微調整操作子106は設
けられていないので、抵抗器123の可動子123aは
固定されている。
【0061】第3接続端子104と正電圧源+Vの間に
は、抵抗器161、ダイオード162、フォトカプラ1
63の一部を構成する発光ダイオード163a及び抵抗
器164が接続されている。フォトカプラ163の他の
一部を構成するフォトトランジスタ163bのエミッタ
は負電圧源−Vに接続され、同トランジスタ163bの
コレクタは抵抗器165を介して正電圧源+Vに接続さ
れている。また、フォトトランジスタ163bのコレク
タはインバータ回路166を介してナンド回路167の
一方の入力に接続されている。ナンド回路167の出力
は発光ダイオード168及び抵抗器169を介して正電
圧源+Vに接続されている。なお、インバータ回路16
6、ナンド回路167、後述するナンド回路178,1
83の論理値は、正電圧を”1”とし、負電圧を”0”
としている。
【0062】増幅器134の出力は、比較器171の正
側入力、比較器172の負側入力及び比較器173の正
側入力にそれぞれ接続されている。比較器171の負側
入力、比較器172の正側入力及び比較器173の負側
入力は、ポテンショメータ174〜176にそれぞれ接
続されている。比較器171〜173は、正側入力電圧
が負側入力電圧よりも大きいとき正電圧(論理値”
1”)を出力し、正側入力電圧が負側入力電圧よりも小
さいとき負電圧(論理値”0”)を出力するものであ
る。ポテンショメータ174〜176は、その一端にて
抵抗器177を介して正電圧源+Vに接続されるとと
も、他端にて負電圧源−Vに接続されている。ポテンシ
ョメータ174は、締結装置21a,21b,22a,
22bの絶縁部材の抵抗値の良否を判定するしきい値電
圧Erefを出力するものである。このしきい値電圧Eref
は、上記第1の絶縁抵抗測定装置において検出した絶縁
部材の抵抗値が50オーム程度に相当する電圧値に設定
されている。ポテンショメータ175は、上述した最大
電圧値(基準電圧値)E0よりも微小電圧ΔEだけ大き
な電圧値E0+ΔEを出力し、ポテンショメータ176
は、同最大電圧値(基準電圧値)E0よりも微小電圧Δ
Eだけ小さな電圧値E0−ΔEを出力する。
【0063】比較器171の出力はナンド回路178の
一方の入力に接続されており、同ナンド回路178の他
方の入力にはインバータ回路166の出力が接続されて
いる。
【0064】ナンド回路178の出力は、ナンド回路1
67の他方の入力に接続されているとともに、発光ダイ
オード181及び抵抗器182を介して正電圧源+Vに
接続されている。発光ダイオード168,181は導通
によりそれぞれ緑色光及び赤色光を発光するもので、絶
縁状態表示器151,152内にそれぞれ内蔵されてい
る。比較器172,173の各出力はナンド回路184
の各入力にそれぞれ接続されており、同ナンド回路18
4の出力は発光ダイオード184及び抵抗器185を介
して正電圧源+Vに接続されている。
【0065】次に、この絶縁抵抗測定装置の動作を、締
結装置22aの絶縁部材(介装部材25及び接着剤層2
7)の抵抗値を測定することを例にして説明する。この
場合も、上記第1の絶縁抵抗測定装置の場合と同様に、
電源スイッチ101を操作してこの測定装置を作動さ
せ、第1接続端子102とレール12bとを第1接続線
111を介して電気的に接続するとともに、第2接続端
子103,104とレール12aと接続線112,11
3を介して電気的に接続する。
【0066】この場合、第2接続端子102と第3接続
端子103とが接続線112,113及びレール12a
を介して導通すれば、正電圧源+Vからアースに電流が
流れ、発光ダイオード163aが発光する。これによ
り、フォトトランジスタ163bが導通するので、イン
バータ回路166の入力側は負電圧(論理値”0”)に
なり、同インバータ回路166の出力は正電圧(論理
値”1”)になる。これにより、比較器171の出力が
正電圧(論理値”1”)であればナンド回路178の出
力は負電圧になり発光ダイオード181が導通して発光
し、比較器171の出力が負電圧(論理値”0”)であ
ればナンド回路178の出力は正電圧(論理値”1”)
になり、ナンド回路167の出力は負電圧になるので発
光ダイオード168が導通して発光する。すなわち、接
触子112b,113bがレール12aに的確に接触し
ていれば、絶縁状態表示器151,152のいずれかが
点灯する。一方、発光ダイオード163aが導通しない
ために発光せず、フォトトランジスタ163bが非導通
状態に保たれていれば、インバータ回路166の入力側
は正電圧(論理値”1”)になり、同インバータ回路1
66の出力は負電圧(論理値”0”)になる。したがっ
て、両ナンド回路167,178の出力は必ず正電圧に
保たれ、発光ダイオード168,181には通電されな
いので、両絶縁状態表示器151,152は消灯状態に
保たれる。これにより、測定者は、上記第1の絶縁抵抗
測定装置の導通表示器108に代わる絶縁状態表示器1
51,152の機能により、接触子112b,113b
のレール12aに対する接触を確認できる。
【0067】このように接触子112b,113bをレ
ール12aに接触した状態で、測定者は、粗調整操作子
105を回動操作する。これにより、増幅器134から
比較器172,173に出力される電圧が変化し、抵抗
器123から出力される電圧がポテンショメータ17
5,176から供給される両電圧値E0+ΔE,E0−Δ
Eの間に入ると、両比較器172,173の両出力が共
に正電圧(論理値”1”)になり、ナンド回路183の
出力は負電圧になる。この状態では、発光ダイオード1
84が導通により発光するので、調整完了表示器153
が点灯し、上記第1の絶縁抵抗測定装置と同様に、簡単
に抵抗器123の出力電圧を最大電圧E0にほぼ設定で
きる。なか、この操作が、上記第2の絶縁抵抗測定方法
の第1ステップにおける抵抗器123の出力電圧V1を
基準電圧値E0に設定することに相当する。
【0068】そして、粗調整操作子105の前記回動位
置を保ったまま、接触子112b,113bを締結装置
22aの締結金具(継目板26、ボルト28又はナット
29)に接触させる。この場合も、前記と同様に、接触
子112b,113bが締結装置22aの締結金具に的
確に接触していれば絶縁状態表示器151,152のい
ずれかが点灯し、また的確に接触していなければ絶縁状
態表示器151,152のいずれも点灯しないので、接
触子112b,113bが締結装置22aの締結金具に
接触している否かを測定者は認識できる。
【0069】また、接触子112b,113bを締結装
置22aの締結金具に接触させた状態では、増幅器13
4の出力が比較器171の正側入力に供給されており、
抵抗器123の出力電圧がしきい値電圧Eref(絶縁部
材の抵抗値が50オーム程度に相当)よりも小さけれ
ば、比較器171は負電圧(論理値”0”)をナンド回
路178に出力するので、同ナンド回路178の出力は
正電圧になり、発光ダイオード181は非導通状態に保
たれて発光しない。このとき、ナンド回路167の両入
力は正電圧(論理値”1”)になるので、同ナンド回路
167の出力は負電圧になり、発光ダイオード168は
導通により緑色光を発光する。なお、抵抗器123の出
力電圧が小さいことは、上記第1の絶縁抵抗測定装置の
場合と同様に、締結装置22aの絶縁部材の抵抗値が大
きいことを意味する。これにより、絶縁状態表示器15
1が緑色に点灯するので、測定者は締結装置22aの絶
縁部材(介装部材25及び接着剤層27)の抵抗が充分
に大きいことを視覚的に確認できる。
【0070】一方、抵抗器123の出力電圧がしきい値
電圧Erefよりも大きければ、比較器171は正電圧
(論理値”1”)をナンド回路178に出力するので、
同ナンド回路178の出力は負電圧になり、発光ダイオ
ード181は導通により赤色光を発光する。また、前記
ナンド回路178の出力が負電圧(論理値”0”)であ
ることにより、ナンド回路167の出力は正電圧にな
り、発光ダイオード168は非導通状態に保たれて発光
しない。なお、抵抗器123の出力電圧が大きいこと
は、上記第1の絶縁抵抗測定装置の場合と同様に、締結
装置22aの絶縁部材の抵抗値が小さいことを意味す
る。これにより、絶縁状態表示器152が赤色に点灯す
るので、測定者は、締結装置22aの絶縁部材(介装部
材25及び接着剤層27)が劣化してその抵抗値が小さ
くなり、同絶縁部材を交換すべきであることを視覚的に
確認できる。
【0071】上記のように、この第2の絶縁抵抗測定装
置によれば、軌道回路により出力される電圧の大きさと
は無関係に、絶縁状態表示器151,152の点灯及び
消灯により、前記絶縁部材の劣化の有無を視覚的に簡単
に確認できると同時に、接触子112b,113bの締
結金具に対する非接触状態も確認でき、同非接触状態に
て前記絶縁部材の抵抗値が大きいと誤った判定がなされ
ることもない。
【0072】また、この第2の絶縁抵抗測定装置を用い
ても、前記第1の絶縁抵抗測定装置の場合に説明した図
2(B)に示すような測定方法により、レール12a,
13a間の電圧測定の後に、レール12a及び締結装置
22aの締結金具(継目板26、ボルト28又はナット
29)の間の電圧を測定することにより、絶縁部材(介
装部材25及び接着剤層27)の抵抗値Rを測定するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)(B)は、鉄道用軌道の概略図であ
る。
【図2】 (A)(B)は、本発明に係る絶縁抵抗測定
方法を説明するためのレール締結部の概略斜視図であ
る。
【図3】 (A)〜(D)は、同締結部をレールと直角
方向に切断した断面図である。
【図4】 (A)(B)は、前記絶縁抵抗測定方法によ
る測定時における等価電気回路図である。
【図5】 前記絶縁抵抗測定方法に利用するのに適した
1絶縁抵抗測定装置の外観図である。
【図6】 同第1絶縁抵抗測定装置の電気回路図であ
る。
【図7】 前記絶縁抵抗測定方法に利用するのに適した
2絶縁抵抗測定装置の外観図である。
【図8】 同第2絶縁抵抗測定装置の電気回路図であ
る。
【符号の説明】
10…列車、11a〜13a,11b〜13b…レー
ル、14a,14b,15a,15b…送信端子、16
a,16b,17a,17b…受信端子、21a,22
a,21b〜24b…締結装置、25…介装部材(絶縁
部材)、26…継目板(締結金具)、27…接着剤層
(絶縁部材)、28…ボルト(締結金具)、29…ナッ
ト(締結金具)、31,32…送信機、33,34…受
信機、40…抵抗器、41…可動子、102〜104…
第1〜第3接続端子、105…粗調整操作子、106…
微調整操作子、107…表示メータ、108…導通表示
器、111〜113…接続線、112b,113b…接
触子、121,123…抵抗器、121a,123a…
可動子、126…発光ダイオード、135…メータ表示
回路、151,152…絶縁状態表示器、153…調整
完了表示器、163…フォトカプラ、166…インバー
タ回路、167,178,183…ナンド回路、16
8,181,184…発光ダイオード、171〜173
…比較器、174〜176…ポテンショメータ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−91573(JP,A) 特開 平4−359163(JP,A) 実開 昭63−71005(JP,U) 実開 昭53−118577(JP,U) 実開 平1−180673(JP,U) 特公 昭26−3244(JP,B1) 特公 昭29−4237(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61K 9/08 G01R 27/02 G01R 27/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道用の第1レールと第2レールを締結
    金具により絶縁部材を介して直列に締結したレール締結
    部における前記絶縁部材の抵抗値を測定する鉄道用レー
    ル締結部の絶縁抵抗測定方法において、 抵抗器の両端を前記第1及び第2のレールに平行に配置
    された第3レールと前記第1レールとにそれぞれ接続し
    て同抵抗器の両端の電圧値を測定する第1ステップと、 前記抵抗器の両端を前記第3レールと前記締結金具とに
    それぞれ接続して同抵抗器の両端の電圧値を測定する第
    2ステップとからなり、 前記第1及び第2のステップにて測定した両電圧値に基
    づいて前記絶縁部材の抵抗値を測定するようにしたこと
    を特徴とする鉄道用レール締結部の絶縁抵抗測定方法。
  2. 【請求項2】 鉄道用の第1レールと第2レールを締結
    金具により絶縁部材を介して直列に締結したレール締結
    部における前記絶縁部材の抵抗値を測定する鉄道用レー
    ル締結部の絶縁抵抗測定方法において、 抵抗器の両端を前記第1レールと前記第2レールとにそ
    れぞれ接続して同抵抗器の両端の電圧値を測定する第1
    ステップと、 前記抵抗器の両端を前記第1レールと前記締結金具とに
    それぞれ接続して同抵抗器の両端の電圧値を測定する第
    2ステップとからなり、 前記第1及び第2のステップにて測定した両電圧値に基
    づいて前記絶縁部材の抵抗値を測定するようにしたこと
    を特徴とする鉄道用レール締結部の絶縁抵抗測定方法。
  3. 【請求項3】 鉄道用の第1レールと第2レールを締結
    金具により絶縁部材を介して直列に締結したレール締結
    部における前記絶縁部材の抵抗値を測定する鉄道用レー
    ル締結部の絶縁抵抗測定方法において、 両端間の電圧を任意に分圧した分圧値を取り出し可能な
    可動子を有する抵抗器の両端を前記第1及び第2のレ
    ルに平行に配置された第3レールと前記第1レールとに
    それぞれ接続し、同抵抗器の可動子を介して取り出され
    る分圧電圧値を測定しながら、同測定された分圧電圧値
    が予め定めた基準電圧値と等しくなる位置まで前記可動
    子を移動して同可動子の位置を決定する第1ステップ
    と、 前記第1ステップにて決定した位置に前記可動子を保っ
    たまま前記抵抗器の両端を前記第3レールと前記締結金
    具とにそれぞれ接続して同抵抗器の可動子を介して取り
    出される分圧電圧値を測定する第2ステップとからな
    り、 前記第2ステップにて測定した分圧電圧値に基づいて前
    記絶縁部材の抵抗値を測定するようにしたことを特徴と
    する鉄道用レール締結部の絶縁抵抗測定方法。
  4. 【請求項4】 鉄道用の第1レールと第2レールを締結
    金具により絶縁部材を介して直列に締結したレール締結
    部における前記絶縁部材の抵抗値を測定する鉄道用レー
    ル締結部の絶縁抵抗測定方法において、 両端間の電圧を任意に分圧した分圧値を取り出し可能な
    可動子を有する抵抗器の両端を前記第1レールと前記第
    2レールとにそれぞれ接続し、同抵抗器の可動子を介し
    て取り出される分圧電圧値を測定しながら、同測定され
    た分圧電圧値が予め定めた基準電圧値と等しくなる位置
    まで前記可動子を移動して同可動子の位置を決定する第
    1ステップと、 前記第1ステップにて決定した位置に前記可動子を保っ
    たまま前記抵抗器の両端を前記第1レールと前記締結金
    具とにそれぞれ接続して同抵抗器の可動子を介して取り
    出される分圧電圧値を測定する第2ステップとからな
    り、 前記第2ステップにて測定した分圧電圧値に基づいて前
    記絶縁部材の抵抗値を導出するようにしたことを特徴と
    する鉄道用レール締結部の絶縁抵抗測定方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至4のいずれか一つに記
    載の前記抵抗器として、両端間の抵抗値が10乃至10
    00オームの範囲内にある抵抗器を用いた鉄道用レール
    締結部の絶縁抵抗測定方法。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至4のいずれか一つに記
    載の前記抵抗器として、両端間の抵抗値が200乃至8
    00オームの範囲内にある抵抗器を用いた鉄道用レール
    締結部の絶縁抵抗測定方法。
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