JP5069085B2 - 絶縁状態判定方法及び絶縁状態判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両を検知するための軌道回路を構成する電気絶縁体の劣化の進行状態を検出するためのものである。
鉄道においては、レール(線路)に電気絶縁体を配設して路線を電気的に一定区間(閉塞区間)に区切って軌道回路を構成するとともに、レールに電流を流して電気絶縁体にて区切られた閉塞区間内に車両が存在するか否かを検出している。
つまり、閉塞区間内に車両が存在しない場合には、電気絶縁体で電気的に区切られたレールの一端側(始端側)から他端側(終端側)に通電(送信)された電気信号を、他端側にて受信することができるが、閉塞区間内に車両が存在する場合には、車両を介して電気信号が短絡されるので、他端側にて電気信号を受信することができない。
しかし、電気絶縁体が絶縁破壊すると、他の軌道回路から送信された電気信号を受信してしまうので、閉塞区間内に車両が存在している場合であっても、閉塞区間内に車両が存在しないものと誤判定してしまうおそれがある。
そこで、特許文献1に記載の発明では、車両の有無を検知するための電気信号に軌道回路を特定するためのデータ(識別信号)を混入させ、一の軌道回路にて他の軌道回路を示す識別信号を受信した場合に、その一の軌道回路を構成するレール端に配設された電気絶縁体で絶縁破壊が発生したものと判定している。
特開2001−213314号公報
しかし、特許文献1に記載の発明では、車両の有無を検知するための電気信号(以下、車両検知信号という。)に軌道回路を特定するための識別信号を混入させているので、車両検知信号の中から識別信号を検出する必要があり、他の軌道回路から漏れ出た微弱な識別信号を検出することが難しい。
このため、識別信号を検出したときには、既に電気絶縁体が完全に絶縁破壊しており、電気絶縁体が完全に絶縁破壊する前に電気絶縁体の絶縁状態を検出することが困難であった。
本発明は、上記点に鑑み、軌道回路を構成する電気絶縁体の劣化の進行状態を検出することにより、電気絶縁体の劣化を早期に検出可能とすることを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、鉄道車両が走行するレール及び電気絶縁体にて構成された車両検知用軌道回路の点検に用いられ、電気絶縁体の劣化の進行状態を検出するための絶縁状態判定方法であって、鉄道車両の進行方向に沿って構成された複数の軌道回路のうち、隣り合う2つの軌道回路のいずれか一方の軌道回路に電気信号を通電し、かつ、他方の軌道回路への通電を遮断した状態で、その通電が遮断された軌道回路に発生する電気量を測定する測定工程を有することを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明では、一方の軌道回路と他方の軌道回路との間に配設された電気絶縁体に劣化が生じると、電気絶縁体から漏れ出た電気信号により他方の軌道回路に電気量が発生するので、これを検出すれば、電気絶縁体の絶縁状態を検出することができる。
ここで、「電気量」とは、軌道回路に発生する電圧や電流(電荷も含む。)及びこれらの変化等の電気の現象を示す物理学的な量を意味する。
このとき、他方の軌道回路に発生した電気量の大きさは、電気絶縁体から漏れ出た電気信号の大きさ、つまり、電気絶縁体の劣化の進行状態に応じて変化するので、他方の軌道回路に発生した電気量の大きさに基づいて、電気絶縁体の劣化の進行状態を検出できる。
そして、他方の軌道回路に発生した電気量を測定する際には、その他方の軌道回路は、通電が遮断されて他の電気信号が無い状態であるので、電気絶縁体から漏れ出た電気信号により他方の軌道回路に発生した電気量が微弱であっても、確実に測定することができる。したがって、電気絶縁体の劣化を早期に検出することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、測定工程において、電気絶縁体にて電気的に区分けされたレールの一端側から電気信号を軌道回路に通電するとともに、レールの一端側に隣接する軌道回路への通電を遮断した状態で、その通電が遮断された軌道回路に発生する電気量を測定することを特徴とする。
ところで、仮に、レールの他端側に隣接する軌道回路への通電を遮断した状態で、その通電が遮断された軌道回路に発生する電気量を測定すると、電気絶縁体から漏れ出る電気信号は、レールの一端側から他端側まで到達した後に、劣化した電気絶縁体を介して他方の軌道回路に至る。
このため、レールの他端側に隣接する軌道回路への通電を遮断した状態では、電気信号の送信側から電気絶縁体に至る信号経路長が長くなるので、他方の軌道回路に到達する電気信号は、レールで大きく減衰してしまい、非常に微弱になってしまう。
これに対して、請求項2に記載の発明では、レールの一端側に隣接する軌道回路で電気量を測定するので、電気信号の送信側から電気絶縁体に至る信号経路長が短くなる。したがって、一方の軌道回路から送信された電気信号は、レールで殆ど減衰することなく、他方の軌道回路に到達するので、電気絶縁体の劣化の進行状態をより正確に検出できる。
請求項3に記載の発明では、測定工程において、電気信号が通電される軌道回路(接軌道回路)の両側に隣接する軌道回路(断軌道回路)、接軌道回路を構成するレールと平行なレールを有して構成された軌道回路、及び断軌道回路を構成するレールと平行なレールを有して構成された軌道回路への通電を遮断した状態で、電気量を測定することを特徴とする。
これにより、請求項3に記載の発明では、接軌道回路と断軌道回路との間に配設された電気絶縁体の劣化を検出する際に、接軌道回路及び断軌道回路以外の軌道回路、つまり検出対象となっている電気絶縁体の周囲に存在する軌道回路の影響を小さくできるので、電気絶縁体の劣化の進行状態をより正確に検出できる。
請求項4に記載の発明では、測定工程において通電が遮断される軌道回路(断軌道回路)、及び測定工程において電気信号が通電される軌道回路(接軌道回路)への通電を遮断した状態で、断軌道回路に発生する電気量が略0となるように、断軌道回路及び接軌道回路以外の軌道回路への通電を遮断する測定準備工程を有し、測定準備工程の終了後に、測定工程を実施することを特徴とする。
これにより、請求項4に記載の発明では、接軌道回路と断軌道回路との間に配設された電気絶縁体の劣化を検出する際に、接軌道回路及び断軌道回路以外の軌道回路の影響を受けてしまうことを未然に防止できるので、電気絶縁体の劣化の進行状態をより正確に検出できる。
なお、「断軌道回路に発生する電気量が略0」とは、電気量が完全に0になる場合は勿論、例えば、他の軌道回路のうち、接軌道回路及び断軌道回路に近いものから順次通電を遮断し、断軌道回路に発生する電気量に変化が見られなくなった時点での電気量も含む意味である。
具体的には、電気量が完全に0となった場合、又は接軌道回路及び断軌道回路の一端から5km以内にある全ての軌道回路の通電を遮断したときを、「軌道回路に発生する電気量が略0」としてもよい。
なお、略0にするための作業準備工程の途中の段階で、測定工程を実施することもできる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の絶縁状態判定方法を実施するための絶縁状態判定装置であって、複数の軌道回路それぞれの通電状態を個別に制御可能な通電制御手段と、通電制御手段の作動状態に基づいて、複数の軌道回路それぞれに発生する電気量を個別に測定可能な測定手段とを有することを特徴とする。
これにより、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の絶縁状態判定方法と同様に、電気絶縁体の劣化を早期に検出することが可能となる。
以下に本発明に係る絶縁状態判定方法の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.図面の説明
図1は車両検知用の軌道回路の概略構成を示す概念図であり、図2は本実施形態に係る絶縁状態判定方法の説明図であり、図3は絶縁状態判定方法の工程を示す図である。
2.車両検知用の軌道回路の概略構成(図2参照)
軌道回路は、周知のごとく、鉄道車両(以下、車両と略す。)を検知するための手段であり、具体的には、図1に示すように、レール(線路)1に電気絶縁体3を配設して路線を電気的に一定区間(閉塞区間)に区切ったものである。
インピーダンスボンド5は、車両検知用の電気信号と架線から車両に供給されてレール1に流された電流(以下、電車電流という。)とを分離する分離器であり、このインピーダンスボンド5は、保安器7及び信号ケーブル7Aを介して信号機器室9と電気的に接続されている。
そして、保安器7は、信号ケーブル7Aとインピーダンスボンド5とを接続する接続手段であり、この保安器7は、電気絶縁体3で電気的に区切られたレール1の長手方向両端側に対応するように路線に沿って複数個配設されている。
なお、インピーダンスボンド5も電気絶縁体3で電気的に区切られたレール1の長手方向両端側に対応するように路線に沿って複数個配設されているとともに、電気絶縁体3に対応する箇所を挟んで隣接する2つのインピーダンスボンド5は、電車電流を流すために電気的に接続されている。
また、信号機器室9には、レール1(路線)に沿って配設された保安器7に対応する室内保安器9A及び管理装置9Bが設置されており、この管理装置9Bは、車両検知用の電気信号を送受信し、軌道回路に車両が存在するか否かを判定して、その判定結果を信号機の制御に利用する。
3.電気絶縁体の絶縁状態判定
図3は電気絶縁体3の絶縁状態を判定する際に、保安員が行う作業手順の概略を示した工程表であり、以下、図3に従って本実施形態に係る絶縁状態の判定方法を説明する。
本実施形態に係る絶縁状態の判定方法では、特定の軌道回路のみに電気信号を通電して判定作業を行うので、判定作業中は軌道回路を用いた車両検知を行うことができない。
そこで、判定作業を行うには、先ず、車両の運行を停止させた後(S1)、車両の進行方向に沿って構成された複数の軌道回路のうち、隣り合う2つの軌道回路のいずれか一方の軌道回路に電気信号を通電し、かつ、他方の軌道回路への通電を遮断する(S2)。
次に、その通電が遮断された軌道回路に発生する電気量(本実施形態では、電圧)を軌条電圧電流計又はマルチテスタで測定する(S3)。
すなわち、図2に示すように、判定対象となる電気絶縁体3Aの一方側で隣接する軌道回路ATに電気信号を通電し、他方側で隣接する軌道回路BTへの電気信号の通電を遮断した状態で、保安員が保安器7A又は保安器7Aに対応する室内保安器9Aにて電気信号を検出する。
このとき、軌道回路BTで検出される電気信号は、軌道回路ATから電気絶縁体3Aを経由して軌道回路BTに漏れ出た電気信号であるので、電気絶縁体3Aにおける電気絶縁の劣化状態に応じた電気信号(以下、この電気信号を検出信号という。)が、保安器7又は室内保安器9Aにて検出される。
また、判定用に通電する電気信号は、電気絶縁体3Aにて電気的に区分けされたレール1の一端側(図2の右側)から軌道回路ATに通電されるので、本実施形態では、軌道回路ATを構成するレール1の一端側、つまり判定用電気信号の送信側に隣接する軌道回路BTへの通電を遮断した状態で、軌道回路BTのうち送信側に最も近接した保安器7又はこれに対応する室内保安器9Aにて検出信号を検出する。
4.本実施形態に係る絶縁状態判定方法の特徴
前述したように、一方の軌道回路と他方の軌道回路との間に配設された電気絶縁体3に劣化が生じると、電気絶縁体3から漏れ出た電気信号により他方の軌道回路に電気信号が発生するので、これを検出すれば、電気絶縁体3の絶縁状態を検出することができる。
このとき、他方の軌道回路に発生した電気信号(検出信号)の大きさは、電気絶縁体3から漏れ出た電気信号の大きさ、つまり、電気絶縁体3の劣化の進行状態に応じて変化するので、他方の軌道回路に発生した電気信号の大きさに基づいて、電気絶縁体3の劣化の進行状態を検出できる。
そして、他方の軌道回路に発生した電気信号を測定する際には、その他方の軌道回路は、通電が遮断されて他の電気信号が無い状態であるので、電気絶縁体3から漏れ出た電気信号(検出信号)が微弱であっても、確実に測定することができる。したがって、電気絶縁体3の劣化を早期に検出することが可能となる。
ところで、図2において、電気絶縁体3Aの絶縁状態を判定するにあたり、仮に、軌道回路BTを構成するレール1の右端側から左端側に電気信号を通電し、かつ、軌道回路ATへの電気信号の通電を遮断した状態で、軌道回路ATを構成するレール1の右端側、つまり軌道回路BTに通電された電気信号の受信側で検出信号を測定すると、電気絶縁体3Aから漏れ出る電気信号は、軌道回路BTを構成するレール1の右端側から左端側まで到達した後に、劣化した電気絶縁体3Aを介して他方の軌道回路に至る。
このため、電気信号が通電されるレール1の受信側に隣接する軌道回路への通電を遮断した状態では、電気信号の送信側から電気絶縁体3に至る信号経路長がレール1の長さだけ長くなるので、電気絶縁体3Aを経由して軌道回路ATに到達する電気信号は、レール1で大きく減衰してしまい、非常に微弱になってしまう。
これに対して、本実施形態では、図2に示すように、レール1の一端側、つまり電気信号の送信側に隣接する軌道回路BTで電気信号を測定するので、電気信号の送信側から電気絶縁体3Aに至る信号経路長が短くなる。したがって、隣接する他方の軌道回路BTに到達した電気信号は、レール1で殆ど減衰することなく、他方の軌道回路BTに到達するので、電気絶縁体3Aの劣化の進行状態をより正確に検出できる。
(第2実施形態)
本実施形態は、判定対象となる電気絶縁体3Aの周囲に位置する軌道回路への電気信号の通電を遮断した状態で、電気信号の送信側で隣接する軌道回路で検出信号を測定するものである。
以下、図4を用いて本実施形態の詳細を説明する。なお、図4は上り線及び下り線の軌道回路を示す図であり、図4では保安器7、インピーダンスボンド5、信号ケーブル7A及び信号機器室9等は省略されている。
図4において、判定対象となる電気絶縁体3Aと隣接する軌道回路であって、電気信号が通電される軌道回路AT(以下、この軌道回路を接軌道回路という。)の両側に隣接する軌道回路BT、CT(以下、これら2つの軌道回路を断軌道回路という。)、接軌道回路ATを構成するレール1と平行なレール1を有して構成された軌道回路ET、FT、及び断軌道回路BT、CTを構成するレール1と平行なレール1を有して構成された軌道回路DT、GTへの通電を遮断した状態で、断軌道回路BTにて接軌道回路ATから漏れ出る電気信号(検出信号)を測定するものである。
つまり、接軌道回路AT及び断軌道回路BT、CTを構成するレール1a〜1cが含まれる範囲Wにおいて、レール1a〜1cと平行なレール1d〜1gを含む軌道回路DT〜GTへの通電を遮断した状態で、電気信号の送信側に隣接する軌道回路BTにて接軌道回路ATから漏れ出る電気信号を測定するものである。
これにより、本実施形態では、接軌道回路ATと断軌道回路BTとの間に配設された電気絶縁体3Aの劣化を検出する際に、接軌道回路AT及び断軌道回路BT以外の軌道回路、つまり検出対象となっている電気絶縁体3Aの周囲に存在する軌道回路の影響を小さくできるので、電気絶縁体の劣化の進行状態をより正確に検出できる。
なお、本実施形態は、少なくとも、接軌道回路AT及び断軌道回路BT、CTを構成するレール1a〜1cが含まれる範囲Wにおいてレール1a〜1cと平行なレール1d〜1gを含む軌道回路DT〜GTへの通電を遮断することを特徴としているので、これらの軌道回路以外の軌道回路への通電を遮断してもよいことは当然である。
また、図4では全てのレール1が直状に記載されていたが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、レール1が湾曲している場合にも適用することができる。
(第3実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に行われる測定作業、つまり車両の進行方向に沿って構成された複数の軌道回路のうち、隣り合う2つの軌道回路のいずれか一方の軌道回路に電気信号を通電し、かつ、他方の軌道回路への通電を遮断した状態で、その通電が遮断された軌道回路にて検出信号を測定する工程(以下、測定工程という。)を実施する前に、以下に測定準備工程を実施するものである。なお、測定準備工程における作業も、保安員が行う。
ここで、測定準備工程とは、通電が遮断される軌道回路(断軌道回路)BT、及び測定工程において電気信号が通電される軌道回路(接軌道回路)ATへの通電を遮断した状態で、断軌道回路BTにて検出される検出信号の電気量(本実施形態では、電圧)が略0となるように、断軌道回路BT及び接軌道回路AT以外の軌道回路(例えば、軌道回路CT〜GT等)への通電を遮断するものである。
なお、「断軌道回路に発生する電気量が略0」とは、電気量(電圧)が完全に0になる場合は勿論、例えば、他の軌道回路のうち、接軌道回路及び断軌道回路に近いものから順次通電を遮断し、断軌道回路に発生する電気量に変化が見られなくなった時点での電気量も含む意味である。
そこで、本実施形態では、電気量が完全に0となった場合、又は接軌道回路及び断軌道回路の一端から5km以内にある全ての軌道回路の通電を遮断したときを、「軌道回路に発生する電気量が略0」としている。
具体的には、図5に示すように、断軌道回路BT及び接軌道回路AT以外の軌道回路に車両検知用の電気信号が通電されている状態で、断軌道回路BTにて検出される検出電圧が略0であるか否かを保安員が判定する。
このとき仮に、断軌道回路BTにて検出される検出電圧が略0であると判定されたならば、断軌道回路BTへの通電のみ遮断した状態で接軌道回路ATに電気信号を通電し、断軌道回路BTにて検出信号を測定する。
一方、断軌道回路BTにて検出される検出電圧が略0でないと判定されたならば、例えば断軌道回路BT、及び断軌道回路BTに隣接する軌道回路CTへの通電を遮断した状態で断軌道回路BTにて検出される検出電圧が略0であるか否かを保安員が判定する。
そして仮に、断軌道回路BT及び軌道回路CTへの通電を遮断した状態で断軌道回路BTにて検出される検出電圧が略0であると判定されたならば、断軌道回路BT及び軌道回路CTへの通電を遮断した状態で接軌道回路ATに電気信号を通電し、断軌道回路BTにて検出信号を測定する。
また、断軌道回路BT及び軌道回路CTへの通電を遮断した状態で断軌道回路BTにて検出される検出電圧が略0でないと判定されたならば、例えば断軌道回路BT、断軌道回路CT、及び断軌道回路CTに隣接する軌道回路DTへの通電を遮断した状態で断軌道回路BTにて検出される検出電圧が略0であるか否かを保安員が判定する。
このとき、断軌道回路BT、軌道回路CT及び軌道回路DTへの通電を遮断した状態で断軌道回路BTにて検出される検出電圧が略0であると判定されたならば、断軌道回路BT、軌道回路CT及び軌道回路DTへの通電を遮断した状態で接軌道回路ATに電気信号を通電し、断軌道回路BTにて検出信号を測定する。
このように、本実施形態では、検出信号を測定する軌道回路BTに他の軌道回路から信号が混入しないことを事前に確認した後、実際に測定工程を実施するので、検出対象となっている電気絶縁体3Aの周囲に存在する軌道回路の影響を受けてしまうことを未然に防止でき、電気絶縁体3の劣化の進行状態をより正確に検出できる。
なお、本実施形態では、測定準備工程を実施した結果として、第2実施形態と同様に、軌道回路AT及びこれに隣接する2つの軌道回路を構成するレールと平行なレールを含む軌道回路への通電を遮断した状態で、検出信号の測定が実施される場合もある。
(第4実施形態)
上述の実施形態では、電気絶縁体3の絶縁状態判定は保安員が行ったが、本実施形態は、保安員が行う作業を自動化したものである。
図6は、本実施形態に係る信号機器室9の模式図であり、この信号機器室9には、複数の軌道回路それぞれの通電状態を個別に制御可能な通電制御回路9D、及び通電制御回路9Dの作動状態に基づいて、複数の軌道回路それぞれに発生する検出信号を個別に測定することができる測定回路9Cが設置されている。
これにより、本実施形態では、電気絶縁体3の絶縁状態判定を信号機器室9にて自動的に実施することができる。なお、判定結果は、設備状態を監視する管理室に自動的に送信される。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、新幹線路線を例に本発明を説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、在来線にも適用することができる。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、通電が遮断されている軌道回路であって、電気信号の送信側に隣接する軌道回路にて検出信号を測定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば受信側で検出信号を測定してもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両検知用の軌道回路の概略構成を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係る絶縁状態判定方法の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る絶縁状態判定方法の工程を示す図である。 本発明の第2実施形態における上り線及び下り線の軌道回路を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る車両検知用の軌道回路の概略構成を示す概念図である。 本発明の第4実施形態に係る信号機器室9の模式図である。
符号の説明
1…レール、3…電気絶縁体、5…インピーダンスボンド、7…保安器、
7A…信号ケーブル、9…信号機器室、9A…室内保安器、9B…管理装置、
AT、BT…軌道回路。

Claims (5)

  1. 鉄道車両が走行するレール及び電気絶縁体にて構成された車両検知用軌道回路の点検に用いられ、前記電気絶縁体の絶縁状態を検出するための絶縁状態判定方法であって、
    鉄道車両の進行方向に沿って構成された複数の軌道回路のうち、隣り合う2つの軌道回路のいずれか一方の軌道回路に電気信号を通電し、かつ、他方の軌道回路への通電を遮断した状態で、その通電が遮断された軌道回路に発生する電気量を測定する測定工程を有することを特徴とする絶縁状態判定方法。
  2. 前記測定工程において、
    前記電気絶縁体にて電気的に区分けされた前記レールの一端側から前記電気信号を前記軌道回路に通電するとともに、前記レールの前記一端側に隣接する前記軌道回路への通電を遮断した状態で、その通電が遮断された軌道回路に発生する電気量を測定することを特徴とする請求項1に記載の絶縁状態判定方法。
  3. 前記測定工程において、
    前記電気信号が通電される前記軌道回路(以下、この軌道回路を接軌道回路という。)の両側に隣接する前記軌道回路(以下、この軌道回路を断軌道回路という。)、前記接軌道回路を構成するレールと平行なレールを有して構成された軌道回路、及び前記断軌道回路を構成するレールと平行なレールを有して構成された軌道回路への通電を遮断した状態で、電気量を測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁状態判定方法。
  4. 前記測定工程において通電が遮断される軌道回路(以下、この軌道回路を断軌道回路という。)、及び前記測定工程において前記電気信号が通電される前記軌道回路(以下、この軌道回路を接軌道回路という。)への通電を遮断した状態で、前記断軌道回路に発生する電気量が略0となるように、前記断軌道回路及び前記接軌道回路以外の軌道回路への通電を遮断する測定準備工程を有し、
    前記測定準備工程の終了後に、前記測定工程を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁状態判定方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の絶縁状態判定方法を実施するための絶縁状態判定装置であって、
    複数の前記軌道回路それぞれの通電状態を個別に制御可能な通電制御手段と、
    前記通電制御手段の作動状態に基づいて、複数の前記軌道回路それぞれに発生する電気量を個別に測定可能な測定手段と
    を有することを特徴とする絶縁状態判定装置。
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