JP3387215B2 - 長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体、それから得られる射出成形品及びその製造方法 - Google Patents

長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体、それから得られる射出成形品及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長繊維強化ポリマーアロ
イ樹脂組成物から得られる成形品中における長繊維強化
材の分散が良好で、該長繊維強化材による補強効果、特
に引張強度、Izod衝撃強度、曲げ強度及び繰返し衝撃特
性等の機械的強度及び熱変形温度等の物理的特性に極め
て優れた射出成形品及びそれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】所謂長繊維強化ポリアミド樹脂組成物は
連続した強化用長繊維束に溶融樹脂を含浸するなどの方
法によって得られる。該長繊維強化組成物から得られる
強化成形品は従来の短繊維強化成形品に比して大幅に改
良された耐衝撃性を発揮する。その原因は該長繊維強化
組成物のペレット中にペレット長と実質的に等しい長さ
の強化用繊維を含有することの寄与にあると見られてい
る。上記の所謂長繊維強化ポリアミド樹脂組成物はその
特性を活かして広く普及して来ている。
【0003】しかしながら、ポリアミド樹脂は耐熱性等
に優れる反面で軽量性、吸湿性及びその高価格に起因す
るコストパフォーマンスにおいては更なる改良が望まれ
ている。それに加えて、耐衝撃性においては確かに優れ
るものの、衝撃的な荷重が繰返して加えられる場合には
意外に脆い(繰返し衝撃特性に欠ける)弱点が用途を限
定していた。
【0004】一方、特開昭60−58458号公報に
は、特定変性ポリプロピレン、特定ポリアミドおよび繊
維状強化材からなる組成物が提案されている。この発明
によれば、ポリアミドと同等の耐熱性を有し、しかも軽
量性、コストパフォーマンスに優れた組成物を得ること
ができるとされている。処が、この公開特許公報には、
組成物を作成する手段として樹脂とあらかじめチョップ
されたガラス繊維とを押出し機等によって溶融混練する
方法しか開示されていない。その追試によれば、この組
成物から得られる成形品は繰返し衝撃特性はもとより耐
衝撃性において一層高まる要求には全く不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はポリアミド
樹脂及び不飽和カルボン酸類のグラフトによって改質さ
れた改質結晶性ポリオレフィン樹脂特に、改質結晶性ポ
リプロピレン樹脂から形成される所謂「ポリマーアロ
イ」を樹脂マトリックスとして、それに長繊維強化材を
均一な分散状態で添加した新規な長繊維強化樹脂組成物
を既に発明した。この発明によれば、軽量性及びコスト
パフォーマンスに優れ、しかも通常の耐衝撃性に優れる
ばかりか、繰返し衝撃特性においても格段に改良された
長繊維強化樹脂組成物を得ることができる。
【0006】処が、この長繊維強化組成物を用いて得ら
れる成形品に高性能が要求される分野では、成形品中に
おける長繊維の分散性に一層の改善例えば、引張強度な
どの機械的強度に向上の余地が残されていた。それに加
えて、開繊不足で小繊維束段階のガラス繊維強化材が成
形品中に時として残存することに起因して、成形品の中
には外観不足のものが生ずるという問題も見られた。更
に、成形品の繰返し衝撃特性にも一層の改善の余地が残
されていた。
【0007】上述の説明から明かな様に、成形品中の繊
維の分散性向上に加えて、成形品の軽量性、コストパフ
ォーマンス、機械的強度及び繰返し衝撃特性の何れにお
いても優れた繊維強化樹脂組成物が強く望まれていなが
らも、今以て充分に満足なものが得られていなかった。
即ち、本発明の課題は繊維強化ポリマーアロイ化組成物
からこれらの諸点において優れた特性を発揮する成形品
を射出成形法によって製造する方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の事情を
念頭に置いて鋭意検討の結果、ポリアミド樹脂(a1)及び
改質結晶性ポリオレフィン樹脂特に、改質結晶性ポリプ
ロピレン樹脂(a3)からなるポリマーアロイ樹脂マトリッ
クス(A)中に長繊維強化材(B)が均一に分散状態で含有さ
れた柱状体(ペレット)であって、しかも配合された長繊
維強化材(B)が柱状体の長軸と略平行に整列状態で含有
された柱状体を射出成形すると、得られる成形品が優れ
た引張強度等の機械的強度を発揮することに加えて、意
外にも繰返し衝撃特性にも飛躍的に優れた効果を発揮し
得ることを見出し、更に検討を重ねた結果、本発明に到
達した。本発明は下記の「柱状体の基本的構成」及び「柱
状体の改良構成1」〜「柱状体の改良構成4」、「製品の基
本的構成」及び「製品の改良構成1」〜「製品の改良構成」
並びに「製法の基本的構成」に規定された構成のものであ
る:1) ポリアミド樹脂(a1)55〜80重量%と改質剤であ
る不飽和カルボン酸類(a2)で改質された改質結晶性ポリ
オレフィン樹脂(a3)45〜20重量%[(a1)+(a3)=100
重量%]とから形成されたポリマーアロイ樹脂成分(A)4
0〜90重量%からなる柱状体の樹脂相中にその長軸と
略平行に整列された長繊維強化材(B)60〜10重量%
[(A)+(B)=100重量%]が開繊状態で含有された混合系
を長さ3〜30mmに切断したポリアミド樹脂(a1)と改質
結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)との間に化学結合が存在
する長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体(C)。
【0009】2)長繊維強化ポリマーアロイ樹脂組成物
(C)がポリアミド樹脂(a1)60〜75重量%と改質結晶
性ポリオレフィン樹脂(a3)40〜25重量%とから構成
[(a1)+(a3)=100重量%]された前記項1に記載の柱状
体。
【0010】3)ポリマーアロイ樹脂成分(A)の構成成分
である改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)がプロピレン
結晶性重合体(a4)にグラフトされた不飽和カルボン酸類
(a2)0.01〜1重量%を含有する改質プロピレン結晶
性重合体(a31)0.5〜30重量%と非改質結晶性ポリプ
ロピレン樹脂(a32)99.5〜70重%と[(a1)+(a3)=1
00重量%]から構成された長繊維強化ポリマーアロイ樹
脂組成物から得られる前記項1又は2に記載の柱状体。
【0011】4)長繊維強化材(B)が無機繊維及び有機繊
維から選ばれるものであって、無機繊維はガラス繊維、
ロックウール(岩綿)、金属繊維及び炭素繊維から選ばれ
る1種以上であり、有機繊維は全芳香族ポリアミド繊維
及び全芳香族ポリエステル繊維から選ばれる1種以上で
ある前記項1〜3の何れかに記載の柱状体。
【0012】5)長繊維強化材(B)がガラス繊維である
記項1〜4の何れかに記載の柱状体。
【0013】6)ポリアミド樹脂(a1)55〜80重量%
と改質剤である不飽和カルボン酸類(a2)で改質された改
質結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)45〜20重量%[(a
1)+(a3)=100重量%]とから形成されたポリマーアロイ
樹脂成分(A)40〜90重量%からなる柱状体の樹脂相
中にその長軸と略平行に整列された長繊維強化材(B)6
0〜10重量%[(A)+(B)=100重量%]が開繊状態で含
有された混合系を長さ3〜30mmに切断したポリアミド
樹脂(a1)と改質結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)との間に
化学結合が存在する長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状
体(C)を射出成形して得られる繰返し衝撃特性に優れた
射出成形品。
【0014】7)長繊維強化ポリマーアロイ樹脂組成物
(C)がポリアミド樹脂(a1)60〜75重量%と改質結晶
性ポリオレフィン樹脂(a3)40〜25重量%とから構成
[(a1)+(a3)=100重量%]された前記項6に記載の射出
成形品。
【0015】8)ポリマーアロイ樹脂成分(A)の構成成分
である改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)がプロピレン
結晶性重合体(a4)にグラフトされた不飽和カルボン酸類
(a2)0.01〜1重量%を含有する改質プロピレン結晶
性重合体(a31)0.5〜30重量%と非改質結晶性ポリプ
ロピレン樹脂(a32)99.5〜70重量%と[(a31)+(a3
2)=100重量%]から構成された長繊維強化ポリマーアロ
イ樹脂組成物から得られる前記項6又は7に記載の射出
成形品。
【0016】9)長繊維強化材(B)が無機繊維及び有機繊
維から選ばれるものであって、無機繊維はガラス繊維、
ロックウール(岩綿)、金属繊維及び炭素繊維から選ばれ
る1種以上であり、有機繊維は全芳香族ポリアミド繊維
及び全芳香族ポリエステル繊維から選ばれる1種以上で
ある前記項6〜8の何れかに記載の射出成形品。
【0017】10)長繊維強化材(B)がガラス繊維である
前記項6〜9の何れかに記載の射出成形体。
【0018】11)ポリアミド樹脂(a1)55〜80重量
%と改質剤である不飽和カルボン酸類(a2)で改質された
改質結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)45〜20重量%
[(a1)+(a3)=100重量%]とから形成されたポリマーア
ロイ樹脂成分(A)40〜90重量%に対して長さ3〜3
0mmの長繊維強化材(B)60〜10重量%[(A)+(B)=10
0重量%]が添加された混合系から得られた長繊維強化ポ
リマーアロイ樹脂組成物(C)をスクリュー長(L)/スクリ
ュー直径(D)=8〜25、圧縮比1.5〜2.5のスクリ
ューを装備した射出成形機で成形する繰返し衝撃特性に
優れた射出成形品の製造方法。
【0019】<発明の好適態様>本発明の長繊維強化樹
脂柱状体(C)を作成するには、一般には下記の連続開繊
含浸装置(以下、「引抜き成形装置」と称することがあ
る)及び引抜き成形方法を用いることができる:引抜き
成形装置とは、例えば溶融樹脂及び実質的に無端の長繊
維束の流れ方向に対して略垂直にしかも複数個の障壁又
は複数本の棒状の開繊ピンを備え、該障壁又は開繊ピン
が相互に略同一の水平面内に又は交互に高低差を備えな
がら、相互に略平行に配置された細長い槽型の装置であ
る。
【0020】開繊されるべき長繊維束がこれらの障壁又
は開繊ピンの周面に沿って上下する千鳥型経路を通過し
ながら開繊と共に各繊維間に樹脂が含浸されることにな
る。この装置によって得られた強化ストランドを所定の
長さに切断すれば、ポリマーアロイ樹脂マトリックス
(A)中に長繊維強化材(B)が均一に分散状態で含有された
柱状体であって、しかも配合された長繊維強化材(B)が
柱状体の長軸と略平行に整列状態で含有された柱状体を
得ることができる。
【0021】<<長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体
(C)の長さ>>長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体
(略称「強化ペレット」)中の繊維強化材(B)の平均長
(即ち、強化ペレットの平均長)3mm未満の極短柱状体
を用いることは避けることが好ましい。その理由は長さ
2mm以下の柱状体から得られる成形品が機械的強度、耐
衝撃性及び繰返し衝撃特性等の何れにおいても小幅な改
良効果を発現するに留まることにある。逆に長さ30mm
を超える極長柱状体を用いることも避けることが好まし
い。その理由は極長柱状体を用いる場合には、通常の射
出成形機におけるホッパーからスクリューへの食い込み
低下が生じ易いことにある。
【0022】<<ポリマーアロイ樹脂成分(A)>>ポリ
マーアロイ樹脂成分(A)を形成する一方の樹脂であるポ
リアミド樹脂(a1)としては、下記のものを例示できる。
勿論、これに限定されるものではない: ◆開環付加重合系:ポリアミド-6(PA6)、ポリアミ
ド-11(PA11)、ポリアミド-12(PA12); ◆共縮合重合系:ポリアミド-6,6(PA66)、ポリアミ
−ド-6,10(PA610)、ポリアミド-6,12(PA612)、
MXD6(m-キシリレンジアミンとアジピン酸とから形
成)等; ◆上記の混成体:ポリアミド-6/ポリアミド-66共縮合
体等; ◆上記の2種以上の組成物(混合物) 上記の中でも好ましいポリアミド樹脂(別名「ナイロ
ン」)としては、耐熱性と機械的強度とのバランス等の
点からポリアミド-6及びポリアミド-66が好ましい。ま
た、ポリマーアロイ(A)が低い吸水性(耐水性)を重視
する用途向けには、ポリアミド-11及びポリアミド-12並
びにポリアミド-6,10、ポリアミド-6,12及びMXD6が
好ましい。耐熱性(高熱変形温度)を重視する用途向け
にはMXD6が最適である。
【0023】樹脂成分(A)を形成する他方の樹脂である
「改質結晶性ポリオレフィン樹脂特に、改質結晶性ポリ
プロピレン(a3)即ち、改質剤として不飽和カルボン酸、
その酸無水物又はその誘導体の1種以上(「不飽和カル
ボン酸類」と総称することがある)(a2)で改質された」
とは例えば、非改質結晶性ポリオレフィン樹脂特に、非
改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a32)(「PP」と略称
することがある)と改質プロピレン結晶性重合体(a31)
(「MPP」と略称することがある)との組成物であっ
ても勿論差支え無い。
【0024】本発明における改質プロピレン結晶性重合
体(a31)はその基材であるオレフィン結晶性重合体特
に、プロピレン結晶性重合体(a4)にグラフトされた改質
剤である不飽和カルボン酸類(a2)の単位を通常0.01
〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%含有する
オレフィン結晶性重合体特に、プロピレン結晶性重合体
である。本発明においては特に区別して述べない限り、
説明の便宜上、オレフィン結晶性重合体又は結晶性ポリ
オレフィン樹脂をそれぞれプロピレン結晶性重合体又は
結晶性ポリプロピレン樹脂で代表させる。
【0025】<<樹脂成分(A)のポリマーアロイ化>>
樹脂成分(A)を作成する過程でポリマーアロイを形成さ
せるには例えば、プロピレン結晶性重合体(a4)に改質剤
として不飽和カルボン酸類(a2)をグラフト反応させるこ
とによって得られた改質プロピレン結晶性重合体(a3
1)、非改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a32)(略称「P
P」)及びポリアミド樹脂(a1)を従来公知の方法で溶融
混練して改質プロピレン結晶性重合体(a31)とポリアミ
ド樹脂(a1)との間に化学結合を実質的に形成させれば良
い。上述の「非改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a32)」
と上述の「プロピレン結晶性重合体(a4)」とは同一物で
あっても良い。
【0026】ここで「化学結合を実質的に形成」したと
は、上記の「ポリマーアロイ形成」が実現されたことで
あって、得られたものを沸騰キシレンで抽出した後に残
る抽出残渣量の比率が当初に添加されたポリアミド樹脂
(a1)の比率に比して有意差を示す程度に高いことをい
う。本発明では比率の差が10%以上と観測される場合
に「有意差有り」と判定する。
【0027】<<ポリマーアロイ樹脂成分(A)形成の別
法>>また、このポリマーアロイ樹脂成分(A)は別法と
して結晶性ポリプロピレン樹脂(a32)、改質剤である不
飽和カルボン酸類好ましくは無水マレイン酸(a2)及びポ
リアミド樹脂(a1)の3者を好ましくはラジカル開始剤の
共存下に同時に溶融混練してプロピレン結晶性重合体(a
4)の改質と同時に、得られた改質プロピレン結晶性重合
体(a31)とポリアミド樹脂(a1)との間に上述の様な実験
事実が観測される程度に実質的に化学結合を生じさせて
製造することもできる。この同時改質ポリマーアロイ化
法における結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)は全くの非改
質の結晶性ポリプロピレン樹脂に限らず、低改質の結晶
性ポリプロピレン樹脂であっても良い。ここで「低改
質」とは、改質されてはいるものの、所定の改質水準に
は到達していない改質度合いをいう。
【0028】<<改質剤>>改質剤である不飽和カルボ
ン酸類(a2)としては、マレイン酸、無水マレイン酸(マ
レイン酸の酸無水物)、アクリル酸及びメタアクリル酸
等を挙げることができ、中でも好ましいものは無水マレ
イン酸であるが、これらの酸の誘導体であってもよい。
改質剤をプロピレン重合体(a4)へグラフト結合させる為
にはラジカル開始剤の共存が好ましい。
【0029】樹脂成分(A)において、ポリアミド樹脂(a
1)と実質的に化学反応を生じてポリマーアロイ化する改
質ポリプロピレン(a31)に代えてアイオノマー樹脂又は
その他の極性基であってアミノ基又はカルボキシル基の
少なくとも一方と結合し得る基を有する重合体を用いる
ことができる。
【0030】<<樹脂成分(A)を形成するポリマーアロ
イの組成>>ポリマーアロイ樹脂成分(A)における改質
及び非改質結晶性ポリプロピレン樹脂の総括量[(a31)
+(a32)]の含有割合は該樹脂成分(A)に対して20〜4
5重量%、好ましくは20〜40重量%に設定する。そ
の含有量15重量%以下は避けるべきである。その理由
は最終組成物(C)から射出成形によって得られる成形品
の繰返し衝撃特性低下を来す(比較例11参照)ことに
あり、その現象は最終組成物(c)[(A)+(B)]中のポリ
プロピレン含有量[(a31)+(a32)]が下限を下回ること
に起因すると解釈され得る。
【0031】他方、ポリマーアロイ樹脂成分(A)におけ
るポリプロピレン[(a31)+(a32)]の含有割合が45重
量%以上の範囲も避けるべきである。その理由は上記の
範囲においても機械的強度及び繰返し衝撃特性低下が生
ずる(比較例10)ことにあり、仮に最終組成としては
上記の含有割合が本発明の範囲内に属するとしても、ポ
リプロピレン[(a31)+(a32)]の含有割合が45重量%
以上ということは容積比では50%を超えている。
【0032】<<長繊維強化材(B)>>本発明の効果で
ある「引張強度」、「ノッチ付きIzod衝撃性」、「熱変
形温度」及び「繰返し衝撃性」に優れた本発明の長繊維
強化樹脂柱状体(C)を構成する長繊維強化材(B)としては
後掲の各種のものを必要に応じて適宜用いることができ
る。即ち、本発明で長繊維強化材(B)として用いられる
長繊維としては実質的に無端の繊維であれば無機繊維及
び有機繊維の何れからも選ぶことができる。無機繊維と
しては例えば、ガラス繊維、ロックウール(岩綿)、金
属繊維及び炭素繊維を挙げることができる。有機繊維と
しては全芳香族ポリアミド(商品名:アラミド)繊維、
全芳香族ポリエステル(商品名:ケブラー)繊維等を挙
げることができる。
【0033】これらの長繊維は実質的に無端の単繊維の
形として供給され又は用いられるばかりでなく、多くの
場合にはそれらの多数本を結合剤で相互に集束した繊維
集束体即ち、ロービングの様な形態(「繊維状物」と総
称することがある)として供給され又は用いられる。
【0034】上掲の長繊維の中でも通常的に多用される
ガラス長繊維を例にとって以下に説明を進める。とはい
え、他の長繊維を強化材として用いる場合でも特殊な要
請に対応する場合を除けば、ガラス長繊維を用いる場合
と同様にすれば十分である: <ガラス製長繊維強化材(B)>樹脂強化用として供給さ
れている通常の硬質ガラス(「Eガラス」と称されるこ
とがある)製ロービングであって、その平均繊維径6〜
30μm、単繊維の集束本数500〜6000本のも
の、好ましくはその平均繊維径9〜23μm、単繊維の
集束本数1000〜4000本のものが使用に適する。
用途によっては、更にこれらのガラスロービングを2本
以上合糸した形で用いることもできる。本発明の射出成
形品を作成する為の射出成形に用いられる本発明の長繊
維強化柱状体(C)中の平均繊維長は該柱状体の長さと略
同一になる。即ち、実質的に無端の繊維集束体を上述の
「引抜き成形」に供して得られた強化ストランドを切断
したものが長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体(C)だ
からである。
【0035】<<長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体
(C)の組成>>本発明の長繊維強化ポリマーアロイ樹脂
柱状体(C)中の長繊維強化材(B)の含有量は10〜60重
量%、該柱状体(C)中における長繊維強化材(B)以外の樹
脂成分[(a1)+(a31)+(a32)]中のプロピレン結晶性重合
体[(a31)+(a32)]の含有量が20〜45重量%、好ま
しくは20〜40重量%となるように処方を設定する。
プロピレン結晶性重合体[(a31)+(a32)]の含有量を1
5重量%以下とすることは避けることが重要である(比
較例11)。その範囲では、成形品の機械的強度及び繰
返し衝撃特性が低下する。他方、プロピレン結晶性重合
体[(a31)+(a32)]の含有量を45重量%以上とするこ
とも避けることが重要である(比較例10)。その範囲
では、成形品の機械的強度及び繰返し衝撃特性が低下す
る。
【0036】長繊維強化材(B)の含有量を5重量%以下
とすることも避けるべきである(比較例8)。その理由
は得られる射出成形品に対して十分な補強効果を付与し
難くなることにある。逆に、長繊維強化材(B)の含有量
を70重量%以上とすることも避けるべきである(比較
例9)。その理由は後者の場合には、得られる成形品に
対して付与される補強効果が飽和する結果として経済的
に実益を伴わなくなるばかりか、結果的に改質結晶性ポ
リプロピレン樹脂の含有量低下を来すことにある。
【0037】<<長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体
(C)の射出成形条件>>本発明の射出成形品又はその成
形に用いられる本発明の長繊維強化ポリマーアロイ樹脂
柱状体(C)を各種の型物に成形する方法としては射出成
形法が他法の追随を許さない。この場合に、スクリュー
として、そのスクリュー長さ(L)/スクリュー直径(D)が
通常8〜25及び圧縮比1.5〜2.5程度で射出成形す
る。
【0038】射出成形法によれば、本発明の所期効果で
ある成形品中の長繊維の高度分散、成形品の引張強度向
上及び成形品の繰返し衝撃特性(耐久回数)向上が何れ
も十分に実現され得る。
【0039】
【実施例】
(1)繰返し衝撃特性試験 JIS K-7110に記載のアイゾット試験片をアイゾット衝撃
試験機に設置して、持上げ角度75度から40kgハンマ
ーを繰返し振り降ろして、試験片が破壊するまでの振り
降ろし回数を数えた。 (2)ノッチ付き衝撃強度 上記の試験片及び試験機を用いて、試験片が破壊される
際の衝撃エネルギー値をKJ/m2単位長さ当たりに換算し
た。 (3)化学結合形成の有無確認 ポリマーアロイ樹脂成分(A)に対しては、沸騰キシレン
抽出法によって化学結合形成の有無を確認した。測定方
法及び条件として、試料柱状体5gを沸騰キシレンで抽
出して、抽出残渣量を測定した。化学結合生成の有無判
定は下記の基準で行なった。ここで、ポリアミド樹脂の
配合率とは、(a1)/{(a1)+(a3)}で表わされる値であ
る: ◆化学結合無し:残渣量がポリアミド樹脂の配合率と略
等しい場合 ◆化学結合有り:残渣量がポリアミド樹脂の配合率に比
して10重量%以上多い場合。
【0040】
【実施例1〜6】押出機先端にクロスヘッドダイを取付
け、樹脂成分(A)として溶融ポリアミド樹脂(a1)と溶融
改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)との混合系を押出機
からダイ内へ押出ながら、長繊維強化材(B)としてダイ
の側方から装入されるガラス製の長繊維ロービング(a2)
をダイ内で合流させて長繊維ロービングの外周を溶融ポ
リマーアロイ(A)が取り囲んだ長尺複合体を作成し、続
いて該複合体を開繊含浸槽(別名「引抜き成形装置」)
へ導入して繊維束を各繊維へ開繊しながらその間に溶融
ポリマーアロイ(A)を含浸させた長繊維強化ストランド
(C)を引抜成形し、これを表1に記載の諸種の平均長さ
に切断して長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体(C)を
作成した。得られた長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状
体(C)は樹脂成分(A)とガラス製の長繊維強化材(B)とを
それぞれ表1に記載の量で含有するものであった。
【0041】上記の長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状
体(C)を作成するには、ポリアミド樹脂(a1)としてポリ
アミド-6[商品名「CM1007」(東レ社製)]を、改質ポ
リプロピレンとして改質結晶性ホモポリプロピレン樹脂
(a31)と非改質結晶性ホモポリプロピレン樹脂(a32)[商
品名:K1011(チッソ社製)]とを配合後に押出機へ供給し
た。他方、長繊維強化材(B)としてガラス製の長繊維ロ
ービング(B)[平均単繊維径17μm、集束本数4000
本;テックス番手2310g/km(日本電気硝子社製)]
をそれぞれ用いた。
【0042】無水マレイン酸(a2)をグラフト反応させた
改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)(無水マレイン酸単
位含有量0.3重量%=0.06meq/g)に対して前述の
ポリアミド-6(a1)を表1に記載の比率で押出機へ装入し
た後に押出機中で溶融混練(温度250℃)して両者間
に実質的に化学結合を生じさせてポリマーアロイ樹脂成
分(A)を調製して前記の引抜き成形装置へ供給した。
【0043】<射出成形>上記の操作で作成されたガラ
ス長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体(C)として表1
に記載の平均長さのものを射出成形機[L/D=20;圧
縮比1.8]に供して、射出成形(温度250℃)によ
り、平板その他の各種テストピース(試験片)を作成し
た。結果を比較例のそれらと併せて表1に示す。
【0044】
【比較例1】実施例1において得られた長繊維強化ポリ
マーアロイ樹脂柱状体(C)を「圧縮成形」機の金型キャ
ビティーに充填し、所定成形圧の約1/2程度で比較的
ゆっくりと型締めを行なう。35sec後に一旦除圧して
ガスぬきを行なってから、直ちに温度80℃及び圧力1
50tonf/cm2において55secその儘に保つ。得られた
平板を試験片としてその衝撃強度(Izod;ノッチ付き)
及び繰返し衝撃特性(破壊までの回数)を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0045】
【比較例2】押出機として、通常のホッパーである第1
ホッパーに加えてバレルの途中に短繊維強化材(D)等投
入用の第2ホッパーを有する押出機を用い、第1ホッパ
ーからは実施例1におけると同一の無水マレイン酸グラ
フト反応による改質ポリプロピレン(a3)と実施例1にお
けると同一のポリアミド-6(a1)とから形成されたポリマ
ーアロイ樹脂(A)柱状体を投入した。
【0046】第2ホッパーからは繊維強化材(D)とし
てガラスチョップドストランド[平均単繊維径13μ
m、集束本数4000本、チョップ平均長3mm(日本電
気硝子社製)]を投入して溶融混練し、ストランド状に
押出した後に該ストランドを平均長3mmに切断してそれ
ぞれの強化樹脂柱状体(ガラス製短繊維強化材)を表1
記載の量で含有]を製造した。
【0047】この短繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体
(C)中に残存する短繊維強化材(D)の平均繊維長を測定し
た処、0.46mmであった。この強化樹脂柱状体(ペレ
ット)を射出成形して実施例1と同様に試験片を成形し
てその評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0048】
【比較例3】本例は実施例1における樹脂の代りに、無
水マレイン酸グラフト反応による改質ポリプロピレン(a
3)を用いた実験例である。その結果を表1に示す。
【0049】
【比較例4】押出機として比較例1におけると同一の押
出機を用い、第1ホッパーから実施例1におけると同一
の無水マレイン酸グラフト反応による改質結晶性ポリプ
ロピレン樹脂(a3)を、第2ホッパーからは比較例2にお
けると同一のガラスチョップドストランド(D)を投入し
て溶融混練し、ストランド状に押出した後に該複合スト
ランドを平均長3mmに切断して短繊維強化結晶性ポリプ
ロピレン樹脂(G)を製造した。この(G)はガラス短繊維強
化材(D)を30重量%含有する短繊維強化結晶性ポリプ
ロピレン樹脂であった。
【0050】この短繊維強化結晶性ポリプロピレン(G)
中に残存する短繊維強化材(D)の平均長を測定した処、
0.52mmであった。得られた最終組成物(G)を実施例1
におけると同一の射出成形機に供し、実施例1における
と同様に試験片として平板及び各種テストピースを成形
し、それらを評価した。その結果を表1に示す。
【0051】
【比較例5】押出機として比較例1におけると同一の押
出機を用い、第1ホッパーからは実施例1におけると同
一のポリアミド-6(a1)を、第2ホッパーからは比較例1
におけると同一のガラスチョップドストランド(D)を投
入して溶融混練し、ストランド状に押出した後に該複合
ストランドを平均長3mmに切断して短繊維強化「非」ポ
リマーアロイ(F)を製造した。この(F)はガラス短繊維強
化材(D)を30重量%含有する短繊維強化ポリアミド-6
(F)であった。
【0052】この短繊維強化ポリアミド-6(F)中に残存
する短繊維強化材(D)の平均長を測定した処、0.50mm
であった。得られた最終組成物(F)を実施例1における
と同一の射出成形機に供し、実施例1におけると同様に
試験片として平板及び各種テストピースを成形してそれ
らを評価した。その結果を表1に示す。
【0053】
【比較例6】本例は実施例1における樹脂をポリアミド
-6(a1)に置き換えた実験例であって、その結果を表1に
示す。
【0054】
【比較例7〜11】各例は実施例1〜6における条件の
中の1以上を請求項の範囲外に設定した実験例である。
それらの結果を表1に示す。
【0055】<実験結果の所見>実験の結果を示す表1
から、下記の所見が得られた: ◆実施例1〜6においては、得られた成形品中における
ガラス長繊維強化強化材(B)の分散が良好で、該成形品
はノッチ付きの衝撃強度に優れると共に繰返し衝撃特性
においても良好な結果が得られた。 ◆それに対して比較例1〜11においては、それぞれ欠
如する構成要件に応じた不十分な結果発現が観測され
た: ・比較例1は長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体(C)
圧縮成形した例であって、得られた成形品はその衝撃
強度(Izod;ノッチ付き)においては改良されていたも
のの、繰返し衝撃特性においては実施例1の水準に遠く
及ばない。 ・比較例2は繊維強化材としてガラス繊維を用いた例
であって、得られた繊維強化成形品はその衝撃強度(Iz
od;ノッチ付き)においても繰返し衝撃強度においても
問題外である。 ・比較例3は樹脂成分として改質結晶性ポリプロピレン
樹脂(a3)単味を用いた(非ポリマーアロイ化)例であっ
て、得られた成形品はその衝撃強度(Izod;ノッチ付
き)においては実施例1と同等であったものの、繰返し
衝撃強度においては実施例1の水準に遠く及ばない。 ・比較例4は樹脂成分として改質結晶性ポリプロピレン
樹脂(a3)単味を用いた(非ポリマーアロイ化)ことに加
えて繊維強化材として繊維を用いた例であって、得ら
れた成形品はその衝撃強度(Izod;ノッチ付き)におい
ても、繰返し衝撃強度においても実施例1の水準に遠く
及ばない。 ・比較例5は樹脂成分としてポリアミド-6(a1)単味を用
いた(非ポリマーアロイ化)ことに加えて繊維強化材と
して繊維を用いた例であって、得られた成形品はその
衝撃強度(Izod;ノッチ付き)においても繰返し衝撃強
度においても実施例1の水準に遠く及ばない。 ・比較例6は樹脂成分としてポリアミド-6(a1)単味を用
いた(非ポリマーアロイ化)例であって、得られた成形
品は衝撃強度(Izod;ノッチ付き)においては実施例1
と同等であるが、繰返し衝撃強度においては実施例1の
水準に遠く及ばない。 ・比較例7は長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体(C)
を作成する際の柱状体中のガラス繊維強化材の長さを本
発明の下限よりも低く設定した例であって、最終的な重
量組成は本発明の範囲内であるが、得られた成形品はそ
の衝撃強度(Izod;ノッチ付き)においても、繰返し衝
撃特性においても実施例1の水準に遠く及ばない。 ・比較例8は長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体(C)
を作成する為の長繊維強化材(a2)の配合量を下限よりも
低く設定した例であって、最終的な重量組成は本発明の
範囲内であるが、得られた成形品はその衝撃強度(Izo
d;ノッチ付き)においても、繰返し衝撃特性においても
実施例1の水準に遠く及ばない。 ・比較例9は長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体(C)
を作成する為の長繊維強化材(a2)の配合量を上限よりも
高く設定した例であって、最終的な重量組成は本発明の
範囲内であるが、得られた成形品はその衝撃強度(Izo
d;ノッチ付き)においても、繰返し衝撃特性においても
増量の効果を示さずに実施例1の水準に遠く及ばない。 ・比較例10はポリマーアロイ樹脂成分(A)を調製する
為の改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)の配合量を上限
量の直上に設定した例であって、得られた成形品はその
衝撃強度(Izod;ノッチ付き)においては改良されてい
たものの、繰返し衝撃特性においては実施例1の水準に
遠く及ばない。 ・比較例11はポリマーアロイ樹脂成分(A)を調製する
為の改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)の配合量を下限
量よりも相当に低く設定した例であって、得られた成形
品はその衝撃強度(Izod;ノッチ付き)においては改良
されていたものの、繰返し衝撃特性においては実施例1
の水準に遠く及ばない。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体か
ら得られた本発明の射出成形品は下記の諸種の効果を奏
する: (1)成形品は長繊維強化ポリアミド-6樹脂単味に対して
4倍及び繰返し衝撃強度においては2倍強に達する極め
て優れた効果示した。 (2)本発明の長繊維強化ポリマーアロイ樹脂組成物は種
々の工業部品特に、高い機械的強度及び繰返し衝撃特性
を生かして自動車等の車両用部品例えばバンパー、ホイ
ールキャップ、アンダーカバーなどに加えて、屋外ファ
ン、冷水塔等のインペラー及び電動工具部品などの用途
に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08L 23:26 C08L 23:26 77:00 77:00 (56)参考文献 特開 昭60−58458(JP,A) 特開 昭57−174229(JP,A) 特開 平6−47740(JP,A) 特開 平1−214408(JP,A) 特開 平6−817(JP,A) 特開 平6−192448(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/04,5/24

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド樹脂(a1)55〜80重量%と改
    質剤である不飽和カルボン酸類(a2)で改質された改質結
    晶性ポリオレフィン樹脂(a3)45〜20重量%[(a1)+
    (a3)=100重量%]とから形成されたポリマーアロイ樹脂
    成分(A)40〜90重量%からなる柱状体の樹脂相中に
    その長軸と略平行に整列された長繊維強化材(B)60〜
    10重量%[(A)+(B)=100重量%]が開繊状態で含有さ
    れた混合系を長さ3〜30mmに切断したポリアミド樹脂
    (a1)と改質結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)との間に化学
    結合が存在する長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体
    (C)。
  2. 【請求項2】長繊維強化ポリマーアロイ樹脂組成物(C)
    がポリアミド樹脂(a1)60〜75重量%と改質結晶性ポ
    リオレフィン樹脂(a3)40〜25重量%とから構成[(a
    1)+(a3)=100重量%]された請求項1に記載の柱状体。
  3. 【請求項3】ポリマーアロイ樹脂成分(A)の構成成分で
    ある改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)がプロピレン結
    晶性重合体(a4)にグラフトされた不飽和カルボン酸類(a
    2)0.01〜1重量%を含有する改質プロピレン結晶性
    重合体(a31)0.5〜30重量%と非改質結晶性ポリプロ
    ピレン樹脂(a32)99.5〜70重%と[(a1)+(a3)=100
    重量%]から構成された長繊維強化ポリマーアロイ樹脂
    組成物から得られる請求項1又は2に記載の柱状体。
  4. 【請求項4】長繊維強化材(B)が無機繊維及び有機繊維
    から選ばれるものであって、無機繊維はガラス繊維、ロ
    ックウール(岩綿)、金属繊維及び炭素繊維から選ばれる
    1種以上であり、有機繊維は全芳香族ポリアミド繊維及
    び全芳香族ポリエステル繊維から選ばれる1種以上であ
    る請求項1〜3の何れかに記載の柱状体。
  5. 【請求項5】長繊維強化材(B)がガラス繊維である請求
    項1〜4の何れかに記載の柱状体。
  6. 【請求項6】ポリアミド樹脂(a1)55〜80重量%と改
    質剤である不飽和カルボン酸類(a2)で改質された改質結
    晶性ポリオレフィン樹脂(a3)45〜20重量%[(a1)+
    (a3)=100重量%]とから形成されたポリマーアロイ樹脂
    成分(A)40〜90重量%からなる柱状体の樹脂相中に
    その長軸と略平行に整列された長繊維強化材(B)60〜
    10重量%[(A)+(B)=100重量%]が開繊状態で含有さ
    れた混合系を長さ3〜30mmに切断したポリアミド樹脂
    (a1)と改質結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)との間に化学
    結合が存在する長繊維強化ポリマーアロイ樹脂柱状体
    (C)を射出成形して得られる繰返し衝撃特性に優れた射
    出成形品。
  7. 【請求項7】長繊維強化ポリマーアロイ樹脂組成物(C)
    がポリアミド樹脂(a1)60〜75重量%と改質結晶性ポ
    リオレフィン樹脂(a3)40〜25重量%とから構成[(a
    1)+(a3)=100重量%]された請求項6に記載の射出成形
    品。
  8. 【請求項8】ポリマーアロイ樹脂成分(A)の構成成分で
    ある改質結晶性ポリプロピレン樹脂(a3)がプロピレン結
    晶性重合体(a4)にグラフトされた不飽和カルボン酸類(a
    2)0.01〜1重量%を含有する改質プロピレン結晶性
    重合体(a31)0.5〜30重量%と非改質結晶性ポリプロ
    ピレン樹脂(a32)99.5〜70重量%と[(a31)+(a32)
    =100重量%]から構成された長繊維強化ポリマーアロイ
    樹脂組成物から得られる請求項6又は7に記載の射出成
    形品。
  9. 【請求項9】長繊維強化材(B)が無機繊維及び有機繊維
    から選ばれるものであって、無機繊維はガラス繊維、ロ
    ックウール(岩綿)、金属繊維及び炭素繊維から選ばれる
    1種以上であり、有機繊維は全芳香族ポリアミド繊維及
    び全芳香族ポリエステル繊維から選ばれる1種以上であ
    る請求項1〜3の何れかに記載の射出成形品。
  10. 【請求項10】長繊維強化材(B)がガラス繊維である請
    求項6〜9の何れかに記載の射出成形品。
  11. 【請求項11】ポリアミド樹脂(a1)55〜80重量%と
    改質剤である不飽和カルボン酸類(a2)で改質された改質
    結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)45〜20重量%[(a1)
    +(a3)=100重量%]とから形成されたポリマーアロイ
    脂成分(A)40〜90重量%に対して長さ3〜30mmの
    長繊維強化材(B)60〜10重量%[(A)+(B)=100重量
    %]が添加された混合系から得られた長繊維強化ポリマ
    ーアロイ樹脂組成物(C)をスクリュー長(L)/スクリュー
    直径(D)=8〜25、圧縮比1.5〜2.5のスクリュー
    を装備した射出成形機で成形する繰返し衝撃特性に優れ
    射出成形品の製造方法。
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