JP3383665B2 - 耐汚性多色編織カットパイルカーペット - Google Patents

耐汚性多色編織カットパイルカーペット

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ナイロンの優れた耐汚性、耐光堅牢性及び
耐オゾン性を有する編織混色多色カーペット、すなわ
ち、ナイロンカーペットに関する。
背景技術 耐汚性ナイロンカーペットは市場に広く受け入れられ
ている。耐汚性は、典型的には、モンサント社の米国特
許第4,501,591号、第4,592、940号及び第4,839,212号明
細書に記載のような化学的な仕上剤を局所的に塗布して
ソリッドフィラメントのままの繊維又はカーペット形状
の繊維を処理することによりナイロンに付与される。こ
の耐汚性加工の固定のために必要な低い酸性pHには、カ
チオン可染性繊維に対し通常に使用されるカチオン染料
の色を大きく変化させるという悪影響がある。このた
め、カーペットの多色効果を得るためには、スタイリン
グファクターとしてカチオン染料を使用できない。しか
し、無地色、又は、好ましくはスペースプリントで多数
の狭い色彩間隔のいずれかに酸性染料で予め染色された
カチオン可染性ナイロンを用いることにより、この問題
は克服される。
ナイロンカーペット繊維は、一般に、酸性染料及び塩
基性染料すなわちカチオン染料の受容性によって分類さ
れる。カチオン可染性ナイロンはポリマー構造中に、繊
維がカチオン染料に対して染色性となるのに十分な、カ
チオンすなわち塩基性染料受容性であるSO3H基又はCOOH
基を有する。酸性可染性ナイロンは、ポリヘキサメチレ
ンアジパミドやポリカプロラクタムのような、本質的に
通常のナイロンである。酸性可染性ナイロンは種類によ
って異なり、酸性染料で弱く染色されるもの、酸性染料
で中程度に染色されるもの、又は、酸性染料で強く染色
されるものに区別される。
カチオン可染性ナイロンは一般に、カーペットに使用
される他種のナイロンに比べて、固有の耐汚性、特に、
酸性の汚染に対する耐汚性を示す。カチオン可染性ナイ
ロンはカチオン染料で染色できるが、モノスルホン化酸
性染料又は含金属酸性染料を用いて酸性可染性ナイロン
を染色して得られる同等の色に比べて、特に明色の場
合、耐光堅牢性に劣る。このため、カチオン可染性ナイ
ロンはカーペット用繊維としてあまり利用されていな
い。すなわち、その他の点ではカーペット用繊維として
好適なこの繊維の固有の有用な性質は以前にはほとんど
認識されていない。
初期染色は、所定の領域又は間隔内の糸が特定の色で
染色され、色及び間隔がランダム又は予め定めた配向の
糸の長さ内で変化する、スペース染色法やインターミッ
タント染色法を用いて行なわれる。
カーペット用糸の染色は、ポリエステル又はポリプロ
ピレンの糸をスペース染色し、該ポリエステル又はポリ
プロピレンスペース染色糸が着染性を有さない染料に着
染性を有し且つ未染色である他の糸と共にタフト（tuf
t）し、次いで、未染色糸を、該未染色糸の選択的染色
性が先にスペース染色された糸に干渉しないように染色
して得られるカーペットに関し、米国特許第4,206,735
号明細書に記載されている。ナイロンの着色にTak染色
が使用される。Tak染色は米国特許第4,146,362号明細書
に説明されている。
他のタイプのスペース染色はホイティカー（Whitake
r）の米国特許第4,033,717号明細書に記載されている。
そのスペース染色では、連続フィラメント糸を、管や袋
のようなプレファブリックに編み、所定のパターンに種
々の色を用いて選択的に染色し、次いで、編みを解き、
コーンに巻いて加熱し着色する。これは、ニット／デニ
ット法として知られている。カーペットにタフトされる
と、スペース染色された糸のタフトは、ランダムに又は
好ましくは所定のブロック若しくは領域に配列する。
リサーチディスクロージャー17913（1979年３月）で
は、ホイティカー特許のスペース染色による糸を使用
し、未染色の糸と組み合わせ、次いで、異なる色でオー
バーダイ（overdye）し、糸の異なる色の組み合わせを
有するカーペットを得ている。スペース染色された糸は
また、ジラ（Jilla）の米国特許第3,989,453号明細書に
記載のように、使用する種類の染料に「抵抗」する編織
物を処理する「抵抗」法を用いて製造してもよい。
２種以上の異なる種類の糸、すなわち、或る種の染料
に対して着染性である糸と、異なる種類の染料に対して
着染性である他種の糸から成るカーペットパイルを用い
たカーペットのピース染色が米国特許第3,439,999号明
細書に記載されている。
発明の開示 本発明は、美しい多色外観を有する耐汚性カーペット
を製造する方法を提供する。
多色カーペットが、本発明に従って、含金属染料又は
酸性染料で多色にスペース染色又はスペースプリントさ
れているカチオン可染性ナイロン糸を用いて製造され
る。この多色糸は、酸性可染性ナイロン糸と組み合わさ
れ、カーペットにタフトされ、次いで、酸性染料でオー
バーダイされる。酸性染料は酸性可染性ナイロンに固着
するが、カチオン可染性ナイロンには固着せず、従っ
て、多色にスペース染色された糸は、無地色の糸の対照
部分に対して明確に識別される。多色のカチオン可染性
ナイロン糸の色、バックｇロウンドバッググラウンドの
酸性可染性ナイロン糸の色、２種の糸の相対的な量及び
配置、それらのカーペットへの加工法並びに他の条件の
変更は全てスタイリング上の変更である。
カチオン可染性ナイロン糸の好ましい染色方法には、
イクスゾースト染色、パッド／スチーム染色、連続カー
ペット染色などがある。本発明の方法に好適と考えられ
る染色方法の具体例は下記（１）及び（２）である。
（１）パッド／スチーム染色 下記の染浴を調製する。
グアガム（セルカガム（Celcagum）Ｖ−60） 0.3 消泡剤（セッジキル（Sedgekill）A0） 0.15 湿潤／浸透剤（ダイバス（Dyebath）SS−75） 0.7 含金属酸性染料 適量 （％） （pHをリン酸一ナトリウムで6.0に調整する） この染浴を、糸の重量に対し90〜140％の含侵量で使
用する。適当な固着のために、糸を６〜12分間蒸熱し、
次いで、洗浄、脱水して、フルオロケミカル防汚剤で処
理し、乾燥する。
（２）イクスゾースト染色 適量の含金属酸性染料を含む水性染浴を調製し、pHを
リン酸一ナトリウムで6.0に調整し、任意成分として0.5
％以下のイルガゾル（Irgasol）SW（染料と錯体を形成
し、次いで、温度上昇に伴い、染料を徐放することによ
り染料のストライクを遅らせる弱いカチオン錯体形成
剤）を加える。染浴温度は、開始時に80゜Fであり、２
゜F／分の割合で140゜Fまで上昇させ、その温度に15分
間保ち、次いで、再び２゜F／分の割合で208〜212゜Fに
上昇させる。そして、カチオン可染性ナイロンを所望の
濃さの色が得られるまで30乃至60分以上イクスゾースト
染色を行なう。
下記にカチオン可染性ナイロンの例（商品名）を示
す。
カチオン染料に対する親和性は、通常、スルホン酸基
を含むモノマーを導入することによって付与される。従
って、ポリアミド繊維のこのような修飾の一つは、重合
の前に適量のスルホイソフタル酸を加えることによって
得られる。
本方法に好適と考えられる含金属及び酸性染料は下記
に示すものである。
下記のレベル染色酸性染料は特に明色で有効であると
考えられるが、濃度が大きい場合にはあまり効果でな
い。
上記ナンバーは、AATCC（American Association of T
extile Chemists and Colorists）編織湿潤加工工業ブ
ーヤー（Buyer）ガイドラインから引用。
実施例 以下、実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例１ 管状に編んだカチオン可染性糸（Antron type 854）
を、研究室用イルマ（Ilma）パッド／スチーム装置にお
いて、所望の色に応じて上記から選択した含金属染料に
より、湿潤含侵量100％で連続染色し、次いで、約８分
間蒸熱して所望のベース色を得た。次いで、ベース色に
染色した管に、シルクスクリーン法を用いてオーバープ
リントを行なった。
バッググランド色用の染浴としては下記のものを使用
した。
（１）グレー イルガランボルドーEL 0.015％ イルガランイエロー3RL 0.015％ イルガランブルー3RL 0.1487％ （２）ライトゴールド イルガランイエロー3RL 0.05％ なお、各浴はセルカガム（Celcagum）Ｖ−60（0.3
％）及びダイバス（Dyebath）SS−75（0.7％）を含み、
リン酸一ナトリウムでpHを６に調整した。
プリントペースト（４色）は、増粘剤（リンガム（Ly
ngum）CP−３）2.35％、浸透剤（ターギトール（Tergit
ol））１％及び消泡剤（アンチフォーム（Antifoam）
（CK−２）0.15％を含む基材で調整し、pHをリン酸一ナ
トリウムで6.0に調整した。使用した４色の染料は下記
のものであった。
（１）ダークゴールド：イルガランイエロー3RL １％ （２）ブライトブルー：イルガランブリリアントブルー
7GS 0.25％ （３）バーガンディ（burgandy）：イルガランボルドー
EL200％ １％ （４）グリーン：イルガランブリリアントブルー7GS 0.25％ イルガランイエロー3RL 0.25％ プリントした試料を蒸気で固着させ、洗浄し、乾燥し
た。プリントデザインは十分にナイロン筒に固着され、
良好な耐摩擦堅牢性を有していた。この染色されスペー
スプリントされた製品は、色素がポリマーと共に押出さ
れる溶液染色されたナイロンと比較して、カチオン染色
ナイロン糸に固有の耐汚性の利点を保ったまま一本の糸
を多色にすることが出来るため、スタイリングを多様に
出来るという利点を有する。
さらに、カチオン可染性を示す溶液着色糸「アントロ
ンルメナＰ−807A」（着色色素が、フィラメント形態に
押出される前にポリマーに配合されている）のかせ（sk
ein）に、上記と同じダークゴールド色、ブライトブル
ー色及びバーガンディ色の組成物でプリントした。次い
で、大気圧下210゜Fで15分間蒸熱し、洗浄し、乾燥し
た。得られた含金属酸性染料によるオーバープリント
は、製品のスタイリングに使用するものとして認容でき
る耐摩擦堅牢性及び性能を有していた。
実施例２ 実施例１と同様に調製した３種のスペース染色（“Du
racolor"）単糸（カチオン性デュポンタイプ494Aアント
ロンを含金属酸性染料で染色）を、中性通常型酸性可染
性であるタイプ1608モンサントナイロン単糸と共に撚っ
た。次いで、３種の糸にスパーバフリーズ（Superba Fr
ieze）ヒートセットを施し、撚りを固定した。そして、
３種のヒートセット糸をカーペットにA,B,Cニードルス
レッドアップでタフトした。
得られたカーペットに、下記の２種の方法を用いて、
研究室用クスター（Kuster）染色レンジでオーバダイを
行なった。
（Ａ）水に浸潤し、無地色の酸性染料組成物のクスター
フラッド塗布を行なう。
（Ｂ）粘度1000〜2000cpsのガムの薄膜をカーペットの
先端に塗布し、次いで、上記（Ａ）と同様のクスターフ
ラッド着色を行なう。
方法（Ａ）及び（Ｂ）で使用した染料組成物は下記の
ものであった。
（Ａ）湿潤： 水（pH4.0） フラッド着色： 0.17％プロガシル（Progacyl）D49DW＊ 0.30％Ｚ−Wet湿潤剤 0.40％ダイバスACB 0.20％リン酸一ナトリウム 適量のモノスルホン化酸性染料（pH4.0） 含浸量400％ （Ｂ）ガム層： 0.85％プロガシルＤ−49DW＊ 0.25％アンチフォームCK−２ 0.20％MSP（リン酸一ナトリウム） 2.0％ペネトラントSDP−２ クスターフラッド液： 0.20％プロガシルＤ−49DW＊ 2.0％ギ酸 0.30％ペネトラントKB 0.10％アンチフォームCK−２ 適量のモノスルホン化酸性染料 ＊誘導体化グアガム増粘剤（ローヌ−プーランク（Rhon
e−Poulenc）社製） 同様のカーペットを、生繊維材料である通常の酸性可
染性ナイロンと撚られ、且つ、含金属酸性染料または酸
性染料でスペース染色されたカチオン可染性ナイロンを
含む異なる糸を用いてタフトして製造した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ｄ０６Ｐ 5/22 Ｄ０６Ｐ 5/22 Ｆ 7/00 7/00 (72)発明者 ゲス，ロイ・イー アメリカ合衆国、バージニア・24614、 ロアノーク、ウィンウォード・ドライ ブ・206 (56)参考文献 特開 平１−272885（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−260061（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−223908（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) D06P 3/00 D05C 17/02 D06M 13/02 D06P 5/00 D06P 7/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】（ａ）所定の色及び／又は所定のパターン
    に染色されているカチオン可染性ナイロン糸を酸性染料
    又は含金属染料により約4.0〜6.5のpHでスペース染色し
    染料を繊維に固着させて、糸をその長さ方向に沿って断
    続的に異なる色に染色し、（ｂ）工程（ａ）でスペース
    染色された糸と、酸性染料に親和性を有する酸性可染性
    ナイロン糸をカーペットにタフトし、（ｃ）工程（ｂ）
    で調製されたカーペットを、すでにスペース染色された
    カチオン可染性繊維を染色することなく酸性可染性繊維
    のみを選択的に染色するのに十分な量の酸性染料で染色
    して多色の耐汚性カーペットを製造することを特徴とす
    る耐汚性多色カーペットの製造方法。
  2. 【請求項２】工程（ａ）で含金属染料が使用される請求
    の範囲第１項に記載の方法。
  3. 【請求項３】工程（ａ）で酸性染料が使用される請求の
    範囲第１項に記載の方法。
  4. 【請求項４】さらに、（ｄ）フルオロケミカル防汚剤を
    カーペットに塗布する工程を含む請求の範囲第１項に記
    載の方法。
JP50276493A 1991-07-19 1992-04-15 耐汚性多色編織カットパイルカーペット Expired - Lifetime JP3383665B2 (ja)

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