JP3383522B2 - コールドドラフト防止用の暖房ユニット及びコールドドラフト防止方法 - Google Patents

コールドドラフト防止用の暖房ユニット及びコールドドラフト防止方法

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JP3383522B2
JP3383522B2 JP24057896A JP24057896A JP3383522B2 JP 3383522 B2 JP3383522 B2 JP 3383522B2 JP 24057896 A JP24057896 A JP 24057896A JP 24057896 A JP24057896 A JP 24057896A JP 3383522 B2 JP3383522 B2 JP 3383522B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コールドドラフト
防止用の暖房ユニット及びコールドドラフト防止方法
関するものであり、より詳細には、建築物の空調ペリメ
ータゾーンに生じる冬期のコールドドラフト現象を好適
に防止し得るコールドドラフト防止用暖房ユニット及び
コールドドラフト防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の空調領域は一般に、熱負荷、空
調負荷又は空調条件等の相違により、外壁又は窓等から
離間した各階の内部領域、即ち、インテリアゾーンと、
外壁又は窓等の近傍に位置する各階の周辺領域、即ち、
エクステリアゾーン又はペリメータゾーン(以下、「ペ
リメータゾーン」という)とに区分し得る。インテリア
ゾーンとしてゾーニングされた建築物内部領域の空調条
件は、ペリメータゾーンに比べて外気温度及び日射等の
影響を比較的受け難く、従って、インテリアゾーンの熱
負荷又は空調負荷等は、新鮮外気又は取入れ空気等の空
調負荷(外気負荷)、或いは、OA機器又は人体の発熱
量等により、実質的に決定される。他方、ペリメータゾ
ーンとしてゾーニングされた建築物の外周部領域の空調
条件は、建築物内外の温度差、外壁温度及び日射等の影
響を比較的大きく受け易く、従って、ペリメータゾーン
の熱負荷又は空調負荷等は一般に、比較的大きな夏期冷
房負荷および冬期暖房負荷として空調設備の計画ないし
設計に反映される。
【0003】殊に、外壁又は窓の近傍領域の冷房負荷
は、日射による熱負荷が比較的大きく作用する夏期冷房
時期において顕著に増大し、他方、外壁の壁体表面温度
又はガラス窓等の表面温度が比較的大きく低下する冬期
ないし厳冬期の暖房時期においては、所謂冷熱輻射現象
が、窓又は外壁近傍に生起し、或いは、壁面又は窓面等
に触れた室内空気が自然対流作用により床面近傍に自然
降下する所謂コールドドラフト現象が、ペリメータゾー
ンに発生する。このようなペリメータゾーンの熱負荷
(以下、「ペリメータ負荷」という)の特殊性に対処す
べく、ペリメータゾーンを夏期又は冷房時期に積極的且
つ付加的に冷房し、或いは、付加的加熱手段にて外壁領
域のペリメータ暖房負荷を暖房運転時に局所的に処理又
は補償する各種空調方式が、実用化されている。
【0004】例えば、ペリメータ負荷に対する一般的な
空調処理方式として、冷水又は温水等の熱媒体流体を循
環可能な床置型ファンコイルユニット又は床置型ファン
コンベクタ等のペリメータゾーン専用の空調ユニットを
外壁又はカーテンウォールに隣接して配置し、或いは、
窓下等に付加的に配設し、該空調ユニットから強制的に
吐出される温風又は冷風によりペリメータゾーンを局所
的ないし積極的に冷房又は暖房する空調方式が、広く実
用に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ペリメータゾーン空調ユニットは一般に、送風ファンに
て温風又は冷風を強制的に吐出又は循環する形式の空調
装置又は空調機器として設計されている。従って、空調
ユニットの送風気流が室内人員の人体に直接的に影響な
いし作用し、この結果、空調ユニット近傍において作業
し、或いは、着席する人員は、不自然な気流による不快
感、或いは、過剰な冷気又は暖気等を感じ易い。また、
上記空調ユニットにおける吹出口の形状及び寸法は、空
調機器の形式又は容量等による構造的又は機能的制約を
受ける。このため、空調ユニットは、窓面又は壁面等の
所要加温領域の全域に亘って均一な暖気流を暖房運転時
に形成し難く、吹出口の近傍又は所定の吹出流到達可能
範囲に対してのみ所望の加温効果又は暖気流形成効果を
達成し得るにすぎない。この結果、例えば、窓ガラスの
室内側表面の温度が極端に低下する厳冬期において、窓
面等にて冷却した気流は、所謂コールドドラフトとして
床面付近に降下し、或いは、低温の窓面又は壁面の冷輻
射等が人体に作用し、不所望の冷気を室内人員に感じさ
せてしまう。
【0006】更に、近年におけるOA機器類の普及によ
り、事務室等の居室内に配置される屋内電子機器等の台
数又は数量が増大するとともに、電子機器等に関連する
電気配線及び通信配線等の電気・電子設備系統又は通信
・情報設備系統が大容量化又は大型化し、或いは、複雑
化しつつある。このような電気・電子設備又は通信・情
報設備の建築設備化に伴って、温水配管等の通水配管系
統の系統数削減ないし省略が、設計・施工上要望されて
いる。しかしながら、ペリメータゾーンに配置される温
水配管方式のファンコイルユニット等は、建築平面計画
において空調設備の熱媒体流体主管から離間し易く、比
較的多数の熱媒体流体配管系が、室内の床基盤、床下配
管スペース又は天井裏配管スペース等に配管される傾向
がある。従って、この種の熱媒体流体配管系の系統数を
大幅に削減することができ、しかも、従来形式のペリメ
ータゾーン空調システム又は空調装置に比較的容易に置
換又は代替し得る新規な構成のペリメータゾーン空調シ
ステム又は空調装置の開発が望まれている。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、建築物のペリメータ
ゾーンに配設される熱媒体流体配管系の系統数を削減な
いし省略し得るとともに、外壁又は窓等の室内側表面の
所要加温領域全域に亘って所望の加温効果又は暖気流形
成効果を発揮し得るコールドドラフト防止用暖房ユニッ
ト及びコールドドラフト防止方法を提供することにあ
る。本発明は又、夜間電力を熱源として蓄熱するととも
に、昼間の空調運転時に比較的長時間に亘って実質的に
均等に放熱作用を奏し得るコールドドラフト防止用暖房
ユニット及びコールドドラフト防止方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明は、暖房運転時に空調ペリメータゾ
ーンに生じるコールドドラフトを防止する暖気流を形成
するコールドドラフト防止用の暖房ユニットにおいて、
上位流出ダンパ及び下位流入ダンパを備えたケーシング
と、該ケーシング内に配設された潜熱蓄熱装置及び電気
加熱手段とを有し、前記潜熱蓄熱装置は、複数の潜熱蓄
熱体と、該蓄熱体を所定位置に支持する蓄熱体支持手段
とを備え、各潜熱蓄熱体は、所定温度にて固相又は液相
に相変化する潜熱蓄熱材をハウジング内に封入した蓄熱
カプセルからなり、前記蓄熱体支持手段は、上下方向に
間隔を隔てて配置された蓄熱体保持手段を有する垂直保
持具からなり、前記潜熱蓄熱体は夫々、蓄熱体保持手段
に係合し、垂直保持具は、各々の潜熱蓄熱体を所定位置
に位置決めし且つ保持して、前記ケーシング内で上下方
向に整列配置せしめ、前記電気加熱手段は、前記潜熱蓄
熱体から離間した電気加熱式パネルヒータとして構成さ
れ、該パネルヒータは、ケーシング内雰囲気を加熱し、
ケーシング内の加熱雰囲気を介して前記潜熱蓄熱体を
接的に加熱するように前記ケーシング内に配置され、
力伝達機構を介して前記上位流出ダンパ及び下位流入ダ
ンパを開閉制御するダンパ開閉装置を備え、室内空気を
自然対流により前記下位流入ダンパからケーシング内に
誘引し、自然対流による上昇暖気流を前記上位流出ダン
パから流出するようにしたことを特徴とするコールドド
ラフト防止用暖房ユニットを提供する本発明は又、暖
房運転時に空調ペリメータゾーンに生じるコールドドラ
フトを防止する暖気流を形成するコールドドラフト防止
用の暖房ユニットにおいて、上位流出ダンパ及び下位流
入ダンパを備えたケーシングと、該ケーシング内に配設
された潜熱蓄熱装置及び電気加熱手段とを有し、前記潜
熱蓄熱装置は、複数の潜熱蓄熱体と、該蓄熱体を所定位
置に支持する蓄熱体支持手段とを備え、各潜熱蓄熱体
は、所定温度にて固相又は液相に相変化する潜熱蓄熱材
をハウジ ング内に封入した蓄熱カプセルからなり、前記
蓄熱体支持手段は、上下方向に間隔を隔てて配置された
蓄熱体保持手段を有する垂直保持具からなり、前記潜熱
蓄熱体は夫々、蓄熱体保持手段に係合し、垂直保持具
は、各々の潜熱蓄熱体を所定位置に位置決めし且つ保持
して、前記ケーシング内で上下方向に整列配置せしめ、
前記電気加熱手段は、前記潜熱蓄熱体から離間してお
り、ケーシング内雰囲気を加熱し、ケーシング内の加熱
雰囲気を介して前記潜熱蓄熱体を間接的に加熱するよう
に前記ケーシング内に配置され、動力伝達機構を介して
前記上位流出ダンパ及び下位流入ダンパを同時に開閉作
動するダンパ開閉装置を備え、該ダンパ開閉装置は、前
記上位流出ダンパ及び下位流入ダンパを開閉作動させる
電動モータユニットを有し、前記上位流出ダンパは、第
1回転軸に一体的に支持され、前記下位流入ダンパは、
第2回転軸に一体的に支持され、前記第2回転軸は、前
記第1回転軸に対して動力伝達手段を介して同期作動可
能に連結され、第1回転軸と連動し、上下のダンパは、
電動モータユニットの作動より同時に開放し且つ同時に
閉鎖し、室内空気を自然対流により前記下位流入ダンパ
からケーシング内に誘引し、自然対流による上昇暖気流
を前記上位流出ダンパから流出するようにしたことを特
徴とするコールドドラフト防止用暖房ユニットを提供す
る。
【0009】かかる構成の暖房ユニットは、建築物の各
階ペリメータゾーンとしてゾーニングされた領域に配置
され、窓又は外壁の室内側表面に隣接して各階床面に配
設される。所定温度にて相変化する上記潜熱蓄熱体は、
電気加熱手段の発熱により、加熱又は加温され、電気加
熱手段の発熱量を潜熱として蓄熱する。上位流出ダンパ
及び下位流入ダンパの開放により、潜熱蓄熱装置の表面
温度と室温との温度差に起因する自然対流気流が形成さ
れ、冬期に床付近に滞留した冷気は、下位流入ダンパを
介してケーシング内に誘引され、上記潜熱蓄熱装置の潜
熱蓄熱体に接触し、該蓄熱体との熱交換作用により加温
ないし加熱される。かくして昇温した上昇気流は、暖気
又は昇温空気として、上位流出ダンパから空調装置の上
方域に流出し、外壁の室内側壁面又は窓ガラス等の室内
側表面に拡散する暖気流を形成する。従って、上記暖房
ユニットを通過し且つ上記潜熱蓄熱体との熱交換により
昇温した暖気流により、外壁又は窓の室内側表面を加温
ないし保温し、冬期又は暖房運転時のコールドドラフト
象を確実に防止することが可能となる。
【0010】また、上記暖房ユニットは、電気加熱手段
の加熱作用により潜熱蓄熱体を加熱する構成を有する。
従って、ペリメータゾーンにおける温水配管等の通水配
管系統の施工を回避又は省略し得るとともに、比較的安
価な夜間電力を利用して潜熱蓄熱体を加熱し、所要熱量
を蓄熱することができるので、空調設備に係るランニン
グコストの軽減及び電力ピークシフトによる建築設備の
省エネルギー化を図ることができる。更に、自然対流方
式の放熱装置として機能する上記構成の暖房ユニット
よれば、極めて簡単な構成により、送風気流による不快
感を回避し得るばかりでなく、送風ファン等の運転騒音
を実質的に解消し、しかも、送風ファン等の動力費、運
転管理費及び維持管理費等を削減することができる。
【0011】本発明は又、上記目的を達成すべく、空調
機の空調給気を室内に供給し、室内循環空気を前記空調
機に還流する空調設備を備えた室に用いられるコールド
ドラフト防止方法であって、蓄熱帯域を建築物の空調ペ
リメータゾーンに画成し、所定温度にて固相又は液相に
相変化する潜熱蓄熱材を封入した複数の球形蓄熱体を前
記蓄熱帯域に収容するとともに、上下方向に間隔を隔て
て配置された蓄熱体保持手段により前記蓄熱体を上下方
向に整列配置し、該蓄熱帯域を実質的に閉塞して蓄熱帯
域を加熱し、蓄熱帯域内の加熱雰囲気を介して前記潜熱
蓄熱体を間接的に加熱し、蓄熱帯域内の前記潜熱蓄熱体
に潜熱を蓄熱し、その後、室内空気の自然対流気流が少
なくとも前記潜熱蓄熱体の近傍を通過し得るように前記
蓄熱帯域を開放し、該蓄熱帯域を貫通する上昇気流を前
記潜熱蓄熱体と前記室内空気との熱交換により形成し、
前記蓄熱帯域の下方域の室内空気を自然対流気流により
該蓄熱帯域内に誘引するとともに、前記上昇気流を前記
蓄熱帯域の上方に流出せしめ、自然対流による上昇暖気
流を前記蓄熱帯域の上方域に形成して、外壁の室内側壁
面又は窓の室内側表面に暖気流を形成し、室内の壁面及
び/又は窓面の表面温度を検出して該表面温度に基づい
て前記蓄熱帯域の閉塞及び開放を選択的に制御し、暖房
運転時に空調ペリメータゾーンに生じるコールドドラフ
トを防止することを特徴とするコールドドラフト防止方
法を提供する。
【0012】他の観点より、本発明は、空調機の空調給
気を室内に供給し、室内循環空気を前記空調機に還流す
る空調設備において、上記構成のコールドドラフト防止
用暖房ユニットを有し、該暖房ユニットは、外壁窓の下
方の床基盤上に配置され、室内の壁面及び/又は窓面の
表面温度を検出する温度検出手段が設けられ、前記ダン
パ開閉装置は、外壁又は窓の室内側表面温度の変動に応
じて、前記流出ダンパ及び流入ダンパを開閉制御し、床
付近の冷気を暖気として前記流出ダンパから上方に流出
し、外壁の室内側壁面又は窓ガラスの室内側表面に暖気
流を形成することを特徴とする空調設備を提供する
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】 本発明の好適な実施形態におい
て、上記潜熱蓄熱体は所定温度にて固相又は液相に相変
化し、該蓄熱体の相変化温度は、40℃乃至70℃の範
囲内の所定温度に設定され、更に好ましくは、50℃乃
至60℃の範囲の所望の温度、例えば、55℃に設定さ
れる。好ましくは、上記潜熱蓄熱体は、プラスチック製
又は合成樹脂製の球形ハウジングと、該球形ハウジング
内に封入された潜熱蓄熱材とにより形成される。本発明
の或る好適な実施形態において、上記潜熱蓄熱体は、酢
酸ナトリウム3水塩を主成分とする潜熱蓄熱材を球形ハ
ウジング内に封入してなる蓄熱カプセルとして形成され
る。
【0015】好ましくは、上記暖房ユニットは、動力伝
達機構を介して上位流出ダンパ及び下位流入ダンパを開
閉作動させる電動モータユニットを備え、電動モータユ
ニットは、空調装置の放熱運転モードにおいて、流出ダ
ンパ及び流入ダンパを開閉制御する。更に好ましくは、
空調装置は、電動モータユニットを制御する電気制御ユ
ニットを備え、該電気制御ユニットは、所定の電源に接
続されるとともに、外壁又は窓等の室内側表面温度を検
出する室内温度検出手段、潜熱蓄熱体の温度を検出する
蓄熱温度検出手段、更には、電気加熱手段の加熱温度を
検出する加熱温度検出手段に接続される。
【0016】本発明の或る実施形態において、上記室内
温度検出手段は、外装窓の室内側ガラス表面の温度を検
出する放射温度検出器からなり、上記電気制御ユニット
は、上記放射温度検出器が所定温度以下のガラス表面温
度を検出したとき、上記流出ダンパ及び流入ダンパを開
放し、該放射温度検出器が所定温度を超えるガラス表面
温度を検出したとき、上記流出ダンパ及び流入ダンパを
閉鎖する。また、上記蓄熱体温度検出手段及び加熱温度
検出手段は、蓄熱運転モードにおける潜熱蓄熱体の過熱
を防止すべく、所定温度を超える潜熱蓄熱体の温度又は
電気加熱手段の温度を検出したとき、電気加熱手段の作
動を強制的に停止する。本発明の他の実施形態におい
て、外装窓の室内側ガラス表面又は外壁の室内側表面に
接着又は貼着可能な熱電対等の接触型温度検出器が、上
記室内温度検出手段として使用される。
【0017】本発明の或る好適な実施形態において、上
記室内温度検出手段及び/又は上記電気制御ユニット
は、グループ化された空調装置群単位、各ゾーン単位、
或いは、各室単位毎に配置され、複数の空調装置を集中
制御する。本発明の好適な実施形態において、上位流出
ダンパは、上位回転軸に一体的に支持され、上位回転軸
は、上記電動モータユニットに連結され、該電動モータ
ユニットにて回転駆動される。他方、下位流入ダンパ
は、下位回転軸に一体的に支持され、下位回転軸は、上
位回転軸に対して動力伝達手段を介して同期作動可能に
連結され、上位回転軸と連動する。従って、下位流入ダ
ンパは、上記電動モータユニットの作動により、上位流
出ダンパと同期運動し、かくして、上位流出ダンパ及び
下位流入ダンパは、実質的に同時に開放し且つ同時に閉
鎖する。好ましくは、上記ケーシングの各壁体構造材、
上位流出ダンパ及び下位流入ダンパは、断熱材を被覆、
裏貼又は裏打した断熱パネルからなり、上記ケーシング
は、全体的に断熱パネルの組立体として形成される。更
に好ましくは、ケーシングの内部領域は、所定幅員/全
長/全高の直方体空間として画成され、上記電気加熱手
段を構成する複数の電気加熱式パネルヒータが、該内部
領域に垂直に隔設される。
【0018】本発明の更に好適な実施形態によれば、
記蓄熱体支持手段は、複数列をなして上記電気加熱式パ
ネルヒータの間に配列され、各蓄熱体支持手段は、上下
方向に間隔を隔てて配置された蓄熱体保持手段を備えた
所定断面性状の垂直保持具からなる。上記潜熱蓄熱体は
夫々、垂直保持具の蓄熱体保持手段に係合し、所定レベ
ル又は所定位置に位置決めされ、保持される。好適に
は、潜熱蓄熱体の被熱劣化又は経年劣化等を防止すべ
く、各潜熱蓄熱体の表面は、電気加熱式パネルヒータの
表面に対して所定間隔を隔てて配置され、電気加熱式パ
ネルヒータは、上記ケーシング内の加熱雰囲気を介して
各潜熱蓄熱体を間接加熱する。本発明の或る実施形態に
おいて、上記潜熱蓄熱体の温度を検出する蓄熱温度検出
手段は、予め選択された特定の潜熱蓄熱体の表面温度を
検出する熱電対等の温度検出装置により構成される。
【0019】本発明の他の実施形態において、上記潜熱
蓄熱体は、方形、平板形、薄板形、柱形又は筒形等の所
定形状の有形ハウジング内に潜熱蓄熱材を封入してなる
蓄熱カプセル又は蓄熱材内蔵容器として形成される。上
記蓄熱体支持手段は、蓄熱カプセル又は蓄熱材内蔵容器
の形態に応じた所望の支持構造、例えば、平板状の蓄熱
材内蔵容器を挟持するクランプ形式の支持要素組立体等
の適当な支持構造を備える。本発明の或る好適な実施形
態によれば、上記電気加熱手段によるケーシング内雰囲
気の加熱温度は、90℃乃至100℃以下の所定温度に
規制される。更に好ましくは、ケーシング内の過熱を検
出し且つ電気加熱手段の作動を強制的に停止するととも
に、建築物の監視装置等に異常警報信号を出力する異常
検出手段が、上記電気制御ユニットに関連して配設され
る。
【0020】本発明の他の好適な実施形態によれば、電
気制御ユニットは、建築物の中央制御・監視装置に接続
され、該中央制御・監視装置の指令により、所要の時期
(例えば、毎朝午前8:00頃)に上位流出ダンパ及び
下位流入ダンパを開放し且つ上記電気加熱手段の作動を
停止し、暖房ユニットを放熱運転モードに切替え、ま
た、所要の時期(例えば、毎晩午後10:00頃)に上
位流出ダンパ及び下位流入ダンパを閉鎖し且つ上記電気
加熱手段を作動させ、暖房ユニットを蓄熱運転モードに
切換える。本発明に係るコールドドラフト防止方法の好
適な実施形態によれば、上記潜熱蓄熱材は、50℃乃至
60℃の範囲内の所定の温度にて固相又は液相に相変化
する。上記蓄熱帯域は所定時間加熱され、潜熱蓄熱材
は、前記所定温度にて固相から液相に相変化し、該加熱
熱量は、少なくとも部分的に潜熱蓄熱材に蓄熱される。
しかる後、蓄熱帯域は開放され、潜熱蓄熱材が液相から
固相に相変化するときに生じる潜熱蓄熱材の放熱作用に
より、潜熱帯域内に生起した自然対流気流が昇温し、上
昇暖気流が形成される。好ましくは、所要の検出手段に
より室内の壁面及び/又は窓面の表面温度が検出され、
該表面温度の検出値に基づいて蓄熱帯域が開閉制御され
る。或る好適な実施形態によれば、室内の壁面及び/又
は窓面の放射温度が計測され、該放射温度により壁面及
び/又は窓面の表面温度が検出される。他の好適な実施
形態として、蓄熱帯域は、所定の第1時間帯に閉塞さ
れ、所定の第2時間帯に開放される。好ましくは、該第
1時間帯は、夜間の時間帯に設定され、上記第2時間帯
は、空調運転を実施する昼間の時間帯に設定され、蓄熱
帯域の開閉制御は、タイマー等の調時手段により実行さ
れる。
【0021】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
に係る暖房ユニットについて、詳細に説明する。図1
は、本発明の実施例に係る蓄熱型暖房ユニットの全体構
成を示す縦断面図であり、図2は、図1のI−I線にお
ける蓄熱型暖房ユニットの縦断面図である。また、図3
及び図4は夫々、図1及び図2に示す蓄熱型暖房ユニッ
トの平面図及び正面図である。なお、図1及び図2で
は、作図上の都合により、支持手段及び加熱手段を模式
的に図示しているが、両手段の構造的関連性等の詳細に
ついては、図5及び図6に関する説明において後述す
る。
【0022】蓄熱型暖房ユニット1(以下、「暖房ユニ
ット1」という)は、架台又は脚部21(以下、「脚部
21」という)に支持された函型ケーシング2と、ケー
シング2内に整列配置された複数の潜熱蓄熱装置10
と、潜熱蓄熱装置10を加熱する複数の垂直な平板状電
気ヒータ4とから略構成される。脚部21は、所定寸法
のアングル型鋼材等の組立体からなり、床基板Fに係止
され、床基板Fの上面に水平に支持される。ケーシング
2は、脚部21に支持された水平な下位パネル22を備
える。左右の側壁パネル23及び端壁パネル24が、下
位パネル22の側縁及び端縁から起立し、水平な上位パ
ネル25の側縁及び端縁が、側壁パネル23及び端壁パ
ネル24の上縁に固定される。下位パネル22、側壁パ
ネル23、端壁パネル24および上位パネル25は、電
気ヒータ4及び潜熱蓄熱装置10を収容可能なケーシン
グ2の内部領域を画成し、該内部領域は、相互連接した
パネル22、23、24、25にて実質的に閉塞又は密
閉されるとともに、電気ヒータ4にて任意に加熱可能な
蓄熱手段ないし蓄熱帯域を外壁又は窓等(図示せず)に
沿って形成する。
【0023】上位パネル25は、開閉可能な上位流出ダ
ンパ6を備え、下位パネル22は、開閉可能な下位流入
ダンパ7を備える。上位流出ダンパ6及び下位流入ダン
パ7は夫々、ケーシング2の長手方向に延在する上位回
転軸51及び下位回転軸52に一体的に支持され、各回
転軸51、52の回転により回転軸51、52の各中心
軸線を中心に回動する。上位パネル25及び下位パネル
22は夫々、ケーシング2内の蓄熱帯域を開放可能な上
位流出開口部8及び下位流入開口部9を備える。図3に
示す如く、流出開口部8は、上位パネル25の中央領域
にてケーシング2の長手方向に延在し、同様に、流出開
口部8と対をなす流入開口部9は、下位パネル22の中
央領域にてケーシング2の長手方向に延在する。上記ケ
ーシング2の各構成パネル22、23、24、25、流
出ダンパ6および流入ダンパ7は、所定板厚の鋼板を切
断/曲げ成形し且つ所定断熱性能の断熱材又は保温材
(例えば、厚さ25mm程度のグラスウール(K32))を裏打
又は裏貼してなる断熱成形パネルからなる。ケーシング
2を構成する各パネル22乃至25は、所定の係止具及
びシール材等(図示せず)を介して相互連接され、ま
た、流出ダンパ6および流入ダンパ7は、所定の連結構
造を介して上記回転軸51、52に一体的に固定され
る。
【0024】図2に実線で示す如く、上位流出ダンパ6
は、下方に回動又は枢動した閉塞位置にて流出開口部8
を閉鎖し、下位流入ダンパ7は、上方に回動又は枢動し
た閉塞位置にて流入開口部9を閉鎖する。他方、図2に
仮想線で示す如く、上位流出ダンパ6及び下位流入ダン
パ7は夫々、上方又は下方に回動又は枢動した開放位置
にて流出開口部8及び流入開口部9を開放する。図1に
示す如く、回転軸51、52は、上位パネル25の上面
及び下位パネル22の下面に夫々固定された左右の軸受
57にて回転可能に支持され、ケーシング2の側方に延
びる。ブラケット59にて端壁パネル24に固定された
電動モータユニット50が、回転軸51の延長領域に配
置され、回転軸51の側方延長部分は、減速機構等を含
む動力伝達装置53を介して電動モータユニット50に
連結される。図1及び図4に示すように、対をなす上下
のレバーアーム54、55が、回転軸51、52の各側
方延長部分に固定され、上下方向に延びるリンケージ5
6の上端部及び下端部が、レバーアーム54、55に枢
着又は関節連結され、各レバーアーム54、55を動力
伝達可能に相互連結する。レバーアーム54、55及び
リンケージ56は、上位回転軸51の回転運動を同一回
転方向且つ同一回転比にて下位回転軸52に伝達する。
従って、上位流出ダンパ6及び下位流入ダンパ7の開閉
作動は、実質的に完全に同期し、上下のダンパ6、7
は、電動モータユニット50の作動により、上下の開口
部8、9を同時に開放し、或いは、同時に閉鎖する。
【0025】図5は、図1に示す暖房ユニット1内に配
設された潜熱蓄熱装置10の構成を示す斜視図であり、
図6は、潜熱蓄熱装置10の平面配列を示す暖房ユニッ
ト1の部分横断面図である。図5に示す如く、潜熱蓄熱
装置10は、上下方向に整列配置された複数の球形蓄熱
体11と、各球形蓄熱体11を支持する保持具12とか
ら略構成される。本例において、球形蓄熱体11は、酢
酸ナトリウム3水塩を主成分とする潜熱蓄熱材を球形の
プラスチック製又は合成樹脂製ハウジング内に封入して
なる蓄熱カプセルとして構成される。本例における潜熱
蓄熱材の仕様は、以下のとおりである。 また、本例における球形ハウジングの直径は、約68mm
に設定され、潜熱蓄熱材及び球形ハウジングからなる蓄
熱カプセルの単体総重量は、約200gに設定される。
この種の蓄熱カプセルは、例えば、三菱油化エンジニア
リング株式会社製の蓄熱カプセル:型番STL−55−
Sとして市場において入手し得る。
【0026】なお、本例においては、相変化温度が55
℃に調整された蓄熱カプセルを球形蓄熱体11として採
用したが、これは、50℃乃至60℃程度の表面温度
が、人体により支障なく直接接触し得る温度であり、し
かも、空調装置を構成する蓄熱体の表面温度として極め
て効果的な温度であるとの判断に基づくものである。図
5に示す如く、保持具12は、左右の側壁13と、各側
壁13の側縁部に連接する連結壁14とからなり、側壁
13及び連結壁14は、全体的にコの字形の断面性状を
有する垂直な蓄熱カプセル支持手段を構成する。鋼材、
金属成形品又は樹脂成形品等の素材ないし原材料にて保
持具12を好適に製作することができる。
【0027】球形蓄熱体11の外形輪郭部分を部分的に
収容し、該蓄熱体部分を保持し得る円形開口部15が、
上下方向に所定の間隔を隔てて側壁13及び連結壁14
に夫々穿設される。各円形開口部15は、実質的に同一
の直径を有し、該直径は、保持すべき球形蓄熱体11の
直径に相応して所望の如く設定される。各円形開口部1
5の上下方向の中心間隔は、球形蓄熱体11の中心間隔
と実質的に一致し、特定の球形蓄熱体11を保持すべく
同一レベルに配置された側壁13及び連結壁14の各円
形開口部15は、球形蓄熱体11の縁部分を収容し、該
球形蓄熱体11を所定のレベルに位置決めし且つ保持す
る。
【0028】図1及び図2に示す如く、上下方向に整列
配置された複数の球形蓄熱体11及び保持具12からな
る潜熱蓄熱装置10は、ケーシング2の内部領域に所定
間隔を隔てて2列に整列配置され、ケーシング2内に固
定される。図6に示す如く、左右の各潜熱蓄熱装置10
は、連結壁14同士が互いに対向するように配向され、
左右の潜熱蓄熱装置列は、暖房ユニット1の中心軸線に
対して左右対称に配設される。電気ヒータ4は、左右の
潜熱蓄熱装置10の間に延在する暖房ユニット1の中心
帯域に配置されるとともに、各潜熱蓄熱装置列と側壁パ
ネル23との間の側壁領域に夫々介装される。電気ヒー
タ4は、図1及び図2に示す如く、一対の板体からなる
サンドイッチ基板41と、基板41内に埋設され且つ動
力源に接続された発熱抵抗線等の電気発熱線42とを備
えた電気加熱式パネルヒータとして構成される。基板4
1を構成する各板体は、例えば、板厚0.8mm程度の鋼
板からなり、両板体は、電気発熱線42を挟持する。基
板41の板体間に介装された電気発熱線42は、合成樹
脂等の被覆材にて被覆され、各電気発熱線42は、約2
00℃程度の表面温度に加熱可能な構造を有する。
【0029】ケーシング2の内部領域に配置された電気
ヒータ4の表面は、潜熱蓄熱装置10の球形蓄熱体11
から僅かに離間する。従って、電気ヒータ4と球形蓄熱
体11との直接的な接触による熱伝達は、生起せず、電
気ヒータ4は、ケーシング2内の空気の加熱雰囲気を介
して、各球形蓄熱体11を間接的に加熱するので、長時
間の高温熱伝導接触により生じ得る球形蓄熱体11の変
質は、確実に回避される。電気ヒータ4及び上記電動モ
ータユニット50は、電気制御ユニット3(図1に仮想
線で示す)に接続され、電気制御ユニット3にて作動を
制御される。電気制御ユニット3は、マイコンデジタル
制御方式の蓄熱温度制御用可変サーモスタット(図示せ
ず)および過熱防止用固定サーモスタット(図示せず)
に接続される。可変サーモスタットは、電気ヒータ4に
よる潜熱蓄熱装置10の加熱温度を制御すべく、使用条
件に応じて所望の温度に設定される。例えば、高温の加
熱雰囲気下に生じ得る球形蓄熱体11の変質を回避すべ
く、球形蓄熱体11の表面温度を検出する可変サーモス
タットの設定温度は、好ましくは、60℃乃至80℃程
度、更に好ましくは、約70℃程度に設定され、また、
ケーシング2の内部雰囲気温度を検出する可変サーモス
タットの設定温度は、好ましくは、80℃乃至100℃
程度、更に好ましくは、約90℃程度に設定される。電
気制御ユニット3は、球形蓄熱体11の表面温度が、例
えば約70℃以上に達したとき、或いは、ケーシング2
の内部領域の雰囲気温度が、例えば約90℃以上の温度
に達したときに、電気ヒータ4を過渡的に消勢する。他
方、固定サーモスタットは、電気ヒータ4の過熱を防止
すべく、100℃前後の所望の温度に予め設定され、電
気ヒータ4が設定温度に達したときに、電気ヒータ4の
作動を強制停止する。また、電気制御ユニット3は、所
定温度(例えば、130℃)にて溶融する温度ヒューズ
等を備える。好適には、電気制御ユニット3は、暖房ユ
ニット1の内部温度の異常(例えば、暖房ユニット1内
の雰囲気温度の過剰な上昇等)を検出するとともに、外
部制御系統に温度異常警報信号を出力する温度異常検出
手段を備える。
【0030】次に、上記暖房ユニット1の作動について
説明する。暖房ユニット1は、建築物居室内の窓下等に
配置され、電気制御ユニット3は、漏電遮断器等を介し
て、所定の電源に接続される。電気制御ユニット3は、
夜間(例えば、22:00〜8:00の10時間)の時
間、上記可変サーモスタット及び固定サーモスタットの
制御下に電気ヒータ4を付勢又は通電し、ケーシング2
内の雰囲気温度を所望の加熱温度に制御し、これによ
り、潜熱蓄熱体11の表面温度を所定温度(例えば、6
0℃乃至70℃)に維持管理する。一般に午前8:00
頃になされる昼間空調運転の空調ウォーミングアップ時
又は立上り時期において、電気制御ユニット3は、上位
流出ダンパ6及び下位流入ダンパ7を開放すべく、電動
モータユニット50を作動させる。電動モータユニット
50は、動力伝達装置53を介して、上位回転軸51を
回転させるとともに、リンケージ56を介して上位回転
軸51に作動的に連結された下位回転軸52を同期回転
させる。上位流出ダンパ6及び下位流入ダンパ7は、回
転軸51、52の回転(正転)により、軸受57の支承
中心軸線を中心に上方又は下方に回動し、流出開口部8
及び流入開口部9を開放する。かくして、暖房ユニット
1は、内部蓄熱帯域を開放する放熱運転モードに切替え
られる。
【0031】流出開口部8及び流入開口部9を開放した
暖房ユニット1は、潜熱蓄熱装置10と室内空気との温
度差により上昇気流を生起する。床基盤Fの近傍に位置
する比較的低温の空気は、流入開口部9内に誘引され、
流入開口部9を介して暖房ユニット1内に流入し、潜熱
蓄熱装置10の各潜熱蓄熱体11と熱交換する。暖房ユ
ニット1内にて加熱又は加温した暖気は、自然対流によ
り上昇し、昇温空気として流出開口部8から流出し、自
然対流により暖房ユニット1の上方域に上昇し且つ拡散
する。かくて、暖房ユニット1の上方域に位置する外壁
面又は窓等の表面は、暖房ユニット1の流出開口部8か
ら流出した比較的高温の自然対流空気により、加温さ
れ、従って、これら壁面又はガラス面等の冷輻射作用又
はコールドドラフト生起作用は、確実に防止し得る。
【0032】潜熱蓄熱体11は、このような自然対流に
よる熱交換作用により、約8時間乃至10時間程度に亘
って僅かに温度降下する。電気制御ユニット3は、所定
の時期、例えば、午後10:00(22:00)頃に、
暖房ユニット1を上記放熱運転モードから蓄熱運転モー
ドに切換える。電気制御ユニット3は、運転モード切替
動作において、上位流出ダンパ6及び下位流入ダンパ7
を閉鎖すべく、電動モータユニット50を反転方向に回
転駆動させ、これにより、動力伝達装置53及びリンケ
ージ56を介して、上位回転軸51及び下位回転軸52
を反転方向に回転させる。上位流出ダンパ6及び下位流
入ダンパ7は、回転軸51、52の反転により、軸受5
7の支承中心軸線を中心に下方又は上方に夫々枢動し、
流出開口部8及び流入開口部9を閉塞する。電気制御ユ
ニット3は更に、電気ヒータ4を通電し、ケーシング2
内の雰囲気温度を所定の加熱温度(例えば、90℃)に
昇温させる。潜熱蓄熱体11は、ケーシング2内の雰囲
気温度の上昇により加熱し、翌日の昼間運転(放熱運転
モード)において放熱すべき熱量を蓄熱する。
【0033】本件発明者らは、本願発明の実効性を確認
ないし確証すべく、上記暖房ユニット1を使用した本件
空調装置の性能試験を実施した。図7は、上記暖房ユニ
ット1の連続放熱試験の試験結果を示す線図である。図
7において、縦軸(Y軸)は、暖房ユニット1の放熱量
を指示し、横軸(X軸)は、放熱運転開始後の経過時間
(分)を指示する。また、図8は、放熱運転時における
上記球形蓄熱体11の表面温度の経時変化を示す線図で
あり、図9は、放熱運転時における該球形蓄熱体11の
内部温度の経時変化を示す線図である。連続放熱試験に
おいて使用された暖房ユニット1の仕様は、以下のとお
りである。 ケーシング材質及び板厚:溶融亜鉛メッキ鋼板 板厚t=1.6mm ケーシング架台 :一般構造用圧延鋼板 L型鋼材 L=30×30×3mm ケーシング構成パネル裏打保温材:グラスウール 厚さt=25mm K32 球形蓄熱体 :三菱油化エンジニアリング株式会社製蓄熱カプセル 型番STL−55−S 球形直径68mm 電気ヒータ :200W(中央帯域) 150W(各側壁領域)
【0034】図7に示す放熱試験結果から明らかな如
く、暖房ユニット1は、放熱開始後の約8時間の時間、
概ね一定の放熱量(約500kcal/h前後) を継続的に発
揮し得ることが確認された。また、暖房ユニット1の放
熱量は、8時間経過後に比較的急激に低下するが、これ
は、上記球形蓄熱体11の潜熱放熱作用が約8時間程度
で実質的に完了した結果、球形蓄熱体11の放熱機能
が、顕熱放熱作用に移行したことに起因するものと考え
られる。即ち、球形蓄熱体11は、潜熱放熱作用を奏す
る間、約50℃乃至60℃程度の温度に相当する実質的
に一定の放熱温度を維持し、約55℃において液相から
固相に相変化した後、顕熱放熱作用により比較的急速に
温度降下し、放熱作用を低下させる。従って、暖房ユニ
ット1は、球形蓄熱体11が潜熱放熱作用を奏する間、
実質的に定常的な放熱効果を発揮し得る放熱手段として
機能する。また、図7に示す放熱試験結果から明らかな
ように、上記構成の暖房ユニット1の放熱作用は、球形
蓄熱体11と室内空気との熱交換現象による放熱作用
(ドラフト放熱作用)のみならず、ケーシング2の各パ
ネル22、23、24、25及びダンパ6、7等の熱伝
導現象による放熱作用(ケース放熱作用)を含む。全放
熱量の概ね3/4程度を占めるドラフト放熱作用は、上
記上位流出ダンパ6及び下位流入ダンパ7の開閉制御に
より制御し得るが、ケース放熱作用は、実際上制御し難
い。従って、ケーシング構成パネル22乃至25及びダ
ンパ6、7の断熱性能を向上させ、ケース放熱作用の比
率を低減させることが望ましい。
【0035】なお、ケース放熱作用は、暖房ユニット1
周囲の室内空気の加温手段又は暖房手段として空調運転
の時間帯(昼間)に機能するとともに、空調停止時の急
激な室内温度の低下を防止する室内環境維持手段として
蓄熱運転モードの時間帯(夜間)に機能する。従って、
適当なケース放熱作用は、24時間に亘る室内温度環境
の維持又は室内の上下温度差の解消、或いは、毎朝の暖
房運転立上り時における予熱負荷の減少又は予熱時間の
短縮等に寄与する。上記性能試験においては、蓄熱運転
モードにおける総投入熱量は、約7000kcalであり、
放熱運転モードにおける総放熱量は、約5700kcalで
あり、また、有効蓄熱利用率は、全投入熱量に対して約
77%であり、夜間の室温維持又は早朝の室内予熱に関
与した熱量は、全投入熱量の約23%であった。
【0036】図8は、放熱運転モードにおける潜熱蓄熱
装置の蓄熱体表面温度の経時変化を示す線図であり、図
9は、放熱運転モードにおける潜熱蓄熱装置の蓄熱体内
部温度の経時変化を示す線図である。図8及び図9に示
す球形蓄熱体11の表面温度及び内部温度の変化態様
は、図1に示す上段(最上段)、中段(上から3段目)
及び下段(最下段)に夫々位置する各球形蓄熱体11の
表面温度及び内部温度を熱電対及び温度記録計にて計測
した試験結果を示すものである。図8及び図9に示す試
験結果によれば、暖房ユニット1の放熱運転時の自然対
流現象により、下段に位置する球形蓄熱体11が、先行
して放熱し、次いで、中段に位置する球形蓄熱体11の
放熱ピーク状態が後続し、更に、上段に位置する球形蓄
熱体11が放熱ピーク状態に達するものと考えられる。
また、下段の球形蓄熱体11は、放熱開始後の2乃至3
時間程度の間、比較的均一な温度を維持し、中段の球形
蓄熱体11は、放熱開始後の5時間程度の間、比較的均
一な温度を呈し、更に、上段の球形蓄熱体11は、放熱
開始後の8時間程度の間、比較的均一な温度を保持す
る。これは、本発明に係る潜熱蓄熱手段において達成さ
れる特有の現象ないし作用である。例えば、図8及び図
9に示されるように、上段及び中段の各球形蓄熱体11
の蓄熱材は、放熱開始から概ね8時間経過時点におい
て、相変化を実質的に完了し、この結果、8時間経過後
の放熱運転により比較的急激に降温する。
【0037】図10及び図11は、蓄熱運転モードにお
いて上記球形蓄熱体11の表面温度(図10)及び内部
温度(図11)を計測した結果として得られた球形蓄熱
体11の経時温度変化の態様を示す線図である。図10
に示す試験結果は、潜熱蓄熱装置10の上段(最上
段)、中段(上から3段目)及び下段(最下段)に夫々
位置する各球形蓄熱体11の表面温度を熱電対及び温度
記録計にて計測したものであり、図11に示す試験結果
は、図1に示す複数の潜熱蓄熱装置10における左端部
付近の蓄熱体列(左列)、中央部付近の蓄熱体列(中央
列)及び右端部付近の蓄熱体列(右列)について、上段
(最上段)、中段(上から3段目)及び下段(最下段)
に夫々位置する各球形蓄熱体11の内部温度を熱電対及
び温度記録計にて夫々計測したものである。図10及び
図11に示す性能試験において、暖房ユニット1の電気
ヒータ4は、約25時間の時間、暖房ユニット1内の雰
囲気温度が約90℃程度に維持されるように、通電され
た。図10及び図11に示す試験結果によれば、上記球
形蓄熱体11は、蓄熱運転開始後の約4時間の期間に顕
熱を蓄熱し、比較的急激に温度上昇し、概ね55℃付近
に温度上昇した時点において相変化を開始し、比較的緩
慢に昇温しつつ潜熱を蓄熱し始める。即ち、球形蓄熱体
11の温度上昇は、約50乃至60度付近に達した以後
に、比較的小さい温度勾配にて推移し、潜熱蓄熱体11
の潜熱蓄熱作用は、蓄熱運転を開始して約10時間経過
した時点において実質的に完了する。潜熱蓄熱体11の
表面温度は、蓄熱運転開始後に約10時間経過した後、
可変サーモスタットの温度検出値に基づく電気制御ユニ
ット3のオン・オフ制御に従って電気ヒータ4が加熱/
冷却を反復する結果として、比較的短時間の周期にて僅
かな温度上昇及び温度降下を周期的に反復し、脈動す
る。なお、図11に示す試験結果において、10時間経
過後に温度上昇する球形蓄熱体11が観られるが、これ
は、球形蓄熱体11が、約60℃にて潜熱蓄熱を完了し
た後に、顕熱を蓄熱していることによるものと思料され
る。以上の蓄熱試験結果から明らかなとおり、上記暖房
ユニット1は、夜間電力の利用時間帯において、約10
時間の時間内に蓄熱を完了するので、建築設備としての
実際の用途に極めて好適に適応又は適合する。
【0038】図12は、上記暖房ユニット1を含む空調
システムの概略全体構成を示す空調システム構成図であ
る。暖房ユニット1は、外壁Wに配設された窓Gの下方
域において、床基盤F上に配置される。ナイトパージ用
ダクトNPが、暖房ユニット1に隣接して配置され、暖房
ユニット1に連結される。窓Gのサッシ及びガラスとし
て、好ましくは、断熱性能を重視した構造の断熱サッシ
及びペアガラス等が採用される。空調機A/C が室外に配
置され、外気(O.A)取入れダクトD1、排気(E.A)ダクト
D2、室内給気(S.A) ダクトD3及び還気(R.A) ダクトD4
が、空調機A/C に接続される。可変風量式の風量調整ダ
ンパVAV が、室内給気ダクトD3に介装され、空調機A/C
にて処理された空調給気が、天井Cの吹出口(図示せ
ず)を介して、室内給気S.A として室R内に供給され
る。室R内の循環空気は、還気口RTを介して、天井裏プ
レナムチャンバに流出し、還気R.A として還気ダクトD4
に誘引され、空調機A/C に還流する。
【0039】室温センサ(図示せず)が、還気口RTに配
設され、窓Gの室内側表面の温度を検出する放射温度セ
ンサSが、天井Cに配設される。放射温度センサSは、
窓Gのガラス表面温度を検出し、適当な制御手段を介し
て、暖房ユニット1の電気制御ユニット3(図1)にダ
ンパ開閉信号を出力し、電気制御ユニット3は、窓Gの
室内側表面温度の変動に相応して、電動モータユニット
50を作動させ、上位流出ダンパ6及び下位流入ダンパ
7(図1及び図2)を開閉制御する。例えば、放射温度
センサSが所定温度以下のガラス表面温度を検出したと
き、電気制御ユニット3は、上位流出ダンパ6及び下位
流入ダンパ7を開放し、暖房ユニット1は、放熱運転を
開始し、他方、放射温度センサSが所定温度を超えるガ
ラス表面温度を検出したとき、電気制御ユニット3は、
上位流出ダンパ6及び下位流入ダンパ7を閉塞せしめ、
暖房ユニット1は、放熱運転を停止する。
【0040】このような空調システムによれば、窓Gの
室内側表面温度が低下したとき、暖房ユニット1の流出
ダンパ6及び流入ダンパ7が開放し、流入ダンパ7から
暖房ユニット1内に流入した床基盤F近傍の低温空気CA
は、暖房ユニット1の潜熱蓄熱装置10と熱交換しつつ
自然対流にて上昇し、比較的高温の昇温空気HAとして流
出ダンパ6から流出する。流出ダンパ6から流出した暖
気HAは、窓Gの室内側ガラス表面に沿って上昇し、該ガ
ラス表面の温度を上昇させる。従って、窓Gのガラス表
面温度の低下により生じ得る冷輻射現象及びコールドド
ラフト現象は、確実に防止される。電気制御ユニット3
は、所定時間、例えば、22:00から8:00までの
10時間の時間、蓄熱温度制御用可変サーモスタットお
よび過熱防止用固定サーモスタットの制御下に電気ヒー
タ4に通電し、潜熱蓄熱装置10は、比較的安価な夜間
電力を利用して蓄熱する。
【0041】以上説明したとおり、本実施例に係る潜熱
蓄熱型暖房ユニット1は、上位流出ダンパ6及び下位流
入ダンパ7を備えたケーシング2を備え、潜熱蓄熱装置
10及び電気ヒータ4が、ケーシング2の内部蓄熱帯域
に配置される。潜熱蓄熱装置10は、上下方向に整列配
置された複数の球形蓄熱体11と、球形蓄熱体11を支
持する保持具12とを備え、球形蓄熱体11は、所定温
度にて固相/液相の相変化をなす潜熱蓄熱材を内蔵した
蓄熱カプセルからなる。暖房ユニット1は更に、動力伝
達機構を介して流出ダンパ6及び流入ダンパ7を開閉作
動させる電動モータユニット50を備え、電動モータユ
ニット50は、外壁又は窓の室内側表面温度の変動等に
応じて、流出ダンパ6及び流入ダンパ7を開閉制御す
る。
【0042】かかる構成の空調装置によれば、床付近の
冷気は、流出ダンパ6及び流入ダンパ7の開放により、
流入ダンパ7を介して暖房ユニット1のケーシング2内
に誘引され、潜熱蓄熱装置10との熱交換により加温又
は加熱され、自然対流により、暖気又は昇温空気とし
て、流出ダンパ6から上方域に流出し、室内側壁面又は
窓ガラス等の室内側表面に暖気流を形成する。従って、
暖房ユニット1の流出ダンパ7から流出した暖気流によ
り、外壁又は窓の室内側表面が加温されるので、冬期の
コールドドラフト現象又は冷輻射現象を確実に回避する
ことができる。更に、上記暖房ユニット1は、電気ヒー
タの加熱作用により蓄熱する構成を有するので、温水配
管等の通水配管系統をペリメータゾーンに配管せずに施
工し得るとともに、比較的安価な夜間電力を利用して潜
熱蓄熱装置10を加熱し、蓄熱せしめるので、ランニン
グコストの軽減及び電力ピークシフトによる省エネルギ
ー対策を可能にし、実用的に極めて有利である。しか
も、昼間運転時に自然対流方式の放熱手段として機能す
る上記構成の暖房ユニット1によれば、送風気流による
不快感を防止し得るばかりでなく、極めて簡単な構成に
より、送風ファン等の運転騒音の大幅な低減又は実質的
な解消、送風ファン等の動力費、運転管理費及び維持管
理費の軽減、更には、送風ファンの交換/修理等の作業
又は費用の削減を達成し得るので、極めて有益な実用的
効果が得られる。
【0043】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲
内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変
更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、いうまでもない。例えば、上記暖房ユニット1の全
体寸法又は重量は、潜熱蓄熱装置10の全体重量、現場
搬出・搬入の作業性、輸送上の積載効率、或いは、据付
工事の簡素化又は工期短縮等を考慮し、一般に或る程度
制限された適当な全体寸法及び重量に設計される。しか
しながら、図13に示す如く、一対の上記暖房ユニット
1を外壁又は窓等の室内側表面に沿って2連式に直列に
配列するとともに、両暖房ユニット1を制御可能な共用
の電気制御ユニット3を左右の暖房ユニット1の間に配
置し、これにより、暖房ユニットの全長を適当に延長し
得る。好ましくは、左右の暖房ユニット1の架橋する化
粧カバープレート又は連結カバー31が配設され、電気
制御ユニット3、電気ヒータ動力線32、電動モータ動
力線33及び各種制御配線(図示せず)等が、連結カバ
ー31内に配設される。
【0044】また、グループ化した複数の暖房ユニット
1を制御する制御手段として、特定の窓又は壁面領域の
室内側表面温度を検出する放射温度センサにより複数の
暖房ユニット1を集中制御し、或いは、放射温度センサ
を各室単位又は各ゾーン単位に配置し、各室又は各ゾー
ンの複数の暖房ユニット1を各室毎又は各ゾーン毎にグ
ループ制御しても良い。更に、タイマー等の調時手段に
より、上記暖房ユニット1の作動を制御し、或いは、建
築物外界条件、気象条件又は建築物内部の使用形態等に
応じた空調設備の使用態様をシミュレーション化し、シ
ミュレーション化した所定の運転態様に従って、各暖房
ユニット1の作動を制御しても良い。或いは、空調運転
又は昼間運転の時間帯に上記潜熱蓄熱体11を加熱すべ
く上記加熱手段を稼働し、潜熱蓄熱体11を過渡的に加
熱し、上記蓄熱/放熱作用を任意の時間帯に亘って継続
的に維持することも可能である。また、上記上位ダンパ
6及び/又は下位ダンパ7を上記ケーシング2の上下方
向中央領域に配置し、ケーシング2の上部域又は下部域
を制御配線領域等の他の用途に使用しても良い。
【0045】更に、上記実施例においては、潜熱蓄熱装
置10を函型ケーシング2内に収容した構造の暖房ユニ
ット1を例示したが、潜熱蓄熱装置10を収容可能な収
容帯域又は収容領域を建築内装工事材料等の建築材料に
より画成し、潜熱蓄熱装置10を該収容帯域内に配置す
るとともに、蓄熱装置収容帯域を選択的に開閉制御可能
な上位開閉装置及び下位開閉装置を蓄熱装置収容帯域の
隔壁等に配設しても良い。
【0046】
【発明の効果】本発明の上記構成によれば、建築物のペ
リメータゾーンに配設される熱媒体流体配管系の系統数
を削減ないし省略し得るとともに、外壁又は窓等の室内
側表面の所要加温領域全域に亘って所望の加温効果又は
暖気流形成効果を発揮し得る自然対流方式のコールドド
ラフト防止用暖房ユニット及びコールドドラフト防止方
を提供することが可能となる。更に、本発明の上記構
成によれば、夜間電力を熱源として蓄熱するとともに、
昼間の空調運転時に比較的長時間に亘って実質的に均等
に放熱作用を奏し得る自然対流方式のコールドドラフト
防止用暖房ユニット及びコールドドラフト防止方法を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例に係る蓄熱型暖房ユニ
ットの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のI−I線における蓄熱型暖房ユニットの
縦断面図である。
【図3】図1及び図2に示す蓄熱型暖房ユニットの全体
構成を示す平面図である。
【図4】図1及び図2に示す蓄熱型暖房ユニットの全体
構成を示す正面図である。
【図5】図5(A)は、図1に示す蓄熱型暖房ユニット
内に配設された潜熱蓄熱装置の構成を示す斜視図であ
り、図5(B)は、図5(A)のA−A線における横断
面図であり、図5(C)は、図5(B)のB−B線にお
ける縦断面図である。
【図6】図1に示す蓄熱型暖房ユニットにおける各潜熱
蓄熱装置の平面配列を例示する蓄熱型暖房ユニットの部
分横断面図である。
【図7】蓄熱型暖房ユニットの放熱試験の試験結果を示
す線図である。
【図8】放熱運転モードにおける潜熱蓄熱装置の蓄熱体
表面温度の経時変化を示す線図である。
【図9】放熱運転モードにおける潜熱蓄熱装置の蓄熱体
内部温度の経時変化を示す線図である。
【図10】蓄熱運転モードにおける潜熱蓄熱装置の蓄熱
体表面温度の経時変化を示す線図である。
【図11】蓄熱運転モードにおける潜熱蓄熱装置の蓄熱
体内部温度の経時変化を示す線図である。
【図12】蓄熱型暖房ユニットを含む潜熱蓄熱型空調装
置を備えた空調システムの概略全体構成図である。
【図13】2連式に配列された一対の蓄熱型暖房ユニッ
トの連結構造を例示する部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 蓄熱型暖房ユニット 2 函型ケーシング 3 電気制御ユニット 4 電気ヒータ 6 上位流出ダンパ 7 下位流入ダンパ 8 上位流出開口部 9 下位流入開口部 10 潜熱蓄熱装置 11 球形蓄熱体 12 保持具 13 側壁 14 連結壁 15 円形開口部 21 脚部 22、23、24、25 ケーシング構成パネル 41 サンドイッチ基板 42 電気発熱線 50 電動モータユニット 51 上位回転軸 52 下位回転軸 53 動力伝達装置 54、55 レバーアーム 56 リンケージ 57 軸受 59 ブラケット F 床基板 W 外壁 G 窓 S 放射温度センサ
フロントページの続き (72)発明者 大前 芳藏 東京都江東区潮見2−1−22 株式会社 久米設計内 (72)発明者 氏家 純 東京都江東区潮見2−1−22 株式会社 久米設計内 (72)発明者 宇賀田 保男 群馬県高崎市下小鳥町54−7 (72)発明者 阿部 俊朗 埼玉県川口市西川口4−16−20セドルハ イム西川口302 (72)発明者 内田 充 東京都田無市南町6丁目7番17号 クリ フ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−1284(JP,A) 実開 平3−73825(JP,U) 実開 平1−136344(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 102 F24D 15/02 F24H 7/00 F28D 20/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 暖房運転時に空調ペリメータゾーンに生
    じるコールドドラフトを防止する暖気流を形成するコー
    ルドドラフト防止用の暖房ユニットにおいて、 上位流出ダンパ及び下位流入ダンパを備えたケーシング
    と、該ケーシング内に配設された潜熱蓄熱装置及び電気
    加熱手段とを有し、前記潜熱蓄熱装置は、複数の潜熱蓄
    熱体と、該蓄熱体を所定位置に支持する蓄熱体支持手段
    とを備え、各潜熱蓄熱体は、所定温度にて固相又は液相に相変化す
    る潜熱蓄熱材をハウジング内に封入した蓄熱カプセルか
    らなり、前記蓄熱体支持手段は、上下方向に間隔を隔て
    て配置された蓄熱体保持手段を有する垂直保持具からな
    り、前記潜熱蓄熱体は夫々、蓄熱体保持手段に係合し、
    垂直保持具は、各々の潜熱蓄熱体を所定位置に位置決め
    し且つ保持して、前記ケーシング内で上下方向に整列配
    置せしめ、 前記電気加熱手段は、前記潜熱蓄熱体から離間した電気
    加熱式パネルヒータとして構成され、該パネルヒータ
    は、ケーシング内雰囲気を加熱し、ケーシング内の加熱
    雰囲気を介して前記潜熱蓄熱体を間接的に加熱するよう
    に前記ケーシング内に配置され、動力伝達機構を介して前記上位流出ダンパ及び下位流入
    ダンパを開閉制御するダンパ開閉装置を備え、 室内空気を自然対流により前記下位流入ダンパからケー
    シング内に誘引し、自然対流による上昇暖気流を前記上
    位流出ダンパから流出するようにしたことを特徴とする
    コールドドラフト防止用暖房ユニット
  2. 【請求項2】 暖房運転時に空調ペリメータゾーンに生
    じるコールドドラフトを防止する暖気流を形成するコー
    ルドドラフト防止用の暖房ユニットにおいて、 上位流出ダンパ及び下位流入ダンパを備えたケーシング
    と、該ケーシング内に配設された潜熱蓄熱装置及び電気
    加熱手段とを有し、前記潜熱蓄熱装置は、複数の潜熱蓄
    熱体と、該蓄熱体を所定位置に支持する蓄熱体支持手段
    とを備え、各潜熱蓄熱体は、所定温度にて固相又は液相に相変化す
    る潜熱蓄熱材をハウジ ング内に封入した蓄熱カプセルか
    らなり、前記蓄熱体支持手段は、上下方向に間隔を隔て
    て配置された蓄熱体保持手段を有する垂直保持具からな
    り、前記潜熱蓄熱体は夫々、蓄熱体保持手段に係合し、
    垂直保持具は、各々の潜熱蓄熱体を所定位置に位置決め
    し且つ保持して、前記ケーシング内で上下方向に整列配
    置せしめ、 前記電気加熱手段は、前記潜熱蓄熱体から離間してお
    り、ケーシング内雰囲気を加熱し、ケーシング内の加熱
    雰囲気を介して前記潜熱蓄熱体を間接的に加熱するよう
    に前記ケーシング内に配置され、動力伝達機構を介して前記上位流出ダンパ及び下位流入
    ダンパを同時に開閉作動するダンパ開閉装置を備え、該
    ダンパ開閉装置は、前記上位流出ダンパ及び下位流入ダ
    ンパを開閉作動させる電動モータユニットを有し、 前記上位流出ダンパは、第1回転軸に一体的に支持さ
    れ、前記下位流入ダンパは、第2回転軸に一体的に支持
    され、前記第2回転軸は、前記第1回転軸に対して動力
    伝達手段を介して同期作動可能に連結され、第1回転軸
    と連動し、上下のダンパは、電動モータユニットの作動
    より同時に開放し且つ同時に閉鎖し、 室内空気を自然対流により前記下位流入ダンパからケー
    シング内に誘引し、自然対流による上昇暖気流を前記上
    位流出ダンパから流出するようにしたことを特徴とする
    コールドドラフト防止用暖房ユニット
  3. 【請求項3】 前記潜熱蓄熱材は、40℃乃至70℃の
    範囲内の所定の温度にて固相又は液相に相変化し、前記
    潜熱蓄熱体のハウジングは、球形のプラスチック製又は
    合成樹脂製ハウジングからなることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のコールドドラフト防止用暖房ユニッ
  4. 【請求項4】 前記蓄熱体保持手段は、前記球形ハウジ
    ングの外形輪郭部分を部分的に収容可能な円形開口部か
    らなり、該円形開口部の上下方向の中心間隔は、前記蓄
    熱体の中心間隔と実質的に一致することを特徴とする請
    求項3に記載のコールドドラフト防止用暖房ユニット
  5. 【請求項5】 空調機の空調給気を室内に供給し、室内
    循環空気を前記空調機に還流する空調設備において、 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコールドドラフ
    ト防止用暖房ユニット を有し、該暖房ユニットは、外壁
    窓の下方の床基盤上に配置され 、 室内の壁面及び/又は窓面の表面温度を検出する温度検
    出手段が設けられ、 前記ダンパ開閉装置は、外壁又は窓の室内側表面温度の
    変動に応じて、前記流出ダンパ及び流入ダンパを開閉制
    御し、床付近の冷気を暖気として前記流出ダンパから上
    方に流出し、外壁の室内側壁面又は窓ガラスの室内側表
    面に暖気流を形成する ことを特徴とする空調設備。
  6. 【請求項6】 前記暖房ユニットを外壁又は窓等の室内
    側表面に沿って直列に配列するとともに、一対の暖房ユ
    ニットを制御可能な共用の電気制御ユニットを暖房ユニ
    ットの間に配置したことを特徴とする請求項5に記載の
    空調設備。
  7. 【請求項7】 特定の窓又は壁面領域の室内側表面温度
    を検出し、複数の暖房ユニットを集中制御する制御手段
    を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の潜熱
    蓄熱型空調設備。
  8. 【請求項8】 空調機の空調給気を室内に供給し、室内
    循環空気を前記空調機に還流する空調設備を備えた室に
    用いられるコールドドラフト防止方法であって、 蓄熱帯域を建築物の空調ペリメータゾーンに画成し、所
    定温度にて固相又は液相に相変化する潜熱蓄熱材を封入
    した複数の球形蓄熱体を前記蓄熱帯域に収容するととも
    に、上下方向に間隔を隔てて配置された蓄熱体保持手段
    により前記蓄熱体を上下方向に整列配置し 、 該蓄熱帯域を実質的に閉塞し蓄熱帯域を加熱し、蓄熱
    帯域内の加熱雰囲気を介して前記潜熱蓄熱体を間接的に
    加熱し、蓄熱帯域内の前記潜熱蓄熱体に潜熱を蓄熱し、 その後、室内空気の自然対流気流が少なくとも前記潜熱
    蓄熱体の近傍を通過し得るように前記蓄熱帯域を開放
    し、該蓄熱帯域を貫通する上昇気流を前記潜熱蓄熱体と
    前記室内空気との熱交換により形成し、 前記蓄熱帯域の下方域の室内空気を自然対流気流により
    該蓄熱帯域内に誘引するとともに、前記上昇気流を前記
    蓄熱帯域の上方に流出せしめ、自然対流による上昇暖気
    流を前記蓄熱帯域の上方域に形成して、外壁の室内側壁
    面又は窓の室内側表面に暖気流を形成し、 室内の壁面及び/又は窓面の表面温度を検出して該表面
    温度に基づいて前記蓄熱帯域の閉塞及び開放を選択的に
    制御し、暖房運転時に空調ペリメータゾーンに生じるコ
    ールドドラフトを防止する ことを特徴とするコールドド
    ラフト防止方法
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