JP3382416B2 - 表面処理されたインクジェット記録ヘッド - Google Patents

表面処理されたインクジェット記録ヘッド

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般にインクと呼ばれ
る記録液を微細口から小滴として吐出、飛翔させ、この
小滴の被記録面への付着をもって記録を行うインクジェ
ット記録ヘッド、特にインク吐出口の周縁に改良を加え
るインクジェット記録ヘッドの表面処理剤および表面処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録ヘッドの吐出口周縁
部は一般に撥水性になっていることが吐出安定性に良い
ことのために必要である。また、周縁部は使用状態にお
いて常に空気中の塵、ごみ等によってまた、紙等の被記
録材によって擦れ、傷を受け易い環境に置かれる。この
ため、周縁部には撥水性を有し、なおかつ、ある程度の
耐摩耗性を有する材料を塗布する処理がなされている。
従来、適用されている。撥水剤および、塗布する方法と
して次のようなものが挙げられる。
【0003】1.紫外線硬化型の撥水材料を塗布後、紫
外線および、熱で硬化させる。
【0004】2.撥水性有機ポリマーを溶媒に溶かし、
塗布後熱で溶媒を乾燥させ密着させる。
【0005】3.撥水性を有する金属(例えば金)を鍍
金によって周縁部にコートする。
【0006】4.ニッケル鍍金液等に撥水性粒子(例え
ばテフロン)を分散させ共析鍍金によって周縁部にコー
トする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来から行われている
表面処理剤および表面処理方法には次のような問題点が
ある。
【0008】上記の1.の方法では一般に撥水性の高い
材料を選択できるが耐摩耗性に乏しい。
【0009】上記の2.の方法では特に撥水性の高い材
料を選択できるが、耐摩耗性が充分とは言えず、更にコ
ーティングが難しい。
【0010】上記の3.の方法では耐摩耗性が充分だ
が、撥水性の高い材料を選択できない。
【0011】上記の4.の方法は上記方法の中で総合的
に優れた方法だが、吐出口周縁部の基材が鍍金可能な物
に限られてしまう。
【0012】また発明者らは、本発明に至るまでに以下
の主樹脂からなる表面処理剤5と6も検討した。
【0013】5.主剤がFEVE(fluoroeth
ylene vinylether)樹脂、硬化剤はイ
ソシアネートの組み合わせ。
【0014】6.フッ化ビニリデンターポリマーの特殊
アクリル変性物 しかしながら、5.および6.は撥水性は高いが、5.
の2液タイプは耐摩耗性に乏しい。6.も同様に耐摩耗
性に乏しく、インク浸せき後インクに濡れやすくなり、
いずれの従来技術によっても前記の課題は解決されなか
った。
【0015】すなわち本発明の目的は、撥水性、耐摩耗
性に優れ、吐出口面に簡単に形成可能である表面処理層
を有するインクジェット記録ヘッドを提供することであ
る。
【0016】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて、優れた効果をもたらすものである。
【0017】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0018】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0019】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0020】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
においても本発明は有効である。
【0021】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0022】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0023】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0024】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0025】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0026】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、インク液状とし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明では適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0027】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採る
ものであってもよい。
【0028】
【課題を解決するための手段】目的を達成する手段は、
インク吐出口周縁部に表面処理するインクジェット記録
ヘッドの表面処理剤として、少なくともFEVE樹脂と
ブロックイソシアネートを含んでなる処理剤を用いるこ
とである。
【0029】本発明の表面処理剤は、上述の2成分を必
須として1液で構成することができ、また必要に応じて
溶剤、触媒、顔料を添加することができる。
【0030】FEVE樹脂はフロロエチレンとビニルエ
ーテルの交互共重合体であり、その構造式の一例を次に
示す。
【0031】
【化1】 ブロックイソシアネートとは、イソシアネートを活性水
素化合物と反応させて常温で不活性としたものである。
本発明においてはイソシアネートは、高温で揮発性の少
ないポリイソシアネートプレポリマーの形で用いる。本
発明に用いることのできるイソシアネートには、芳香族
イソシアネートとしてTDI(トリレンジイソシアネー
ト)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、
脂環族ではIPDI(イソホロンジイソシアネート)、
脂肪族イソシアネートではHDI(ヘキサメチレンジイ
ソシアネート)等がある。イソシアネートと付加反応す
る活性水素化合物としてはフェノール類、オキシム、ラ
クタム、アルコール類等を用いることができる。
【0032】触媒としては1,3−ジアセトキシテトラ
ブチルスタノキサンやジブチル錫ジラウレート等の錫系
化合物およびN−メチルモルホリン等の3級アミン等を
用いることができる。
【0033】溶剤としては、汎用の溶剤を用いることが
できるが、使用するなら被印刷材を侵さないものを選択
する必要がある。使用できる有機溶剤として例示すれ
ば、トルエン、キシレン、等の炭化水素系溶剤、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イ
ソホロン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、
ブタノール、等のアルコール系溶剤等が代表的なものと
して挙げられる。
【0034】使用できる顔料としては、酸化チタン、ア
ルミナ等を示すことができる。
【0035】
【作用】上記の2.で従来技術としてあげた撥水性有機
ポリマーは、分子量が比較的高いので成膜性がよいが、
印刷性に劣るのに対して、本発明によるFEVE樹脂と
ブロックイソシアネートの2成分を含む処理剤は室温で
は未架橋の低分子量の状態なので印刷性に優れ、1液で
用いることができるので作業性に優れる。印刷後は低温
加熱によりブロックイソシアネートが解離してイソシア
ネート基が生成し、それがFEVE樹脂中のヒドロキシ
基と反応する。前記5.の2液タイプは常温硬化性であ
るが、本発明による材料は熱硬化により架橋密度が高く
なり、耐摩耗性に優れる皮膜が形成される。更にFEV
E樹脂がフッ素を含むので表面自由エネルギーが低く撥
水性がある。またフルオロエチレンとビニルエーテルが
交互に配列した構造をもつために、化学的に不安定な炭
化水素系ビニルエーテル単位を電子的にも、立体化学的
にも保護することにより耐インク性がある。またFEV
E樹脂中にヒドロキシ基、カルボキシル基があるので基
材としての密着性にも優れる。
【0036】
【実施例】
実施例1 FEVE樹脂としてルミフロンLF−200C(旭硝子
社製)100部、ブロックイソシアネートとしてはイソ
シアン酸エステルであるデスモジュールBL4165
(バイエル社製)16.8部、触媒としては1.3−ジ
アセトキシテトラブチルスタノキサン3.5×10E−
4部、溶媒としてキシレン25部、メチルイソブチルケ
トン75部から構成される表面処理剤を調製し、キヤノ
ンBJプリンターのBJカートリッジBC−01のヘッ
ドのノズルの吐出口周縁部のウレタン発泡体を使用して
塗布を行い、160℃20分硬化した。最後にエキシマ
レーザーにて吐出口を開口してインクジェットノズルを
完成した。次にインクを充填したインクタンクと前記ヘ
ッドを接合しインクジェット記録ヘッドを完成した。用
いたFEVE樹脂はフルオロエチレン単位におけるXは
F原子、Cl原子またはCF3 基であり、ビニルエーテ
ル単位におけるR1 ないしR4 はそれぞれR 1 ,R2
アルキル基、R3 ,R4 はアルキレン基であり、ブロッ
クイソシアネートはIPDIイソシアヌレート体であり
用いたブロック剤はメチルエチルケトンオキシムであ
る。
【0037】実施例2 FEVE樹脂としてルミフロンLF−200C(旭硝子
社製)100部、ブロックイソシアネートとしてはイソ
シアン酸エステルであるデスモジュールAPステープル
(バイエル社製)16.8部、触媒としては1,3−ジ
アセトキシテトラブチルスタノキサン3.5×10E−
4部、溶媒としてキシレン25部、メチルイソブチルケ
トン75部から構成される表面処理剤を調製し、キヤノ
ンBJプリンタ−BJ880のインクジェット記録ヘッ
ドのノズル吐出口周縁部に転写にて印刷し、160℃2
0分硬化しインクジェット記録ヘッドを完成した。
【0038】用いたFEVE樹脂はフルオロエチレン単
位におけるXはF原子、Cl原子またはCF3 基であ
り、ビニルエーテル単位におけるR1 ないしR4 はそれ
ぞれR 1 ,R2 はアルキル基、R3 ,R4 はアルキレン
基であり、ブロックイソシアネートはトリメチロールプ
ロパン1モルとTDI3モルの反応物であるデスモジュ
ールLの1モルを更に3モルのフェノールと反応させて
得たものである。
【0039】実施例3 FEVE樹脂としてルミフロンLF−400C(旭硝子
社製)100部、ブロックイソシアネートとしてはイソ
シアン酸エステルであるミリオネートAP(保土ケ谷化
学社製)16.8部、触媒としてN−メチルモルホリン
3.5×10E−4部、溶媒としてキシレン25部、メ
チルイソブチルケトン75部から構成される表面処理剤
を調製し、キヤノンBJプリンタ−BJ880のインク
ジェット記録ヘッドのノズルの吐出口周縁部に転写して
印刷し、160℃20分硬化しインクジェット記録ヘッ
ドを完成した。
【0040】用いたFEVE樹脂はフルオロエチレン単
位におけるXはF原子、Cl原子またはCF3 基であ
り、ビニルエーテル単位におけるR1 ないしR4 はそれ
ぞれR 1 ,R2 はアルキル基、R3 ,R4 はアルキレン
基であり、ブロックイソシアネートは化学的には実施例
2で用いたものと同じものである。
【0041】比較例1 パーフロロシクロポリマーとしてサイトップCTL−8
07M(旭硝子社製)をキヤノンBJプリンターのBJ
カートリッジBC−01のヘッドの吐出口周縁部に、ウ
レタン発泡体を使用して塗布を行い、150℃1時間乾
燥した。最後にエキシマレーザーにて吐出口を開口して
インクジェットノズルを完成した。次にインクを充填し
たインクタンクと前記ヘッドを接合しBJカートリッジ
を完成した。フッ素を含む樹脂を用いたが請求項に定義
するものとは異なるものであり、ブロックイシソシアネ
ートも用いない比較例である。
【0042】比較例2 フッ化ビニリデンターポリマーの特殊アクリル変性物と
してフローレンC1−25(日本合成ゴム社製)を、キ
ヤノンBJプリンターBJ880のインクジェット記録
ヘッドのノズルの吐出口周縁部に転写にて印刷し、常温
にて3日間乾燥しインクジェット記録ヘッドを完成し
た。
【0043】類似の化学物質ではあっても請求項に定義
したものとは異なるものを用いた例である。
【0044】比較例3 FEVE樹脂としてルミフロンLF−200C(旭硝子
社製)を100部、イソシアネートとしてはミリオネー
トT−80(保土ケ谷化学社製)9.3部、触媒として
はジブチルチンジラウレート3.5×10E−4部、溶
媒としてキシレン25部、メチルイソブチルケトン75
部から構成される表面処理剤を調製し、キヤノンBJプ
リンターBJ880のインクジェット記録ヘッドのノズ
ルの吐出口周縁部に転写にて印刷し、常温にて3日間硬
化しインクジェット記録ヘッドを完成した。
【0045】FEVE樹脂を用いたがイソシアネート化
合物の方がブロックイソシアネートではないTDI(ト
リレンジイソシアネート)それ自体を用いた比較例であ
る。次に前記材料を用いてテストピースを作成し評価を
行った。評価方法は次の通りである。
【0046】耐摩耗性評価…塗膜用鉛筆引っ掻き試験
(UESHIMA製)により、鉛筆硬度を測定した。
【0047】耐インク性評価…初期とインク浸せき後の
テストピースに対して以下の評価を行った。
【0048】1.接触角測定 接触角計(協和界面科学社製)により、前進接触角θa
および後退接触角θRを測定した。
【0049】2.インク付着テスト インク付着テストは下記の基準で評価した。
【0050】無:インクはほとんどなく微少滴が付着す
る程度。
【0051】小:玉状のインク滴が付着する。
【0052】中:一部分に集まってインクが付着する。
【0053】大:インクが全面付着。
【0054】3.浸せき後の外観変化は目視にて観察し
た。
【0055】なおインクはキヤノンBJカートリッジB
C−01のインクを用いた。
【0056】インクの浸せきは、60℃にて1、2そし
て3カ月後に取り出して評価した。
【0057】表1にテストピース評価結果を示す。
【0058】
【表1】 上述テストピース評価結果より実施例1から3に記載し
たFEVE樹脂とブロックイソシアネートからなるもの
は、硬度ならびに接触角が高く、浸せき後も剥れが発生
せず、結果が良好であった。しかしながら比較例1に示
すパーフロロシクロポリマーは接触角が特に高いが、浸
せき後剥れが発生した。比較例2に示すPVDFターポ
リマーの特殊アクリル変性物は浸せき後、接触角が低下
した。比較例3に示す主剤FEVE樹脂、硬化剤イソシ
アネートの2液タイプは硬度が低く、浸せき後剥れが発
生した。
【0059】次に実施例1.に記載したBJカートリッ
ジBC−01をキヤノンBJプリンターBJ−15Vに
搭載し、連続印字による印字品位評価を行ったが、品位
劣化は観察されなかった。実施例2.および3.に記載
したヘッドはキヤノンBJプリンターBJ−880に搭
載し、連続印字による印字品位評価を行ったが、品位劣
化は観察されなかった。
【0060】なお上記実施例においては、シリアルタイ
プのヘッドを作成したが、記録媒体の記録領域の全幅に
わたって吐出口が複数設けられているフルラインタイプ
のものについても本発明は適用可能である。あるいは単
色用のヘッドのみならず多色用の吐出口が一体成形され
たものについても本発明は適用可能である。また、上述
実施例ではエネルギー発生素子に電気熱変換素子を用い
た例を示したが、それ以外のエネルギー発生素子を有す
るインクジェットヘッドにも本発明は有効である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように1液で作業性に優
れ、低温硬化可能で、印刷性に優れる本発明の表面処理
剤を用いることで、外因による傷を受け難い、長時間吐
出安定性に優れるインクジェット記録ヘッドを簡単に形
成できるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−155748(JP,A) 特開 平6−210859(JP,A) 特開 平6−322053(JP,A) 特開 平6−316869(JP,A) 特開 平7−137284(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/135

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出口の周縁部が表面処理された
    インクジェット記録ヘッドにおいて、そのインクジェッ
    ト記録ヘッドは少なくともフロロエチレンビニルエーテ
    ル樹脂とブロックイソシアネートを含んでなる処理剤で
    処理されていることを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 前記ブロックイソシアネートがイソシア
    ネートと活性水素化合物とを反応させて常温で不活性と
    したものである請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 イソシアネートがトリレンイソシアネー
    トまたはイソホロンジイソシアネートのいずれかの少な
    くとも一つであり、活性水素化合物がフェノールまたは
    メチルエチルケトンオキシムの少なくとも一つであるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 インクジェット記録ヘッドのエネルギー
    発生素子が、電気エネルギーを与えることによって発熱
    しインクに状態変化を生ぜしめて吐出を行わせるための
    電気熱変換体である請求項1に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  5. 【請求項5】 インクジェット記録ヘッドは、記録媒体
    の記録領域の全幅にわたって吐出口が複数設けられてい
    るフルラインタイプのものであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 インクジェット記録ヘッドが多色用の吐
    出口が一体成形されたものであることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
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