JP3381226B2 - 排ガス中の二酸化炭素除去方法 - Google Patents
排ガス中の二酸化炭素除去方法Info
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- Y02C20/40—Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
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Description
船舶の排気ガスなどの排ガス中に含まれる二酸化炭素を
効率よく除去する方法に関するものである。さらに詳し
くいえば、本発明は特殊な方法により製造される高活性
酸化カルシウム多孔質粒子を用いて排ガス中に含まれる
二酸化炭素を迅速かつ高い除去率をもって除去する方法
に関するものである。
焼や各種廃棄物の焼却処理の際に発生する二酸化炭素に
よる地球温暖化が生物環境破壊の元兇として社会的な問
題となっている。
する方法が検討され、これまでゼオライトのような吸着
材を用いた物理的吸着法、アミン系吸収剤溶液による化
学的吸収法、高分子膜を用いる膜分離法などの多数の方
法が知られている。
が低い、使用材料の価格が高い、大規模の設備を必要と
するなど、多くの問題点があり、まだ実用には至ってい
ない。
化カルシウムに接触させると炭酸カルシウムを生成し、
二酸化炭素が消費されることは公知である。したがっ
て、排ガスを酸化カルシウムに接触させて、その中の二
酸化炭素を除去することも考えられるが、これまで得ら
れている通常の酸化カルシウムは比表面積が小さく、吸
収能力が低い上に、二酸化炭素と接触させた場合の除去
率が短時間で急速に低下するため、二酸化炭素吸収剤と
しては不適当である。また水酸化カルシウムの微細粉末
を原料として用い、これを真空下300〜390℃の温
度で焼成して110〜133m2/gという大きい比表
面積の酸化カルシウム粉末を製造した例も知られている
が[「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・セラミック
・ソサエティ(J.Am.Ceramic So
c.)」、第64巻、第2号、第74〜80ページ]、
この方法により得られる粉末は、通常のものに比べ高活
性ではあるとしても、粒径1〜10μmと微細なもので
あるため、取り扱いにくく、実用性はない。
所から発生する排ガスや自動車や船舶のエンジンからの
排気ガスの中に含まれる二酸化炭素を、手軽な処理で、
しかも効率よく除去するための方法を提供することを目
的としてなされたものである。
素との反応性の高い固体アルカリ物質を開発するため
に、種々研究を重ね、先に少なくとも5m2/gの比表
面積及び少なくとも1mmの粒径をもつ水酸化カルシウ
ム又は炭酸カルシウムの造粒体を焼成することにより、
高活性酸化カルシウム多孔質体を得ることに成功したが
(特開平7−149580号公報)、このようにして得
た高活性酸化カルシウム多孔質体を吸収剤として用い、
これを特定の条件下で排ガスに接触させると、効率よく
その中に含まれている二酸化炭素を除去しうることを見
出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
スを、酸化カルシウム粒子に接触させて排ガス中の二酸
化炭素を除去させるに当り、該酸化カルシウム粒子とし
て、粒径300μm以下の水酸化カルシウム粉末を粒径
1〜10mmの顆粒に造粒し、この造粒体を常圧下、3
90〜480℃の間を少なくとも5分間かけて昇温後、
さらに加熱して焼成することによって得られる比表面積
5〜60m2/g、粒径1〜10mmの高活性酸化カル
シウム多孔質粒子を用い、接触温度400〜700℃に
おいて、かつ高活性酸化カルシウム多孔質粒子1キログ
ラム当り毎分8〜20リットルの割合で排ガスを接触さ
せることを特徴とする排ガス中の二酸化炭素除去方法、
及びこの際高活性酸化カルシウム多孔質粒子中の酸化カ
ルシウムのモル量Lと全処理時間中の排ガスに含まれる
二酸化炭素のモル量Kとの比R=K/Lが0.5以下に
なるように、排ガス供給量、高活性酸化カルシウム多孔
質粒子量及び接触時間を制御して行う方法を提供するも
のである。
う、通常の酸化カルシウム粉末よりもはるかに大きい比
表面積をもち、しかも1〜10mmという、公知の高活
性酸化カルシウム粉末よりもはるかに大きい粒径をもつ
高活性酸化カルシウム多孔質粒子を用いることが必要で
ある。
子は、粒径300μm以下の水酸化カルシウム粉末を粒
径1〜10mmの顆粒に造粒し、この造粒体を常圧下加
熱し、390〜480℃の間を少なくとも5分間かけて
昇温させて焼成するか、あるいは粒径300μm以下の
水酸化カルシウム粉末を粒径1〜10mmの顆粒に造粒
し、この造粒体を常圧下加熱し、390〜480℃の間
を少なくとも5分間かけて昇温させたのち、さらに48
0〜950℃の範囲内の任意の温度において、焼成する
ことにより製造することができる。
ウムは、市販水酸化カルシウム(消石灰)をそのまま用
いてもよいし、市販酸化カルシウム(生石灰)の水和生
成物を用いることもできるが、不純分が混入すると得ら
れる酸化カルシウムの活性度が低下するので、できるだ
け純度の高いものを用いるのが好ましい。この水酸化カ
ルシウムは、平均粒径10〜300μmの粉末として用
いられる。
れに水を加えて混練りし、慣用の造粒機を用いて直径1
〜10mm、好ましくは直径3〜6mmの球状、あるい
は直径3〜6mm、長さ3〜6mm程度の円柱状顆粒に
成形することによって行われる。この際添加する水分の
量としては、水酸化カルシウムの重量に基づき5〜25
重量%の範囲が適当である。この造粒に際しては、保形
性を向上させるために、所望に応じ有機バインダーを添
加することもできる。この有機バインダーとしては、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアル
コールなどの水溶性高分子物質が用いられる。この有機
バインダーの添加量は、水酸化カルシウムの重量当り
0.5〜5%の範囲が適当である。
ば電気炉を用いて焼成されるが、この焼成条件として
は、水酸化カルシウムの場合、390〜480℃の範囲
の間を少なくとも5分間かけて昇温させることが必要で
ある。これ以外の条件で焼成した場合、比表面積5m2
/g以上の高活性のものを得ることができない。
の範囲が好ましく、480℃に達したならば、できるだ
け早く加熱を停止するのが好ましい。細孔分布スペクト
ルを測定すると、この時点において、0.02〜0.2
μm付近でピークが認められる。
はかるために、さらに昇温を続行させることが必要にな
るが、この場合は950℃を超えない温度で、しかもC
O2反応率が40%未満にならないように注意して行わ
なければならない。これは例えば一定時間経過ごとにサ
ンプルを抜き出し、そのサンプルについてCO2反応率
を測定することによって行われる。
0%以下に低下した状態になると、いったん得られた高
活性酸化カルシウムの凝結が起って、活性度が低下しは
じめ、時間が増加するとともに、この傾向は著しくな
る。
めCO2濃度が知られているCO2とN2との混合ガス
を、20℃において1分間接触させ、接触前後のCO2
濃度の差を接触前のCO2濃度で除し、100を乗じた
ものとして定義される。
のような低温で分解する還元剤を添加することにより、
焼成時間を短縮することができる。
り、活性度を所望の程度に調整された酸化カルシウムを
得ることができる。
/g以上、好ましくは10〜50m2/gの高活性をも
つ酸化カルシウム多孔質体が、径1〜10mm、好まし
くは3〜6mmの粒状体として得られる。
ロームの細孔を有する多孔質体で、そのかさ比重は0.
7〜0.8程度である。
ガスを接触させるには、この粒子を円筒状処理管に充て
んし、その上下を網状物又はグラスウールなどで保持し
て構成した装置に、排ガスを通過させる。この際、粒子
の充てん部分を、適当な加熱手段例えば電熱、赤外線照
射、高周波加熱などにより加熱して粒子を400〜70
0℃、好ましくは500〜650℃の温度に保つことが
必要である。この温度が400℃よりも低いと、酸化カ
ルシウムと二酸化炭素の反応が不十分で、二酸化炭素の
除去率が低くなる。この二酸化炭素の除去率は400〜
600℃の間で上昇し、600℃を超えるとしだいに低
下しはじめ、700℃を超えると急激に低下する。これ
は、いったん生成した炭酸カルシウムが脱炭酸し、再び
二酸化炭素を放出するためと思われる。
質体1キログラム当り、毎分8〜20リットルの割合で
排ガスを接触させることが必要である。これよりも接触
する量が多くなると、初期における除去率は高くても、
経時的に急速な減少を生じ、約2時間で当初の1/3以
下になる。また、これよりも接触量が少ない場合は、除
去率の低下は少ないが処理速度が遅くなり実用的でな
い。
化カルシウム多孔質体を構成する酸化カルシウムの量と
これにより処理される排ガス中に存在する二酸化炭素の
全量とが特定の割合になるような条件で行うのが好まし
い。
中の二酸化炭素の全モル数をK、酸化カルシウムの充て
んモル数をLとしたとき、両者のモル比R=K/Lが
0.5以下になるように、排ガス流量、酸化カルシウム
量及び処理時間を制御することにより、90%以上の除
去率を保つことができる。例えば自動車の排気ガス中に
は、0.7〜15%の二酸化炭素が含まれているが、本
発明方法によると、90%以上の除去率でこの排気ガス
から二酸化炭素を除去することができる。
ハロゲン、窒素酸化物、硫黄酸化物などの酸性物質が含
有されている場合、これらも同時に除去することができ
る。
明する。なお、各例におけるCO2反応率及び比表面積
は、以下のようにして求めたものである。
器に装入し、温度20℃において100ml/分の割合
でCO2ガスとN2ガスとの混合物を通過させ、試料と接
触する前後における混合物中のCO2濃度をJIS R
6124燃焼容量法により測定し、得られた結果より次
式にしたがって計算した。
アイオニクス社製)を用いて、BET庶点法により測定
したのち、得られた測定値を2倍して1g当りの表面積
とした。
業(株)製、工業用消石灰、純度95.9%]に水25
重量%を加え、ディスクペレター[(株)不二パウダル
製]を用いて直径3mm、長さ3〜4mmの顆粒に造粒
し、この造粒体を電気炉に入れて、昇温速度10℃/分
で700℃まで加熱し、次いで温度を900℃まで上げ
て1時間焼成した。このようにしてCaOを主成分とす
る比表面積9.0m2/g、CO2反応率94.0%、か
さ比重0.7の白色多孔質体を得た。
石英管のほぼ中央部50mmにわたって、参考例で得た
高活性酸化カルシウム多孔質体5gを充てんし、その両
側に厚さ15mmの石英ガラスウール層を設けて固定
し、反応管とした。
方の口からCO2含有量10%の排ガスを、多孔質体1
g当り毎分20mlの割合で供給し、200〜800℃
におけるCO2除去率を測定した。その結果を表1に示
す。
700℃においてCO 2 除去率が向上する。
を保ち、排ガスの供給速度を、多孔質体1g当り毎分
(C)15ml又は(D)25mlに定め、それぞれの
CO 2 除去率の経時的変化を調べた。その結果を表2に
示す。
分15ml、すなわち1キログラム当り15リットルの
割合で排ガスを接触させると、CO 2 除去率はほとんど
変化しないが、1g当り25mlすなわち1キログラム
当り25リットルに高めるとCO 2 除去率は時間経過と
ともに著しく低下する。
量及び排ガスの供給速度を変えることにより、多孔質体
中の酸化カルシウムの量Kモルと排ガス中の二酸化炭素
の全供給量Lモルとの比R=K/Lを0.1〜1.0の
範囲内で変化させて、それぞれのCO2除去率を求め
た。その結果を表3に示す。
2 除去率を90%以上に保つことができる。
式接触法により、排ガス中の二酸化炭素を長時間にわた
って効率よく除去することができるとともに、ハロゲ
ン、窒素酸化物、硫黄酸化物も除去しうるので、工場や
発電所からの燃焼ガスや自動車、船舶のエンジンからの
排気ガスの浄化に好適に利用することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 二酸化炭素含有排ガスを、酸化カルシウ
ム粒子に接触させて排ガス中の二酸化炭素を除去させる
に当り、該酸化カルシウム粒子として、粒径300μm
以下の水酸化カルシウム粉末を粒径1〜10mmの顆粒
に造粒し、この造粒体を常圧下、390〜480℃の間
を少なくとも5分間かけて昇温後、さらに加熱して焼成
することによって得られる比表面積5〜60m2/g、
粒径1〜10mmの高活性酸化カルシウム多孔質粒子を
用い、接触温度400〜700℃において、かつ高活性
酸化カルシウム多孔質粒子1キログラム当り毎分8〜2
0リットルの割合で排ガスを接触させることを特徴とす
る排ガス中の二酸化炭素除去方法。 - 【請求項2】 高活性酸化カルシウム多孔質粒子中の酸
化カルシウムのモル量Lと全処理時間中の排ガスに含ま
れる二酸化炭素のモル量Kとの比R=K/Lが0.5以
下になるように、排ガス供給量、高活性酸化カルシウム
多孔質粒子量及び接触時間を制御して行う請求項1記載
の方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28846793A JP3381226B2 (ja) | 1993-11-17 | 1993-11-17 | 排ガス中の二酸化炭素除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28846793A JP3381226B2 (ja) | 1993-11-17 | 1993-11-17 | 排ガス中の二酸化炭素除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07136457A JPH07136457A (ja) | 1995-05-30 |
JP3381226B2 true JP3381226B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=17730591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP28846793A Expired - Lifetime JP3381226B2 (ja) | 1993-11-17 | 1993-11-17 | 排ガス中の二酸化炭素除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
US7198768B2 (en) * | 2004-06-16 | 2007-04-03 | Corning Incorporated | Anti-degradation mechanisms for protecting aminated surfaces |
JP2006102696A (ja) * | 2004-10-07 | 2006-04-20 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 二酸化炭素回収方法 |
JP5958889B2 (ja) * | 2008-01-10 | 2016-08-02 | 保範 三浦 | 二酸化炭素中の炭素を固定化する方法 |
JP6031645B2 (ja) * | 2012-03-30 | 2016-11-24 | 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 | 脱硫剤、脱硫方法及び脱硫剤の製造方法 |
-
1993
- 1993-11-17 JP JP28846793A patent/JP3381226B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07136457A (ja) | 1995-05-30 |
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