JP2006102696A - 二酸化炭素回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、CO吸収特性の高いカルシウム含有化合物に効果的に吸収させて、炭酸カルシウムにして効率よく二酸化炭素を回収する方法を提供する。
【解決手段】 燃焼排ガス中の二酸化炭素をCO吸収特性の高いカルシウム含有化合物で効果的に吸収させて炭酸カルシウムとして効率よく回収する方法であって、CaOを水又は水蒸気と反応させて得られたCa(OH)を更に加熱脱水して生成したCOを、30気圧未満、室温〜800℃の条件下にある燃焼排ガス中の二酸化炭素と共存させて炭酸カルシウムにして二酸化炭素を回収する。また、前記燃焼排ガス中から取り出したCaCOを分解してCaOを生成し、該CaOを水又は水蒸気と反応させてCa(OH)に変え、該Ca(OH)を更に加熱脱水してCaOに変え、この得られたCaOを再び前記燃焼排ガス中に戻す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃焼排ガス中の二酸化炭素回収方法に関し、更に詳しくは、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、CO吸収特性の高いカルシウム含有化合物に効果的に吸収させて、炭酸カルシウムにして二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収方法に関する。
従来、二酸化炭素吸収物質(以下CO吸収物質という)の共存下で、石炭、石油、プラスチック又はバイオマス等の有機物を水蒸気と反応させガス化して生成する二酸化炭素を固定して水素を製造する方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
この特許文献1,2では、220気圧以上、600〜900℃の条件で、生成する二酸化炭素をCO吸収物質に効果的に固定することができることが見出されている。
更に、220気圧未満、600〜900℃の条件でも、生成する二酸化炭素をCO吸収物質に固定できることが見出されている(特許文献3,4参照)。
また、出発物質としてバイオマス又はバイオマスを含む廃材を用い、水蒸気によりガス化する場合、30気圧未満、500〜800℃の条件で、生成する二酸化炭素をほとんどCO吸収物質に固定できることが見出されている(特許文献5,6参照)。
また、水蒸気が反応系に存在し、且つCO吸収物質の出発物質がCaOである場合、30気圧以上、600〜900℃の条件であれば、常にCa(OH)を経てから二酸化炭素を吸収し最終的にCaCOになることが見出されている(特許文献4参照)。
また、この特許文献4では、その後のCO吸収物質の再生(熱分解によるCOの脱離)とCO吸収を繰り返しても、このCO吸収物質は高いCO吸収特性を保持することが見出されている。
しかしながら、特許文献4の条件(30気圧以上、600〜900℃)と異なり、30気圧未満、600〜900℃の条件で二酸化炭素を吸収する場合、水蒸気が存在しても、CO吸収物質であるCaOは必ずしもCa(OH)を経ないで、最終的にCaCO になることが知られている。
この場合は、反応式(1)に示すように、CaOが直接COと反応し、CaCOを生成する。
CaO+CO → CaCO(CO吸収物質によるCO吸収) …(1)
また逆に、COを吸収したCaCO3を分解しCO吸収物質として再生すると、
反応式(2)に示すようになる。
CaCO → CaO+CO (CO吸収物質の再生) …(2)
そして、反応式(1)で示すようなCO吸収物質によるCOの吸収と、反応式(2)で示すようなCO吸収で生成したCaCOの分解によるCO吸収物質の再生と、を繰り返すと、確実に且つ顕著にCO吸収物質のCO吸収特性が低下する。
このCO吸収特性の低下は、COの吸収とCaCOの再生との繰返しによりCO吸収物質の表面積や細孔容積が小さくなるからである(非特許文献1参照)。
なお、CO吸収を阻害するその他の要因としては、CO吸収物質が適切な粒径を有していないことが挙げられる。
この場合は、最初から効果的なCO吸収は達成されない。
ところで、CO吸収物質として使用することができるカルシウム含有化合物は、水蒸気を用いた多孔体の製造方法によって作製できることが見出されている(特許文献7,8参照)。
しかし、水蒸気による処理が表面近傍に限られており、三次元的に効果的且つ適切な水蒸気処理条件は見出されておらず、表面積の大きな増加は得られてない。
また特許文献7では、出発物質としてカルシウム含有化合物を含むホタテ、牡蠣等を、空気を遮断した雰囲気中で650〜900℃で加熱処理(乾留)し、酸化カルシウムが主成分となるようにし、これを水蒸気処理する方法が行われているが、この場合でも表面積の大幅な増大は見出されていないのである。
従って、30気圧未満、600〜900℃を含む広範囲の温度条件下で燃焼排ガス中の二酸化炭素を効果的(効率的)に吸収することができるようにし、またこの二酸化炭素を吸収したCO吸収物質の再生を可能にするには、CO吸収物質に対する適切な水又は水蒸気を用いた前処理が望まれる。
特開2000−143202号公報 特開2000−153252号公報 特開2001−19402号公報 特開2001−302206号公報 特願2003−202626号公報 特願2003−352197号公報 特開2001−2414号公報 特開2002−241183号公報 A. SILABAN and D.P. Harrison, Chemical Engineering Communications, Vol.137,1995,p.177-190
本発明は、かかる背景技術をもとになされたもので、上記の背景技術の問題点を克服するためになされたものである。
すなわち、本発明は、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、CO吸収特性の高いカルシウム含有化合物に効果的(効率的)に吸収させて、炭酸カルシウムにして二酸化炭素を回収できるようにし、また炭酸カルシウムの再生も可能にする二酸化炭素回収方法を提供することを目的とする。
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、表面積の低いCO吸収物質であっても、排ガス中への供給前に、水又は水蒸気を用いた適切な条件での処理を施すことにより、まず表面積の大きいCa(OH)に変えられ、この変えられたCa(OH)を更に処理を施すことにより、より表面積の大きいCaOに変えられることを見出した。
このような表面積を大きくしたCaOにより30気圧未満、室温〜800℃の条件下でも排ガス中の二酸化炭素を効果的に吸収し、二酸化炭素を効果的に回収することができることを見出した。
すなわち、本発明は、(1)、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、CO吸収特性の高いカルシウム含有化合物に効果的に吸収させる二酸化炭素回収方法であって、CaOを水又は水蒸気と反応させて生成したCa(OH)を更に加熱脱水して得られたCaOを、30気圧未満、室温〜800℃の条件下にある燃焼排ガス中の二酸化炭素と反応させてCaCOにして二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収方法に存する。
そして、(2)、前記CaOは、表面積が10m/g以上のCaOである上記(1)記載の二酸化炭素回収方法に存する。
そして、(3)、前記燃焼排ガス中から取り出したCaCOを分解してCaOを生成し、該CaOを水又は水蒸気と反応させてCa(OH)に変え、該Ca(OH)を更に加熱脱水してCaOに変え、この得られたCaOを再び前記燃焼排ガス中に戻す上記(1)記載の二酸化炭素回収方法に存する。
そして、(4)、前記CaCOは、表面積が10m/g以上のCaOである上記(3)記載の二酸化炭素回収方法に存する。
そして、(5)、前記該Ca(OH)の加熱脱水は、大気圧、400〜600℃の温度範囲で行うこと上記(1)記載の二酸化炭素回収方法に存する。
そして、(6)、前記Ca(OH)は、CaOを大気圧〜40気圧、100〜200℃の条件で前記水蒸気と反応させた生成したものである上記(1)記載の二酸化炭素回収方法に存する。
そして、(7)、前記Ca(OH)は、CaOを大気圧下、100℃以下で、十分な前記水と反応させて生成したものである上記(1)記載の二酸化炭素回収方法に存する。
本発明はこの目的に沿ったものであれば、上記(1)〜(7)の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた構成も当然採用可能である。
本発明の燃焼排ガス中の二酸化炭素回収方法は、30気圧未満、室温〜800℃の条件下で、燃焼排ガス中の二酸化炭素を効果的に吸収することができる上、二酸化炭素を吸収したCO吸収物質を再生して使用することもでき効率の良いCO吸収特性を発揮することができる。
以下、図面に基づいて、本発明のCO吸収物質の共存下、燃焼排ガス中の二酸化炭素を広い温度範囲において、効果的に吸収して固定する方法の最良の形態について述べる。
本発明においては、CO吸収物質共存下、30気圧未満、室温〜800℃の条件下にある燃焼排ガス中の二酸化炭素を反応式(3)に従って吸収して固定することができる。
ここで、CO吸収物質をXで表せば、この反応は、
X+CO → (XCO) …(3)
と表すことができる。
因みに、(XCO)はCO吸収物質(X)がCOを吸収して生成した化合物を示し、例えば、CO吸収物質がCaOであれば、(XCO)は、反応式(2)で示した反応で生じるCaCOのことを指す。
排ガス条件(温度、圧力)によってCO吸収物質のCO吸収特性は大きく左右される。
大気圧下では、450℃以上でCO吸収特性は高くなり、効果的に二酸化炭素を吸収することができる。
また、圧力が高くなれば450℃より低い温度でもCO吸収特性は向上する。
そのため、排ガス条件に従って、排ガス中の全ての二酸化炭素を吸収可能な十分な量のCO吸収物質を予め排ガス中に存在させておけば、排ガス中の二酸化炭素を余さず吸収することができ好ましい。
上記反応式(3)に示すように、カルシウム含有化合物のCO吸収物質と二酸化炭素とは、閉鎖系では、通常1対1で反応し、供給するCO吸収物質の量は、存在するCOのモル数[C]に対して、CO吸収物質のモル数の比が1以上であることが必要である。
しかし、反応時間が短い流通系では、全排ガス中のCOのモル数[C]に対して、排ガス中に供給するCO吸収物質のモル数の比は1.5以上が好ましい。
CO吸収物質の表面積や細孔容積が小さい場合は、CO吸収特性が低下し、CO吸収特性が低下すると、多量のCO吸収物質が必要になる。
従って、排ガス中の二酸化炭素を効果的に吸収して固定するにはCO吸収物質と二酸化炭素とが、極力、1対1で反応するような、高いCO吸収特性を有するCO吸収物質を排ガス中に供給することが好ましい。
常に、高いCO吸収特性を保持させるためには、CO吸収物質であるCaOを排ガス中に供給する前に、下記の反応式(4)、及び(5)で示すような処理を行うことが重要である。
CaO+HO → Ca(OH) …(4)
Ca(OH) → CaO+HO …(5)
すなわち、まず、出発材料であるCaOを100〜200℃、大気圧〜40気圧の条件下での水蒸気と反応させ表面積の大きいCa(OH)に変える。
又は、CaOを100℃以下の大気圧下で、開放系で十分な水と反応させ表面積の大きいCa(OH)に変える。
ここで十分な水の量は、CaOと同じモル数以上の量の水であるのが好ましく、より好ましくは、CaOのモル数の2倍以上である。
このようないずれかの方法で得られたCa(OH)を更に400〜600℃、大気圧〜40気圧の条件下で脱水反応を行ってより表面積の大きいCaOに変える。
ここで400℃以下では脱水が困難であり、600℃以上では焼結して表面積が少なくなる。
なお、より好ましい温度条件は400〜450℃である。
因みに、Ca(OH)は、大気圧下では、400℃以上の燃焼排ガス下で脱水され容易にCaOに変わる。
このような処理により、例えば、CO吸収物質であるCaOのCO吸収特性が低くとも処理されたCaOの表面積や細孔容積が大きくなる。
従って、後述するように、このような処理を行ったCaOをCOを含む排ガス中に戻して供給することで、全体としてより効率的に二酸化炭素を吸収することができるのである。
そして、このような処理を行ったCaOとしては、二酸化炭素を吸収処理する効率の観点から10m/g以上が好ましく、また15m/g以上であることがより好ましい。
上述したように、排ガス中に供給する表面積の大きい(すなわちCO吸収特性の高い)CO吸収物質を得るためには、カルシウム含有化合物の場合、CaOを大気圧〜40気圧、100〜200℃の条件で水蒸気と反応させ、Ca(OH)に変えたり、或いはCaOを大気圧下、100℃以下の条件の開放系で十分な水と反応させ、表面積の広いCa(OH)に変えたりする。
そして、このCa(OH)を、大気圧、400〜600℃の条件で加熱脱水して表面積の大きなCaOを得ることとなる。
本発明は、このような表面積の大きいCO吸収物質を二酸化炭素の吸収に寄与せしめていることでも特徴を有するものである。
さて、このような表面積を大きくすることはリサイクルの点からも利用性がある。
すなわち、二酸化炭素を吸収したCO吸収物質は、このCO吸収物質炭酸塩として反応場から取り出し、この炭酸塩を加熱等により分解して二酸化炭素を除去し(反応式(2))、再びCO吸収物質に変えて反応場に戻して用いることができる。
しかし、従来においては、反応式(1)、(2)で示したCO吸収物質のCO吸収とCO吸収物質への再生とを繰り返すと、再生されたCO吸収物質であるCaOの表面積や細孔容積は徐々に小さくなってCO吸収特性が低下していく欠点があった。
本発明では、炭酸塩を加熱等により分解して再生したCaOを、上述したように水又は水蒸気と反応させて(反応式(4))表面積の大きいCa(OH)に変えて、更にこのCa(OH)に脱水反応を行って表面積の大きいCaOを得ることでそのようなデメリットが解消されるものである。
ところで、Caを有するCO吸収物質としては、Ca分を含み特徴的な多孔性三次元構造を有する牡蠣、ホタテ等の貝殻のバイオマスを出発物質として、この物質から得られた酸化物(CaO)を用いることも当然可能である。
例えば貝殻を水洗して乾燥した後にそれら細かく粉砕したものを空気中で900℃以上に加熱処理し、主としてCaOに変えて後に、上述したような水又は水蒸気と反応させ表面積の大きいCa(OH)にし、このCa(OH)を更に加熱処理してより表面積の大きいCaOにすることができる。
本発明において実際にCO吸収物質を使用する場合は、CO吸収物質を、顆粒状、板状、ハニカム形状、又は発泡体状等の形態にし、排ガス中に配置することができる。
排ガス流中で用いる場合に圧力損失を小さくするには、CO吸収物質をこのような形態にした方が良いことが実験で分かっている。
なお、板状、ハニカム形状又は発泡体形状の耐熱性のあるセラミックスや金属等にCO吸収物質をコートして用いても良い。
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の更に変形例が可能であることはいうまでもない。
例えば、上記の説明では、CO吸収物質としてCaOを燃焼排ガス中に共存させて排ガス中の二酸化炭素を吸収する方法について述べたが、カルシウム含有化合物であれば、適用可能である。
〔実施例〕
高いCO吸収特性を有する比表面積の大きいCO吸収物質は、以下に記載するような水処理法又は水蒸気処理法により作成できる。
CO吸収物質の大気圧下のCO吸収特性評価は、図1に示すTG−DTA(差動型示差熱天秤)装置1を用いて、CO吸収反応時間に対するCO吸収物質のCO吸収率を求めて行った。
ここでCO吸収率とは、試料ホルダー2に充填したCO吸収物質のモル数[Ca]に対する吸収されたCOのモル数[CO]の割合([CO]/[Ca])をいう。
CO吸収反応によるCO吸収物質の重量増加はCOの吸収によるものとみなし、重量変化からCO吸収率を求めた。
ここで、実験装置について説明する。
このCO吸収率を求めるための装置は、上述したようにTG−DTA装置1を備えている。
このTG−DTA装置1内には試料ホルダー2が設けられ、この試料ホルダー2にCO吸収物質が担持されている。
またTG−DTA装置1には、計測用パソコン3が接続されており、計測結果をモニタリングすることができるようにされている。
更に、TG−DTA装置1には流量計4が接続されており、この流量計4にはキャリアガス切替用三方コック5を介してNボンベ6とCOボンベ7とが接続されている。
すなわち、Nボンベ6とCOボンベ7とから、NとCOとが、TG−DTA装置1に送られ、試料ホルダー2に保持されたCO吸収物質と接触する。
次に実施例について述べる。
〔実施例1−1〕
水処理法(開放系)では、比表面積の小さい市販のCaO(10〜20μm、0.74m/g)を20g(0.357モル)ビーカに入れ、水50g(2.78モル)を加え、十分に攪拌して反応を促進させた。
その後、105℃に設定した乾燥機中で乾燥し、吸着している水を完全に蒸発させた。
このような水処理されて得たものは、図1に示すTG−DTA装置1での分析により、99%以上がCa(OH)であることが確認された。
このCa(OH)の比表面積は16.2m/gであった。
この水処理で作成されたCa(OH)を450℃に設定したマッフル炉中に1時間放置し、脱水反応を行いCaOに変えて、その後真空デシケータ中で冷却した。
このCaOは、TG−DTA装置1での分析により、99%以上がCaOであり、比表面積は更に34.6m/gに増大していることが分かった。
〔実施例1−2〕
水蒸気処理(流通・開放系))では、市販のCaO(10〜20μm、0.74m/g)を20g(0.357モル)メッシュ上に保持し、底部から100℃の水蒸気を流通させた。
十分に水和反応を促進させた後、105℃に設定した乾燥機中で乾燥し、吸着している水を完全に蒸発させた。
このような水蒸気処理されて得たものは、TG−DTA装置1での分析により、99%以上がCa(OH)であることが確認された。
このCa(OH)の比表面積は12.2m/gであった。
この水蒸気処理で作成されたCa(OH)を450℃に設定したマッフル炉中に1時間放置し、脱水反応を行いCaOに変化させ、その後真空デシケータ中で冷却した。
このCaOは、TG−DTA装置1での分析により、99%以上がCaOであり、比表面積は更に24.9m/gに増大していることが分かった。
〔実施例1−3〕
水洗されたホタテ貝殻を、乾燥後数十μmに粉砕し、950℃に設定されたマッフル炉で1時間焼成して、CaOを得た。
このようにして得られたものは、TG−DTA装置1を使った分析により、99%以上がCaOであることが確認された。
このCaOを実施例1−1と同様な処理法で処理すると、Ca(OH)(18.0m/g)を経て更に比表面積の大きいCaO(38.9m/g)に変わった。
〔実施例2−1〕
実施例1−1で水処理されたCO吸収物質(CaO、10〜20μm、34.6m/g)をTG−DTA内に約13mg充填して、キャリアガスとしてNを200ml/minの流量で流通させながら20℃/minの昇温速度で室温から650℃まで昇温した。
その後、650℃で温度を一定にした。
キャリアガスをNからCOに切り替えて、該COを200ml/minの流量で流通させ、反応式(1)のCO吸収反応を進行させて650℃でのCO吸収率を観察した。
このときのCaOの時間に対するCO吸収率(TG−DTA装置1を使った分析)を図2に示す。
〔実施例2−2〕
実施例1−2のように水蒸気処理された後のCO吸収物質(CaO、24.9m/g)をTG−DTA内に約13mg充填して、大気圧下で、キャリアガスとしてNを200ml/minの流量で流通させながら20℃/minの昇温速度で室温から各所定温度(450〜750℃)まで昇温した。
その後、その各所定温度を一定にした。
キャリアガスをNからCOに切り替えて、該COを200ml/minの流量で流通させて時間に対する各所定温度でのCO吸収率を観察した。
各温度での時間に対するCO吸収率を図3に示す。
〔比較例〕
水処理前の実施例1−1のCaO(0.74m/g、13mg)のCO吸収率も実施例2−1と同様な方法で測定し、その結果を併せて図2に示す。
[評価]
本発明の方法でCO吸収物質を処理すれば、比表面積の大きいCO吸収物質が得られ(実施例1−1〜1−3)、また、水処理なしの比表面積の小さいCO吸収物質のCO吸収特性は著しく低い(比較例1)。
また、本発明で得られた比表面積の大きいCO吸収物質をCO吸収に用いれば大気圧、650℃の条件でのCO吸収特性が顕著に高くなる(実施例2−1)。
また、大気圧、500℃近傍の条件では、CO吸収物質内での孔の形成の拡散は不十分と思われるが、比表面積が12.0m/g程度あれば、広い温度範囲(450〜750℃)で二酸化炭素は容易に表面近傍で吸収される(実施例2−2)と考えられる。
また、圧力が高くなると、CO吸収率が大きくなることが分かった。
本発明は、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、CO吸収特性の高いカルシウム含有化合物に効果的に吸収させて、炭酸カルシウムにして二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収方法に関するものであるが、この原理を利用する限り、その他のCO吸収特性の高い物質に適用することも当然可能である。
図1は、TG−DTA(差動型示差熱天秤)装置を用いたCO吸収特性評価装置の模式図である。 図2は、CO吸収物質の650℃でのCO吸収特性である。 図3は、CO吸収物質の各温度でのCO吸収特性である。
符号の説明
1 TG−DTA(差動型示差熱天秤)装置
2 試料ホルダー
3 計測用パソコン
4 流量計
5 キャリアガス切替用三方コック
6 Nボンベ
7 COボンベ

Claims (7)

  1. 燃焼排ガス中の二酸化炭素を、CO吸収特性の高いカルシウム含有化合物に効果的に吸収させる二酸化炭素回収方法であって、
    CaOを水又は水蒸気と反応させて生成したCa(OH)を更に加熱脱水して得られたCaOを、30気圧未満、室温〜800℃の条件下にある燃焼排ガス中の二酸化炭素と反応させてCaCOにして二酸化炭素を回収することを特徴とする二酸化炭素回収方法。
  2. 前記CaOは、表面積が10m/g以上のCaOであることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収方法。
  3. 前記燃焼排ガス中から取り出したCaCOを分解してCaOを生成し、該CaOを水又は水蒸気と反応させてCa(OH)に変え、該Ca(OH)を更に加熱脱水してCaOに変え、この得られたCaOを再び前記燃焼排ガス中に戻すことを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収方法。
  4. 前記CaCOは、表面積が10m/g以上のCaOであることを特徴とする請求項3記載の二酸化炭素回収方法。
  5. 前記該Ca(OH)の加熱脱水は、大気圧、400〜600℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収方法。
  6. 前記Ca(OH)は、CaOを大気圧〜40気圧、100〜200℃の条件で前記水蒸気と反応させた生成したものであることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収方法。
  7. 前記Ca(OH)は、CaOを大気圧下、100℃以下で、十分な前記水と反応させて生成したものであることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収方法。

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