JP3380776B2 - アセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガス圧接方法 - Google Patents
アセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガス圧接方法Info
- Publication number
- JP3380776B2 JP3380776B2 JP21968799A JP21968799A JP3380776B2 JP 3380776 B2 JP3380776 B2 JP 3380776B2 JP 21968799 A JP21968799 A JP 21968799A JP 21968799 A JP21968799 A JP 21968799A JP 3380776 B2 JP3380776 B2 JP 3380776B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- acetylene
- pressure
- fuel gas
- heating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄筋,肉厚パイプ,レ
ールなどの接合をガス圧接で行う際の新たな加熱方法で
あるアセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換える
ガス圧接方法に関する。
ールなどの接合をガス圧接で行う際の新たな加熱方法で
あるアセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換える
ガス圧接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にガス圧接方法は、酸素とアセチレ
ンガスの化学反応(酸化反応)による発熱量を利用して行
うものである。特にアセチレンガスの燃焼は燃焼熱が集
中し高温になると共に、ガス成分は還元性雰囲気になる
ため、ガス圧接はこの高温の還元性雰囲気のガスで被接
合部が被包され、この被接合部は空気による酸化や窒化
を防止した状態で加熱が進行し、接合適正温度に達した
時に、機械的手段で加圧することによって接合が行われ
るのが特徴である。又、圧接用ガスの酸素はJISK1
101の規格品又は同等品を使用し、且つ溶解アセチレ
ンガスはJISK1902の規格品又は同等品を使用し
てガス圧接を行うように、社団法人日本圧接協会発行の
「鉄筋のガス圧接工事標準仕様書」で明記されており、
従来は燃料ガスとしてアセチレンガス以外のガスを使用
することは考えられなかった。従って、ガス圧接の創始
以来、今日までの各種の技術上の改良や開発は、接合部
分を均等に加熱加圧して良好な膨らみ(こぶ)を形成さ
せると共に接合強度を安定化させることが目的であり、
このための方法、或いは装置の改良や開発が行われてき
たのが現状である。
ンガスの化学反応(酸化反応)による発熱量を利用して行
うものである。特にアセチレンガスの燃焼は燃焼熱が集
中し高温になると共に、ガス成分は還元性雰囲気になる
ため、ガス圧接はこの高温の還元性雰囲気のガスで被接
合部が被包され、この被接合部は空気による酸化や窒化
を防止した状態で加熱が進行し、接合適正温度に達した
時に、機械的手段で加圧することによって接合が行われ
るのが特徴である。又、圧接用ガスの酸素はJISK1
101の規格品又は同等品を使用し、且つ溶解アセチレ
ンガスはJISK1902の規格品又は同等品を使用し
てガス圧接を行うように、社団法人日本圧接協会発行の
「鉄筋のガス圧接工事標準仕様書」で明記されており、
従来は燃料ガスとしてアセチレンガス以外のガスを使用
することは考えられなかった。従って、ガス圧接の創始
以来、今日までの各種の技術上の改良や開発は、接合部
分を均等に加熱加圧して良好な膨らみ(こぶ)を形成さ
せると共に接合強度を安定化させることが目的であり、
このための方法、或いは装置の改良や開発が行われてき
たのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記ガス
圧接で使用するアセチレンガスは高価であり、また火力
が強いため、被接合部の表面と中心部の温度に差ができ、
圧接性能に悪影響を受け易かった。またアセチレンガス
を前期加熱で使用している間は還元炎であるので逆火し
にくいが、後期加熱で使用する間は中性炎に変えるため
逆火が起き易い等の問題点があった。尚、プロパンガス,
LNG,プロピレンガスなどを用いれば、火炎温度が低い
ため前記表面と中心部の温度差がアセチレンガスのもの
よりも少なく、均等加熱が可能となるので圧接の品質が
安定するのではないかと考えられるが、それらの燃料ガ
スを用いてガス圧接を行うと、従来の如き被接合部がア
セチレンガスの還元性雰囲気で包まれる場合と異なり、
アセチレンガス以外の上記燃料ガスには還元作用が極め
て少ないので、接合面が酸化されて密着不良を多発する
と共に加熱能力が小さいものであった。このため、従来
のガス圧接に於いてはアセチレンガス以外のものが燃料
ガスとして使用できない主な原因と考えられる。
圧接で使用するアセチレンガスは高価であり、また火力
が強いため、被接合部の表面と中心部の温度に差ができ、
圧接性能に悪影響を受け易かった。またアセチレンガス
を前期加熱で使用している間は還元炎であるので逆火し
にくいが、後期加熱で使用する間は中性炎に変えるため
逆火が起き易い等の問題点があった。尚、プロパンガス,
LNG,プロピレンガスなどを用いれば、火炎温度が低い
ため前記表面と中心部の温度差がアセチレンガスのもの
よりも少なく、均等加熱が可能となるので圧接の品質が
安定するのではないかと考えられるが、それらの燃料ガ
スを用いてガス圧接を行うと、従来の如き被接合部がア
セチレンガスの還元性雰囲気で包まれる場合と異なり、
アセチレンガス以外の上記燃料ガスには還元作用が極め
て少ないので、接合面が酸化されて密着不良を多発する
と共に加熱能力が小さいものであった。このため、従来
のガス圧接に於いてはアセチレンガス以外のものが燃料
ガスとして使用できない主な原因と考えられる。
【0004】本発明は接合材料が太くなる程より経済的
になり、且つ接合強度も安定すると共に安全作業が行え
るアセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガ
ス圧接方法を提供することを目的とする。
になり、且つ接合強度も安定すると共に安全作業が行え
るアセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガ
ス圧接方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明方法は成されたものであり、つまり、突き合
せた面が密着して隙間がなくなるまでアセチレンガスを
使用して初期加熱を行い、その後、他の燃料ガスと切換
えて後期加熱を行うガス圧接方法とする。また、突き合
せ面が密着された時点の目安、つまり初期加熱から後期
加熱に切換える時点を、上限圧から加圧力が10%〜3
0%下降する時点後としたり、或いは予定縮み代の5%
〜20%収縮する時点として、アセチレンガスの供給を
止めると共に他の燃料ガスに切換えて加熱作業を続行さ
せるガス圧接方法としても良い。更に切換えに際し、ア
セチレンガスと他の燃料ガスを3秒〜5秒オーバーラッ
プして供給させると良い。
めに本発明方法は成されたものであり、つまり、突き合
せた面が密着して隙間がなくなるまでアセチレンガスを
使用して初期加熱を行い、その後、他の燃料ガスと切換
えて後期加熱を行うガス圧接方法とする。また、突き合
せ面が密着された時点の目安、つまり初期加熱から後期
加熱に切換える時点を、上限圧から加圧力が10%〜3
0%下降する時点後としたり、或いは予定縮み代の5%
〜20%収縮する時点として、アセチレンガスの供給を
止めると共に他の燃料ガスに切換えて加熱作業を続行さ
せるガス圧接方法としても良い。更に切換えに際し、ア
セチレンガスと他の燃料ガスを3秒〜5秒オーバーラッ
プして供給させると良い。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明方法の実施形態を示
す図であり、これに基づいて説明する。先ず図示しない
2本の鋼材などの端面を突き合せて圧接器にセットして
上限圧に達するまで加圧した後、リングバーナーに着火
させて酸素とアセチレンガスで突き合せ面を加熱させ
る。次に上限圧から加圧力が10%〜30%下降した時
点で更に加圧させて端面を密着しつつ上限圧に達した
後、アセチレンガスの供給を止めると共に他の燃料ガス
に切換えて加熱作業を続行する。尚、上限圧からの加圧
力下降が10%以下になると、加熱時間が短過ぎて還元
作用が充分でなくなるため、接合面が酸化される恐れを
生じ、且つ30%以上になると、下限圧と大差がなくな
りアセチレンガスを多く使用し、他の燃料ガスと切換え
るタイミングが遅れるので安価な燃料ガスが余り使用で
きず、コストダウンが難しくなる。その後、鋼材の焼幅
が加熱されて接合適正温度に達するまで加熱し続ける。
この時、加圧力は徐々に下がって下限圧に降下した時点
で、加圧されてこぶ(膨らみ)を形成させるのである。
こぶが形成された後はリングバーナーを消火して圧接作
業を終了する。尚、前記突き合せ面が密着される前はア
セチレンガスによって、燃焼熱を集中させて突き合せ面
の温度が早く高温になるように成すと共に高温の還元性
雰囲気のガスで突き合せ面が被包され、空気による酸化
や窒化を防止した状態で加熱が進行され、突き合せ面が
密着した後は他の燃料ガスによって、焼幅の中心と表面
の温度差が少なくなるように均等に加熱して接合適正温
度を得る理想の形となり、しかもアセチレンガスよりも
安価な他の燃料ガスを使用しても圧接性能に弊害がない
ガス圧接方法となるのである。又、本発明に使用するリ
ングバーナーには、アセチレンガスと他の燃料ガスの各
ボンベから供給されるホースが手元まで来ていると共に
アセチレンガスと他の燃料ガス用のコックがそれぞれに
取付けられているものを用いると良いが、他の方法とし
てアセチレン用トーチと他の燃料ガス用トーチを用意し
て、初期加熱をアセチレン用トーチで行い、後期加熱を
他の燃料ガス用トーチで行っても良い。
す図であり、これに基づいて説明する。先ず図示しない
2本の鋼材などの端面を突き合せて圧接器にセットして
上限圧に達するまで加圧した後、リングバーナーに着火
させて酸素とアセチレンガスで突き合せ面を加熱させ
る。次に上限圧から加圧力が10%〜30%下降した時
点で更に加圧させて端面を密着しつつ上限圧に達した
後、アセチレンガスの供給を止めると共に他の燃料ガス
に切換えて加熱作業を続行する。尚、上限圧からの加圧
力下降が10%以下になると、加熱時間が短過ぎて還元
作用が充分でなくなるため、接合面が酸化される恐れを
生じ、且つ30%以上になると、下限圧と大差がなくな
りアセチレンガスを多く使用し、他の燃料ガスと切換え
るタイミングが遅れるので安価な燃料ガスが余り使用で
きず、コストダウンが難しくなる。その後、鋼材の焼幅
が加熱されて接合適正温度に達するまで加熱し続ける。
この時、加圧力は徐々に下がって下限圧に降下した時点
で、加圧されてこぶ(膨らみ)を形成させるのである。
こぶが形成された後はリングバーナーを消火して圧接作
業を終了する。尚、前記突き合せ面が密着される前はア
セチレンガスによって、燃焼熱を集中させて突き合せ面
の温度が早く高温になるように成すと共に高温の還元性
雰囲気のガスで突き合せ面が被包され、空気による酸化
や窒化を防止した状態で加熱が進行され、突き合せ面が
密着した後は他の燃料ガスによって、焼幅の中心と表面
の温度差が少なくなるように均等に加熱して接合適正温
度を得る理想の形となり、しかもアセチレンガスよりも
安価な他の燃料ガスを使用しても圧接性能に弊害がない
ガス圧接方法となるのである。又、本発明に使用するリ
ングバーナーには、アセチレンガスと他の燃料ガスの各
ボンベから供給されるホースが手元まで来ていると共に
アセチレンガスと他の燃料ガス用のコックがそれぞれに
取付けられているものを用いると良いが、他の方法とし
てアセチレン用トーチと他の燃料ガス用トーチを用意し
て、初期加熱をアセチレン用トーチで行い、後期加熱を
他の燃料ガス用トーチで行っても良い。
【0007】また本発明方法の別実施形態について説明
する。これは前記実施形態と比べると、始めの接合する
2本を圧接器にセットして上限圧に達するまで加圧した
後、リングバーナーに着火させて酸素とアセチレンガス
で突き合せ面を加熱させる迄は同じである。またそれ以
降はアセチレンガスの切換える基準が異なるが、他は同
じである。つまり、リングバーナーに着火させて酸素と
アセチレンガスで突き合せ面を加熱させた後、予定縮み
代の5%〜20%収縮した時点で、アセチレンガスの供
給を止めると共に他の燃料ガスに切換えて加熱作業を続
行し、被接合部の均等な昇温を目的として加熱の焼幅を
拡大し、被接合部の表面と中心部の温度差が小さな状態
で接合適正温度に達するのである。前記予定縮み代の測
定は予め設置した縮み代計測器によって行われる。尚、
予定縮み代が5%以下で燃料ガスに切換えると、隙間が
密着しないものが発生する恐れがあると共に接合面に酸
化する恐れが発生し、且つ20%以上になると、接合適
正温度以前にアプセットを開始してしまい、温度不足に
よる圧接不良を生じ易くなる。この時、加圧力は徐々に
下がって下限圧に降下した時点でアプセットして、こぶ
を形成させる。こぶが形成された後はリングバーナーを
消火して圧接作業を終了する。このように突き合せ面が
密着される迄の初期加熱は、アセチレンガスによって高
温の還元性雰囲気のガスで突き合せ面が被包され、空気
による酸化や窒化を防止し、突き合せ面が密着した後の
後期加熱は他の燃料ガスによって、焼幅の表面と中心部
の温度差が少ない状態で均等に加熱されて接合適正温度
を得る理想の形となるのである。尚、前記実施形態及び
別実施形態に於いて、アセチレンガスから他の燃料ガス
に切換える際、アセチレンガスと他の燃料ガスが3秒〜
5秒オーバーラップして切換えると良い。又、燃料ガス
としてプロパンガス,LNG,エチレンガス, ブタンガ
ス,メタンガス ,エタンガス ,プロピレンガス,水素ガス
などを用いると共にそれらの混合ガスを用いても良く、
密着後は鉄筋温度を1200℃〜1300℃まで加熱で
きる燃料ガスであれば、上記以外のものでも使用するこ
とが可能であることが実験から判明した。
する。これは前記実施形態と比べると、始めの接合する
2本を圧接器にセットして上限圧に達するまで加圧した
後、リングバーナーに着火させて酸素とアセチレンガス
で突き合せ面を加熱させる迄は同じである。またそれ以
降はアセチレンガスの切換える基準が異なるが、他は同
じである。つまり、リングバーナーに着火させて酸素と
アセチレンガスで突き合せ面を加熱させた後、予定縮み
代の5%〜20%収縮した時点で、アセチレンガスの供
給を止めると共に他の燃料ガスに切換えて加熱作業を続
行し、被接合部の均等な昇温を目的として加熱の焼幅を
拡大し、被接合部の表面と中心部の温度差が小さな状態
で接合適正温度に達するのである。前記予定縮み代の測
定は予め設置した縮み代計測器によって行われる。尚、
予定縮み代が5%以下で燃料ガスに切換えると、隙間が
密着しないものが発生する恐れがあると共に接合面に酸
化する恐れが発生し、且つ20%以上になると、接合適
正温度以前にアプセットを開始してしまい、温度不足に
よる圧接不良を生じ易くなる。この時、加圧力は徐々に
下がって下限圧に降下した時点でアプセットして、こぶ
を形成させる。こぶが形成された後はリングバーナーを
消火して圧接作業を終了する。このように突き合せ面が
密着される迄の初期加熱は、アセチレンガスによって高
温の還元性雰囲気のガスで突き合せ面が被包され、空気
による酸化や窒化を防止し、突き合せ面が密着した後の
後期加熱は他の燃料ガスによって、焼幅の表面と中心部
の温度差が少ない状態で均等に加熱されて接合適正温度
を得る理想の形となるのである。尚、前記実施形態及び
別実施形態に於いて、アセチレンガスから他の燃料ガス
に切換える際、アセチレンガスと他の燃料ガスが3秒〜
5秒オーバーラップして切換えると良い。又、燃料ガス
としてプロパンガス,LNG,エチレンガス, ブタンガ
ス,メタンガス ,エタンガス ,プロピレンガス,水素ガス
などを用いると共にそれらの混合ガスを用いても良く、
密着後は鉄筋温度を1200℃〜1300℃まで加熱で
きる燃料ガスであれば、上記以外のものでも使用するこ
とが可能であることが実験から判明した。
【0008】
【実施例】図1に基づいて、直径が51mmの鋼材を接合
させる場合についてガス圧接方法を説明する。先ず2本
の前記鋼材の端面を突き合せて圧接器にセットして上限
圧に達するまで加圧した後、リングバーナーに着火させ
て酸素とアセチレンガスで突き合せ面を加熱させる。こ
の時のガス供給量は、アセチレンガス4.5m3/h,酸素3.5m
3/hである。次に上限圧から加圧力が15%下降した時
点で更に加圧させて予定の縮み代の10%に達した後、
アセチレンガスの供給を止めると共にプロピレンガスに
切換えて加熱作業を続行する。この切換え時間までは約
3分掛った。切換え後、加熱作業を続行する時のガス供
給量は、プロピレンガス3.6m3/h,酸素5.0m3/hである。
そして鋼材の焼幅が加熱されて接合適正温度に達するま
で加熱し続ける。この時、加圧力は徐々に下がって下限
圧に達した時点で、加圧されてこぶを形成させるのであ
る。こぶが形成された後は、リングバーナーを消火して
加熱作業を終了する。プロピレンガスに切換えて消火す
るまでの時間は約3分であった。尚、本発明方法では加
熱時間が約6分で終了し、従来方法では約5分であっ
た。また加熱燃料コストが従来方法よりも40%〜50
%削減できる。
させる場合についてガス圧接方法を説明する。先ず2本
の前記鋼材の端面を突き合せて圧接器にセットして上限
圧に達するまで加圧した後、リングバーナーに着火させ
て酸素とアセチレンガスで突き合せ面を加熱させる。こ
の時のガス供給量は、アセチレンガス4.5m3/h,酸素3.5m
3/hである。次に上限圧から加圧力が15%下降した時
点で更に加圧させて予定の縮み代の10%に達した後、
アセチレンガスの供給を止めると共にプロピレンガスに
切換えて加熱作業を続行する。この切換え時間までは約
3分掛った。切換え後、加熱作業を続行する時のガス供
給量は、プロピレンガス3.6m3/h,酸素5.0m3/hである。
そして鋼材の焼幅が加熱されて接合適正温度に達するま
で加熱し続ける。この時、加圧力は徐々に下がって下限
圧に達した時点で、加圧されてこぶを形成させるのであ
る。こぶが形成された後は、リングバーナーを消火して
加熱作業を終了する。プロピレンガスに切換えて消火す
るまでの時間は約3分であった。尚、本発明方法では加
熱時間が約6分で終了し、従来方法では約5分であっ
た。また加熱燃料コストが従来方法よりも40%〜50
%削減できる。
【0009】次に本発明方法による圧接品と従来方法で
あるアセチレンガスだけを使用した圧接品とを比較す
る。予め本発明方法の燃料ガスとして、プロパンガス,
プロピレンガス,プロパンガスとメチルアセトンガスの
混合ガスを用い、且つ直径が51mmの鋼材をそれぞれ1
00組ずつ用意し、前記実施例と同様の要領で圧接作業
して比較する。先ず始めに初期加熱を、アセチレンガス
4.5m3/h,酸素3.5m3/hで行うと、加熱時間は約3分であっ
た。次にプロパンガス,プロピレンガス,プロパンガスと
メチルアセトンガスの混合ガスを、それぞれ3.6m3/h,酸
素5.0m3/hで後期加熱を行うと、加熱時間はそれぞれ略同
じ約3分であった。またアセチレンガス4.5m3/h,酸素4.
5m3/hで後期加熱を行うと、加熱時間は約2分であった。
次に接合強度を約100本実験した結果、圧接性能の試
験結果は、プロパンガス,プロピレンガス, プロパンガ
スとメチルアセトンガスの混合ガスは従来と同等の結果
であった。尚、上記以外のLNG,エチレンガス, ブタン
ガス,メタンガス ,エタンガス ,水素ガス、又はそれら
の混合ガスで後期加熱を行っても略同等の結果が確認或
いは略確認できた。
あるアセチレンガスだけを使用した圧接品とを比較す
る。予め本発明方法の燃料ガスとして、プロパンガス,
プロピレンガス,プロパンガスとメチルアセトンガスの
混合ガスを用い、且つ直径が51mmの鋼材をそれぞれ1
00組ずつ用意し、前記実施例と同様の要領で圧接作業
して比較する。先ず始めに初期加熱を、アセチレンガス
4.5m3/h,酸素3.5m3/hで行うと、加熱時間は約3分であっ
た。次にプロパンガス,プロピレンガス,プロパンガスと
メチルアセトンガスの混合ガスを、それぞれ3.6m3/h,酸
素5.0m3/hで後期加熱を行うと、加熱時間はそれぞれ略同
じ約3分であった。またアセチレンガス4.5m3/h,酸素4.
5m3/hで後期加熱を行うと、加熱時間は約2分であった。
次に接合強度を約100本実験した結果、圧接性能の試
験結果は、プロパンガス,プロピレンガス, プロパンガ
スとメチルアセトンガスの混合ガスは従来と同等の結果
であった。尚、上記以外のLNG,エチレンガス, ブタン
ガス,メタンガス ,エタンガス ,水素ガス、又はそれら
の混合ガスで後期加熱を行っても略同等の結果が確認或
いは略確認できた。
【0010】本発明方法を用いた圧接品は直径が大きく
なるほど後期加熱時間が長くなるので、ガス代は有利に
なる。つまり、アセチレンガスの単価よりもプロピレン
ガスやプロパンガスなどの単価は半額以下であり、燃料
代が安くなるのである。又、特にプロパンガスは普及し
ているので入手が容易であり、逆火しにくく全工程に於
いて安全な作業が行えるものとなる。尚、太径鉄筋に対
するアセチレンガスによる従来方法の場合には、強還元
炎法が主に実施されており、上記実験はこの方法で行わ
れた。又、これは最初のバーナー火炎の調節を強還元炎
とし、鉄筋端面の隙間がゼロになった後、火炎を中性炎
に調節する方法である。
なるほど後期加熱時間が長くなるので、ガス代は有利に
なる。つまり、アセチレンガスの単価よりもプロピレン
ガスやプロパンガスなどの単価は半額以下であり、燃料
代が安くなるのである。又、特にプロパンガスは普及し
ているので入手が容易であり、逆火しにくく全工程に於
いて安全な作業が行えるものとなる。尚、太径鉄筋に対
するアセチレンガスによる従来方法の場合には、強還元
炎法が主に実施されており、上記実験はこの方法で行わ
れた。又、これは最初のバーナー火炎の調節を強還元炎
とし、鉄筋端面の隙間がゼロになった後、火炎を中性炎
に調節する方法である。
【0011】
【発明の効果】本発明はこのように構成させたことによ
り、下記に記載する効果を有する。
り、下記に記載する効果を有する。
【0012】請求項1のように突き合せた面が密着して
隙間がなくなるまでアセチレンガスを使用して初期加熱
を行い、その後、他の燃料ガスと切換えて後期加熱を行
うことにより、予め突き合せ面がアセチレンガスによっ
て、還元性雰囲気のガスで被包されながら突き合せ面が
密着するため、その後の加熱は、燃焼熱が集中するアセ
チレンガスよりも焼幅の中心と表面の温度差が少なくな
る他の燃料ガスで均等に加熱して接合適正温度を得る理
想の形となり、品質が安定して従来のものと同等の圧接
性能を得るものとなる。しかもアセチレンガスよりも単
価が安く燃料代を減少させることが可能であり、特に本
発明は接合材料が太くなる程より経済的になり、且つ他
の燃料ガスは逆火が起きにくいので全工程に於いて安全
な作業が行えるものとなる。
隙間がなくなるまでアセチレンガスを使用して初期加熱
を行い、その後、他の燃料ガスと切換えて後期加熱を行
うことにより、予め突き合せ面がアセチレンガスによっ
て、還元性雰囲気のガスで被包されながら突き合せ面が
密着するため、その後の加熱は、燃焼熱が集中するアセ
チレンガスよりも焼幅の中心と表面の温度差が少なくな
る他の燃料ガスで均等に加熱して接合適正温度を得る理
想の形となり、品質が安定して従来のものと同等の圧接
性能を得るものとなる。しかもアセチレンガスよりも単
価が安く燃料代を減少させることが可能であり、特に本
発明は接合材料が太くなる程より経済的になり、且つ他
の燃料ガスは逆火が起きにくいので全工程に於いて安全
な作業が行えるものとなる。
【0013】請求項2のように鋼材の端面を突き合せて
圧接器にセットして上限圧に達するまで加圧した後、着
火させて酸素とアセチレンガスで加熱させ、上限圧から
加圧力が10%〜30%下降した時点で更に加圧させて
端面を密着しつつ上限圧に達した後、他の燃料ガスに切
換えて加熱作業を続行させることにより、請求項1と同
様な効果を得る。また被接合面を酸化させることなく還
元作用が充分に利用でき、且つアセチレンガスと他の燃
料ガスの切換えるタイミングが適正に行われ、安価な燃
料ガスを有効に使用して燃料代の低減が可能となる。
圧接器にセットして上限圧に達するまで加圧した後、着
火させて酸素とアセチレンガスで加熱させ、上限圧から
加圧力が10%〜30%下降した時点で更に加圧させて
端面を密着しつつ上限圧に達した後、他の燃料ガスに切
換えて加熱作業を続行させることにより、請求項1と同
様な効果を得る。また被接合面を酸化させることなく還
元作用が充分に利用でき、且つアセチレンガスと他の燃
料ガスの切換えるタイミングが適正に行われ、安価な燃
料ガスを有効に使用して燃料代の低減が可能となる。
【0014】請求項3に示すように鋼材の端面を突き合
せて圧接器にセットし、上限圧に達するまで加圧した
後、着火させて酸素とアセチレンガスで加熱させ、予定
縮み代の5%〜20%収縮した時点後で、他の燃料ガス
に切換えて加熱作業を続行させることにより、請求項1
と同様な効果を得る。また被接合面が密着され酸化する
ことなく、且つアセチレンガスと他の燃料ガスの切換え
るタイミングが適正に行われ、安価な燃料ガスを有効に
使用して燃料代の低減が可能となる。
せて圧接器にセットし、上限圧に達するまで加圧した
後、着火させて酸素とアセチレンガスで加熱させ、予定
縮み代の5%〜20%収縮した時点後で、他の燃料ガス
に切換えて加熱作業を続行させることにより、請求項1
と同様な効果を得る。また被接合面が密着され酸化する
ことなく、且つアセチレンガスと他の燃料ガスの切換え
るタイミングが適正に行われ、安価な燃料ガスを有効に
使用して燃料代の低減が可能となる。
【0015】請求項4に示すようにアセチレンガスから
他の燃料ガスに切換える間に於いて、アセチレンガスと
他の燃料ガスが3秒〜5秒オーバーラップして供給する
ことにより、逆火することなくスムーズにガス供給を切
換えて加熱し続けることが出来るので、安定した品質を
得ることが可能となる。
他の燃料ガスに切換える間に於いて、アセチレンガスと
他の燃料ガスが3秒〜5秒オーバーラップして供給する
ことにより、逆火することなくスムーズにガス供給を切
換えて加熱し続けることが出来るので、安定した品質を
得ることが可能となる。
【0016】請求項5のように燃料ガスとしてプロパン
ガスを用いると、アセチレンガスの単価よりも約3分の
1の価格であるため、燃料代が安くなり、且つ普及して
いるので入手が容易で、更に逆火しにくく全工程に於い
て安全な作業が行えるものとなる。またプロパンガス以
外の燃料ガスとしてLNG,エチレンガス, ブタンガス,
メタンガス ,エタンガス ,プロピレンガス,水素ガスな
ど或いはそれらの混合ガスを用いた場合には、燃料ガス
単価が半額近いので全体の燃料代が経済的なものとなる
のである。
ガスを用いると、アセチレンガスの単価よりも約3分の
1の価格であるため、燃料代が安くなり、且つ普及して
いるので入手が容易で、更に逆火しにくく全工程に於い
て安全な作業が行えるものとなる。またプロパンガス以
外の燃料ガスとしてLNG,エチレンガス, ブタンガス,
メタンガス ,エタンガス ,プロピレンガス,水素ガスな
ど或いはそれらの混合ガスを用いた場合には、燃料ガス
単価が半額近いので全体の燃料代が経済的なものとなる
のである。
【図1】本発明方法の実施形態を示す説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 突き合せた面が密着して隙間がなくなる
までアセチレンガスを使用して初期加熱を行い、その
後、他の燃料ガスと切換えて後期加熱を行うことを特徴
とするアセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換え
るガス圧接方法。 - 【請求項2】 鋼材の端面を突き合せて圧接器にセット
して上限圧に達するまで加圧した後、着火させて酸素と
アセチレンガスで加熱させ、上限圧から加圧力が10%
〜30%下降した時点で更に加圧させて端面を密着しつ
つ上限圧に達した後、アセチレンガスの供給を止めると
共に他の燃料ガスに切換えて加熱作業を続行させること
を特徴とするアセチレンガスを途中から他の燃料ガスに
切換えるガス圧接方法。 - 【請求項3】 鋼材の端面を突き合せて圧接器にセット
し、上限圧に達するまで加圧した後、着火させて酸素と
アセチレンガスで加熱させ、予定縮み代の5%〜20%
収縮した時点で、アセチレンガスの供給を止めると共に
他の燃料ガスに切換えて加熱作業を続行させることを特
徴とするアセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換
えるガス圧接方法。 - 【請求項4】 前記アセチレンガスの供給を止めると共
に他の燃料ガスに切換えて供給する間に於いて、アセチ
レンガスと他の燃料ガスが3秒〜5秒オーバーラップし
て供給される請求項1、2又は3記載のアセチレンガス
を途中から他の燃料ガスに切換えるガス圧接方法。 - 【請求項5】 前記燃料ガスが、プロパンガス,LNG,
エチレンガス, ブタンガス,メタンガス ,エタンガス ,
プロピレンガス,水素ガスなどの内の1つ、又はそれら
の混合ガスである請求項1、2、3又は4記載のアセチ
レンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガス圧接方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21968799A JP3380776B2 (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | アセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガス圧接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21968799A JP3380776B2 (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | アセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガス圧接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001047255A JP2001047255A (ja) | 2001-02-20 |
JP3380776B2 true JP3380776B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=16739403
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21968799A Expired - Fee Related JP3380776B2 (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | アセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガス圧接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3380776B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013052398A (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-21 | Railway Technical Research Institute | 鋼材のガス圧接方法 |
-
1999
- 1999-08-03 JP JP21968799A patent/JP3380776B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001047255A (ja) | 2001-02-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN113618194B (zh) | 60kg/m过共析钢轨气压焊接方法及装置 | |
JP3380776B2 (ja) | アセチレンガスを途中から他の燃料ガスに切換えるガス圧接方法 | |
JP3537661B2 (ja) | レールガス圧接用ガスバーナ | |
KR950011312B1 (ko) | 강재의 열간 접합방법 | |
JP3567118B2 (ja) | 非還元性ガスを併用したガス圧接方法 | |
JP2001293581A (ja) | オープンバット法を利用したガス圧接方法 | |
JP2010149142A (ja) | ガス圧接方法 | |
JPH067970A (ja) | 鋼材の熱間接合方法 | |
JPH01154876A (ja) | 制振鋼板へのスタッドボルト溶接方法 | |
JPH0550111A (ja) | 鋼材の熱間接合方法 | |
JP2005224856A (ja) | 接合鉄筋と鉄筋接合方法 | |
JPS643596B2 (ja) | ||
JP4015380B2 (ja) | ガス圧接方法およびガス圧接装置 | |
JP2864804B2 (ja) | 鋼材の熱間接合方法 | |
JP3447891B2 (ja) | 条材端面を平坦面に接合する方法 | |
JP2002307172A (ja) | 圧接方法 | |
JP4369763B2 (ja) | 飽和炭化水素燃料ガスによるガス圧接法およびそこで用いる加熱用バーナー | |
JPH10305312A (ja) | 鋼管の製造方法 | |
JPH06114575A (ja) | 鋼材の熱間接合方法 | |
JPH08294774A (ja) | 固定管の片面突合せ溶接方法 | |
EP2835205B1 (en) | Pressure welding using propylene | |
JPH04138883A (ja) | 鋼材の圧接方法 | |
JP2979837B2 (ja) | 鋼材の熱間接合方法 | |
JPH0655267A (ja) | 管の圧接式磁気駆動ア−ク溶接方法 | |
JPS643597B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |