JP3380765B2 - 鋼管の延伸圧延方法 - Google Patents
鋼管の延伸圧延方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンドレル・ミル
での管端圧延方法に係わり、詳しくは、継目無鋼管製造
に際して、ストレッチ・レデューサで最終的に仕上げる
管外径の長さ方向分布を適正化するため、その上流側に
配置したマンドレル・ミルで管端をテーパ圧延する技術
に関する。 【0002】 【従来の技術】比較的小径の継目無鋼管を製造するに
は、まず、図5に示すように、加熱炉10で1200〜
1300℃に加熱された鋼鋳片1(素材)をピアサ圧延
機2で穿孔して中空素管3とする。引き続き、該中空素
管3にマンドレル・バー4なる剛体を挿入したままマン
ドレル・ミル5(通常、8スタンドからなる)で伸延圧
延して管体18とした後、再加熱炉6で温度を再調整
し、多段スタンドからなるストレッチ・レデューサ7で
外径を絞り、製品とする。かかる製造工程において、マ
ンドレル・ミル5による圧延では、前記中空素管3を圧
延して形成された管体18の両端をテーパ状に薄肉に仕
上げ、次工程での両端増肉現象と相殺させて、仕上がり
管肉厚の長手方向分布を均一化することが必要である。 【0003】そのため、特開昭49−113752号公
報(特公昭51−43825号公報)は、マンドレル・
ミル5の特定スタンドに、パス・ラインを不変に維持し
て管体18を圧下する油圧圧下機構(図示せず)を設
け、管体18の噛み込み時と尻抜け時の両時点におい
て、上下一対の孔型ロールをパスラインに対して対称的
に狭めたり、広げたりして圧下量を迅速に調整する技術
を提案している。ロール間隙を単に閉め込むと、管体1
8は、ロール圧下方向と直交する方向に膨れ(バルジン
グという)変形を起こし、この膨れた部分の内外面に疵
やメタルフロー欠陥等の品質欠陥を生ずる問題がある。
前記公報には、前記ロール間隙の変更時に、管断面積の
時々刻々の変化に応じて体積一定の関係を満足せしめる
よう、ロール回転数を同時に制御する旨の記載はある。
しかしながら、その回転数制御方法についての具体的な
記載は見られない。 【0004】そこで、特開昭60−99423号公報
(特公平3−077003号公報)は、上記のようなバ
ルジング変形を抑制するため、ロール間隙の変更を行う
スタンドの上流及び下流スタンドで、ロールの回転数に
それぞれ減速率、増速率をかけた補正を行ない、管体に
長手方向の張力を付加する技術を提案した。しかしなが
ら、この技術は、スタンド間で管体に張力を付加してバ
ルジング変形を抑制するものであるが、例えばテーパー
圧延を行う管端の長さが、スタンド間距離よりも短い場
合には適用できない。また、該公報にも、ロール回転数
を制御する具体的な方法が記載されていないので、試行
が困難であるという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、テーパ圧延を行なう管端の長さがスタンド間距
離に満たなくとも、該管端のバルジング量が従来より少
ない状態でテーパ圧延が可能なマンドレル・ミルでの管
端圧延方法を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため従来技術を見直し、その問題点を克服するこ
とに鋭意努力し、その成果を本発明に具現化した。 【0007】すなわち、本発明は、複数のロール・スタ
ンドを直列に配置したマンドレル・ミルで、マンドレル
・バーを挿入した状態で管体を順次圧下すると共に、最
終スタンドより上流のあるスタンドで該管体の両端部分
を中央部分より薄肉にテーパ成形しつつ、全体を減肉延
伸する鋼管の延伸圧延方法において、前記あるスタンド
の出側に、管体外径を測定するセンサを設け、その測定
値に基づき該管体のバルジングによる先端断面積変化率
αを求めると共に、下記式で定義するロール回転数(Δ
N1+N)を定め、このロール回転数で次回の管体を圧
延することを特徴とする鋼管の延伸圧延方法である。 【0008】(ΔN1+N)=(N+ΔN)×α×C ここで、N: 当該スタンドの基準ロール回転数 ΔN: 管体の体積一定の法則から計算されるロール回
転数の増速量 ΔN1:バルジングを起こさない適正なロール回転数の
増速量ΔN1 C: 過去の操業データで定まる定数。 本発明では、管端をテーパ成形するスタンドで、当該ス
タンドのロール回転数を、管体の体積一定の法則から計
算される回転数増速量以上に増速するようにしたので、
管体の長さ方向への変形が促進する。従って、そのロー
ル回転数を次材の管端テーパ圧延に利用することで、バ
ルジングを起こさずに管体の延伸圧延が可能となる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯に
沿って、本発明の実施の形態を説明する。 【0010】マンドレル・ミル5において、管体18
は、図4に示すように、スタンド内にパスラインを挟み
対称に配置された一対のロール11及びマンドレル・バ
ー4を用いて圧下、圧延される。その際、上下のロール
11及びマンドレル・バー4で圧下された部分のメタル
9は、管体18の周長方向(矢印A)及び長手方向(矢
印B)に流れる。この時、上下ロール11の間隙を小さ
くすると(つまり圧下量を大きくすると)、周長方向及
び長手方向のメタル9の流れ量はより多くなる。しか
し、周長方向へ過度のメタル9が流れると、管体18の
間隔に相当する部分は膨れ(この膨れた部分を、以下バ
ルジ12という)、その後、表面疵等の品質欠陥にな
る。 【0011】この膨れ(バルジング変形)8を抑制する
には、メタル9の長手方向への流れを促進してやれば良
く、その手段の1つとして、当該スタンドと下流側に位
置するスタンドとの間で、管体18に張力を付加する方
法がある。しかし、前記したように、この方法は、管体
18が下流側スタンドのロール11に噛み込んでいない
場合には適用できない。 【0012】そこで、発明者は、当該スタンドのロール
回転数を、圧延時の管体体積一定の法則から計算される
回転数増速量以上に増速し、該スタンドの利用だけで管
体18の長手方向へのメタル9流れを促進することを着
想した。つまり、圧延中にある管体18の端部を薄肉化
するのではなく、この実際の圧延で得るデータに基づい
て次に圧延する管体18の圧延条件を設定しようと考え
たのである。 【0013】具体的には、まず、テーパ成形を行う当該
スタンドの出側直近に、バルジ12を含んだ状態で管体
18の外径を測定するセンサ(接触式、非接触式の如何
なる距離計も使用できる)を配置し、その測定値で該管
体18の長手方向の外径分布を求める。その結果の一例
を模式的に図2に示す。図2に示すように、管体18の
先端部にバルジングが生じた場合、その外径分布から、
バルジングによる先端断面積変化率を次式により求め
る。 【0014】α=(Dtop−t)/(Do−t) ここで、Dtop:管体先端のバルジを含む外径、Do:
管体の外径、t:管体の肉厚。 【0015】次に、図2に示すように、バルジングが起
きる時は、ロール回転数制御量が不足しているとし、そ
の時のロール回転数を(N+ΔN)とする。ここで、N
は、当該スタンドの基準のロール回転数、ΔNは、圧延
によっても管体3の体積は一定であることから計算され
るロール回転数の増速量である。 【0016】従って、バルジングを起こさない時の適正
なロール回転数は、上記αを配慮して、次式で表され
る。 【0017】(ΔN1+N)=(N+ΔN)×α×C ここで、ΔN1:バルジングを起こさない適正な回転数
の増速量ΔN1 C: 過去の操業データで定まる定数。 【0018】つまり、管体18の外径分布を測定すれ
ば、コンピュータで(ΔN1+N)が求まり、その値
を、次に当該スタンドを通過する管体のロール回転数に
設定することで、バルジングを起こさずに、該管体3の
テーパ成形が可能となる。以上述べた本発明に係る圧延
方法を実施するため、システムを構成した例を図1に示
しておく。 【0019】なお、実際にテーパ圧延を実施するには、
最終スタンドは外径成形専用なので使用せず、それより
上流側に配置したいずれかのスタンドが利用される。 【0020】 【実施例】鋼種が炭素鋼の鋼鋳片1を、ピアサ2で穿孔
し、外径90mm,肉厚7.0mm、長さ18mの中空
素管3を多数本得た。そして、これらの中空素管3をス
タンド数が8段のマンドレル・ミル5を通過させ、スト
レッチ・レデューサ7に供給する管体18に延伸圧延し
た。その際、第7スタンドにおいて、本発明に係る方法
に従い、管端を長さ1mにわたり1.5mmだけ薄肉に
するテーパ圧延を実施した。なお、この薄肉化する長さ
は、第7スタンドと第8スタンド間の距離より短く、ス
タンド間で管体18に張力をかけることはできない状況
にあった。 【0021】まず、最初の中空素管3の圧延時に、第7
スタンドの出側に設けたセンサで、圧延中の管体18の
外径分布を測定し、前記先端断面積変化率αを求めた。
その値をコンピュータに入力し、次回以降に当該スタン
ドを通過させる際のロール回転数の設定値とした。この
設定からロール回転数の変更までの作業は、すべて図1
に示したシステムで自動的に行われた。 【0022】実施結果を、第5番目に当該スタンドを通
過させた管体18の外径変化の例で、図3に示す。図3
より、先端においてバルジング変形が起きていないこと
がわかる。 【0023】なお、これらの操業で得た管体18は、す
べてストレッチ・レヂューサ7にて外径25.4mm,
肉厚7.0mmの小径継目無鋼管とされたが、マンドレ
ル・ミル5で最初に圧延したものを除いて、表面疵は皆
無であった。 【0024】 【発明の効果】以上述べたように、本発明により、テー
パ圧延を行なう管端の長さがスタンド間距離に満たなく
とも、該管端にバルジングを起こさない状態でテーパ圧
延が可能となった。その結果、表面疵のない小径継目無
鋼管が安定して製造できるようになった。
での管端圧延方法に係わり、詳しくは、継目無鋼管製造
に際して、ストレッチ・レデューサで最終的に仕上げる
管外径の長さ方向分布を適正化するため、その上流側に
配置したマンドレル・ミルで管端をテーパ圧延する技術
に関する。 【0002】 【従来の技術】比較的小径の継目無鋼管を製造するに
は、まず、図5に示すように、加熱炉10で1200〜
1300℃に加熱された鋼鋳片1(素材)をピアサ圧延
機2で穿孔して中空素管3とする。引き続き、該中空素
管3にマンドレル・バー4なる剛体を挿入したままマン
ドレル・ミル5(通常、8スタンドからなる)で伸延圧
延して管体18とした後、再加熱炉6で温度を再調整
し、多段スタンドからなるストレッチ・レデューサ7で
外径を絞り、製品とする。かかる製造工程において、マ
ンドレル・ミル5による圧延では、前記中空素管3を圧
延して形成された管体18の両端をテーパ状に薄肉に仕
上げ、次工程での両端増肉現象と相殺させて、仕上がり
管肉厚の長手方向分布を均一化することが必要である。 【0003】そのため、特開昭49−113752号公
報(特公昭51−43825号公報)は、マンドレル・
ミル5の特定スタンドに、パス・ラインを不変に維持し
て管体18を圧下する油圧圧下機構(図示せず)を設
け、管体18の噛み込み時と尻抜け時の両時点におい
て、上下一対の孔型ロールをパスラインに対して対称的
に狭めたり、広げたりして圧下量を迅速に調整する技術
を提案している。ロール間隙を単に閉め込むと、管体1
8は、ロール圧下方向と直交する方向に膨れ(バルジン
グという)変形を起こし、この膨れた部分の内外面に疵
やメタルフロー欠陥等の品質欠陥を生ずる問題がある。
前記公報には、前記ロール間隙の変更時に、管断面積の
時々刻々の変化に応じて体積一定の関係を満足せしめる
よう、ロール回転数を同時に制御する旨の記載はある。
しかしながら、その回転数制御方法についての具体的な
記載は見られない。 【0004】そこで、特開昭60−99423号公報
(特公平3−077003号公報)は、上記のようなバ
ルジング変形を抑制するため、ロール間隙の変更を行う
スタンドの上流及び下流スタンドで、ロールの回転数に
それぞれ減速率、増速率をかけた補正を行ない、管体に
長手方向の張力を付加する技術を提案した。しかしなが
ら、この技術は、スタンド間で管体に張力を付加してバ
ルジング変形を抑制するものであるが、例えばテーパー
圧延を行う管端の長さが、スタンド間距離よりも短い場
合には適用できない。また、該公報にも、ロール回転数
を制御する具体的な方法が記載されていないので、試行
が困難であるという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、テーパ圧延を行なう管端の長さがスタンド間距
離に満たなくとも、該管端のバルジング量が従来より少
ない状態でテーパ圧延が可能なマンドレル・ミルでの管
端圧延方法を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため従来技術を見直し、その問題点を克服するこ
とに鋭意努力し、その成果を本発明に具現化した。 【0007】すなわち、本発明は、複数のロール・スタ
ンドを直列に配置したマンドレル・ミルで、マンドレル
・バーを挿入した状態で管体を順次圧下すると共に、最
終スタンドより上流のあるスタンドで該管体の両端部分
を中央部分より薄肉にテーパ成形しつつ、全体を減肉延
伸する鋼管の延伸圧延方法において、前記あるスタンド
の出側に、管体外径を測定するセンサを設け、その測定
値に基づき該管体のバルジングによる先端断面積変化率
αを求めると共に、下記式で定義するロール回転数(Δ
N1+N)を定め、このロール回転数で次回の管体を圧
延することを特徴とする鋼管の延伸圧延方法である。 【0008】(ΔN1+N)=(N+ΔN)×α×C ここで、N: 当該スタンドの基準ロール回転数 ΔN: 管体の体積一定の法則から計算されるロール回
転数の増速量 ΔN1:バルジングを起こさない適正なロール回転数の
増速量ΔN1 C: 過去の操業データで定まる定数。 本発明では、管端をテーパ成形するスタンドで、当該ス
タンドのロール回転数を、管体の体積一定の法則から計
算される回転数増速量以上に増速するようにしたので、
管体の長さ方向への変形が促進する。従って、そのロー
ル回転数を次材の管端テーパ圧延に利用することで、バ
ルジングを起こさずに管体の延伸圧延が可能となる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯に
沿って、本発明の実施の形態を説明する。 【0010】マンドレル・ミル5において、管体18
は、図4に示すように、スタンド内にパスラインを挟み
対称に配置された一対のロール11及びマンドレル・バ
ー4を用いて圧下、圧延される。その際、上下のロール
11及びマンドレル・バー4で圧下された部分のメタル
9は、管体18の周長方向(矢印A)及び長手方向(矢
印B)に流れる。この時、上下ロール11の間隙を小さ
くすると(つまり圧下量を大きくすると)、周長方向及
び長手方向のメタル9の流れ量はより多くなる。しか
し、周長方向へ過度のメタル9が流れると、管体18の
間隔に相当する部分は膨れ(この膨れた部分を、以下バ
ルジ12という)、その後、表面疵等の品質欠陥にな
る。 【0011】この膨れ(バルジング変形)8を抑制する
には、メタル9の長手方向への流れを促進してやれば良
く、その手段の1つとして、当該スタンドと下流側に位
置するスタンドとの間で、管体18に張力を付加する方
法がある。しかし、前記したように、この方法は、管体
18が下流側スタンドのロール11に噛み込んでいない
場合には適用できない。 【0012】そこで、発明者は、当該スタンドのロール
回転数を、圧延時の管体体積一定の法則から計算される
回転数増速量以上に増速し、該スタンドの利用だけで管
体18の長手方向へのメタル9流れを促進することを着
想した。つまり、圧延中にある管体18の端部を薄肉化
するのではなく、この実際の圧延で得るデータに基づい
て次に圧延する管体18の圧延条件を設定しようと考え
たのである。 【0013】具体的には、まず、テーパ成形を行う当該
スタンドの出側直近に、バルジ12を含んだ状態で管体
18の外径を測定するセンサ(接触式、非接触式の如何
なる距離計も使用できる)を配置し、その測定値で該管
体18の長手方向の外径分布を求める。その結果の一例
を模式的に図2に示す。図2に示すように、管体18の
先端部にバルジングが生じた場合、その外径分布から、
バルジングによる先端断面積変化率を次式により求め
る。 【0014】α=(Dtop−t)/(Do−t) ここで、Dtop:管体先端のバルジを含む外径、Do:
管体の外径、t:管体の肉厚。 【0015】次に、図2に示すように、バルジングが起
きる時は、ロール回転数制御量が不足しているとし、そ
の時のロール回転数を(N+ΔN)とする。ここで、N
は、当該スタンドの基準のロール回転数、ΔNは、圧延
によっても管体3の体積は一定であることから計算され
るロール回転数の増速量である。 【0016】従って、バルジングを起こさない時の適正
なロール回転数は、上記αを配慮して、次式で表され
る。 【0017】(ΔN1+N)=(N+ΔN)×α×C ここで、ΔN1:バルジングを起こさない適正な回転数
の増速量ΔN1 C: 過去の操業データで定まる定数。 【0018】つまり、管体18の外径分布を測定すれ
ば、コンピュータで(ΔN1+N)が求まり、その値
を、次に当該スタンドを通過する管体のロール回転数に
設定することで、バルジングを起こさずに、該管体3の
テーパ成形が可能となる。以上述べた本発明に係る圧延
方法を実施するため、システムを構成した例を図1に示
しておく。 【0019】なお、実際にテーパ圧延を実施するには、
最終スタンドは外径成形専用なので使用せず、それより
上流側に配置したいずれかのスタンドが利用される。 【0020】 【実施例】鋼種が炭素鋼の鋼鋳片1を、ピアサ2で穿孔
し、外径90mm,肉厚7.0mm、長さ18mの中空
素管3を多数本得た。そして、これらの中空素管3をス
タンド数が8段のマンドレル・ミル5を通過させ、スト
レッチ・レデューサ7に供給する管体18に延伸圧延し
た。その際、第7スタンドにおいて、本発明に係る方法
に従い、管端を長さ1mにわたり1.5mmだけ薄肉に
するテーパ圧延を実施した。なお、この薄肉化する長さ
は、第7スタンドと第8スタンド間の距離より短く、ス
タンド間で管体18に張力をかけることはできない状況
にあった。 【0021】まず、最初の中空素管3の圧延時に、第7
スタンドの出側に設けたセンサで、圧延中の管体18の
外径分布を測定し、前記先端断面積変化率αを求めた。
その値をコンピュータに入力し、次回以降に当該スタン
ドを通過させる際のロール回転数の設定値とした。この
設定からロール回転数の変更までの作業は、すべて図1
に示したシステムで自動的に行われた。 【0022】実施結果を、第5番目に当該スタンドを通
過させた管体18の外径変化の例で、図3に示す。図3
より、先端においてバルジング変形が起きていないこと
がわかる。 【0023】なお、これらの操業で得た管体18は、す
べてストレッチ・レヂューサ7にて外径25.4mm,
肉厚7.0mmの小径継目無鋼管とされたが、マンドレ
ル・ミル5で最初に圧延したものを除いて、表面疵は皆
無であった。 【0024】 【発明の効果】以上述べたように、本発明により、テー
パ圧延を行なう管端の長さがスタンド間距離に満たなく
とも、該管端にバルジングを起こさない状態でテーパ圧
延が可能となった。その結果、表面疵のない小径継目無
鋼管が安定して製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼管の延伸圧延方法を実施するた
めのシステム構成を示す図である。 【図2】テーパ圧延を実施するスタンド出側で測定した
管体外径の変化を示す模式図である。 【図3】実際にテーパ圧延を実施した時の管体外径の変
化を示す図である。 【図4】テーパ圧延時に生じるバルジング変形の説明図
である。 【図5】継目無鋼管製造工程の一例を示す図である。 【符号の説明】 1 鋼鋳片(素材) 2 ピアサ圧延機(ピアサ) 3 中空素管 4 マンドレル・バー 5 マンドレル・ミル 6 再加熱炉 7 ストレッチ・レデューサ 8 膨れ変形(バルジング変形) 9 メタル 10 加熱炉 11 ロール 12 バルジ 13 センサ 14 センサのコントローラ 15 コンピュータ 16 モータのコントローラ 17 モータ 18 管体
めのシステム構成を示す図である。 【図2】テーパ圧延を実施するスタンド出側で測定した
管体外径の変化を示す模式図である。 【図3】実際にテーパ圧延を実施した時の管体外径の変
化を示す図である。 【図4】テーパ圧延時に生じるバルジング変形の説明図
である。 【図5】継目無鋼管製造工程の一例を示す図である。 【符号の説明】 1 鋼鋳片(素材) 2 ピアサ圧延機(ピアサ) 3 中空素管 4 マンドレル・バー 5 マンドレル・ミル 6 再加熱炉 7 ストレッチ・レデューサ 8 膨れ変形(バルジング変形) 9 メタル 10 加熱炉 11 ロール 12 バルジ 13 センサ 14 センサのコントローラ 15 コンピュータ 16 モータのコントローラ 17 モータ 18 管体
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B21B 37/00 - 37/78
B21B 17/02 - 17/04
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数のロール・スタンドを直列に配置し
たマンドレル・ミルで、マンドレル・バーを挿入した状
態で管体を順次圧下すると共に、最終スタンドより上流
のあるスタンドで該管体の両端部分を中央部分より薄肉
にテーパ成形しつつ、全体を減肉延伸する鋼管の延伸圧
延方法において、前記あるスタンドの出側に、管体外径
を測定するセンサを設け、その測定値に基づき該管体の
バルジングによる先端断面積変化率αを求めると共に、
下記式で定義するロール回転数(ΔN1+N)を定め、
このロール回転数で次回の管体を圧延することを特徴と
する鋼管の延伸圧延方法。 (ΔN1+N)=(N+ΔN)×α×C ここで、N: 当該スタンドの基準ロール回転数 ΔN: 管体の体積一定の法則から計算されるロール回
転数の増速量 ΔN1:バルジングを起こさない適正なロール回転数の
増速量ΔN1 C: 過去の操業データで定まる定数。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05285199A JP3380765B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 鋼管の延伸圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05285199A JP3380765B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 鋼管の延伸圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000246320A JP2000246320A (ja) | 2000-09-12 |
JP3380765B2 true JP3380765B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=12926366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05285199A Expired - Fee Related JP3380765B2 (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 鋼管の延伸圧延方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3380765B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-01 JP JP05285199A patent/JP3380765B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2000246320A (ja) | 2000-09-12 |
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