JP3379210B2 - フィラメントワインディング成形方法及び装置 - Google Patents

フィラメントワインディング成形方法及び装置

Info

Publication number
JP3379210B2
JP3379210B2 JP08272794A JP8272794A JP3379210B2 JP 3379210 B2 JP3379210 B2 JP 3379210B2 JP 08272794 A JP08272794 A JP 08272794A JP 8272794 A JP8272794 A JP 8272794A JP 3379210 B2 JP3379210 B2 JP 3379210B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
filament
mandrel
molding
traverse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08272794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07266438A (ja
Inventor
辰哉 宮川
雲  一郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP08272794A priority Critical patent/JP3379210B2/ja
Publication of JPH07266438A publication Critical patent/JPH07266438A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3379210B2 publication Critical patent/JP3379210B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィラメントワインデ
ィング成形方法および装置に関し、さらに詳しくは、マ
ンドレルを成形中子として、これにフィラメントを巻き
付けて筒状の繊維補強合成樹脂成形体(以下、FRPと
称する)を形成するフィラメントワインディング成形方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPの成形は、たとえばBステージの
熱硬化性樹脂を含浸したフィラメントをマンドレル上に
巻き付けて所定の厚さとし、ラッピングテープを巻きつ
け、加熱してラッピングテープの熱収縮力を付与しなが
ら熱硬化性樹脂を硬化させた後、脱型することにより行
われている。
【0003】FRP素材を成形する方法に関する技術と
しては、従来、図3に示す如く中空チューブ(マンドレ
ル)1を走行させながら2つのボビン2a、2bを互い
に反対方向に回転させフィラメント3を交差状に積層し
て巻き付ける方法(例えば、特開昭55−95535号
公報)や、図4に示す如く、定寸のマンドレル4を回転
させながらトラバース5を往復動させてフィラメント6
を交差状に巻き付ける方法(例えば、特開昭57−49
522号公報)などが提案されている。
【0004】ところで、FRPは、それぞれ金属または
樹脂のみからなる材料にくらべて比強度や比弾性率が高
いことから、いろいろな分野に供されている。このう
ち、自動車のプロペラシャフトや、ロールなどの強化部
品として用いるFRP素材は、高強度が要求されるため
に、フィラメントの配向方向が制限されるとともに、フ
ィラメントが素材の両端で切断されることなく連続して
いる必要がある。また、比強度や、比弾性率などの力学
的な要求性能によって巻き付けるワインディングパター
ンの最適条件を見つけ出す必要もある。
【0005】しかし、図3に示したような方法では、反
対方向に回転する2つのボビン2a、2bが必要であ
り、設備的に複雑になるばかりでなく、2スッテプのフ
ィラメント巻き付けスペースが必要である等の問題があ
る。
【0006】また、図4に示した方法では、定寸のマン
ドレル4であるからフィラメントの連続性は得られる
が、1体のマンドレル毎に巻き付けるものであるからマ
ンドレル交換等のために連続生産が難しく生産効率がき
わめて悪いという問題がある。
【0007】そこで、上記のような問題を解消する手段
の1つとして、たとえば特開昭59−114025号公
報のような提案がなされている。該提案では、連続押し
出し成形されながら回転されるマンドレルに、切断長さ
毎に連続して複数のフィラメントを巻き付ける方法が記
載されている。この方法では、マンドレルが押し出し成
形されつつ、回転軸方向から連続的に巻取部に送入され
る。したがって、フィラメントの連続性も得られて、生
産性が向上する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案には、フィラメントで強化されていないマンドレルの
部分がFRP成形品になって一体化されること、連続押
し出し成形するためにマンドレルの形状や大きさの変更
が難しいこと、力学的な要求性能によってワインディン
グパターンを種々変更して巻き付けることが難しいこと
などの問題がある。
【0009】本発明は、上記のような問題点に着目し、
生産効率を高め、各種形状のFRP成形品の製造に柔軟
に対応でき、力学的な要求性能に応じてワインディング
パターンを適宜変更しフィラメントを巻き付けることが
できるFRP成形用のフィラメントワインディング成形
方法および装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
フィラメントワインディング成形方法は、マンドレルの
軸方向に沿ってフィラメントを往復動させ、該マンドレ
ル上にフィラメントを巻き付けるフィラメントワインデ
ィング成形方法において、 A. 前記マンドレルへのフィラメントの巻取位置をマン
ドレルの軸方向に、同一軸上に複数設定し、 B.前記複数の巻取位置におけるフィラメントワインデ
ィングパターンを制御装置の指示により各々独立に設定
し、かつ、 C.前記複数の巻取位置のマンドレルを同時に駆動して
成形する ことを特徴とする方法からなる。
【0011】上記巻取位置は、制御装置からの指示信号
に基づいて設定される。
【0012】また、各々の巻取位置へ巻き付けるフィラ
メントのワインディングパターンは、制御装置からの信
号に基づき、各々独立に設定可能とされている。
【0013】すなわち、マンドレルの長さ方向に沿っ
て、その長さ内で、トラバース部を往復動させて、マン
ドレルにフィラメントを巻き付けるに際し、巻取位置が
少なくとも2つ以上あり、さらに、,巻取位置と、各巻
取位置に巻き付けるワインディングパターンが制御装置
からの指示により設定できるフィラメントワインディン
グ成形方法を提供するものである。
【0014】また、上記目的に沿う本発明のフィラメン
トワインディング成形装置は、マンドレルの軸方向に沿
ってフィラメントを往復動させ、該マンドレル上にフィ
ラメントを巻き付けフィラメントワインディング成形
装置において、A.同一軸上に複数のフィラメントの巻取位置を有する
マンドレルと、 B.前記複数のフィラメントの巻取位置に対応するマン
ドレルを同時駆動する回転駆動源と、 C.前記複数の巻取位置におけるフィラメントワインデ
ィングパターンを各々独立に設定し、前記回転駆動源に
駆動指令を与える制御装置 を設けたことを特徴とするも
のからなる。
【0015】本発明における上記巻取部とは、マンドレ
ルと、マンドレルを把持する把持具と、把持具を回転駆
動する巻取軸と、巻取軸を駆動する回転駆動源で構成さ
れ、マンドレルの回転によって、フィラメントをマンド
レルに巻取らせるためのものである。
【0016】また、トラバース部とは、前記巻取部に供
給されるフィラメント、たとえば樹脂含浸フィラメント
を、トラバースさせる部分を指し、必要に応じ、フィラ
メントに樹脂を含浸させるための樹脂槽が取り付けられ
ている。トラバース部の駆動手段としては、トラバース
部自体に駆動手段を取り付けることも可能であり、トラ
バース部の取り付けられている移動手段に駆動機能を持
たせ、トラバース部を往復動させてもよい。
【0017】移動手段は、複数の巻取位置に順次、交互
に給糸できるように、トラバース部を各巻取位置に走行
移動するためのものである。たとえば、巻取部の巻取軸
に平行にレールを設置し、それに、トラバース部を載せ
るか、懸垂させるかして移動ガイドとし、公知の駆動装
置によって移動するものなどがある。
【0018】また、「巻取位置」とは、トラバース部
が、巻取部の巻取範囲内でフィラメントを往復動させな
がら巻取を実施することのできる位置のことである。
【0019】「順次」とは、複数の巻取位置に対し、ト
ラバース部を所望の順序でその巻取位置に移動するスケ
ジュールを意味する。すなわち、巻取は、トラバース部
が所定のスケジュールに従って移動され、複数の巻取位
置に対し順次行われるのである。
【0020】「制御装置」は、巻取に必要な巻取位置、
ワインディングパターンなどの巻取条件の設定を行う設
定器と、設置器に入力された巻取条件からトラバース部
移動速度、巻取部のマンドレル回転数などを算出するた
め、メモリ、CPU、周辺回路とを有する演算処理部
と、演算処理部で算出された指令信号を各駆動機に伝達
できる信号にまで増幅する増幅器とから構成されてい
る。設定器は、公知のコンピュータにより、巻取条件の
入力操作や、巻取状態をモニターする機能を有する。ま
た、設定器は、フィラメントワインディング成形装置を
作動、停止させる機能も合せ持っている。
【0021】成形品の形状や、マンドレルの形状などに
より、制御装置から巻取位置を設定することができる。
また、各巻取位置に巻き付けるワインディングパターン
も制御装置から各々設定することができる。
【0022】「ワインディングパターン」は、マンドレ
ルの回転数と、トラバースの移動速度との調整によって
形成されるパターンで、パラレル巻、ヘリカル巻、ポー
ラ巻インプレーン巻が形成できる。成形品の形状や、力
学的な要求性能によって、それらのいずれか、または併
用することもできる。また、ワインディングパターンを
設定するとき、巻き付け角度と、糸速と、巻層数を併せ
て設定することも可能である。
【0023】「巻き付け角度」は、マンドレルに対する
フィラメントの巻き付け角であり、また、「糸速」は、
マンドレルの回転数と、トラバース部の移動速度を制御
装置で算出するのに用いられる。
【0024】「巻層数」は、樹脂含浸フィラメントを巻
き付けて所定の厚さを得るために、ワインディングパタ
ーンの巻数を設定する。また、成形品の形状や、力学的
な要求性能によってワインディングパターンの併用を行
う場合の、各ワインディングパターンの巻数を設定す
る。
【0025】
【作用】本発明に係るフィラメントワインディング成形
方法においては、フィラメントを巻き付けるマンドレル
の軸に沿う方向に巻取位置が複数設定されているので、
フィラメントは、まず一つの巻取位置でマンドレル上に
巻き取られ、該巻取位置での巻き取りが終了すると、続
いて他の巻取位置での巻き取りが開始される。このよう
に、,マンドレル上に設定された複数の巻取位置でフィ
ラメントの巻き取りが順次行われる。従って、マンドレ
ル交換等の回数が大幅に減少し、連続的な生産が可能と
なり、生産効率が向上する。
【0026】また、巻取位置は、制御装置からの指示に
より設定されるので、容易に位置変更も可能であり、し
かも正確な位置決めが可能となり、フィラメントの巻き
取り精度が向上される。
【0027】また、フィラメントのワインディングパタ
ーンは、制御装置からの指示により容易に設定され得る
ので、力学的性能に応じたワインディングパターンでの
フィラメントの巻き取りが迅速、かつ確実に実行され
る。
【0028】さらに、本発明に係るフィラメントワイン
ディング成形装置においては、マンドレルの軸方向にフ
ィラメント巻取位置が複数設定されているので、マンド
レル交換頻度が低減され、連続的な生産が可能となり、
生産効率が向上できる。また、巻取位置及び各巻取位置
でのワインディングパターンは、制御装置からの指示に
より各々独立して最適に設定されるので、フィラメント
の巻取精度が向上されつつ、力学的性能を満足した高品
質のフィラメントワインディング成形品が得られる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の望ましい実施例を図面を参
照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係るフィ
ラメントワインディング成形装置を示している。図1の
フィラメントワインディング成形装置では、巻取部10
が巻取軸12の軸方向に配列されている。巻取部10
は、マンドレル13を把持するための把持具14と、該
把持具14が取り付けられる巻取軸12と、該巻取軸1
2を回転させるための回転駆動源15と有する。巻取部
10にはマンドレル13が取り付けられている。マンド
レル13には、その軸方向に沿ってフィラメントを巻き
取るための巻取位置11a、11bが設定されている。
本実施例においては、マンドレル13上に2つの巻取部
11a、11bが設けられている。なお、巻取位置の設
定数は、これに限定されるものではなくマンドレル13
上であれば任意の数に設定可能である。
【0030】巻取部10に対向して、トラバース部16
を案内するための移動手段17が配設されている。移動
手段17は、レール18と駆動源19(たとえば可逆回
転モータ)とを有し、レール18上に、トラバース部1
6が載せられている。レール18は、巻取部10に対向
して、巻取軸12に対し略平行に配置されていて、トラ
バース部16を、巻取部10の巻取位置11a、11b
に順次移動させるガイドになっている。
【0031】トラバース部16には、フィラメント20
を給糸するためのフィラメントヘッド27が設けられて
いる。フィラメントヘッド27の上部にはフィラメント
20に熱硬化性樹脂を含浸させる樹脂槽21が設けられ
ている。マンドレル13に樹脂含浸フィラメント22を
給糸する際、トラバース部16がトラバース部16自身
に組み込まれた、図示しないトラバース駆動装置(たと
えば、前述の駆動源19に連絡されたボールスクリュ
(図示略)とそれに係合するナット)によって、レール
18に沿ってレール18上を、トラバースのために往復
動される。その往復動は、制御装置23の指示によって
制御されている。
【0032】制御装置23は、フィラメントを巻き取る
ための巻取位置11a、11b、ワインディングパター
ンなどの巻取条件の設定を行う設定器24と、設定器2
4に入力された巻取条件からトラバース部16の移動速
度、巻取部10のマンドレル13の回転数などを算出す
るため、メモリ、CPU、周辺回路を有する演算処理部
25と、演算処理部25で演算された指令信号を各駆動
源に伝達できる信号にまで増幅する増幅器26とから構
成されている。設定器24は、公知のコンピュータによ
り、巻取条件の入力操作や、巻取状態をモニターする機
能を有している。また、設定器24は、フィラメントワ
インディング成形装置自身を作動、停止させる機能も合
せ持っている。
【0033】また、巻取部10の回転駆動源15および
移動手段17の駆動源19に付随しているパルスジェネ
レータ(図示略)により、各駆動源の回転数に応じたパ
ルスが電気的に制御装置23にフィードバックされてお
り、制御装置23からの指令信号に応じた速度、位置制
御が行われるようになっている。
【0034】巻取位置11a、11b及び各巻取位置の
フィラメントワインディングパターンは、設定器24に
別々のデータを入力することにより個別に設定される。
つまり、各巻取位置11a、11b、およびそれに対応
するフィラメントのワインディングパターンは互いに独
立しており、巻取位置11a、11bに互いに異なるフ
ィラメントワインディングパターンを設定することが可
能に構成されている。
【0035】なお、フィラメント20に樹脂を含浸させ
る樹脂槽21内の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイ
ミド樹脂等が挙げられる。しかし、フィラメント20を
含浸させる樹脂は、熱硬化性樹脂に限定されるものでは
なく、熱可塑性樹脂をを用いることも可能である。熱可
塑性樹脂としては、たとえば、ポリエステル、ポリアミ
ド等を挙げることができる。
【0036】上記実施例装置において、本発明に係るフ
ィラメントワインディング成形方法は以下のように実施
される。図2は、本発明のフィラメントワインディング
成形方法のフロチャートを示しており、まず、マンドレ
ル13を、把持具14を介して巻取部10に取り付け
る。引き続いて、必要とされる巻取準備作業を行う(巻
取準備完了)。
【0037】巻取準備が完了したら、巻取に必要な、巻
取位置データと、巻取位置に巻き付けるワインディング
パターンデータと、巻き付け角度θと、糸速Vと、巻層
数と、糸幅、マンドレル径D、巻取のスケジュールを制
御装置23の設定器24から入力する(スッテプ1)。
なお、実施例の巻取のスケジュールは、巻取位置11
a、巻取位置11bの順に設定した。
【0038】入力された巻取位置データ、ワインディン
グパターンデータなどにより、設定器24のコンピュー
タで内部演算され、巻取位置11a、巻取位置11b、
巻取位置に巻き付けるワインディングパターンの組み合
わせなどが演算される。また、内部演算でトラバース部
16の移動速度Tv、巻取部10のマンドレル回転数M
nなども算出される。算出された各データは、制御装置
23の図示を省略した演算処理部25のメモリに伝送さ
れ、記憶される(ステップ2)。演算されたトラバース
部16の移動速度Tvと、マンドレル回転数Mnは、次
のように表される。 Tv=V×cosθ (m/分) Mn=V×sinθ/πD(rpm) なお、設定器24への入力操作は巻取準備の前に行って
もよい。
【0039】次に、設定器24からの指示により移動手
段17を作動させ、トラバース部16を待機位置から、
スケジュールに従って最初に巻取を行う巻取位置11a
の位置に移動する。トラバース部16が所定の位置まで
移動したら、樹脂を含浸していないフィラメント20を
引き取り、樹脂槽21でこのフィラメント20に熱硬化
性樹脂を含浸させ、樹脂含浸フィラメント22にして、
マンドレル13に給糸する。樹脂含浸フィラメント22
の先端をマンドレル13に巻き付けて固定した後、巻取
開始の可否が判断される(ステップ3)。ステップ3で
巻取開始が可と判断された場合は、巻取開始指令が設定
器24から発せられ、設定器24で算出した、巻取部1
0の回転数指令と、トラバース部16の移動速度指令が
増幅器26で増幅され、各駆動源15、19に伝達され
る(ステップ4)。
【0040】なお、ステップ3において巻取開始が不可
と判断された場合は、巻取条件データの再入力が行われ
る(ステップ9)。ステップ9において、データの入力
不備が是正された場合には再度ステップ1に戻される。
しかし、データの入力不備が是正されない場合には強制
的に巻取終了とされる(ステップ6)。
【0041】ステップ4に続き、巻取軸12を介してマ
ンドレル13を回転させる。同時に、トラバース部16
が樹脂含浸フィラメント22をトラバースしながら給糸
を開始する。制御装置23から指令されるマンドレル1
3の回転数とトラバース移動速度との調整によって、樹
脂含浸フィラメント22は、マンドレル13の巻取位置
11aに所望のワインディングパターンで巻き付けられ
る(ステップ5)。
【0042】続いて、巻取終了の確認が行われる(ステ
ップ6)。ステップ6で巻取終了の確認が行れない場合
には、ステップ4〜ステップ6の動作がくり返される。
巻取位置11aでの巻取が終了し、ステップ6で巻取終
了が確認されると、次に、巻取スケジュールの完了が確
認される(ステップ7)。巻取スケジュールが未完了の
際には、巻取り条件の再入力操作が必要か否かが判断さ
れ(ステップ10)、不要の場合には、巻取位置11b
まで移動手段17によって、給糸トラバース部16が移
動され、移動後、所定の巻取を行う(ステップ4〜ステ
ップ6)。ステップ10で巻取条件の変更が必要と判断
された場合には、ステップ1に戻り入力操作を行う。
【0043】ステップ7で巻取スケジュールの終了が確
認されると、設定器24に巻取終了指令が入力され、巻
取部10の回転数指令と、トラバース部16の移動速度
指令が停止され、巻取作業が終了する(ステップ8)。
すなわち、設定器24から巻取指令が継続して出されて
おり、巻取スケジュールが未完了で、巻取条件に変更が
ない限り、上記ステップ4〜6が繰り返し行われる。
【0044】設定器24に入力した巻取スケジュールを
すべて完了すると、巻取作業終了となる。端末処理の
後、移動手段17により、トラバース部16は待機位置
へ移動される。そして、巻取作業を完了したマンドレル
13の取り外しと、次のマンドレルへの巻取のための準
備作業が開始される。
【0045】巻取位置の数、巻取位置に巻き付けるワイ
ンディングパターン、トラバース部のスケジュールは、
生産計画や、成形品の形状、力学的な要求性能などによ
って任意に設定できる。また、,マンドレルに巻取られ
るフィラメントの形状は、ロービング、テープなどFR
P成形用の所望の形状が採用できる。
【0046】次に、本実施例装置を用いて以下に述べる
巻取試験を実施した。入力条件は次のように設定した。
マンドレル13の全長2500mm、外径92mmで、
樹脂含浸フィラメント22の先端をマンドレル13に巻
き付けて固定する位置(以下、糸掛け位置と称する)
を、巻取位置11aでは、マンドレル13の端から17
0mm、巻取位置11bの糸掛け位置を、マンドレル1
3の端から1070mmとし、また、巻取位置11a、
巻取位置11bをそれぞれ900mmとして設定器24
から入力した。
【0047】次に、ロービング数を6、糸速30m/
分、ワインディングパターンを巻取位置11aに、ヘリ
カル巻で±11度を3層、パラレル巻で1層、ヘリカル
巻で±11度を3層、パラレル巻で1層、ヘリカル巻で
±14度を1層、テープ巻を1層と設定する。引き続い
て、巻取位置11bに、ヘリカル巻で±14度を2層、
パラレル巻で1層、ヘリカル巻で±14度を2層、パラ
レル巻で1層、ヘリカル巻で±11度を3層、テープ巻
を1層設定し、設定器24から入力した。また、トラバ
ース部16の巻取スケジュールは、巻取位置11a、続
いて巻取位置11bの順とした。
【0048】図2のフローチャートに従いFRPを成形
し、加熱してテープの熱収縮力を付与しながら熱硬化性
樹脂を硬化させた後、脱型した。結果は、従来法に比べ
短時間で力学的性質の異なった、2種類のFRPの成形
品を成形することができた。
【0049】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明のフィラメ
ントワインディング成形方法及び装置によるときは、マ
ンドレルの長さ内で、複数の巻取位置が設定され、巻取
位置と、各々巻取位置に巻き付けるワインディングパタ
ーンが、制御装置からの指示により独立して設定でき
る。したがって、従来の巻取部と給糸トラバース部とが
1対1に対応していたフィラメントワインディング成形
装置に比べ、力学的な要求性能によってワインディング
パターンをさまざまに変えて巻き付けることができ、力
学的性質の異なったFRP成形品が同一マンドレル上で
成形でき、かつ、巻き付け条件の最適化が短時間で行
え、生産効率を高めることができる。また、各種の形
状、特性の異なるFRP成形品の製造に対して、柔軟に
対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るフィラメントワインデ
ィング成形装置の概略構成図である。
【図2】図1の装置のフィラメント巻取り時の制御に係
るフローチャートである。
【図3】従来のフィラメントワインディング成形装置の
概略正面図である。
【図4】従来の別のフィラメントワインディング成形装
置の概略正面図である。
【符号の説明】
10 巻取部 11a、11b 巻取位置 12 巻取軸 13 マンドレル 14 把持具 15 回転駆動源 16 トラバース部 17 移動手段 18 モノレール 19 駆動源 20 フィラメント 21 樹脂槽 22 樹脂含浸フィラメント 23 制御装置 24 設定器 25 演算処理部 26 増幅器 27 フィラメントヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 70/00 - 70/88

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンドレルの軸方向に沿ってフィラメン
    トを往復動させ、該マンドレル上にフィラメントを巻き
    付けるフィラメントワインディング成形方法において、 A. 前記マンドレルへのフィラメントの巻取位置をマン
    ドレルの軸方向に、同一軸上に複数設定し、 B.前記複数の巻取位置におけるフィラメントワインデ
    ィングパターンを制御装置の指示により各々独立に設定
    し、かつ、 C.前記複数の巻取位置のマンドレルを同時に駆動して
    成形する ことを特徴とするフィラメントワインディング
    成形方法。
  2. 【請求項2】 マンドレルの軸方向に沿ってフィラメン
    トを往復動させ、該マンドレル上にフィラメントを巻き
    付けるフィラメントワインディング成形装置において、 A.同一軸上に複数のフィラメントの巻取位置を有する
    マンドレルと、 B.前記複数のフィラメントの巻取位置に対応するマン
    ドレルを同時駆動する回転駆動源と、 C.前記複数の巻取位置におけるフィラメントワインデ
    ィングパターンを各々独立に設定し、前記回転駆動源に
    駆動指令を与える制御装置を設けたことを特徴とするフ
    ィラメントワインディング成形装置。
JP08272794A 1994-03-30 1994-03-30 フィラメントワインディング成形方法及び装置 Expired - Fee Related JP3379210B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08272794A JP3379210B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 フィラメントワインディング成形方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08272794A JP3379210B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 フィラメントワインディング成形方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07266438A JPH07266438A (ja) 1995-10-17
JP3379210B2 true JP3379210B2 (ja) 2003-02-24

Family

ID=13782459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08272794A Expired - Fee Related JP3379210B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 フィラメントワインディング成形方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3379210B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102013108251A1 (de) * 2013-08-01 2014-10-30 Thyssenkrupp Ag Werkzeug zur Herstellung eines rohrförmigen Faserverbundkörpers und Verfahren hierzu
DE102013108259A1 (de) * 2013-08-01 2015-02-05 Thyssenkrupp Ag Verfahren zur Herstellung rohrförmiger Faserverbundkörper
JP6787211B2 (ja) * 2017-03-24 2020-11-18 トヨタ自動車株式会社 フィラメントワインディング装置
KR102625593B1 (ko) * 2021-12-15 2024-01-16 주식회사 한국카본 다기능 복합 와인딩 장치 및 이를 이용한 압력용기 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07266438A (ja) 1995-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6073670A (en) Multiple fiber placement head arrangement for placing fibers into channels of a mold
US4010054A (en) Thermoplastic filament winding process
US8105454B2 (en) Filament winding apparatus and method thereof
US4078957A (en) Filament winding apparatus and method
JP5550851B2 (ja) 大型バレル部構成部品の製作のためのマルチヘッド自動化複合材料積層機
US4938824A (en) Method for making a composite component using a transverse tape
US5019309A (en) Method of and apparatus for producing a pipe of thermoplastic synthetic resin
JP4235142B2 (ja) フィラメントワインディング装置
US20030052212A1 (en) Filament winding apparatus and methods of winding filament
CA2413089C (en) Method of placing fibers into channels of a mold and fiber placement head for accomplishing same
JP3379210B2 (ja) フィラメントワインディング成形方法及び装置
US5385621A (en) Tire bead-making method with two winding tension levels
JP3475808B2 (ja) 繊維強化プラスチック製パイプの製造方法
JPH08187797A (ja) 筒状繊維強化プラスチックの製造方法及び装置
JP2004188869A (ja) フィラメントワインディング装置における繊維束引出し装置
JP3698268B2 (ja) Frp筒体の製造方法および製造装置
JP2000108212A (ja) 繊維供給ヘッド及び繊維供給ヘッドユニット
WO1998003326A1 (en) Reinforced products and method and apparatus for manufacturing same
JP3132887B2 (ja) 繊維強化硬化性樹脂成形品の製造方法
JPH04187422A (ja) フィラメントワインデング成形方法、及びその装置
JPH0671765B2 (ja) 樹脂含浸長繊維の自動巻取り装置
JPS63149134A (ja) 繊維強化プラスチツクス製円筒体の製造方法
JPH07205313A (ja) Frp製管状体の製造装置および製造方法
JPH07100942A (ja) 繊維強化樹脂製曲管継手の製造方法
JPH04294130A (ja) 繊維強化樹脂製t字管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071213

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081213

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081213

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091213

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091213

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101213

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees