JP3377775B2 - 射出成形機 - Google Patents

射出成形機

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JP3377775B2
JP3377775B2 JP2000180652A JP2000180652A JP3377775B2 JP 3377775 B2 JP3377775 B2 JP 3377775B2 JP 2000180652 A JP2000180652 A JP 2000180652A JP 2000180652 A JP2000180652 A JP 2000180652A JP 3377775 B2 JP3377775 B2 JP 3377775B2
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洋 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙、澱粉、および
水を混合した紙系成形原料を金型内に射出して成形品を
得る射出成形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙、澱粉、および水を混合した紙系成形
原料の射出成形においては、特許第2916136号公
報に記載されている如く、紙系成形原料を金型内へ充填
した後、金型を0.02〜0.50mmだけ微小に開く
寸開動作を繰返すことにより、原料中の水蒸気を脱気し
て成形する必要がある。ところが、従来の射出成形機に
は、上述のような脱気工程が組み込まれていない。従っ
て、従来の射出成形機で紙系成形原料を射出成形する際
は、手動操作で、型締と寸開を繰返す必要があり、自動
運転による成形ができなかった。
【0003】一方、従来の射出成形機には、上記脱気工
程の寸開に近い動作として、射出圧縮がある。図7は、
そのような射出圧縮を行う場合のシーケンスチャートを
示している。同図に示すように、先ず「型閉」動作によ
り一旦金型を閉じ、次に「寸開移動」により所定の寸開
量だけ金型を開き、そこで「寸開保持」すると共に、
「射出充填」動作で金型内に成形原料を充填し、さらに
「射出保圧」を行う。その後、「型締昇圧」の後の「型
締保持」の間に次ショットのための成形原料の「可塑
化」を行い、「型締降圧」した後、「型開」動作により
金型を開いて「製品取出し」を行えば、射出成形の1サ
イクルが終了する。しかし、このような従来のシーケン
スでは、金型を「寸開保持」した状態で、金型内に成形
原料を「射出充填」しており、上述の紙系成形原料に必
要な射出充填後の寸開繰返しとは全く異なるものであ
る。
【0004】また、紙系成形原料の射出成形の際、射出
充填後の脱気工程の繰返しにおいて、金型内の成形原料
からの水蒸気発生量は、初回の脱気工程が最も多くて、
後の回になるほど減少していく。従って、各回の脱気工
程について、寸開量、寸開保持時間、寸開後の型締保持
時間を適切に制御する必要があるが、従来の射出成形機
にそのような制御機能はなかった。ここで、寸開後の
「型締保持」とは、金型を閉じて金型キャビティ面と成
形原料とを密着させ、金型からの熱を原料に伝えて、紙
系成形原料からの水蒸気発生を促進する働きをするもの
である。
【0005】さらに、上記脱気工程の繰返しの間中、射
出装置のノズルを金型に接触させておくと、金型からの
熱がノズルへ伝わって、ノズル内の紙系成形原料が固化
する不具合を生じることがある。他方、射出工程の後、
射出装置のノズルを金型から早く離すと、金型内の紙系
成形原料が水蒸気と共に、ノズル引き離し部から外部へ
噴出する不具合が生じる。従って、脱気工程繰返しの途
中の適切なタイミングで、ノズルを金型から離してしま
う必要がある。このノズルを離す動作を、前述の手動操
作による成形中に行うことは、成形作業が一層煩雑にな
るため、実際の生産作業では困難である。
【0006】なお、成形品の種類によっては、金型が成
形品キャビティ部分とランナー部分でそれぞれ型開きす
る3枚構造金型を用いることがある。しかし、この従来
技術では、上記した2つの金型部分を同時に寸開させる
適切な手段がなかった。そのため、3枚構造金型では、
紙系成形原料を成形することが困難であった。以上のよ
うに従来例では、紙系成形原料を射出成形する場合に、
金型に原料を充填した後の脱気工程繰返しを手動操作で
しか行うことができず、自動運転および適切な条件での
成形ができないという問題があった。また、3枚構造金
型では、紙系成形原料を成形できないという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
射出成形機では、紙系成形原料に必要な繰返し脱気工程
の自動運転および適切な条件制御が行われていないた
め、成形品を量産することができないという大きな欠点
があった。また、金型からノズルへの伝熱により、ノズ
ル内で紙系成形原料が固化したり、あるいは射出工程の
後でノズルを早く金型から離すと、金型内の原料が水蒸
気と共にノズル引き離し部から外部へ噴出するというい
う欠点があった。さらに、一般に多用されている3枚構
造金型では、金型の2つの開き部分の寸開量を同時に制
御することが不可能であるため、紙系成形原料の成形が
できないという欠点があった。
【0008】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、脱気工程における水蒸気の発
生状況に対応した適切な条件で自動運転による脱気を行
うことができ、脱気時の成形不具合もなく、紙系成形原
料を用いた成形品の量産が可能な射出成形機を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本発明は、金型を閉鎖して紙系成
形原料を射出装置のノズルから金型内に射出した後、型
締装置を動作させて金型のパーティング面を開く寸開に
よる脱気工程を複数回繰り返す動作制御において、位置
センサで検出する寸開量、タイマーによって調整する寸
開保持時間、および別のタイマーによって調整する寸開
後の型締保持時間のうちで1つ以上の項目につき、脱気
工程の回数別に2段階以上の設定を行っている。また、
本発明は、上記に加えて、複数回の脱気工程途中に、射
出装置のノズルを金型から離す動作を行っており、ノズ
ル内の紙系成形原料の固化、あるいは金型内の紙系成形
原料のノズル引き離し部からの噴出という不具合の防止
手段としている。さらに、本発明は、上記金型が成形品
キャビティ部分とランナー部分でそれぞれ型開きする3
枚構造金型である場合に、ランナー部分はこれに関連し
て設けた位置決めピンと位置決め板の長穴との係合作用
により一定量開き、キャビティ部分の寸開量を型締装置
で制御するようにしており、3枚構造金型での紙系成形
原料を成形する場合の問題を解決する手段としている。
【0010】すなわち、本発明では、先ず、金型を閉鎖
して紙系成形原料を射出装置のノズルから金型内に射出
した後、型締装置を動作させて金型のパーティング面を
開く寸開をさせる脱気工程の繰返しにおいて、位置セン
サで検出する寸開量、タイマーによって調整する寸開保
持時間、および別のタイマーによって調整する寸開後の
型締保持時間のうちで1つ以上の項目につき、脱気工程
の回数別に2段階以上の設定を行うことにより、紙系成
形原料からの水蒸気の発生状況に対応した最適な条件で
紙系成形原料中の水分除去を実施することが可能にな
り、紙系成形原料中の水蒸気が噴出して成形品を破損す
るような不良を生じることなく、自動運転で成形可能で
ある。また、上記に加えて、複数回の脱気工程途中に、
射出装置のノズルを金型から離す動作を実施することに
より、金型からノズルへの伝熱量が過大になることを防
止し、ノズル内で紙系成形原料が固化するという不具合
をなくすことが可能になる。なお、ノズル引き離しの時
期は自由に調整できるので、ノズル引き離しが早すぎる
ために金型内の紙系成形原料が水蒸気と共に噴出する不
具合は、当然なくすことが可能である。さらに、金型が
成形品キャビティ部分とランナー部分でそれぞれ型開き
する3枚構造金型である場合に、ランナー部分は位置決
めピンと位置決め板の長穴との係合作用により一定量開
き、キャビティ部分の寸開量を型締装置で制御するよう
にすることにより、3枚構造金型のランナー部分とキャ
ビティ部分の2つのパーティング面を同時に寸開するこ
とが可能になる。金型の寸開ができることにより、脱気
が可能となり、3枚構造金型での紙系成形原料の成形が
可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。ここで、図1は本発明の第
1実施形態の射出成形機の全体システム図、図2は第1
実施形態のシーケンス図、図3は脱気工程の水蒸気発生
量のグラフ、図4は本発明の第2実施形態における寸開
動作可能とした3枚構造金型の断面図、図5は第2実施
形態における同金型の寸開位置決めの詳細図、図6は第
2実施形態の同金型を使用する場合のシーケンス図であ
る。
【0012】本実施形態の射出成形機は、図1に示す如
く、型締装置として軸心方向に沿って配設される固定盤
1、固定金型2、可動金型3、可動盤4、型締ラム5、
型締シリンダ6など、射出装置としてシリンダ8、スク
リュ9、射出シリンダ12などを備えている。固定金型
2および可動金型3は、固定盤1と可動盤4との間に対
向して配設されており、固定金型2は固定盤1に取付け
られ、可動金型3は可動盤4に取付けられ、可動盤4は
型締ラム5に連結されている。従って、型締シリンダ6
により型締ラム5を動かすことにより、可動盤4および
可動金型3が一体となって前後進するようになってい
る。
【0013】シリンダ8の先端部側には、固定金型2お
よび可動金型3間のキャビティ部と連通するノズル7が
設けられている。また、シリンダ8の内部には、前後進
可能なスクリュ9が設けられており、当該スクリュ9の
基端は、軸受箱13を介してモータ14に連結されてい
る。さらに、シリンダ8の基端部側には、原料11を投
入するホッパ10と、軸受箱13に連結する射出シリン
ダ12が取付けられている。しかも、固定盤1と射出シ
リンダ12とは、プルインシリンダ15で互いに連結さ
れており、プルインシリンダ15を作動させることによ
って、射出シリンダ12、およびそれと一体のシリンダ
8、ノズル7が左右方向に移動するように構成されてい
る。
【0014】また、可動盤4、軸受箱13およびプルイ
ンシリンダ15には、型開閉位置センサ18、射出位置
センサ19およびプルイン位置センサ20がそれぞれ対
応して設けられており、これら位置センサ18,19,
20は、制御装置25に電気的に接続されている。そし
て、型締シリンダ6、プルインシリンダ15および射出
シリンダ12には、それぞれの動作方向を切換える切換
弁21,22,23が油圧回路で接続されている。
【0015】本実施形態の射出成形機において、ホッパ
10に投入された原料11は、シリンダ8内で、周囲の
ヒータ17による加熱とスクリュ9による可塑化・混練
作用とにより可塑化されてスクリュ9の前方(図1の左
方)へ送られて所定量蓄積され、その後、射出シリンダ
12の作用にてスクリュ9を前進させることにより、シ
リンダ8の先端に取付けたノズル7から固定金型2およ
び可動金型3間のキャビティ部内へ射出充填される。こ
こで、スクリュ9による可塑化の際は、モータ14によ
って駆動し、軸受箱13を介してスクリュ9に動力を伝
達する。また、スクリュ9による射出の際は、切換弁2
3のソレノイドfを励磁させて、油圧源PCからの圧油
を射出シリンダ12のロッド側へ送り込むことにより駆
動し、軸受箱13を介してスクリュ9に動力を伝達す
る。なお、スクリュ9の前後進の位置は、射出位置セン
サ19により検出・制御される。
【0016】また、型閉の際は、切換弁21のソレノイ
ドaを励磁させて、油圧源PAからの圧油を型締シリン
ダ6のヘッド側へ送り込むことにより、型締ラム5の左
方から力を作用させ、型締ラム5を図1の右方へ動か
し、型締ラム5の左方からの力が型締力として働く。他
方、型開の際は、切換弁21のソレノイドbを励磁させ
て、油圧源PAからの圧油を型締シリンダ6のロッド側
へ送り込むことにより、型締ラム5を図1の左方へ動か
す。なお、型開閉時の可動盤4の位置は、型開閉位置セ
ンサ18により検出・制御される。そして、同位置セン
サ18の検出精度は0.01mm以下とし、寸開位置ま
で金型を開いて停止させ、また型締するという脱気工程
を繰返し行うことが可能となっている。
【0017】さらに、切換弁22のソレノイドcを励磁
させて、油圧源PBからの圧油をプルインシリンダ15
のヘッド側に送り込むことにより、ノズル7およびシリ
ンダ8は図1の右方へ移動し、固定金型2からノズル7
が離れる。逆に、切換弁22のソレノイドdを励磁させ
て、油圧源PBからの圧油をプルインシリンダ15のロ
ッド側に送り込むことにより、ノズル7およびシリンダ
8は図1の左方へ移動し、ノズル7が固定金型2に接触
(タッチ)する。このプルインシリンダ15の作動位置
は、プルイン位置センサ20により検出・制御される。
【0018】一方、固定金型2および可動金型3の周囲
には、ヒータ16がそれぞれ設けられており、同ヒータ
16により金型温度を上げて、金型内の紙系成形原料か
ら水蒸気を発生させるようにしている。例えば、スクリ
ュ9内では、紙系成形原料の温度を90℃以下とし、金
型温度は150℃程度に加熱して、金型内で紙系成形原
料中の水分を蒸発させて水蒸気とする。紙系成形原料の
場合は、水分を蒸発させることにより、原料が乾燥固化
して成形品となる。ここで発生する水蒸気は、上述の脱
気工程の繰返しにより、寸開した隙間より大気へ排出さ
れることになる。
【0019】次に、図2のシーケンス図において、1サ
イクルがスタートすると、先ず「型閉」動作により図1
の固定金型2,可動金型3を閉じ、「型締昇圧」により
型締力を作用させた後、「型締保持」すると共に、「ノ
ズルタッチ」により射出装置のノズル7を固定金型2に
接触(タッチ)させ、続いて金型間のキャビティ部内に
紙系成形原料を「射出充填」する。「射出充填」を行っ
た後で、タイマーTM0の設定時間の経過後、N回繰返
しの脱気工程に入る。各回の脱気工程は、型締力を落と
す「型締降圧」、金型のパーティング面を寸開する「寸
開移動」、寸開位置を維持する「寸開保持」、再度固定
金型2,可動金型3を閉じる「型締昇圧」、および型閉
鎖を維持する「型締保持」の動作の連続から構成されて
いる。それらの各動作のうち、「寸開移動」で寸開量を
設定・制御し、「寸開保持」と「型締保持」では各保持
時間を設定・制御する。なお、上記の寸開量は、図1の
型開閉位置センサ18を使用して検出・制御する。他
方、「射出充填」の後、「射出保圧」を行い、続けて
「可塑化」動作で次ショット分の可塑化・計量を行う。
そして、繰返し脱気工程中に、「射出保圧」完了からの
タイマーTS0の設定時間が経過した後、「スプルーブ
レーク」動作で射出装置のノズル7を固定金型2から引
き離す。そして脱気完了後、「型締降圧」した後、「型
開」動作により金型を開いて「製品取出し」を行えば、
紙系原料の射出成形の1サイクルが終了する。
【0020】上述した繰返し脱気工程の設定条件項目を
下記の表1に示し、また同表1の多数回脱気設定条件の
例を下記の表2に示している。
【0021】
【表1】
【表2】
【0022】表1と図2に示すように、各回の脱気工程
における寸開保持タイマー、型締保持タイマー、および
寸開量は、脱気工程の第1回、第2回、第3回以降の3
段階を設定している。このように、脱気工程の回数別に
3段階の設定が行われる理由を、図3により説明する。
図3では、横軸に脱気工程の回数番号、縦軸に寸開時の
水蒸気発生量を示している。同図で明らかなように、脱
気工程第1回目の水蒸気発生量が非常に多く、第2回
目、第3回目と進むにつれて、水蒸気発生量が大きく低
下している。しかるに、水蒸気発生量が多い場合は、寸
開量をなるべく小さくしないと、水蒸気が噴出して紙系
成形原料を吹き飛ばすおそれがあり、また水蒸気の排気
に時間を掛ける必要があるため、寸開保持時間を長くす
る必要がある。これは、表2の脱気回数1における寸開
量LA1が0.25mmと小さく、寸開保持タイマーT
A1が15秒と長いことに相当する。他方、脱気工程の
回数が進むにつれて、水蒸気発生量が減ってくるので、
金型から原料を加熱する時間を長くして水蒸気発生量を
増やすべく、型締保持時間を長くする必要がある。これ
は、表2の脱気回数3における型締保持タイマーTB3
を1.5秒と長くしていることに相当する。
【0023】このように、各回の脱気工程における水蒸
気発生状況に応じて、寸開保持タイマー、型締保持タイ
マー、および寸開量を適切な値にすれば、効率良く脱気
し、かつ成形不良を防止できる。なお本例では、脱気工
程繰返し回数別に3段階の設定を示したが、成形品によ
り必要な段階数が異なり、段階数は2段階であっても、
あるいは4段階以上であってもよい。また、寸開保持タ
イマー、型締保持タイマー、および寸開量のすべてを複
数段階の設定にする必要は必ずしもなく、最低1項目を
複数段階の設定にするだけでも効果がある。
【0024】次に、本発明の第2実施形態に係る金型
は、図4に示すように、固定金型52、中間金型49お
よび可動金型53の3枚から構成されている。固定金型
52と中間金型49との間にはランナー42が設けら
れ、中間金型49と可動金型53との間には成形品キャ
ビティ40が設けられている。図示しない射出装置から
の紙系成形原料は、スプルー41からランナー42を経
て成形品キャビティ40へ充填されるようになってい
る。また、金型内の紙系成形原料が固化した後は、固定
金型52と中間金型49の間を開いてランナー42部分
の紙系成形原料を取出し、中間金型49と可動金型53
の間を開いて成形品を取出している。本金型において、
中間金型43の両側面には、位置決めシリンダ43が取
付けられており、同シリンダ43の駆動により位置決め
ピン44は、金型側面に対して垂直の向きに移動可能に
構成されている。一方、固定金型52の両側面には、位
置決め板45が取付けられ、同位置決め板45の穴を貫
通して位置決めピン44が中間金型49まで挿入されて
いる。また、固定金型52と中間金型49との間には、
複数個数のスプリング46が組み込まれている。
【0025】図4の矢視G−Gの断面を示す図5におい
て、上述の位置決めの仕組みを説明する。図5に示すよ
うに、位置決め板45はボルト47で固定金型52に固
定され、位置決めピン44が貫通する穴は長穴45aの
形状に形成されている。従って、長穴45aと位置決め
ピン44との間は、図5のδだけの移動が可能となって
いる。それ故、図4の状態で、金型を寸開すると、固定
金型52と中間金型49との間は、スプリング46の弾
撥力により広げられて隙間が生じるが、図5に示す位置
決めピン44と長穴45aとの係合作用により許容移動
量δだけ開いた位置で停止し、固定金型52と中間金型
49の寸開量は一定量δとなる。他方、可動金型53と
中間金型49との間は、図1の型締シリンダ6の作動に
よって寸開し、型開閉位置センサ18によって寸開量が
検出・制御される。
【0026】また、図6は、図4および図5の3枚構造
金型で紙系原料を射出成形する場合のシーケンス図を示
している。同図のように、1サイクル始めの「型閉」後
に、「位置決めピン挿入」動作で位置決めピン44を中
間金型49に挿入し、それから「型締昇圧」を行う。ま
た、脱気完了後は、「位置決めピン戻し」動作で位置決
めピン44を中間金型49から抜き、位置決めピン44
による固定金型52と中間金型49との拘束を解いてか
ら、「型締降圧」を行う。それ以外は、図2のシーケン
ス図と同じである。
【0027】このように、第2実施形態の3枚構造金型
においては、図4〜図6の金型構造とシーケンスによ
り、ランナー部分のパーティング面の寸開は位置決めピ
ン44で寸開量を規定し、成形品部分のパーティング面
の寸開は型締装置の寸開動作により行われるので、3枚
構造金型でもランナー側および成形品側の両方で寸開し
て脱気することができ、紙系原料の成形が可能となる。
【0028】以上、本発明の実施形態につき述べたが、
本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲内において各種の変形およ
び変更を加え得るものである。
【0029】
【発明の効果】上述したように、本発明の射出成形機に
よれば、紙系成形原料の射出成形において、繰返し脱気
工程の寸開量、寸開保持時間、寸開後の型締保持時間の
少なくとも1つ以上の項目について、位置センサおよび
タイマーで脱気工程の回数別に2段階以上の設定を行う
ことにより、脱気工程での水蒸気発生状況に対応した適
切な条件で自動運転により脱気を行うことができ、脱気
時の成形不具合もなくなり、紙系成形原料を用いた成形
品の量産が可能となる。また、本発明の射出成形機で
は、複数回の脱気工程の間に、射出装置のノズルを金型
から離してしまう動作を入れることにより、ノズル内で
紙系成形原料が固化したり、ノズルの早期引き離しで金
型内の紙系成形原料がノズル引き離し部から噴出すると
いう不具合を防止できる。さらに、本発明の射出成形機
では、ランナー部と成形品部とが別々に型開きする3枚
構造金型において、ランナー部分の寸開量を位置決めピ
ンと位置決め板の長穴との係合作用で規定し、成形品部
分の寸開量を型締装置で制御することにより、3枚構造
金型でランナー部と成形品部の両方の寸開を行うことが
でき、3枚構造金型への紙系原料の適用を可能とし、幅
広い種類の成形品に実用化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る射出成形機の全体
システムを示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態のシーケンス図である。
【図3】本発明の第1実施形態の脱気工程における水蒸
気発生量を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る3枚構造金型を示
す断面図である。
【図5】図4の矢視G−Gの断面図である。
【図6】図4および図5の3枚構造金型で成形する場合
のシーケンス図である。
【図7】従来の射出成形機で射出圧縮成形を行う場合の
シーケンス図である。
【符号の説明】
1 固定盤 2,52 固定金型 3,53 可動金型 4 可動盤 5 型締ラム 6 型締シリンダ 7 ノズル 8 シリンダ 9 スクリュ 10 ホッパ 11 原料 12 射出シリンダ 13 軸受箱 14 モーター 15 プルインシリンダ 16,17 ヒータ 18 型開閉位置センサ 19 射出位置センサ 20 プルイン位置センサ 21,22,23 切換弁 25 制御装置 40 成形品キャビティ 41 スプルー 42 ランナー 43 位置決めシリンダ 44 位置決めピン 45 位置決め板 45a 長穴 46 スプリング 49 中間金型 52 固定金型 53 可動金型 N 脱気回数 TA1〜TA3 第1回〜第3回以降脱気の寸開保持時
間 TB1〜TB3 第1回〜第3回以降脱気の型締保持時
間 TS0 射出完了後、スプルーブレーク待ち時間 LA1〜LA3 第1回〜第3回以降脱気の寸開量
フロントページの続き (72)発明者 黒田 英夫 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番 地 三菱重工業株式会社 名古屋研究所 内 (72)発明者 佐藤 洋 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番 地 三菱重工業株式会社産業機器事業部 内 (72)発明者 丸野 満義 大阪府守口市大日町1丁目3番7号 大 宝工業株式会社内 (72)発明者 福田 厚 大阪府守口市大日町1丁目3番7号 大 宝工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−329114(JP,A) 特開 平10−29250(JP,A) 特開2000−127118(JP,A) 特開 平11−280000(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27N 3/00 - 5/02 B29C 45/00 - 45/84 B29C 33/00 - 33/76

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型を閉鎖して紙系成形原料を射出装置
    のノズルから金型内に射出した後、型締装置を動作させ
    て金型のパーティング面を開く寸開による脱気工程を複
    数回繰り返す動作制御において、位置センサで検出する
    寸開量、タイマーによって調整する寸開保持時間、およ
    び別のタイマーによって調整する寸開後の型締保持時間
    のうちで1つ以上の項目につき、脱気工程の回数別に2
    段階以上の設定を行うことを特徴とする射出成形機。
  2. 【請求項2】 複数回の脱気工程を繰返す途中で、射出
    装置のノズルを金型から離して待機させるように構成し
    たことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
  3. 【請求項3】 前記金型が成形品キャビティ部分のパー
    ティング面とランナー部分のパーティング面でそれぞれ
    型開きする3枚構造金型であり、ランナー部分のパーテ
    ィング面はこれに関連して設けた位置決めピンと位置決
    め板の長穴との係合作用により一定量開き、キャビティ
    部分のパーティング面の寸開量を型締装置で制御するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形
    機。
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