JP3377692B2 - 光学素子の取付方法 - Google Patents

光学素子の取付方法

Info

Publication number
JP3377692B2
JP3377692B2 JP20691496A JP20691496A JP3377692B2 JP 3377692 B2 JP3377692 B2 JP 3377692B2 JP 20691496 A JP20691496 A JP 20691496A JP 20691496 A JP20691496 A JP 20691496A JP 3377692 B2 JP3377692 B2 JP 3377692B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
cap
diffraction grating
window
center
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20691496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1048497A (ja
Inventor
克栄 増井
正浩 辻村
敬英 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP20691496A priority Critical patent/JP3377692B2/ja
Publication of JPH1048497A publication Critical patent/JPH1048497A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3377692B2 publication Critical patent/JP3377692B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光学素子の取付方
法に関する。より詳しくは、半導体レーザ素子を覆うレ
ーザ光透過用窓を有するキャップに、上記レーザ光を回
折するための回折格子を有する光学素子を取り付ける方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、図4に示すように、対物レンズ3
の光軸上にホログラムレーザユニット1を配置した光ピ
ックアップが普及している。このホログラムレーザユニ
ット1は、レーザ光Lを対物レンズ3へ向けて出射する
半導体レーザ素子4と、レーザ光Lの出射経路に配置さ
れたホログラム光学素子5と、半導体レーザ素子4近傍
に配置された5分割型ホトダイオード8を備えている。
なお、簡単のため、半導体レーザ素子4の光出力モニタ
用のホトダイオード等を省略して説明している。。ホロ
グラム光学素子5は、直方体状のガラス材からなり、そ
の半導体レーザ素子4側の面(下面)5bにはトラッキ
ングビーム生成用の矩形の回折格子6、その反対側の面
(上面)5aには回折格子として働く円形のホログラム
7が形成されている。ホログラム7は、格子ピッチが異
なる2つの半円状の領域に分割されている。回折格子
6,7の中心は、これらの面5a,5bに垂直な同一の
直線上にある。半導体レーザ素子4が出射したレーザ光
Lは、光学素子5の回折格子6によって3本(1本の主
ビームと2本の副ビーム)に分岐され、ホログラム7を
通過し、対物レンズ3を通して光ディスク2の記録領域
に入射する。光ディスク2の記録領域で反射された3本
のレーザ光Lは逆の経路を経て、ホログラム7によって
ホトダイオード8の方向へ分岐され、ホトダイオード8
の5個のセグメントに入射する。ホトダイオード8の各
セグメントに生じる光電流は図示しない信号処理系によ
って演算されて、フォーカスエラー信号、トラックエラ
ー信号および再生信号が得られる。
【0003】上記ホログラムレーザユニット1を組み立
てる場合は、ステム10に半導体レーザ素子4と5分割
型ホトダイオード8をダイボンドしてそれぞれ必要な配
線を行い、それらを覆うように、上面9eにレーザ光透
過用窓9aを有する円筒状のキャップ(一部破断して示
す)9を取り付ける。この後、キャップ9の上面9eに
接着剤11(図5(a)参照)を塗布して、キャップ9の
窓9aを覆うようにホログラム光学素子5を押し付け
る。ホログラム光学素子5の位置調整を行った後、上記
接着剤11を硬化してキャップ9にホログラム光学素子
5を固定し、取り付けている。
【0004】従来、キャップ9にホログラム光学素子5
を押し付けるときは、図5(a)に示すように、支持用治
具21の水平な支持面(XY面に平行)21aによって
ステム10を水平に支持した状態で、押圧用治具22の
押圧面(押圧方向に対して垂直に保持されている)22
bによって、光学素子5の上面5aを一定の圧力Pで下
方へ押圧している。なお、押圧用治具22にはホログラ
ム7の径よりも大きい径を持つ穴22aを設けて、ホロ
グラム7を傷つけないようにしている。
【0005】また、ホログラム光学素子5の位置調整を
行うときは、図4に示した光ディスク2の記録信号を実
際に再生し、5分割ホトダイオード8の出力を測定しな
がらX,Y方向の調整を行い、続いてθ方向の調整を行
っている。すなわち、ホログラム光学素子5をX方向に
移動させるとホログラムの2つの領域に入射する主ビー
ムの光量が変わるので、ホトダイオードD2,D3の出力
の和(S2+S3)とホトダイオードD4の出力S4との間
に差が生じる。ホログラム光学素子5をY方向に移動さ
せると、それに伴って回折格子6を通過する光量が変化
するために、生成される副ビームの強度の和が変化す
る。そこで、これら(S2+S3)とS4の変化を観測し
ながら、(S2+S3)とS4とが均等になるようにX,
Y方向の位置調整を行う。続いて、ホログラム光学素子
5をXY面内で回転(回転角をθで表す)させると、ホ
トダイオードD2,D3の分割線上に集光されるべきスポ
ットが分割線を横切るように移動するので、それらの出
力S2,S3が変化する。そこで、これら出力S2,S
3の変化を観測しながら、S2とS3とが均等になるよ
うにθ方向の調整を行う。
【0006】具体的には、X,Y方向の位置調整は、略
L字状の一対のクランプ治具25,26(図6(a)参
照)でホログラム光学素子5を対角方向に挟んで保持
し、クランプ治具25,26をホログラム光学素子5と
ともにキャップ9の上面9eに沿って平行移動させるこ
とによって行っている。θ方向の調整は、クランプ治具
25,26をそれらの中心、つまりホログラム光学素子
5の外形中心Cを通る鉛直方向(Z方向)の軸の周り
に、図示しないステップモータによって回転させること
によって行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光学素子の取付方法では次のような問題がある。
【0008】まず、キャップ9にホログラム光学素子5
を押し付ける段階で、図5(b)に示すように、支持用治
具21や押圧用治具22の精度等に起因して、支持面2
1aと押圧面22bとが斜めに傾く(傾き角をφで表
す)ことがある。従来は、押圧用治具22の押圧面22
aは押圧方向に対して垂直に保持されているため、キャ
ップ9の上面9eとホログラム光学素子5の下面5bと
が傾いて、キャップ9と光学素子5との間に隙間が生じ
て接着力が低下し、固定不良となる場合がある。また、
固定できたとしても、X,Y,θ方向の調整を行ったと
き、ホログラムレーザユニット1の組立誤差を完全には
補償できず、特性不良が生ずる場合がある。また、接着
力低下により、耐環境性等の信頼性も低下する。
【0009】また、通常、図6(a)に示すように、ガラ
ス基板にホログラム7を形成するときのホトリソグラフ
ィにおけるアライメントずれ、ガラス基板をダイシング
するときの位置ずれズレ等に起因して、ホログラム光学
素子5の外形中心Cとホログラム7の中心Aとは一致し
ていないものである。このため、図6(b)に示すように
X,Y方向の位置調整を行ってホログラム7の中心Aを
半導体レーザ素子4の発光点Bに一致させた後、図6
(c)に示すように、θ方向の調整を行うためにクランプ
治具25,26によってホログラム光学素子5を外形中
心Cの周りに回転させると、半導体レーザ素子4の発光
点Bとホログラム7の中心Aとの間に位置ずれDが生ず
る。従来はこの位置ずれDを放置しているため、ホログ
ラムレーザユニット1の特性不良が生ずる場合がある。
【0010】そこで、この発明の目的は、半導体レーザ
素子を覆うレーザ光透過用窓を有するキャップに、上記
レーザ光を回折するための回折格子を有する光学素子を
取り付ける場合に、その光学素子を適正な位置に取り付
けることができる光学素子の取付方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の光学素子の取付方法は、半導体レ
ーザ素子を覆うレーザ光透過用窓を有するキャップに、
上記レーザ光を回折するための回折格子を有する直方体
状の光学素子を取り付ける光学素子の取付方法であっ
て、上記キャップの上記窓の周囲または上記光学素子の
上記回折格子を有する面の周辺部に接着剤を塗布し、上
記キャップを支持した状態で、押圧方向に対して傾斜自
在な押圧面を有する押圧用治具を用いて、上記回折格子
を有する面が上記窓を有する面に当接するように、上記
光学素子を上記キャップへ押し付けることを特徴とす
る。
【0012】この請求項1の光学素子の取付方法では、
押圧方向に対して傾斜自在な押圧面を有する押圧用治具
を用いる。したがって、上記キャップを支持する支持用
治具や上記光学素子を押圧する押圧用治具の精度等に起
因して、支持面と押圧面とが斜めに傾いたとしても、そ
の傾きを解消するように押圧用治具の押圧面が押圧方向
に対して傾斜する。この結果、上記回折格子を有する面
が上記窓を有する面に対して平行に当接し、上記光学素
子が上記キャップに隙間なく押し付けられる。したがっ
て、光学素子の固定不良が起こらなくなる。また、X,
Y,θ方向の調整を適正に行うことによって、ホログラ
ムレーザユニットの組立誤差が完全に補償され、特性不
良が生じなくなる。さらに、接着力が安定して、耐環境
性等の信頼性が向上する。
【0013】請求項2に記載の光学素子の取付方法は、
請求項1に記載の光学素子の取付方法において、上記キ
ャップは上記半導体レーザ素子の近傍に配置されたホト
ダイオードを覆っており、上記光学素子を上記キャップ
へ押し付けるとき、上記回折格子を有する面と上記窓を
有する面との傾きが実質的に無くなって、上記半導体レ
ーザ素子から上記窓と上記回折格子を通してキャップ外
へレーザ光を出射させ、記録媒体によって反射されて上
記回折格子と上記窓を通してキャップ内に戻ったレーザ
光が上記ホトダイオードの所定の領域に入射するまで押
し付けることを特徴とする。
【0014】この請求項2の光学素子の取付方法によれ
ば、上記光学素子とキャップとの接着の精度がさらに増
す。
【0015】請求項3に記載の光学素子の取付方法は、
半導体レーザ素子とその近傍に配置されたホトダイオー
ドとを覆うレーザ光透過用窓を有するキャップに、上記
レーザ光を回折するための回折格子を有する直方体状の
光学素子を取り付ける光学素子の取付方法であって、上
記キャップの上記窓の周囲と上記光学素子の上記回折格
子を有する面の周辺部とを未硬化の接着剤を介して当接
した状態で、上記半導体レーザの発光点と上記光学素子
の上記回折格子の中心とが対応するように、上記キャッ
プの上記窓を有する面に沿って上記光学素子を平行移動
させ、上記半導体レーザ素子から上記窓、上記回折格子
を通してキャップ外へレーザ光を出射させ、記録媒体に
よって反射されて上記回折格子、上記窓を通してキャッ
プ内に戻ったレーザ光が上記ホトダイオードの所定の領
域に入射するように、上記回折格子を有する面に垂直で
上記光学素子の外形中心を通る軸の周りに上記光学素子
を回転させ、画像認識によって、上記回転に伴う上記発
光点に対する上記回折格子の中心のずれ量を算出し、上
記ずれ量が解消するように、上記キャップの上記窓を有
する面に沿って上記光学素子を平行移動させた後、上記
接着剤を硬化することを特徴とする。
【0016】この請求項3の光学素子の取付方法によれ
ば、上記回転、すなわちθ方向の調整によって半導体レ
ーザ素子の発光点に対する光学素子の回折格子の中心の
ずれが生じたとしても、画像認識によってその「ずれ
量」を算出し、上記ずれ量が解消するように、上記キャ
ップの上記窓を有する面に沿って上記光学素子を平行移
動させているので、ホログラムレーザユニットの特性不
良が生じなくなる。
【0017】請求項4に記載の光学素子の取付方法は、
半導体レーザ素子とその近傍に配置されたホトダイオー
ドとを覆うレーザ光透過用窓を有するキャップに、上記
レーザ光を回折するための回折格子を有する直方体状の
光学素子を取り付ける光学素子の取付方法であって、上
記キャップの上記窓の周囲と上記光学素子の上記回折格
子を有する面の周辺部とを未硬化の接着剤を介して当接
した状態で、上記半導体レーザの発光点と上記光学素子
の上記回折格子の中心とが対応するように、上記キャッ
プの上記窓を有する面に沿って上記光学素子を平行移動
させ、画像認識によって上記光学素子の外形中心に対す
る上記回折格子の中心のずれ量を求め、上記ずれ量に基
づいて、上記回折格子を有する面に垂直で上記回折格子
の中心を通る位置に回転中心を設定し、上記半導体レー
ザ素子から上記窓、上記回折格子を通してキャップ外へ
レーザ光を出射させ、記録媒体によって反射されて上記
回折格子、上記窓を通してキャップ内に戻ったレーザ光
が上記ホトダイオードの所定の領域に入射するように、
上記回転中心の周りに上記光学素子を回転させた後、上
記接着剤を硬化することを特徴とする。
【0018】この請求項4の光学素子の取付方法によれ
ば、半導体レーザの発光点と光学素子の回折格子の中心
とが対応した状態で、上記回折格子を有する面に垂直で
上記回折格子の中心を通る位置に回転中心を設定し、こ
の回転中心の周りに上記光学素子を回転させるので、こ
の回転に伴って上記発光点と上記回折格子の中心とがず
れることがない。したがって、ホログラムレーザユニッ
トの特性不良が生じなくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の光学素子の取付
方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】図4に示した光ピックアップの一部を構成
するホログラムレーザユニット1を組み立てる場合に、
キャップ9にホログラム光学素子5を取り付ける取付方
法について説明するものとする。なお、簡単のため、図
4〜図6中の構成要素と同一の構成要素については同一
の符号を用いて説明を省略する。
【0021】図4中のホログラムレーザユニット1を組
み立てる工程は、概略、次のようなものである。まず、
ステム10に半導体レーザ素子4と5分割型ホトダイオ
ード8をダイボンドしてそれぞれ必要な配線を行い、そ
れらを覆うように、上面9eにレーザ光透過用窓9aを
有する円筒状のキャップ(一部破断して示す)9を取り
付ける。この後、キャップ9の上面9eに接着剤11
(図1(a)参照)を塗布して、キャップ9の窓9aを覆
うようにホログラム光学素子5を押し付ける。ホログラ
ム光学素子5の位置調整を行った後、上記接着剤11を
硬化してキャップ9にホログラム光学素子5を固定し、
取り付ける。なお、接着剤11を塗布する箇所は、ホロ
グラム光学素子5の下面5bの周辺部であっても良い。
【0022】(1)まず、キャップ9にホログラム光学
素子5を押し付ける方法を詳述する。
【0023】キャップ9にホログラム光学素子5を押し
付けるために、図1(a)に示すように、押圧方向に対し
て一定の角度範囲内で傾斜自在な押圧面122bを有す
る押圧用治具122を用いる。図1(c)に示すように、
この押圧用治具122にはホログラム7の径よりも大き
い径を持つ穴122aを設けて、ホログラム7を傷つけ
ないようにするとともに、その穴122aを通してレー
ザ光Lを透過できるようにしている。なお、穴122a
は、この押圧用治具122の長手方向に細長い長穴であ
っても良い。
【0024】実際にキャップ9にホログラム光学素子5
を押し付けるときは、図1(a)に示すように、支持用治
具21の水平な支持面(XY面に平行)21aによって
ステム10を水平に支持した状態で、押圧用治具122
の押圧面122bによって、光学素子5の上面5aを一
定の圧力Pで下方へ押圧する。押圧用治具122の押圧
面122aは押圧方向に対して一定の角度範囲内で傾斜
自在になっているので、キャップ9を支持する支持用治
具21やホログラム光学素子5を押圧する押圧用治具1
22の精度等に起因して、支持面21aと押圧面122
bとが斜めに傾いたとしても、その傾きを解消するよう
に押圧面122aが押圧方向に対して傾斜する。この結
果、図1(b)に示すように、ホログラム光学素子5の下
面5bがキャップ9の上面9eに対して平行に当接し、
ホログラム光学素子5がキャップ9に隙間なく押し付け
られる。したがって、ホログラム光学素子5の固定不良
が起こらなくなる。また、後述するようにX,Y,θ方
向の調整を適正に行うことによって、ホログラムレーザ
ユニットの組立誤差を完全に補償でき、特性不良の発生
を防止できる。さらに、接着力が安定するので、耐環境
性等の信頼性を向上させることができる。
【0025】ホログラム光学素子5をキャップ9へ押し
付けるとき、下面5bと上面9eとの傾きが実質的に無
くなって、半導体レーザ素子4から窓9aと回折格子を
通してキャップ9外へレーザ光Lを出射させ、記録媒体
によって反射されて回折格子と窓9aを通してキャップ
9内に戻ったレーザ光Lが5分割ホトダイオード8の所
定の領域に入射するまで押し付けるのが望ましい。その
ようにした場合、ホログラム光学素子5とキャップ9と
の接着の精度をさらに増すことができる。
【0026】(2)次に、ホログラム光学素子5の位置
調整を行う方法を詳述する。
【0027】図2(a)に示すように、ホログラム光学素
子5の外形中心Cとホログラム7の中心Aとは一致して
いないものとする。なお、ホログラム光学素子5をキャ
ップ9へ押し付けるとき、通常はホログラム光学素子5
の外形を基準として位置決めすることから、半導体レー
ザ素子4の発光点Bとホログラム光学素子5の外形中心
Cとが対応している。
【0028】 略L字状の一対のクランプ治具25,
26でホログラム光学素子5を対角方向に挟んで保持
し、光ディスク2(図4参照)の記録信号を実際に再生
し、5分割ホトダイオード8の出力を測定しながら、ク
ランプ治具25,26をホログラム光学素子5とともに
キャップ9の上面9eに沿って平行移動させる。すなわ
ち、ホログラム光学素子5をX方向に移動させるとホロ
グラムの2つの領域に入射する主ビームの光量が変わる
ので、ホトダイオードD2,D3の出力の和(S2+S3
とホトダイオードD4の出力S4との間に差が生じる。ホ
ログラム光学素子5をY方向に移動させると、それに伴
って回折格子6を通過する光量が変化するために、生成
される副ビームの強度の和が変化する。そこで、これら
(S2+S3)とS4の変化を観測しながら、(S2
3)とS4とが均等になるようにX,Y方向の位置調整
を行う。これにより、図2(b)に示すように、半導体レ
ーザ素子4の発光点Bとホログラム光学素子5のホログ
ラム7の中心Aとを対応させる。
【0029】 図2(c)に示すように、光ディスク2
(図4参照)の記録信号を実際に再生し、5分割ホトダ
イオード8の出力を測定しながら、クランプ治具25,
26をそれらの中心、つまりホログラム光学素子5の外
形中心Cを通る鉛直方向(Z方向)の軸の周りに、図示
しないステップモータによって回転(回転角をθで表
す)させる。すなわち、ホログラム光学素子5をXY面
内で回転させると、ホトダイオードD2,D3の分割線上
に集光されるべきスポットが分割線を横切るように移動
するので、それらの出力S2,S3が変化する。そこ
で、これら出力S2,S3の変化を観測しながら、S2
とS3とが均等になるようにθ方向の調整を行う。この
例では、ホログラム光学素子5の外形中心Cを通る鉛直
方向(Z方向)の軸の周りに角度θ1だけ回転させたと
き、出力S2とS3とが均等になった場合を示してい
る。
【0030】このとき、上述のようにホログラム光学素
子5の外形中心Cとホログラム7の中心Aとが一致して
いないことから、半導体レーザ素子4の発光点Bとホロ
グラム7の中心Aとの間に位置ずれDが生ずる。
【0031】 そこで、位置ずれDのX方向の成分Δ
Xと、Y方向の成分ΔYを算出する。
【0032】具体的には、例えば図2(d)に示すよう
に、画像認識によってホログラム光学素子5の外形中心
Cとホログラム7の中心Aとの距離rを求めるととも
に、上記ステップモータの回転に要したパルス数に基づ
いて角度θ1を求める。この求めた距離rと回転の角度
θ1とに基づいて、X方向のずれ量ΔX=r(1−co
sθ1)と、Y方向のずれ量ΔY=rsinθ1とを算出
する。このようにした場合、比較的精度良くΔX,ΔY
を求めることができる。なお、精度は落ちるが、画像認
識によって、画像上で直接ΔX,ΔYを求めても良い。
【0033】 最後に、図2(e)に示すように、ずれ
量ΔX,ΔYが解消するように、クランプ治具25,2
6をホログラム光学素子5とともにキャップ9の上面9
eに沿って平行移動させる。このようにして、半導体レ
ーザ素子4の発光点Bとホログラム7の中心Aとの間の
位置ずれDを解消することができる。この結果、ホログ
ラムレーザユニット1の特性不良が生じるのを防止する
ことができる。
【0034】(3)次に、ホログラム光学素子5の位置
調整を行う別の方法を詳述する。
【0035】図3(a)に示すように、ホログラム光学素
子5の外形中心Cとホログラム7の中心Aとは一致して
いないものとする。なお、ホログラム光学素子5をキャ
ップ9へ押し付けるとき、通常はホログラム光学素子5
の外形を基準として位置決めすることから、半導体レー
ザ素子4の発光点Bとホログラム光学素子5の外形中心
Cとが対応している。
【0036】 上に述べた例と同様に、略L字状の一
対のクランプ治具25,26でホログラム光学素子5を
対角方向に挟んで保持し、光ディスク2(図4参照)の
記録信号を実際に再生し、5分割ホトダイオード8の出
力を測定しながら、クランプ治具25,26をホログラ
ム光学素子5とともにキャップ9の上面9eに沿って平
行移動させる。このようにしてX方向,Y方向の位置調
整を行うことにより、図3(b)に示すように、半導体レ
ーザ素子4の発光点Bとホログラム光学素子5のホログ
ラム7の中心Aとを対応させる。
【0037】 次に、画像認識によってホログラム光
学素子5の外形中心Cに対するホログラム7の中心Aの
ずれ量を求める。
【0038】具体的には、画像認識によって、画像上で
直接ホログラム光学素子5の外形中心Cとホログラム7
の中心Aとの「ずれ」のX方向の成分,Y方向の成分を
求める。
【0039】 次に、上記「ずれ」のX方向の成分,
Y方向の成分に基づいて、ホログラム7の中心Aを通る
位置に、鉛直方向の図示しない回転中心を設定する。そ
して、図3(c)に示すように、光ディスク2(図4参
照)の記録信号を実際に再生し、5分割ホトダイオード
8の出力を測定しながら、クランプ治具25,26をそ
の回転中心の周りに、図示しないステップモータによっ
て回転(回転角をθで表す)させる。すなわち、ホログ
ラム光学素子5をXY面内で回転させると、ホトダイオ
ードD2,D3の分割線上に集光されるべきスポットが分
割線を横切るように移動するので、それらの出力S2,
S3が変化する。そこで、これら出力S2,S3の変化
を観測しながら、S2とS3とが均等になるようにθ方
向の調整を行う。この例では、ホログラム光学素子5の
外形中心Cを通る鉛直方向(Z方向)の軸の周りに角度
θ2だけ回転させたとき、出力S2とS3とが均等にな
った場合を示している。
【0040】このようにして、ホログラム7の中心Aを
通る位置に回転中心を設定し、この回転中心の周りにホ
ログラム光学素子5を回転させるので、この回転に伴っ
て発光点Bとホログラム7の中心Aとがずれることがな
い。したがって、ホログラムレーザユニット1の特性不
良が生じるのを防止することができる。
【0041】上に述べたような、ホログラム光学素子5
をキャップ9に押し付ける方法と、ホログラム光学素子
5の位置調整方法を実行することによって、ホログラム
光学素子5を適正な位置に取り付けることができる。し
たがって、ホログラムレーザユニット1の組立誤差を完
全に補償でき、特性不良の発生を防止できる。さらに、
接着力が安定するので、耐環境性等の信頼性を向上させ
ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の光
学素子の取付方法では、押圧方向に対して傾斜自在な押
圧面を有する押圧用治具を用いる。したがって、上記キ
ャップを支持する支持用治具や上記光学素子を押圧する
押圧用治具の精度等に起因して、支持面と押圧面とが斜
めに傾いたとしても、その傾きを解消するように押圧用
治具の押圧面が押圧方向に対して傾斜する。この結果、
上記回折格子を有する面が上記窓を有する面に対して平
行に当接し、上記光学素子が上記キャップに隙間なく押
し付けられる。したがって、光学素子の固定不良が起こ
るのを防止することができる。また、X,Y,θ方向の
調整を適正に行うことによって、ホログラムレーザユニ
ットの組立誤差を完全に補償でき、特性不良が生じるの
を防止することができる。さらに、接着力を安定させる
ことができ、耐環境性等の信頼性を向上させることがで
きる。
【0043】請求項2の光学素子の取付方法では、上記
光学素子を上記キャップへ押し付けるとき、上記回折格
子を有する面と上記窓を有する面との傾きが実質的に無
くなって、上記半導体レーザ素子から上記窓と上記回折
格子を通してキャップ外へレーザ光を出射させ、記録媒
体によって反射されて上記回折格子と上記窓を通してキ
ャップ内に戻ったレーザ光がホトダイオードの所定の領
域に入射するまで押し付けるので、上記光学素子とキャ
ップとの接着の精度をさらに増すことができる。
【0044】請求項3の光学素子の取付方法では、回
転、すなわちθ方向の調整によって半導体レーザ素子の
発光点に対する光学素子の回折格子の中心のずれが生じ
たとしても、画像認識によってその「ずれ量」を算出
し、上記ずれ量が解消するように、上記キャップの窓を
有する面に沿って上記光学素子を平行移動させているの
で、ホログラムレーザユニットの特性不良が生じるのを
防止することができる。
【0045】請求項4の光学素子の取付方法では、半導
体レーザの発光点と光学素子の回折格子の中心とが対応
した状態で、上記回折格子を有する面に垂直で上記回折
格子の中心を通る位置に回転中心を設定し、この回転中
心の周りに上記光学素子を回転させるので、この回転に
伴って上記発光点と上記回折格子の中心とがずれること
がない。したがって、ホログラムレーザユニットの特性
不良が生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を適用して、光学素子をキャップに
押し付ける方法を説明する図である。
【図2】 この発明を適用して、光学素子の位置調整を
行う方法を説明する図である。
【図3】 この発明を適用して、光学素子の位置調整を
行う別の方法を説明する図である。
【図4】 一般的な光ピックアップの構成を示す図であ
る。
【図5】 従来の、光学素子をキャップに押し付ける方
法を説明する図である。
【図6】 従来の、光学素子の位置調整を行う方法を説
明する図である。
【符号の説明】
4 半導体レーザ素子 5 ホログラム光学素子 6 トラッキングビーム生成用の回折格子 7 ホログラム 21 支持用治具 22 押圧用治具 25,26 クランプ治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−101434(JP,A) 実開 平6−26011(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/00 G02B 5/18 G11B 7/135

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザ素子を覆うレーザ光透過用
    窓を有するキャップに、上記レーザ光を回折するための
    回折格子を有する直方体状の光学素子を取り付ける光学
    素子の取付方法であって、 上記キャップの上記窓の周囲または上記光学素子の上記
    回折格子を有する面の周辺部に接着剤を塗布し、 上記キャップを支持した状態で、押圧方向に対して傾斜
    自在な押圧面を有する押圧用治具を用いて、上記回折格
    子を有する面が上記窓を有する面に当接するように、上
    記光学素子を上記キャップへ押し付けることを特徴とす
    る光学素子の取付方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学素子の取付方法に
    おいて、 上記キャップは上記半導体レーザ素子の近傍に配置され
    たホトダイオードを覆っており、 上記光学素子を上記キャップへ押し付けるとき、上記回
    折格子を有する面と上記窓を有する面との傾きが実質的
    に無くなって、上記半導体レーザ素子から上記窓と上記
    回折格子を通してキャップ外へレーザ光を出射させ、記
    録媒体によって反射されて上記回折格子と上記窓を通し
    てキャップ内に戻ったレーザ光が上記ホトダイオードの
    所定の領域に入射するまで押し付けることを特徴とする
    光学素子の取付方法。
  3. 【請求項3】 半導体レーザ素子とその近傍に配置され
    たホトダイオードとを覆うレーザ光透過用窓を有するキ
    ャップに、上記レーザ光を回折するための回折格子を有
    する直方体状の光学素子を取り付ける光学素子の取付方
    法であって、 上記キャップの上記窓の周囲と上記光学素子の上記回折
    格子を有する面の周辺部とを未硬化の接着剤を介して当
    接した状態で、 上記半導体レーザの発光点と上記光学素子の上記回折格
    子の中心とが対応するように、上記キャップの上記窓を
    有する面に沿って上記光学素子を平行移動させ、 上記半導体レーザ素子から上記窓、上記回折格子を通し
    てキャップ外へレーザ光を出射させ、記録媒体によって
    反射されて上記回折格子、上記窓を通してキャップ内に
    戻ったレーザ光が上記ホトダイオードの所定の領域に入
    射するように、上記回折格子を有する面に垂直で上記光
    学素子の外形中心を通る軸の周りに上記光学素子を回転
    させ、 画像認識によって、上記回転に伴う上記発光点に対する
    上記回折格子の中心のずれ量を算出し、 上記ずれ量が解消するように、上記キャップの上記窓を
    有する面に沿って上記光学素子を平行移動させた後、 上記接着剤を硬化することを特徴とする光学素子の取付
    方法。
  4. 【請求項4】 半導体レーザ素子とその近傍に配置され
    たホトダイオードとを覆うレーザ光透過用窓を有するキ
    ャップに、上記レーザ光を回折するための回折格子を有
    する直方体状の光学素子を取り付ける光学素子の取付方
    法であって、上記キャップの上記窓の周囲と上記光学素
    子の上記回折格子を有する面の周辺部とを未硬化の接着
    剤を介して当接した状態で、 上記半導体レーザの発光点と上記光学素子の上記回折格
    子の中心とが対応するように、上記キャップの上記窓を
    有する面に沿って上記光学素子を平行移動させ、 画像認識によって上記光学素子の外形中心に対する上記
    回折格子の中心のずれ量を求め、 上記ずれ量に基づいて、上記回折格子を有する面に垂直
    で上記回折格子の中心を通る位置に回転中心を設定し、 上記半導体レーザ素子から上記窓、上記回折格子を通し
    てキャップ外へレーザ光を出射させ、記録媒体によって
    反射されて上記回折格子、上記窓を通してキャップ内に
    戻ったレーザ光が上記ホトダイオードの所定の領域に入
    射するように、上記回転中心の周りに上記光学素子を回
    転させた後、 上記接着剤を硬化することを特徴とする光学素子の取付
    方法。
JP20691496A 1996-08-06 1996-08-06 光学素子の取付方法 Expired - Fee Related JP3377692B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20691496A JP3377692B2 (ja) 1996-08-06 1996-08-06 光学素子の取付方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20691496A JP3377692B2 (ja) 1996-08-06 1996-08-06 光学素子の取付方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1048497A JPH1048497A (ja) 1998-02-20
JP3377692B2 true JP3377692B2 (ja) 2003-02-17

Family

ID=16531175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20691496A Expired - Fee Related JP3377692B2 (ja) 1996-08-06 1996-08-06 光学素子の取付方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3377692B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1048497A (ja) 1998-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0555097B1 (en) An optical information reproducing apparatus
US20100224767A1 (en) Photodetector, method for manufacturing the same, and photodetection system
US6181667B1 (en) Optical pickup apparatus capable of suppressing offset of a tracking error signal
JPH10172170A (ja) 光ピックアップ装置およびその製造方法
WO2010084784A1 (ja) 光学ヘッド及び光情報装置
US7292519B2 (en) Optical head with lasers and mirrors in a recess formed in a substrate
JP3377692B2 (ja) 光学素子の取付方法
JPH065990A (ja) 半導体レーザ用パッケージ
JP3032635B2 (ja) 光学式情報再生装置
JP2616559B2 (ja) 光ヘッドの非点隔差補正方法および装置
US20040213115A1 (en) Optical head, disc recording/reproducing apparatus, and objective lens drive method
US20040151087A1 (en) Light receiving device, light detecting device, and optical signal reproducing device
JPH05181026A (ja) 光集積回路およびその製造方法
JPH04139624A (ja) 光学ヘッドとその調整方法
JP3518904B2 (ja) 光ピックアップ
JP3831279B2 (ja) 光ピックアップ装置の製造方法および光ピックアップ装置
KR100238304B1 (ko) 레이저다이오드 모듈의 조정장치 및 그 조정방법
JP2862773B2 (ja) 光ピックアップの組立調整方法
JPH05307760A (ja) 光ピックアップ
JP3163939B2 (ja) 光ピックアップ
KR100467840B1 (ko) 광 픽업의 레이저 다이오드 조정장치
KR0144181B1 (ko) 홀로그램 모듈
JP4364859B2 (ja) 光集積ユニットの製造方法、光ピックアップ装置の製造方法、および、光集積ユニットの製造装置
KR100227753B1 (ko) 픽업베이스의 반사경조절구조
JPH11185280A (ja) 光ピックアップ装置およびそれを備えた光学記録媒体駆動装置ならびに光ピックアップ装置の調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071206

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091206

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees