JP3377613B2 - 着色防汚塗料組成物 - Google Patents

着色防汚塗料組成物

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JP3377613B2
JP3377613B2 JP19497594A JP19497594A JP3377613B2 JP 3377613 B2 JP3377613 B2 JP 3377613B2 JP 19497594 A JP19497594 A JP 19497594A JP 19497594 A JP19497594 A JP 19497594A JP 3377613 B2 JP3377613 B2 JP 3377613B2
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明良 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、毒性防汚剤を含まない
無毒性着色防汚塗料組成物に関し、さらに詳細には、例
えば船舶、港湾施設、ブイ、パイプライン、橋梁、海底
基地、海底油田掘削設備、発電所の導水路管、養殖網、
定置網など(以下、これらを「水中構造物」と総称す
る)に塗装して、これらの表面に水中生物の付着生育を
防止するために好適な着色防汚塗膜を与える塗料組成物
に関し、また、この塗料組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】海、河川、湖沼などの水
中には、例えばフジツボ、ホヤ、セルプラ、ムラサキア
ギ、カラスガイ、フサコケムシ、アオノリ、アオサなど
の生物が多数生息しており、このような水中に上記水中
構造物が設置もしくは就航すると、その飛沫部から没水
部表面に生物が付着生育して種々の被害が発生する。例
えば、船体に生物が付着すると水との摩擦抵抗が増大し
航行速度の低下を生じ、一定の速度を維持するためには
燃料消費量が増加し経済的に好ましくない。また、港湾
施設などの水中もしくは水面に固定させておく構造物に
生物が付着するとこれらが有する個々の機能を十分に発
揮することが困難となり、しかも基材を侵食することも
ある。さらに、養殖網、定置網に付着すると網目が閉塞
し魚類を致死させることがある。
【0003】従来、水中構造物に水中生物が付着生育す
るのを防止するために、有機錫化合物、亜酸化銅などの
毒性防汚剤を配合した防汚塗料を該構造物に塗装してい
た。該塗料を水中構造物に塗装しておくことによって水
中生物の付着生育はほぼ防止できたが、しかしながら毒
性の防汚剤を用いているために、該塗料の製造、塗装時
において環境安全衛生上好ましくなく、しかも水中にお
いて塗膜から毒性防汚剤が徐々に溶出させているので、
長期的にみれば水域を汚染するおそれがあり、魚介類に
対しても悪影響を及ぼすことも予想される。
【0004】上記問題を解決するためシリコーンゴム単
独又はシリコーンゴムとシリコーンオイルとの混合物か
らなる無毒性防汚塗料が、例えば特公昭51−9683
0号、特公昭56−26272号および特開昭63−4
3973号公報などに提案されている。
【0005】これらの公報には、無毒性防汚塗料中に着
色顔料を配合できることが記載されているが、顔料を配
合すると、ゲル化したり、顔料沈降などの貯蔵性不良を
起こしたり、顔料が形成した塗膜表面に浮き出して防汚
性を著しく低下させるなどの問題があり、着色顔料を配
合した無毒型防汚塗料は実用化されていない現状にあ
る。
【0006】しかしながら着色顔料を配合しない無毒性
防汚塗料を水中構造物に塗装した場合、塗装がされた箇
所であるか否かの判別が困難であり、特に塗り重ね塗装
する場合には判別がより困難である。発電所などの導水
路の塗装では、暗渠が多いため塗装の有無の判断が特に
困難である。防汚塗料の塗り残しや膜厚不足があると十
分な防汚性能を発揮できなくなるという問題がある。
【0007】そこで、本発明者らは、ゲル化、貯蔵性不
良などを起こさず、優れた防汚性を発揮でき、塗装の有
無が容易に判断できる、無毒性着色防汚塗料組成物を得
るべく鋭意研究の結果、シリコーンオイルとして顔料分
散用のものと、塗膜表面に浮き出して防汚性に大きく寄
与するものとの両者を使用することによって上記課題を
解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、(a)室温硬化可能な
シリコーンゴム、(b)下記式〔1〕で表され、数平均
分子量250〜30,000、粘度20〜50,000
センチストークスの炭化水素基に結合した極性基を有す
るシリコーンオイル、(c)下記式〔2〕で表される粘
度10〜5,000センチストークスのシリコーンオイ
ル及び(d)着色顔料を含有する着色防汚塗料組成物で
あって、シリコーンオイル(c)と着色顔料(d)とを
含有する顔料ペーストを作成し、該顔料ペーストを他の
成分と混合してなることを特徴とする着色防汚塗料組成
物を提供するものである。
【0009】
【化3】
【0010】(上記式中、Rは水素原子、炭素数1〜1
0のアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、R
´はエーテル基、エステル基又は−NH−を介在しても
よい炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基を表し、Z
はアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、又は末端が
炭素数6以下のアルキル基もしくはアシル基で封鎖され
ていてもよいポリエチレングリコール基又はポリプロピ
レングリコール基である一価の極性基を表し、x及びy
はそれぞれ0.01≦x<3.99、0.01≦y<
3.99で且つ0.02≦x+y<4である。)
【0011】
【化4】
【0012】(上記式中、R1 は同一又は異なって、水
酸基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基又はフルオロアルキル基を表し、R2 は同一又
は異なって、炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基、アラルキル基又はフルオロアルキル基を表し、nは
0〜150の数を表す。)
【0013】また本発明は、上記シリコーンオイル
(c)と上記着色顔料(d)とを含有する顔料ペースト
を作成し、該顔料ペーストを他の成分と混合することを
特徴とする上記着色防汚塗料組成物の製造方法を提供す
るものである。
【0014】
【作用】以下、本発明組成物およびその製造方法につい
て詳細に説明する。
【0015】シリコーンゴム(a):室温(約80℃以
下)で化学的に反応して硬化でき、シロキサン結合を有
するオルガノポリシロキサンを主成分とするものであ
る。該オルガノポリシロキサンは硬化反応性官能基およ
び有機基がSiに直接結合したものであり、硬化反応性
官能基としては水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基な
どがあり、有機基としてはメチル基、エチル基、ビニル
基、ハロアルキル基、フェニル基などがある。
【0016】シリコーンゴム(a)としては、上記オル
ガノポリシロキサンに、加水分解可能な基(例えばアセ
トキシ基、ケトキシム基など)を有する多官能シラン化
合物などの架橋剤や亜鉛、鉄、コバルト、スズなどのオ
クチル酸塩、ナフテン酸塩、過酸化物、有機アミン、ア
ルミニウムキレート、チタンキレートなどの硬化触媒を
含有したものも包含される。
【0017】上記シリコーンゴム(a)は、室温もしく
は加熱することによって、加水分解、脱アルコール、脱
酢酸、脱オキシム、脱ヒドロキシルアミン反応などによ
って硬化することができる。また上記オルガノポリシロ
キサンとしてビニル基などの重合性不飽和基を有するも
のを用いた場合には、電子線又は紫外線の照射によって
も硬化させることができる。紫外線照射の場合には光重
合開始剤を添加する必要がある。
【0018】上記シリコーンゴム(a)の具体例として
は、KE42、KE44、KR2706、KE45TS
(これらはいずれも信越化学工業(株)製、商品名)、
SE9140、SE5006、SE5004、SH78
0、SH237(これらは東レ・ダウコーニングシリコ
ーン(株)製、商品名)等が挙げられる。シリコーンゴ
ム(a)の分子量は通常、約20,000〜約200,
000の範囲のものが使用される。
【0019】シリコーンオイル(b):シリコーンオイ
ル(b)は、脂肪族炭化水素基に結合した極性基を有す
る、下記式〔1〕で表されるシリコーンオイルであり、
上記シリコーンゴム(a)と相溶性がないか、相溶性が
悪いものであって、塗膜形成時にシリコーンゴム(a)
の硬化に伴う体積収縮によって塗膜表面近傍に浮き出
し、これによって低臨界表面張力の塗面が得られ、優れ
た防汚性を発揮するものである。
【0020】
【化5】
【0021】(上記式中、Rは水素原子、炭素数1〜1
0のアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、R
´はエーテル基、エステル基又は−NH−を介在しても
よい炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基を表し、Z
はアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、又は末端が
炭素数1〜6のアルキル基もしくはアシル基で封鎖され
ていてもよいポリエチレングリコールもしくはポリプロ
ピレングリコール基である一価の極性基を表し、x及び
yはそれぞれ0.01≦x<3.99、0.01≦y<
3.99で且つ0.02≦x+y<4である。)
【0022】上記式〔1〕におけるRとしては、メチル
基、フェニル基が代表的であり、R´としてはメチレ
ン、エチレン、プロピレン基などが挙げられ、Zのう
ち、末端が炭素数6以下のアルキル基もしくはアシル基
で封鎖されていてもよいポリエチレングリコール基もし
くはポリプロピレングリコール基において、オキシエチ
レン又はオキシプロピレンであるオキシアルキレンの繰
返し単位数は10〜60であることが好ましい。また末
端を封鎖する場合の炭素数6以下のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、ブチル基などが挙げられ、末
端を封鎖する場合の炭素数6以下のアシル基としてはア
セチル基、プロピオニル基などを挙げることができる。
【0023】シリコーンオイル(b)は数平均分子量2
50〜30,000、好ましくは1,000〜20,0
00、粘度20〜50,000センチストークス、好ま
しくは100〜5,000センチストークスの範囲にあ
ることが必要である。シリコーンオイル(b)の数平均
分子量が250未満では塗膜の乾燥性が劣り、一方、3
0,000を超えると塗膜からのシリコーンオイルの表
面への浮き出し効果がなくなるため防汚性が劣る。また
シリコーンオイル(b)の粘度が20センチストークス
未満では表面へ浮き出しても滞留できず所望の防汚性能
が得られなくなり、一方、50,000センチストーク
スを超えると表面へ浮き出すことができなくなるので同
様に防汚性能が得られなくなる。
【0024】前記式〔1〕において、極性基Zのそれぞ
れの場合について述べる。Zがアミノ基の場合の極性基
含有シリコーンオイルとしては例えば下記式で表される
SF8417(東レ・ダウコーニングシリコーン社製
品、アミノ基含有率0.5%、アミノ当量3,500)
やISI4700、ISI4701(東芝シリコーン社
製品)、FZ3712、AFL−40(日本ユニカー社
製品)などが挙げられる。
【0025】
【化6】
【0026】(R´は前記と同じ意味を有する。)
【0027】Zがカルボキシル基の場合の極性基含有シ
リコーンオイルとしては例えば下記式で表されるXI4
2−411(東芝シリコーン社製品、酸価80、平均分
子量1,400)やSF8418(東レ・ダウコーニン
グシリコーン社製品)、FXZ3703(日本ユニカー
社製品)などが挙げられる。
【0028】
【化7】
【0029】(R´は前記と同じ意味を有する。)
【0030】Zがエポキシ基の場合の極性基含有シリコ
ーンオイルとしては、例えば下記式で表されるSF84
11(東レ・ダウコーニングシリコーン社製品、エポキ
シ基含有率1.3%、エポキシ当量3,000)やL−
9300、T−29(東芝シリコーン社製品)、ISI
4730、XI42−301(日本ユニカー社製品)な
どが挙げられる。
【0031】
【化8】
【0032】(R´は前記と同じ意味を有する。)
【0033】Zが末端がアルキル基又はアシル基で封鎖
されていもよいポリエチレングリコール基もしくはポリ
プロピレングリコール基の場合の極性基含有シリコーン
樹脂としては、例えば下記式で表されるISI4460
(東芝シリコーン社製品)やISI4445、ISI4
446(東芝シリコーン社製品)、SH3746、SH
8400、SH3700、SH3749(東レ・ダウコ
ーニングシリコーン社製品)などが挙げられる。
【0034】
【化9】
【0035】(式中、R´は前記と同じ意味を有し、P
EGはポリエチレングリコール基を表す。)
【0036】シリコーンオイル(b)において、極性基
の含有量は0.1〜15重量%の範囲であることが好ま
しい。
【0037】シリコーンオイル(c):シリコーンオイ
ル(c)は前記シリコーンゴム(a)との相溶性が良好
で、後記着色顔料(d)の分散に使用できる、下記式
〔2〕で表される粘度10〜5,000センチストーク
スのシリコーンオイルである。
【0038】
【化10】
【0039】(上記式中、R1 は同一又は異なって、水
酸基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基又はフルオロアルキル基を表し、R2 は同一又
は異なって、炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基、アラルキル基又はフルオロアルキル基を表し、nは
0〜150の数を表す。)
【0040】上記式〔2〕において、R1 としては、メ
チル基、フェニル基、水酸基などが好ましく、R2 とし
ては、メチル基、フェニル基、4−トリフルオロブチル
基などが好ましい。
【0041】シリコーンオイル(c)としては、両末端
又は片末端のR1 が水酸基である末端水酸基含有ジメチ
ルシリコーンオイル、R1 およびR2 のすべてがメチル
基であるジメチルシリコーンオイル、これらのジメチル
シリコーンオイルのメチル基の一部がフェニル基に置換
されたフェニルメチルシリコーンオイルを代表例として
挙げることができる。
【0042】シリコーンオイル(c)は、粘度が10〜
5,000センチストークスであることが必要であり、
粘度が10センチストークスで未満では、顔料沈降が起
こりやすく、貯蔵性が劣り、一方、粘度が5,000セ
ンチストークスを超えると粘度が高いため取扱いにく
く、また顔料分散に使用すると顔料分散性が悪くなる。
またシリコーンオイル(c)は数平均分子量約180〜
約12,000を有することが好ましい。
【0043】着色顔料(d):着色顔料(d)として
は、塗料用途に使用できる着色顔料であれば特に制限な
く使用できるが、得られる塗料の安定性などの点から、
含水率が2%以下、顔料の飽和水溶液(水溶物)のpH
が4〜9、吸油量10〜80cc/100g、比重1〜6であ
ることが好ましい。
【0044】着色顔料(d)の具体例としては、無機顔
料として、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、硫
酸鉛、硫化亜鉛、酸化チタンおよび酸化アンチモンなど
の白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、
ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、四三酸化鉄お
よびアニリンブラックなどの黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、
クロム酸バリウム、カドミウムエロー、黄色酸化鉄、黄
土、鉛シアナミドおよび鉛酸カルシウムなどの黄色顔
料;赤口黄鉛およびクロムバーミリオンなどの橙色顔
料;赤色酸化鉄などの褐色顔料;ベンガラおよびアンチ
モン朱などの赤色顔料;コバルト紫(濃口)、コバルト
紫(淡口)およびマンガン紫などの紫色顔料;群青、紺
青、コバルトブルーおよびセルリアンブルーなどの青色
顔料;亜鉛緑、酸化クロムおよびビリジアンなどの緑色
顔料などが挙げられ、有機顔料として、黄色、橙色、赤
色、緑色などのアゾ系顔料;青色、緑色などのフタロシ
アニン系顔料;酸性、塩基性のキレート顔料;ニトロソ
顔料;赤色などのキナクリドン系顔料などが挙げられ、
これらの顔料は単独で又は2種以上混合して使用するこ
とができる。
【0045】本発明組成物は、上記した各成分、すなわ
ちシリコーンゴム(a)、シリコーンオイル(b)、シ
リコーンオイル(c)および着色顔料(d)を含有する
ものである。本発明組成物において、着色顔料(d)は
均一に分散されており、粒子径が30ミクロン以下であ
ることが好ましい。本発明組成物において、顔料成分は
着色顔料のみからなっていてもよいし、着色顔料と他の
顔料、例えば体質顔料との混合系であってもよい。
【0046】本発明製造方法においては、シリコーンオ
イル(c)と着色顔料(d)とを含有する顔料ペースト
を作成し、該顔料ペーストを他の成分、すなわちシリコ
ーンゴム(a)、シリコーンオイル(b)および必要に
応じて残部のシリコーンオイル(c)と混合する。顔料
ペーストの作成は、着色顔料とシリコーンオイル(c)
と必要に応じて体質顔料とを着色顔料/シリコーンオイ
ル(c)の固形分比で5/95〜70/30、さらには
20/80〜50/50の範囲となるように混合するこ
とが好ましく、この混合物をロールミル、サンドミル、
アトライタ、ボールミルなどの顔料分散機で分散するこ
とによって行なうことができる。分散時における上記混
合物の粘度を調節するために有機溶剤を添加してもよ
い。顔料ペーストにおける顔料粒子径は30ミクロン以
下であることが好ましい。
【0047】本発明組成物においては、シリコーンゴム
(a)と相溶性がないか、相溶性が悪いシリコーンオイ
ル(b)と、シリコーンゴム(a)と相溶性の良好なシ
リコーンオイル(c)とを含有しており、性質の異なる
シリコーンオイルを使用することによって、防汚性の良
好な着色塗料組成物を得ることができたものである。
【0048】すなわち、塗膜形成時において、シリコー
ンゴム(a)の硬化に伴う体積収縮によって、相溶性が
ないか悪いシリコーンオイル(b)が塗膜表面近傍に浮
き出し、これによって低臨界表面張力の塗面が得られ
る。また、相溶性の良好なシリコーンオイル(c)で顔
料表面をおおうことによって顔料が塗膜表面に浮き出る
のを防止することができ、顔料の塗膜表面への浮き出し
による塗膜表面の防汚性能の低下を防止することができ
る。さらにシリコーンオイル(c)で顔料表面をおおう
ことによって顔料中の水分や水溶物の拡散を防止できる
ので、顔料に基因する塗料のゲル化、貯蔵安定性不良も
解決できる。
【0049】シリコーンオイル(c)で顔料表面をおお
うには、本発明製造方法による方法、すなわちシリコー
ンオイル(c)で着色顔料(d)を分散する方法によっ
て効果的に行なうことができる。
【0050】本発明組成物において、各成分の配合比率
は特に限定されるものではないが、シリコーンゴム
(a)とシリコーンオイル(b)との合計100重量部
中、シリコーンゴム(a)が50〜99重量部、シリコ
ーンオイル(b)が1〜50重量部であることが防汚
性、塗膜強度の点から好ましい。また、シリコーンゴム
(a)とシリコーンオイル(b)との合計100重量部
に対して、シリコーンオイル(c)が1〜50重量部で
あることが、顔料が表面に浮くのを防止する効果および
塗膜強度の点から好ましい。また着色顔料(d)の量は
シリコーンゴム(a)とシリコーンオイル(b)との合
計量100重量部に対して、1〜50重量部であること
が、防汚性、着色力の点から好ましい。
【0051】本発明組成物は、前記(a)、(b)、
(c)および(d)成分を必須とするものであるが、こ
れら以外に必要に応じて前記有機溶剤、体質顔料、防錆
顔料、その他、塩素化パラフィン、固形パラフィン、可
塑剤、防汚剤、消泡剤、タレ止め剤、脱水剤などを配合
することができる。
【0052】本発明塗料組成物において、どんな塗色で
も良好な防汚性能を発揮するが、特に塗色が、明度(マ
ンセルバリュー)4以上、好ましくは6以上、又は彩度
(マンセルクロマ)3以上、好ましくは4以上、より好
ましくは8以上であるとより良好な防汚性能が得られる
傾向がみられる。
【0053】本発明塗料組成物は、被塗物に通常、乾燥
膜厚が30〜200ミクロンとなるように塗装され、通
常、常温で4時間〜7日程度乾燥させることによって良
好な防汚性能を有する塗膜を形成することができる。本
発明塗料組成物は1回塗りで又は複数回塗りで塗装仕上
することができる。2回塗り仕上げの場合、同一塗料を
2回塗りしてもよいが、2回目の塗料として1回目より
顔料分の少ない塗料を使用することもできる。
【0054】
【発明の効果】本発明無毒性防汚塗料組成物は、着色さ
れているので、塗装したか否かの判別容易にでき、従来
の無着色塗料に較べ塗装作業性を大きく改善できる。本
発明塗料組成物は、顔料配合による塗料のゲル化や貯蔵
安定性不良の問題がない。また本発明塗料組成物から得
られる塗膜は無毒性で長期間にわたり優れた防汚性を示
すことができる。
【0055】
【実施例】実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。以下、「部」は特に断らない限り「重量部」を意味
する。
【0056】顔料ペーストの作成 製造例1(白顔料ペーストの作成) シリコーンオイルC−1〔東レ・ダウコーニングシリコ
ーン(株)製、商品名「SH200−2000CS」
(前記式〔2〕において、R1 、R2 のすべてがメチル
基であるジメチルシリコーンオイル)、粘度2,000
センチストークス〕50部にチタン白(石原産業(株)
製、商品名「タイペークCR95」)50部を混合し、
ロールミルで分散し、JIS K−5101(199
1)9.1記載のグラインドメータによる粒度が20ミ
クロンの白顔料ペーストを得た。
【0057】製造例2〜10 シリコーンオイルおよび顔料の種類および配合量を下記
表1に示すとおりとする以外は製造例1と同様に行なっ
て粒度が20ミクロンの各顔料ペーストを得た。
【0058】
【表1】
【0059】表1における(註)はそれぞれ下記の意味
を有する。 (注1)シリコーンオイルC−2:東レ・ダウコーニン
グシリコーン(株)製、商品名「SH510−500C
S」、前記式〔2〕で表されるフェニルメチルシリコン
オイル、粘度500センチストークス。 (注2)シリコーンオイルC−3:東レ・ダウコーニン
グシリコーン(株)製、商品名「BY16−873」、
前記式〔2〕においてR1 が水酸基であるジメチルシリ
コンオイル。 (注3)シリコーンオイルb−1:東レ・ダウコーニン
グシリコーン(株)製、商品名「SH3700」、前記
式〔1〕で表される極性基としてポリエチレングリコー
ル基を有するシリコーンオイル。
【0060】(注4)有機赤色顔料:富士色素(株)
製、商品名「フジファーストレッド3300E」。 (注5)弁柄:戸田工業(株)製、商品名「トダカラー
335R」。 (注6)黄色顔料:石原産業(株)製、商品名「タイペ
ークエローTY−50」。 (注7)緑色顔料:大日本インキ化学工業(株)製、商
品名「シアニングリーンS」。 (注8)青色顔料:大日本インキ化学工業(株)製、商
品名「シアニンブルー2035A」。 (注9)黒色顔料:三菱化成(株)製、商品名「カーボ
ンブラックMA100」。
【0061】実施例1 製造例1で得た白顔料ペースト20部、室温硬化型シリ
コーンゴムa−1〔東レ・ダウコーニングシリコーン
(株)製、商品名「SH780」〕70部およびシリコ
ーンオイルb−1(前記のとおり)10部を混合し、キ
シレンを加えて粘度12ポイズ(B型粘度計、25℃、
以下同様)に調整して着色防汚塗料を得た。
【0062】実施例1〜10および比較例1〜4 実施例1において、配合組成を後記表2に示すとおりと
する以外は実施例1と同様に行ない粘度12ポイズの各
着色防汚塗料を得た。
【0063】表2における(註)はそれぞれ下記の意味
を有する。 (注10)シリコーンゴムa−2:信越シリコーン
(株)製、室温硬化型シリコーンゴム、商品名「KE4
4」。 (注11)シリコーンゴムb−2:前記式〔1〕で表さ
れ、Zがアミノ基である極性基含有シリコーンオイル、
東レ・ダウコーニング(株)製、商品名「SF841
7」。 (注12)シリコーンゴムb−3:前記式〔1〕で表さ
れ、Zがカルボキシル基である極性基含有シリコーンオ
イル、東芝シリコーン(株)製、商品名「XI42−4
11」。 (注13)シリコーンオイルb−4:前記式〔1〕で表
され、Zがエポキシ基である極性基含有シリコーンオイ
ル、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名「SF84
11」。
【0064】実施例11〜58 実施例1、2および7で得た、白、赤、黒の各防汚塗料
を適宜混合し、明度(マンセルバリュー)2、3、4、
5、6、7、8および9、並びに彩度(マンセルクロ
マ)0、1、2、3、4、6、8および10の塗色の各
着色防汚塗料を48種類作成した。
【0065】実施例1〜10、比較例1〜4および実施
例11〜58で得た塗料について防汚性試験を下記方法
に従って行なった。 防汚性試験方法:大きさ100×300×2mmのサンド
ブラスト処理鋼板にジンクリッチエポキシ樹脂系ショッ
ププライマー塗料を乾燥膜厚15μm 塗装し、さらにエ
ポキシ樹脂系重防食塗料を乾燥膜厚200μm 塗装した
塗装板を被塗物とし、この上に各例で得た防汚塗料を乾
燥膜厚が約100μm となるように塗装、乾燥させて防
汚性塗板を形成した後、折戸湾(静岡県清水市)にて、
この塗板に懸垂浸海試験を12カ月間実施し、目視観察
を行なった。防汚性の評価は塗板表面への水棲生物の付
着面積(%)にて評価した。数値の小さいものが防汚性
良好である。
【0066】実施例1〜10および比較例1〜4におけ
る防汚性試験結果を後記表2に示す。また実施例11〜
58における防汚性試験結果を後記表3に示す。表3の
結果から赤系塗色について、いずれの明度、彩度の塗色
においても良好な防汚性を示すが、特に明度4以上、又
は彩度3以上、なかでも明度6以上又は彩度4以上の塗
色が良好な防汚性を示す傾向が認められる。緑系塗色に
おいても防汚性と明度、彩度との間に同様の傾向が認め
られた。
【0067】実施例1〜10および比較例1〜4で得た
防汚塗料の貯蔵安定性、塗面状態および視認性を試験し
た。その試験結果を後記表2に示す。これらの試験は下
記の方法に従って行なった。
【0068】貯蔵安定性:防汚塗料を密閉して40℃で
30日間貯蔵した後、塗料状態を観察した。 ○:異常が認められない △:塗料の分離が認められる
【0069】塗面状態、付着性および視認性の試験は前
記防汚性試験のために形成した防汚性塗板と同様の塗板
について行なった。
【0070】塗面状態:塗面を目視観察した。 ○:異常が認められない △:塗面平滑性が劣る
【0071】視認性:塗面を目視観察した際、防汚塗料
が塗装してあるかどうかのわかりやすさを評価した。 ○:塗膜が着色されており、塗装してあることがすぐわ
かる ×:塗膜が着色されていないので塗装の有無がわかり難
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−96830(JP,A) 特開 昭63−43973(JP,A) 特開 平3−100056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/00 - 183/16 C09D 5/14 - 5/16 C08L 83/00 - 83/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)室温硬化可能なシリコーンゴム、 (b)下記式〔1〕で表され、数平均分子量250〜3
    0,000、粘度20〜50,000センチストークス
    の炭化水素基に結合した極性基を有するシリコーンオイ
    ル、 (c)下記式〔2〕で表される粘度10〜5,000セ
    ンチストークスのシリコーンオイル及び (d)着色顔料を含有する着色防汚塗料組成物であっ
    て、シリコーンオイル(c)と着色顔料(d)とを含有
    する顔料ペーストを作成し、該顔料ペーストを他の成分
    と混合してなることを特徴とする着色防汚塗料組成物。 【化1】 (上記式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基を表し、R´はエーテル
    基、エステル基又は−NH−を介在してもよい炭素数1
    〜10の2価脂肪族炭化水素基を表し、Zはアミノ基、
    カルボキシル基、エポキシ基、又は末端が炭素数6以下
    のアルキル基もしくはアシル基で封鎖されていてもよい
    ポリエチレングリコール基又はポリプロピレングリコー
    ル基である一価の極性基を表し、x及びyはそれぞれ
    0.01≦x<3.99、0.01≦y<3.99で且
    つ0.02≦x+y<4である。) 【化2】 (上記式中、R1 は同一又は異なって、水酸基、炭素数
    1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又は
    フルオロアルキル基を表し、R2 は同一又は異なって、
    炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル
    基又はフルオロアルキル基を表し、nは0〜150の数
    を表す。)
  2. 【請求項2】 シリコーンゴム(a)50〜99重量部
    とシリコーンオイル(b)1〜50重量部との合計10
    0重量部に対して、シリコーンオイル(c)1〜50重
    量部、及び着色顔料(d)1〜50重量部を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の着色防汚塗料組成物。
  3. 【請求項3】 着色顔料が、含水率2重量%以下、飽和
    水溶液(水溶物)のpHが4〜9である請求項1又は2
    記載の着色防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】 着色防汚塗料組成物の塗色が、明度(マ
    ンセルバリュー)4以上、又は彩度(マンセルクロマ)
    3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項記載の着色防汚塗料組成物。
  5. 【請求項5】 シリコーンオイル(c)と着色顔料
    (d)とを含有する顔料ペーストを作成し、該顔料ペー
    ストを他の成分と混合することを特徴とする、請求項1
    〜4のいずれか1項記載の着色防汚塗料組成物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 顔料ペースト中における、着色顔料
    (d)/シリコーンオイル(c)の重量比が5/95〜
    70/30であることを特徴とする請求項5記載の製造
    方法。
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