JP3377033B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents
蓄圧式燃料噴射装置Info
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Description
置に関する。
ーゼルエンジンの各気筒に安定供給して広い運転域にお
いてエンジン性能を向上可能とする蓄圧式燃料噴射装置
が知られている。但し、この様な燃料噴射装置を用いた
場合にも、燃料噴射開始直後における燃料噴射率が過大
であると、燃焼の初期に急激な爆発燃焼が行われ、エン
ジン運転騒音が増大するばかりでなく排ガス中のNOx
が増大する。
料噴射サイクルの初期段階において、低めの燃料噴射率
で燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置が提案されてい
る。この提案に係る装置は、例えば、低圧燃料を貯留す
る低圧蓄圧器と、高圧燃料を貯留する高圧蓄圧器と、低
圧蓄圧器または高圧蓄圧器をインジェクタ(燃料噴射ノ
ズル)に選択的に連通させて噴射率を切換える切換弁
と、インジェクタの制御室と燃料タンクとを連通・遮断
して噴射時期を制御する開閉弁とを備えている。
ンジンによりそれぞれ駆動される低圧ポンプ及び高圧ポ
ンプを用いて低圧および高圧の燃料を得るものがあり、
また、高圧ポンプにより高圧燃料を得ると共に低圧蓄圧
器へ導入した高圧燃料を調圧して低圧燃料を得るものが
ある(特開平6−93936号公報)。国際公開WO9
8/09068号公報に開示され高圧蓄圧器の高圧燃料
から低圧蓄圧器の低圧燃料を得るタイプの蓄圧式燃料噴
射装置では、例えば、噴射時期制御用の開閉弁および噴
射率切換用の切換弁を閉じることにより、切換弁とイン
ジェクタの燃料室とを接続する燃料通路に低圧燃料を満
たすと共に燃料通路に連通するインジェクタの制御室に
低圧燃料を供給してインジェクタを閉弁状態に保持し、
噴射開始時期が到来したときに開閉弁を開いて制御室内
の低圧燃料を燃料タンクに排出させ、これによりインジ
ェクタを開弁させて低圧初期噴射(以下、低圧噴射とい
う)を行い、また、低圧噴射期間が経過したときに切換
弁を開き、高圧蓄圧器からの高圧燃料をノズルから噴射
させて高圧主噴射(以下、高圧噴射という)を行い、噴
射終了時期が到来すると切換弁を閉じる。低圧蓄圧器で
は、燃料通路から流入した高圧燃料を調圧して低圧燃料
を得る。
圧蓄圧器内の低圧燃料のそれぞれの目標圧力をエンジン
運転状態に応じて可変調整して、エンジン運転状態に適
合した低圧噴射および高圧噴射を実施するようにしてい
る。
射装置は、高圧蓄圧器内の高圧燃料を利用して低圧蓄圧
器内での燃圧形成を行うので、例えば急激なアクセルペ
ダル踏込操作に伴ってエンジン運転状態が急変する過渡
的な運転時に低圧蓄圧器内での燃圧形成が遅れがちにな
る。従って、過渡運転状態への突入時に、低圧蓄圧器内
の実際燃料圧力は目標圧力に対して遅れを生じる。すな
わち、急激に変化するエンジン運転状態に適合するよう
な低圧燃料を得ることができず、低圧噴射を適正に行え
ないことがある。この場合、燃費および排ガス特性が悪
化することがある。
における低圧蓄圧器内での燃圧形成を促進し、適正な低
圧噴射を早期に実施するようにした蓄圧式燃料噴射装置
を提供することを目的とする。
料噴射装置は、ポンプにより加圧された高圧燃料を貯留
する第1蓄圧器と、第1蓄圧器内の高圧燃料を燃料通路
の下流側へ排出制御する制御弁より下流側の燃料通路に
接続され低圧燃料を貯留する第2蓄圧器と、第2蓄圧器
に係る指示圧が増大方向に変化する際の変化率が所定値
以上のとき制御弁の閉弁時期を遅らせる燃料制御手段と
を備えることを特徴とする。
圧器に係る指示圧が増大方向に変化する際の変化率が所
定値以上のとき、例えば、運転者によってアクセルペダ
ルが急激に踏込操作されてエンジン負荷が急増すると
き、制御弁は、燃料噴射ノズルの閉弁後においても開弁
状態に維持される。この様に制御弁が開弁状態にある
間、第1蓄圧器内の燃料が第2蓄圧器内へ流入可能であ
り、第2蓄圧器内の燃料圧力を積極的に増大できる。こ
の結果、第2蓄圧器内の燃料圧力は、過渡的なエンジン
運転状態に適合した指示圧に短時間内に到達する。すな
わち、指示圧に対する実際圧の追従性が向上する。従っ
て、エンジン運転状態に適合する低圧噴射を早期に実施
可能であり、燃費および排ガス特性の向上に寄与する。
燃料制御手段は、指示圧の変化率が所定値以上のとき、
制御弁の閉弁時期を燃料噴射ノズルの次回の開弁時期よ
りも所定期間前に設定する。この好適態様では、指示圧
が増大方向に変化する際の変化率が所定値以上の場合に
も、各燃料噴射サイクルにおいて制御弁が閉弁してから
次の燃料噴射が開始されるまでの間に燃料通路内の燃料
圧力が減少して燃料噴射ノズル入口での燃料圧力が低圧
噴射圧に安定するので、各燃料噴射サイクルで低圧噴射
が適正に行われる。
蓄圧式燃料噴射装置を説明する。蓄圧式燃料噴射装置
は、例えば直列6気筒のディーゼルエンジン(図示略)
に搭載されるもので、図1および図2に示すように高圧
ポンプ1を備えている。高圧ポンプ1は、エンジンによ
り駆動され燃料タンク17内の燃料を汲み上げて加圧す
るもので、例えば容積形プランジャポンプからなり、そ
の圧送ストロークの有効区間を調整することにより燃料
吐出圧力を調整可能になっている。圧送ストローク調整
は、例えば、図示しない電磁弁の閉弁時期を調整するこ
とによって行われ、この電磁弁が開いている間は圧送動
作が無効になるようになっている。6気筒エンジンに係
る本実施態様の装置における高圧ポンプは、例えば2つ
のプランジャを備える。各プランジャは、3つの気筒に
関連しており、高圧ポンプ軸が1回転する間に3回の圧
送ストロークを実施するようになっている。
制御手段)8は、エンジン回転数センサ8aにより検出
されたエンジン回転数Neとアクセル開度センサ(図示
略)により検出されたアクセルペダル踏込量(アクセル
開度)ACCとに応じてポンプ1の圧送ストロークを可変
調整し、更に、圧力センサ3a(図2)により検出され
た高圧蓄圧器(第1蓄圧器)3内の実際圧力PHPに応じ
て圧送ストローク(燃料圧力)をフィードバック制御す
ることにより、エンジン運転状態に適合する高圧燃料を
得るようになっている。
圧器3に貯留される。この高圧蓄圧器3は各気筒に共通
するものであり、燃料通路10aに連通している。燃料
通路10aの途中には、例えば二方電磁弁からなる燃料
噴射率切換用の切換弁(制御弁)5が各気筒毎に設けら
れ、また、燃料通路10aにおいて切換弁5の直ぐ下流
には逆止弁32が設けられている。
おいて燃料通路10aから分岐した燃料通路10bを介
して、各気筒に共通の低圧蓄圧器(第2蓄圧器)4が接
続されている。燃料通路10bの途中には逆止弁6が設
けられ、また、燃料通路10bには逆止弁6をバイパス
するバイパス燃料通路が付設され、このバイパス燃料通
路にオリフィス6aが設けられている。燃料通路10a
内の燃料圧力が燃料通路10b内のものよりも高い場
合、燃料通路10a内の燃料がオリフィス6aを介して
燃料通路10bに流入し、更に、低圧蓄圧器4に流入す
る。低圧蓄圧器4と燃料タンク17との間には、コント
ローラ8の制御下で動作する圧力制御弁34が設けられ
ている。図2中、符号4aは、低圧蓄圧器4内の燃料圧
力PLPを検出するための圧力センサを表す。
アクセルペダル踏込量ACCとによって表されるエンジン
運転状態に適合した指示圧を例えば図示しないマップか
ら求め、低圧蓄圧器4内の燃料圧力がこの指示圧になる
ように、圧力センサ4aにより検出した実際圧力PLPに
基づいて圧力制御弁34を制御する。エンジンの各気筒
毎のインジェクタ(燃料噴射ノズル)9は、燃料通路1
0aに接続された制御室11及び燃料室12を有し、制
御室11は、燃料戻り通路10cを介して燃料タンク1
7に接続されている。符号15、16はオリフィスを表
す。また、符号7は、燃料戻り通路10cの途中に配さ
れ例えば二方電磁弁からなる噴射時期制御用の開閉弁を
表す。なお、開閉弁7はインジェクタに組み込まれても
良い。
るニードル弁13と、制御室11内に移動自在に配され
た油圧ピストン14とを有し、ニードル弁13は図示し
ないスプリングによりノズル孔側に付勢されている。燃
料通路10aから制御室11と燃料室12とに燃料が供
給されると共に噴射時期制御用の開閉弁7が閉じられて
いる場合、スプリングのばね力と燃料圧力との合力がニ
ードル弁13に加わり、ニードル弁13は燃料室12内
の燃料圧力に抗してノズル孔を閉鎖するようになってい
る。一方、開閉弁7が開いて制御室11内の燃料が燃料
タンク17側へ排出されると、燃料室12内の燃料圧力
によりニードル弁13がスプリングのばね力に抗して油
圧ピストン14側へ移動してノズル孔が開いて燃料室1
2内の燃料がエンジンの燃焼室(図示略)へ噴射される
ようになっている。
ドでの動作を説明する。コントローラ8の制御下で、高
圧蓄圧器3内の燃料圧力および低圧蓄圧器4内の燃料圧
力がエンジン運転状態に適合するように制御され、ま
た、エンジン運転状態(エンジン回転数、アクセルペダ
ル踏込量)に応じて燃料噴射期間(燃料噴射開始・終了
時期)および低圧噴射期間が設定される。
来するまでの間、切換弁5および開閉弁7は共に閉じら
れ、切換弁5の下流側の燃料通路10aには低圧蓄圧器
4から低圧燃料が供給され、この低圧燃料が制御室11
および燃料室12に供給される。開閉弁7が閉じている
ので、制御室11内に供給された燃料圧力が油圧ピスト
ン14を介してニードル弁13に加わり、ニードル弁に
よりインジェクタ9のノズル孔が閉塞される。
が開かれ、制御室11内の低圧燃料がオリフィス16及
び燃料戻り通路10cを介してドレーンされ、油圧ピス
トン14を介してニードル弁13に加わる燃料圧力とス
プリングのばね力との合力がニードル弁13を押し上げ
るように作用する燃料室12内の燃料圧力よりも小さく
なった時点でニードル弁13が上昇してノズル孔が開
き、低圧燃料がインジェクタ9から噴射される。すなわ
ち、比較的小さい燃料噴射率(単位時間あたりの燃料噴
射量)での低圧初期噴射が行われる。この低圧噴射によ
り、着火前の燃料量が少なくなり予混合燃焼量が減少す
るため燃料噴射期間の初期段階での燃焼は比較的緩慢に
行われ、排気ガス中のNOx量の低減に寄与する。
ると、噴射時期制御用の開閉弁7が開弁状態に保持され
たまま、噴射率切換用の切換弁5が開弁され、燃料室1
2に高圧燃料が供給され、インジェクタ9から高圧燃料
が噴射される。すなわち、低圧噴射での燃料噴射率より
も大きい噴射率での燃料噴射(高圧主噴射)が実施され
る。
時期制御用の開閉弁7が閉弁され、制御室11に供給さ
れた高圧燃料が油圧ピストン14を介してニードル弁1
3に作用し、ニードル弁13がインジェクタ9のノズル
孔を閉塞する。燃料噴射終了時点で燃料噴射率が急速に
立ち下がって、エンジンからの黒煙(スモーク)やパテ
ィクレート(PM)の排出量の低減に寄与する。噴射率
切換用の切換弁5は、開閉弁7の閉弁時期すなわち燃料
噴射時期終了時期Teから所定時間(図8に記号ΔTe
で示す)が経過した時点で閉じられる。
率切換用の切換弁5との間において燃料通路10a内の
燃料圧力は、各回の燃料噴射サイクルでの燃料噴射が終
了した時点から漸減して、次回の燃料噴射サイクルでの
燃料噴射が開始されるまでに低圧噴射に適合する燃料圧
力に低下して安定化し、次回の低圧噴射での噴射圧すな
わち噴射率は所要のものになる。
りアクセルペダルが急激に踏込操作され、例えば図5に
記号Aで示すエンジン運転状態から記号Bで示す状態へ
の加速運転が要求されたとき、目標エンジン負荷は、図
6に示すように、この加速運転要求に即応して急激に増
大し、また、この目標負荷の急増に応じて低圧蓄圧器4
内の燃料圧力の指示値すなわち指示圧が急激に増大す
る。その一方で、この様なエンジンの過渡運転時におい
ても上述の通常モードによる切換弁開閉制御を実施する
と、低圧蓄圧器4内の実際燃料圧力は、図6に示すよう
に相当の応答遅れをもって増大するに過ぎない。この様
に加速運転要求があったときに低圧蓄圧器4内での燃圧
形成に遅れがあると、エンジン運転状態変化に即応した
低圧噴射を行えず、良好なエンジン性能が得られないと
いう不具合が生じる。
は、エンジンの加速運転時には、上記の通常モードと異
なる過渡モードでの切換弁開閉制御を実施して低圧蓄圧
器内での燃圧形成を促進し、適正な低圧噴射を早期に実
施できるようにしている。本実施形態では、エンジン運
転中、コントローラ8は、図7に示す制御モード判定ル
ーチンを所定周期で実施する。この判定ルーチンと平行
して実施される指示圧算出ルーチン(図示略)では、エ
ンジン運転状態に適合する低圧燃料の目標値(指示圧)
PLPTARが、例えばエンジン回転数Neおよびアクセル
ペダル踏込量ACCに基づいて例えばエンジン運転状態・
指示圧マップ(図示略)から求められる。
チンの今回周期において算出された低圧燃料の指示圧P
LPTAR(n)と前回周期での算出値PLPTAR(n-1)とから前回
周期から今回周期までの指示圧変化量を求め、更に、こ
の指示圧変化量を算出ルーチン実行周期で除すことによ
り指示圧変化率DPLPTARを求める。次に、この変化率
DPLPTARが設定値を上回っているか否かを判定する
(ステップS1)。
での切換弁開閉制御を実施したとしても低圧燃料の指示
圧に対する実際圧の応答に許容不能な遅れを来さない許
容上限変化率であり、例えば実験により予め求められ
る。従って、指示圧変化率が設定値を上回っている場
合、通常モードでの切換弁開閉制御を実施すると指示圧
に対する実際圧の応答に許容不能な遅れが生じてエンジ
ン運転状態に適合した低圧噴射を行えないことがある。
一方、指示圧変化率が設定値以下であれば、切換弁開閉
制御を通常モードで実施した場合にも許容不能な応答遅
れを来すことがなく、エンジン運転状態に適合した低圧
噴射を行える。
(No)、すなわち指示圧変化率が設定値を上回ってい
なければ、切換弁開閉制御を通常モードで実施した場合
にも適正な低圧噴射を阻害するような応答遅れは生じな
いと判断して、既に説明した通常モードでの切換弁開閉
制御ならびに燃料噴射制御が実施される(ステップS
2)。
がステップS1で判別されると、低圧蓄圧器4内の実際
燃料圧力を表す圧力センサ4aの出力PLPが読み込ま
れ、実際圧PLPが指示圧PLPTARを下回っているか否か
が判別される(ステップS3)。実際圧PLPが指示圧P
LPTAR以上であることがステップS3で判別された場
合、切換弁開閉制御を通常モードで行っても低圧噴射を
適正に行えると判断して、通常モードでの切換弁開閉制
御ならびに燃料噴射制御が実施される(ステップS
2)。
(Yes)、すなわち、指示圧変化率が設定値を上回って
いるとのステップS1での判別に続いてステップS3に
おいて実際圧PLPが指示圧PLPTARを下回っているとの
判別がなされた場合、通常モードでの切換弁開閉制御を
続行すると指示圧に対する実際圧の応答に許容不能な遅
れを生じて適正な低圧噴射を行えないと判断して過渡モ
ードに移行する(ステップS4)。
適合する燃料噴射期間となるような開閉タイミングで噴
射時期制御用の開閉弁7が駆動され、開閉弁7が開いて
いる間、燃料室12内の加圧燃料がインジェクタ9のノ
ズル孔から噴射される。噴射率切換用の切換弁5は通常
モードの場合と同一タイミングで開弁され、このときに
低圧噴射から高圧噴射へ切り替わる。一方、通常モード
の場合に比べ、切換弁5の閉弁タイミングは遅くされ
る。本実施形態では、燃料噴射終了時期(インジェクタ
駆動信号の立ち下がり時点)から切換弁閉弁時期(切換
弁駆動信号の立ち下がり時点)までの所定時間ΔTeが
延長時間ΔTesadだけ延長される。
6aを介する高圧蓄圧器3から低圧蓄圧器4への加圧燃
料供給時間が通常モードの場合よりも長くなり、インジ
ェクタ9の閉弁後においても切換弁5が開弁状態にある
間、低圧蓄圧器4への加圧燃料供給が積極的に行われ
る。このため、過渡モードによる低圧蓄圧器4での燃料
圧力の増大分は、図8に実線で示すように、切換弁開弁
期間を延長しない場合(破線)に比べて大きくなる。こ
の様に、過渡モードでは、低圧蓄圧器4での燃圧形成が
促進され、第2蓄圧器内の燃料圧力は、過渡運転時のエ
ンジン運転状態に応じた指示圧に短時間内に到達する。
行した直後の燃料噴射サイクルのみにおいて切換弁開弁
期間を延長することにより低圧燃料が指示圧に達する場
合を示してある。低圧燃料の指示圧の変化量が大きい場
合には、過渡モードへの移行後、切換弁開弁期間は複数
の燃料噴射サイクルで延長されることもある。本実施形
態では、切換弁5の閉弁時期は、インジェクタ9の次回
の開弁開始時期よりも所定期間Tdraと余裕時間ΔTdra
との和に等しい期間だけ前に設定されている。ここで、
所定期間Tdraは、切換弁5が閉弁してから燃料通路1
0a内の燃料圧力ひいてはインジェクタの燃焼室内(イ
ンジェクタ入口)の燃料圧力が低圧噴射での噴射圧まで
減少するのに要する時間に相当する。この所定期間Tdr
aは、例えば実験により予め求めることができる。
少なくとも所定期間Tdraだけ前に切換弁5を閉弁させ
ることにより、インジェクタ入口での燃料圧力を低圧噴
射圧に略等しい値に安定させることができる。この結
果、各燃料噴射サイクルにおける低圧噴射が適正に行わ
れ、燃費および排ガス特性が向上する。図7の判定ルー
チンのステップS3において、低圧蓄圧器4内での実際
圧PLPが指示圧PLPTARを上回ったと判別されると、低
圧蓄圧器4内での燃圧形成が完了したと判断して通常モ
ードへ移行する。
々に変形可能である。例えば、上記実施形態では、今回
および前回周期での指示圧PLPTARの変化量から指示圧
変化率を直接求め、指示圧変化率が設定値を上回ったと
きに「加速運転要求有り」と判別し、更に、実際圧PLP
が指示圧よりも低ければ過渡モードに移行して切換弁開
弁時間を延長するようにしたが、これに代えて、エンジ
ン運転状態の変化度合いを表す例えばアクセルペダル踏
込量変化率が設定値を上回ったときに「加速運転要求有
り」と判別しても良い。換言すれば、アクセルペダル踏
込量変化率などに基づいて、指示圧変化率を間接的に求
めても良い。
ポンプにより加圧された高圧燃料を貯留する第1蓄圧器
と、第1蓄圧器内の高圧燃料を燃料通路の下流側へ排出
制御する制御弁より下流側の燃料通路に接続され低圧燃
料を貯留する第2蓄圧器と、第2蓄圧器に係る指示圧が
増大方向に変化する際の変化率が所定値以上のとき制御
弁の閉弁時期を遅らせる燃料制御手段とを備えるので、
指示圧が増大方向に変化する際の変化率が所定値以上の
とき、燃料噴射ノズルの閉弁後においても制御弁を開弁
状態に維持して第2蓄圧器内の燃料圧力を積極的に増大
させることにより第2蓄圧器内の燃料圧力を指示圧に短
時間内に到達させ、これにより、エンジン運転状態に適
合する低圧噴射を早期に実施可能とし、燃費および排ガ
ス特性の向上が図られる。
指示圧の変化率が所定値以上のとき、制御弁の閉弁時期
を燃料噴射ノズルの次回の開弁時期よりも所定期間前に
設定するので、指示圧が増大方向に変化する際の変化率
が所定値以上の場合にも、各燃料噴射サイクルにおいて
制御弁が閉弁してから次の燃料噴射が開始されるまでの
間に燃料噴射ノズル入口での燃料圧力を低圧噴射圧に安
定化可能であり、各燃料噴射サイクルで低圧噴射をより
適正に行える。
を示す概略図である。
ンの各気筒のインジェクタとの接続を示す概略図であ
る。
おける、時間経過に伴う噴射率の変化ならびに噴射率切
換用の切換弁および噴射時期制御用の開閉弁のそれぞれ
の開閉状態の変化を示す図である。
おける、時間経過に伴うインジェクタと切換弁との間の
燃料通路内の燃料圧力の変化を示す図である。
て低圧蓄圧器内の低圧燃料に係る指示圧が増大変化する
ことを示す図である。
に指示圧に対する実際圧の応答遅れを示す図である。
る。
経過に伴うインジェクタ駆動信号、切換弁駆動信号、イ
ンジェクタ入口での燃料圧力、低圧蓄圧器内の燃料圧力
のそれぞれの変化を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポンプにより加圧された高圧の燃料を貯
留する第1蓄圧器と、 燃料通路を介して上記第1蓄圧器に接続され燃料をエン
ジンの燃焼室内に噴射する燃料噴射ノズルと、 上記第1蓄圧器内の高圧燃料を上記燃料通路の下流側へ
排出制御する制御弁と、 上記第1蓄圧器内の高圧燃料よりも低圧の燃料を貯留し
上記制御弁より下流側の上記燃料通路に分岐通路を介し
て接続される第2蓄圧器と、通常運転時に、 上記燃料噴射ノズルの開弁期間の途中で
上記制御弁を開弁させかつ上記燃料噴射ノズルの閉弁に
合わせて上記制御弁を閉弁させると共に、上記エンジン
の運転状態に応じて上記第2蓄圧器に係る指示圧を設定
し、上記指示圧が増大方向に変化する際、上記指示圧の
変化率が所定値以上のとき上記制御弁の閉弁時期を遅ら
せる燃料制御手段とを備えることを特徴とする蓄圧式燃
料噴射装置。 - 【請求項2】 上記燃料制御手段は、上記指示圧の変化
率が上記所定値以上のとき、上記制御弁の閉弁時期を上
記燃料噴射ノズルの次回の開弁時期より所定期間前に設
定することを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式燃料噴
射装置。
Priority Applications (4)
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