JP3729239B2 - 蓄圧式燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄圧式燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンの燃料噴射装置として、蓄圧器に蓄圧した高圧燃料をエンジンの各気筒に安定に供給して低速域から高速域までの広い運転領域においてエンジン性能を向上可能とする蓄圧式燃料噴射装置(コモンレールシステム)がある。このような燃料噴射装置を用いた場合でも、燃料噴射開始直後における燃料噴射率が過大であると、燃焼の初期に急激な爆発燃焼が行われ、エンジン騒音が増大するばかりでなく排気ガス中の窒素酸化物(NOx)が増大する。
【0003】
このような不具合を解消するため、各回の燃料噴射サイクルの初期段階において、低めの燃料噴射率で燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置が提案されている。この提案に係わる燃料噴射装置は、例えば、低圧燃料を貯溜する低圧蓄圧器と、高圧燃料を貯溜する高圧蓄圧器と、低圧蓄圧器又は高圧蓄圧器をインジェクタ(燃料噴射ノズル)に選択的に連通させて燃料噴射率を切り換える切換弁と、インジェクタの圧力制御室と燃料タンクとを連通・遮断して燃料噴射時期を制御する開閉弁とを備えている。
【0004】
蓄圧器での燃圧形成に関して、高圧燃料ポンプにより高圧燃料を得ると共に低圧蓄圧器へ導入した高圧燃料を調圧して低圧燃料を得るタイプの蓄圧式燃料噴射装置(例えば、WO98/09068)では、例えば、各気筒のインジェクタに対応して設置してある燃料噴射時期制御用の開閉弁を閉弁すると共に燃料噴射率切換用の切換弁を低圧側へ切り換えることにより、インジェクタの燃料室(燃料溜まり)に低圧燃料を満たすと共にインジェクタを閉弁状態に保持し、燃料噴射開始時期が到来した時に開閉弁を開弁させてインジェクタを開弁させて低圧燃料をノズルから噴射させて低圧初期噴射(以下「低圧噴射」という)を行い、低圧噴射期間が経過した時に切換弁を高圧側へ切り換え、高圧蓄圧器からの高圧燃料をノズルから噴射させて高圧主噴射(以下「高圧噴射」という)を行い、噴射終了時期が到来すると切換弁を低圧側へ切り換えると共に開閉弁を閉弁する。即ち、切換弁により低圧蓄圧器と高圧蓄圧器を燃料噴射中に切り換えて燃料の噴射波形の制御を行う。
【0005】
低圧蓄圧器では、前記切換弁が閉弁した後当該切換弁とインジェクタの燃料室との間に溜まった高圧燃料を調圧して低圧燃料を得る。即ち、低圧蓄圧器と燃料タンクとの燃料通路に接続されている低圧蓄圧器の圧力制御弁をデューティ制御して、低圧蓄圧器内の燃料圧が所定圧となるように当該低圧蓄圧器内の燃料を燃料タンク(大気開放側)に排出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、低圧蓄圧器と高圧蓄圧器とを燃料噴射中に切り換えて噴射波形の制御を行う上記構成の蓄圧式燃料噴射装置において、過渡時に高圧蓄圧器の燃料圧力を減圧する場合例えば、アクセルを戻して、エンジン負荷状態が高負荷から低負荷に移行する場合にはできるだけ応答遅れを小さくして、短時間で高圧蓄圧器の燃料圧力を設定圧まで減圧することが、排出ガス、燃費性能の向上を図る上で好ましい。
【0007】
このため、本発明では、過渡運転時に、低圧蓄圧器と高圧蓄圧器とを燃料噴射中に切り換える切換弁の開弁期間を延長する制御を行い、低圧蓄圧器への流入量を増大させて減圧を図り、高圧蓄圧器の燃料圧力の応答遅れを抑制するようにした蓄圧式燃料噴射制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の請求項1の蓄圧式燃料噴射制御装置は、燃料ポンプにより加圧され、エンジン運転状態に応じた高圧の燃料を貯溜する第1蓄圧器と、エンジンの各気筒に設けられ、前記第1蓄圧器と燃料通路を介して接続され、燃料をエンジン燃焼室内に噴射する燃料噴射ノズルと、前記各燃焼噴射ノズルに配備され、前記第1蓄圧器内の高圧燃料を前記燃料通路下流側へ排出制御して各燃料噴射ノズルの噴射率を制御する第1制御弁と、前記第1蓄圧器内の高圧燃料よりも低圧の燃料を貯溜し前記第1制御弁より下流側の前記燃料通路に分岐通路を介して接続される第2蓄圧器と、前記燃料噴射ノズルの開弁期間の途中で前記第1制御弁を開弁させ、且つ前記燃料噴射ノズルの閉弁に合わせて前記第1制御弁を閉弁させると共に、前記エンジンの運転状態に応じて前記第1蓄圧器の指示圧を設定し、該指示圧の減少率が所定値以上のとき前記第1制御弁の閉弁時期を遅らせる燃料制御手段とを有したことを特徴とする。
【0009】
燃料制御手段は、エンジン負荷が小さくなる方向への過渡運転時に第1蓄圧器から第2蓄圧器への高圧燃料の流入量を増大させて第1蓄圧器の燃料圧の減圧を積極的に行い、減圧量を促進させて早期に指示圧に到達させる。これにより、第1蓄圧器の指示圧力に対する実圧力の応答遅れを抑制することができ、排出ガス・燃料性能の向上が可能となる。
【0010】
請求項2の発明では、燃料制御手段は、燃料噴射ノズルに対応する第1制御弁の閉弁時期を、当該燃料噴射ノズルの次に燃料噴射する燃料噴射ノズルの開弁時期より所定時間前に設定して次回の低圧噴射までに燃料噴射ノズルの入口の噴射圧を安定させる。これにより次回の低圧噴射を良好に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態としての蓄圧式燃料噴射制御装置の概略構成図、図2は、図1に示す燃料噴射制御装置の主要要素とエンジンの各気筒のインジェクタとの接続を示す概略図である。
【0012】
図1及び図2において、蓄圧式燃料噴射制御装置は、例えば、直列6気筒のディーゼルエンジン(図示せず)に搭載されるもので、高圧燃料ポンプ1は、例えば、図3に示すようなプランジャポンプ20を2つ備え、各プランジャポンプ20は、前記直列6気筒エンジンの前3気筒と後3気筒に夫々対応しており、前3気筒のプランジャ21、後3気筒のプランジャ21を駆動する各カム22は、夫々3つの山を備えており、高圧燃料ポンプ軸が1回転する間に各プランジャ21が3回の圧送ストロークを実施して燃料を圧送するようになっている。圧送ストロークの調整は、プンランジャポンプ20の吐出側に設けられている電磁弁23の閉弁時期を調整することにより行われ、この電磁弁23が開弁している間は、プランジャポンプ20の圧送動作が無効になるようになっている。電磁弁23は、後述する電子制御装置8により制御される。
【0013】
図1に戻り、蓄圧式燃料噴射制御装置の燃料制御手段としての電子制御装置(ECU)8は、エンジン回転センサ8aにより検出されたエンジン回転数Neと、アクセル開度センサ(図示せず)により検出されたアクセルペダル踏込量(アクセル開度)Accとに応じて高圧燃料ポンプ1の電磁弁23を制御して圧送ストロークを可変調整し、更に、高圧蓄圧器(第1蓄圧器)3に設けられている圧力センサ3aにより検出された燃料圧PHPに応じて圧送ストローク(吐出圧)をフィードバック制御することにより、エンジン運転状態に適合する高圧燃料を得るようになっている。
【0014】
高圧燃料ポンプ1により加圧された燃料は、高圧蓄圧器3に貯溜される。この高圧蓄圧器3は、各気筒に共通するものであり、燃料通路10aに連通している。燃料通路10aの途中には、例えば、二方電磁弁から成る燃料噴射率切換用の切換弁(第1制御弁)5が各気筒毎に設けられ(図2)、当該切換弁5の直ぐ下流に上流側から下流側にのみ燃料の流れを許容する逆止弁32が設けられている。
【0015】
燃料通路10aには、逆止弁32の下流において当該燃料通路10aから分岐した燃料通路10bを介して各気筒に共通の低圧蓄圧器(第2蓄圧器)4が接続されている。燃料通路10bの途中には逆止弁6と、当該逆止弁6をバイパスするバイパス通路が設けられており、このバイパス通路にオリフィス6aが設けられている。逆止弁6は、低圧蓄圧器4から燃料通路10a方向にのみ燃料の流れを許容する。燃料通路10a内の燃料圧が燃料通路10b内の燃料圧よりも高い場合、燃料通路10a内の燃料がオリフィス6aを通して燃料通路10bに流入し、更に低圧蓄圧器4に流入する。燃料通路10bの低圧蓄圧器4と燃料タンク17との間には電子制御装置8の制御下で動作して低圧蓄圧器4の燃料圧を制御する圧力制御弁(第2制御弁)34が設けられている。また、図2に示すように低圧蓄圧器4には当該低圧蓄圧器4内の燃圧PLPを検出する圧力センサ4aが設けられている。
【0016】
電子制御装置8は、低圧蓄圧器4内の燃圧が、エンジン回転数Neとアクセルペダル踏込量Accとによって表されるエンジン運転状態に適合した圧力になるように、圧力センサ4aにより検出した実圧力PLPに基づいて圧力制御弁34を制御する。
エンジンの各気筒に設けられている燃料噴射ノズルとしてのインジェクタ9は、燃料通路10aにオリフィス15を介して接続された圧力制御室11及び燃料室(燃料溜まり)12を有し、圧力制御室11は、オリフィス16、燃料戻り通路10cを介して燃料タンク17に接続されている。そして、燃料戻り通路10cの途中に例えば、二方電磁弁からなる燃料噴射時期制御用の開閉弁7が接続されている。尚、開閉弁7は、インジェクタ内に設置されていてもよい。
【0017】
インジェクタ9は、ノズル(噴孔)9aを開閉するニードル弁13と、圧力制御室11内に摺動可能に収納された油圧ピストン14とを有し、ニードル弁13は、スプリング(図示せず)によりノズル9a側に付勢されて閉弁されている。燃料通路10aから圧力制御室11と燃料室12とに燃料が供給されると共に噴射時期制御用の開閉弁7を閉弁されている場合前記スプリングのばね力と燃料圧との合力がニードル弁13に加わり、当該ニードル弁13は、燃料室12内の燃料圧に抗してノズル9aを閉塞する。開閉弁7が開弁して圧力制御室11内の燃料が燃料タンク17側(大気開放側)へ排出されると、燃料室12内の燃料圧によりニードル弁13が前記スプリングのばね力に抗して油圧ピストン14側へ移動してノズル9aが開口し、燃料室12内の燃料がノズル9aからエンジンの燃焼室へ噴射される。
【0018】
以下、上記構成の燃料噴射装置の通常モードでの動作を説明する。
電子制御装置8の制御下で、高圧蓄圧器3内の燃料圧及び低圧蓄圧器4内の燃料圧がエンジン運転状態に適合するように制御され、エンジン運転状態(エンジン回転数、アクセルペダル踏込量等)に応じて燃料噴射期間(燃料噴射開始・終了時期)及び低圧噴射期間が設定される。
【0019】
図4に示すように、燃料噴射開始時期が到来するまでの間、切換弁5及び開閉弁7は、共に閉弁されており、切換弁5の下流側の燃料通路10aには低圧蓄圧器4から低圧燃料が供給され、この低圧燃料がインジェクタ9の圧力制御室11及び燃料室12に供給される。開閉弁7が閉弁されていることで圧力制御室11内に供給された燃圧が油圧ピストン14を介してニードル弁13に加わり、当該ニードル弁13によりノズル9aが閉塞されて閉弁されている。
【0020】
燃料噴射開始時期になると、開閉弁7のみが開弁され、インジェクタ9の圧力制御室11内の低圧燃料がオリフィス16及び燃料戻り通路10cを通して燃料タンク17に排出される。これにより油圧ピストン14を介してニードル弁13に加わる燃圧とスプリングのばね力との合力が、当該ニードル弁13を押し上げるように作用する燃料室12内の燃圧よりも小さくなった時点でニードル弁13が上昇してノズル9aが開口され、ノズル9aから低圧燃料が噴射される。即ち、噴射初期において比較的小さい燃料噴射率(単位時間当たりの燃料噴射量)での低圧噴射が実行される。この低圧噴射により、燃料噴射期間の初期段階での燃焼は、比較的緩慢に行われ、排気ガス中のNOx量の低減が図られる。
【0021】
低圧噴射を開始してから所定時間が経過すると、噴射時期制御用の開閉弁7が開弁された状態のまま、噴射率切換用の切換弁5が開弁され、燃料室12に高圧燃料が供給され、インジェクタ9から高圧燃料が噴射される。即ち、低圧噴射での燃料噴射率よりも大きい噴射率での高圧噴射が実行される。
そして、燃料噴射終了時期になると、噴射時期制御用の開閉弁7が閉弁され、燃料通路10aからオリフィス15を通して圧力制御室11に供給された高圧燃料が油圧ピストン14を介してニードル弁13に作用し、当該ニードル弁13がノズル9aを閉塞し、ノズル9aからの燃料噴射が終了する。燃料噴射終了時点で燃料噴射率が急速に立ち下がってエンジンからの黒煙(スモーク)やパティキュレート(粒状物質PM)の排出量が低減される。噴射率切換用の切換弁5は、燃料噴射終了時期における開閉弁7の閉弁と同時に閉弁され、或いは、燃料噴射時期終了時期から所定時間が経過した時点で閉弁される。
【0022】
図5に示すようにインジェクタ9の燃料室12と噴射率切換用の切換弁5との間において、燃料通路10a内の高圧燃料は、燃料通路10bのオリフィス6aを通して低圧蓄圧器4に流入し、これにより、燃料通路10a内の燃料圧は、各回の燃料噴射サイクルでの燃料噴射が終了した時点から漸減して、次回の燃料噴射サイクルでの燃料噴射が開始されるまでに圧力制御弁34により設定される低圧噴射に適合する燃料圧に低下し、次回の低圧噴射での噴射率は、所要のものとなる。図6は、高圧蓄圧器3の圧力マップの一例を示し、高圧蓄圧器3の圧力(燃料圧)は、矢印で示すように負荷(アクセル開度)の増加に応じて高くなる。
【0023】
次に、過渡運転時における高圧蓄圧器3の減圧制御を図7及び図8により説明する。図7は、過渡モードの判定及び過渡モード時における高圧蓄圧器の減圧制御の手順を示すフローチャート、図8は、過渡モード時における燃料噴射波形、インジェクタ及び切換弁の駆動を示すタイミングチャートである。
走行中に例えば、アクセルが戻されてエンジン負荷状態が高負荷から低負荷に移行したとする。電子制御装置8は、アクセルが戻されると過渡時と判定し、エンジンの運転状態に応じて高圧蓄圧器3の指示圧力を設定し、高圧蓄圧器3に設けられている圧力センサ3aからの信号により、高圧蓄圧器3の指示圧力の減少率が所定値以上即ち、高圧蓄圧器3の前回の指示圧力と今回の指示圧力との圧力差が設定値以上(前回指示値−今回指示値≧圧力設定値)であるか否かを判定し(ステップS1)、肯定(YES)のときには過渡モードに移行する(ステップS2)。尚、過渡モードの判定は、アクセル開度比により判定しても良い。
【0024】
ステップS2において、電子制御装置8は、過渡時における高圧蓄圧器3の減圧制御を実行する。この高圧蓄圧器3の減圧制御は、高圧燃料ポンプ1の圧送を一時停止して無圧送とすると共に、切換弁5(図1)の開弁時間を延長させて、高圧蓄圧器3から低圧蓄圧器4への流出量を増大させて減圧を促進する。
図8に示すように切換弁5の駆動信号は、通常モードにおいてはインジェクタ9の駆動信号がオンからオフになった時から差動時間Te経過後に点線で示すようにオフとなり、この差動時間Teの間、高圧蓄圧器3から高圧燃料が低圧蓄圧器4に流れ込む。圧力制御弁34は、低圧蓄圧器4に流入した燃料を燃料タンク17に排出して低圧蓄圧器4の圧力を所定圧に制御する。これにより、インジェクタ9の入口の圧力(燃料通路10aの圧力)、高圧蓄圧器3の圧力が低下する。しかしながら、切換弁5の差動時間Teが短いと、高圧蓄圧器3から低圧蓄圧器4に流出する高圧燃料量が少ないために当該高圧蓄圧器3の減圧量(圧力降下量ΔPa)が小さく、これが過渡時における高圧蓄圧器3の減圧の応答遅れの原因となる。
【0025】
そこで、本発明では、過渡時に高圧燃料ポンプ1を無圧送とすると共に、切換弁5の開弁時間を延長させて行う。高圧燃料ポンプ1の無圧送は、図3に示す電磁弁23を開弁させることで行われる。また、切換弁5の開弁時間の延長は、図8に示すようにインジェクタ9の今回の噴射終了後次回の噴射開始までの時間T内における切換弁5の最大延長時間ΔTeを演算する。最大延長時間ΔTeは、インジェクタ9がエンジンのクランクシャフト2回転に1回駆動されることでエンジン回転数Neにより与えられる噴射周期(120/Ne)から、噴射期間、設定余裕時間ΔTaf、減圧に要する時間ΔTred(エンジン回転数によらず一定)を引いた時間(ΔTe=120/Ne−(噴射期間)−(ΔTaf+ΔTred))で与えられる。このように最大延長時間を演算することで、エンジンの運転状態(各負荷)に応じた効率的な延長時間を決定することができる。
【0026】
電子制御装置8は、インジェクタ9が閉弁した後前記最大延長時間ΔTeの間、燃料ポンプ1の電磁弁23を開弁して高圧蓄圧器3への燃料供給を一時停止する(無圧送)と共に、切換弁5を開弁させる。これにより、高圧蓄圧器3から低圧蓄圧器4への高圧燃料の流出量が増大する。圧力制御弁34は、低圧蓄圧器4に流入した高圧燃料を燃料タンク17に排出させて当該低圧蓄圧器4を所定圧に制御する。このようにエンジン負荷が小さくなる方向への過渡運転時に高圧蓄圧器3から低圧蓄圧器4への流入量を増大させて高圧蓄圧器3の燃料圧の減圧を積極的に行い、図8に示すように高圧蓄圧器3の減圧量(圧力降下量)ΔPbを促進させて早期に指示圧に到達させる。これにより、高圧蓄圧器3の指示圧力に対する実圧力の応答遅れを抑制することができ、排出ガス・燃料性能の向上が可能となる。
【0027】
高圧蓄圧器3の減圧は、低圧蓄圧器4の圧力までであり、切換弁5の開弁時間は、インジェクタ9の次回の開弁時期より所定時間(ΔTaf+ΔTred)前までである。そして、切換弁5の閉弁時期をインジェクタ9の次回の開弁時期より所定時間(ΔTaf+ΔTred)前に設定することで、次回の低圧噴射までにインジェクタ9の入口の噴射圧を安定させることができ、低圧噴射を良好に行うことができる。
【0028】
図7に戻り、電子制御装置8は、ステップS1の判別結果が否定(NO)のとき即ち、高圧蓄圧器3の指示圧力の減少率が所定値よりも小さいと判定すると、過渡時モードを終了して通常モードに移行する(ステップS3)。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、請求項1の発明では、エンジンの運転状態に応じて第1蓄圧器の指示圧を設定し、該指示圧の減少率が所定値以上のとき第1制御弁の閉弁時期を遅らせることで、第1蓄圧器の指示圧が小さくなる方向への過渡運転時に第1蓄圧器から第2蓄圧器への流入量を増大させて第1蓄圧器の燃料圧の減圧を積極的に行い、減圧を促進させて早期に指示圧に到達させることができ、指示圧力に対する実圧力の応答遅れを抑制することができ、排出ガス・燃料性能の向上が可能となる。
【0030】
請求項2の発明では、第1制御弁の閉弁時期を燃料噴射ノズルの開弁時期より所定時間前に設定することで、次回の低圧噴射までに燃料噴射ノズルの入口の噴射圧を安定させることができ、低圧噴射を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る蓄圧式燃料噴射装置を示す概略図である。
【図2】図1に示す燃料噴射装置の主要要素とエンジンの各気筒のインジェクタとの接続を示す概略図である。
【図3】図1に示す高圧燃料ポンプの概略図である。
【図4】通常モードで実施される一燃料噴射サイクルにおける、時間経過に伴う噴射率の変化並びに噴射率切換用の切換弁及び噴射時期制御用の開閉弁の各開閉状態の変化を示す図である。
【図5】通常モードで実施される一燃料噴射サイクルにおける、時間経過に伴うインジェクタと切換弁との間の燃料通路内の燃料圧力の変化を示す図である。
【図6】高圧蓄圧器の圧力マップの一例を示す特性図である。
【図7】過渡モードの判定及び過渡モード時における高圧蓄圧器の減圧制御の手順を示すフローチャートである。
【図8】過渡モード時における燃料噴射波形、インジェクタ及び切換弁の駆動を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 高圧燃料ポンプ
3 高圧蓄圧器(第1蓄圧器)
4 低圧蓄圧器(第2蓄圧器)
3a 圧力センサ(第1燃圧検出手段)
4a 圧力センサ(第2燃圧検出手段)
5 高圧・低圧蓄圧器(燃料噴射率)切換用の切換弁(第1制御弁)
7 噴射時期制御用の開閉弁
8 電子制御装置(制御手段)
9 インジェクタ(燃料噴射ノズル)
10a、10b 燃料通路
20 プランジャポンプ(燃料ポンプ)
34 低圧蓄圧器の圧力制御弁(第2制御弁)

Claims (2)

  1. 燃料ポンプにより加圧され、エンジン運転状態に応じた高圧の燃料を貯溜する第1蓄圧器と、
    エンジンの各気筒に設けられ、前記第1蓄圧器と燃料通路を介して接続され燃料をエンジン燃焼室内に噴射する燃料噴射ノズルと、
    前記各燃焼噴射ノズルに配備され、前記第1蓄圧器内の高圧燃料を前記燃料通路下流側へ排出制御して各燃料噴射ノズルの噴射率を制御する第1制御弁と、
    前記第1蓄圧器内の高圧燃料よりも低圧の燃料を貯溜し前記第1制御弁より下流側の前記燃料通路に分岐通路を介して接続される第2蓄圧器と、
    前記燃料噴射ノズルの開弁期間の途中で前記第1制御弁を開弁させ、且つ前記燃料噴射ノズルの閉弁に合わせて前記第1制御弁を閉弁させると共に、前記エンジンの運転状態に応じて前記第1蓄圧器の指示圧を設定し、該指示圧の減少率が所定値以上のとき前記第1制御弁の閉弁時期を遅らせる燃料制御手段と
    を有したことを特徴とする蓄圧式燃料噴射制御装置。
  2. 前記燃料制御手段は、
    前記燃料噴射ノズルに対応する前記第1制御弁の閉弁時期を、当該燃料噴射ノズルの次に燃料噴射する燃料噴射弁の開弁時期より所定時間前に設定することを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射制御装置。
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