JP3375328B2 - 陰極線管の分割方法および陰極線管の分割装置 - Google Patents

陰極線管の分割方法および陰極線管の分割装置

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JP3375328B2
JP3375328B2 JP2000285839A JP2000285839A JP3375328B2 JP 3375328 B2 JP3375328 B2 JP 3375328B2 JP 2000285839 A JP2000285839 A JP 2000285839A JP 2000285839 A JP2000285839 A JP 2000285839A JP 3375328 B2 JP3375328 B2 JP 3375328B2
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/82Recycling of waste of electrical or electronic equipment [WEEE]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済の陰極線管
などをパネル部とファンネル部とに分割する陰極線管の
分割方法および分割装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の資源の枯渇化や環境汚染などに関
連して、電器製品のリサイクルへの要求が高まってい
る。例えば、テレビジョンやパソコン用表示装置をはじ
めとする各種表示装置などに使用されている陰極線管
は、以前より回収(リサイクル)の必要性が論じられて
おり、また実際に回収、再利用することが試みられてい
る。
【0003】カラーブラウン管などとして用いられてい
る陰極線管は、蛍光膜が形成されたパネル部とファンネ
ル部とをフリットガラスなどを用いて融着し、さらにフ
ァンネル部の他方の端部側に電子銃を備えたネック部を
接合した構造を有している。このような陰極線管を回
収、再利用する場合、パネル部とファンネル部には組成
が異なるガラスが用いられているため、まずパネル部と
ファンネル部とに分割する必要がある。また、パネル部
の内部に配置された金属部品などを回収するにあたって
も、パネル部とファンネル部との分割が重要となる。
【0004】使用済のテレビジョン装置やコンピュータ
表示装置などから回収された陰極線管(廃陰極線管)を
パネル部とファンネル部とに分割する方法としては、従
来から、Ni−Cr線などの熱線をパネル部とファンネ
ル部との接合部分に押し当て、熱線により接合部分を加
熱することにより分割する方法(熱線加熱法(特開平9-
171773号公報、特開平11-345569号公報など参照))、
レーザービームをパネル部とファンネル部との接合部分
に照射して分割する方法(レーザー照射法(特開平11-8
6734号公報など参照))、高周波誘導加熱やガス加熱な
どにより陰極線管を加熱して分割する方法、ブレードな
どを用いて切断する方法などが適用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した陰極線管の分
割方法のうち、一般的には熱線加熱法が適用されている
が、この熱線加熱法では熱線のパネル部とファンネル部
との接合部分への押し当て工程に手間を要し、また分割
が可能な温度まで加熱するのに時間を要することなどか
ら、陰極線管を分割する際の処理工数ならびに処理コス
トが増大しやすいというような問題がある。さらに、加
熱源としての熱線を剥き出しの状態で使用することか
ら、作業者の安全性の点でも問題がある。
【0006】また、レーザー照射法はスポット状のレー
ザー光で接合部分を加熱するため、パネル部とファンネ
ル部とを分割可能な温度まで加熱するのに時間を要し、
加えてレーザーを使用した分割装置自体が極めて高価に
なることから、分割処理工数ならびに分割処理コストが
増大してしまうというような問題がある。さらに、レー
ザーの操作自体が難しいことから、熟練した作業者でな
ければ分割処理作業を実施することができないというよ
うな難点もある。
【0007】他の分割方法についても、分割処理作業に
時間を要する、分割処理作業の作業性が悪い、分割処理
装置が大掛かりで高価になるなどの問題があり、これら
の点を解消することが強く望まれている。
【0008】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、陰極線管をパネル部とファンネル部と
に分割する際の作業時間の短縮ならびに作業性の向上な
どを図った陰極線管の分割方法、さらに分割処理作業の
作業効率を大幅に向上させると共に、装置コストの低減
などを実現した陰極線管の分割装置を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管の分割
方法は、請求項1に記載したように、陰極線管をパネル
部とファンネル部とに分割するにあたり、前記陰極線管
の前記パネル部とファンネル部との接合部分近傍に、近
赤外線を利用した線状熱ビームを照射して、前記接合部
分近傍を所定の温度まで加熱することにより、前記パネ
ル部と前記ファンネル部とを分割することを特徴として
いる。
【0010】本発明の陰極線管の分割方法の具体的な形
態としては、例えば請求項2に記載したように、線状熱
ビームにより陰極線管の接合部分近傍を加熱する工程
と、加熱後の陰極線管に衝撃を加えて、陰極線管をパネ
ル部とファンネル部とに分割する工程とを有する処理方
法が挙げられる。
【0011】本発明の陰極線管の分割方法においては、
パネル部とファンネル部との接合部分近傍の加熱に、近
赤外線を利用した線状熱ビームを使用している。近赤外
線を利用した熱ビームによれば、被加熱物を短時間で効
率よくかつ安全に加熱することができる。従って、この
ような近赤外線熱ビームを線状に集光させた線状熱ビー
ムを陰極線管の接合部分近傍の加熱に利用することによ
って、パネル部とファンネル部とに分割可能な温度まで
効率よく短時間で昇温することができる。
【0012】このように、陰極線管の接合部分近傍を分
割可能な温度まで効率よくかつ短時間で加熱することに
よって、接合部分近傍に大きな熱歪を生じさせることが
でき、その後に衝撃(機械的な衝撃や熱衝撃)を加える
ことで、陰極線管を効率よくかつ容易にパネル部とファ
ンネル部とに分割することができる。これは陰極線管の
回収、再利用に大きく貢献するものである。また、近赤
外線を利用した線状熱ビームによれば、陰極線管の接合
部分近傍を急速に加熱することができるため、場合によ
っては線状熱ビームの加熱に基づく熱衝撃のみで陰極線
管をパネル部とファンネル部とに分割することもでき
る。
【0013】本発明の陰極線管の分割装置は、請求項4
に記載したように、陰極線管をパネル部とファンネル部
とに分割する陰極線管の分割装置において、前記陰極線
管を保持する保持手段と、前記陰極線管の前記パネル部
とファンネル部との接合部分近傍に、近赤外線を利用し
た線状熱ビームを照射する熱ビーム源を有し、前記線状
熱ビームの照射により前記接合部分近傍を加熱する加熱
手段とを具備することを特徴としている。
【0014】本発明の陰極線管の分割装置は、さらに請
求項5に記載したように、前記加熱手段により加熱され
た前記陰極線管の接合部分近傍に衝撃を印加する手段を
具備することを特徴としている。
【0015】本発明の陰極線管の分割装置において、熱
ビーム源には例えば請求項7に記載したように、熱源と
してハロゲンランプを有し、かつこのハロゲンランプか
ら照射される近赤外線を集光して線状熱ビームを生じさ
せる機構を有する線状ヒータが用いられる。
【0016】このような本発明の陰極線管の分割装置に
おいては、陰極線管の接合部分近傍の加熱に、近赤外線
を利用した線状熱ビームを照射する熱ビーム源を使用し
ているため、陰極線管をパネル部とファンネル部とに短
時間で効率よくかつ安全に分割することができる。ま
た、従来のレーザー照射装置などを用いた分割装置に比
べて、装置コストを大幅に削減することが可能となる。
【0017】本発明の陰極線管の分割装置において、加
熱手段は陰極線管の少なくとも一辺の接合部分近傍に線
状熱ビームを照射する熱ビーム源を有していればよい
が、例えば請求項8に記載したように、陰極線管の少な
くとも二辺の接合部分近傍に線状熱ビームを同時に照射
する、2つ以上の熱ビーム源を有する加熱手段を使用し
てもよい。このような構成によれば、パネル部とファン
ネル部との分割に要する作業時間ならびに作業効率をよ
り一層向上させることができる。
【0018】本発明の陰極線管の分割装置においては、
例えば請求項9に記載したように、陰極線管の大きさに
応じて、熱ビーム源の位置を調整する位置決め機構を有
する加熱手段を採用することができる。これにより、種
々の大きさの陰極線管の分割作業を一つの装置で実施す
ることが可能となる。
【0019】また、請求項10に記載したように、保持
手段に保持された陰極線管を回転させる回転手段と、回
転する陰極線管に熱ビーム源を追従させる回転追従手段
とを、さらに具備する構成としてもよい。このような構
成によれば、種々の大きさの陰極線管の分割作業を一つ
の装置でより一層効率よく実施することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0021】図1は本発明の陰極線管の分割方法を適用
した分割装置の第1の実施形態の概略構成を示す正面構
成図、図2は図1に示す分割装置の平面構成図である。
これらの図において、1はパネル部2aとファンネル部
2bとに分割しようとする陰極線管2の保持台を兼ねる
ターンテーブルである。ここで、分割しようとする陰極
線管としては、カラーテレビジョン装置やコンピュータ
表示装置をはじめとする各種表示装置などから回収され
た廃陰極線管、あるいは陰極線管の工程不良品などが挙
げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0022】ターンテーブル1には回転軸3が接続され
ており、この回転軸3を介してモータ(例えばステッピ
ングモータ)4の駆動力を伝達することによって、陰極
線管2を回転させるように構成されている。モータ4の
駆動力は、2枚の回転伝導平歯車5、6を介して回転軸
3に伝達される。陰極線管2の回転駆動は、断続回転あ
るいは連続回転のいずれであってもよく、後述する陰極
線管2の具体的な加熱方法に応じて適宜設定される。
【0023】さらに、ターンテーブル1は外周部にOリ
ング7が配置された吸引保持部8を有しており、この吸
引保持部8は回転軸3内に配置された吸引管9を介して
真空ポンプ10に接続されている。吸引管9はロータリ
ージョイント11により回転可能とされている。陰極線
管2はターンテーブル1の吸引保持部8上に載置された
後、真空ポンプ10により真空吸引されてターンテーブ
ル1に保持される。陰極線管2はターンテーブル1に保
持された状態で、上記した回転機構により回転される。
図中12は陰極線管2の回転軸を調整するための芯出し
アームである。
【0024】回転軸3は上下動式回転軸受13により軸
支されており、この上下動式回転軸受13はボールネジ
14と連動するように構成されている。ボールネジ14
にはプーリーや歯付ベルトなどの駆動力伝達系15を介
して、上下動ベース板16上に配置された上下ハンドル
17による動力が伝達される。すなわち、上下ハンドル
17を回転させることによって、上下動ベース板16と
連動してターンテーブル1が上下動するように構成され
ている。
【0025】上述したターンテーブル1に保持された陰
極線管2の外周側には、陰極線管2のパネル部2aとフ
ァンネル部2bとの接合部分2c近傍に近赤外線を利用
した線状熱ビームを照射して、接合部分2c近傍を所定
の温度まで加熱する加熱手段が配置されている。具体的
には、陰極線管2の接合部分2c近傍に近赤外線を利用
した線状熱ビームXを照射する熱ビーム源として、近赤
外線ラインヒータ18がターンテーブル1の外周側に設
置されている。
【0026】図1および図2に示す分割装置の加熱手段
は、陰極線管2の二辺の接合部分2c近傍に線状熱ビー
ムXを同時に照射することができるように、熱ビーム源
としての2つの近赤外線ラインヒータ18を有してい
る。これら2つの近赤外線ラインヒータ18は、所定の
間隙をもって平行配置されている。なお、近赤外線ライ
ンヒータ18を2つ使用する場合には、L字状に配置す
るようにしてもよい。また、陰極線管2の四辺の接合部
分2c近傍に対して線状熱ビームXを同時に照射するよ
うに、近赤外線ラインヒータ18を4つ使用することも
可能である。なお、近赤外線ラインヒータ18は少なく
とも1つ有していればよい。
【0027】図3および図4は、熱ビーム源として用い
られる近赤外線ラインヒータ18の一構成例を示す図で
ある。これらの図に示す近赤外線ラインヒータ18は、
熱源として高出力が可能なライン型のハロゲンランプ1
9を有しており、このライン型ハロゲンランプ19は反
射ミラー20のランプ収容部21内に配置されている。
反射ミラー20は、ランプ収容部21の周囲に配置され
た第1反射面20aと、その開口縁から連続した第2反
射面20bとを有している。
【0028】ライン型ハロゲンランプ19から出射され
た近赤外線は、反射ミラー20の第1反射面20aおよ
び第2反射面20bにより集光されて、線状熱ビームX
として被加熱物(ここでは陰極線管2)に照射される。
なお、図3において、22はミラー冷却水の導入口、2
3はミラー冷却水の排出口であり、24はヒータ取付け
用ハンガーである。
【0029】なお、上述した近赤外線ラインヒータ18
には、例えば特公平4-42786号公報や実公平4-41598号公
報などに記載されている技術を適用することができる。
また、近赤外線ラインヒータ18としては、例えば
(株)ハイベック社製のラインヒータHYL25が用いられ
る。
【0030】上述したような近赤外線を使用した加熱手
段としての近赤外線ラインヒータ18は、従来のレーザ
ー光などを利用した加熱源に比べて、装置コストを大幅
に低減することができる。また、熱源としての高効率ハ
ロゲンランプ19は近赤外線を効率よく出射し、これを
集光して線状熱ビームXとすることによって、被加熱物
(ここでは陰極線管2)を非接触で2000K程度まで効率
よく短時間で加熱することができる。さらに、熱源がハ
ロゲンランプ19であるため、従来の熱線加熱などに比
べて作業者の安全性を確保することもできる。
【0031】分割処理が施される陰極線管2は、上述し
たような近赤外線ラインヒータ18に囲まれた位置に配
置される。ここで、分割処理が施される陰極線管2は、
種々の大きさのもの(例えば14〜35インチのブラウン
管)があるため、この実施形態の分割装置は陰極線管2
の大きさに応じて、近赤外線ラインヒータ18の位置を
調整する位置決め機構を有している。すなわち、近赤外
線ラインヒータ18はエアースライドテーブル25にダ
ブルスピンドル構造のヒータ取付け具26により固定さ
れており、このエアースライドテーブル25を前後させ
ることで、近赤外線ラインヒータ18の位置を調節する
ことが可能とされている。
【0032】さらに、陰極線管2は断続的にもしくは連
続的に回転されるため、近赤外線ラインヒータ18は回
転する陰極線管2に追従可能とされている。すなわち、
ヒータ取付け具26は、近赤外線ラインヒータ18を前
後に移動可能とする圧縮バネ27を有している。また、
近赤外線ラインヒータ18の先端には、陰極線管2の外
周に接触させたガイドローラ28が配置されている。そ
して、陰極線管2の回転時にはガイドローラ28の水平
方向の動きに合せて、近赤外線ラインヒータ18を圧縮
バネ27により前後に移動させるように構成されてい
る。このように、この実施形態の分割装置は、回転する
陰極線管2に近赤外線ラインヒータ18を追従させる回
転追従機構を有している。
【0033】上述した陰極線管2の分割装置において
は、以下のようにして陰極線管2をパネル部2aとファ
ンネル部2bとに分割する処理が行われる。
【0034】すなわち、まず分割処理対象の陰極線管2
をターンテーブル1上に載置し、芯出しアーム12によ
り回転軸を調整しながら、陰極線管2を真空吸引してタ
ーンテーブル1に保持させる。次いで、近赤外線ライン
ヒータ18の位置を陰極線管2の大きさに応じて、エア
ースライドテーブル25により調整する。
【0035】この状態で、陰極線管2の例えば長手方向
の対向する二辺の接合部分2c近傍に、近赤外線ライン
ヒータ18から線状熱ビームXを照射して、陰極線管2
の接合部分2c近傍を所定の温度まで加熱する。次い
で、陰極線管2を90°回転させ、陰極線管2の残りの二
辺の接合部分2c近傍に、近赤外線ラインヒータ18か
ら線状熱ビームXを照射して所定の温度まで加熱する。
【0036】上述した熱源としてハロゲンランプを有す
ると共に、このハロゲンランプから照射される近赤外線
を集光して線状熱ビームXを生じさせる近赤外線ライン
ヒータ18によれば、陰極線管2の大きさなどによって
も異なるが、例えば線状熱ビームXを2〜60秒間照射す
ることによって、陰極線管2の接合部分2c近傍をパネ
ル部2aとファンネル部2bとに分割可能な温度、例え
ば400〜2000K程度に加熱することができる。
【0037】近赤外線ラインヒータ18を用いた加熱工
程の後に、陰極線管2にハンマーなどで作業者が機械的
な衝撃を加えることによって、陰極線管2をパネル部2
aとファンネル部2bとに効率よくかつ安全に分割する
ことができる。すなわち、近赤外線ラインヒータ18で
陰極線管2の接合部分2c近傍を短時間で効率よく加熱
することで、接合部分2c近傍には大きな熱歪が生じ
る。この後、陰極線管2に機械的な衝撃を加えることに
よって、陰極線管2を短時間でかつ容易にパネル部2a
とファンネル部2bとに分割することができる。
【0038】上述した実施形態の分割装置を用い、近赤
外線ラインヒータ18のランプ電流値を8.5A(1.3kW)
に設定して、14インチのカラーブラウン管の分割処理を
実施したところ、一辺当りの加熱時間(線状熱ビームX
の照射時間)を10秒(実際の処理時間は10秒×2)とす
ることで、陰極線管2をパネル部2aとファンネル部2
bとに分割することができた。
【0039】このように、上述した実施形態の分割装置
によれば、陰極線管2をパネル部2aとファンネル部2
bとに短時間で効率よく分割することが可能である。ま
た、従来のレーザー照射装置などを用いた分割装置に比
べて、装置コストを大幅に削減することができ、さらに
作業の安全性を高めることも可能となる。なお、陰極線
管2の加熱は、陰極線管2を連続的に回転させつつ、近
赤外線ラインヒータ18から線状熱ビームXを照射する
ようにしてもよい。
【0040】次に、本発明の陰極線管の分割方法を適用
した分割装置の第2の実施形態について、図5を参照し
て説明する。図5は第2の実施形態による陰極線管の分
割装置の概略構成を示す正面構成図である。同図に示す
陰極線管の分割装置は、図1および図2に示した第1の
実施形態による分割装置の各構成要素に加えて、加熱手
段により所定の温度まで加熱された陰極線管2の接合部
分2c近傍に衝撃を印加する手段を具備している。
【0041】すなわち、陰極線管2の外周部側には、冷
却媒体を陰極線管2の接合部分2c近傍に吹き付けるノ
ズル29が配置されている。ノズル29は陰極線管2の
対角線上に位置するように2つ配置されている。これら
ノズル29はコンプレッサ30に接続されており、近赤
外線ラインヒータ18で所定の温度まで加熱した陰極線
管2の接合部分2c近傍にエアーを吹き付けるように構
成されている。なお、冷却媒体はエアーに限らず、窒素
ガスのような不活性ガスであってもよく、特に限定され
るものではない。
【0042】このように、近赤外線ラインヒータ18を
用いた加熱工程で大きな熱歪が生じている陰極線管2の
接合部分2c近傍に、エアーを吹き付けて熱衝撃を印加
することによっても、陰極線管2をパネル部2aとファ
ンネル部2bとに短時間で効率よく分割することができ
る。この実施形態の分割装置によれば、陰極線管2の加
熱工程から衝撃の印加工程までを全て自動化することが
可能となり、分割作業効率をより一層向上させることが
可能となる。
【0043】なお、陰極線管2の接合部分2c近傍への
衝撃印加手段は、冷却媒体を吹き付ける機構に限らず、
例えばエアーシリンダなどを利用して、機械的な衝撃
(殴打による衝撃)を印加するような構成とすることも
可能である。
【0044】次に、本発明の陰極線管の分割方法を適用
した分割装置の第3の実施形態について、図6を参照し
て説明する。図6は第3の実施形態による陰極線管の分
割装置の概略構成を示す平面構成図である。同図に示す
陰極線管の分割装置は、陰極線管2の回転機構およびそ
れに付随する機構を有しておらず、近赤外線ラインヒー
タ18による加熱手段のみを設置したものである。
【0045】すなわち、第3の実施形態による陰極線管
の分割装置は、加熱手段として対向配置された2つの近
赤外線ラインヒータ18を有しており、さらにこの近赤
外線ラインヒータ18の位置を陰極線管2の大きさに応
じて調整する位置決め機構(エアースライドテーブル2
5など)を有している。また、図示を省略したが、陰極
線管2は前述した第1の実施形態と同様に保持台に吸引
保持されている。なお、2つの近赤外線ラインヒータ1
8の配置位置は、図7に示すようにL字状としてもよ
い。この場合、近赤外線ラインヒータ18は固定配置で
あってもよい。近赤外線ラインヒータ18などの具体的
な構成は、前述した実施形態と同様とされている。
【0046】上述したような構成の分割装置において
は、例えば作業者が陰極線管2の位置を変えることによ
って、陰極線管2の各辺の加熱が実施される。このよう
に、本発明においては、加熱手段としての近赤外線ライ
ンヒータ18と陰極線管2の保持機構のみで陰極線管の
分割装置を構成することも可能である。この場合には、
陰極線管2の移動を例えば作業者が行わなければならな
いが、分割装置の装置コストを削減することができる。
陰極線管2の分割については、前述の実施形態と同様に
短時間で効率よく実施することができる。
【0047】次に、本発明の陰極線管の分割方法を適用
した分割装置の第4の実施形態について、図8および図
9を参照して説明する。図8は第4の実施形態による陰
極線管の分割装置の概略構成を示す正面構成図、図9は
図8に示す分割装置の平面構成図である。これらの図に
示す陰極線管の分割装置は、熱ビーム源としての1つの
近赤外線ラインヒータ18を有している。
【0048】すなわち、第4の実施形態による陰極線管
の分割装置は、1回の加熱工程あたりに、陰極線管2の
一辺の接合部分2c近傍に対して線状熱ビームXを照射
するように構成されている。このため、加熱手段として
の近赤外線ラインヒータ18は、分割装置に対して1つ
配置されている。近赤外線ラインヒータ18の設置数の
低減はさらなる装置コストの削減に寄与するものであ
る。
【0049】この第4の実施形態の分割装置は、加熱手
段を1つの近赤外線ラインヒータ18のみで構成してい
るため、陰極線管2を90°ずつ順に回転させながら、陰
極線管2の四辺を順に加熱する。すなわち、陰極線管2
の一辺の接合部分2c近傍に、近赤外線ラインヒータ1
8から線状熱ビームXを照射して所定の温度まで加熱す
る。次いで、陰極線管2を90°回転させ、陰極線管2の
隣接する一辺の接合部分2c近傍に、近赤外線ラインヒ
ータ18から線状熱ビームXを照射して所定の温度まで
加熱する。同様な工程をさらに2回繰り返すことによっ
て、陰極線管2の四辺を順に加熱する。
【0050】このように、1つの近赤外線ラインヒータ
18のみで加熱手段を構成した場合においても、一辺当
りの加熱時間が短いために、陰極線管2の四辺の接合部
分2c近傍を所定の温度に加熱することが可能である。
従って、この後に機械的な衝撃や熱衝撃を加えることに
よって、陰極線管2をパネル部2aとファンネル部2b
とに効率よく分割することができる。
【0051】なお、1つの近赤外線ラインヒータ18お
よびそれに付随する機構のみでは、陰極線管2を回転さ
せたときの追従性が低下するおそれがあるため、近赤外
線ラインヒータ18と対向する位置にはガイドローラ2
8およびそれを支持するエアースライドテーブル25、
取付け具26、圧縮バネ27などからなる回転追従機構
のみを設置することが好ましい。
【0052】加熱手段として1つの近赤外線ラインヒー
タ18を有する構成については、例えば図10に示すよ
うに、陰極線管2の回転機構およびそれに付随する機構
を有していない装置、すなわち近赤外線ラインヒータ1
8による加熱手段のみを設置した分割装置に対しても同
様に適用することができる。
【0053】図10は本発明の陰極線管の分割方法を適
用した分割装置の第5の実施形態を示す図であり、近赤
外線ラインヒータ18の設置数を除いて、図6に示した
分割装置と同様な構成とされている。このような分割装
置においても、陰極線管の分割を効率よく実施すること
ができる。
【0054】なお、上述した各実施形態においては、陰
極線管2を所定の温度まで加熱した後に衝撃を加えるこ
とで、陰極線管2を分割する方法ならびに装置について
説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例
えば予め陰極線管の接合部分近傍に分割用の傷を形成
し、この傷の部分に近赤外線を利用した線状熱ビームを
照射して、陰極線管の接合部分近傍を所定の温度まで加
熱することによっても、陰極線管をパネル部とファンネ
ル部とに分割することができる。分割用の傷は作業者が
形成してもよいし、また傷形成機構を採用することも可
能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極線管
の分割方法によれば、陰極線管をパネル部とファンネル
部とに分割する際の作業時間の短縮ならびに作業性や安
全性の向上を図ることができる。従って、陰極線管の分
割作業を低処理工数ならびに低処理コストで実現するこ
とが可能となる。また、本発明の陰極線管の分割装置に
よれば、分割処理作業の作業効率を大幅に向上させた上
で、装置コストの削減ならびに安全性の向上などを図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による陰極線管の分
割装置の概略構成を示す正面構成図である。
【図2】 図1に示す陰極線管の分割装置の平面構成図
である。
【図3】 図1に示す陰極線管の分割装置で使用した近
赤外線ラインヒータの構成を一部断面で示す図である。
【図4】 図3に示す近赤外線ラインヒータの要部構成
を示す断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態による陰極線管の分
割装置の概略構成を示す正面構成図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態による陰極線管の分
割装置の概略構成を示す平面構成図である。
【図7】 図6に示す陰極線管の分割装置の変形例を示
す平面構成図である。
【図8】 本発明の第4の実施形態による陰極線管の分
割装置の概略構成を示す正面構成図である。
【図9】 図8に示す陰極線管の分割装置の平面構成図
である。
【図10】 本発明の第5の実施形態による陰極線管の
分割装置の概略構成を示す平面構成図である。
【符号の説明】
1……保持台を兼ねるターンテーブル 2……陰極線管 2a…パネル部 2b…ファンネル部 4……モータ 10……真空ポンプ 18……近赤外線ラインヒータ 19……ライン型ハロゲンランプ 25……エアースライドテーブル 27……圧縮バネ 28……ガイドローラ 29……ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 正 神奈川県大和市上和田町2741 株式会社 ネッケン内 (72)発明者 森沢 恒夫 神奈川県横浜市西区楠町9−8 株式会 社ヒロベ内 (72)発明者 廣部 成實 神奈川県横浜市西区楠町9−8 株式会 社ヒロベ内 (56)参考文献 特開 平9−169532(JP,A) 特開 平11−86734(JP,A) 特公 平4−42786(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/50 B09B 3/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管をパネル部とファンネル部とに
    分割するにあたり、 前記陰極線管の前記パネル部とファンネル部との接合部
    分近傍に、近赤外線を利用した線状熱ビームを照射し
    て、前記接合部分近傍を所定の温度まで加熱することに
    より、前記パネル部と前記ファンネル部とを分割するこ
    とを特徴とする陰極線管の分割方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の陰極線管の処理方法にお
    いて、 前記線状熱ビームにより前記陰極線管の接合部分近傍を
    加熱する工程と、 前記加熱後の陰極線管に衝撃を加えて、前記陰極線管を
    前記パネル部と前記ファンネル部とに分割する工程とを
    有することを特徴とする陰極線管の分割方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の陰極線管
    の分割方法において、 前記陰極線管の少なくとも二辺の前記接合部分近傍に対
    して、前記線状熱ビームを同時に照射することを特徴と
    する陰極線管の分割方法。
  4. 【請求項4】 陰極線管をパネル部とファンネル部とに
    分割する陰極線管の分割装置において、 前記陰極線管を保持する保持手段と、 前記陰極線管の前記パネル部とファンネル部との接合部
    分近傍に、近赤外線を利用した線状熱ビームを照射する
    熱ビーム源を有し、前記線状熱ビームの照射により前記
    接合部分近傍を加熱する加熱手段とを具備することを特
    徴とする陰極線管の分割装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の陰極線管の分割装置にお
    いて、 さらに、前記加熱手段により加熱された前記陰極線管の
    接合部分近傍に衝撃を印加する手段を具備することを特
    徴とする陰極線管の分割装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の陰極線管の分割装置にお
    いて、 前記衝撃印加手段は、前記陰極線管の接合部分近傍に冷
    却媒体を吹き付けて熱衝撃を加える機構を有することを
    特徴とする陰極線管の分割装置。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし請求項6のいずれか1項
    記載の陰極線管の分割装置において、 前記熱ビーム源は、熱源としてハロゲンランプを有し、
    かつ前記ハロゲンランプから照射される近赤外線を集光
    して前記線状熱ビームを生じさせる機構を有することを
    特徴とする陰極線管の分割装置。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし請求項7のいずれか1項
    記載の陰極線管の分割装置において、 前記加熱手段は、前記陰極線管の少なくとも二辺の前記
    接合部分近傍に前記線状熱ビームを同時に照射する、2
    つ以上の前記熱ビーム源を有することを特徴とする陰極
    線管の分割装置。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし請求項8のいずれか1項
    記載の陰極線管の分割装置において、 前記加熱手段は、前記陰極線管の大きさに応じて、前記
    熱ビーム源の位置を調整する位置決め機構を有すること
    を特徴とする陰極線管の分割装置。
  10. 【請求項10】 請求項4ないし請求項9のいずれか1
    項記載の陰極線管の分割装置において、 さらに、前記保持手段に保持された前記陰極線管を回転
    させる回転手段と、回転する前記陰極線管に前記熱ビー
    ム源を追従させる回転追従手段とを具備することを特徴
    とする陰極線管の分割装置。
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