JP3374889B2 - 薄膜加工方法 - Google Patents

薄膜加工方法

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JP3374889B2
JP3374889B2 JP21907096A JP21907096A JP3374889B2 JP 3374889 B2 JP3374889 B2 JP 3374889B2 JP 21907096 A JP21907096 A JP 21907096A JP 21907096 A JP21907096 A JP 21907096A JP 3374889 B2 JP3374889 B2 JP 3374889B2
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池、液晶デ
ィスプレイ装置等に用いられる薄膜に線状の紫外光を照
射して行う薄膜加工方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】薄膜のパターニング加工の際に、フォト
レジストを用いることのない光加工方法として、YAG レ
−ザ光(波長1.06μm)を用いたレ−ザ加工技術が知られ
ている。YAG レ−ザ光を使用したレーザ加工方法は、ス
ポット状のビ−ムを被加工物に照射すると共に、このビ
−ムを加工方向に走査して、点を連続させて鎖状に開溝
を形成せんとするものである。そのため、上記レーザ加
工方法は、上記ビ−ムの走査スピ−ド、加工に必要なエ
ネルギー密度、被加工物の熱伝導度、昇華性等物性がき
わめて微妙に相互作用する。その結果、上記レーザ加工
方法は、工業化に際して、生産性を向上させつつ、最適
品質を保証するマ−ジンが少ないという欠点を有する。 【0003】さらに、YAG レ−ザ光の光学的エネルギー
は、1.23eV(1.06 μm)しかない。他方、ガラス基板ま
たは半導体上に形成されている被加工物、たとえば透光
性導電膜( 以下CTF という) は、3eVないし4eV
の光学的エネルギーバンド幅を有する。このため、酸化
スズ、酸化インジュ−ム(ITOを含む) 、酸化亜鉛(ZnO)
等のCTFは、YAGレ−ザ光に対して十分な光吸収性を持っ
ておらず、レーザ光を有効に使用していなかった。 【0004】また、YAGレ−ザのQスイッチ発振を用い
るレ−ザ加工方式において、パルス光は、平均0.5Wない
し1W( 光径50μm、焦点距離40nm、パルス周波数3KH
z、パルス幅60n秒の場合) の強い光エネルギーを走査
スピ−ドが30cm/ 分ないし60cm/ 分で加えて加工し
なければならない。その結果、このレ−ザ光によるCTF
の加工は、行い得るが、同時にその下側に設けられた基
板、たとえばガラス基板に対して、マイクロクラックを
発生させ、損傷させてしまった。このようにYAGレーザ
を使用した場合、パルス幅を非常に小さくすることがで
きないため、加工面に必要以上のエネルギーが与えられ
てしまい、被加工物の下地、たとえばガラス基板、を傷
つけてしまう。 【0005】このYAG レ−ザを用いた加工方法におい
て、スポット状のビ−ムを繰り返し走査しつつ加えるた
め、下地基板に発生する微小クラックは、レ−ザ光のビ
−ムの外形と類似の形状を有し、「鱗」状に作られてし
まった。また、YAG レ−ザのQスイッチ発振を用いる方
式は、そのレ−ザビ−ムの尖頭値の出力が長期間の使用
において、バラツキやすく、使用の度にモニタ−でのチ
ェックを必要とした。さらに、10μmないし50μm幅の
微細パタ−ンを多数同一平面に選択的に形成させること
がまったく不可能であった。また、照射後、加工部のCT
F 材料が十分に絶縁物化していないため、酸溶液( 弗化
水素系溶液) によりエッチングを行い、完全に絶縁化す
る必要があった。 【0006】また、前記レーザ以外にその照射光とし
て、400 nm以下( エネルギー的には3.1 eV以上) の
波長のパルスレ−ザを照射し、20μφないし50μφのビ
−ムスポットではなく、20μmないし200 μmの幅( た
とえば150 μm) 、長さ10cmないし60cm、たとえば
30cmの線状のパタ−ンに同ー箇所に一つまたは数回の
パルスを照射し、線状のパタ−ンに加工する方法も知ら
れている。かくの如く、400 nm以下の波長のパルス光
( パルス幅50n秒以下)を線状に照射することにより、
CTF 等透明な物質での光エネルギーの吸収効率をYAG レ
−ザ(1.06 μm)を用いた場合の100 倍以上に高め、結果
として加工速度を10倍以上に速くしたものである。 【0007】さらに、この場合、初期の光として、円状
でかつ光強度がガウス分布をするYAG レ−ザではなく、
一般的にはエキシマレ−ザ光を用いる。このため、初期
の光の照射面は矩形を有し、また、その強さも照射面内
で概略均一である。このため、光の幅を広げるいわゆる
ビ−ムエキスパンダで長方形に大面積化する。その後、
その一方のX方向またはY方向にそって筒状の棒状レン
ズ、すなわち、シリンドリカルレンズにてスリット状に
レ−ザ光を集光する。 【0008】しかし、この集光された光の幅を50μm以
下にするには、このシリンドリカルレンズ( 棒状集光レ
ンズ) の球面収差が無視できなくなる。このため、集光
された光の周辺部にガウス分布に従った強度の弱くなる
領域が発生する。そのため、線の端部のきれが明確でな
くなる。加えて10μmないし30μm、たとえば20μmの
幅の線状の開溝を作ることはさらに不可能になる。この
ため、端部のきれを明確にする手段として、シリンドリ
カルレンズにレ−ザ光を入射する前にスリットを通し、
シリンドリカルレンズの球面収差が無視できる幅に入射
光をしぼった後シリンドリカルレンズにて集光し、10μ
mないし30μm幅でかつ端部のきれの明確なレ−ザビ−
ムを照射できるようにする等の方法がある。 【0009】このように、すぐれた特徴を持つ、エキシ
マレーザを用いたレーザ加工においても、加工対象物の
持つ物性のちがいによって、被加工部の状態が明らかに
ちがってくる。これは、特に、透光性の物質を加工する
際に顕著であり、被加工部両端付近が荒らされ、激しい
凹凸が形成される。図1は従来法の光加工方法におい
て、透光性被膜を加工した結果を説明するための図であ
る。図1は下地基板として青板硝子(21)を用い、その上
に基板よりのアルカリ元素の拡散を防止するためのリン
ドープのSiO2(22)が設けられ、その上面にITO(23)が
形成された被加工物に対してエキシマレーザ(KrF)を照
射した後の被加工部付近の断面の様子を示している。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】図1(1) の部分がエキ
シマレーザによって直線状に加工された溝であり、下地
基板が露出している。この溝の両端付近(3) には、IT
Oとアルカリブロッキング層であるリンドープSiO2との
混合物が溶融後に盛り上がって残っている。この混合物
による盛り上がりの高さは、0.5 μmないし1μmもあ
った。このような状態の基板を用いて太陽電池、液晶表
示装置その他の電子部品を作製すると、この凹凸に起因
する電極間のショート、断線、色ムラ等が発生し、電子
部品の製造歩留りの低下を招いていた。 【0011】このような盛り上がりを緩和する手段とし
ては、酸溶液によるエッチング、超音波照射等が考えら
れるが、いずれの場合も完全に盛り上がりを取り除くこ
とはできず、不完全であった。特に、酸溶液によるエッ
チングを行う場合、盛り上がりの中には、リンドープSi
O2も溶融した状態で混在しているので、HF溶液を使用
するが、それにより正常な(レーザ光による影響を受け
ていない)リンドープSiO2もエッチングされてしまうた
め、そのリンドープSiO2上の、レーザ光によって影響を
受けなかったCTFまでもが剥離してしまうという問題
点もあった。 【0012】本発明は、400nm以下の波長を持つレ
ーザ光を基板上の薄膜に照射して、薄膜を溶融させて加
する薄膜加工方法を提供することを目的とする。前記
薄膜を加工する際に、被加工部付近に残渣のない良好な
被加工面を実現することを目的とする。本発明は、半導
体層或いは液晶層を薄膜パターン上に形成する場合に生
ずる問題、すなわち下地のガラス基板に含まれるアルカ
リイオンがこれら半導体層或いは液晶層へ侵入し、その
性能を劣化させてしまうことを効果的に防止した薄膜パ
ターンの形成方法を提案することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の薄膜加工方法は、下地基板と被加工物であ
る薄膜との間に不純物が添加されていない酸化珪素膜を
有する被加工面に対して400 nm以下の波長を持つパル
スレ−ザ光のビ−ム形状を光学系にて長方形に変化した
後、さらに、光学系にて、前記パルスレ−ザ光を集光
し、前記パルスレーザ光の照射を隣合わせて連結化する
ことを特徴とする。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明において、SiO2膜は、下
地、たとえば、基板の保護が重要な目的であるから基板
として用いられるソーダガラスや被加工物、たとえば透
明導電膜よりも十分融点が高く、かつ熱伝導率の小さい
ものであることが必要であり、さらに加工した基板を太
陽電池や液晶表示装置に用いる場合、特に、Naに対する
ブロッキング性が必要である。 【0015】従って、SiO2中には、リンやボロン等の融
点を下げるための不純物が添加されていないことが重要
である。たとえば、透明導電膜であるITOの融点は、
約900℃であるのに対し、SiO2の融点は約1700℃であ
り、熱伝導率はSiO2はITOに比較して格段に小さいの
で、レーザ光によってITOを溶融せしめても、SiO2
基板にダメージが加わらず、従ってレーザ光のエネルギ
ー面におけるマージンが非常に大きいと言える。さら
に、CTFのエネルギーバンド幅が3eVないし4eV
であるのに対し、SiO2のそれは7eVないし8eVであ
るので波長が400 nm以下の光は、CTFに吸収されSi
O2が損傷されない。 【0016】従って、レーザ光照射後の盛り上がりはC
TF成分のみによって構成されるので、盛り上がりを緩
和するための手段としての酸エッチングにおいて、HF
を使用する必要がなくHClで十分であるため、エッチン
グ時にSiO2がエッチングされず、従って、CTFの剥離
現象も起こらない。そのうえ、本発明で述べているよう
なノンドープSiO2をCTFの下地に使用した場合には、
レーザ光照射によって生ずる盛り上がりが多孔質の構造
を呈するためにエッチング、或いは超音波の印加によっ
て非常に剥離しやすいものである。 【0017】また、SiO2膜の作製方法に特に指定はない
が、たとえばガラスを高周波スパッタリングする方法、
CVD法による方法、またはアルコキシシランのアルコ
ール溶液、或いはシラザンを基板上にスピンコートした
後アニールする方法などがある。このように液状物質を
スピンコートする方法は、基板表面の平坦度を高くする
ため、特に、基板表面の平坦度が要求される、たとえば
強誘電性液晶ディスプレイ用基板等に最適である。また
本発明においては、SiO2膜だけでなく窒化珪素膜も有効
であることがわかった。 【0018】窒化珪素膜の作製方法としては、たとえば
CVD法がある。以上のような方法にて形成されたSi
O2、或いは窒化珪素膜を用いた場合、特に加工溝端部の
盛り上がりが少なく良好な加工後の表面が得られる。以
下に実施例を示す。 【0019】 【実 施 例】 『実施例1』図3はエキシマレ−ザを用いた本発明の一
実施例であるレ−ザ加工における系の概略を説明するた
めの図である。図4(A)ないし(D)は本発明の一実
施例であるレーザ光のビーム形状を説明するための図で
ある。加工用レーザとしては、エキシマレ−ザ(4) (波
長248nm、Eg=5.0 eV)を用いた。このレーザは、図
4(A)のように、初期の光ビ−ム(11)は16mm×20m
mを有し、効率3%であるため、350 mJを有する。さら
に、このビ−ムをビ−ムエキスパンダ(5) にて、長面積
化または大面積化した。すなわち、16mm×300 mmに
拡大した( 図4(12)) 。この際に、5.6 ×10-2mJ/ m
2 をエネルギー密度で得た。次に、2mm×300 mm
の間隔を有するスリット(6) にレ−ザビ−ムを透過させ
て2mm×300 mmのレ−ザビ−ム(13)を得る。( 図4
(C)) 【0020】さらに、合成石英製のシリンドリカルレン
ズ(7) にて、加工面での開溝幅が20μmとなるべく集光
した。( 図4(D)) この時、使用するスリットの幅は、特に、決まっていな
いが、シリンドリカルレンズの球面収差が影響しない程
度にレ−ザビ−ムを絞る必要がある。また、被加工物の
開溝幅は、シリンドリカルレンズの性能により任意に選
択可能である。図5は本発明の第1実施例において、基
板上に開溝を形成する工程を説明するための図である。
図5に示すように、長さ30cm、幅20μmのスリット状
の集光ささたレーザビ−ム(14)を基板(9) 上の被加工物
(2) に線状に照射し、加工を行い、開溝(15)を形成し
た。本実施例の場合、被加工面として、青板ガラス(8)
上にスパッタ法によって形成したノンドープのSiO2膜(1
1)厚さ約200 Åを設け、このSiO2上にITO(酸化イン
ジュームスズ)透明導電膜(2) が形成された物を用い
た。 【0021】パルス光は、KrF エキシマレ−ザによる24
8 nmの光とした。なぜなら、その光の光学的エネルギ
ーバンド幅が5.0 eV であるため、被加工物が十分光
を吸収し、透明導電膜のみを選択的に加工し得るからで
ある。パルス幅20n秒、繰り返し周波数1ないし100Hz
、たとえば10Hzで光照射を行った。この被膜に加工を
行うと、1回のみの線状のパルス光の照射で開溝(5つの
CTF)が白濁化され微粉末になった。これをアセトン水溶
液にての超音波洗浄 (周波数29KHz)を約1 ないし10分行
いこのCTF を除去した。下地のソ−ダガラスは、まった
く損傷を受けていなかった。 【0022】図5は、基板上にスリット状のパルス光を
照射し開溝(15、16、17・・・n)を複数個形成したもの
である。かくの如く、1回のパルスを照射するのみで1
本の開溝を形成する。その後、Yテ−ブル(図3(10))
をたとえば15mm移動し、次のパルスを照射し溝(16)を
形成する。更に15mm移動し、次のパルスを照射し、溝
(17)を形成する。かくして、n回のパルスを加えること
により、大面積に複数の開溝を設け、n+1個に分割する
ことができた。図2は本発明の光加工方法の加工結果を
説明するための図である。図2において、明らかなよう
に、溝(1) の両端付近には、図1に見られたような溶融
物の残渣が見られず、盛り上がりのないキレイな表面が
得られている。 【0023】また、溝(1) の部分には、SiO2膜(22)が残
っており、下地の青板硝子(21)まで損傷させることはな
かった。この後、この溝によって分離されたITO(2)
間に50Vの直流電圧を加えてITO間に流れる電流を
100個所で測定を行ったところ、全て1×10-9Aな
いし2×10-9Aの範囲の値であり、同様の条件で加工
を行ったリンドープのSiO2膜が下地に設けられた基板の
場合には、加工溝周辺に残る残渣物によって、ITO間
が微小リークしており、十分な絶縁性を持っていないこ
とが判明した。 【0024】本実施例において、下地のノンドープのSi
O2膜は、厚さ約200Åとしたが、特に、この厚さに限
定されるものではない。ただし、50Å以下の厚さとし
た場合には、ノンドープSiO2膜の効果がさほど大きくな
く、多少溝の両端に残渣等がみられるのみで、50Åを
こえる厚さが必要であった。また、SiO2膜の形成方法
は、通常の方法で十分使用可能であったが、特に、形成
時の温度を高温、たとえば200℃以上とした場合は、
より良好な被加工面が得られた。 【0025】『実施例2』実施例1と同様に図3の系統
図に示すエキシマレーザ(4) を用いて液晶ディスプレイ
用基板を加工する際の実施例を示す。200ないし300mJ
(本実施例では250mJのエネルギー)を有する初期の
光ビーム(11)をビームエキスパンダ(5)にて長面積化ま
たは大面積化した。すなわち、16mm×400 mmに拡大
した。( 図4(12))。次に、2mm×400 mmの間隔を
有するスリット(6)にレーザビームを透過させて、2m
m×400 mmのレーザビーム(13)を得る。( 図4
(C)) 【0026】さらに、合成石英製のシリンドリカルレン
ズ(7)にて、加工面での開溝幅が20μmとなるべく集光
した(図4(D))。この時、使用するスリットの幅
は、特に、決まってはいないが、シリンドリカルレンズ
の球面収差が影響しない程度にレーザビームをしぼる必
要がある。また、被加工物の開溝幅は、シリンドリカル
レンズの性能により任意に選択可能である。 【0027】図6は本発明の第2実施例において、基板
上に開溝を形成する工程を説明するための図である。図
6に示すように、長さ40cm幅20μmのスリット状のビ
ームを基板(31)上の被加工物(33)に線状に照射し、加工
を行い開溝(41) を形成した。本実施例の場合、被加工
面として青板ガラス(31)上にスパッタ法によって形成し
たノンドープのSiO2膜(32)を厚さ100Åを設け、このSiO
2上にITO(33)が形成されたものを用いた。パルス光
は、実施例1と同様にKrFエキシマレーザによる248nm
の光とした。パルス幅50n秒以下、本実施例において
は、20n秒、繰り返し周波数1ないし100Hz、本実施例で
は10Hzで光照射を行った。 【0028】この被膜に加工を行うと1回のみの線状の
パルス光の照射で開溝部が白濁し、微粉末になった。図
6は、基板上にスリット状のパルス光を照射し、開溝を
480個形成したものである(41、42・・・520) 。かくの
如く1回のパルスを照射するのみで1本の開口(41)を形
成する。その後、Yテーブル(図3(10))を、たとえば
390μm移動し、次のパルスを照射し、溝(42)を形成す
る。かくして、480回のパルスを加えることにより、481
分割することができた。この段階で盛り上がりを測定し
たところ、400Åないし500Åであった。これをアセトン
にて、超音波洗浄(周波数29KHz) を1分ないし10分、
本実施例では5分行い、このCTFを除去した。下地の
ソーダガラスは、まったく損傷を受けていなかった。ま
た、この段階で、再度盛り上がりに関して測定を行った
ところ100Åまで測定可能な装置では、測定不能であっ
た。盛り上がりはなくなったものと思われる。 【0029】『実施例3』図7は本発明の第3実施例に
おいて、基板上に開溝を形成する工程を説明するための
図である。実施例2と全く同じ条件にて作製した基板
を、実施例2と全く同じ条件でレーザ光を照射した。た
だし、本実施例においては、精密な調整の下で、図7に
示すように、各加工部に対して1回ずつの照射を3回繰
り返し行った。(図7は開溝の数が少ないが実際は480
個の開溝を形成した。)その結果、レーザ光照射直後の
盛り上がりに関する測定の結果、盛り上がりが100Å以
下となり実施例2で用いた装置では測定不能となった。
つまり、3回繰り返し照射した場合は、後工程の超音波
工程やエッチング工程なしで、1回照射の場合の超音波
工程後のものとほぼ同等になった。 【0030】以上、本実施例を詳述したが、本発明は、
前記実施例に限定されるものではない。そして、特許請
求の範囲に記載された本発明を逸脱することがなけれ
ば、種々の設計変更を行なうことが可能である。たとえ
ば、本実施例では、開溝と開溝間の幅( 加工せずに残す
面積) が多い場合を記した。しかし、光照射を隣合わせ
て連結化することにより、逆に、たとえば、残っている
面積を20μm、除去する部分を400 μmとすることも可
能である。また、本実施例の光学系において、ビ−ムエ
キスパンダと被加工面との間に光学系をより高精度とす
るため、インテグレ−タ、コンデンサレンズおよび投影
レンズを平行に挿入してもよい。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、レ−ザ加工において、
下地層との選択加工における加工マ−ジンが増し、より
容易に加工できることになった。本発明によれば、従来
法では存在した加工溝の周辺に残る残渣等が発生せず良
好な被加工面が得られた。この結果、電極間のショー
ト、断線がなく、またITO間の絶縁を十分にとること
ができた。本発明によれば、ノンドープのSiO2膜とは全
く不純物を有さない純粋のSiO2膜のみをさし示すのでは
なく、作製者が意図的に不純物を混入しないSiO2膜を含
むものである。本発明では開溝と開溝間の幅(加工せず
に残す面積)が多い場合を記した。しかし、光照射を隣
合わせて連結化することにより、逆に例えば、残ってい
る面積20μm、除去する部分を400μmとするこ
とも可能である。また、本発明の光学系において、ビー
ムエキスパンダと被加工面との間に光学系をより高精度
とするため、インテグレータ、コンデンサレンズおよび
投影レンズを平行に挿入してもよい。
【図面の簡単な説明】 【図1】従来法の光加工方法において、透光性被膜を加
工した結果を説明するための図である。 【図2】本発明の光加工方法の加工結果を説明するため
の図である。 【図3】エキシマレ−ザを用いた本発明の一実施例であ
るレ−ザ加工における系の概略を説明するための図であ
る。 【図4】(A)ないし(D)は本発明の一実施例である
レーザ光のビーム形状を説明するための図である。 【図5】本発明の第1実施例において、基板上に開溝を
形成する工程を説明するための図である。 【図6】本発明の第2実施例において、基板上に開溝を
形成する工程を説明するための図である。 【図7】本発明の第3実施例において、基板上に開溝を
形成する工程を説明するための図である。 【符号の説明】 2・・・被加工物 4・・・エキシマレーザ 5・・・ビームエキスパンダ 6・・・スリット 7・・・シリンドリカルレンズ 8・・・青板ガラス 9・・・基板 10・・Yテーブル 11・・初期ビーム 12・・拡大された初期ビーム 13・・レーザビーム 14・・集光されたレーザビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 31/04 H01L 31/04 S (56)参考文献 特開 昭59−155973(JP,A) 特開 昭60−260393(JP,A) 特開 昭61−89636(JP,A) 特開 昭59−231878(JP,A) 特開 昭60−261142(JP,A) 特開 昭61−105885(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下地基板と被加工物である薄膜との間に
    不純物が添加されていない酸化珪素膜を有する被加工面
    に対して400 nm以下の波長を持つパルスレ−ザ光のビ
    −ム形状を光学系にて長方形に変化した後、 さらに、光学系にて、前記パルスレ−ザ光を集光し、 前記パルスレーザ光の照射を隣合わせて連結化 すること
    を特徴とする薄膜加工方法。
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