JP3374744B2 - 内燃機関の触媒被毒再生装置 - Google Patents

内燃機関の触媒被毒再生装置

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JP3374744B2
JP3374744B2 JP05499298A JP5499298A JP3374744B2 JP 3374744 B2 JP3374744 B2 JP 3374744B2 JP 05499298 A JP05499298 A JP 05499298A JP 5499298 A JP5499298 A JP 5499298A JP 3374744 B2 JP3374744 B2 JP 3374744B2
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oxygen concentration
exhaust gas
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absorbed
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誠治 大河原
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Toyota Motor Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の触媒被毒
再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】排気通路内の或る位置よりも上流の排気
通路内、燃焼室内、および吸気通路内に供給された全燃
料量および全還元剤量に対する全空気量の比をその位置
を流通する排気の空燃比と称すると、従来より、リーン
混合気を燃焼せしめるようにした内燃機関において、流
入する排気の空燃比がリーンのときにNOX を吸収し、
流入する排気中の酸素濃度が低くなると吸収しているN
X を放出するNOX 吸収剤を機関排気通路内に配置
し、NOX 吸収剤内に流入する排気の空燃比を一時的に
リッチにしてNOX 吸収剤から吸収されているNOX
放出させると共に放出されたNOX を還元するようにし
た内燃機関が知られている。
【0003】ところが燃料および機関の潤滑油内にはイ
オウ分が含まれているので排気中にはイオウ分が含まれ
ており、このイオウ分も例えばSO4 2- の形でNOX
共にNOX 吸収剤に吸収される。しかしながらこのイオ
ウ分はNOX 吸収剤への流入する排気の空燃比をただ単
にリッチにしてもNOX 吸収剤から放出されず、したが
ってNOX 吸収剤内のイオウ分の量は次第に増大するこ
とになる。ところがNOX 吸収剤内のイオウ分の量が増
大するとNOX 吸収剤が吸収しうるNOX の量が次第に
低下し、ついにはNOX 吸収剤がNOX をほとんど吸収
できなくなる。
【0004】そこで、流入する排気の空燃比がリーンの
ときにSOX を吸収するSOX 吸収剤をNOX 吸収剤上
流の機関排気通路内に配置し、リーン混合気が燃焼せし
められたときに排気中のSOX をSOX 吸収剤に吸収す
るようにした内燃機関が公知である(特開平6−173
652号公報参照)。この内燃機関では機関から排出さ
れたSOX がSOX 吸収剤に吸収されるのでNOX 吸収
剤にはNOX のみが吸収されることになる。
【0005】ところが、NOX 吸収剤からNOX を放出
させるべくSOX 吸収剤およびNO X 吸収剤に流入する
排気の空燃比をただ単にリッチにしてもSOX 吸収剤か
らSOX が放出されない。したがってSOX 吸収剤に吸
収されているSOX 量が次第に増大し、SOX 吸収剤の
SOX 吸収能力が飽和するとSOX がSOX 吸収剤を通
過してNOX 吸収剤に吸収されることになる。
【0006】そこで上述の内燃機関では、SOX 吸収剤
を一時的にSOX 放出状態にせしめてSOX 吸収剤から
吸収されているSOX を放出させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】SOX 吸収剤をSOX
放出状態にすべきときには例えばSOX 吸収剤に流入す
る排気の空燃比がリッチにされる。SOX 吸収剤に流入
する排気の空燃比をリッチにしたときにはNOX 吸収剤
に流入する排気の空燃比もリッチであり、したがってS
X 吸収剤から放出されたSOX はNOX 吸収剤に吸収
されることなくNOX 吸収剤を通過すると考えられる。
しかしながら本願発明者によれば、NOX吸収剤に流入
する排気中に或る程度の濃度の酸素が含まれていると、
たとえNO X 吸収剤に流入する排気の空燃比がリッチで
あってもSOX がNOX 吸収剤に吸収され、NOX 吸収
剤に流入する排気中の酸素濃度が或るしきい値よりも低
いときにはSOX がNOX 吸収剤に吸収されることなく
NOX 吸収剤を通過することが確認されている。したが
って、このしきい値をNOX 吸収剤のSOX 非吸収濃度
と称すると、まず、NOX 吸収剤に流入する排気中の酸
素濃度をNOX 吸収剤のSOX 非吸収濃度よりも低く
し、次いでNOX 吸収剤に流入する排気中の酸素濃度を
SOX 非吸収濃度よりも低く維持しつつSOX 吸収剤か
らSOX を放出させればSOX がNOX 吸収剤に吸収さ
れることなくNOX 吸収剤を通過することになる。上記
公報はこのことについて何ら示唆していない。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に1番目の発明によれば、流入する排気の空燃比がリー
ンのときにNOを吸収し、流入する排気中の酸素濃度
が低くなると吸収しているNOを放出するNO吸収
剤を機関排気通路内に配置すると共に、流入する排気の
空燃比がリーンのときにSOを吸収し、SO放出状
態にせしめられると吸収しているSOを放出するSO
吸収剤をNO吸収剤上流の機関排気通路内に配置
し、リーン混合気が燃焼せしめられたときに機関排気通
路内に排出される排気中のSOをSO吸収剤に吸収
すると共に該排気中のNOをNO吸収剤に吸収し、
NO吸収剤に流入する排気中の酸素濃度が一時的に低
下せしめられたときにNO吸収剤から吸収されている
NOを放出し、SO吸収剤が一時的にSO放出状
態にせしめられたときにSO吸収剤から吸収されてい
るSOを放出するようにした内燃機関の触媒被毒再生
装置において、NO 吸収剤に流入する排気中の酸素濃
度がNO 吸収剤のSO 非吸収濃度よりも低いときに
はSO がNO 吸収剤に吸収されることなくNO
収剤を通過するようになっており、SO吸収剤からS
を放出させるべきときにNO吸収剤に流入する排
気中の酸素濃度をNO吸収剤のSO非吸収濃度より
も低く維持する酸素濃度低下手段と、NO吸収剤に流
入する排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、
酸素濃度低下手段によりNO吸収剤に流入する排気中
の酸素濃度が低下せしめられた後該酸素濃度センサによ
り検出された酸素濃度がNO 吸収剤のSO非吸収濃
度よりも高いときにはSO吸収剤がSO放出状態に
なるのを禁止し、該酸素濃度センサにより検出された
素濃度がNO 吸収剤のSO非吸収濃度よりも低くな
ったときにSO吸収剤をSO放出状態にせしめるS
放出制御手段とを具備している。すなわち1番目の
発明では、NO吸収剤に流入する排気中の酸素濃度が
SO非吸収濃度よりも低くなるまではSO吸収剤か
らSOが放出されず、酸素濃度がSO非吸収濃度よ
りも低くなるとSOが放出されるのでSO吸収剤か
ら放出されたSOはNO吸収剤に吸収されることな
くNO吸収剤を通過する。2番目の発明によれば1番
目の発明において、前記SO 吸収剤は、流入する 排気
中の酸素濃度が低下しかつSO 吸収剤の温度がSO
放出開始温度よりも高いときに吸収しているSO を放
出するようになっており、前記SO 放出制御手段は、
前記酸素濃度センサにより検出された酸素濃度がNO
吸収剤のSO 非吸収濃度よりも高いときにはSO
収剤の温度がSO 放出開始温度よりも高くなるのを禁
止し、該酸素濃度センサにより検出された酸素濃度がN
吸収剤のSO 非吸収濃度よりも低くなったときに
SO 吸収剤の温度がSO 放出開始温度よりも高くな
るようにしている。 3番目の発明によれば1番目又は2
番目の発明において、前記酸素濃度低下手段がSO
収剤に還元剤を添加する還元剤添加手段を具備し、SO
吸収剤において酸素と還元剤とを反応せしめることに
よりNO 吸収剤に流入する排気中の酸素濃度を低下さ
せるようにしている。
【0009】番目の発明によれば1番目又は2番目
発明において、前記酸素濃度低下手段がSO吸収剤に
水素を添加する水素添加手段を具備し、SO吸収剤に
おいて酸素と水素とを反応せしめることによりNO
収剤に流入する排気中の酸素濃度を低下させるようにし
ている。すなわち番目の発明では、排気中の酸素を消
費するための還元剤として水素が用いられる。
【0010】番目の発明によれば1番目又は2番目
発明において、NO吸収剤に酸化触媒を混在せしめて
いる。すなわち番目の発明では、NO吸収剤の表面
に付着する酸素量が低減がされる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明をディーゼル機関に
適用した場合を示している。しかしながら本発明を火花
点火式内燃機関に適用することもできる。図1を参照す
ると、1はディーゼル機関本体、2はピストン、3は燃
焼室、4は吸気弁、5は吸気ポート、6は排気弁、7は
排気ポート、8は燃焼室3内に燃料を直接噴射する燃料
噴射弁をそれぞれ示す。各吸気ポート5は対応する枝管
9を介してサージタンク10に連結され、サージタンク
10は吸気ダクト11を介してエアクリーナ12に連結
される。一方、排気ポート7は排気マニホルド13を介
してSOX 吸収剤14を内蔵したケーシング15に接続
される。ケーシング15は排気管16を介してNOX
収剤17を内蔵したケーシング18に接続される。
【0012】排気マニホルド13には排気マニホルドを
流通する排気中に還元剤を添加する還元剤噴射弁20が
取り付けられる。還元剤として例えばガソリン、イソオ
クタン、ヘキサン、ヘプタン、軽油、灯油のような炭化
水素、或いは液体の状態で保存しうるブタン、プロパン
のような炭化水素などを用いることができる。しかしな
がら図1のディーゼル機関では還元剤として水素を用い
ており、以下では還元剤噴射弁20を水素噴射弁と称す
る。水素噴射弁20は車載のボンベ21に接続されてい
る。なお、燃料噴射弁8および水素噴射弁20は電子制
御ユニット30からの出力信号に基づいて制御される。
【0013】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、常時電力が供給されてい
るバックアップRAM34、CPU(マイクロプロセッ
サ)、35、入力ポート36および出力ポート37を具
備する。排気管16内には排気管16内を流通する排気
の温度に比例した出力電圧を発生する温度センサ38
と、排気管16内を流通する排気中の酸素濃度に比例し
た出力電圧を発生する酸素濃度センサ39とが取り付け
られる。これらセンサ38,39の出力電圧はそれぞれ
対応するAD変換器40を介して入力ポート36に入力
される。なお、排気管16内を流通する排気、すなわち
SOX 吸収剤14から流出した排気の温度はSOX 吸収
剤14の温度を表している。また、アクセルペダル(図
示しない)の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する
踏み込み量センサ41の出力電圧が対応するAD変換器
40を介して入力ポート36に入力される。さらに、入
力ポート36には機関回転数を表す出力パルスを発生す
る回転数センサ42が接続される。一方、出力ポート3
7は対応する駆動回路43を介して燃料噴射弁8および
水素噴射弁20にそれぞれ接続される。
【0014】ケーシング18内に収容されているNOX
吸収剤17は例えばアルミナを担体とし、この担体上に
例えばカリウムK,ナトリウムNa,リチウムLi,セ
シウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa,カル
シウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa,イッ
トリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つ
と、白金Ptのような貴金属とが担持されている。この
NOX 吸収剤17は流入する排気の空燃比がリーンのと
きにはNOX を吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低
下すると吸収したNOX を放出するNOX の吸放出作用
を行う。
【0015】上述のNOX 吸収剤17を機関排気通路内
に配置すればこのNOX 吸収剤17は実際にNOX の吸
放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムに
ついては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸
放出作用は図2に示すようなメカニズムで行われている
ものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上
に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例に
とって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ
土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0016】すなわち、NOX 吸収剤17に流入する排
気がかなりリーンになると流入する排気中の酸素濃度が
大巾に増大し、図2(A)に示されるようにこれら酸素
2がO2 - またはO2-の形で白金Ptの表面に付着す
る。一方、流入する排気中のNOは白金Ptの表面上で
2 - またはO2-と反応し、NO2 となる(2NO+O
2 →2NO2 )。次いで生成されたNO2 の一部は白金
Pt上でさらにに酸化されつつ吸収剤内に吸収されて酸
化バリウムBaOと結合しながら、図2(A)に示され
るように硝酸イオンNO3 - の形で吸収剤内に拡散す
る。このようにしてNOX がNOX 吸収剤17内に吸収
される。
【0017】流入する排気中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOX 吸収能
力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて硝酸
イオンNO3 - が生成される。これに対してNOX 吸収
剤17に流入する排気中の酸素濃度が低下してNO2
生成量が低下すると反応が逆方向(NO3 - →NO2
に進み、斯くして吸収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO
2 の形で吸収剤から放出される。すなわち、NOX 吸収
剤17に流入する排気中の酸素濃度が低下するとNOX
吸収剤17からNOX が放出されることになる。流入す
る排気のリーンの度合いが低くなれば流入する排気中の
酸素濃度が低下し、したがってNOX 吸収剤17に流入
する排気のリーンの度合いを低くすればNOX 吸収剤1
7からNOX が放出されることになる。
【0018】一方、このときNOX 吸収剤17に流入す
る排気の空燃比がリッチになるとこの排気中に多量の還
元剤、例えばHC,H2 が含まれ、この多量のHC,H
2 は白金Pt上の酸素O2 - またはO2-と反応して酸化
せしめられる。また、流入する排気の空燃比がリッチに
なると流入する排気中の酸素濃度が極度に低下するため
に吸収剤からNO2 が放出され、このNO2 は図2
(B)に示されるようにHC,H2 と反応して還元せし
められる。このようにして白金Ptの表面上にNO 2
存在しなくなると吸収剤から次から次へとNO2 が放出
される。したがってNOX 吸収剤17に流入する排気の
空燃比をリッチにすると短時間のうちにNO X 吸収剤1
7からNOX が放出されることになる。
【0019】ディーゼル機関では通常あらゆる運転状態
において空気過剰率が1.0以上、すなわち燃焼室3内
で燃焼せしめられる混合気の平均空燃比がリーンに維持
される。したがってこのときNOX 吸収剤17への流入
排気の空燃比はリーンとなる。その結果、このとき燃焼
室3から排出されたNOX はNOX 吸収剤17に吸収さ
れ、斯くしてNOX 吸収剤17からNOX が排出される
のが阻止される。
【0020】このように通常運転時に機関から排出され
るNOX はNOX 吸収剤17に吸収される。しかしなが
らNOX 吸収剤17のNOX 吸収能力には限度があり、
NO X 吸収剤17のNOX 吸収能力が飽和すればNOX
吸収剤17はもはやNOX を吸収しえなくなる。したが
ってNOX 吸収剤17のNOX 吸収能力が飽和する前に
NOX 吸収剤17からNOX を放出させる必要がある。
そこで本実施態様では、NOX 吸収剤17に吸収されて
いるNOX 量を求め、このNOX 量が一定値よりも多く
なったときにNOX 吸収剤17に流入する排気の空燃比
を一時的にリッチにし、それによりNOX 吸収剤17か
らNOX を放出させてNOX 吸収剤17のNOX 吸収能
力を回復させると共に、放出されたNOX を還元するよ
うにしている。
【0021】ところで、燃料および機関の潤滑油内には
イオウ分が含まれているので燃焼室3からはSOX が排
出され、このSOX もNOX と共にNOX 吸収剤17に
吸収される。NOX 吸収剤17へのSOX の吸収メカニ
ズムはNOX の吸収メカニズムと同じであると考えられ
る。すなわち、NOX の吸収メカニズムを説明したとき
と同様に担体上に白金PtおよびバリウムBaを担持さ
せた場合を例にとって説明すると、上述したように流入
する排気ガスの空燃比がリーンのときには酸素O2 がO
2 - またはO2-の形で白金Ptの表面に付着しており、
流入する排気ガス中のSO2 は白金Ptの表面でO2 -
またはO2-と反応してSO3 となる。次いで生成された
SO3 は白金Pt上でさらに酸化されつつ吸収剤内に吸
収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硫酸イオ
ンSO4 2- の形で吸収剤内に拡散する。次いでこの硫酸
イオンSO4 2- はバリウムイオンBa2+と結合して硫酸
塩BaSO4 を生成する。
【0022】しかしながらこの硫酸塩BaSO4 は分解
しづらく、流入する排気ガスの空燃比をリッチにしても
NOX 吸収剤17からSOX はほとんど放出されない。
したがってNOX 吸収剤17内には時間が経過するにつ
れて硫酸塩BaSO4 が増大することになり、斯くして
時間が経過するにつれてNOX 吸収剤17が吸収しうる
NOX 量が低下することになる。
【0023】そこで図1のディーゼル機関ではNOX
収剤17にSOX が流入しないように流入する排気の空
燃比がリーンのときにSOX を吸収し、SOX 放出状態
にせしめられると吸収しているSOX を放出するSOX
吸収剤14をNOX 吸収剤17上流に配置している。そ
の結果、通常運転時に機関から排出されるSOX はSO
X 吸収剤14に吸収され、NOX 吸収剤17にはNOX
のみが吸収されることになる。
【0024】ところがSOX 吸収剤14のSOX 吸収能
力にも限度があり、SOX 吸収剤14のSOX 吸収能力
が飽和する前にSOX 吸収剤14からNOX を放出させ
る必要がある。そこで本実施態様では、SOX 吸収剤1
4に吸収されているSOX 量を求め、このSOX 量が一
定値よりも多くなったときにSOX 吸収剤14を一時的
にSOX 放出状態にせしめ、それによりSOX 吸収剤1
4からSOX を放出させてSOX 吸収剤14のSOX
収能力を回復させるようにしている。
【0025】すなわち、SOX 吸収剤14は流入する排
気中の酸素濃度が低下しかつSOX吸収剤14の温度が
SOX 放出開始温度よりも高いときに吸収しているSO
X を放出するのでSOX 吸収剤14からSOX を放出さ
せるべきときにはSOX 吸収剤14に流入する排気の空
燃比を一時的にリッチにしかつSOX 吸収剤14の温度
をSOX 放出開始温度よりも高くするようにしている。
【0026】SOX 吸収剤14は流入する排気中の酸素
濃度が低下したときに吸収したSO X を放出しやすいよ
うに吸収したSOX を硫酸イオンSO4 2- の形で吸収剤
内に存在するか、或いは硫酸塩BaSO4 が生成された
としても硫酸塩BaSO4 が安定しない状態で吸収剤内
に存在するようにすることが必要となる。これを可能に
するSOX 吸収剤14としては例えばアルミナからなる
担体上に鉄Fe、マンガンMn、ニッケルNi、錫Sn
のような遷移金属およびリチウムLiから選ばれた少な
くとも1つを担持した吸収剤を用いることができる。
【0027】このSOX 吸収剤14ではSOX 吸収剤1
4に流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中に含
まれるSO2 が吸収剤の表面で酸化されつつ硫酸イオン
SO 4 2- の形で吸収剤内に吸収され、次いで吸収剤内に
拡散される。この場合SOX吸収剤14の担体上に白金
Ptを担持させておくとSO2 がSO3 2- の形で白金P
t上に付着し易くなり、斯くしてSO2 が硫酸イオンS
4 2- の形で吸収剤内に吸収されやすくなる。したがっ
てSO2 の吸収を促進するためにはSOX 吸収剤14の
担体上に白金Ptを担持させることが好ましい。
【0028】SOX 吸収剤14からSOX を放出させる
べくSOX 吸収剤14に流入する排気の空燃比がリッチ
にされたときにはNOX 吸収剤17に流入する排気の空
燃比もリッチであるのでこのときSOX 吸収剤14から
放出されたSOX はNOX 吸収剤17に吸収されること
なくNOX 吸収剤17を通過すると考えられる。しかし
ながら本願発明者によれば、NOX 吸収剤17に流入す
BR>る排気中に或る程度の濃度の酸素が含まれている
と、たとえNOX 吸収剤17に流入する排気の空燃比が
リッチであってもSOX がNOX 吸収剤17に吸収さ
れ、NOX 吸収剤17に流入する排気中の酸素濃度がN
X 吸収剤17のSOX 非吸収濃度よりも低いときには
SOX がNOX 吸収剤17に吸収されることなくNOX
吸収剤17を通過することが確認されている。したがっ
て、NOX 吸収剤17に流入する排気中の酸素濃度をN
X 吸収剤17のSOX 非吸収濃度よりも低く維持しつ
つSOX 吸収剤14からSOX を放出させればSOX
NOX 吸収剤17に吸収されることなくNOX 吸収剤1
7を通過することになる。
【0029】そこで本実施態様ではSOX 吸収剤14か
らSOX を放出させるべきときにはまず、SOX 吸収剤
14の温度をSOX 放出開始温度よりも低く維持しつつ
NO X 吸収剤17に流入する排気中の酸素濃度をSOX
非吸収濃度よりも低くし、次いでNOX 吸収剤17に流
入する排気中の酸素濃度をSOX 非吸収濃度よりも低く
維持しつつSOX 吸収剤14の温度をSOX 放出開始温
度よりも高くするようにしている。その結果、SOX
収剤14から放出されたNOX がNOX 吸収剤17に吸
収されることなくNOX 吸収剤17を通過することにな
る。すなわち、NOX 吸収剤17にSOX が吸収されて
NOX 吸収剤17のNOX 吸収能力が低下するのが阻止
される。
【0030】上述したように、NOX 吸収剤17に流入
する排気の空燃比がリッチであってもこの排気中の酸素
濃度がSOX 非吸収濃度よりも高いときにはNOX 吸収
剤17にSOX が吸収される。したがってNOX 吸収剤
17に流入する排気の空燃比がリッチでありかつこの排
気中の酸素濃度がSOX 非吸収濃度よりも高いときには
NOX 吸収剤17から吸収されているNOX が放出され
ると共に、NOX 吸収剤17にSOX が吸収されること
になる。これは次の理由によると考えられる。すなわ
ち、NOX 吸収剤17に流入する排気の空燃比がリッチ
であってもこの排気中に或る程度の量の酸素が含まれて
いるとNOX 吸収剤17の例えば白金Pt上に酸素が付
着し、それによりNOX 吸収剤17にはNOX およびS
X が吸収される。しかしながらNOX 吸収剤17に流
入する排気の空燃比がリッチのときにはNOX 放出速度
がNOX 吸収速度よりも圧倒的に高く、したがってこの
ときにはNOX 吸収剤17からNOX が放出されること
になる。これに対し、NOX吸収剤17に流入する排気
の空燃比がリッチであってもSOX 放出速度はSOX
収速度よりもかなり小さく、したがってこのときNOX
吸収剤17にSOX が吸収されることになる。
【0031】次に、まず、NOX 吸収剤17におけるN
X 放出制御について詳細に説明する。上述したように
本実施態様ではNOX 吸収剤17に吸収されているNO
X 量を求め、このNOX 量が一定値よりも多くなったと
きにNOX 吸収剤17に流入する排気の空燃比を一時的
にリッチにし、それによりNOX 吸収剤17からNOX
を放出させるようにしている。NOX 吸収剤17のNO
X 吸収量を直接求めることは困難であるので本実施態様
では機関運転状態に基づいてNOX 吸収量を推定するよ
うにしている。すなわち、NOX 吸収剤17のNOX
収量はリーン混合気が燃焼せしめられたときにNOX
収剤17に流入するNOX 量にほぼ等しく、NOX 吸収
剤17に流入するNOX 量すなわち機関から排出される
NOX 量は機関回転数Nに比例する。そこで本実施態様
では、前回のNOX 放出作用からの機関回転数の積算値
SNを算出し、この積算値SNが一定値SN1よりも大
きくなったときに水素噴射弁20から設定時間PN1だ
け水素H2 を噴射し、それによりNOX 吸収剤17に流
入する排気の空燃比が一時的にリッチになるようにして
いる。なお、この一定値SN1はNOX 吸収剤17が吸
収可能な最大量の例えば30%に相当する。
【0032】この場合、水素噴射弁20の水素噴射時間
QHはQNとされる。このQNはNOX 吸収剤17に流
入する排気の空燃比を、NOX 吸収剤17から吸収され
ているNOX を速やかに放出させて還元するのに必要な
リッチ空燃比にするのに必要な水素噴射時間であって予
め実験により求められている。QNは機関負荷を表すア
クセルペダルの踏み込み量DEPと機関回転数Nとの関
数として図5(A)に示すマップの形で予めROM32
内に記憶されている。
【0033】ところで水素噴射弁20から水素H2 が噴
射されるとこの水素H2 はまずSO X 吸収剤14に流入
し、次いでNOX 吸収剤17に流入する。すなわち、N
X吸収剤17に流入する排気の空燃比をリッチにすべ
きときにはSOX 吸収剤14に流入する排気の空燃比も
リッチになる。ところがこのときSOX 吸収剤14の温
度がSOX 放出開始温度よりも高いとSOX 吸収剤14
から吸収されているSOX が放出され、このときのNO
X 吸収剤17に流入する排気中の酸素濃度は必ずしもS
X 非吸収濃度よりも低くないのでSOX がNOX 吸収
剤17内に吸収される恐れがある。また、SOX 吸収剤
14の温度がSOX 放出開始温度よりも低くても供給さ
れた水素H2 が排気中またはSOX 吸収剤14の表面の
酸素O2とSOX 吸収剤14で反応することによりSO
X 吸収剤14の温度が上昇し、SOX 放出開始温度より
も高くなる恐れがある。
【0034】一方、NOX 吸収剤17に流入する排気の
温度が低いときにはNOX 吸収剤17の温度も低くな
り、その結果硝酸塩の分解速度が小さくなるためにNO
X 放出速度が小さくなる。一方、SOX 吸収剤14の温
度を表すSOX 吸収剤14から流出した排気の温度TS
が上限しきい温度UTNよりも低いときには、NOX
収剤17からNO X を放出させるべく水素噴射弁20か
ら水素H2 を供給してもSOX 吸収剤14の温度がSO
X 放出開始温度よりも高くなることはない。また、排気
温度TSが下限しきい温度LTNよりも高いときにはN
X 吸収剤17からNOX が速やかに放出されうる。そ
こで本実施態様では、機関回転数積算値SNが一定値S
N1よりも大きくなったときに排気温度TSが上限しき
い温度UTNよりも高いか或いは下限しきい温度LTN
よりも低いときには水素H2 の供給を禁止し、排気温度
TSが上限しきい温度UTNよりも低くかつ下限しきい
温度LTNよりも高いときに水素H2 を供給し、それに
よりNOX 吸収剤17からNOX を放出させるようにし
ている。なお、上限しきい温度UTNは例えば約350
℃であり、下限しきい温度LTNは例えば約200℃で
ある。
【0035】ところで上述の設定時間PN1はNOX
収剤17に吸収されているほぼ全てのNOX を放出する
のに必要な時間である。ところが本実施態様ではNOX
吸収剤17のNOX 放出作用を開始すべきときにNOX
吸収剤17に吸収されているNOX 量は必ずしも一定で
なく、この時点における機関回転数積算値SNに比例す
る。そこで本実施態様では機関回転数積算値SNに応じ
て設定時間PN1を算出するようにしている。
【0036】すなわち、図3の時間aにおけるように機
関回転数積算値SNが一定値SN1よりも大きくなり、
このとき排気温度TSが下限しきい温度LTNと上限し
きい温度UTNとの間にあるときには水素噴射時間QH
がQNとされ、すなわち水素H2 が供給される。次いで
時間bにおけるように水素H2 の供給が開始されてから
設定時間PN1だけ経過すると水素H2 の供給が停止さ
れ、このとき機関回転数積算値SNがリセットされる。
これに対し、時間cにおけるように機関回転数積算値S
Nが一定値SN1よりも大きくなってもこのとき排気温
度TSが例えば上限しきい温度UTNよりも高いときに
は水素H2 の供給が停止される。したがって機関回転数
積算値SNは一定値SN1を越えて増大する。次いで時
間dにおけるように、排気温度TSが上限しきい温度U
TNよりも低くなると水素H2 が設定時間PN1だけ供
給される。この場合の設定時間PN1は時間dにおける
機関回転数積算値SNに対応しており、前回の水素供給
作用における設定時間(b−a)よりも長くなってい
る。なお、図3においてSRTはSOX 吸収剤14のS
X 放出開始温度を示しており、例えば約450℃であ
る。また、設定時間PN1は1〜5秒程度に定められ
る。
【0037】次に、SOX 吸収剤14におけるSOX
出制御について詳細に説明する。上述したように本実施
態様ではSOX 吸収剤14に吸収されているSOX 量を
求め、このSOX 量が予め定められた一定値よりも多く
なったときにSOX 吸収剤14を一時的にSOX 放出作
用を行うようにしている。SOX 吸収剤14のSOX
収量を直接求めることは困難であるので本実施態様では
機関運転状態に基づいてSOX 吸収量を推定するように
している。すなわち、SOX 吸収剤14のSOX 吸収量
はリーン混合気が燃焼せしめられたときにSOX 吸収剤
14に流入するSOX 量にほぼ等しく、SOX 吸収剤1
4に流入するSOX 量すなわち機関から排出されるSO
X 量は機関回転数Nに比例する。そこで本実施態様で
は、前回のSOX 放出作用からの機関回転数の積算値S
Sを算出し、この積算値SSが一定値SS1よりも大き
くなったときにSOX 放出作用を行うようにしている。
すなわち、機関回転数積算値SSが一定値SS1よりも
大きくなったときにはまず、SOX 吸収剤14から流出
する排気の温度TSをSOX 放出開始温度SRTよりも
低く維持しつつNOX 吸収剤17に流入する排気中の酸
素濃度COXがSOX 非吸収濃度COX1よりも低くな
るようにしている。なお、この一定値SS1はSOX
収剤14が吸収可能な最大量の例えば30%に相当す
る。
【0038】本実施態様では水素噴射弁20から水素H
2 を供給してSOX 吸収剤14においてこの水素H2
排気中の酸素O2 と反応せしめ、それによりNOX 吸収
剤17に流入する排気中の酸素濃度COXをSOX 非吸
収濃度COX1よりも低くするようにしている。ところ
が上述したように、この水素H2 と酸素O2 との反応に
よりSOX 吸収剤14の温度が上昇し、SOX 吸収剤1
4の温度がSOX 放出開始温度よりも高くなるとこのと
きSOX 吸収剤14に流入する排気の空燃比がリッチで
あるのでSOX 吸収剤14から吸収されているSOX
放出される恐れがある。また、SOX 吸収剤14の温度
が低いときにはSOX 吸収剤14において水素H2 と酸
素O2 とが速やかに反応せず、酸素濃度COXを低下さ
せるのに長時間を要する。
【0039】一方、排気温度TSが上限しきい温度UT
Sよりも低いときには酸素濃度COXがSOX 非吸収濃
度COX1よりも低くなるまで水素H2 を供給してもS
X吸収剤14の温度がSOX 放出開始温度SRTより
も高くなることはない。また、SOX 吸収剤14の温度
すなわち排気温度TSが下限しきい温度LTSよりも高
いときにはSOX 吸収剤14において水素H2 と酸素O
2 とが速やかに反応する。そこで本実施態様では、機関
回転数積算値SSが一定値SS1よりも大きくなったと
きに排気温度TSが上限しきい温度UTSよりも高いか
或いは下限しきい温度LTSよりも低いときには水素H
2 の供給を禁止し、排気温度TSが上限しきい温度UT
Sよりも低くかつ下限しきい温度LTSよりも高いとき
に水素H 2 を供給し、それによりSOX 吸収剤14から
SOX が放出されるのを阻止しつつ酸素濃度COXがS
X 非吸収濃度COX1よりも低くなるようにしてい
る。なお、上限しきい温度UTSは例えば約300℃で
あり、下限しきい温度LTSは例えば約200℃であ
る。また、SOX 非吸収濃度COX1は例えば約0.3
%である。
【0040】この場合、水素噴射弁20の水素噴射時間
QHはQOXとされる。このQOXはNOX 吸収剤17
に流入する排気中の酸素濃度COXを速やかにSOX
吸収濃度COX1よりも低くするのに必要な水素噴射時
間であって予め実験により求められている。QOXはア
クセルペダルの踏み込み量DEPと機関回転数Nとの関
数として図5(B)に示すマップの形で予めROM32
内に記憶されている。
【0041】NOX 吸収剤17に流入する排気中の酸素
濃度COXがSOX 非吸収濃度COX1よりも低くなっ
たときには次いで酸素濃度COXをSOX 非吸収濃度C
OX1よりも低く維持しつつSOX 吸収剤14を加熱し
て排気温度TSがSOX 放出開始温度SRTよりも高く
なるようにしている。酸素濃度COXをSOX 非吸収濃
度COX1よりも低く維持するためには水素噴射弁20
の水素噴射時間QHを少なくとも上述のQOXにすれば
よい。また、上述したようにSOX 吸収剤14において
水素H2 と酸素O2 とが反応することによりSOX 吸収
剤14が加熱される。そこで本実施態様では酸素濃度C
OXがSOX 非吸収濃度COX1よりも低くなったとき
には次いで設定時間PS1だけ水素噴射時間QHをQO
Xよりも長いQSにしすなわち水素H2 の供給量を増大
し、それにより酸素濃度COXをSOX 非吸収濃度CO
X1よりも低く維持しつつ排気温度TSがSOX 放出開
始温度SRTよりも高くなるようにしている。
【0042】この場合の水素噴射時間QSはSOX 吸収
剤14に流入する排気の空燃比を、SOX 吸収剤14か
ら吸収されているSOX を速やかに放出させるのに必要
なリッチ空燃比にするのに必要な水素噴射時間であって
予め実験により求められている。QSはアクセルペダル
の踏み込み量DEPと機関回転数Nとの関数として図5
(C)に示すマップの形で予めROM32内に記憶され
ている。
【0043】排気温度TSがSOX 放出開始温度SRT
よりも高くなるとSOX 吸収剤14から吸収されている
SOX が放出される。このとき、酸素濃度COXがSO
X 非吸収濃度COX1よりも低いので放出されたSOX
はNOX 吸収剤17に吸収されることなくNOX 吸収剤
17を通過する。すなわち、NOX 吸収剤17にSO X
が吸収されるのが阻止され、したがってNOX 吸収剤1
7のNOX 吸収能力が低下するのが阻止される。
【0044】上述の設定時間PS1はSOX 吸収剤14
に吸収されているほぼ全てのSOXを放出するのに必要
な時間である。ところが本実施態様ではSOX 吸収剤1
4のSOX 放出作用を開始すべきときにSOX 吸収剤1
4に吸収されているSOX 量は必ずしも一定でなく、こ
の時点における機関回転数積算値SSに比例する。そこ
で本実施態様では機関回転数積算値SSに応じて設定時
間PS1を算出するようにしている。すなわち、図4の
時間aにおけるように機関回転数積算値SSが一定値S
S1よりも大きくなり、このとき排気温度TSが下限し
きい温度LTSと上限しきい温度UTSとの間にあると
きには水素噴射時間QHがQOXとされる。次いで時間
bにおけるように酸素濃度COXがSOX 非吸収濃度C
OX1よりも低くなると水素噴射時間QHがQSとされ
る。次いで時間cにおけるように排気温度TSがSOX
放出開始温度SRTよりも高くなるとSOX 放出が開始
される。次いで時間dにおけるように水素噴射時間QH
がQSとされてから設定時間PS1だけ経過すると水素
2 の供給が停止され、このとき機関回転数積算値SS
がリセットされる。なお、設定時間PS1は5〜20秒
程度に定められる。
【0045】なお、SOX 吸収剤14からSOX を放出
させるためにSOX 吸収剤14に流入する排気の空燃比
をリッチにしているときにはNOX 吸収剤17に流入す
る排気の空燃比もリッチになっている。したがってNO
X 吸収剤17から吸収されているNOX が放出されるが
このNOX は流入する排気中のH2 などによって還元さ
れる。また、SOX 吸収剤14からSOX を放出させる
ために水素H2 が供給される時間PS1はNOX 吸収剤
17からNOX を放出させるために水素H2 が供給され
る時間PN1よりもかなり長い。したがってSOX 吸収
剤14のSOX放出作用が完了したときにはNOX 吸収
剤17のNOX 放出作用も完了している。
【0046】図6および図7は上述したNOX およびS
X の吸放出作用を制御するためのルーチンである。こ
のルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによ
って実行される。図6および図7を参照するとまずステ
ップ50では、SOX 吸収剤14から吸収されているS
X を放出すべきときにセットされ、それ以外はリセッ
トされるSOX 放出フラグがセットされているか否かが
判別される。通常SOX 放出フラグはリセットされてい
るので次いでステップ51に進み、NOX 吸収剤17か
ら吸収されているNOX を放出すべきときにセットさ
れ、それ以外はリセットされるNOX 放出フラグがセッ
トされているか否かが判別される。通常NOX 放出フラ
グはリセットされているので次いでステップ52に進
み、NOX 放出作用のための機関回転数積算値SNに現
在の機関回転数Nが加算される。続くステップ53では
機関回転数積算値SNが一定値SN1よりも大きいか否
かが判別される。SN≦SN1のときには次いでステッ
プ56にジャンプする。これに対しSN>SN1のとき
には次いでステップ54に進み、NOX 放出条件が成立
しているか否かが判別される。本実施態様ではSOX
収剤14から流出する排気の温度TSが下限しきい温度
LTNと上限しきい温度UTNとの間にあるときにNO
X 放出条件が成立していると判断される。NOX 放出条
件が成立していないときには次いでステップ56にジャ
ンプし、NOX 放出条件が成立しているときには次いで
ステップ55に進んでNOX 放出フラグをセットした後
にステップ56に進む。
【0047】ステップ56ではSOX 放出作用のための
機関回転数積算値SSに現在の機関回転数Nが加算され
る。続くステップ57では機関回転数積算値SSが一定
値SS1よりも大きいか否かが判別される。SS≦SS
1のときには処理サイクルを終了する。これに対しSS
>SS1のときには次いでステップ58に進み、SO X
放出条件が成立しているか否かが判別される。本実施態
様では排気温度TSが下限しきい温度LTSと上限しき
い温度UTSとの間にあるときにSOX 放出条件が成立
していると判断される。SOX 放出条件が成立していな
いときには処理サイクルを終了し、SOX 放出条件が成
立しているときには次いでステップ59に進んでSOX
放出フラグをセットした後に処理サイクルを終了する。
【0048】SOX 放出フラグがリセットされつつNO
X 放出フラグがセットされたときにはステップ51から
ステップ60に進み、NOX 吸収剤17からNOX を放
出させるために水素H2 が供給されている時間を表すカ
ウント値CNが1だけインクリメントされる。続くステ
ップ61では現在の機関回転数積算値SNに基づき図8
(A)に示すマップを用いて設定値CN1が算出され
る。この設定値CN1は上述の設定時間PN1に相当
し、図8(A)に示すマップの形で予めROM32内に
記憶されている。続くステップ62ではカウント値CN
が設定値CN1よりも大きいか否かが判別される。CN
≦CN1のときには処理サイクルを終了する。これに対
しCN>CN1のときには次いでステップ63に進み、
NOX 放出フラグがリセットされる。続くステップ64
ではカウント値CNがクリアされ、続くステップ65で
は機関回転数積算値SNがクリアされる。
【0049】SOX 放出フラグがセットされたときには
ステップ51からステップ66に進み、SOX 吸収剤1
4からSOX を放出させるために水素H2 が供給されて
いる時間を表すカウント値CSが1だけインクリメント
される。続くステップ67では現在の機関回転数積算値
SSに基づき図8(B)に示すマップを用いて設定値C
S1が算出される。この設定値CS1は上述の設定時間
PS1に相当し、図8(B)に示すマップの形で予めR
OM32内に記憶されている。続くステップ68ではカ
ウント値CSが設定値CS1よりも大きいか否かが判別
される。CS≦CS1のときには処理サイクルを終了す
る。これに対しCS>CS1のときには次いでステップ
69に進み、SOX 放出フラグがリセットされる。続く
ステップ70ではカウント値CSがクリアされ、続くス
テップ71では機関回転数積算値SSがクリアされる。
続くステップ72ではNOX 放出フラグがリセットされ
またはリセット状態に維持され、続くステップ73では
機関回転数積算値SNがクリアされる。
【0050】図9は水素噴射弁20の水素噴射時間QH
を算出するためのルーチンを示している。このルーチン
は予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行さ
れる。図9を参照すると、まずステップ80ではSOX
放出フラグがセットされているか否かが判別される。S
X 放出フラグは通常リセットされているので次いでス
テップ81に進み、NOX 放出フラグがセットされてい
るか否かが判別される。NOX 放出フラグは通常リセッ
トされているので次いでステップ82に進み、水素噴射
時間QHが零にされる。すなわちSOX 放出フラグもN
X 放出フラグもリセットされているときには水素H2
が供給されない。
【0051】SOX 放出フラグがリセットされつつNO
X 放出フラグがリセットされているときにはステップ8
1からステップ83に進み、図5(A)のマップからQ
Nが算出される。続くステップ84ではこのQNが水素
噴射時間QHとされる。すなわちSOX 放出フラグがリ
セットされつつNOX 放出フラグがセットされたときに
は水素噴射弁20からQNだけ水素H2 が噴射される。
【0052】SOX 放出フラグがセットされているとき
にはステップ80からステップ85に進み、酸素濃度C
OXがSOX 非吸収濃度COX1よりも低いか否かが判
別される。COX≧COX1のときには次いでステップ
86に進み、図6および図7のルーチンにおけるカウン
ト値CSがクリアされる。続くステップ87では図5
(B)のマップからQOXが算出される。続くステップ
88ではこのQOXが水素噴射時間QHとされる。すな
わちSOX 放出フラグがセットされた後酸素濃度COX
がSOX 非吸収濃度COX1よりも高いときには水素噴
射弁20からQOXだけ水素H2 が噴射され、このとき
カウント値CSは零に維持される。
【0053】COX<COX1となったときにはステッ
プ85からステップ89に進み、図5(C)のマップか
らQSが算出される。続くステップ90ではこのQSが
水素噴射時間QHとされる。すなわち酸素濃度COXが
SOX 非吸収濃度COX1よりも低くなるとカウント値
CSのカウントが開始され、SOX 放出フラグがリセッ
トされるまで水素噴射弁20からQSだけ水素H2 が噴
射される。
【0054】次に図10および図11のルーチンを参照
して別の実施態様を説明する。図10および図11は水
素噴射弁20の水素噴射時間QHを算出するためのルー
チンを示している。このルーチンは予め定められた設定
時間毎の割り込みによって実行される。なお、この実施
態様でも図6および図7に示すNOX およびSOX 吸放
出制御ルーチンが実行される。
【0055】図10および図11を参照すると、まずス
テップ180ではSOX 放出フラグがセットされている
か否かが判別される。SOX 放出フラグがリセットされ
ているときには次いでステップ181に進み、NOX
出フラグがセットされているか否かが判別される。NO
X 放出フラグがリセットされているときには次いでステ
ップ182に進み、水素噴射時間QHが零にされる。S
X 放出フラグがリセットされつつNOX 放出フラグが
リセットされているときにはステップ181からステッ
プ183に進み、図5(A)のマップからQNが算出さ
れる。続くステップ184ではこのQNが水素噴射時間
QHとされる。
【0056】SOX 放出フラグがセットされているとき
にはステップ180からステップ185に進み、酸素濃
度COXがSOX 非吸収濃度COX1よりも低いか否か
が判別される。COX≧COX1のときには次いでステ
ップ186に進み、図6および図7のルーチンにおいて
カウントアップされるカウント値CSがクリアされる。
続くステップ187ではカウント値CCが1だけインク
リメントされる。このカウント値CCは酸素濃度COX
を低下するためにSOX 吸収剤14に水素H2が供給さ
れてからの時間を表している。SOX 放出フラグがセッ
トされてから初めてステップ188に進んだときにはC
C=1であるので次いでステップ189に進み、図5
(B)のマップからQOXが算出される。続くステップ
190ではこのQOXが水素噴射時間QHとされる。す
なわち、図12の時間aにおけるようにSOX 放出フラ
グがセットされたときにはまず、水素噴射弁20からQ
OXだけ水素H2 が噴射され、カウント値CCのカウン
トアップが開始される。
【0057】酸素濃度COXがSOX 非吸収濃度COX
1よりも低くならない限りカウント値CCのカウントア
ップは継続される。次いでカウント値CCが第1の設定
値CC1よりも大きくなったときには次いでステップ1
91に進み、カウント値CCが第2の設定値CC2(>
CC1)よりも大きいか否かが判別される。カウント値
CCのカウントアップかが開始されてから初めてステッ
プ191に進んだときにはCC≦CC2であるので次い
でステップ192に進み、図5(B)のマップからQO
Xが算出される。続くステップ193ではこのQOXと
1よりも大きい定数Kとの積が水素噴射時間QHとされ
る。すなわち、図12の時間bにおけるようにSOX
収剤14への水素H2 の供給が開始されてから第1の設
定値CC1に対応する時間が経過しても酸素濃度COX
がSOX 非吸収濃度COX1よりも低くならないときに
はSOX 吸収剤14に供給される水素量が増大せしめら
れる。
【0058】このように供給水素量を増大しているのは
次の理由による。すなわち、水素噴射時間QOXはSO
X 吸収剤14の温度をSOX 放出開始温度まで高めるの
に必要な水素量を提供する水素噴射時間では必ずしもな
いが、水素H2 の供給を開始してからの時間がかなり長
くなるとSOX 吸収剤14の温度がSOX 放出開始温度
よりも高くなる恐れがある。そこで本実施態様では、水
素H2 の供給を開始してから一定時間経過しても酸素濃
度COXがSOX 非吸収濃度よりも低くならないときに
は供給水素量を増大し、それにより酸素濃度COXが速
やかにSOX 非吸収濃度よりも低くなるようにしてい
る。なお、上述したように水素噴射時間QOXは酸素濃
度COXを速やかにSOX 非吸収濃度よりも低くするの
に必要な水素噴射時間であり、このような供給水素量の
増大作用が行われるのは例えばSO X 吸収剤14が劣化
し、或いは水素噴射弁20または踏み込み量センサ41
が故障したときである。
【0059】一方、ステップ191においてCC>CC
2のときには次いでステップ194に進み、水素噴射時
間QHが零とされる。続くステップ195ではカウント
値CCがクリアされ、続くステップ196ではカウント
値CSが極めて大きなCMXとされる。すなわち、図1
2の時間cにおけるように供給水素量を増大してから一
定時間経過しても酸素濃度COXがSOX 非吸収濃度C
OX1よりも低くならないときにはSOX 吸収剤14の
温度がSOX 放出開始温度よりも高くなると判断してS
X 吸収剤14への水素H2 の供給が停止される。言い
換えるとSOX 放出作用が中止される。したがって酸素
濃度COXがSOX 非吸収濃度COX1よりも高いとき
にSOX 吸収剤14からSOX が放出されるのが阻止さ
れる。また、このとき図6および図7のルーチンにおい
てカウントアップされるカウント値CSが極めて大きな
CMXとされるので図6および図7のルーチンのステッ
プ68からステップ69に進み、SOX 放出フラグがリ
セットされる。なお、その他の触媒被毒再生装置の構成
および作用は図1を参照して説明した実施態様と同様で
あるので説明を省略する。
【0060】図13にさらに別の実施態様を示す。図1
3を参照すると、本実施態様では排気管16内に追加の
水素噴射弁22が設けられる。この追加の水素噴射弁2
2はボンベ21に接続される。また、本実施態様におけ
るNOX 吸収剤17aには例えばアルミナからなる担体
上にアルカリ金属、アルカリ土類、希土類を含むことな
く白金Ptのような貴金属を担持した酸化触媒が混在せ
しめられている。なお、電子制御ユニット30の出力ポ
ート37は対応する駆動回路43を介し追加の水素噴射
弁22に接続されており、追加の水素噴射弁22は電子
制御ユニット30からの出力信号に基づいて制御され
る。
【0061】上述したように流入する排気の空燃比がリ
ーンのときにはNOX 吸収剤17aの表面上に酸素O2
が付着している。ところが流入する排気の空燃比がリッ
チになったとしてもしばらくの間はNOX 吸収剤17a
の表面上に酸素O2 が残存しており、このときNOX
収剤17aにSOX が流入するとNOX 吸収剤17aに
吸収される恐れがある。
【0062】そこで本実施態様では、SOX 吸収剤14
から放出されたSOX がNOX 吸収剤17aに流入する
のに先立って追加の水素噴射弁22から水素H2 を一時
的にNOX 吸収剤17aに供給し、それによりNOX
収剤17aの表面上の残存酸素を速やかに除去するよう
にしている。その結果、SOX 吸収剤14から放出され
たSOX がNOX 吸収剤17aに吸収される可能性がさ
らに低減される。
【0063】この場合、SOX 吸収剤14から放出され
たSOX がNOX 吸収剤17aに流入するのに先立つ限
りどのようなタイミングで追加の水素噴射弁22からの
水素供給を行ってもよい。しかしながら追加の水素噴射
弁22からの水素供給が完了した後に、NOX 吸収剤1
7a内に比較的高濃度の酸素を含む排気が流入するのは
好ましくない。そこで本実施態様では、酸素濃度COX
がSOX 非吸収濃度COX1よりも低くなったときに一
定時間だけ追加の水素噴射弁22からの水素供給を行う
ようにしている。その結果、水素H2 を残存酸素除去の
ために有効に利用することができる。
【0064】ところで、上述したように本実施態様にお
けるNOX 吸収剤17aには酸化触媒が混在せしめられ
ている。したがってこのようにNOX 吸収剤17aに水
素H 2 のような還元剤が供給されるとこの水素H2 と残
存酸素との反応が速やかに進行する。すなわち、残存酸
素を極めて短時間のうちに除去することができる。その
結果、追加の水素噴射弁22からの水素噴射時間を極め
て短くすることができ、したがって水素H2 を残存酸素
除去のためにさらに有効に利用することができる。
【0065】図14は追加の水素噴射弁22の水素噴射
時間QHHを算出するためのルーチンを示している。こ
のルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによ
って実行される。なお、この実施態様でも図6および図
7に示すNOX およびSOX吸放出制御ルーチン、およ
び図8に示す水素噴射弁20の水素噴射時間QHの算出
ルーチンが実行される。
【0066】図14を参照するとまず、ステップ200
では酸素濃度COXがSOX 非吸収濃度COX1よりも
低いか否かが判別される。COX≧COX1のときには
次いでステップ201に進み、水素噴射時間QHHが零
とされる。すなわち追加の水素噴射弁22からの水素噴
射が停止される。続くステップ202では、追加の水素
噴射弁22から水素噴射を行っている時間を表すカウン
ト値CBがクリアされる。
【0067】一方、COX<COX1となったときには
ステップ200からステップ203に進み、カウント値
CBが一定値CB1よりも大きいか否かが判別される。
COX<COX1となった後初めてステップ203に進
んだときにはCB≦CB1であるので次いでステップ2
04に進み、水素噴射時間QHHがQXXとされる。す
なわち追加の水素噴射弁22からの水素噴射が行われ
る。このQXXはNOX吸収剤17の残存酸素を速やか
に除去するのに必要な水素噴射時間である。続くステッ
プ205ではカウント値CBが1だけインクリメントさ
れる。
【0068】次いでCB>CB1となったときにはステ
ップ203からステップ201に進み、追加の水素噴射
弁22からの水素噴射が停止される。なお、その他の触
媒被毒再生装置の構成および作用は図1を参照して説明
した実施態様と同様であるので説明を省略する。図15
にさらに別の実施態様を示す。
【0069】図15を参照すると、本実施態様ではNO
X 吸収剤17を迂回して排気管16と、NOX 吸収剤1
7下流の排気管19とを互いに接続するバイパス管25
と、バイパス管25の排気流入端に設けられてアクチュ
エータ26により駆動されるバイパス弁27とが設けら
れる。バイパス弁27は通常閉弁せしめられており、排
気管16とケーシング18とを互いに連通すると共に排
気管16とバイパス管25との連通を遮断する。バイパ
ス弁27が開弁せしめられると、排気管16とケーシン
グ18との連通が遮断せしめられ、排気管16とバイパ
ス管25とが互いに連通せしめられる。なお、電子制御
ユニット30の出力ポート37は対応する駆動回路43
を介しアクチュエータ26に接続されており、アクチュ
エータ26は電子制御ユニット30からの出力信号に基
づいて制御される。
【0070】これまで述べてきた実施態様では機関回転
数積算値SSが一定値SS1よりも大きくなったときに
排気温度TSが上限しきい温度UTSよりも高いときに
はSOX 吸収剤14からのSOX 放出作用が行われな
い。しかしながら排気温度TSすなわちSOX 吸収剤1
4の温度に関わらずSOX 放出作用を行うのが好まし
い。一方、NOX 吸収剤17に流入する排気中の酸素濃
度すなわちSOX 吸収剤14から流出した排気中の酸素
濃度COXがSOX 非吸収濃度COX1よりも高いとき
にSOX 吸収剤14からSOX が放出されたとしてもこ
のSOX がNOX 吸収剤17に導かれなければNOX
収剤17にSOX が吸収されることはない。
【0071】そこで本実施態様では、機関回転数積算値
SSが一定値SS1よりも大きくなったときには排気温
度TSに関わらずSOX 吸収剤14に流入する排気の空
燃比をリッチにすると共にバイパス弁27を開弁してS
X 吸収剤14から流出した排気をバイパス管25に導
くようにし、それによりSOX 吸収剤14から放出され
たSOX がNOX 吸収剤17内に流入するのを阻止する
ようにしている。
【0072】この場合、水素噴射弁20の水素噴射時間
QHはQSとされる。このQSは上述したように排気温
度TSを速やかにSOX 放出開始温度SRTよりも高く
するのに必要な水素噴射時間であり、酸素濃度COXを
速やかにSOX 非吸収濃度COX1よりも低くするため
に十分な水素噴射時間である。したがって、SS>SS
1となって水素噴射が行われると酸素濃度COXがSO
X 非吸収濃度COX1よりも低くなり、一方排気温度T
SがSOX 放出開始温度SRTよりも高くなり、斯くし
てSOX 吸収剤14からSOX が放出される。なお、水
素噴射を開始すべきときに排気温度TSがSOX 放出開
始温度SRTよりも高いときには水素噴射が介されると
直ちにSOX 吸収剤14からSOX が放出されることに
なる。
【0073】SOX 吸収剤14のSOX 放出作用が完了
するまでバイパス弁27を開弁状態に維持するようにし
てもよい。しかしながらバイパス弁27の開弁時には機
関から排出されるNOX が還元されることなく排気管1
9内に流入するのでバイパス弁27の開弁期間はできる
だけ短いのが好ましい。一方、酸素濃度COXがSO X
非吸収濃度COX1よりも低くなった後にはSOX 吸収
剤14から流出した排気をNOX 吸収剤17に導いても
SOX がNOX 吸収剤17に吸収されることはない。そ
こで本実施態様では酸素濃度COXがSOX 非吸収濃度
COX1よりも低くなったときにはバイパス弁27を再
び閉弁してSOX 吸収剤14から流出した排気をNOX
吸収剤14に導くようにしている。その結果、NOX
収剤17にSOX が吸収されるのを阻止しつつ還元され
ることなく排気管19内に流入するNOX 量を低減する
ことができる。
【0074】また、機関低負荷運転時または機関低回転
運転時には機関から排出されるNO X 量が少ないのでこ
のときSOX 吸収剤14のSOX 放出作用を行えば還元
されることなく排気管19内に流入するNOX 量をさら
に低減することができる。そこで本実施態様では、排気
温度TSが下限しきい温度LTSよりも高く、かつ機関
負荷を表すアクセルペダルの踏み込み量DEPが設定踏
み込み量よりも小さく或いは機関回転数Nが設定回転数
よりも低いときにSOX 放出条件が成立していると判断
し、それ以外はSOX 放出条件が成立していないと判断
するようにしている。
【0075】図16は水素噴射弁20の水素噴射時間Q
Hを算出し、バイパス弁27を制御するためのルーチン
を示している。このルーチンは予め定められた設定時間
毎の割り込みによって実行される。なお、この実施態様
でも図6および図7に示すNOX およびSOX 吸放出制
御ルーチンが実行される。図16を参照すると、まずス
テップ280ではSOX 放出フラグがセットされている
か否かが判別される。SOX 放出フラグがリセットされ
ているときには次いでステップ281に進み、NOX
出フラグがセットされているか否かが判別される。NO
X 放出フラグがリセットされているときには次いでステ
ップ282に進み、水素噴射時間QHが零にされる。S
X 放出フラグがリセットされつつNOX 放出フラグが
リセットされているときにはステップ281からステッ
プ283に進み、図5(A)のマップからQNが算出さ
れる。続くステップ284ではこのQNが水素噴射時間
QHとされる。
【0076】SOX 放出フラグがセットされているとき
にはステップ280からステップ285に進み、酸素濃
度COXがSOX 非吸収濃度COX1よりも低いか否か
が判別される。SOX 放出フラグがセットされてから初
めてステップ285に進んだときにはCOX≧COX1
であるので次いでステップ286に進み、バイパス弁2
7が開弁される。したがってSOX 吸収剤14から流出
した排気がバイパス管25内に導かれ、NOX 吸収剤1
7内に流入するのが阻止される。続くステップ287で
は図5(C)のマップからQSが算出される。続くステ
ップ288では水素噴射時間QHがQSとされる。すな
わち、SOX 放出フラグがセットされたときにはまず、
SOX 吸収剤14から流出した排気がNOX 吸収剤17
内に流入するのが阻止されつつ水素噴射弁20から水素
2 がQSだけ噴射される。
【0077】次いでCOX<COX1となったときには
ステップ285からステップ289に進み、バイパス弁
27が閉弁される。次いでステップ287,288に進
んで水素噴射時間QHがQSとされる。すなわち、CO
X<COX1となったときには水素噴射時間QHがQS
に維持されつつSOX 吸収剤14から流出した排気がN
X 吸収剤17に流入せしめられる。なお、その他の触
媒被毒再生装置の構成および作用は図1を参照して説明
した実施態様と同様であるので説明を省略する。
【0078】これまで述べてきた実施態様ではSOX
収剤14およびNOX 吸収剤17に流入する排気の空燃
比をリッチにするために水素噴射弁20から水素H2
噴射するようにしている。しかしながら本発明を筒内直
接噴射式内燃機関に適用した場合には機関膨張行程また
は排気行程に2次燃料噴射を行うことによりSOX 吸収
剤14およびNOX 吸収剤17に流入する排気の空燃比
をリッチにするようにすることもできる。或いは、本発
明を火花点火式内燃機関に適用した場合には燃焼室3内
で燃焼せしめられる混合気の空燃比をリッチにすること
によりSOX 吸収剤14およびNOX 吸収剤17に流入
する排気の空燃比をリッチにすることもできる。
【0079】また、本実施態様ではSOX 吸収剤14を
加熱すべきときにはSOX 吸収剤14に水素H2 のよう
な還元剤を供給して還元剤の反応熱によりSOX 吸収剤
14を加熱するようにしている。しかしながら、SOX
吸収剤14を加熱するために例えばSOX 吸収剤14を
直接加熱し、またはSOX 吸収剤14に流入する排気を
加熱する電気ヒータを設けることもできる。或いは、本
発明を筒内直接噴射式内燃機関に適用して機関膨張行程
または排気行程に2次燃料噴射を行うことによりSOX
吸収剤14に還元剤(燃料)を供給するようにした場合
には、酸素濃度COXを低下させるべきときよりも2次
燃料噴射時期を早くすることにより燃焼室3から排出さ
れる排気の温度を高め、それによりSOX 吸収剤14を
加熱するようにすることもできる。さらに、本発明を火
花点火式内燃機関に適用した場合には通常運転時よりも
点火時期を遅くすることにより燃焼室3から排出される
排気の温度を高めるようにすることもできる。
【0080】
【発明の効果】NOX 吸収剤に流入する排気中の酸素濃
度がSOX 非吸収濃度よりも低くなるまではSOX 吸収
剤からSOX が放出されず、酸素濃度がSOX 非吸収濃
度よりも低くなるとSOX が放出されるのでSOX 吸収
剤から放出されたSOX がNO X 吸収剤に吸収されるの
を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディーゼル機関の全体図である。
【図2】NOX 吸収剤のNOX 吸放出作用を説明するた
めの図である。
【図3】NOX 吸放出制御を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図4】SOX 吸放出制御を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図5】水素噴射時間QN,QOX,QSを示す線図で
ある。
【図6】NOX およびSOX の吸放出制御を実行するた
めのフローチャートである。
【図7】NOX およびSOX の吸放出制御を実行するた
めのフローチャートである。
【図8】設定値CN1,CS1を示す線図である。
【図9】水素噴射時間QHを算出するためのフローチャ
ートである。
【図10】別の実施態様による水素噴射時間QHを算出
するためのフローチャートである。
【図11】別の実施態様による水素噴射時間QHを算出
するためのフローチャートである。
【図12】図10および図11の実施態様におけるSO
X 放出制御を説明するためのタイムチャートである。
【図13】さらに別の実施態様によるディーゼル機関の
全体図である。
【図14】図13の実施態様による水素噴射時間QHH
を算出するためのフローチャートである。
【図15】さらに別の実施態様によるディーゼル機関の
全体図である。
【図16】図13の実施態様による水素噴射時間QHを
算出しバイパス制御を実行するためのフローチャートで
ある。
【符号の説明】 1…機関本体 13…排気マニホルド 14…SOX 吸収剤 17…NOX 吸収剤 20…水素噴射弁 22…追加の水素噴射弁 25…バイパス管 27…バイパス弁 38…温度センサ 39…酸素濃度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F01N 3/10 ZAB F01N 3/24 ZABE 3/20 ZAB B01D 53/34 132Z 3/24 53/36 103B ZAB (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 - 3/36 B01D 53/60 B01D 53/74 B01D 53/94

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入する排気の空燃比がリーンのときに
    NOを吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低くなる
    と吸収しているNOを放出するNO吸収剤を機関排
    気通路内に配置すると共に、流入する排気の空燃比がリ
    ーンのときにSOを吸収し、SO放出状態にせしめ
    られると吸収しているSOを放出するSO吸収剤を
    NO吸収剤上流の機関排気通路内に配置し、リーン混
    合気が燃焼せしめられたときに機関排気通路内に排出さ
    れる排気中のSOをSO吸収剤に吸収すると共に該
    排気中のNOをNO吸収剤に吸収し、NO吸収剤
    に流入する排気中の酸素濃度が一時的に低下せしめられ
    たときにNO吸収剤から吸収されているNOを放出
    し、SO吸収剤が一時的にSO放出状態にせしめら
    れたときにSO吸収剤から吸収されているSOを放
    出するようにした内燃機関の触媒被毒再生装置におい
    て、NO 吸収剤に流入する排気中の酸素濃度がNO
    吸収剤のSO 非吸収濃度よりも低いときにはSO
    NO 吸収剤に吸収されることなくNO 吸収剤を通過
    するようになっており、SO吸収剤からSOを放出
    させるべきときにNO吸収剤に流入する排気中の酸素
    濃度をNO吸収剤のSO非吸収濃度よりも低く維持
    する酸素濃度低下手段と、NO吸収剤に流入する排気
    中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、酸素濃度低
    下手段によりNO吸収剤に流入する排気中の酸素濃度
    が低下せしめられた後該酸素濃度センサにより検出され
    酸素濃度がNO 吸収剤のSO非吸収濃度よりも高
    いときにはSO吸収剤がSO放出状態になるのを禁
    止し、該酸素濃度センサにより検出された酸素濃度が
    吸収剤のSO非吸収濃度よりも低くなったときに
    SO吸収剤をSO放出状態にせしめるSO放出制
    御手段とを具備した内燃機関の触媒被毒再生装置。
  2. 【請求項2】 前記SO 吸収剤は、流入する排気中の
    酸素濃度が低下しかつSO 吸収剤の温度がSO 放出
    開始温度よりも高いときに吸収しているSO を放出す
    るようになっており、前記SO 放出制御手段は、前記
    酸素濃度センサにより検出された酸素濃度がNO 吸収
    剤のSO 非吸収濃度よりも高いときにはSO 吸収剤
    の温度がSO 放出開始温度よりも高くなるのを禁止
    し、該酸素濃度センサにより検出された酸素濃度がNO
    吸収剤のSO 非吸収濃度より も低くなったときにS
    吸収剤の温度がSO 放出開始温度よりも高くなる
    ようにした請求項1に記載の内燃機関の触媒被毒再生装
    置。
  3. 【請求項3】 前記酸素濃度低下手段がSO 吸収剤に
    還元剤を添加する還元剤添加手段を具備し、SO 吸収
    剤において酸素と還元剤とを反応せしめることによりN
    吸収剤に流入する排気中の酸素濃度を低下させるよ
    うにした請求項1又は2に記載の内燃機関の触媒被毒再
    生装置。
  4. 【請求項4】 前記酸素濃度低下手段がSO 吸収剤に
    水素を添加する水素添加手段を具備し、SO 吸収剤に
    おいて酸素と水素とを反応せしめることによりNO
    収剤に流入する排気中の酸素濃度を低下させるようにし
    た請求項1又は2に記載の内燃機関の触媒被毒再生装
    置。
  5. 【請求項5】 NO 吸収剤に酸化触媒を混在せしめた
    請求項1又は2に記載の内燃機関の触媒被毒再生装置。
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