JP3372929B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
アルミニウム合金の板もしくは箔を有する被記録材、例
えばネームプレート、表示板、建築用壁材、車両用パネ
ルや各種部品、食器、アルミ缶、室内装飾用パネルなど
に、文字、図形パターン、絵等を記録するためのインク
ジェット記録方法に関する。
ては、紙が主流であり、紙以外では、少なくとも一方の
面に特殊処理によりインク吸収性が付与された層が設け
られたプラスチックフィルム等に限定されていた。これ
は、インクジェット記録装置が事務用として主に用いら
れているため、情報媒体としての紙に記録されることが
多かったこと、更にはインク滴を飛翔させ、これを被記
録材に付着させるというインクジェット記録方式の性質
上、被記録材にインクの吸収性と定着性が要求されるこ
とによると考えられる。
装置の高速化、高機能化に伴い、インクジェット記録の
紙やプラスチックフィルム等以外の素材からなる被記録
材への応用が注目されつつある。そのなかで、アルミニ
ウムまたはその合金等の金属素材へのインクジェット記
録は、印刷等に代わる金属素材へのより簡便な記録法を
提供できるだけではなく、金属素材からなる文字、模
様、絵などが施された記録物の用途の拡大をも促進する
ものと期待されている。
いる金属素材としてアルミニウムまたはその合金が挙げ
られる。なかでも、アルミニウムの表面に陽極酸化被
膜、いわゆるアルマイト被膜を形成し、アルミニウムの
耐食性、表面強度及び装飾性を向上させたものは、建
材、食器、電子機器のパネル等に、またこの被膜の良好
な熱放散性を利用した放熱板等に古くから利用されてい
る。特に、アルマイト被膜は染着性が良いことから、ア
ルマイト被膜を有する部材は、装飾された壁板材や戸扉
用の部材、あるいは美術的な装飾品自体としても利用さ
れている。更に、各種のパーソナルなネームプレートな
どとしての用途も広い。
色、あるいは記録方法としては、写真焼付け法が主流で
ある。この方法は、色毎に、レジストの塗布、露光、現
像、所定色の記録液(染料)への浸漬及びレジストの剥
離という一連の工程を繰り返して多色記録液によるカラ
ー画像を形成するものである。
はその合金からなる素材への記録に従来用いられている
写真焼付け法では、工程数が多く、繁雑でありまた時間
もかかるものであり、記録液の色数が増加すればする工
程数や処理時間が大きく増大する。従って、大量の素材
を処理には限界があった。
インクジェット記録法をこれに適用すれば、処理時間を
大幅に短縮して生産性を更に向上させることが可能とな
り、また写真焼付け法に必要なレジスト、現像液、洗浄
液等が不要となり、大幅ばコストの低減化が図れる。さ
らに、使用後の現像液や洗浄液等の廃液による環境汚染
やその処理という問題も解決できる。
適用については、例えば、特開昭62−115074号
公報や特開平3−147883号公報に開示されてい
る。これらの公報に記載の方法では、従来のインクジェ
ット記録法がアルマイト被膜を有する板材に直接適用さ
れただけのものに過ぎない。
おいては、被記録材におけるインクの吸収性及び定着性
が特に重要とされ、定着性が悪いと、先に記録されたイ
ンク滴と、後に記録されたインク滴とが混じって混色し
て所望の色再現性や鮮明性が得られなくる。また、被記
録材表面の濡れが悪いと、表面でインクがはじかれてし
まうので、良好な画像が得られない。
では、インクの濡れ性、インク吸収性及びインク定着性
という点において必ずしも充分なものではなく、単にイ
ンクジェット記録をアルマイト被膜に直接適用しても以
下のような問題が生じ、必ずしも実用的とはいえなかっ
た。
んどは陽極酸化被膜には吸収されず、その表面でインク
滴同志が混色し、画像がぼやけてしまう。更に、アルマ
イト被膜ではインク定着性が悪く、インクジェット記録
装置内における被記録材の搬送や記録位置の制御等に係
わる各種ローラがインクの未定着部分に接触することに
よってローラのすれ跡が記録面に表われて、記録画像を
損なってしまう。
をインクの成分として用いてインクジェット記録を行っ
た場合でも、アルマイト被膜表面への充分な着色はでき
ず、特に濃色で充分な色彩が得られないという欠点があ
った。
ては、印字スピードを上げるため、多数のノズルを備え
た記録ヘッドにより同時に記録を行うが、未定着の状態
で記録すると、先に書いたラインのインクが後に書いた
インクに引っ張られライン毎に濃度の濃い部分が発生す
るというスジムラが発生する欠点もあった。
速カラー記録を、紙等の従来用いられてきた素材以外の
ものからなる例えばアルマイト被膜等の金属などの被記
録材に直接適用することは、実用的とはいえなかった。
クジェット記録装置は実用化されているが、油性インク
を用いるものや、顔料系のインクを用いるものが多く、
高精細な画像を形成するために必要な小径のインク滴が
飛ばせなかったり、ノズルを高密度で配置すると、目詰
りし易く、適用できる分野が限定されており、より高精
細な画像を記録するには実用的とはいえない。また、こ
れらの用途でのインクジェット記録装置では、ノズルの
加工精度が充分でなく、数本/mm程度までしかノズル
密度を上げることができず、画像の高精度化が困難で、
装飾用への応用とした際の画像品位には問題があった。
従って、この分野でのインクジェット記録法をアルマイ
ト被膜の記録に適用することも実用的とは言えない。
記録法をアルミニウムまたはその合金のアルマイト被膜
に単に適用したでけでは、以下に挙げるような問題があ
った。 1)各色間の混色(ブリーディング)が発生し、画像が
ぼやける。 2)各記録ヘッドの記録走査のラインムラが発生する。 3)未定着のインクが装置内の搬送ローラ等に転写し、
ゴースト画像及び画像潰れが発生する。 4)カラーインクのアルマイト被膜への染着性が悪く、
印字後の水洗により画像濃度が低下して薄いものとなっ
てしまう。
ので、その課題とするところは、アルミニウム陽極酸化
被膜(アルマイト被膜)にインクジェット記録方式を採
用して、混色、走査ムラ、画像ツブレ等がなく、充分な
色濃度を有するなど優れた画像性能を備えた記録画像を
形成する技術に必要な記録方法を提供することである。
発明のインクジェット記録方法は、アルミニウムまたは
アルミニウム合金からなる板もしくは箔の表面に形成さ
れた陽極酸化被膜に対し、インク吐出口を複数備えた記
録ヘッドから少なくとも一色以上のインク滴を付与して
記録画像を形成するインクジェット記録方法であって、 (a)前記陽極酸化被膜を非液系活性化処理する工程;
および (b)前記工程(a)によって活性化されている陽極酸
化被膜に前記記録ヘッドの吐出口より画像記録信号に応
じてインク滴を飛翔させ、前記非液系活性化処理されて
いる陽極酸化皮膜の所定位置にインク滴を付与して記録
画像を形成する工程;及び (c)前記工程(b)によって該陽極酸化被膜に付着し
たインク滴に含まれる染料を、該陽極酸化被膜を加熱す
ることにより該陽極酸化被膜中に染着させる工程 を有
し、該インクは、不揮発性成分を含み、且つ 前記工程
(b)は、該インクを、該不揮発性成分が、該陽極酸化
被膜のポア内部に収容される量で付与する工程を含むこ
とを特徴とするインクジェット記録方法である。
ましくは、インクとして多色のインクを用いてカラーの
記録画像を形成する。また、本発明のインクジェット記
録方法における活性化処理は、好ましくは、該被膜の加
熱処理、電磁誘導による処理及び乾燥空気の吹き付け処
理から選択された処理によって行われる。なお、これら
の2以上の処理を組合せて用いてもよい。また、追加的
に水洗処理を含むものでも良い。
おけるインクの付与工程は、好ましくは、バブルジェッ
ト記録方式によって行われる。
は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金から
なる板もしくは箔の表面に形成された陽極酸化被膜を有
する被記録材の該陽極酸化被膜に対し少なくとも一色以
上のインク滴を付与して記録画像を形成するインクジェ
ット記録装置であって、(a)前記陽極酸化被膜を脱水
及び活性化処理する手段と、(b)画像記録信号に応じ
てインク滴を飛翔させ、前記脱水及び活性化処理された
陽極酸化被膜の所定位置にインク滴を付与するインク吐
出口を複数備えた記録ヘッドと、(c)前記記録画像形
成後の陽極酸化被膜から、そこに付着したインク滴に含
まれる染料を該陽極酸化被膜中に染着させ、該インク滴
に含まれる余分な成分を除去する手段と、を具備するこ
とを特徴とする装置が利用できる。
する手段(d)を有するものが好ましい。また、前記被
記録材の温度を検知する手段(e)を有し、該温度検知
手段(e)で得られた温度に関する情報に応じて前記手
段(a)及び(c)の少なくとも一方の動作を制御する
手段(f)、あるいは該温度検知手段(e)からの情報
に応じて前記記録ヘッド(b)の主走査方向及び副走査
方向の送りを制御する手段(g)を、またはこれら手段
(e)、(f)及び(g)の全てを更に具備するのが好
ましい。
はその合金の板もしくは箔の表面に形成された陽極酸化
被膜に、インク吐出口を複数備えた記録ヘッドから画像
記録信号に応じて少なくとも一色以上のインク滴を付与
して形成された記録画像を有する記録物であって、前記
陽極酸化被膜は、記録画像の形成前に脱水及び活性化処
理が施されていることと、記録画像の形成後に該被膜中
に混在するインク滴の溶剤成分を蒸発もしくは水洗して
不用物を除去し、付与されたインク中の染料を染着させ
る処理が施されていることを特徴とする記録物が提供さ
れる。なお、かかる記録物は、本発明のインクジェット
記録方法を適用して作製することができる。
のインク及び該インクの成分としての色材に目的に適合
したものを選択するのが好ましい。また、陽極酸化被膜
がインクジェット記録に適合するように形成されたもの
であるのが好ましい。更に、陽極酸化被膜を有する記録
媒体は、本発明の初期の効果を維持できるように保存、
管理されてたものであることが好ましい。
ば、アルミニウムまたはその合金の板もしくは箔の表面
に形成された陽極酸化被膜に対し、インク滴の付与前に
おいて上記脱水及び活性化処理を行うことにによりイン
クの染着性が向上し、更にインク滴の付与後において上
記被膜中に混在するインクの溶剤成分を蒸発させてイン
ク中の染料(色材)を染着させることにより、インクの
定着性を向上させ、最終的に陽極酸化被膜に優れた画像
性能を有する記録画像を形成することができる。また、
本発明のインクジェット記録装置によれば、例えば、上
述したような方法に従ってアルミニウムまたはその合金
の板もしくは箔の表面に設けられた陽極酸化被膜に、最
終的に優れた画像性能を有する記録画像を形成すること
ができる。
より得られる記録物は、アルミニウムまたはその合金の
板もしくは箔の表面に設けられた陽極酸化被膜にインク
を付与する前に陽極酸化被膜の活性化処理を施している
ため、優れた画像性能を有するものとなっている。
録方法、該方法に用い得るインクジェット記録装置及び
該方法により得られる記録物について説明する。
またはその合金の板もしくは箔の表面に形成された陽極
酸化被膜を有する。なお、該被記録材はアルミニウムま
たはその合金以外の素材からなる部分、例えばクラード
材のような各種素材(基材)上にアルミニウムまたはそ
の合金の箔を積層した構成のものであっても良い。
金としては、陽極酸化被膜の形成性が良いものであれば
特に制限なく利用でき、例えば、JIS−1050等の
純アルミニウム系の板材または箔、Mgを含有した合金
等のアルマイト用のアルミニウム合金からなる板材や箔
等が利用できる。
ないようにしてプレス機等により所定の形状やサイズと
された素材のアルミニウムまたはその合金の板もしくは
箔の陽極酸化被膜が形成されて画像形成面となる面に
は、必要に応じて、記録の際における良好な画像形成の
ために、機械的方法あるいは化学的研磨等により、その
表面性を調節する処理を施すのは好ましい。この表面処
理としては、例えば、画像形成面全体に、インク滴より
小さく、その外周に陵を有する凹部を設ける処理を挙げ
ることができる。このような表面処理を行うことで、イ
ンクが所望の位置に着弾した際、他の領域に着弾したイ
ンクと混ざり合ったり、移動したりして、ブリードする
ことを防ぐことが可能となる。特に、一般的なアルミニ
ウムの板素材は圧延材であるため、一方向に圧延跡
(溝)が伸びており、この圧延跡にそってインクの走り
が生じ易く、これにより圧延方向でのインクの混色が生
じ易い。そこで、この表面に、インク滴より径が小さい
凹部を表面全体に形成することでこのような混色を防止
できる。凹部の径は、インク滴の径に応じて設定すれば
よく、例えば360dpiの記録条件では、インク滴の
径は約100μmであるので、凹部の径が100μm以
下となるような表面処理法を選択して用いれば良い。図
2(a)の〜にこのような凹部を設けた表面におい
てブリードが防止されるメカニズムを模式的に示した。
また、図2(b)の〜にブリードが起きる場合の代
表例を模式的に示した。
ショートブラストのようにビーズ状の研磨材を表面に吹
き付ける機械的加工方法やエッチング液を用いた化学的
方法等が利用できるが、被記録材をエッチング液に浸漬
た際のガス発生、粒界の存在によって外周に陵をともな
った凹凸部を効果的に形成できる化学的研磨法が好まし
い。
には、更に必要に応じて、一般的に行われている脱脂処
理、酸洗浄処理が施された後、例えば硫酸浴中での電解
陽極酸化法により陽極酸化被膜が形成され、水洗処理さ
れる。陽極酸化被膜の膜厚は、例えば5〜25μmとさ
れる。
酸化被膜の構造を模式的に示す。アルミニウムまたはそ
の合金からなる基部4の表面に形成された陽極酸化被膜
1は、多数のセル3から構成されており、各セルのほぼ
中心にはポア(微細孔)2が形成されている。このポア
2底部は基部4との境界部にある酸化被膜のバリアー層
5により構成される。
性、インク受容性が高は高くなり、また、ポア2が深い
ほどインク受容性が高くなるので、陽極酸化処理におけ
る電解条件としては、このような状態のポアを形成でき
る条件を選択して用いるのが好ましい。
液を用いた処理によってポア2の径や深さを拡大するこ
とができるが、バリアー層5の厚みが薄くなると素材自
体の耐食性の低下を引き起こすので、これらの要件を考
慮して電解条件を設定するとよい。
30%重量比溶液を準備し、陰極としてSUS板、陽極
に前記前処理を施し、陽極酸化処理前に脱脂処理、水洗
及びスマット除去処理を施したアルミニウム板をセット
して、浴温を約25℃にコントロールし、かつ良く攪拌
される電解槽にて、電流温度を60〜300mA/m 2
で、必要膜厚を得るまで所定時間陽極酸化する。その
後、電解槽から取り出し、充分水洗し、乾燥後、保管す
る。
第1段で大型のポアが形成される条件を採用し、第2段
で小型のポアが形成される条件を採用して、バリアー層
を基部側に成長させて耐食性を上げる方法も有効であ
る。この場合、第2段の処理は第1段と同一浴内で行っ
ても良いし、第1段とは別の浴で行ってもよい。バリア
ー層を成長させるには、ホウ酸系の電解液を用いること
も有効である。
の板もしくは箔からなる部分の表面に陽極酸化被膜から
なる画像形成面を形成して得た被記録材は、必要に応じ
て保存された後、本発明のインクジェット記録方法にお
ける第1の工程で処理される。
保存状態が画像形成操作に与える影響も大きいので初期
の目的に合うように保存状態を管理することが好まし
い。図1で説明したように、陽極酸化被膜はポアを有す
る多数のセルによって構成されており、このポアの存在
によりインクが被膜中に吸収され記録が可能となる。と
ころが、陽極酸化被膜を大気中などのような水(水蒸
気)と酸素を含む雰囲気中に放置しておくと、被膜に、
水及び酸素との反応により水酸化物が形成され、これが
ポア中にできるとポアが狭くなったり、封鎖されてしま
い、反応が進むと、被膜中のほとんどのポアが封鎖され
た状態となる。ポア容積の減少や封鎖は、インク受容性
(インク吸収性)を減少させ、ニジミや混色の発生によ
る画像品位の劣化が起き易くなるという問題を生じる。
従って、被記録材の保管にあたっては、水分や酸素を遮
断することが好ましい。被記録材の保管方法としては、
窒素ガスを流して窒素ガス雰囲気を形成できる容器内で
の保存や、シリカゲル等の防湿剤や脱酸素剤を入れて乾
燥空気の雰囲気を形成できる容器内での保存や、外気を
遮断することが好ましい。
は、窒素ガスの吹き込み用の管(N2ブロー管)33が
セットされた保存箱32で、箱内を窒素置換し、被記録
材31を保存するものである。図4のものは、樹脂製の
袋34内に被記録材とともに脱酸素剤35を封入して密
閉し、保存するものである。図5の保存方法は、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム等の酸素や水蒸気が透過
しないフィルム36−1とその表面に形成された粘着層
36−2からなる粘着テープ36で、アルミニウムまた
はその合金からなる基部31−2上に形成された陽極酸
化被膜31−1の表面を覆って密封し、大気との接触を
遮断して保存する方法である。
第1の工程では、被記録材の画像形成面を構成している
陽極酸化被膜の脱水、活性化処理が施される。
被膜は、その被膜形成時に外表部に形成されるベーマイ
ト(boehmite:AlO(OH))及びγ−Al
2O3に吸着された水分が脱水縮合し、活性化ポイントが
形成される。この活性化ポイントは大気中の水分と反応
し、すぐに元の状態に戻ろうとするため、記録工程の直
前で行うことが重要である。この活性化ポイントが形成
されると、インク中に含まれる染料の反応基がこのポイ
ントで結合し、染着性が高まる。また、インク中の水分
も吸収され、インクの受容量も高まるという優れた作用
効果がある。
処理または乾燥空気の吹き付け処理等が利用できる。乾
燥空気にはH2、O3等の活性ガスを混入させても良い。
また、コロナ放電により帯電処理する方法も利用でき
る。
燥空気を約20リットル/minで、20cm×5cm
の開口部を通してアルミニウム陽極酸化被膜に吹き付け
る。このアルミニウム陽極酸化被膜の形成されたアルミ
ニウム板は上記開口部を約30cm/minの速度で通
過させ、インクジェット記録部へ搬送される。また、外
気温やアルミニウム板が低温であると効果が充分発揮さ
れないため、前記搬送用のトレーにプレートヒート用加
熱ヒーターを設け、予備的に約60℃程度まで加熱を行
うことが好ましい。
被記録材にインクジェット記録(第2の工程)が行われ
る。第2の工程でのインクジェット記録には通常の紙な
どの被記録材に適用されている記録装置や記録方式が利
用できる。
あれば特に制限されないが、陽極酸化被膜の染着性の良
い色材(染料)を用いたインクがより好ましい。すなわ
ち、アルミニウムまたはその合金の陽極酸化被膜では、
アルミニウムまたはその合金側を陽極として硫酸等の電
解液中で直流または交流での電解処理が行われて酸化被
膜が形成されるため、該被膜は、電解酸化反応における
脱水縮合過程でアルミニウムまたはその合金がその酸化
物に変化する際に生じる多種の中間生成物がなお含有さ
れた状態にある。この中間生成物は反応性に富んだもの
であり(例えばべーマイト)、このような中間生成物と
の反応性の高い染料を用いることで、染着性を向上させ
ることが可能となる。このような染料としては、例え
ば、アニオン性基の少なくとも一種を有する染料を挙げ
ることができ、特に、カルボキシル基及び/またはスル
ホン基を有する染料が好ましい。
にあることが好ましい。これは、被膜が陽極側で形成さ
れること及びアルカリ側で溶解され易いことなどによる
ものと考えられる。
目的が達成できるものであれば制限されないが、紙等に
用いる従来のインクジェット記録用インクに利用されて
いるグリセリンや分子量の高いグリコール類等の不揮発
性溶剤は、例えば図6に示すように揮発性溶剤が蒸発し
た後に画像形成面に残される。
量を経時的に表わす線図を示す。図6は、60℃の乾燥
条件下でシャーレに入れたインクの蒸発量を示すもの
で、縦軸が蒸発量、横軸が時間を示す。まず、60℃に
おいてインクを入れると揮発性成分が蒸発し、その蒸発
速度に従って蒸発量が増加するが、揮発成分が完全に蒸
発し不揮発成分だけが残ると、インク量は変わらず一定
となる。これが、セルに受容される量以上にあると、ま
わりのインク滴が相互に混じり合いブリードしてしま
い、画像品質が劣化してしまう恐れがある。
の吸収性を有する構造の被記録材では、これらの不揮発
性溶剤が下地へ浸透するので表面層の画像を構成してい
る染料への影響はなく、あるいは無視できる程度に小さ
い。これに対して、アルミニウムまたはその合金の表面
に形成された陽極酸化被膜では、紙等を用いた場合にお
ける不揮発性溶剤の下地方向への浸透は起きないので、
これらが被膜中に残存して、混色、ニジミ、ブリード等
の原因となる場合がある。水と染料のみで調製されたイ
ンクでは、装置内での気泡発生や記録に適した粘度がイ
ンクに得られない等の理由から、これらの不揮発性溶剤
のインクへの使用は、インクジェット記録装置を効果的
に作動させるために不可欠である。そこで、上述の不揮
発性溶剤による問題を防止する上では、不揮発性溶剤の
インク中での含有量を、インク滴が画像形成面に着弾し
て広がる領域内に存在するポアの総容積よりも小さい容
積を不揮発性溶剤が占めるように設定するのが好まし
い。
アの容積によって規定されるので、本発明におけるイン
クジェット記録の際のインク中の染料の打ち込み量は、
画像形成面を構成している陽極酸化被膜の構造、特にポ
アの容積に応じて設定されるのが好ましい。例えば、図
1に示した構造の陽極酸化被膜のセル径が約400オン
グストローム、ポアの径が約100オングストローム、
ポアの深さが約10μmであり、400dpiの条件で
の記録の場合、一画素一辺は63μm程度となるので、
この中には約240万個のセルが存在し、ポア一つ当り
の内容積が約0.0008μm3となるので、一画素あ
たりのポアの総容量は約1900μm3となる。このポ
アの総容量を一画素の面積でわった値が受容高さであ
り、0.46μmとなる。この場合のインク中の染料濃
度はこの受容高さによって規定される。単位インク滴当
りの容量(吐出量)が30ngである場合には、受容高
さ0.23μmは約3%の染料濃度になる。なお、着色
度、着色部の反射O.D.という観点から鮮明な画像を
得るには、受容高さは、0.2μm以上であることが好
ましく、陽極酸化被膜の形成に当って、この受容高さを
満足する膜厚、セル密度、ポアサイズが得られるように
電解条件を設定するのが望ましい。
出量が30ng、アルミニウム陽極酸化被膜の受容量が
0.46μmであるとき、インク中に含まれる不揮発性
成分の許容量は前記被膜受容量以下であることが重要で
ある。従って、6重量%以下の配合に抑えることによっ
て、画像ブリードが抑えられることが判明した。
(アルマイト)被膜の膜厚によって決定される。つま
り、膜厚が20μmほどであれば、約倍の配合まで可能
であり、セル密度が高い場合、及び、ポアサイズが大き
い場合は、更に配合率を上げることが可能である。ただ
し、一般的アルマイトにおいて約10%が上限で、5%
以下で設定されることが望ましい。
インクジェットヘッドの目詰りや発一性が悪くなり、か
えって画像品位を劣化させる場合があり、前記範囲内で
最適な配合比とすることが重要である。
ングリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレング
リコール、グリセリン及び尿素等で構成されるが、I/
J(インクジェット)適性に優れ、アルマイトへの印字
の悪影響がなければ、どの様な溶剤及び添加物であって
も良い。
ト記録においては、加熱によって発泡する溶剤であっ
て、水、IPA、アセトンやアルコール類であれば良
く、I/J適性に優れ、アルマイトの印字への悪影響が
なければどの様な溶剤であっても良い。
状態、60℃のドライ環境で、1.0×10-5g/mm
2・sec〜1.0×10-7g/mm2・secの範囲で
あることが望ましい。この時のアルマイト表面に打ち込
まれたインク滴が完全に蒸発する速度は数秒から数十秒
の時間となり、1スキャンから数スキャン内にインク滴
が乾くことになり、ニジミやブリードがなく高品位画像
記録できることとなる。
画像形成面に形成された画像に対して、第3の工程、す
なわち、画像が形成された陽極酸化被膜中のインクの溶
剤成分を蒸発させてインクの染料成分を定着させる工程
が行われるのが好ましい。
色成分は、染料であって、他の成分はインクジェット記
録時に必要な成分であって、アルマイト着色後には不用
な成分である。従って、記録後インク中の染料がセル中
におさまり、被膜との染着反応が完了したら、速やかに
不必要成分を除去することが必要である。
めに被膜自体を加熱し、反応を促進することが重要であ
る。次いで、染料をセルのポア内に沈着させるために、
インク中の揮発成分をできるだけ早く蒸発させ、染料を
セル内に留めることが高品位の画像を形成する上で重要
である。
が設計されるため、染料はできるだけ被膜の受容量最大
の値で設定されるが、ヘッドの吐出量はバラツキが多い
ため、被膜の受容量以上に打ち込まれるといった現象が
生ずる。更に、画像形成上、多色のインクを同一箇所に
打ち込むこともあり、染料自体も、不必要成分となり得
るため、被膜上に残ることがある。このように染料が被
膜に残っていると、後続のアルマイトの耐食性を向上さ
せるための封孔処理等でにじみ出し、画像品位を劣化さ
せたり、そのまま使用しても、水、結露等の耐水性の必
要な環境で同様なにじみ出しが生じ、画像品位は耐久性
のないものとなってしまう。
除く具体的方法の例を以下に述べる。
被膜が形成されたアルミニウム板を下部より1000W
のヒートシート上を通過させながら上部より赤外線ラン
プ、500W×3で加熱し、約30cm/minの移動
速度で通過させる。また、本例においては、Y、M、
C、Bkの4色の重ね打ちを行ったため、後処理とし
て、純水にて記録面を水洗し、余分な染料を除去し、乾
燥させて記録物を得る。この後、約100℃に沸騰させ
た純水にこの記録物を10分間アルマイトの封孔処理を
行って、その後、乾燥させて完成品とする。
ンク量の関係についてさらに詳細に説明する。
セルサイズ径をAμm、セル中に形成されるポアの径を
aμmとし、かつアルマイト被膜の厚みをLμmとす
る。ここで、アルマイトの各セルはほぼ正六角形状に配
列されるため、セル表面積Scは、
積当りのインク受容量高さRa(μm)は
3)、打ち込み面積をSd(μm2)とすると、打ち込ま
れた時の単位面積当りのインク滴の高さh(μm)は
体積比率がXとすると、乾燥後の不揮発性成分高さt
(μm)は
えないことが重要で、
画像品位が劣化してしまう。従って、
要である。また、一般的に、インクジェットにおいて
は、Vd/Sd=10μm、アルマイト被膜のa/A=
0.25であるので、通常は、
方法に用い得る記録装置の一例について説明する。
である。図中、710は記録ヘッドで、400dpi1
28ノズルのインクジェット記録ヘッドであり、吐出量
は1ドット当り25ngである。更に、Y(イエロ
ー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラッ
ク)の4色分用の4つのヘッドが設けられ、一走査でフ
ルカラーの画像を記録できるようにセットされている。
701は、前述のアルミニウムまたはその合金の板もし
くは箔からなる面に陽極酸化被膜を形成して画像形成面
とした被記録材である。ストッカー711に複数枚被記
録材701がセットされており、搬送機712によりベ
ルトコンベアーに送られ、印字用トレー715に送り出
される。714は、送りのための補助ローラである。
01は、ポンプ716での吸引によりトレー上にしっか
りと吸着固定される。715上の被記録材701が第1
の処理工程(脱水、活性化工程)が行われる領域に送り
込まれ、赤外線ランプ704からの赤外線の照射によっ
て加熱され、被記録材701の有する陽極酸化被膜中に
含まれる水分がとばされ、また脱水反応が行われるので
被膜が活性化される。また、ファン704を回転させて
送風することで、第1の工程における処理の効果をより
促進させることができる。
域から被記録材が搬出されると、直ちに記録ヘッド71
0によるインクジェット記録が行われる。この第2の工
程であるインクジェット記録には、ピエゾ方式や、静電
方式など種々のインクジェット記録方式が利用できる
が、高速記録を安定して行うことのできるバブルジェッ
ト方式が好適である。
合にニジミ等の問題が発生するようであれば、2パス、
4パス印字が採用される。ここで用いるインクとして
は、種々の組成のものが利用可能であるが、先に挙げた
ように染料の種類や、不揮発性溶剤の含有量を陽極酸化
被膜用に適したものを選択して用いるのが好ましい。画
像が記録された被記録材は、第3の工程の処理が行われ
る領域に直ちに搬送される。ここでは、画像が形成され
た陽極酸化被膜中に存在するインクの揮発性溶剤を蒸
発、飛散させ、さらにインクの染料と該被膜を反応させ
て、染着を促進し、定着を確実なものとするために行わ
れる。この装置では、ファンと赤外線ランプがセットに
なった加熱手段703によりこの第3の工程が行われ
る。なお、第3の工程では、インク中の染料の染着が目
的であり、空気中の水分及び酸素と陽極酸化被膜とが反
応して水酸化物の生成によって被膜中のポアが封鎖され
ることも染料の染着に好ましいプロセスであるので、第
1の工程と異り、必ずしもファンを作動させる必要はな
い。
録画像を有する記録物)は、ベルトコンベアー20と送
りローラ721を介してストッカー719に搬送され、
ハンドラー718によって所定位置に収納される。
板状形状のものであるが、これを搬送するトレーは被記
録材の形状に対応できるように適宜調節される。例え
ば、図8に示すようなスぺーサー811等を用いること
で円盤状の被記録材への記録にも対応可能となる。ま
た、この装置は、被記録材の厚みに応じて記録ヘッドと
被記録材の画像形成面との距離を調整する手段を有して
いることが望ましい。
熱効果を促進するためには、トレーにヒーター等の加熱
手段を補助的に設けて、例えば被記録材を各処理前に加
熱しておくことで、熱容量の大きな比較的大型の被記録
材の処理にでも加熱効率を高めて効果的な処理が可能と
なる。
て寸法に狂いが生じ、記録の幅方向及び送り方向のずれ
が生じ、記録画像に白スジの発生や印字サイズのズレ等
の問題が起る場合には、例えば図9に示すように、被記
録材901の画像形成面の表面温度を温度センサー90
2で検知し、増幅器(Amp)で増幅し、これをA/D
コンバーター(A/D)でデジタル化してからコンパレ
ーターで予め設定された値と比較して、クロックの信号
に対する最適ディレー信号で記録ヘッド910とモータ
903へ信号を送り、正しい位置に被記録材をセットで
きるように調整するシステムを用いるのが好ましい。
の合金の陽極酸化被膜では、被膜を構成するポアの封止
率、膜厚、ポアサイズ、セル密度等によるインク受容量
に対する影響が大きい。ところが、これらの被膜の特性
は同一条件で形成された複数の被記録材間でもバラツキ
が生じ、第2の工程において同一条件で記録を行うと画
質のバラツキ、特にロット間での画質のバラツキが発生
する場合がある。このような場合には、陽極酸化被膜の
記録の行われない部分に予め印字して、印字濃度、色間
の濃淡のバランス等を前調査し、その結果をフィードバ
ックして、記録ヘッドのパルス幅、ヘッド温度、フルパ
ルス間の時間等を制御して吐出量を調整する制御手段を
更に付加することでこのような問題を解決することがで
きる。
に、被記録材の非印字領域にエッチグングやプレスによ
って目印をマーキングし、その位置を適当な読取り手段
で読取り、被記録材の位置を常に確認し、その位置によ
って搬送手段を制御してより精度よい搬送を行うことも
できる。また、被記録材にソリ等がある場合には、ソリ
等の補正のためにローラ等にソリを矯正する機能を付加
しておくことも有効である。また、前記の目印が製品価
値を損なうものであれば、印字後にシャーリングプレス
等の手段によりこれを取り除けばよい。
ウムまたはその合金からなる部分を有する部材は、例え
ば屋内インテリア用であれば、そのままポア全部を封止
せずに、使用してもよく、屋外用で信頼性が要求される
ものであれば、ポアの封止処理を別途施して製品とする
のが好ましい。
であるインクジェット記録における機構の例について詳
細に述べる。
ット記録において前述のようにアルミニウム陽極酸化被
膜そのものはインク浸透性がなく、インク受容部となる
ポア部分の体積もそれほど大きいものではない。更に、
インクの蒸発性を高めても限度があるため、特に多色イ
ンクを同時に複数打ち込む記録方法である場合は、前述
の方法だけでは画像品位上不充分なことがある。
べての記録を行うのではなく、記録走査を複数回に分割
し、往復で記録を行うことを併用することで高品位画像
を得ることが可能となる。つまり、n回の走査で記録を
行う場合、複数(m個)並んだノズルをm/nだけ印字
面を送り、印字を繰り返し、n×aの画素単位を形成
し、n回の走査に分けてn×aの画素を埋めて記録する
方法である。これによって、記録走査でのムラを解消で
き、インクの染着及び定着するまでの時間をかせぎ、ポ
ア部分のインク受容が可能な乾燥時間を取ることが可能
となる。
ドット形成の具体例を示す。図10では、CインクとY
インクを同時に打ち込み形成する様子を示している。第
1走査に示すマス目は記録ヘッドの位置と走査時に打ち
込める範囲を示している。マス目の黒くぬりつぶした部
分が実際に記録信号を与えて記録を行った部分であり、
ヘッドの下1/2部分を半分の打ち込み量となるように
セットしてある。次に、第2走査でヘッドのノズル幅の
1/2だけ紙送りして記録ヘッドの上半分で第1走査で
記録しなかった残りの部分を記録し、下半分も同様なパ
ターンで記録し、1/2だけ残して記録する。更に、第
3走査、第4走査と繰り返し、100%記録部を形成す
る記録方法である。ここで、このような記録方法を2パ
ス印字と名づける。
消できるが、図10で示すように2色同時に打ち込むた
め、アルマイト被膜の受容量は2倍必要となってしま
い、前述したようにアルマイト被膜の薄いものなどには
不向きである。そこで、多色印字を行う場合で同時に同
一位置へ打ち込む記録方法においては、各パス毎に各色
が異る位置へ打ち込む様各色毎にパターンを変えて記録
する必要がある。
えて記録する具体的な例を示す。図11、12では、
Y、M、C、Bkの4色を用い、各64ノズルのヘッド
を4つ並列に並べた図13に示すような記録装置を用い
て記録を行う。図13で1201は4色の記録ヘッド、
1202は吐出部分、1203はキャリッジ、120
4、1205はアルミニウム板送りローラー、1206
は表面にアルマイト処理されたアルミニウム板、120
7はレール、1208はエンコーダーである。
行う場合、4つの色が重ならないように4×4の画素を
設定し、このうち4ドットを1パスで打ち込む様各色に
記録信号を選択する。図11、12はノズル列方向16
画素分、走査方向16画素分を示しており、4回の繰り
返し走査で100%画像を得るように設定されており、
前述と同様マス目の黒ぬり部が打ち込み部分である。こ
れを右方向に2ndパス、3rdパス、4thパスと、
16ノズル分ずつヘッドに対してアルミニウム板を送
り、記録する。これによって、各色毎が同時に打ち込ま
れなくなり、インク滴が各走査を繰り返す時間内にポア
部分に受容され、各色間のブリードがなくなり、高品位
なカラー画像を形成することが可能となる。この記録方
法をここでは各色パス印字と名づける。
果を説明する表を示す。それぞれの画像品位の判断基準
も併記する。1パスは通常の一走査で100%打ち込ん
で記録を行うもので、2パスは前述の図10で示した記
録方法、4パスは前述の図11、12で示した記録方法
である。また、モノカラーはBk単色で記録を行った場
合の画像品位を示しており、フルカラーはY、M、C、
Bkの4色のインクで同時に記録を行い、最大3色重ね
までの設定の記録方法である。
2パス以上の分割であれば走査ラインのムラ、記録面上
でのブリードがかなり抑えられ、実用上問題はないが、
フルカラー印字においては各色毎に分離したパスを用い
た4パス印字によって高品位画像が達成されることがわ
かる。
の。 △:2色重ね以上の部分でブリードがあるもの。 ×:ブリードが激しく全く画像品位の劣るもの。
する。
A4サイズのアルミニウム板(板厚0.5mm)の表面
に、前述したような記録装置を用い、更にインクを用い
て、本発明の方法にかかる工程に沿ってインクジェット
記録を行った。
乾燥処理を採用し、各々下記表2に示すように加熱な
し、40℃での加熱、60℃での加熱を適宜組合せた条
件で行った。得られた記録画像について画像品位を評価
した。評価基準及び結果を表2に併記する。同表に示す
結果により、第1の処理工程では60℃以上での加熱を
行えば、また、第3の処理工程では40℃以上での加熱
を行えば、最終的に良好な画像を形成できることが、更
に、第1の処理工程を行わない場合では第3の処理工程
をいかなる条件で行っても画像を良好に形成できないこ
とが判った。
記録におけるインクの不揮発性成分の溶剤比の影響につ
いてグリセリンを用いて行った評価を説明する。
量を下記表3に示す各量、残りを水とIPAを10:1
で混合した溶液とし、かかるインクを用いて膜厚10μ
mの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成したアルミ
ニウム板(A)と、膜厚20μmの陽極酸化被膜を形成
したアルミニウム板(B)に対して本発明の方法に係る
工程に沿ってバブルジェット(登録商標)記録方法によ
りインクジェット記録を行った。
した。評価基準は実施例1と同様である。結果を表3に
併記する。同表に示す結果より、膜厚10μmのアルマ
イト被膜を有するアルミニウム板では、グリセリン比率
5%以下で良好な画像品位が得られ、膜厚20μmのア
ルマイト被膜を有するアルミニウム板ではグリセリン比
率10%以下で良好な画像品位を得られることが判っ
た。
ば、アルミニウムまたはその合金の板もしくは箔の表面
に形成された陽極酸化被膜に対し、インク滴の付与前に
おいて上記脱水及び活性化処理を行うことにより、染料
との反応及びインクの受容量が向上し、更にインク滴の
付与後において上記被膜中に混在するインクの溶剤成分
を蒸発させてインク中の染料(色材)を染着させること
により、インクの定着性を向上させ、最終的に陽極酸化
被膜に優れた画像性能を有する記録画像を形成すること
ができる。
よれば、例えば、上述したような方法に従ってアルミニ
ウムまたはその合金の板もしくは箔の表面に設けられた
陽極酸化被膜に、最終的に優れた画像性能を有する記録
画像を形成することができる。
たはその合金の板もしくは箔の表面に設けられた陽極酸
化被膜にインクを付与する前後、即ち記録画像を形成す
る前後に上述したような方法による処理を施しているた
め、優れた画像性能を有するものとなっている。
構造を示す模式図である。
ードの発生状況を説明するための図である。
示す図である。
示す図である。
示す図である。
蒸発状態を示す線図である。
一例の要部の模式的概略図である。
用いるトレーの構成例を示す図である。
おける被記録材と記録ヘッドの位置合わせの際の被記録
材の画像形成面の温度に応じた位置補正システムの一例
を示す図である。
記録媒体上でのドット形成の具体例を示す説明図であ
る。
おいて各色毎にパターンを変えて記録する場合の具体例
を示す説明図である。
おいて各色毎にパターンを変えて記録する場合の具体例
を示す説明図である。
行う装置の例を示す斜視図である。
する被記録材 31−1 陽極酸化被膜 31−2 アルミニウムまたはその合金からなる基部 32 保管箱 33 N2ブロー管 34 樹脂性袋 35 脱酸素剤 36 粘着テープ 36−1 プラスチックフィルム 36−2 粘着層 701、910 記録ヘッド 702 第1の工程が行われる領域 703 第3の工程が行われる領域 704 赤外線ランプ 705 ファン 711、719 ストッカー 712、718 ハンドラー 713、720 ベルトコンベアー 714、721 送りローラ 715 搬送トレー 716 吸引ポンプ 717、903 送りモーター 811 補助シート 902 温度センサー 1201 記録ヘッド 1202 吐出部分 1203 キャリッジ 1204、1205 アルミニウム板送りローラー 1206 アルマイト被膜が形成されたアルミニウム
板 1207 レール 1208 エンコーダー
Claims (9)
- 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる板もしくは箔の表面に形成された陽極酸化被膜に
対し、インク吐出口を複数備えた記録ヘッドから少なく
とも一色以上のインク滴を付与して記録画像を形成する
インクジェット記録方法であって、 (a)前記陽極酸化被膜を非液系活性化処理する工程;
および (b)前記工程(a)によって活性化されている陽極酸
化被膜に前記記録ヘッドの吐出口より画像記録信号に応
じてインク滴を飛翔させ、前記非液系活性化処理されて
いる陽極酸化皮膜の所定位置にインク滴を付与して記録
画像を形成する工程;及び (c)前記工程(b)によって該陽極酸化被膜に付着し
たインク滴に含まれる染料を、該陽極酸化被膜を加熱す
ることにより該陽極酸化被膜中に染着させる工程 を有
し、該インクは、不揮発性成分を含み、且つ 前記工程(b)
は、該インクを、該不揮発性成分が、該陽極酸化被膜の
ポア内部に収容される量で付与する工程を含む ことを特
徴とするインクジェット記録方法。 - 【請求項2】 該インクが、揮発性成分と不揮発性成分
とを含む請求項1に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項3】 該インクジェット記録方法が、該揮発性
成分を加熱し、発泡させることによって該インクを吐出
させる方法である請求項2に記載のインクジェット記録
方法。 - 【請求項4】 該揮発性成分が、水およびアルコールか
ら選ばれる少なくとも1つを含む請求項2または3に記
載のインクジェット記録方法。 - 【請求項5】 該不揮発性成分が、色材を含む請求項1
または2に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項6】 該不揮発性成分として、不揮発性溶剤を
更に含む請求項5に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項7】 該不揮発性溶剤が、ジエチレングリコー
ル、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、
グリセリンおよび尿素から選ばれる少なくとも1つであ
る請求項6に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項8】 該インクの打ち込み量(Vd)を、該イ
ンク中の不揮発性成分が、該ポアのインク受容量高さ
(Ra)を越えることなく該ポア内部に収容される様に
調整する請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェッ
ト記録方法。 - 【請求項9】 該インクの打ち込み量(Vd)が下記式
で示される関係を有する請求項8に記載のインクジェッ
ト記録方法: 【数1】 (上記式中、aはポアの直径、Aはセルサイズ、Sdは打
ち込み面積、Lは陽極酸化被膜の厚み、Xはインク中に
占める不揮発性成分の体積比率である)。
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