JP3370877B2 - 交流btき電回路故障点標定装置 - Google Patents

交流btき電回路故障点標定装置

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JP3370877B2
JP3370877B2 JP33502496A JP33502496A JP3370877B2 JP 3370877 B2 JP3370877 B2 JP 3370877B2 JP 33502496 A JP33502496 A JP 33502496A JP 33502496 A JP33502496 A JP 33502496A JP 3370877 B2 JP3370877 B2 JP 3370877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道における交流B
T(Boosting Transformer:吸上変圧器)き電回路にお
いて発生するトロリ線と負き電線あるいはレールとの短
絡(故障)発生点の変電所からの距離を知るための故障
点標定の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】図5に交流BTき電回路および従来の故
障点標定装置を示す。交流BTき電回路は、軌道に沿っ
て所定間隔で設けられる吸上変圧器15の1次巻線を直
列に接続していくトロリ線19と、2次巻線を直列に接
続していく負き電線20と、負き電線・レール間を接続
する吸上線16とから構成されており、変電所の電源2
2からトロリ線19と負き電線20に電力が供給される
ようになっており、負き電線20と吸上線16の接続点
の前と後には電圧降下対策用の直列コンデンサ17が挿
入されており、短絡事故発生時の大電流により直列コン
デンサ17が破壊するのを保護するために放電器18が
設けられている。この放電器18は例えば直列コンデン
サ17の電流容量の2.5倍の電流が流れると放電する
ように設定されており、短絡事故が発生すると放電して
短絡状態となることが前提とされている。
【0003】一方、変電所においては、リアクタンス計
測器25により、短絡事故発生時におけるき電電圧およ
びき電電流に基づいて短絡点までの線路リアクタンス値
を算出し、このリアクタンス値に基づいて故障点標定器
26が変電所から短絡点までの距離(き電距離)を示す
ようになっている。これは、放電器18が放電短絡した
状態における線路リアクタンスが図6に示すように、短
絡点までのき電距離の関数となっていることを利用した
ものである。実線29はトロリ線とレール間に短絡を生
じた場合であり、点線28はトロリ線と負き電線間に短
絡を生じた場合である。こうして得られた距離を頼りに
して短絡箇所を探索し故障復旧を行っているのである。
この他、鉄道では、線路に沿って通信線27が敷設され
ており、車両の運行や保守点検に必要な情報の通信が行
われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが近時輸送力の
増強という趨勢のもとに列車本数が増加され、同じ軌道
上を同時に走行する列車の本数が増加し、送電電流も大
きくする必要に迫られ負き電線挿入の直列コンデンサ1
7の電流容量も必然的に大きくなって来ている。そし
て、保護用の放電器18が放電する電流は直列コンデン
サの電流容量の2.5倍であるから放電が起きる電流も
必然的に大きくなる。一方、短絡事故発生時の故障電流
の大きさは変電所の電流容量によって限度がほぼ定まっ
ている。従って、直列コンデンサの電流容量の2.5倍
の電流値が短絡時流れる故障電流の値を上回るようにな
ると短絡事故が発生しても放電器18が放電しない場合
が発生するようになってくる。一方、仮に直列コンデン
サ保護用の放電器18の放電開始を直列コンデンサの電
流容量の2.5倍より小さくしても、短絡点が変電所か
ら遠方になると故障電流が小さくなり最大負荷電流に接
近するため、放電器18が放電しない場合も発生する。
【0005】ところが、直列コンデンサ保護用の放電器
が放電しない場合の線路リアクタンスとき電距離の関係
は図6とは異なったものとなる。図7にトロリ線と負き
電線間に短絡の生じた場合について放電が起きた場合と
起きなかった場合の線路リアクタンスとき電距離の関係
を示す。直線30は放電した場合で図6の点線28と同
じであるが、放電が起きなかった場合には直線31のよ
うに直列コンデンサの存在する位置dで直列コンデンサ
のリアクタンス分xだけ低くなる。
【0006】従って、直列コンデンサ保護用の放電器が
放電しなかった場合にはリアクタンス計測器から得られ
たリアクタンス値rに対して直線31を用いてき電距離
1を求めなければならない。しかるに、従来は短絡時
には直列コンデンサ保護用の放電器は当然放電するもの
との前提に立ち直線30を用いてき電距離d2 を求めて
いた。即ち、実際の短絡点までのき電距離はd1 である
にもかかわらずd2 が示され、それに基づいて短絡箇所
の探索が行われていた。このように不正確な距離情報に
基づく探索であったため短絡点発見に無駄時間を要する
という問題点があった。
【0007】更に、図6から明らかなように、トロリ線
と負き電線が短絡した場合と、トロリ線とレールが短絡
した場合とでは線路リアクタンスとき電距離の関係は異
なる。即ち、リアクタンス計測器25から得られたリア
クタンス値が同じでも、トロリ線・負き電線間短絡と、
トロリ線・レール間短絡とではき電距離が異なる。にも
かかわらず従来は、いずれの短絡であるかを識別するこ
となく一方のき電距離あるいは両方のき電距離という不
確かな距離情報に基づいて短絡点の探索を行っていたた
め短絡点発見に無駄時間を要するという問題があった。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑みて、短絡が発生しているにもかかわらず放電器が放
電しない場合を検出し、そのときに得られたリアクタン
ス値を放電が起きている場合と同等の値に補正してより
正確な短絡点位置が得られる交流BTき電回路故障点標
定装置を提供すること、或いは、短絡がトロリ線と負き
電線との間に生じたのかレールとの間に生じたのかを識
別してそれぞれに対応したき電距離対線路リアクタンス
特性によってより正確な短絡点までの距離を示す交流B
Tき電回路故障点標定装置を提供すること、更には放電
の有無およびどちらの短絡かの両方の情報を基にして更
に正確な短絡点までの距離を示す交流BTき電回路故障
点標定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、第1の発明(請求項1の発明に対応)の交流BTき
電回路故障点標定装置は以下の各手段を具備する。 (イ)負き電線に挿入されている電圧降下対策用直列コ
ンデンサ保護用の放電器の放電の有無を検出する放電検
出手段 (ロ)トロリ線と負き電線間あるいはトロリ線とレール
間に短絡を生じたときに短絡発生を示す故障電流が流れ
たことを検出する故障電流検出手段 (ハ)放電検出手段からの放電検出情報と故障電流検出
手段からの故障電流検出情報を通信線へ送信する送信手
段 (ニ)送信手段から通信線へ送信された情報を該通信線
から受信する受信手段 (ホ)トロリ線と負き電線あるいはレールとの間に短絡
が発生したとき、変電所のき電電圧およびき電電流に基
づいて変電所から短絡点までの線路リアクタンスを算出
し出力するリアクタンス計測器 (ヘ)リアクタンス計測器からのリアクタンス値と受信
手段からの情報を受け、情報が故障電流が流れたことお
よび放電が生じたことを示すものであるときは、前記リ
アクタンス値をそのまま出力し、これに対し、情報が故
障電流は流れたが放電が生じなかったことを示すもので
あるときは前記リアクタンス値に放電が生じたときと同
等の値にする補正を加えて出力する補正手段 (ト)補正手段からのリアクタンス値に基づいて変電所
から短絡点までの距離を示す故障点標定手段
【0010】第2の発明の交流BTき電回路故障点標定
装置は以下の各手段を具備する。 (イ)負き電線の吸上線との接続点の前後と吸上線に設
けられた変流器からの信号により故障電流を検出すると
ともに、負き電線に設けられた変流器のみから故障電流
が検出されたときはトロリ線と負き電線間の短絡事故と
識別し、吸上線に設けられた変流器からも故障電流が検
出されたときはトロリ線とレール間の短絡事故と識別す
故障電流検出短絡識別手段 (ロ)故障電流検出短絡識別手段からの短絡識別情報を
通信線へ送信する送信手段 (ハ)送信手段から通信線へ送信された短絡識別情報を
受信する受信手段 (ニ)トロリ線と負き電線あるいはレールとの間に短絡
が発生したとき、変電所のき電電圧およびき電電流に基
づいて変電所から短絡点までの線路リアクタンスを算出
し出力するリアクタンス計測器 (ホ)リアクタンス計測器からのリアクタンス値と受信
手段からの短絡識別情報を受けて、情報がトロリ線・負
き電線間の短絡発生を示すものであるときは、リアクタ
ンス値に対応する変電所からトロリ線・負き電線間短絡
点までの距離を、情報がトロリ線・レール間の短絡発生
を示すものであるときは、リアクタンス値に対応する変
電所からトロリ線・レール間短絡点までの距離をそれぞ
れ区別して示す故障点標定手段
【0011】第3の発明(請求項2の発明に対応)の交
流BTき電回路故障点標定装置は以下の各手段を具備す
る。 (イ)負き電線に挿入されている電圧降下対策用直列コ
ンデンサ保護用の放電器の放電の有無を検出する放電検
出手段 (ロ)トロリ線と負き電線間あるいはトロリ線とレール
間に短絡が生じたときに、短絡によって生ずる故障電流
を検出するとともにその流れ方によっていずれに短絡が
生じたかを識別検出する故障電流検出短絡識別手段 (ハ)放電検出手段からの放電検出情報と、故障電流検
出短絡識別手段からの故障電流検出短絡識別情報を通信
線へ送信する送信手段 (ニ)送信手段から通信線へ送信された情報を該通信線
から受信する受信手段 (ホ)トロリ線と負き電線あるいはレールとの間に短絡
が発生したとき、変電所のき電電圧およびき電電流に基
づいて変電所から短絡点までの線路リアクタンスを算出
し出力するリアクタンス計測器 (ヘ)リアクタンス計測器からのリアクタンス値と受信
手段からの情報を受け、情報が故障電流が流れたことお
よび放電が生じたことを示すものであるときは、前記リ
アクタンス値をそのまま出力し、これに対し、情報が故
障電流は流れたが放電が生じなかったことを示すもので
あるときは前記リアクタンス値に放電が生じたときと同
等の値にする補正を加えて出力する補正手段 (ト)補正手段からのリアクタンス値と受信手段からの
短絡識別情報を受けて、情報がトロリ線・負き電線間の
短絡発生を示すものであるときは、リアクタンス値に対
応する変電所からトロリ線・負き電線間短絡点までの距
離を、情報がトロリ線・レール間の短絡発生を示すもの
であるときは、リアクタンス値に対応する変電所からト
ロリ線・レール間短絡点までの距離をそれぞれ区別して
示す故障点標定手段
【0012】第4の発明(後記の第2を除いて請求項3
の発明に対応)は、第2又は第3の発明において、故障
電流検出短絡識別手段が、吸上線に1箇所および負き電
線の吸上線との接続点の前後の2箇所の計3箇所に設け
られた変流器と各変流器毎に接続され変流器に流れる電
流が予め定めた値を超えると作動する3個の継電器とか
らなり、トロリ線とレールが短絡したときには吸上線に
設けられた継電器が作動し、トロリ線と負き電線が短絡
したときには負き電線に設けられた変流器に接続された
継電器のみが作動するものであることを特徴とする交流
BTき電回路故障点標定装置である。
【0013】第5の発明(後記の第2を除いて請求項4
の発明に対応)は、第2又は第3の発明において、故障
電流検出短絡識別手段が、負き電線の吸上線との接続点
の前後の2箇所に設けられた変流器と、該各変流器毎に
設けられ流器に流れる電流が予め定めた値を超えたと
き作動する2個の継電器と、前記2個の変流器に流れる
電流の差電流が予め定めた値を超えたとき作動する差電
流継電器とからなり、トロリ線とレールが短絡したとき
には差電流継電器が作動し、トロリ線と負き電線が短絡
したときには、3個の継電器のうち差電流継電器のみ作
動しないものであることを特徴とする交流BTき電回路
故障点標定装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、交流BTき電回路のト
ロリ線、負き電線およびレールに沿って、吸上線、電圧
降下対策用直列コンデンサおよび直列コンデンサ保護用
の放電器の設けられている場所毎に対応して、放電検出
手段、故障電流検出手段、故障電流検出短絡識別手段、
送信手段が設けられ、変電所に受信手段、リアクタンス
計測器、補正手段が設けられ、故障点標定手段は、変電
所或いは鉄道電力指令所に設けられて、全体が1つのシ
ステム装置として機能を発揮するものである。
【0015】本発明が対象とする故障は短絡事故であ
る。この短絡には、トロリ線とレール間の短絡と、もう
1つトロリ線と負き電線の短絡があり、この2つの短絡
は変電所から短絡点までのき電距離に対する線路リアク
タンスの特性が異なる。従って、変電所に設けられたリ
アクタンス計測器によって短絡時のリアクタンス値が分
かったとしても短絡点までの正確な距離を知るためには
どちらの短絡かを知ってその特性に従う必要がある。
【0016】また、従来の短絡時における短絡点までの
き電距離対線路リアクタンス特性は、短絡発生時に放電
器が放電して直列コンデンサが短絡状態になることを前
提としている。もしこのとき放電器が放電しなければき
電距離対線路リアクタンス特性は異なったものとなるの
で、短絡点までの正確な距離を知るには放電器が放電し
たか否かを把握してそれに対応したき電距離対線路リア
クタンス特性から距離を求める必要がある。
【0017】第1の発明は、短絡事故発生時に放電器が
放電したか否かを検出し、放電しているときには、リア
クタンス計測器で得られた線路リアクタンスに特に補正
を加えずに故障点標定手段へ送り、従来通りき電距離対
線路リアクタンス特性から短絡点までの距離を求める
が、放電しなかった場合には、き電距離対線路リアクタ
ンス特性が異なってくるのでその分だけ、リアクタンス
値に補正手段で予め補正を加えてから故障点標定手段へ
送り、短絡点までの距離を求めるというものである。
【0018】第2の発明は、短絡がトロリ線とレールと
の間に発生したのかトロリ線と負き電線との間に発生し
たのかによって、き電距離対線路リアクタンス特性が異
なることに着眼して、短絡事故発生時、故障電流の流れ
方によってどちらに発生したかを識別し、リアクタンス
計測器で得られたリアクタンス値に基づいて故障点標定
手段で短絡点までの距離を求める際に、基づくき電距離
対線路リアクタンス特性を選択して距離を示すというも
のである。
【0019】以上、第1の発明は放電器の放電の有無、
第2の発明は短絡事故がトロリ線と、レールあるいは負
き電線のいずれとの間の短絡かを識別することによっ
て、従来より正確に短絡点を求めるものであるが、な
お、第1の発明ではいずれの短絡であるかが識別されて
おらず、第2の発明では放電の有無が識別されていない
ので得られた距離が真の距離でない確率が残っている。
そこで、第3の発明では、放電の有無と、いずれの短絡
であるかの両方の識別を行い、補正と、線路リアクタン
ス特性の選択の両方を行わせることにより一層正確な短
絡点距離を求めるようにしたものである。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、交流BTき電回路に第1の発明を適用し
た場合の実施例の構成を示すブロック図である。まず、
短絡事故発生時に放電器18が放電したか否かを検出す
るために放電センサ1を設け、そのセンサ出力を放電検
出器2へ導いている。ここでは放電センサ1と放電検出
器2が課題解決手段にいう放電検出手段を構成してい
る。次に、負き電線20の吸上線16との接続点の前後
に変流器3を設け、検出された電流を故障電流検出器4
へ導いている。故障電流検出器4は、予め設定された値
を超える電流が流れたときは短絡事故が発生したものと
判断する。トロリ線19と負き電線20間、あるいはト
ロリ線19とレール21間のいずれに短絡事故が発生し
ても負き電線20には故障時大電流が流れるので短絡発
生を知ることができる。こうして得られた放電検出情報
と故障電流検出情報は送信手段5を経て通信線27へ送
信される。
【0021】一方変電所側においては、短絡事故発生時
の電源22のき電電圧とき電電流を変圧器24および変
流器23により検出してリアクタンス計測器25でリア
クタンス値を算出する。これは従来と同じである。算出
されたリアクタンス値は補正手段7へ送られる。補正手
段7へは、通信線27から情報を受信した受信手段6か
らの情報が入力されており、この情報が故障電流が検出
され且つ放電が起きたことを示すものであるときは、入
力されたリアクタンス値には何ら補正を加えず故障点標
定器26へ出力し、従来通り短絡点までのき電距離が示
される。
【0022】これに対し、情報が故障電流は検出された
が放電が起きなかったことを示すものであるときには、
入力されているリアクタンス値に対して、放電が起きた
ときと同等の値になるように補正したうえで故障点標定
器26へ送る。この補正は図7の場合で説明するなら
ば、入力されているリアクタンス値に対してxだけ加算
するということである。こうして、従来、計測されたリ
アクタンス値がrで放電しなかったとき真のき電距離が
1 であるのにもかかわらずd2 として示されたが、r
にxを加算して標定することにより真の距離d1 が示さ
れることになる。
【0023】図2は、交流BTき電回路に第2の発明を
適用した場合の実施例の構成を示すブロック図である。
この例では、吸上線16にも変流器10を設け他の変流
器3とともに故障電流検出短絡識別器8へ接続されてい
る。負き電線20に変流器3を設けることにより短絡事
故を検出できることは第1の発明で述べた通りである
が、更に、吸上線16に変流器10を設けて検出するこ
とにより、短絡がトロリ線19とレール21との間に発
生したのか、トロリ線19と負き電線20との間に発生
したのかを識別することができる。これはトロリ線19
と負き電線20間の短絡では吸上線16には短絡電流は
流れず、トロリ線19とレール21間の短絡では吸上線
16に電流が流れるからである。
【0024】こうして、故障電流検出短絡識別器8は、
故障(短絡)電流の検出とともに短絡がどちらに発生し
たかも識別し得る。ここでは変流器3、変流器10およ
び故障電流検出短絡識別器8が課題解決手段にいう故障
電流検出短絡識別手段を構成していることになる。この
短絡識別情報は送信手段5を経て通信線27へ送信され
る。
【0025】変電所側においては、従来通りリアクタン
ス計測器25が、短絡事故発生時のリアクタンス値を算
出し故障点標定器9へ送出する。一方受信手段6が通信
線からの情報を受信し、短絡がトロリ線19と、負き電
線、レールのどちらとの間に発生したかを示す識別信号
を故障点標定器9へ送出する。そうすると故障点標定器
9は、識別信号に従って、図6の特性28又は特性29
を選択したうえで入力されたリアクタンス値に対応する
き電距離(変電所から短絡点までの距離)を区別して示
す。こうして、従来のように、短絡がどちらに発生した
か不明であることによってもたらされていた短絡点まで
の距離の不正確さが解消される。
【0026】図3は、交流BTき電回路に第3の発明を
適用した場合の実施例の構成を示すブロック図である。
放電センサ1と放電検出器2とで第1の発明と同様に短
絡事故発生時に放電器18が放電したか否かを検出す
る。同時に、負き電線20に設けられた変流器3と、吸
上線16に設けられた変流器10と故障電流検出短絡識
別器8とで第2の発明と同様に故障(短絡)電流の検出
とともに、短絡がどちらに発生したかを識別する。こう
して得られた放電検出情報と短絡識別情報は送信手段5
を経て通信線27へ送信される。
【0027】変電所側ではリアクタンス計測器25で算
出されたリアクタンス値が補正手段7へ入力される。通
信線27から情報を受信した受信手段6は放電検出情報
および故障電流検出情報を補正手段7へ送出するととも
に短絡識別情報と故障点標定器9へ送出する。補正手段
では第1の発明と同様に、情報が故障電流が検出され且
つ放電が起きたことを示すものであるときは入力された
リアクタンス値に補正を加えず故障点標定器9へ出力
し、情報が故障電流は検出されたが放電が起きなかった
ことを示すものであるときは、入力されたリアクタンス
値に放電が起きたときと同等の値になるよう補正を加え
て故障点標定器9へ出力する。故障点標定器9は第2の
発明と同様に、短絡識別情報に従って図6の特性28又
は特性29を選択したうえで入力されたリアクタンス値
に対応するき電距離(変電所から短絡点までの距離)を
区別して示す。
【0028】このように第3の発明では、放電の有無
と、いずれの短絡であるかの両方の識別を行い、補正
と、線路リアクタンス特性の選択の両方を行わせること
により、第1の発明、第2の発明よりも一層正確な短絡
点距離を知ることができる。上記第2の発明および第3
の発明では故障電流検出短絡識別手段は、変流器3を2
個と変流器10を用いているが変流器10を用いなくと
も同等の機能を果たすことができる。図4は、吸上線1
6と、負き電線20の吸上線16との接続点Pの前後を
示す図である。接続点Pの左側に設けられている変流器
3は故障電流検出短絡識別器8の継電器11に接続され
ており、右側に設けられている変流器3は継電器14に
接続されており、いずれも負き電線20に短絡電流が流
れたときに作動する。
【0029】ところで、トロリ線19が負き電線20と
短絡したときは、短絡電流は負き電線を流れるのみであ
るが、トロリ線19とレール21が短絡したときには吸
上線16にも電流が流れる。このときの電流を、接続点
Pの左側の電流をI1 、右側の電流をI2 、吸上線16
を流れる電流をI3 とすれば3者の間にはキルヒホッフ
の定理によりI1 =I2 +I3 なる関係が成立する。従
って、吸上線16を流れる電流I3 はI1 −I2 という
ことになる。ここで、トロリ線19と負き電線20が短
絡したときにはI1 =I2 であるからI3 は流れない。
一方、トロリ線19とレール21が短絡すると、片方向
から電流が流れ込んだ場合I1 =I3 ,I2 =0,また
はI1 =0,I2 =−I3 ,または両方向から電流が流
れ込んだ場合I1 とI2 は符号が異なりI3 =I1 −I
2 となる。
【0030】即ち、吸上線16を流れる電流は変流器1
0を設けて直接検出しなくともI1とI2 の差をとれば
知ることができるのである。従って、差電流抽出器12
によって左側の変流器3の電流と右側の変流器3の電流
の差を抽出し、これを継電器13に接続しておけば、吸
上線16に短絡電流が流れたときに継電器13が作動す
る。その結果、継電器13が作動したときにはトロリ線
19とレール21との間に短絡があったことを示し、継
電器11、14のみが作動し、継電器13が作動しない
ときはトロリ線19と負き電線20との間に短絡があっ
たことを示すことになる。このように負き電線にしか変
流器を設けなくとも短絡がどちらに発生したかを識別す
ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の交流BT
き電回路故障点標定装置は、短絡時に放電器が放電しな
かったときはリアクタンス値を放電したときと同等の値
に補正したうえで短絡点までの距離を求めるようにし、
或いは短絡がトロリ線と負き電線との間に発生したのか
トロリ線とレールとの間に発生したのかを識別してそれ
ぞれに固有のき電距離対線路リアクタンス特性によって
短絡点までの距離を求め、更には放電しなかったときの
補正とどちらの間で短絡が発生したかによりそれに対応
するき電距離対線路リアクタンス特性の選択により短絡
点までの距離を求めるようにしたことにより、従来の故
障点標定よりも極めて正確な故障点標定が可能となり故
障点の探索を従来よりも極めて迅速に行えるようになる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】交流BTき電回路に第1の発明を適用した場合
の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】交流BTき電回路に第2の発明を適用した場合
の実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】交流BTき電回路に第3の発明を適用した場合
の実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】第2の発明および第3の発明の発明において、
吸上線に変流器を用いずに吸上線を流れる故障電流を検
出可能とする回路構成を示す図である。
【図5】交流BTき電回路における従来の故障点標定装
置の構成を示す図である。
【図6】交流BTき電回路において短絡事故が発生し放
電器が放電した場合におけるき電距離対線路リアクタン
ス特性を示すグラフである。
【図7】交流BTき電回路においてトロリ線・負き電線
間に短絡が発生した場合において放電器が放電した場合
としなかった場合のき電距離対線路リアクタンス特性の
比較を示した図である。
【符号の説明】
1 放電センサ 2 放電検出器 3 変流器 4 故障電流検出器 5 送信手段 6 受信手段 7 補正手段 8 故障電流検出短絡識別器 9 故障点標定器 10 変流器 11 継電器 12 差電流抽出器 13 継電器 14 継電器 15 吸上変圧器 16 吸上線 17 直列コンデンサ 18 放電器 19 トロリ線 20 負き電線 21 レール 22 電源 23 変流器 24 変圧器 25 リアクタンス計測器 26 故障点標定器 27 通信線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−9350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60M 3/00 G01R 31/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の各手段を具備することを特徴とす
    る交流BTき電回路故障点標定装置。 (イ)負き電線に挿入されている電圧降下対策用直列コ
    ンデンサ保護用の放電器の放電の有無を検出する放電検
    出手段 (ロ)トロリ線と負き電線間あるいはトロリ線とレール
    間に短絡を生じたときに短絡発生を示す故障電流が流れ
    たことを検出する故障電流検出手段 (ハ)放電検出手段からの放電検出情報と故障電流検出
    手段からの故障電流検出情報を通信線へ送信する送信手
    段 (ニ)送信手段から通信線へ送信された情報を該通信線
    から受信する受信手段 (ホ)トロリ線と負き電線あるいはレールとの間に短絡
    が発生したとき、変電所のき電電圧およびき電電流に基
    づいて変電所から短絡点までの線路リアクタンスを算出
    し出力するリアクタンス計測器 (ヘ)リアクタンス計測器からのリアクタンス値と受信
    手段からの情報を受け、情報が故障電流が流れたことお
    よび放電が生じたことを示すものであるときは、前記リ
    アクタンス値をそのまま出力し、これに対し、情報が故
    障電流は流れたが放電が生じなかったことを示すもので
    あるときは前記リアクタンス値に放電が生じたときと同
    等の値にする補正を加えて出力する補正手段 (ト)補正手段からのリアクタンス値に基づいて変電所
    から短絡点までの距離を示す故障点標定手段
  2. 【請求項2】 以下の各手段を具備することを特徴とす
    る交流BTき電回路故障点標定装置。 (イ)負き電線に挿入されている電圧降下対策用直列コ
    ンデンサ保護用の放電器の放電の有無を検出する放電検
    出手段 (ロ)トロリ線と負き電線間あるいはトロリ線とレール
    間に短絡が生じたときに、短絡によって生ずる故障電流
    を検出するとともにその流れ方によっていずれに短絡が
    生じたかを識別検出する故障電流検出短絡識別手段 (ハ)放電検出手段からの放電検出情報と、故障電流検
    出短絡識別手段からの故障電流検出短絡識別情報を通信
    線へ送信する送信手段 (ニ)送信手段から通信線へ送信された情報を該通信線
    から受信する受信手段 (ホ)トロリ線と負き電線あるいはレールとの間に短絡
    が発生したとき、変電所のき電電圧およびき電電流に基
    づいて変電所から短絡点までの線路リアクタンスを算出
    し出力するリアクタンス計測器 (ヘ)リアクタンス計測器からのリアクタンス値と受信
    手段からの情報を受け、情報が故障電流が流れたことお
    よび放電が生じたことを示すものであるときは、前記リ
    アクタンス値をそのまま出力し、これに対し、情報が故
    障電流は流れたが放電が生じなかったことを示すもので
    あるときは前記リアクタンス値に放電が生じたときと同
    等の値にする補正を加えて出力する補正手段 (ト)補正手段からのリアクタンス値と受信手段からの
    短絡識別情報を受けて、情報がトロリ線・負き電線間の
    短絡発生を示すものであるときは、リアクタンス値に対
    応する変電所からトロリ線・負き電線間短絡点までの距
    離を、情報がトロリ線・レール間の短絡発生を示すもの
    であるときは、リアクタンス値に対応する変電所からト
    ロリ線・レール間短絡点までの距離をそれぞれ区別して
    示す故障点標定手段
  3. 【請求項3】 故障電流検出短絡識別手段が、吸上線に
    1箇所および負き電線の吸上線との接続点の前後の2箇
    所の計3箇所に設けられた変流器と各変流器毎に接続さ
    れ変流器に流れる電流が予め定めた値を超えると作動す
    る3個の継電器とからなり、トロリ線とレールが短絡し
    たときには吸上線に設けられた継電器が作動し、トロリ
    線と負き電線が短絡したときには負き電線に設けられた
    変流器に接続された継電器のみが作動するものであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の交流BTき電回路故障点
    標定装置。
  4. 【請求項4】 故障電流検出短絡識別手段が、負き電線
    の吸上線との接続点の前後の2箇所に設けられた変流器
    と、該各変流器毎に設けられ変流器に流れる電流が予め
    定めた値を超えたとき作動する2個の継電器と、前記2
    個の変流器に流れる電流の差電流が予め定めた値を超え
    たとき作動する差電流継電器とからなり、トロリ線とレ
    ールが短絡したときには差電流継電器が作動し、トロリ
    線と負き電線が短絡したときには、3個の継電器のうち
    差電流継電器のみ作動しないものであることを特徴とす
    る請求項2記載の交流BTき電回路故障点標定装置
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