JP2000147048A - 交流btき電回路故障判定装置 - Google Patents

交流btき電回路故障判定装置

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JP2000147048A
JP2000147048A JP10326235A JP32623598A JP2000147048A JP 2000147048 A JP2000147048 A JP 2000147048A JP 10326235 A JP10326235 A JP 10326235A JP 32623598 A JP32623598 A JP 32623598A JP 2000147048 A JP2000147048 A JP 2000147048A
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line
circuit
suction
fault
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JP10326235A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Mochinaga
芳文 持永
Hiroyasu Toda
弘康 戸田
Taiji Hisamizu
泰司 久水
Shinichi Nakatani
真一 中谷
Fumitake Ishiwaki
史猛 石脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TSUDA DENKI KEIKI KK
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
TSUDA DENKI KEIKI KK
Railway Technical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流電気鉄道の吸上変圧器き電回路において
発生する短絡故障をより正確に判定する交流BTき電回
路故障判定装置等を提供する。 【解決手段】 変電所から交流電力を一端に供給される
ネガティブ・フィーダ線(NF)とトロリー線(T)を
レール(R)と併走する状態に張架すると共にNFとT
に沿って吸上変圧器(BT)を少なくとも1つ挿設しB
Tにより区分された区間毎にNFとRとを吸上線で接続
してなる交流電気鉄道の吸上変圧器き電回路における短
絡故障を判定する装置であって、吸上線を流れる電流が
設定値を超えたことを吸上線毎に感知する吸上線電流感
知部109a〜109dと、少なくとも1つの吸上線を
流れる電流が設定値を超えたと感知した場合は超えたと
感知された吸上線が接続された区間でTとRとの短絡故
障が発生したと標定しさらに電圧救済用コンデンサ10
7a〜bのリアクタンス値分を補正する故障判定部11
2とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電気鉄道の吸
上変圧器き電回路(以下、「BTき電回路」という)に
おける短絡故障を判定する交流BTき電回路故障判定装
置及びその方法に関し、特に、より正確に短絡故障を判
定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種交通機関は通信機関とともに
爆発的な進歩を遂げ、それらの技術的進歩及び規模の増
大に伴い、経済及び文化の振興が図られてきた。陸上交
通機関で最も規模の大きなものの1つに鉄道が挙げられ
る。現在の鉄道は、一部には非電化の路線も残るもの
の、主要幹線及び都市部ではそのほとんどが電化され、
より速くより経済的な運転を目指して技術の開発が進め
られている。
【0003】電気鉄道において使用される電力量は相当
膨大なものであって、使用効率が僅かでも改善されれ
ば、多大な省エネルギー効果が得られる。電気鉄道にお
ける電気方式には、直流式と交流式があり、交流式では
架線が単純等の理由で単相式が主流である。我が国の交
流式には整流器式電気車が用いられている。直流側の脈
流を平滑にすると変圧器1次側の高調波が大きくなり、
電車線(以下「トロリー線」という)を通じて近接通信
線に電磁誘導障害を生ずる。電車線側においてこの電磁
誘導を軽減する方式として、吸上変圧器を用いるBTき
電回路と単巻変圧器を用いる単巻変圧器き電回路(「A
Tき電回路」という)とがある。
【0004】図36は、変電所から交流電力を一端に供
給されるき電線(以下、「ネガティブ・フィーダ線」と
いう)とトロリー線をレールと併走する状態に張架する
と共に、ネガティブ・フィーダ線とトロリー線に沿って
吸上変圧器を複数挿設し、吸上変圧器により区分された
区間毎にネガティブ・フィーダ線とレールとを吸上線で
接続してなる交流電気鉄道のBTき電回路の概略を示す
図である。
【0005】通常、吸上変圧器は巻線比が1:1であり
1次電流と2次電流がほぼ等しくなるため、負荷点から
レールに流れる電車電流は一部大地に漏れるが、吸上線
の位置で再び全電流がレールに戻って吸上変圧器の2次
巻線に流れるようになる。そのため、変電所と吸上線の
間のレール(図36のAB間)を流れる電流はなく、ネ
ガティブ・フィーダ線を流れる電流とトロリー線を流れ
る電流が電磁誘導に対して打ち消し合う。従って、電磁
誘導が問題になるのは、負荷点とこれに最も近い吸上線
との間の区間(図36のBC間)であり、最大で吸上変
圧器と吸上線との間隔となる。この区間は、電磁誘導を
軽減する為にはなるべく短い方がよいが、設備費との兼
合いもあるので、現状、吸上変圧器が3〜4km間隔で
挿設され、その間にそれぞれ吸上線が設置されている。
【0006】電気鉄道のき電回路の故障は比較的多く、
しかも1つの故障が広範囲の列車に影響を与えるので、
き電回路には高い信頼性と安全性が必要とされる。例え
ば、故障が発生した場合は、すみやかに故障点及び故障
内容を判定し、故障点を区分して他への影響を少なくす
る必要がある。この時、故障点及び故障内容がより正確
に詳しく判定できることが望ましい。
【0007】BTき電回路の短絡故障には、主にトロリ
ー線とレールとの短絡故障及びトロリー線とネガティブ
・フィーダ線との短絡故障がある。ちなみに、図36か
らもわかるようにネガティブ・フィーダ線とレールとは
吸上線で接続されているので、これらの短絡が起こって
もすぐに故障とはならない。電気鉄道のBTき電回路及
びその故障等については、「改訂電気鉄道」(1995
年10月5日22版発行、発行所:株式会社コロナ社、
著者:稲田金次郎,小沢ただす,稲田修)p127〜p
128及び「最新電験ハンドブック」(昭和52年10
月1日2版発行、発行所:株式会社電気書院、電気書院
編集部編)p1406〜p1412に詳しい記載があ
る。
【0008】BTき電回路の短絡故障を判定する従来の
技術としては、変電所における電流値や電流の変化率等
によってトロリー線とレールとの短絡故障及びトロリー
線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障を感知し、予
め記憶しておいたリアクタンス値と故障点までの距離と
の関係と、感知した時点において変電所で測定したBT
き電回路のリアクタンス値とによって短絡故障の故障点
までの距離を判定するものがある。なお、各線路の長さ
あたりのリアクタンス値が全て均一であるとすると、故
障電流が流れる線路の距離とリアクタンス値とは比例関
係となる。
【0009】図37はトロリー線とネガティブ・フィー
ダ線との短絡故障において、故障点までの距離とリアク
タンス値との関係を示す図である。図38はトロリー線
とレールとの短絡故障において、故障点までの距離とリ
アクタンス値との関係を示す図である。なお、図37及
び図38では、変電所から故障点までの距離を横軸に、
変電所において測定した短絡故障時のリアクタンス値を
縦軸に示している。
【0010】ここで、横軸の下に記載した「SS」〜
「S4」は、それぞれの変電所からの位置を示してお
り、変電所SSと吸上線S1は「0km」、吸上変圧器
BT1は「2km」、吸上線S2は「4km」、吸上変
圧器BT2は「6km」、吸上線S3は「8km」、吸
上変圧器BT3は「10km」、吸上線S4は「12k
m」の位置であることを示す。
【0011】トロリー線とネガティブ・フィーダ線との
短絡故障では、故障点までの距離のほぼ2倍が故障電流
が流れる線路の距離となるので、故障点までの距離とリ
アクタンス値との関係は図37に示す様に比例関係とな
る。トロリー線とレールとの短絡故障では、故障点まで
の距離とリアクタンス値との関係は図37に示す様な比
例関係とはならず、注意すべきは故障点の位置が変電所
が接続された一端を基点として各吸上変圧器よりも遠く
であり対応する吸上線よりも近い場合には、その吸上線
を介して故障電流が吸上電流として流れる為に、故障電
流が流れる線路の距離が全てその吸上線までの距離のほ
ぼ2倍となる点である。従って、各吸上変圧器よりも遠
くであり対応する吸上線よりも近い距離におけるリアク
タンス値は、その吸上線までの距離におけるリアクタン
ス値とほぼ等しくなる。だだし、長さあたりのリアクタ
ンス値は各線路によって多少異なるので、全く等しくは
ならず図38の様な関係になる。
【0012】図39は、上り線と下り線の両方に給電す
る起電回路を示す図である。交流電源から遠い側におい
て、上り線と下り線とのネガティブ・フィーダ線、及
び、上り線と下り線とのトロリー線をそれぞれタイ継路
器で接続することで、上り線と下り線との何れか一方に
故障が発生し故障区間を切り離した場合であっても、交
流電源から見て故障区間よりも遠い区間に給電すること
ができる。
【0013】今日のように大部分の鉄道が複線化されて
いる状況においては、図39に示すような上り線と下り
線の両方に給電するき電回路は必須である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の故障点判定器では、トロリー線とレールとの短絡故
障及びトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故
障を区別することができない。また、短絡故障による過
電流が電圧救済用コンデンサを流れると、そのリアクタ
ンス値分だけ測定されるリアクタンス値が小さくなるの
で、上記従来の故障点判定器における精度が低下する。
【0015】また、吸上変圧器は、理想的にはその1次
電流と2次電流とはほぼ等しく、その吸上効率は100
%であるが、短絡故障が発生した場合等に過剰な1次電
流が流れると飽和してしまい無視できない程吸上効率が
落ちるので、上記従来の故障点判定器における精度が低
下する。また、図40に示すような上り線と下り線の両
方に給電するき電回路において、短絡故障が発生した場
合には、上り線と下り線とのどちらで故障が発生した
か、特定できない場合が生ずる。
【0016】即ち、上記従来の故障点判定器は、短絡故
障の故障点を判定する際に不確定な要素が多々有る為に
その分だけ精度が低下する。そのために、故障点の探索
に多大な時間と労力が費やされ、故障点の区分及び故障
の修復が遅れるので、より速いより経済的な運転を妨
げ、使用効率の低下及びき電回路の信頼性低下を引き起
こしている。
【0017】そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みて
なされたものであり、BTき電回路において発生する短
絡故障を、より正確に判定する交流BTき電回路故障判
定装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る交流BTき
電回路故障判定装置は、変電所から交流電力を一端に供
給されるネガティブ・フィーダ線とトロリー線をレール
と併走する状態に張架すると共にネガティブ・フィーダ
線とトロリー線に沿って吸上変圧器を少なくとも1つ挿
設し吸上変圧器により区分された区間毎にネガティブ・
フィーダ線とレールとを吸上線で接続してなる交流電気
鉄道の吸上変圧器き電回路における短絡故障を判定する
装置であって、吸上線を流れる電流が設定値を超えたこ
とを吸上線毎に感知する感知手段と、感知手段が少なく
とも1つの吸上線を流れる電流が設定値を超えたと感知
した場合は超えたと感知された吸上線が接続された区間
でトロリー線とレールとの短絡故障が発生したと判定す
る判定手段とを備えることを特徴とする。
【0019】これによって、何れかの吸上線を流れる電
流が設定値を超えた場合に、トロリー線とレールとの短
絡故障が発生した区間を判定することができるので、ト
ロリー線とレールとの短絡故障の発生を単独に区間単位
で判定することができる。また、本発明に係る交流BT
き電回路故障判定装置は、変電所から交流電力を一端に
供給されるネガティブ・フィーダ線とトロリー線をレー
ルと併走する状態に張架すると共にネガティブ・フィー
ダ線とトロリー線に沿って吸上変圧器を挿設し吸上変圧
器により区分された区間毎にネガティブ・フィーダ線と
レールとを吸上線で接続してなる交流電気鉄道の吸上変
圧器き電回路における短絡故障を判定する装置であっ
て、吸上線を流れる電流が設定値を超えたことを吸上線
毎に感知する第1感知手段と、トロリー線とネガティブ
・フィーダ線との短絡故障、及び、トロリー線とレール
との短絡故障の発生を感知する第2感知手段と、第2感
知手段が短絡故障の発生を感知した時点において前記第
1感知手段が1つの吸上線を流れる電流も設定値を超え
たと感知しなかった場合はトロリー線とネガティブ・フ
ィーダ線との短絡故障が発生したと判定し、第1感知手
段が少なくとも1つの吸上線を流れる電流が設定値を超
えたと感知した場合はトロリー線とレールとの短絡故障
が発生したと判定する判定手段とを備えることを特徴と
する。
【0020】これによって、トロリー線とネガティブ・
フィーダ線との短絡故障及びトロリー線とレールとの短
絡故障の何れかの発生を感知した場合に、どちらの短絡
故障が発生したかを判定することができる。ここで、前
記交流BTき電回路故障判定装置は、さらに、ネガティ
ブ・フィーダ線の複数の位置に流れる電流が設定値を超
えたことをそれぞれ感知する第3感知手段を備え、前記
判定手段はトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短
絡故障が発生したと判定した場合には、さらに、前記第
2感知手段が何れかの短絡故障の発生を感知した時点に
おいて第3感知手段が1つの電流測定位置でもネガティ
ブ・フィーダ線を流れる電流が設定値を超えたと感知し
なかった場合は前記変電所から最も近い第3感知手段の
電流測定位置と変電所との間でトロリー線とネガティブ
・フィーダ線との短絡故障が発生したと判定し、第3感
知手段が少なくとも1つの電流測定位置でネガティブ・
フィーダ線を流れる電流が設定値を超えたと感知した場
合は設定値を超えたと感知された第3感知手段の電流測
定位置の中で変電所から最も遠い第3感知手段の電流測
定位置よりも遠く次に遠い第3感知手段の電流測定位置
を越えない位置でトロリー線とネガティブ・フィーダ線
との短絡故障が発生したと判定することを特徴とするこ
ともできる。
【0021】これによって、何れかのネガティブ・フィ
ーダ線を流れる電流が設定値を超えた場合に、トロリー
線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生した位
置を判定することができる。また、本発明に係る交流B
Tき電回路故障判定装置は、変電所から交流電力を一端
に供給されるネガティブ・フィーダ線とトロリー線をレ
ールと併走する状態に張架すると共にネガティブ・フィ
ーダ線とトロリー線に沿って吸上変圧器を挿設し吸上変
圧器により区分された区間毎にネガティブ・フィーダ線
とレールとを吸上線で接続しネガティブ・フィーダ線に
直列に電圧救済用コンデンサを少なくとも1つ挿設する
と共に電圧救済用コンデンサの両端を短絡する手段を有
してなる交流電気鉄道の吸上変圧器き電回路における短
絡故障を判定する装置であって、変電所が接続された一
端において吸上変圧器き電回路のリアクタンス値を測定
するリアクタンス測定手段と、短絡故障が発生した時点
におけるリアクタンス測定手段が測定するリアクタンス
値と変電所が接続された一端から故障点までの距離との
対応関係を予め記憶する第1記憶手段と、電圧救済用コ
ンデンサのリアクタンス値と変電所が接続された一端か
らそのリアクタンス値分を補正すべき最も近い位置まで
の距離である最短距離とのペアを電圧救済用コンデンサ
毎に予め記憶する第2記憶手段と、短絡故障の発生を感
知する感知手段と、感知手段が短絡故障の発生を感知し
た時点において電圧救済用コンデンサの両端が短絡され
ているか否かを電圧救済用コンデンサ毎に検出する検出
手段と、検出手段が短絡されていないと検出した全ての
電圧救済用コンデンサに対応するリアクタンス値と最短
距離とのペアの全てを第2記憶手段から抽出する抽出手
段と、第1記憶手段が記憶するリアクタンス値と距離と
の対応関係を抽出手段が抽出したリアクタンス値と最短
距離とのペアの全てによって補正する補正手段と、補正
手段が補正したリアクタンス値と距離との対応関係と感
知手段が感知した時点においてリアクタンス測定手段が
測定したリアクタンス値とによって短絡故障の故障点ま
での距離を判定する距離判定手段とを備えることを特徴
とする。
【0022】これによって、短絡故障による電流が流れ
たコンデンサのリアクタンス値分を補正することができ
るので、故障点の距離を判定する際の精度が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態1について、図面を用いて説明する。実施の
形態1に係る交流BTき電回路故障判定装置は、吸上線
を流れる電流が設定値を超えたことを感知することによ
って、トロリー線とレールとの短絡故障の発生を単独で
判定し、さらに、トロリー線とレールとの短絡故障の故
障位置を判定し、さらに、何れかの短絡故障が発生した
場合にどちらの短絡故障が発生したのかを判定する。ま
た、ネガティブ・フィーダ線の複数の位置に流れる電流
が設定値を超えたことを感知することによって、トロリ
ー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障の故障位置
を判定する。
【0024】また、実施の形態1に係る交流BTき電回
路故障判定装置は、電圧救済用コンデンサの両端が短絡
されているか否かを検出し、予め記憶するリアクタンス
値と故障点までの距離との対応関係を、予め記憶する電
圧救済用コンデンサのリアクタンス値とそのリアクタン
ス値分を補正すべき距離とによって補正する。 <全体の構成>図1は、電圧救済用コンデンサを含む交
流電気鉄道のBTき電回路に、実施の形態1に係る交流
BTき電回路故障判定装置を適用した例を示す図であ
る。
【0025】図1に示す交流電気鉄道のBTき電回路
は、ネガティブ・フィーダ線101、トロリー線10
2、レール103、変電所104が有する交流電源10
4a、吸上変圧器105a、105b、105c、吸上
線106a、106b、106c、106d、電圧救済
用コンデンサ107a、107b、コンデンサ短絡部1
08a及び108bを備える。
【0026】図1に示す交流BTき電回路故障判定装置
は、吸上線電流感知部109a、109b、109c、
109d、ネガティブ・フィーダ線電流感知部110
a、110b、110c、110d、110e、110
f、短絡検出部111a、111b、短絡故障感知部1
04b、故障判定部112を備える。なお、簡略化の為
に図示はしていないが、故障判定部112は全電流感知
部及び全検出部(吸上線電流感知部109a、109
b、109c、109d、ネガティブ・フィーダ線電流
感知部110a、110b、110c、110d、11
0e、110f、短絡検出部111a、111b)と通
信線にて接続されている。
【0027】また、各ネガティブ・フィーダ線電流感知
部、各電圧救済用コンデンサ及び各コンデンサ短絡部
は、各吸上線とネガティブ・フィーダ線101との接点
の極近傍に設置され、回路保護用ケース等で保護されて
いるので、これら相互間の接続線における短絡故障は起
こり得ないものとする。ネガティブ・フィーダ線101
及びトロリー線102は、レール103と略併走する状
態で張架されており、電気車等はトロリー線から電力の
供給を受けながらレール103の上を走行する。
【0028】変電所104は、ネガティブ・フィーダ線
101とトロリー線102との間に一端より交流電力を
供給する交流電源104aを有し、さらに、短絡故障感
知部104bを含む。短絡故障感知部104bは、トロ
リー線とレールとの短絡故障、及び、ネガティブ・フィ
ーダ線とレールとの短絡故障の何れかの発生を、変電所
における電流等によって感知し、短絡故障が発生したこ
とを故障判定部112に通知する。なお、短絡故障感知
部104bは本発明の要旨外であるのでその詳細な説明
を省略する。
【0029】吸上変圧器105a、105b及び105
cはネガティブ・フィーダ線101とトロリー線102
に沿って3〜4Kmの間隔で挿設され、変電所104か
ら近い方より105a、105b、105cとする。吸
上線106a、106b、106c及び106dは、各
吸上変圧器により区分された区間毎にネガティブ・フィ
ーダ線とレールとをそれぞれ接続する。
【0030】電圧救済用コンデンサ107a及び107
bは、リアクタンスによる電圧降下を軽減するためにネ
ガティブ・フィーダ線に直列に挿入されたものであり、
ここでは、そのリアクタンス値をそれぞれ「2.0Ω」
及び「2.5Ω」とする。コンデンサ短絡部108a及
び108bは、短絡故障等による過電流からコンデンサ
を保護するために、許容を超える電流が流れた場合等に
コンデンサの両端を短絡させるものである。
【0031】吸上線電流感知部109a、109b及び
109cは、各吸上線を流れる電流が設定値を超えたこ
とをそれぞれ感知する。フィーダ線電流感知部110
a、110b、110c、110d、110e及び11
0fは、ネガティブ・フィーダ線のそれぞれの位置に流
れた電流が設定値を超えたことをそれぞれ感知する。
【0032】短絡検出部111a及び111bは、各吸
上線電流感知部又は短絡故障感知部104bが感知した
時点において、電圧救済用コンデンサの両端が短絡され
ているか否かを、電圧救済用コンデンサ毎に検出する。
故障判定部112は、各吸上線電流感知部が吸上線を流
れる電流が設定値を超えたと感知した場合は、トロリー
線とレールとの短絡故障が発生したと判定し、また、超
えたと感知された吸上線が接続された区間で、トロリー
線とレールとの短絡故障が発生したと判定し、また、短
絡故障感知部104bが何れかの短絡故障の発生を感知
した時点において、1つの吸上線電流感知部も吸上線を
流れる電流が設定値を超えたと感知しなかった場合は、
トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発
生したと判定し、少なくとも1つの吸上線電流感知部が
吸上線を流れる電流が設定値を超えたと感知した場合
は、トロリー線とレールとの短絡故障が発生したと判定
し、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障
が発生したと判定した場合には、さらに、短絡故障感知
部104bが何れかの短絡故障の発生を感知した時点に
おいて、1つのフィーダ線電流感知部もネガティブ・フ
ィーダ線を流れる電流が設定値を超えたと感知しなかっ
た場合は、変電所から最も近いフィーダ線電流感知部の
電流測定位置と変電所との間でトロリー線とネガティブ
・フィーダ線との短絡故障が発生したと判定し、少なく
とも1つのフィーダ線電流感知部がネガティブ・フィー
ダ線を流れる電流が設定値を超えたと感知した場合は、
設定値を超えたと感知されたフィーダ線電流感知部の電
流測定位置の中で、変電所から最も遠いフィーダ線電流
感知部の電流測定位置よりも遠く、次に遠いフィーダ線
電流感知部の電流測定位置を越えない位置で、トロリー
線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生したと
判定する。さらにまた、予めリアクタンス値と故障点ま
での距離との対応関係及び各電圧救済用コンデンサのリ
アクタンス値と補正すべき距離とのペアを記憶し、短絡
故障が感知された時点において、短絡されていなかった
電圧救済用コンデンサのリアクタンス値分を補正しリア
クタンス値を測定し、補正した対応関係と測定したリア
クタンス値によって故障点までの距離を判定する。
【0033】<故障判定部112の詳細構成>図2は、
実施の形態1に係る故障判定部112の詳細を示す図で
ある。図2に示す様に、故障判定部112は、吸上線感
知集計部113、フィーダ線感知集計部114、判定部
115、リアクタンス測定部116、対応関係記憶部1
17、コンデンサデータ記憶部118、コンデンサデー
タ抽出部119、対応関係補正部120及び距離判定部
121を備える。
【0034】吸上線感知集計部113は、全吸上線電流
感知部と通信線にて接続され、吸上線毎に感知された吸
上線を流れる電流が設定値を超えたか否かを集計する。
フィーダ線感知集計部114は、全フィーダ線電流感知
部と通信線にて接続され、ネガティブ・フィーダ線の電
流感知位置毎に感知されたネガティブ・フィーダ線を流
れる電流が設定値を超えたか否かを集計する。
【0035】判定部115は、吸上線感知集計部113
により少なくとも1つの吸上線を流れる電流が設定値を
超えたと集計された場合は、トロリー線とレールとの短
絡故障が発生したと判定し、超えたと感知された吸上線
が接続された区間で、トロリー線とレールとの短絡故障
が発生したと判定し、また、短絡故障感知部104bが
何れかの短絡故障の発生を感知した時点において、吸上
線感知集計部113により1つの吸上線を流れる電流も
設定値を超えたと集計されなかった場合は、トロリー線
とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生したと判
定し、少なくとも1つの吸上線を流れる電流が設定値を
超えたと感知した場合は、トロリー線とレールとの短絡
故障が発生したと判定し、さらに、短絡故障感知部10
4bが何れかの短絡故障の発生を感知した時点におい
て、フィーダ線感知集計部114により1つのネガティ
ブ・フィーダ線を流れる電流も設定値を超えたと集計さ
れなかった場合は、変電所から最も近い電流測定位置と
変電所との間でトロリー線とネガティブ・フィーダ線と
の短絡故障が発生したと判定し、少なくとも1つのネガ
ティブ・フィーダ線を流れる電流が設定値を超えたと集
計された場合は、設定値を超えたと感知された電流測定
位置の中で、変電所から最も遠い電流測定位置よりも遠
く、次に遠い電流測定位置を越えない位置で、トロリー
線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生したと
判定する。
【0036】リアクタンス測定部116は、変電所が接
続された一端において、吸上変圧器き電回路のリアクタ
ンス値を測定する。なお、リアクタンス値を測定する詳
細については、本発明の要旨外であるのでその説明を省
略する。対応関係記憶部117は、短絡故障が発生した
時点におけるリアクタンス測定部116が測定するリア
クタンス値と、変電所が接続された一端から故障点まで
の距離との対応関係を予め記憶する。例えば、ここで
は、図37に示すトロリー線とネガティブ・フィーダ線
との短絡故障時の対応関係と、図38に示すトロリー線
とレールとの短絡故障時の対応関係とを、それぞれ予め
記憶するものとする。
【0037】コンデンサデータ記憶部118は、電圧救
済用コンデンサのリアクタンス値と、変電所が接続され
た一端からそのリアクタンス値分を補正すべき最も近い
位置までの距離である最短距離とのペアを、電圧救済用
コンデンサ毎に予め記憶する。図3(a)は、電圧救済
用コンデンサのリアクタンス値と、トロリー線とネガテ
ィブ・フィーダ線との短絡故障におけるそのリアクタン
ス値分を補正すべき最短距離とのペアを示す図である。
なお、この場合の最短距離は、変電所から各電圧救済用
コンデンサまでの距離である。ここでの最短距離は、電
圧救済用コンデンサ107a及び107bの場合とも同
じ回路保護用ケース内であるので、吸上線106cまで
の距離となり「8.00km」である。
【0038】図3(b)は、電圧救済用コンデンサのリ
アクタンス値と、トロリー線とレールとの短絡故障にお
けるそのリアクタンス値分を補正すべき最短距離とのペ
アを示す図である。なお、この場合の最短距離は、各電
圧救済用コンデンサの位置が、吸上変圧器により区分さ
れた各区間内の吸上線よりも変電所に近い場合は、変電
所が接続された一端から変電所に近い方の吸上変圧器ま
での距離であり、その位置が各区間内の吸上線よりも変
電所から遠い場合は、変電所から遠い方の吸上変圧器ま
での距離である。ここでの最短距離は、電圧救済用コン
デンサ107aの場合はその位置が、吸上変圧器105
bと105cにより区分された区間内の吸上線106c
よりも変電所104に近いので、変電所104が接続さ
れた一端から吸上変圧器105bまでの距離「6.00
km」であり、電圧救済用コンデンサ107bの場合は
その位置が、吸上変圧器105bと105cにより区分
された区間内の吸上線106cよりも変電所104から
遠いので、変電所104が接続された一端から吸上変圧
器105cまでの距離「10.00km」である。
【0039】コンデンサデータ抽出部119は、全短絡
検出部と通信線にて接続され、判定部115が判定した
短絡故障に対応し、各短絡検出部が短絡されていないと
検出した全ての電圧救済用コンデンサに対応するリアク
タンス値と最短距離とのペアの全てを、コンデンサデー
タ記憶部118から抽出する。対応関係補正部120
は、対応関係記憶部117が記憶する判定部115が判
定した短絡故障に対応するリアクタンス値と距離との対
応関係を、コンデンサデータ抽出部119が抽出したリ
アクタンス値と最短距離とのペアの全てによって補正す
る。なお、補正方法の詳細については後述する。
【0040】距離判定部121は、対応関係補正部12
0が補正したリアクタンス値と距離との対応関係と、短
絡故障感知部104bが感知した時点においてリアクタ
ンス測定部116が測定したリアクタンス値とによっ
て、短絡故障の故障点の距離を判定する。なお、短絡故
障の故障点の距離を判定する詳細については、本発明の
要旨外であるので説明を省略する。
【0041】<標定原理>図4(a)は、交流電気鉄道
のBTき電回路の吸上変圧器105aと吸上線106b
との間の線路において、トロリー線とレールとの短絡故
障が発生した場合を示す図である。図4(b)は、交流
電気鉄道のBTき電回路の吸上線106bと吸上変圧器
105bの間の線路において、トロリー線とレールとの
短絡故障が発生した場合を示す図である。
【0042】図5(a)は、交流電気鉄道のBTき電回
路の吸上変圧器105bと吸上線106cとの間の線路
において、トロリー線とレールとの短絡故障が発生した
場合を示す図である。図5(b)は、交流電気鉄道のB
Tき電回路の吸上線106cと吸上変圧器105cの間
の線路において、トロリー線とレールとの短絡故障が発
生した場合を示す図である。
【0043】図6(a)は、交流電気鉄道のBTき電回
路の吸上変圧器105aと吸上線106bとの間の線路
において、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短
絡故障が発生した場合を示す図である。図6(b)は、
交流電気鉄道のBTき電回路の吸上線106bと吸上変
圧器105bの間の線路において、トロリー線とネガテ
ィブ・フィーダ線との短絡故障が発生した場合を示す図
である。
【0044】図7(a)は、交流電気鉄道のBTき電回
路の吸上変圧器105bと吸上線106cとの間の線路
において、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短
絡故障が発生した場合を示す図である。図7(b)は、
交流電気鉄道のBTき電回路の吸上線106cと吸上変
圧器105cの間の線路において、トロリー線とネガテ
ィブ・フィーダ線との短絡故障が発生した場合を示す図
である。
【0045】なお、各図中の矢印は短絡故障によって過
剰な故障電流が流れる経路を示している。また、図6
(a)、(b)、図7(a)及び(b)中には、フィー
ダ線電流感知部110a、110b、110c、110
d、110e及び110fを示した。
【0046】図4(a)及び(b)のように、吸上変圧
器105aと吸上変圧器105bとの間の線路におい
て、トロリー線とレールとの短絡故障が発生した場合
は、吸上線106bに過剰な故障電流が流れ、吸上線1
06a、吸上線106c及び吸上線106dには過剰な
電流が流れない。同様に、図5(a)及び(b)のよう
に、吸上変圧器105bと吸上変圧器105cとの間の
線路において、トロリー線とレールとの短絡故障が発生
した場合は、吸上線106cに過剰な故障電流が流れ、
吸上線106a、吸上線106b及び吸上線106dに
は過剰な電流が流れない。
【0047】また、図6(a)、(b)、図7(a)及
び(b)のように、トロリー線とネガティブ・フィーダ
線との短絡故障が発生した場合は、全ての吸上線に過剰
な電流が流れない。従って、吸上線に過剰な電流が流れ
るか否かを監視し、過剰な電流が流れた場合にトロリー
線とレールとの短絡故障が発生したと知ることができ、
さらに、過剰な電流が流れた吸上線が接続された吸上変
圧器間でトロリー線とレールとの短絡故障が発生したと
知ることができる。
【0048】また、図6(a)のように、変電所104
とフィーダ線電流感知部110aとの間の線路におい
て、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障
が発生した場合はフィーダ線電流感知部110a、11
0b、110c、110d、110e及び110fには
過剰な電流が流れない。また、図6(b)及び図7
(a)のように、フィーダ線電流感知部110bとフィ
ーダ線電流感知部110cとの間の線路において、トロ
リー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生し
た場合は、フィーダ線電流感知部110a及び110b
に過剰な故障電流が流れ、フィーダ線電流感知部110
c、110d、110e及び110fには過剰な電流が
流れない。
【0049】また、図7(b)のように、フィーダ線電
流感知部110dとフィーダ線電流感知部110eとの
間の線路において、トロリー線とネガティブ・フィーダ
線との短絡故障が発生した場合は、フィーダ線電流感知
部110a、110b、110c及び110dに過剰な
故障電流が流れ、フィーダ線電流感知部110e及び1
10fには過剰な電流が流れない。
【0050】従って、各フィーダ線電流感知部に過剰な
電流が流れるか否かを監視し、トロリー線とネガティブ
・フィーダ線との短絡故障時に過剰な電流が流れたフィ
ーダ線電流感知部の中で変電所から最も遠いフィーダ線
電流感知部よりも遠く、次に遠いフィーダ線電流感知部
を越えない位置で短絡故障が発生したと知ることができ
る。
【0051】<動作1>図8は、吸上線を流れる電流が
設定値を超えたことを感知することによって、BTき電
回路におけるトロリー線とレールとの短絡故障の発生を
単独で判定する処理のフローチャートを示す図である。 (1)常時、各吸上線電流感知部はそれぞれの吸上線を
流れる電流が設定値を超えないかを監視する。感知しな
い場合は監視を続ける(ステップS101〜S10
4)。
【0052】(2)何れかの吸上線電流感知部が超えた
と感知した場合は、故障判定部112が、超えたと感知
された吸上線が接続された区間で、トロリー線とレール
との短絡故障が発生したと判定する(ステップS105
〜S108)。以上<動作1>で示したように、実施の
形態1に係る交流BTき電回路故障判定装置は、吸上線
を流れる電流が設定値を超えたと吸上線電流感知部が感
知することにより、トロリー線とレールとの短絡故障が
発生したと判定し、さらに、どの吸上線電流感知部が感
知したかによって、どの吸上変圧器間で発生したかを判
定する。
【0053】<動作2>図9は、BTき電回路における
トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障、及
び、トロリー線とレールとの短絡故障の何れかの発生を
変電所における電流等によって感知し、どの短絡故障が
発生したかを判定する処理のフローチャートを示す図で
ある。
【0054】(1)常時、各吸上線電流感知部はそれぞ
れの吸上線の電流が設定値を超えないかを監視している
(ステップS201)。 (2)短絡故障感知部104bが、トロリー線とレール
との短絡故障、及び、ネガティブ・フィーダ線とレール
との短絡故障の何れかを感知する。感知しない場合は監
視を続ける為ステップS201に戻る(ステップS20
2)。
【0055】(3)短絡故障感知部104bが何れかの
短絡故障を感知した場合は、感知した時点において各吸
上線電流感知部が吸上線を流れる電流が設定値を超えた
と感知したか否かを判断する(ステップS203〜S2
06)。 (4)全ての吸上線電流感知部が感知しなかったと判断
した場合は、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との
短絡故障が発生したと判定する(ステップS207)。
【0056】(5)少なくとも1つの吸上線電流感知部
が超えたと感知した場合は、超えたと感知された吸上線
が接続された区間で、トロリー線とレールとの短絡故障
が発生したと判定する(ステップS208〜S21
4)。 以上<動作2>で示したように、実施の形態1に係る交
流BTき電回路故障判定装置は、吸上線の電流が設定値
を超えないかを常時監視し、何れかの短絡故障を感知し
た時点において全ての吸上線電流感知部が感知しなかっ
た場合は、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短
絡故障が発生したと判定し、少なくとも1つの吸上線電
流感知部が超えたと感知した場合は、トロリー線とレー
ルとの短絡故障が発生したと判定し、さらに、どの吸上
線電流感知部が感知したかによって、どの吸上変圧器間
で発生したかを判定する。
【0057】<動作3>図10は、複数のネガティブ・
フィーダ線を流れる電流によって、BTき電回路におけ
るトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が
発生した位置を判定する処理のフローチャートを示す図
である。 (1)常時、各フィーダ線電流感知部はそれぞれのネガ
ティブ・フィーダ線の電流測定位置の電流が設定値を超
えないかを監視している(ステップS301)。
【0058】(2)<動作2>のステップS201〜ス
テップS207と同様にして、トロリー線とネガティブ
・フィーダ線との短絡故障が感知されるのを待つ。感知
しない場合は監視を続ける為ステップS301に戻る
(ステップS302)。 (3)トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故
障が感知された場合は、感知された時点において、フィ
ーダ線電流感知部110e又は110fが過剰な電流が
流れたことを感知したか否かを判定する(ステップS3
03)。
【0059】(4)フィーダ線電流感知部110e又は
110fが過剰な電流が流れたと感知しなかった場合
は、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障
の発生が感知された時点において、フィーダ線電流感知
部110c又は110dが過剰な電流が流れたことを感
知したか否かを判定する(ステップS304)。 (5)フィーダ線電流感知部110c又は110dが過
剰な電流が流れたと感知しなかった場合は、トロリー線
とネガティブ・フィーダ線との短絡故障の発生が感知さ
れた時点において、フィーダ線電流感知部110a又は
110bが過剰な電流が流れたことを感知したか否かを
判定する(ステップS305)。
【0060】(6)全てのフィーダ線電流感知部が過剰
な電流が流れたと感知しなかった場合は、フィーダ線電
流感知部110aと変電所104との間で短絡故障が発
生したと判定する(ステップS306)。 (7)ステップS303において、フィーダ線電流感知
部110e又は110fが過剰な電流が流れたことを感
知した場合は、変電所が接続された一端を基点としてフ
ィーダ線電流感知部110e又は110fよりも遠くの
位置で短絡故障が発生したと判定する(ステップS30
7)。
【0061】(8)ステップS304において、フィー
ダ線電流感知部110c又は110dが過剰な電流が流
れたことを感知した場合は、変電所が接続された一端を
基点としてフィーダ線電流感知部110c又は110d
よりも遠く、フィーダ線電流感知部110eを越えない
位置で短絡故障が発生したと判定する(ステップS30
8)。
【0062】(9)ステップS305において、フィー
ダ線電流感知部110a又は110bが過剰な電流が流
れたことを感知した場合は、変電所が接続された一端を
基点としてフィーダ線電流感知部110a又は110b
よりも遠く、フィーダ線電流感知部110cを越えない
位置で短絡故障が発生したと判定する(ステップS30
9)。
【0063】以上<動作3>で示したように、実施の形
態1に係る交流BTき電回路故障判定装置は、ネガティ
ブ・フィーダ線の複数の位置に流れる電流が設定値を超
えないかを常時監視し、トロリー線とネガティブ・フィ
ーダ線との短絡故障を感知した時点において、1つの電
流測定位置でもネガティブ・フィーダ線を流れる電流が
設定値を超えたと感知しなかった場合は、変電所から最
も近い電流測定位置で短絡故障が発生したと判定し、少
なくとも1つの電流測定位置でネガティブ・フィーダ線
を流れる電流が設定値を超えたと感知した場合は、設定
値を超えたと感知された電流測定位置の中で変電所から
最も遠い電流測定位置よりも遠く、次に遠い電流測定位
置を越えない位置で短絡故障が発生したと判定する。
【0064】<動作4>図11は、電圧救済用コンデン
サのリアクタンス値分を補正し、故障点の距離を判定す
る処理のフローチャートを示す図である。 (1)常時、各短絡検出部はそれぞれの電圧救済用コン
デンサの両端が短絡されているか否かを監視する。(ス
テップS401)。
【0065】(2)<動作2>のステップS201〜S
202と同様にして、短絡故障が感知されるのを待つ。
感知しない場合は監視を続ける為ステップS401に戻
る(ステップS402)。 (3)<動作2>のステップS203〜S214と同様
にして、トロリー線とレールとの短絡故障が発生した
か、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障
が発生したかを判定する(ステップS403)。
【0066】(4)トロリー線とレールとの短絡故障が
発生したと判定した場合は、コンデンサデータ抽出部1
19が抽出するリアクタンス値と最短距離とのペア及び
対応関係補正部120が補正する対応関係は、トロリー
線とレールとの短絡故障に対応するペア及び対応関係と
する(ステップS404)。 (5)トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故
障が発生したと判定した場合は、コンデンサデータ抽出
部119が抽出するリアクタンス値と最短距離とのペア
及び対応関係補正部120が補正する対応関係は、トロ
リー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障に対応す
るペア及び対応関係とする(ステップS405)。
【0067】(6)対応関係補正部120が対応関係を
対応関係記憶部117から抽出する(ステップS40
6)。 (7)短絡故障の発生が感知された時点において、電圧
救済用コンデンサ107aの両端が短絡されていたか否
かを判断する(ステップS407)。 (8)電圧救済用コンデンサ107aの両端が短絡され
ていなかった場合は、コンデンサデータ抽出部119
が、電圧救済用コンデンサ107aのリアクタンス値と
最短距離とのペアをコンデンサデータ記憶部118から
抽出し、このペアによって対応関係補正部120が対応
関係記憶部117から抽出した対応関係を補正する(ス
テップS408)。
【0068】(9)短絡故障の発生が感知された時点に
おいて、電圧救済用コンデンサ107bの両端が短絡さ
れていたか否かを判断する(ステップS409)。 (10)電圧救済用コンデンサ107bの両端が短絡さ
れていなかった場合は、コンデンサデータ抽出部119
が、電圧救済用コンデンサ107bのリアクタンス値と
最短距離とのペアをコンデンサデータ記憶部118から
抽出し、このペアによって対応関係補正部120が対応
関係記憶部117から抽出した対応関係を補正する(ス
テップS410)。
【0069】(11)短絡故障の発生が感知された時点
においてリアクタンス測定部116がリアクタンス値を
測定し、対応関係補正部120が補正したリアクタンス
値と距離との対応関係と、リアクタンス測定手段が測定
したリアクタンス値とによって、距離判定部121が短
絡故障の故障点の距離を判定する(ステップS41
1)。
【0070】以上<動作4>で示したように、実施の形
態1に係る交流BTき電回路故障判定装置は、予めリア
クタンス値と故障点までの距離との対応関係及び各電圧
救済用コンデンサのリアクタンス値と補正すべき距離と
のペアを記憶しておき、電圧救済用コンデンサの両端が
短絡されているか否かを常時監視し、短絡故障を感知し
た時点において、短絡されていなかった電圧救済用コン
デンサのリアクタンス値分を補正しリアクタンス値を測
定し、補正した対応関係と測定したリアクタンス値によ
って故障点までの距離を判定する。
【0071】なお、トロリー線とレールとの短絡故障を
感知するには、吸上線を流れる電流が設定値を超えたこ
とにより行ってもよい。 <補正方法の詳細説明>ここで、対応関係補正部120
による対応関係の補正方法について、詳細に説明する。
【0072】対応関係補正部120は、コンデンサデー
タ抽出部119が抽出した全てのペア毎に、対応関係記
憶部117が記憶するリアクタンス値の中の、抽出した
ペア毎の最短距離より遠くの全ての距離に対応するリア
クタンス値から、抽出したペア毎のリアクタンス値を減
算することによって補正する。図12は、トロリー線と
ネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生した時点に
おいて、短絡検出部111aが電圧救済用コンデンサ1
07aの両端が短絡されていなかったと検出し、短絡検
出部111bが電圧救済用コンデンサ107bの両端が
短絡されていたと検出した場合の、補正後のトロリー線
とネガティブ・フィーダ線との短絡故障における対応関
係を示す図である。
【0073】図13は、トロリー線とネガティブ・フィ
ーダ線との短絡故障が発生した時点において、短絡検出
部111aが電圧救済用コンデンサ107aの両端が短
絡されていたと検出し、短絡検出部111bが電圧救済
用コンデンサ107bの両端が短絡されていなかったと
検出した場合の、補正後のトロリー線とネガティブ・フ
ィーダ線との短絡故障における対応関係を示す図であ
る。
【0074】図14は、トロリー線とネガティブ・フィ
ーダ線との短絡故障が発生した時点において、短絡検出
部111aが電圧救済用コンデンサ107aの両端が短
絡されていなかったと検出し、短絡検出部111bが電
圧救済用コンデンサ107bの両端が短絡されていなか
ったと検出した場合の、補正後のトロリー線とネガティ
ブ・フィーダ線との短絡故障における対応関係を示す図
である。
【0075】図15は、トロリー線とレールとの短絡故
障が発生した時点において、短絡検出部111aが電圧
救済用コンデンサ107aの両端が短絡されていなかっ
たと検出し、短絡検出部111bが電圧救済用コンデン
サ107bの両端が短絡されていたと検出した場合の、
補正後のトロリー線とレールとの短絡故障における対応
関係を示す図である。
【0076】図16は、トロリー線とレールとの短絡故
障が発生した時点において、短絡検出部111aが電圧
救済用コンデンサ107aの両端が短絡されていたと検
出し、短絡検出部111bが電圧救済用コンデンサ10
7bの両端が短絡されていなかったと検出した場合の、
補正後のトロリー線とレールとの短絡故障における対応
関係を示す図である。
【0077】図17は、トロリー線とレールとの短絡故
障が発生した時点において、短絡検出部111aが電圧
救済用コンデンサ107aの両端が短絡されていなかっ
たと検出し、短絡検出部111bが電圧救済用コンデン
サ107bの両端が短絡されていなかったと検出した場
合の、補正後のトロリー線とレールとの短絡故障におけ
る対応関係を示す図である。
【0078】図12の場合は、まず、図3(a)の20
1、202に示すトロリー線とネガティブ・フィーダ線
との短絡故障における電圧救済用コンデンサ107aの
ペアを抽出し、図37に示すトロリー線とネガティブ・
フィーダ線との短絡故障における対応関係を抽出し、2
02の最短距離「8.00km」により、抽出した対応
関係の8.00km以上の全ての距離に対応するリアク
タンス値を補正することがわかり、その補正量は、20
1のリアクタンス値「2.0Ω」を減算することによっ
て得られる。従って、補正後の対応関係は、距離L8.
00km以上においてリアクタンス値XがY軸マイナス
方向に2.0Ωだけスライドしたものとなる。
【0079】図13の場合は、まず、図3(a)の20
3、204に示すトロリー線とネガティブ・フィーダ線
との短絡故障における電圧救済用コンデンサ107bの
ペアを抽出し、図37に示すトロリー線とネガティブ・
フィーダ線との短絡故障における対応関係を抽出し、2
02の最短距離「8.00km」により、抽出した対応
関係の8.00km以上の全ての距離に対応するリアク
タンス値を補正することがわかり、その補正量は、20
1のリアクタンス値「2.5Ω」を減算することによっ
て得られる。従って、補正後の対応関係は、距離L8.
00km以上においてリアクタンス値XがY軸マイナス
方向に2.5Ωだけスライドしたものとなる。
【0080】図14の場合は、まず、図37に示す対応
関係を図12の場合と同様にして補正し、図12に示す
対応関係を、さらに、図13の場合と同様に補正する。
従って、補正後の対応関係は、距離L8.00km以上
においてリアクタンス値XがY軸マイナス方向に4.5
Ωだけスライドしたものとなる。図15の場合は、ま
ず、図3(b)の205、206に示すトロリー線とレ
ールとの短絡故障における電圧救済用コンデンサ107
aのペアを抽出し、図38に示すトロリー線とレールと
の短絡故障における対応関係を抽出し、205の最短距
離「6.00km」により、抽出した対応関係の6.0
0km以上の全ての距離に対応するリアクタンス値を補
正することがわかり、その補正量は、206のリアクタ
ンス値「2.0Ω」を減算することによって得られる。
従って、補正後の対応関係は、距離L6.00km以上
においてリアクタンス値XがY軸マイナス方向に2.0
Ωだけスライドしたものとなる。
【0081】図16の場合は、まず、図3(b)の20
7、208に示すトロリー線とレールとの短絡故障にお
ける電圧救済用コンデンサ107bのペアを抽出し、図
38に示すトロリー線とレールとの短絡故障における対
応関係を抽出し、207の最短距離「10.00km」
により、抽出した対応関係の10.00km以上の全て
の距離に対応するリアクタンス値を補正することがわか
り、その補正量は、208のリアクタンス値「2.5
Ω」を減算することによって得られる。従って、補正後
の対応関係は、距離L10.00km以上においてリア
クタンス値XがY軸マイナス方向に2.5Ωだけスライ
ドしたものとなる。
【0082】図17の場合は、まず、図38に示す対応
関係を図15の場合と同様にして補正し、図15に示す
対応関係を、さらに、図16の場合と同様に補正する。
従って、補正後の対応関係は、距離L6.00km以上
10.00km未満においてリアクタンス値XがY軸マ
イナス方向に2.0Ωだけスライドし、距離L10.0
0km以上においてリアクタンス値XがY軸マイナス方
向に4.5Ωだけスライドしたものとなる。
【0083】なお、ここでは、全ての電圧救済用コンデ
ンサの両端が短絡されている場合の対応関係を元にし
て、短絡されていない電圧救済用コンデンサの距離とリ
アクタンス値によって補正したが、全ての電圧救済用コ
ンデンサの両端が短絡されていない場合の対応関係を元
にして、短絡されている電圧救済用コンデンサの距離と
リアクタンス値によって補正するものであってもよく、
また、予めあらゆる場合の対応関係を予め記憶してお
き、その中から各電圧救済用コンデンサの両端が短絡さ
れているか否かによって最適な対応関係を選択するもの
であってもよい。 (実施の形態2)以下、本発明の実施の形態2につい
て、図面を用いて説明する。
【0084】実施の形態2に係る交流BTき電回路故障
判定装置は、実施の形態1に、さらに、吸上変圧器が飽
和してしまい吸上効率が変化した場合の補正を行なうも
のである。 <全体の構成>全体の構成は、上記実施の形態1と同様
であり、故障判定部112以外の構成要素の機能は上記
実施の形態1と同様である。
【0085】故障判定部112は、故障点までの距離と
リアクタンス値との関係に対して、実施の形態1におけ
る電圧救済用コンデンサのリアクタンス値分の補正だけ
でなく、さらに、吸上変圧器飽和(以下、「BT飽和」
という)によるリアクタンス値の変化分の補正を行な
う。ここでは、吸上変圧器に流れた故障電流とそれぞれ
の吸上線間隔とに基づいてそれぞれの吸上効率を算出
し、それぞれの吸上変圧器に対応する吸上線間のリアク
タンス値の増分と、それぞれの吸上効率とを乗算するこ
とによって補正を行なう。
【0086】<故障判定部112の詳細構成>図18
は、実施の形態2に係る故障判定部112の詳細を示す
図である。ここで、上記実施の形態1と同じ機能を持つ
各構成要素の説明は省略する。図18に示す様に、故障
判定部112は、上記実施の形態1の故障判定部112
と同じ機能を持ち、さらに、吸上変圧器データ記憶部1
22、及び、吸上効率計算部123を備える。
【0087】短絡故障感知部104bは、上記実施の形
態1と同じ機能を持ち、さらに、短絡故障が発生したこ
とを感知した時の故障電流を測定して故障判定部112
に通知する。なお、短絡故障感知部104bは本発明の
要旨外であるのでその詳細な説明を省略する。吸上変圧
器データ記憶部122は、補正すべき区間を示す情報
と、補正すべき区間を示す情報と故障電流とに基づいて
吸上効率を計算する計算式とを、予め記憶する。ここで
は、各吸上変圧器毎に吸上線間の区間を特定する変電所
からの2つの距離と、故障電流と吸上線間隔とに基づい
て吸上効率を算出する近似式とを、予め記憶する。な
お、吸上変圧器毎の吸上線間隔が全て同じ場合は、その
吸上線間隔の場合の故障電流から吸上効率を計算する近
似式のみを記憶していれば足りる。
【0088】吸上効率計算部123は、吸上変圧器デー
タ記憶部122が記憶する補正すべき区間を示す情報と
短絡故障感知部104bが測定した故障電流とに基づい
て、区間毎に吸上効率を計算する。ここでは、吸上変圧
器毎に、2つの距離の差から吸上線間隔を算出し、吸上
変圧器データ記憶部122が記憶する近似式に、吸上線
間隔と短絡故障感知部104bが測定した故障電流とを
代入して吸上効率を計算する。なお、吸上変圧器毎の吸
上線間隔が全て同じ場合は、吸上変圧器データ記憶部1
22が記憶するこの場合の近似式に、短絡故障感知部1
04bが測定した故障電流のみを代入して吸上効率を計
算する。
【0089】対応関係補正部120は、上記実施の形態
1の補正に、さらに、各吸上変圧器に対応する区間毎
に、その区間のリアクタンス値の増分と、吸上効率計算
部123が計算した吸上変圧器毎の吸上効率とを乗算し
て、故障点までの距離とリアクタンス値との関係を補正
する。なお、吸上変圧器毎の吸上線間隔が全て同じ場合
は、全区間のリアクタンス値と、吸上効率計算部123
が計算したこの場合の吸上効率とを乗算して、故障点ま
での距離とリアクタンス値との関係を補正する。
【0090】<吸上効率の計算方法>図19は、吸上線
でのトロリー線とレールとの短絡故障時の概略を示す図
である。図20は、BT飽和時の、図19の等価回路を
示す図である。ここで、図19及び図20中に示した各
記号は、Dは吸上線間隔[km]、Itはトロリー線電
流(=吸上変圧器の1次電流)[A]、Inはネガティ
ブ・フィーダ線電流(=吸上変圧器の2次電流)
[A]、Irはレール電流(=励磁電流)[A]、Zt
はトロリー線の等価自己インピーダンス[Ω/km]、
Znはネガティブ・フィーダ線の等価自己インピーダン
ス[Ω/km]、Zrはレールの等価自己インピーダン
ス[Ω/km]、Zbtは吸上変圧器単体の励磁インピ
ーダンス[Ω]、Zlは吸上変圧器の漏れインピーダン
ス[Ω]である。
【0091】ここで、Zs=Zbt+Zr・D(式
0)、とすると、図Cの等価回路より、以下の2式が導
かれる。 Ir=It−In ・・・ (式1) In・(Zl+Zn・D)=Ir・Zs ・・・ (式2) ・(式2)のIrに(式1)を代入する。
【0092】 In・(Zl+Zn・D)=(It−In)・Zs・・・ (式3) ・(式3)において、右辺の「−In・Zs」を左辺に
移項する。 In・(Zl+Zn・D+Zs)=It・Zs ・・・ (式4) ・(式4)より、吸上効率(2次電流/1次電流)mの
式を求める。 m=In/It=Zs/(Zl+Zn・D+Zs)・・・ (式5) ここで、以下に、BTき電回路の定数例を示す。 ・トロリー線自己インピーダンスZtt=0.192+j0.863
[Ω/km] ・レール自己インピーダンスZrr=0.213+j0.706[Ω
/km] ・ネガティブ・フィーダ線自己インピーダンスZnn=
0.200+j0.893[Ω/km] ・トロリー線・レール間相互インピーダンスZtr=0.
059+j0.382[Ω/km] ・トロリー線・ネガティブ・フィーダ線間相互インピー
ダンスZtn=0.058+j0.402[Ω/km] ・レール・ネガティブ・フィーダ線間相互インピーダンスZrn=0.059+j0.363 [Ω/km] ・・・ (式6) ・(式6)より、 Zr=Zrr+Ztn−Ztr−Zrn=0.153+j0.363[Ω/km] 絶対値 |Zr|=0.394[Ω/km] ・・・ (式7) Zn=Znn+Ztr−Ztn−Zrn=0.142+j0.510[Ω/km] 絶対値 |Zn|=0.529[Ω/km] ・・・ (式8) ・吸上変圧器の漏れインピーダンスZl=0.135[Ω] ・・・ (式9) ここで、任意の吸上線間隔D[km]に対する吸上効率
mを計算するにあたり、(式5)と(式0)とにおける
の未知数の中の、Zr、Zn、及び、Zlは定数であっ
て、予め測定することにより、例えば(式7)(式8)
(式9)に示すような値に特定される。よって、まだ特
定されていない未知数Zbtを特定すれば吸上効率mが
計算できる。
【0093】以下に、Zbtの特定方法について述べ
る。図21は、Ir−Zbt特性のグラフ(実測値)を
示す図である。ここで、図Dに示すIr−Zr特性のグ
ラフにおける、30[A]≦Ir≦5000[A]の部
分を、両対数グラフ上で直線近似する。両対数グラフ上
で直線近似する場合の近似式は、以下のように記述でき
る。
【0094】 logY=−α(logX)+β Y=10^{−α(logX)+β}=10^{−α(logX)}×10^β ={(10^(logX)}^(−α)×10^β=X^(−α)×10^β よって、a=10^β、b=αとおくと、Y=aX^(−b) (式10) 図22は、30[A]≦Ir≦5000[A]の部分を両対数
グラフ上で直線近似したIr−Zbt特性のグラフを示
す図である。
【0095】このグラフより、以下の近似式が得られ
る。 Zbt=684.11・Ir^-0.8982[Ω/km] ・・・ (式11) ここで、(式3)の両辺に「In・Zs」を加算する
と、以下の式が導かれる。 In・(Zl+Zn・D+Zs)=It・Zs ・・・ (式12) ・(式1)に基づき、(式12)のInにIt−Irを
代入する。
【0096】 (It−Ir)・(Zl+Zn・D+Zs)=It・Zs (式13) ・(式13)左辺の「−Ir・(Zl+Zn・D+Z
s)」を右辺に移項する。 It・(Zl+Zn・D)=Ir・(Zl+Zn・D+Zs)(式14) ・(式14)の両辺を「(Zl+Zn・D)」で除算
し、(式0)のZsを代入する。
【0097】 It={(Zl+Zn・D+Zs)/(Zl+Zn・D)}・Ir ={(Zl+Zn・D+Zbt+Zr・D)/(Zl+Zn・D)}・Ir ・・・ (式15) ・(式11)に基づいて、ZbtとIrの関係を表に
し、(式15)にZbtとIrの組を代入すればItが
計算できる。 ・一方、計測部からの標定値を実系換算した故障電流I
fは、 If=CT比×標定値/100×設定電流 ・・・ (式16) となる。(但し、CT比、設定電流は計測部で設定した
値とする。) ・ここで、故障電流Ifとほぼ等しいItとなるような
ZbtとIrの組を(式15)に基づいて、繰り返し計
算して求める。 ・こうしてZbtが求められるので、(式5)と(式
0)とにおけるの未知数は全て特定され、吸上効率mが
計算できる。
【0098】<吸上効率を導出する近似式を求める>以
上のようにして、(式15)からItを、(式2)から
吸上効率mを、D=3、4、5、6、7、8、9、10[km]の
それぞれについて求め、その関係を両対数グラフ上にプ
ロットする。図23〜30はD=3、4、5、6、7、8、
9、10[km]の場合のそれぞれについて、Itと吸上効
率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図であ
る。
【0099】ここで、Itの範囲を600〜5000[A]程度
とし、Dの各値毎に近似式を求める。ここで、各グラフ
を見ると、全てIt=1500[A]付近で折れ曲がってい
るので、Itの範囲を600〜1500[A]と1500〜5000
[A]とに区分して、それぞれの近似式を求めることと
した。 ・(式10)のYに吸上効率m、及び、XにItを代入
する。
【0100】 m=aIt^(−b) ・・・ (式17) ・(式17)の係数a、bをDの各値毎に求める。 600[A]≦It<1500[A]において、 D=3[km]の場合、a=10.057、b=0.3656 D=4[km]の場合、a=8.5863、b=0.3578 D=5[km]の場合、a=5.4645、b=0.3039 D=6[km]の場合、a=4.5212、b=0.2846 D=7[km]の場合、a=3.8380、b=0.2674 D=8[km]の場合、a=3.3272、b=0.2518 D=9[km]の場合、a=2.9346、b=0.2379 D=10[km]の場合、a=2.6258、b=0.2253 1500[A]≦It≦5000[A]において、 D=3[km]の場合、a=4.1860、b=0.2479 D=4[km]の場合、a=2.9629、b=0.2123 D=5[km]の場合、a=2.0218、b=0.1701 D=6[km]の場合、a=1.6717、b=0.1498 D=7[km]の場合、a=1.4408、b=0.1338 D=8[km]の場合、a=1.2785、b=0.1209 D=9[km]の場合、a=1.1590、b=0.1103 D=10[km]の場合、a=1.0678、b=0.1014 ・・・ (式18) ・(式18)から、任意のDに対応する(式17)の係
数a、bを算出する近似式を以下に示す。
【0101】600[A]≦It<1500[A]において、 a=−0.01704D^3+0.52359D^2−5.52895D+22.66
22 b=0.0000851D^3+0.0001554D^2−0.03449D+0.4
715 1500[A]≦It≦5000[A]において、 a=0.001234^4−0.04955D^3+0.7294D^2−4.793D+13.25 b=−0.00006562D^4+0.001395D^3+0.006898D^2−0.03246D +0.3760 ・・・ (式19) ・ItとDが既知であれば、(式19)からa、bが計
算でき、It、a、bを(式17)に代入すれば、吸上
効率mを容易に即座に計算できる。
【0102】図31は、近似式(式19)、(式17)
から求めた吸上効率の近似値「推定m」と、これらの近
似式を用いないで計算した吸上効率「m」との比較を示
す図である。この図より、比誤差{(推定m−m)/m
[%]}は−2.4〜+3.0%であることがわかり、実用範
囲内にあるといえる。
【0103】<動作>ここでは、図11のステップS4
01〜ステップS410で電圧救済用コンデンサのリア
クタンス値分が補正された後に吸上効率の変化分を補正
する処理が行われ、この処理の後でステップS411の
故障点の距離を判定する処理が行われるものとする。
【0104】図32は、吸上効率の変化分を補正する処
理のフローチャートを示す図である。 (1)吸上効率計算部123が、最も変電所に近い吸上
変圧器から近い順に、吸上変圧器データ記憶部122が
記憶する近似式に、吸上線間隔と短絡故障感知部104
bが測定した故障時のトロリー線電流とを代入して吸上
効率を計算する(ステップS501)。ここでは、10
00[A]のItが測定されたものとし、図19に示し
たトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障に
おける故障点までの距離とリアクタンス値との関係を補
正する場合の計算例を示す。
【0105】図19では、まず最も変電所に近い吸上変
圧器BT1に対応する吸上線S1と吸上線S2との吸上
線間隔4[km]を、(式19)の「600[A]≦It
<1500[A]において」の式の「D」に代入して、「a
=7.83288」、「b=0.3414728」と算出し、このa、b
及びItを(式17)に代入して「吸上効率m=0.740
5」と算出する。
【0106】(2)対応関係補正部120が、最も変電
所に近い吸上変圧器から近い順に、その区間のリアクタ
ンス値の増分と、吸上効率計算部123が計算した吸上
変圧器毎の吸上効率とを乗算して、故障点までの距離と
リアクタンス値との関係を補正する(ステップS50
2)。ここでは、吸上線S1から吸上線S2までの距離
(0〜4km)のリアクタンス値の増分と、吸上変圧器
BT1に対応する「吸上効率m=0.7405」とを乗算し
て、故障点までの距離とリアクタンス値との関係を補正
する。例えば、距離4kmの補正前のリアクタンス値の
増分は4[Ω]なので、補正後のリアクタンス値の増分
は「2.962[Ω]」となる。ここで、距離0kmのリア
クタンス値は0[Ω]なので、距離4kmの補正後のリ
アクタンス値は増分と同じ「2.962[Ω]」となる。
【0107】(3)全ての吸上変圧器について、吸上効
率の変化分を補正したか否かを判断する(ステップS5
03)。未処理の吸上変圧器が有る場合は次の吸上変圧
器についての補正処理を行なう(ステップS503:N
o、ステップS501、ステップS502)。ここで
は、吸上変圧器BT2及び吸上変圧器BT3の補正処理
を行なう。吸上変圧器BT2に対応する吸上線S2と吸
上線S3との吸上線間隔と、吸上変圧器BT3に対応す
る吸上線S3と吸上線S4との吸上線間隔は、吸上変圧
器BT1の場合と同様に4[km]なので、吸上効率m
は吸上変圧器BT1の場合と同様となる。例えば、距離
8km及び距離12kmの補正前のリアクタンス値の増
分は距離4kmの場合と同様に4[Ω]なので、補正後
のリアクタンス値の増分は 距離4kmの場合と同様と
なる。ここで、距離8kmの補正後のリアクタンス値
は、距離4kmの補正後のリアクタンス値「2.962
[Ω]」と、距離8km補正後のリアクタンス値の増分
「2.962[Ω]」と加算して、「5.924[Ω]」となり、
距離12kmの補正ごのリアクタンス値は、距離8km
の補正後のリアクタンス値「5.924[Ω]」と、距離1
2km補正後のリアクタンス値の増分「2.962[Ω]」
と加算して、「8.886[Ω]」となる。
【0108】図33は、図36に示したトロリー線とネ
ガティブ・フィーダ線との短絡故障における故障点まで
の距離とリアクタンス値との関係を、吸上効率の変化分
だけ補正した図である。以上で示したように、実施の形
態2に係る交流BTき電回路故障判定装置は、補正すべ
き区間を示す情報と、補正すべき区間を示す情報と故障
電流とに基づいて吸上効率を計算する計算式とを、予め
記憶しておき、短絡故障を感知した時点において、区間
ごとに吸上効率を計算して、故障点までの距離とリアク
タンス値との関係を補正する。
【0109】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3について、図面を用いて説明する。実施の形態2に
係る交流BTき電回路故障判定装置は、図40に示すよ
うな上り線と下り線の両方に給電する起電回路において
短絡故障が発生した場合に、上り線と下り線とのどちら
で故障が発生したかを特定するものである。
【0110】<構成>図34は、上り線と下り線の両方
に給電するき電回路に、上り線と下り線とのどちらで故
障が発生したかを特定する実施の形態3に係る交流BT
き電回路故障判定装置を適用した例を示す図である。故
障方向判定装置124は、電流計125、電圧計12
6、及び、ロケータ127を備える。
【0111】電流計125は、SPにおけるSP点電流
を測定しロケータ127へその電流値を送信する。電圧
計126は、SPにおけるSP点電圧を測定しロケータ
127へその電圧値を送信する。ロケータ127は、瞬
時過電流検出要素を内蔵し、短絡故障に相当する過電流
が検出された時に起動し、電流計125と電圧計126
とから送信されたの計測値に基づいて標定方法を判断
し、故障方向を判別する。
【0112】<標定方法の判断基準と内容> (1)ロケータ127が起動した時のSP点電圧が予め
設定した第1設定値以上の場合は、従来通りの故障点標
定を行なわせる。ここでは、第1設定値は、100Vから4
00Vまで100Vきざみで設定できることとした。 (2)ロケータ127が起動した時のSP点電圧が予め
設定した第2設定以上で、且つ、第1設定値未満の場合
は、ロケータ127が、以下に示す特性の電圧増幅器に
より方向判別を行ない、故障点標定(この場合はアンプ
のゲイン分が補正される)を行なわせる。ここでは、第
2設定値は、20Vから100Vまで20Vきざみで設定でき
ることとした。
【0113】図35は、電圧増幅器の出力特性を示す図
である。 (3)ロケータ127が起動した時のSP点電圧が第2
設定未満の場合は、ロケータ127が方向判別を行な
い、故障点標定は行なわせずに至近距離であると判定す
る。 <方向判別の方法>上記(2)、(3)における方向判
別の方法は、ロケータ127が予め通常時のSP点電圧
に同期する位相の電圧を備え、この電圧の位相を基準に
ロケータ127が起動した時のSP点電圧の位相を調べ
ることにより方向判別を行なう。
【0114】
【発明の効果】(A)本発明に係る交流BTき電回路故
障判定装置は、変電所から交流電力を一端に供給される
ネガティブ・フィーダ線とトロリー線をレールと併走す
る状態に張架すると共にネガティブ・フィーダ線とトロ
リー線に沿って吸上変圧器を少なくとも1つ挿設し吸上
変圧器により区分された区間毎にネガティブ・フィーダ
線とレールとを吸上線で接続してなる交流電気鉄道の吸
上変圧器き電回路における短絡故障を判定する装置であ
って、吸上線を流れる電流が設定値を超えたことを吸上
線毎に感知する感知手段と、感知手段が少なくとも1つ
の吸上線を流れる電流が設定値を超えたと感知した場合
は超えたと感知された吸上線が接続された区間でトロリ
ー線とレールとの短絡故障が発生したと判定する判定手
段とを備えることを特徴とする。
【0115】これによって、何れかの吸上線を流れる電
流が設定値を超えた場合に、トロリー線とレールとの短
絡故障が発生した区間を判定することができるので、ト
ロリー線とレールとの短絡故障の発生を単独に区間単位
で判定することができる。従って、BTき電回路におい
て発生する短絡故障の故障点を、より正確に判定するこ
とができる。
【0116】(B)また、本発明に係る交流BTき電回
路故障判定装置は、変電所から交流電力を一端に供給さ
れるネガティブ・フィーダ線とトロリー線をレールと併
走する状態に張架すると共にネガティブ・フィーダ線と
トロリー線に沿って吸上変圧器を挿設し吸上変圧器によ
り区分された区間毎にネガティブ・フィーダ線とレール
とを吸上線で接続してなる交流電気鉄道の吸上変圧器き
電回路における短絡故障を判定する装置であって、吸上
線を流れる電流が設定値を超えたことを吸上線毎に感知
する第1感知手段と、トロリー線とネガティブ・フィー
ダ線との短絡故障、及び、トロリー線とレールとの短絡
故障の発生を感知する第2感知手段と、第2感知手段が
短絡故障の発生を感知した時点において前記第1感知手
段が1つの吸上線を流れる電流も設定値を超えたと感知
しなかった場合はトロリー線とネガティブ・フィーダ線
との短絡故障が発生したと判定し、第1感知手段が少な
くとも1つの吸上線を流れる電流が設定値を超えたと感
知した場合はトロリー線とレールとの短絡故障が発生し
たと判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0117】これによって、トロリー線とネガティブ・
フィーダ線との短絡故障及びトロリー線とレールとの短
絡故障の何れかの発生を感知した場合に、どちらの短絡
故障が発生したかを判定することができる。従って、B
Tき電回路において発生する短絡故障の故障点を、より
正確に判定することができる。
【0118】(C)ここで(B)において、前記交流B
Tき電回路故障判定装置は、さらに、ネガティブ・フィ
ーダ線の複数の位置に流れる電流が設定値を超えたこと
をそれぞれ感知する第3感知手段を備え、前記判定手段
はトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が
発生したと判定した場合には、さらに、前記第2感知手
段が何れかの短絡故障の発生を感知した時点において第
3感知手段が1つの電流測定位置でもネガティブ・フィ
ーダ線を流れる電流が設定値を超えたと感知しなかった
場合は前記変電所から最も近い第3感知手段の電流測定
位置と変電所との間でトロリー線とネガティブ・フィー
ダ線との短絡故障が発生したと判定し、第3感知手段が
少なくとも1つの電流測定位置でネガティブ・フィーダ
線を流れる電流が設定値を超えたと感知した場合は設定
値を超えたと感知された第3感知手段の電流測定位置の
中で変電所から最も遠い第3感知手段の電流測定位置よ
りも遠く次に遠い第3感知手段の電流測定位置を越えな
い位置でトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡
故障が発生したと判定することを特徴とすることもでき
る。
【0119】これによって、何れかのネガティブ・フィ
ーダ線を流れる電流が設定値を超えた場合に、トロリー
線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生した位
置を判定することができる。従って、BTき電回路にお
いて発生する短絡故障の故障点を、より正確に判定する
ことができる。
【0120】(D)また、本発明に係る交流BTき電回
路故障判定装置は、変電所から交流電力を一端に供給さ
れるネガティブ・フィーダ線とトロリー線をレールと併
走する状態に張架すると共にネガティブ・フィーダ線と
トロリー線に沿って吸上変圧器を挿設し吸上変圧器によ
り区分された区間毎にネガティブ・フィーダ線とレール
とを吸上線で接続しネガティブ・フィーダ線に直列に電
圧救済用コンデンサを少なくとも1つ挿設すると共に電
圧救済用コンデンサの両端を短絡する手段を有してなる
交流電気鉄道の吸上変圧器き電回路における短絡故障を
判定する装置であって、変電所が接続された一端におい
て吸上変圧器き電回路のリアクタンス値を測定するリア
クタンス測定手段と、短絡故障が発生した時点における
リアクタンス測定手段が測定するリアクタンス値と変電
所が接続された一端から故障点までの距離との対応関係
を予め記憶する第1記憶手段と、電圧救済用コンデンサ
のリアクタンス値と変電所が接続された一端からそのリ
アクタンス値分を補正すべき最も近い位置までの距離で
ある最短距離とのペアを電圧救済用コンデンサ毎に予め
記憶する第2記憶手段と、短絡故障の発生を感知する感
知手段と、感知手段が短絡故障の発生を感知した時点に
おいて電圧救済用コンデンサの両端が短絡されているか
否かを電圧救済用コンデンサ毎に検出する検出手段と、
検出手段が短絡されていないと検出した全ての電圧救済
用コンデンサに対応するリアクタンス値と最短距離との
ペアの全てを第2記憶手段から抽出する抽出手段と、第
1記憶手段が記憶するリアクタンス値と距離との対応関
係を抽出手段が抽出したリアクタンス値と最短距離との
ペアの全てによって補正する補正手段と、補正手段が補
正したリアクタンス値と距離との対応関係と感知手段が
感知した時点においてリアクタンス測定手段が測定した
リアクタンス値とによって短絡故障の故障点までの距離
を判定する距離判定手段とを備えることを特徴とする。
【0121】これによって、短絡故障による電流が流れ
たコンデンサのリアクタンス値分を補正することができ
るので、故障点の距離を判定する際の精度が向上する。
従って、BTき電回路において発生する短絡故障の故障
点を、より正確に判定することができる。 (E)ここで(D)において、前記補正手段は、前記抽
出手段が抽出した全てのペア毎に前記第1記憶手段が記
憶するリアクタンス値の中の抽出手段が抽出した最短距
離より遠くの全ての距離に対応するリアクタンス値から
抽出手段が抽出したリアクタンス値を減算することによ
って補正することを特徴とすることもできる。
【0122】これによって、補正が必要な部分のみに的
確に、且つ、比較的容易に、リアクタンス値と距離との
対応関係を補正することができる。従って、BTき電回
路において発生する短絡故障の故障点を、より正確に判
定することができる。 (F)ここで(D)又は(E)において、前記短絡故障
はトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障で
あり、前記最短距離は前記変電所が接続された一端から
各電圧救済用コンデンサまでの距離であることを特徴と
することもできる。
【0123】これによって、トロリー線とネガティブ・
フィーダ線との短絡故障におけるリアクタンス値と距離
との対応関係を、比較的忠実に補正することができる。 (G)ここで(D)又は(E)において、前記短絡故障
はトロリー線とレールとの短絡故障であり、前記最短距
離は、各電圧救済用コンデンサの位置が前記各区間にお
いて区間内の吸上線よりも変電所に近い場合は変電所が
接続された一端から変電所に近い方の吸上変圧器までの
距離であり、その位置が区間内の吸上線よりも変電所か
ら遠い場合は変電所から遠い方の吸上変圧器までの距離
であることを特徴とすることもできる。
【0124】これによって、トロリー線とレールとの短
絡故障におけるリアクタンス値と距離との対応関係を、
比較的忠実に補正することができる。 (H)ここで(D)又は(E)において、前記短絡故障
はトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障、
及び、トロリー線とレールとの短絡故障の何れかであ
り、前記第1記憶手段はトロリー線とネガティブ・フィ
ーダ線との短絡故障の場合、及び、トロリー線とレール
との短絡故障の場合の対応関係をそれぞれ記憶し、前記
第2記憶手段はトロリー線とネガティブ・フィーダ線と
の短絡故障の場合、及び、トロリー線とレールとの短絡
故障の場合のリアクタンス値と最短距離とのペアをそれ
ぞれ記憶し、前記感知手段は、さらに、前記吸上線を流
れる電流が設定値を超えたことを吸上線毎に感知する第
1感知手段と、トロリー線とネガティブ・フィーダ線と
の短絡故障、及び、トロリー線とレールとの短絡故障の
何れかの発生を感知する第2感知手段とを含み、前記交
流BTき電回路故障判定装置は、さらに、前記第2感知
手段が何れかの短絡故障の発生を感知した時点におい
て、前記第1感知手段が1つの吸上線を流れる電流も設
定値を超えたと感知しなかった場合はトロリー線とネガ
ティブ・フィーダ線との短絡故障が発生したと判定し、
前記第1感知手段が少なくとも1つの吸上線を流れる電
流が設定値超えたと感知した場合はトロリー線とレール
との短絡故障が発生したと判定する判定手段を備え、前
記抽出手段は前記判定手段が判定した短絡故障に対応す
るリアクタンス値と最短距離とのペアを抽出し、前記補
正手段は前記判定手段が判定した短絡故障に対応する対
応関係を補正することを特徴とすることもできる。
【0125】これによって、トロリー線とネガティブ・
フィーダ線との短絡故障、及び、トロリー線とレールと
の短絡故障の何れかの発生を感知した場合に、どの短絡
故障が発生したかを判定することができ、判定した短絡
故障におけるリアクタンス値と距離との対応関係を、比
較的忠実に補正することができる。従って、BTき電回
路において発生する短絡故障の故障点を、より正確に判
定することができる。
【0126】(I)ここで(D)〜(H)の何れかにお
いて、前記交流BTき電回路故障判定装置は、さらに、
前記感知手段が短絡故障の発生を感知した時点において
故障電流を測定する故障電流測定手段と、吸上効率によ
り補正すべき区間を示す吸上変圧器毎の区間情報と区間
情報と故障電流とに基づいて吸上効率を計算する計算式
とを予め記憶する第3記憶手段と、第3記憶手段が記憶
する区間情報と故障電流測定手段が測定した故障電流と
に基づいて前記計算式を用いて吸上変圧器毎に吸上効率
を計算する吸上効率計算手段とを備え、前記補正手段
は、さらに、前記第1記憶手段が記憶するリアクタンス
値と距離との対応関係を前記吸上効率計算手段が計算し
た吸上変圧器毎の吸上効率に基づいて対応する区間情報
が示す補正すべき区間について補正することを特徴とす
ることもできる。
【0127】これによって、吸上効率により補正すべき
区間毎に的確に、且つ、比較的容易に、リアクタンス値
と距離との対応関係を吸上効率に基づいて補正すること
ができる。従って、BTき電回路において発生する短絡
故障の故障点を、より正確に判定することができる。
【0128】(J)ここで(D)〜(H)の何れかにお
いて、前記吸上変圧器き電回路における隣接する吸上線
間の間隔が全て同じ場合において、前記交流BTき電回
路故障判定装置は、さらに、前記感知手段が短絡故障の
発生を感知した時点において故障電流を測定する故障電
流測定手段と、故障電流に基づいて吸上効率を計算する
計算式を予め記憶する第3記憶手段と、前記故障電流測
定手段が測定した故障電流とに基づいて前記計算式を用
いて吸上効率を計算する吸上効率計算手段とを備え、前
記補正手段は、さらに、前記第1記憶手段が記憶するリ
アクタンス値と距離との対応関係を前記吸上効率計算手
段が計算した吸上効率に基づいて補正することを特徴と
することもできる。
【0129】これによって、隣接する吸上線間の間隔が
全て同じ場合において、的確に、且つ、比較的容易に、
リアクタンス値と距離との対応関係を吸上効率に基づい
て補正することができる。従って、BTき電回路におい
て発生する短絡故障の故障点を、より正確に判定するこ
とができる。
【0130】(K)また、本発明に係る交流BTき電回
路故障判定方法は、変電所から交流電力を一端に供給さ
れるネガティブ・フィーダ線とトロリー線をレールと併
走する状態に張架すると共にネガティブ・フィーダ線と
トロリー線に沿って吸上変圧器を少なくとも1つ挿設し
吸上変圧器により区分された区間毎にネガティブ・フィ
ーダ線とレールとを吸上線で接続してなる交流電気鉄道
の吸上変圧器き電回路における短絡故障を判定する方法
であって、吸上線を流れる電流が設定値を超えたことを
吸上線毎に感知する感知ステップと、感知ステップで少
なくとも1つの吸上線を流れる電流が設定値を超えたと
感知された場合は超えたと感知された吸上線が接続され
た区間でトロリー線とレールとの短絡故障が発生したと
判定する判定ステップとを備えることを特徴とする。
【0131】これによって、(A)と同様の効果か得ら
れる。 (L)また、本発明に係る交流BTき電回路故障判定方
法は、変電所から交流電力を一端に供給されるネガティ
ブ・フィーダ線とトロリー線をレールと併走する状態に
張架すると共にネガティブ・フィーダ線とトロリー線に
沿って吸上変圧器を挿設し吸上変圧器により区分された
区間毎にネガティブ・フィーダ線とレールとを吸上線で
接続してなる交流電気鉄道の吸上変圧器き電回路におけ
る短絡故障を判定する方法であって、吸上線を流れる電
流が設定値を超えるか否かを吸上線毎に感知する第1感
知ステップと、トロリー線とネガティブ・フィーダ線と
の短絡故障、及び、トロリー線とレールとの短絡故障の
発生を感知する第2感知ステップと、第2感知ステップ
で短絡故障の発生が感知された時点において、前記第1
感知ステップで1つの吸上線を流れる電流も設定値を超
えなかったと感知された場合はトロリー線とネガティブ
・フィーダ線との短絡故障が発生したと判定し、第1感
知ステップで少なくとも1つの吸上線を流れる電流が設
定値を超えたと感知された場合はトロリー線とレールと
の短絡故障が発生したと判定する判定ステップとを備え
ることを特徴とする。
【0132】これによって、(B)と同様の効果か得ら
れる。 (M)ここで(L)において、前記交流BTき電回路故
障判定方法は、さらに、ネガティブ・フィーダ線の複数
の位置に流れる電流が設定値を超えるか否かをそれぞれ
感知する第3感知ステップを備え、前記判定ステップは
トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発
生したと判定した場合には、さらに、前記第2感知ステ
ップで何れかの短絡故障の発生が感知された時点におい
て第3感知ステップで1つの電流測定位置でもネガティ
ブ・フィーダ線を流れる電流が設定値を超えなかったと
感知された場合は、前記変電所から最も近い第3感知ス
テップの電流測定位置と変電所との間でトロリー線とネ
ガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生したと判定
し、第3感知ステップで少なくとも1つの電流測定位置
でネガティブ・フィーダ線を流れる電流が設定値を超え
たと感知された場合は設定値を超えたと感知された第3
感知ステップの電流測定位置の中で変電所から最も遠い
第3感知ステップの電流測定位置よりも遠く次に遠い第
3感知ステップの電流測定位置を越えない位置でトロリ
ー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生した
と判定することを特徴とすることもできる。
【0133】これによって、(C)と同様の効果か得ら
れる。 (N)また、本発明に係る交流BTき電回路故障判定方
法は、変電所から交流電力を一端に供給されるネガティ
ブ・フィーダ線とトロリー線をレールと併走する状態に
張架すると共にネガティブ・フィーダ線とトロリー線に
沿って吸上変圧器を挿設し吸上変圧器により区分された
区間毎にネガティブ・フィーダ線とレールとを吸上線で
接続しネガティブ・フィーダ線に直列に電圧救済用コン
デンサを少なくとも1つ挿設すると共に電圧救済用コン
デンサの両端を短絡する手段を有してなる交流電気鉄道
の吸上変圧器き電回路における短絡故障を判定する方法
であって、短絡故障が発生した時点におけるリアクタン
ス測定手段が測定するリアクタンス値と変電所が接続さ
れた一端から故障点までの距離との対応関係が予め第1
記憶装置に記憶されており、電圧救済用コンデンサのリ
アクタンス値と変電所が接続された一端からそのリアク
タンス値分を補正すべき最も近い位置までの距離である
最短距離とのペアが電圧救済用コンデンサ毎に予め第2
記憶装置に記憶されており、変電所が接続された一端に
おいて吸上変圧器き電回路のリアクタンス値を測定する
リアクタンス測定ステップと、短絡故障の発生を感知す
る感知ステップと、感知ステップで短絡故障の発生が感
知された時点において電圧救済用コンデンサの両端が短
絡されているか否かを電圧救済用コンデンサ毎に検出す
る検出ステップと、検出ステップで短絡されていないと
検出された全ての電圧救済用コンデンサに対応するリア
クタンス値と最短距離とのペアの全てを第2記憶装置か
ら抽出する抽出ステップと、第1記憶装置に記憶された
リアクタンス値と距離との対応関係を抽出ステップで抽
出されたリアクタンス値と最短距離とのペアの全てによ
って補正する補正ステップと、補正ステップで補正され
たリアクタンス値と距離との対応関係と感知ステップで
感知された時点においてリアクタンス測定ステップで測
定されたリアクタンス値とによって短絡故障の故障点ま
での距離を判定する距離判定ステップとを備えることを
特徴とする。
【0134】これによって、(D)と同様の効果か得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電圧救済用コンデンサを含む交流電気鉄道のB
Tき電回路に、本発明に係る交流BTき電回路故障判定
装置を適用した例を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る故障判定部112の詳細を
示す図である。
【図3】(a)は、電圧救済用コンデンサのリアクタン
ス値と、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡
故障におけるそのリアクタンス値分を補正すべき最短距
離とのペアを示す図である。(b)は、電圧救済用コン
デンサのリアクタンス値と、トロリー線とレールとの短
絡故障におけるそのリアクタンス値分を補正すべき最短
距離とのペアを示す図である。
【図4】(a)は、交流電気鉄道のBTき電回路の吸上
変圧器105aと吸上線106bとの間の線路におい
て、トロリー線とレールとの短絡故障が発生した場合を
示す図である。(b)は、交流電気鉄道のBTき電回路
の吸上線106bと吸上変圧器105bの間の線路にお
いて、トロリー線とレールとの短絡故障が発生した場合
を示す図である。
【図5】(a)は、交流電気鉄道のBTき電回路の吸上
変圧器105bと吸上線106cとの間の線路におい
て、トロリー線とレールとの短絡故障が発生した場合を
示す図である。(b)は、交流電気鉄道のBTき電回路
の吸上線106cと吸上変圧器105cの間の線路にお
いて、トロリー線とレールとの短絡故障が発生した場合
を示す図である。
【図6】(a)は、交流電気鉄道のBTき電回路の吸上
変圧器105aと吸上線106bとの間の線路におい
て、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障
が発生した場合を示す図である。(b)は、交流電気鉄
道のBTき電回路の吸上線106bと吸上変圧器105
bの間の線路において、トロリー線とネガティブ・フィ
ーダ線との短絡故障が発生した場合を示す図である。
【図7】(a)は、交流電気鉄道のBTき電回路の吸上
変圧器105bと吸上線106cとの間の線路におい
て、トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障
が発生した場合を示す図である。(b)は、交流電気鉄
道のBTき電回路の吸上線106cと吸上変圧器105
cの間の線路において、トロリー線とネガティブ・フィ
ーダ線との短絡故障が発生した場合を示す図である。
【図8】吸上線を流れる電流が設定値を超えたことを感
知することによって、BTき電回路におけるトロリー線
とレールとの短絡故障の発生を単独で判定する処理のフ
ローチャートを示す図である。
【図9】BTき電回路におけるトロリー線とネガティブ
・フィーダ線との短絡故障、及び、トロリー線とレール
との短絡故障の何れかの発生を変電所における電流等に
よって感知し、どの短絡故障が発生したかを判定する処
理のフローチャートを示す図である。
【図10】複数のネガティブ・フィーダ線を流れる電流
によって、BTき電回路におけるトロリー線とネガティ
ブ・フィーダ線との短絡故障が発生した位置を判定する
処理のフローチャートを示す図である。
【図11】電圧救済用コンデンサのリアクタンス値分を
補正し、故障点の距離を判定する処理のフローチャート
を示す図である。
【図12】補正後のリアクタンス値と故障点までの距離
との対応関係を示す図である。
【図13】補正後のリアクタンス値と故障点までの距離
との対応関係を示す図である。
【図14】補正後のリアクタンス値と故障点までの距離
との対応関係を示す図である。
【図15】補正後のリアクタンス値と故障点までの距離
との対応関係を示す図である。
【図16】補正後のリアクタンス値と故障点までの距離
との対応関係を示す図である。
【図17】補正後のリアクタンス値と故障点までの距離
との対応関係を示す図である。
【図18】実施の形態2に係る故障判定部112の詳細
を示す図である。
【図19】吸上線でのトロリー線とレールとの短絡故障
時の概略を示す図である。
【図20】BT飽和時の、図19の等価回路を示す図で
ある。
【図21】Ir−Zbt特性のグラフ(実測値)を示す
図である。
【図22】30[A]≦Ir≦5000[A]の部分を両対数
グラフ上で直線近似したIr−Zbt特性のグラフを示
す図である。
【図23】D=3[km]の場合のトロリー線電流Itと
吸上効率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図
である。
【図24】D=4[km]の場合のトロリー線電流Itと
吸上効率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図
である。
【図25】D=5[km]の場合のトロリー線電流Itと
吸上効率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図
である。
【図26】D=6[km]の場合のトロリー線電流Itと
吸上効率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図
である。
【図27】D=7[km]の場合のトロリー線電流Itと
吸上効率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図
である。
【図28】D=8[km]の場合のトロリー線電流Itと
吸上効率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図
である。
【図29】D=9[km]の場合のトロリー線電流Itと
吸上効率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図
である。
【図30】D=10[km]の場合のトロリー線電流Itと
吸上効率mとの関係を両対数グラフ上にプロットした図
である。
【図31】近似式(式19)、(式17)から求めた吸
上効率の近似値「推定m」と、これらの近似式を用いな
いで計算した吸上効率「m」との比較を示す図である。
【図32】吸上効率の変化分を補正する処理のフローチ
ャートを示す図である。
【図33】図36に示したトロリー線とネガティブ・フ
ィーダ線との短絡故障における故障点までの距離とリア
クタンス値との関係を、吸上効率の変化分だけ補正した
図である。
【図34】上り線と下り線の両方に給電するき電回路
に、上り線と下り線とのどちらで故障が発生したかを特
定する実施の形態3に係る交流BTき電回路故障判定装
置を適用した例を示す図である。
【図35】電圧増幅器の出力特性を示す図である。
【図36】交流電気鉄道のBTき電回路の概略を示す図
である。
【図37】トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短
絡故障において、故障点までの距離とリアクタンス値と
の関係を示す図である。
【図38】トロリー線とレールとの短絡故障において、
故障点までの距離とリアクタンス値との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
101 ネガティブ・フィーダ線 102 トロリー線 103 レール 104 変電所 104a 交流電源 104b 短絡故障感知部 105a、105b、105c 吸上変圧器 106a、106b、106c、106d 吸上線 107a、107b 電圧救済用コンデンサ 108a、108b コンデンサ短絡部 109a、109b、109c、109d 吸上線電流
感知部 110a、110b、110c、110d、110e、
110f フィーダ線電流感知部 111a、111b 短絡検出部 112 故障判定部 113 吸上線感知集計部 114 フィーダ線感知集計部 115 判定部 116 リアクタンス測定部 117 対応関係記憶部 118 コンデンサデータ記憶部 119 コンデンサデータ抽出部 120 対応関係補正部 121 距離判定部 122 吸上変圧器データ記憶部 123 吸上効率計算部 124 故障方向判定装置 125 電流計 126 電圧計 127 ロケータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 弘康 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 久水 泰司 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 中谷 真一 大阪府箕面市瀬川4丁目4番10号 津田電 気計器株式会社内 (72)発明者 石脇 史猛 大阪府箕面市瀬川4丁目4番10号 津田電 気計器株式会社内 Fターム(参考) 2G033 AA04 AB01 AB04 AC04 AD11 AD18 AE01 AF01 AG12

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変電所から交流電力を一端に供給される
    ネガティブ・フィーダ線とトロリー線を、レールと併走
    する状態に張架すると共に、ネガティブ・フィーダ線と
    トロリー線に沿って吸上変圧器を少なくとも1つ挿設
    し、吸上変圧器により区分された区間毎にネガティブ・
    フィーダ線とレールとを吸上線で接続してなる交流電気
    鉄道の吸上変圧器き電回路における短絡故障を判定する
    装置であって、 吸上線を流れる電流が設定値を超えたことを、吸上線毎
    に感知する感知手段と、 感知手段が少なくとも1つの吸上線を流れる電流が設定
    値を超えたと感知した場合は、超えたと感知された吸上
    線が接続された区間で、トロリー線とレールとの短絡故
    障が発生したと判定する判定手段とを備えることを特徴
    とする交流BTき電回路故障判定装置。
  2. 【請求項2】 変電所から交流電力を一端に供給される
    ネガティブ・フィーダ線とトロリー線を、レールと併走
    する状態に張架すると共に、ネガティブ・フィーダ線と
    トロリー線に沿って吸上変圧器を挿設し、吸上変圧器に
    より区分された区間毎にネガティブ・フィーダ線とレー
    ルとを吸上線で接続してなる交流電気鉄道の吸上変圧器
    き電回路における短絡故障を判定する装置であって、 吸上線を流れる電流が設定値を超えたことを、吸上線毎
    に感知する第1感知手段と、 トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障、及
    び、トロリー線とレールとの短絡故障の発生を感知する
    第2感知手段と、 第2感知手段が短絡故障の発生を感知した時点におい
    て、前記第1感知手段が1つの吸上線を流れる電流も設
    定値を超えたと感知しなかった場合は、トロリー線とネ
    ガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生したと判定
    し、第1感知手段が少なくとも1つの吸上線を流れる電
    流が設定値を超えたと感知した場合は、トロリー線とレ
    ールとの短絡故障が発生したと判定する判定手段とを備
    えることを特徴とする交流BTき電回路故障判定装置。
  3. 【請求項3】 前記交流BTき電回路故障判定装置は、
    さらに、 ネガティブ・フィーダ線の複数の位置に流れる電流が設
    定値を超えたことをそれぞれ感知する第3感知手段を備
    え、 前記判定手段は、トロリー線とネガティブ・フィーダ線
    との短絡故障が発生したと判定した場合には、さらに、 前記第2感知手段が何れかの短絡故障の発生を感知した
    時点において、第3感知手段が1つの電流測定位置でも
    ネガティブ・フィーダ線を流れる電流が設定値を超えた
    と感知しなかった場合は、前記変電所から最も近い第3
    感知手段の電流測定位置と変電所との間でトロリー線と
    ネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生したと判定
    し、第3感知手段が少なくとも1つの電流測定位置でネ
    ガティブ・フィーダ線を流れる電流が設定値を超えたと
    感知した場合は、設定値を超えたと感知された第3感知
    手段の電流測定位置の中で変電所から最も遠い第3感知
    手段の電流測定位置よりも遠く、次に遠い第3感知手段
    の電流測定位置を越えない位置で、トロリー線とネガテ
    ィブ・フィーダ線との短絡故障が発生したと判定するこ
    とを特徴とする請求項2記載の交流BTき電回路故障判
    定装置。
  4. 【請求項4】 変電所から交流電力を一端に供給される
    ネガティブ・フィーダ線とトロリー線を、レールと併走
    する状態に張架すると共に、ネガティブ・フィーダ線と
    トロリー線に沿って吸上変圧器を挿設し、吸上変圧器に
    より区分された区間毎にネガティブ・フィーダ線とレー
    ルとを吸上線で接続し、ネガティブ・フィーダ線に直列
    に電圧救済用コンデンサを少なくとも1つ挿設すると共
    に、電圧救済用コンデンサの両端を短絡する手段を有し
    てなる交流電気鉄道の吸上変圧器き電回路における短絡
    故障を判定する装置であって、 変電所が接続された一端において、吸上変圧器き電回路
    のリアクタンス値を測定するリアクタンス測定手段と、 短絡故障が発生した時点における、リアクタンス測定手
    段が測定するリアクタンス値と変電所が接続された一端
    から故障点までの距離との対応関係を、予め記憶する第
    1記憶手段と、 電圧救済用コンデンサのリアクタンス値と、変電所が接
    続された一端からそのリアクタンス値分を補正すべき最
    も近い位置までの距離である最短距離とのペアを、電圧
    救済用コンデンサ毎に予め記憶する第2記憶手段と、 短絡故障の発生を感知する感知手段と、 感知手段が短絡故障の発生を感知した時点において、電
    圧救済用コンデンサの両端が短絡されているか否かを、
    電圧救済用コンデンサ毎に検出する検出手段と、 検出手段が短絡されていないと検出した全ての電圧救済
    用コンデンサに対応するリアクタンス値と最短距離との
    ペアの全てを、第2記憶手段から抽出する抽出手段と、 第1記憶手段が記憶するリアクタンス値と距離との対応
    関係を、抽出手段が抽出したリアクタンス値と最短距離
    とのペアの全てによって補正する補正手段と、 補正手段が補正したリアクタンス値と距離との対応関係
    と、感知手段が感知した時点においてリアクタンス測定
    手段が測定したリアクタンス値とによって、短絡故障の
    故障点までの距離を判定する距離判定手段とを備えるこ
    とを特徴とする交流BTき電回路故障判定装置。
  5. 【請求項5】 前記補正手段は、 前記抽出手段が抽出した全てのペア毎に、前記第1記憶
    手段が記憶するリアクタンス値の中の、抽出手段が抽出
    した最短距離より遠くの全ての距離に対応するリアクタ
    ンス値から、抽出手段が抽出したリアクタンス値を減算
    することによって補正することを特徴とする請求項4記
    載の交流BTき電回路故障判定装置。
  6. 【請求項6】 前記短絡故障は、トロリー線とネガティ
    ブ・フィーダ線との短絡故障であり、 前記最短距離は、前記変電所が接続された一端から各電
    圧救済用コンデンサまでの距離であることを特徴とする
    請求項4又は5記載の交流BTき電回路故障判定装置。
  7. 【請求項7】 前記短絡故障は、トロリー線とレールと
    の短絡故障であり、 前記最短距離は、 各電圧救済用コンデンサの位置が前記各区間において区
    間内の吸上線よりも変電所に近い場合は、変電所が接続
    された一端から、変電所に近い方の吸上変圧器までの距
    離であり、その位置が区間内の吸上線よりも変電所から
    遠い場合は、変電所から遠い方の吸上変圧器までの距離
    であることを特徴とする請求項4又は5記載の交流BT
    き電回路故障判定装置。
  8. 【請求項8】 前記短絡故障は、トロリー線とネガティ
    ブ・フィーダ線との短絡故障、及び、トロリー線とレー
    ルとの短絡故障の何れかであり、 前記第1記憶手段は、トロリー線とネガティブ・フィー
    ダ線との短絡故障の場合、及び、トロリー線とレールと
    の短絡故障の場合の対応関係をそれぞれ記憶し、 前記第2記憶手段は、トロリー線とネガティブ・フィー
    ダ線との短絡故障の場合、及び、トロリー線とレールと
    の短絡故障の場合のリアクタンス値と最短距離とのペア
    をそれぞれ記憶し、 前記感知手段は、さらに、 前記吸上線を流れる電流が、設定値を超えたことを吸上
    線毎に感知する第1感知手段と、 トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障、及
    び、トロリー線とレールとの短絡故障の何れかの発生を
    感知する第2感知手段とを含み、 前記交流BTき電回路故障判定装置は、さらに、 前記第2感知手段が何れかの短絡故障の発生を感知した
    時点において、前記第1感知手段が1つの吸上線を流れ
    る電流も設定値を超えたと感知しなかった場合は、トロ
    リー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生し
    たと判定し、前記第1感知手段が少なくとも1つの吸上
    線を流れる電流が設定値超えたと感知した場合は、トロ
    リー線とレールとの短絡故障が発生したと判定する判定
    手段を備え、 前記抽出手段は、前記判定手段が判定した短絡故障に対
    応するリアクタンス値と最短距離とのペアを抽出し、 前記補正手段は、前記判定手段が判定した短絡故障に対
    応する対応関係を補正することを特徴とする請求項4又
    は5記載の交流BTき電回路故障判定装置。
  9. 【請求項9】 前記交流BTき電回路故障判定装置は、
    さらに、 前記感知手段が短絡故障の発生を感知した時点におい
    て、故障電流を測定する故障電流測定手段と、 吸上効率により補正すべき区間を示す吸上変圧器毎の区
    間情報と、区間情報と故障電流とに基づいて吸上効率を
    計算する計算式とを、予め記憶する第3記憶手段と、 第3記憶手段が記憶する区間情報と故障電流測定手段が
    測定した故障電流とに基づいて、前記計算式を用いて吸
    上変圧器毎に吸上効率を計算する吸上効率計算手段とを
    備え、 前記補正手段は、さらに、 前記第1記憶手段が記憶するリアクタンス値と距離との
    対応関係を、前記吸上効率計算手段が計算した吸上変圧
    器毎の吸上効率に基づいて、対応する区間情報が示す補
    正すべき区間について補正することを特徴とする請求項
    4〜8の何れかに記載の交流BTき電回路故障判定装
    置。
  10. 【請求項10】 前記吸上変圧器き電回路における隣接
    する吸上線間の間隔が全て同じ場合において、 前記交流BTき電回路故障判定装置は、さらに、 前記感知手段が短絡故障の発生を感知した時点におい
    て、故障電流を測定する故障電流測定手段と、 故障電流に基づいて吸上効率を計算する計算式を、予め
    記憶する第3記憶手段と、 前記故障電流測定手段が測定した故障電流とに基づい
    て、前記計算式を用いて吸上効率を計算する吸上効率計
    算手段とを備え、 前記補正手段は、さらに、 前記第1記憶手段が記憶するリアクタンス値と距離との
    対応関係を、前記吸上効率計算手段が計算した吸上効率
    に基づいて補正することを特徴とする請求項4〜8の何
    れかに記載の交流BTき電回路故障判定装置。
  11. 【請求項11】 変電所から交流電力を一端に供給され
    るネガティブ・フィーダ線とトロリー線を、レールと併
    走する状態に張架すると共に、ネガティブ・フィーダ線
    とトロリー線に沿って吸上変圧器を少なくとも1つ挿設
    し、吸上変圧器により区分された区間毎にネガティブ・
    フィーダ線とレールとを吸上線で接続してなる交流電気
    鉄道の吸上変圧器き電回路における短絡故障を判定する
    方法であって、 吸上線を流れる電流が設定値を超えたことを、吸上線毎
    に感知する感知ステップと、 感知ステップで少なくとも1つの吸上線を流れる電流が
    設定値を超えたと感知された場合は、超えたと感知され
    た吸上線が接続された区間で、トロリー線とレールとの
    短絡故障が発生したと判定する判定ステップとを備える
    ことを特徴とする交流BTき電回路故障判定方法。
  12. 【請求項12】 変電所から交流電力を一端に供給され
    るネガティブ・フィーダ線とトロリー線を、レールと併
    走する状態に張架すると共に、ネガティブ・フィーダ線
    とトロリー線に沿って吸上変圧器を挿設し、吸上変圧器
    により区分された区間毎にネガティブ・フィーダ線とレ
    ールとを吸上線で接続してなる交流電気鉄道の吸上変圧
    器き電回路における短絡故障を判定する方法であって、 吸上線を流れる電流が設定値を超えるか否かを、吸上線
    毎に感知する第1感知ステップと、 トロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障、及
    び、トロリー線とレールとの短絡故障の発生を感知する
    第2感知ステップと、 第2感知ステップで短絡故障の発生が感知された時点に
    おいて、前記第1感知ステップで1つの吸上線を流れる
    電流も設定値を超えなかったと感知された場合は、トロ
    リー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障が発生し
    たと判定し、第1感知ステップで少なくとも1つの吸上
    線を流れる電流が設定値を超えたと感知された場合は、
    トロリー線とレールとの短絡故障が発生したと判定する
    判定ステップとを備えることを特徴とする交流BTき電
    回路故障判定方法。
  13. 【請求項13】 前記交流BTき電回路故障判定方法
    は、さらに、 ネガティブ・フィーダ線の複数の位置に流れる電流が設
    定値を超えるか否かをそれぞれ感知する第3感知ステッ
    プを備え、 前記判定ステップは、トロリー線とネガティブ・フィー
    ダ線との短絡故障が発生したと判定した場合には、さら
    に、 前記第2感知ステップで何れかの短絡故障の発生が感知
    された時点において、第3感知ステップで1つの電流測
    定位置でもネガティブ・フィーダ線を流れる電流が設定
    値を超えなかったと感知された場合は、前記変電所から
    最も近い第3感知ステップの電流測定位置と変電所との
    間でトロリー線とネガティブ・フィーダ線との短絡故障
    が発生したと判定し、第3感知ステップで少なくとも1
    つの電流測定位置でネガティブ・フィーダ線を流れる電
    流が設定値を超えたと感知された場合は、設定値を超え
    たと感知された第3感知ステップの電流測定位置の中で
    変電所から最も遠い第3感知ステップの電流測定位置よ
    りも遠く、次に遠い第3感知ステップの電流測定位置を
    越えない位置で、トロリー線とネガティブ・フィーダ線
    との短絡故障が発生したと判定することを特徴とする請
    求項2記載の交流BTき電回路故障判定方法。
  14. 【請求項14】 変電所から交流電力を一端に供給され
    るネガティブ・フィーダ線とトロリー線を、レールと併
    走する状態に張架すると共に、ネガティブ・フィーダ線
    とトロリー線に沿って吸上変圧器を挿設し、吸上変圧器
    により区分された区間毎にネガティブ・フィーダ線とレ
    ールとを吸上線で接続し、ネガティブ・フィーダ線に直
    列に電圧救済用コンデンサを少なくとも1つ挿設すると
    共に、電圧救済用コンデンサの両端を短絡する手段を有
    してなる交流電気鉄道の吸上変圧器き電回路における短
    絡故障を判定する方法であって、 短絡故障が発生した時点における、リアクタンス測定手
    段が測定するリアクタンス値と変電所が接続された一端
    から故障点までの距離との対応関係が、予め第1記憶装
    置に記憶されており、 電圧救済用コンデンサのリアクタンス値と、変電所が接
    続された一端からそのリアクタンス値分を補正すべき最
    も近い位置までの距離である最短距離とのペアが、電圧
    救済用コンデンサ毎に予め第2記憶装置に記憶されてお
    り、 変電所が接続された一端において、吸上変圧器き電回路
    のリアクタンス値を測定するリアクタンス測定ステップ
    と、 短絡故障の発生を感知する感知ステップと、 感知ステップで短絡故障の発生が感知された時点におい
    て、電圧救済用コンデンサの両端が短絡されているか否
    かを、電圧救済用コンデンサ毎に検出する検出ステップ
    と、 検出ステップで短絡されていないと検出された全ての電
    圧救済用コンデンサに対応するリアクタンス値と最短距
    離とのペアの全てを、第2記憶装置から抽出する抽出ス
    テップと、 第1記憶装置に記憶されたリアクタンス値と距離との対
    応関係を、抽出ステップで抽出されたリアクタンス値と
    最短距離とのペアの全てによって補正する補正ステップ
    と、 補正ステップで補正されたリアクタンス値と距離との対
    応関係と、感知ステップで感知された時点においてリア
    クタンス測定ステップで測定されたリアクタンス値とに
    よって、短絡故障の故障点までの距離を判定する距離判
    定ステップとを備えることを特徴とする交流BTき電回
    路故障判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009220706A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Railway Technical Res Inst 異電源並列接続点通過電流算出方法及び装置
JP2012201185A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 East Japan Railway Co 事故電流表示装置
WO2017012284A1 (zh) * 2015-07-22 2017-01-26 北京交通大学 轨道交通负电压回流直流供电系统

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