JP3370493B2 - ウェブ部とフランジ部を有する形材のユニバーサル圧延法およびその圧延装置 - Google Patents

ウェブ部とフランジ部を有する形材のユニバーサル圧延法およびその圧延装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、H形鋼、I形鋼や
溝形鋼など、ウェブ部とフランジ部を有する形材をユニ
バーサル圧延する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まずH形断面の粗形材を素材として、こ
れをユニバーサル圧延機により圧延してH形鋼を製造す
る従来の手段を説明する。図3に示す圧延工程におい
て、まず粗二重孔型圧延機1では、連続鋳造によって製
造された矩形断面鋼片50またはH形断面粗形鋼片51
を素材に、粗形材52を圧延造形する。引き続いて、第
一中間粗ユニバーサル圧延機2aおよび該第一中間粗ユ
ニバーサル圧延機2aに近接して設けられた第一エッジ
ング圧延機2b、および第二中間粗ユニバーサル圧延機
3aおよび該第二中間粗ユニバーサル圧延機3aに近接
して設けられた第二エッジング圧延機3bによる圧延加
工により中間材10を経由して、仕上ユニバーサル圧延
機4によりH形鋼53が圧延製造される。
【0003】この圧延工程において、ユニバーサル圧延
機(第一中間粗ユニバーサル圧延機2a、第二中間粗ユ
ニバーサル圧延機3aまたは仕上ユニバーサル圧延機
4)により、中間材10を圧延する状況を図4に示す。
ユニバーサル圧延機は上下の水平ロール対6,7と左右
の竪ロール対8,9で構成されている。被圧延材10は
ウェブ部11とフランジ部12から成り、ウェブ部11
は上下水平ロール6,7の周面部14,14間の間隙で
圧下され、フランジ部12は水平ロール側面部13と竪
ロール周面部15間の間隙で圧下される。この場合、通
常4本のロール中心軸、すなわち上水平ロールの中心軸
1 −O1 ′、下水平ロールの中心軸O2−O2 ′、左
竪ロールの中心軸O3 −O3 ′、右竪ロールの中心軸O
4 −O4 ′は同一の平面上にある。
【0004】圧延に必要な動力は上下水平ロール6,7
を電動機で駆動することにより与えられ、竪ロール8,
9は駆動しないのが一般的である。この方式により、被
圧延材10のウェブ部11およびフランジ部12は正逆
圧延または連続圧延により次第に減圧され、製品の断面
寸法に成形されていく。図4のA−A断面での状況を真
上から見たものを図5(b)に示す。また、図4のB−
B断面での状況を側面から見たものを図5(a)に示す
(ただし、以後の説明の便宜上、竪ロールを図示してい
ない)。被圧延材10は矢印Lの方向に進み、直径DH
の水平ロール6、7と直径DV の竪ロール8,9で構成
されるユニバーサル圧延機で加工されてフランジ部12
の厚みはtF0からtF1に減少、ウェブ部11の厚みはt
W0からtW1に減少する。フランジ部12はL方向LF
長さの斜線部で示す領域で圧下され、ウェブ部11はL
方向LW の長さの点線部で示す領域で圧下される。ここ
で、LF ,LW はそれぞれフランジ投影接触弧長、ウェ
ブ投影接触弧長と呼称されているものであり、幾何学的
な関係からその値を求める近似式はそれぞれ式、式
で表わされる。 LF ≒{DV (tF0−tF1)}1/2 ・・・・・・・・・・・・・・・・ LW ≒{1/2 DH (tW0−tW1)}1/2 ・・・・・・・・・・・・
【0005】ユニバーサル圧延では、L方向同一断面の
ウェブ部とフランジ部はほぼ同時に圧下され、両者ほぼ
等しい圧下率で、加工が行われる。その結果、圧延によ
るウェブ部の伸びとフランジ部のそれはほぼ等しく、ま
た仮にウェブ部とフランジ部の間に極端な伸びの差が生
じるような圧下率差の大きい圧延を行ったとしても、両
者間のメタルフローにより過不足分が補われるので、ほ
ぼ伸びは等しくなり両者が分離してしまうことはない。
しかし、被圧延材の加工が進むにつれ、フランジ部〜ウ
ェブ部間のわずかな伸びの差が累積して、その皺寄せが
被圧延材の両端部に現われる。ウェブ部の伸びがフラン
ジ部のそれよりも大きい場合は図6(a)のようにウェ
ブ部が舌に似た形状の“タング”に、逆にウェブ部の伸
びがフランジ部のそれよりも小さい場合は図6(b)の
ように魚の尾ひれに似た形状の“フィッシュテール”に
なる。図6(a),(b)において、右側の図は平面
図、左側の図は側面図を模式的に示している。EW はウ
ェブ良好部端、EF はフランジ良好部端であり、これよ
りも外側(図6では上方)は不良部で製品にならず、最
終的に切り捨てられる部分である。
【0006】タングまたはフィッシュテールのいずれに
なるかについては、フランジ〜ウェブ圧下率差、素材の
端部形状、被圧延材の断面寸法、ロール〜被圧延材間の
摩擦係数など影響要因が多い。ウェブ良好部端EW とフ
ランジ良好部端EF が一致すれば、切り捨て量は最小に
なって歩留が最大になり、また圧延機に噛み込む際のト
ラブル(たとえば、タングが長い場合にはタング部の座
屈により、図7のような二重タングになり、これを噛み
込むとロールを破壊するなど)の防止も可能である。
【0007】従来のユニバーサル圧延機によりウェブ部
とフランジ部を有する形材を中間粗圧延する方式におい
ては、前記の被圧延材端部の形状を制御することによ
り、歩留を向上させたり、圧延機への噛み込みトラブル
を回避することは困難であった。従来はその対応策とし
て、たとえば歩留を向上させるためには、素材の重量を
増加することによって被圧延材の伸び長さを増大させ相
対的な切り捨て量の割合を低くする方法が採用されてい
る。また、圧延機への噛み込みトラブルを防止するため
に、中間圧延の途中の段階で被圧延材の端部を切断する
対応策が採られている。たとえば図8のように、第一中
間粗ユニバーサル圧延機2aのライン上に熱間鋸断機H
1 ,HS2 を配置し、第一中間粗ユニバーサル圧延機
2aでの圧延の途中またはこれが終了した段階で、中間
材10の両端部H1 ,H2 のタングを切断することによ
り、二重タングによるミスロールを未然に防止してい
た。
【0008】この結果、素材の重量が大きくなることに
より被圧延材の伸び長さが増大するので、圧延ラインが
長くなること、また被圧延材の端部を切断する時間が生
産能率を低下させること、などの問題があった。
【0009】また、歩留を向上させるための圧延造形に
関する技術については、たとえばユニバーサル圧延以前
の粗圧延工程において被圧延材端部の予備成形を施し、
クロップ形状の良好な鋼片を製造する手段が公知であ
る。たとえば、特開昭56−119601号公報には、
「スラブを加熱した後その角部を幅方向からプレスで押
圧し先端部および後端部における側面が端面中央に向か
って傾斜する形状の予備成形鋼片に成形」した後、幅方
向を上下としてエッジング圧延する技術が開示されてい
る。しかしながら、ユニバーサル圧延段階でのまたはユ
ニバーサル圧延後の被圧延材の長さ方向端部の形状はユ
ニバーサル圧延条件にも大きく影響される。従って、被
圧延材の長さ方向端部の形状を制御してこれを良好なも
のにするためには、ユニバーサル圧延以前の段階で圧延
造形された前記予備成形鋼片だけでは不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ウェブ部とフランジ部を有する形材のユニ
バーサル圧延において、水平ロール、竪ロール共に駆動
させて、それぞれの周速度を調整することにより、被圧
延材の端部に発生する不良部の量を低減させる方法及び
装置を提供することにある。これにより、歩留と生産能
率を向上させることができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、ウェブ
部とフランジ部を有する形材のユニバーサル圧延におい
て、従来の水平ロール駆動・竪ロール無駆動方式に代わ
って「水平ロール駆動・竪ロール駆動方式」のユニバー
サル圧延機を用い、水平ロールの周速度と竪ロールの周
速度の比を変化させて圧延することにより、被圧延材の
端部形状を制御することにある。
【0012】すなわち、本発明の要旨は下記の通りであ
る。 (1)ウェブ部とフランジ部からなる形材を、ウェブ部
を上下水平ロールで圧下し、フランジ部を水平ロール側
面部と竪ロールで圧下するユニバーサル圧延において、
水平ロールおよび竪ロールの双方を独立に駆動せしめ、
被圧延材の長さ方向の端部形状に応じて竪ロールの周速
度VV に対する水平ロールの周速度VHの比VH /VV
を変更して圧延し、端部不良部の量を減少させることを
特徴とするウェブ部とフランジ部を有する形材の圧延
法。 (2)被圧延材の長さ方向の端部形状がタングである場
合、該端部をユニバーサル圧延機へ噛み込むときのロー
ル周速度比を下記式で圧延し、該端部をユニバーサル
圧延機から蹴出すときのロール周速度比を下記式で圧
延し、一方、被圧延材の長さ方向の端部形状がフィッシ
ュテールである場合、該端部をユニバーサル圧延機へ噛
み込むときのロール周速度比を下記式で圧延し、該端
部をユニバーサル圧延機から蹴出すときのロール周速度
比を下記式で圧延することを特徴とする上記(1)記
載のウェブ部とフランジ部を有する形材のユニバーサル
圧延法。 VH /VV <1 ・・・・・・・・・・・・ VH /VV >1 ・・・・・・・・・・・・ (3)水平ロールおよび竪ロールの両方を駆動可能なユ
ニバーサル圧延機の入側に、被圧延材長さ方向の端部の
フランジ良好部端を検出するフランジ幅測定装置と、前
記被圧延材長さ方向の端部のウェブ良好部端を検出する
ウェブ端部検出装置とを設置し、該各装置からの検出信
号に基づき前記被圧延材の長さ方向の端部の形状を判定
する演算装置と、該演算装置から出力された判定信号に
応じて所定のロール周速度比で水平ロールおよび竪ロー
ルを駆動する駆動装置、から構成されるウェブ部とフラ
ンジ部を有する形材のユニバーサル圧延装置。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明技術の作用について
詳細に説明する。まず、従来の水平ロール駆動・竪ロー
ル無駆動方式のユニバーサル圧延機による圧延におい
て、ロールから被圧延材に対して働く圧下力が被圧延材
の端部形状に及ぼす影響について図5と図9を使って説
明する。図5のように、被圧延材10のフランジ部12
は斜線部の領域で圧下され、ウェブ部11は点線部の領
域で圧下されている。フランジ部12には竪ロール8
(または9)から面S1 (フランジ外側圧下面)を介し
て、また水平ロール6(または7)から面S2 (フラン
ジ内側圧下面)を介して圧下力が加わっている。ウェブ
部11には上下の水平ロール6,7から、面S3 (ウェ
ブ圧下面)を介して圧下力が作用している。問題として
いる被圧延材の端部の形状に最も大きく影響するのは、
これらの圧下力の圧延方向(L方向)分力であり、
1 ,S2 ,S3 の各面における圧下力の圧延方向(L
方向)分力を評価してみることにする。図5のように被
圧延材10の圧延機からの出口でウェブ部とフランジ部
の付け根を原点Oとし、L方向と逆方向にx軸、フラン
ジ幅方向にy軸、ウェブ幅方向にz軸をとる。
【0014】図9は、H形鋼のユニバーサル圧延が上下
左右対称であることから、その1/4断面について
1 ,S2 ,S3 の各面における圧下力のL方向(すな
わち、x軸方向)分力の方向を示す。面S1 における線
0 −B0 、面S2 における線C0 −D0 、面S3 にお
ける線E0 −F0 は中立線である。中立線A0 −B0
は、竪ロール8(または9)の周速度のx成分と被圧延
材の対応する面の速度のx成分が等しく、中立線C0
0 では、水平ロール側面部13の速度のx成分と被圧
延材の対応する面の速度のx成分が等しい。中立線E0
−F0 は面S3 の外にあり、従って水平ロール周面部1
4の速度のx成分と等しい被圧延材の対応面は存在しな
い。
【0015】各面S1 ,S2 ,S3 においては、ロール
面の速度のx成分と被圧延材のそれはともに負(すなわ
ち図9において上向き)である。ただし、中立線よりも
+x側の領域(以下後進領域と呼ぶ)では、被圧延材よ
りもロール面の方が速度の絶対値が大きく、従ってロー
ルから被圧延材に−x方向の力(出口方向に被圧延材を
ロール隙から出そうとする力)が働く。一方、中立線よ
りも−x側の領域(以下先進領域と呼ぶ)では、ロール
面よりも被圧延材の方が速度の絶対値が大きく、従って
ロールから被圧延材に+x方向の力(被圧延材がロール
隙から出ていくのを阻もうとする力)が働いている。ロ
ールから被圧延材に働く力のx方向成分の方向を矢印で
示すと図9のようになっている。作用・反作用の法則か
ら、無駆動の竪ロールは面S1 において被圧延材から矢
印とは逆向きの力を受けることによって回転し、竪ロー
ルの周速度VV はほぼ水平ロールの周速度VH に等し
く、VH /VV ≒1である。この場合の被圧延材の端部
形状は、先端部では図6(a)のタングに、被圧延材の
尾端部では図6(b)のフィッシュテールになりやす
い。この理由は、図9から明らかなように、被圧延材の
ウェブ部全体およびフランジ部内側のコーナー部(y=
0)付近では、ロールから常にロール出側方向の力を受
けていることから、これらの部分はほかの部分よりロー
ル出側方向に引っ張られるからである。
【0016】次に、竪ロールを駆動した場合に起こる現
象について以下説明する。竪ロールの周速度VV と水平
ロールの周速度VH の大小関係がVV >VH である場合
を図10に、逆にVV <VH である場合を図11に示
す。水平ロール駆動・竪ロール駆動としてVV >VH
する場合、水平ロール駆動・竪ロール無駆動の場合(V
V ≒VH )とは異なり、竪ロールが被圧延材フランジの
外側面との接触面S1 を介して積極的に被圧延材をロー
ル出口方向へ押し出そうとする。このことは、図10で
は面S1 での中立線がA0 −B0 からA1 −B1 に移動
して、後進領域が拡大し先進領域が縮小することに相当
する。その結果、水平ロール側面部13が被圧延材フラ
ンジ内側面との接触面S2 を介して、あるいは水平ロー
ル周面部14が被圧延材ウェブ面との接触面S3 を介し
て被圧延材をロール出口へ押し出そうとする力は小さく
て済むことになる。すなわち、図10のように面S2
おける中立線C0 −D0 がC1 −D1 に移動、また面S
3 における中立線E0 −F0 がE1 −F1 に移動し、後
進領域が縮小し先進領域が拡大する。すでに述べたよう
に、先進領域では被圧延材にはこれがロール隙から出て
いくのを阻もうとする力が作用し、逆に後進領域では被
圧延材にはこれをロール隙から出そうとする力が加わ
る。その結果、後進領域が拡大するフランジ外側部はL
方向の伸びが促進され、先進領域が拡大するフランジ内
側部とウェブ部はL方向の伸びが抑制される。このた
め、被圧延材の先端部の形状はフィッシュテール、尾端
部のそれはタングになる。
【0017】逆に、水平ロール駆動・竪ロール駆動でV
V <VH とする場合、面S1 では先進領域が拡大してフ
ランジ外側部はL方向の伸びが抑制され、先進領域が拡
大するフランジ内側部とウェブ部はL方向の伸びが促進
される。従って、被圧延材の先端部の形状はタング、尾
端部のそれはフィッシュテールになる。
【0018】上記のことは、水平ロール駆動・竪ロール
駆動のユニバーサル圧延機を用いて、VH /VV 比を変
更ことにより、被圧延材両端部(先端部と尾端部)の形
状の制御が可能であることを示している。すなわち、被
圧延材の端部の形状が、図6(b)のようにフランジ良
好部端EF がウェブ良好部端EW よりも外側にあるフィ
ッシュテールの場合、この端部をロールに噛み込むとき
はロール周速度比VH/VV >1の条件で、この端部を
ロールから蹴出すときはロール周速度比VH /VV <1
の条件で圧延すれば、EF とEW は互いに近づき端部不
良部の量を減少させることができる。逆に、被圧延材の
端部の形状が、図6(a)のようにEFがEW よりも内
側にあるタングの場合、この端部をロールへ噛み込むと
きはロール周速度比VH /VV <1の条件で、この端部
をロールから蹴出すときはロール周速度比VH /VV
1の条件で圧延すれば、同様の理屈で端部不良部の量を
減少させることができる。
【0019】端部不良部の量を減少させるためのユニバ
ーサル圧延装置の例を図2に示す。この図は、上下水平
ロール6,7および図示を省略した左右竪ロール8,9
からなるユニバーサル圧延機に被圧延材10の先端部が
まさに噛み込まれようとしている状況を示している。フ
ランジの良好部端はフランジ幅測定装置16により検出
され、この装置はたとえば特公昭53−34585号公
報などで周知のものであり、被圧延材の長さ方向のフラ
ンジ幅推移を測定することによってフランジの良好部端
F の検出が可能となる。また、ウェブ端部検出装置1
7は、たとえば熱間圧延で一般的に使用されているHM
D(Hot Metal Detector)であり、ウェブ良好端部EW
通過の瞬間を検出できる。フランジ幅測定装置16とウ
ェブ端部検出装置17は、被圧延材の長さ方向の同一位
置に配置されており、それぞれEF とEW の通過の瞬間
の信号を演算装置18に出力する。演算装置18は、E
F検出とEW の検出のいずれが早いか遅いかによって、
被圧延材の長さ方向端部の形状がタングかフィッシュテ
ールかを判断し、その結果に基づいて竪ロール駆動装置
19にその周速度VV の指示値を与えるように構成され
ている。また、被圧延材の長さ方向の尾端部に対しても
同様である。さらに、このユニバーサル圧延が正逆圧延
の場合には、ユニバーサル圧延機の両サイドにこの装置
を設置すればよい。もし被圧延材の長さ方向端部の形状
の判定が圧延機オペレーターの目視で可能であれば、オ
ペレーターの操作によって竪ロールの周速度を手動設定
する方法でもよい。
【0020】なお、VH /VV の適正値については、生
成したタングまたはフィッシュテールの大きさ、ロール
の寸法、圧下率などによって左右されるので、圧延条件
に応じて個別に決定されるべきものである。さらに、こ
の例では竪ロールの周速度を変更する方法を示したが、
水平ロールの周速度を変更、またはその両方を変更する
ようにしても有効であり、いずれも本発明の範囲に含ま
れる。
【0021】
【実施例】上述の本発明手段に基づいてH形鋼のユニバ
ーサル圧延を実施した例について以下説明する。図1は
本発明の実施状況を示す。本発明を図3の圧延ラインの
第一中間粗ユニバーサル圧延機2aに適用した。表1は
ユニバーサル圧延機の寸法諸元、表2にパススケジュー
ルを示す。この圧延条件は、H488×300×11/
18についての第一中間粗ユニバーサル圧延機2a−第
一エッジング圧延機2bでのものである。従来の水平ロ
ール駆動・竪ロール無駆動方式では、第一中間粗ユニバ
ーサル圧延機2aによる圧下の進行に伴い図6(a)の
タングが成長していた。これが第二中間粗ユニバーサル
圧延機3aでさらに成長して二重タングとなりミスロー
ルを誘発するのを防止する目的のために、第一中間粗ユ
ニバーサル圧延機2bの圧延の第6パス蹴出し時に図8
(a)のようにHS1 でH1 部のタングを切断、第7パ
ス(最終パス)蹴出し時に図8(b)のようにHS2
2 部のタングを切断していた。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】本発明法の適用においては、表2に示すよ
うに第1〜第7パスの各パスで圧延機への噛み込み時は
H /VV =0.67とし、蹴出し時はVH /VV
1.50として、被圧延材フランジ部の伸びを促進させ
た。それ以外の部位は被圧延材の各パスの予測伸び長さ
L(m)と水平ロール直径DH (m)、水平ロール回転
速度NH (rpm) から式で算定される各パス予測圧延時
間T(s)をもとに、噛み込み時をt=0として、式
で与えられるロール周速度比VH /VV とした。被圧延
材の圧延機への噛み込みタイミングt=0は水平ロール
に取り付けたロードセルにより検出した。 VH /VV =(1.50−0.67)×t/T+0.67 ・・・・ T=60×L/(πDH H ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【0025】従来、第一中間粗ユニバーサル圧延機2a
の第7パス蹴出し時には、タングの長さが両端部ともに
約1.0mであったが、本発明の適用によりこれが約
0.2mに減少した。その結果、従来熱間鋸断機H
1 ,HS2 によるタングの切断には従来40秒程度を
要していたが、これが不要となり能率が約10%向上、
また被圧延材の両端部の不良部が減少したことにより歩
留が約0.7%向上した。
【0026】なお、本実施例では被圧延材両端部以外の
部位の圧延において、VH /VV の値を式で与えられ
るように変化させたが、これを竪ロール無駆動とした
り、VH /VV =1にすることも有効であり、本発明の
請求範囲に属する。また、本実施例ではH形鋼の熱間圧
延を例にとったが、H形鋼以外の形鋼、たとえばI形鋼
や溝形鋼などに対しても適用可能であり、さらに鋼以外
の材質の形材の圧延に対しても適用可能であることは勿
論である。
【0027】
【発明の効果】本発明の効果により、ウェブ部とフラン
ジ部を有する形材のユニバーサル圧延において被圧延材
の端部に発生する不良部の量を低減させ、歩留と生産能
率を向上させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施状況を示す図。
【図2】端部不良の量を減少させるユニバーサル圧延装
置の例。
【図3】H形鋼を製造する圧延工程の例。
【図4】H形鋼のユニバーサル圧延状況を示す正面図。
【図5】H形鋼のユニバーサル圧延状況を示す(a)側
面図と(b)平面図。
【図6】H形鋼のユニバーサル圧延において被圧延材の
両端部に発生する(a)タングと(b)フィッシュテー
ル。
【図7】成長したタングがユニバーサル圧延機へ噛み込
む際に起こる二重タング。
【図8】(a),(b)は二重タングを防止するため
に、第一中間粗ユニバーサル圧延機2aの圧延ラインに
設けられた熱間鋸断機で被圧延材の両端部のタングを切
断している状況を示す図。
【図9】H形鋼を水平ロール駆動・竪ロール無駆動のユ
ニバーサル圧延機により圧延する際、ロール面と被圧延
材の接触面において被圧延材に作用する力の向きおよび
中立線を示す図。
【図10】H形鋼を水平ロール駆動・竪ロール駆動のユ
ニバーサル圧延機により水平ロールと竪ロールのロール
周速度比VH /VV <1で圧延する際、ロール面と被圧
延材の接触面において被圧延材に作用する力の向きおよ
び中立線を示す図。
【図11】H形鋼を水平ロール駆動・竪ロール駆動のユ
ニバーサル圧延機により水平ロールと竪ロールのロール
周速度比VH /VV >1で圧延する際、ロール面と被圧
延材の接触面において被圧延材に作用する力の向きおよ
び中立線を示す図。
【符号の説明】
1 粗二重孔型圧延機 2a 第一中間粗ユニバーサル圧延機 2b 第一エッジング圧延機 3a 第二中間粗ユニバーサル圧延機 3b 第二エッジング圧延機 4 仕上ユニバーサル圧延機 6,7 上下ユニバーサル水平ロール対 8,9 左右ユニバーサル竪ロール対 10 中間材 11 中間材のウェブ部 12 中間材のフランジ部 13 ユニバーサル水平ロール側面部 14 ユニバーサル水平ロール周面部 15 ユニバーサル竪ロール周面部 16 フランジ幅測定装置 17 ウェブ端部検出装置 18 演算装置 19 竪ロール駆動装置 50 矩形断面鋼片 51 H形断面粗形鋼片 52 粗形材 53 H形鋼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−94704(JP,A) 特開 昭55−5164(JP,A) 特開 昭61−33701(JP,A) 特開 平4−200901(JP,A) 特開 昭55−126311(JP,A) 特開 昭55−193203(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/08 B21B 13/10 B21B 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェブ部とフランジ部からなる形材を、
    ウェブ部を上下水平ロールで圧下し、フランジ部を水平
    ロール側面部と竪ロールで圧下するユニバーサル圧延に
    おいて、水平ロールおよび竪ロールの双方を独立に駆動
    せしめ、被圧延材の長さ方向の端部形状に応じて竪ロー
    ルの周速度VV に対する水平ロールの周速度VH の比V
    H /VV を変更して圧延し、端部不良部の量を減少させ
    ることを特徴とするウェブ部とフランジ部を有する形材
    の圧延法。
  2. 【請求項2】 被圧延材の長さ方向の端部形状がタング
    である場合、該端部をユニバーサル圧延機へ噛み込むと
    きのロール周速度比を下記式で圧延し、該端部をユニ
    バーサル圧延機から蹴出すときのロール周速度比を下記
    式で圧延し、一方、被圧延材の長さ方向の端部形状が
    フィッシュテールである場合、該端部をユニバーサル圧
    延機へ噛み込むときのロール周速度比を下記式で圧延
    し、該端部をユニバーサル圧延機から蹴出すときのロー
    ル周速度比を下記式で圧延することを特徴とする請求
    項1記載のウェブ部とフランジ部を有する形材のユニバ
    ーサル圧延法。 VH /VV <1 ・・・・・・・・・・・・ VH /VV >1 ・・・・・・・・・・・・
  3. 【請求項3】 水平ロールおよび竪ロールの両方を駆動
    可能なユニバーサル圧延機の入側に、被圧延材長さ方向
    の端部のフランジ良好部端を検出するフランジ幅測定装
    置と、前記被圧延材長さ方向の端部のウェブ良好部端を
    検出するウェブ端部検出装置とを設置し、該各装置から
    の検出信号に基づき前記被圧延材の長さ方向の端部の形
    状を判定する演算装置と、該演算装置から出力された判
    定信号に応じて所定のロール周速度比で水平ロールおよ
    び竪ロールを駆動する駆動装置、から構成されるウェブ
    部とフランジ部を有することを特徴とする形材のユニバ
    ーサル圧延装置。
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