JP3370012B2 - 牛蹄削蹄装置における尻尾固定装置 - Google Patents

牛蹄削蹄装置における尻尾固定装置

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JP3370012B2 JP14228799A JP14228799A JP3370012B2 JP 3370012 B2 JP3370012 B2 JP 3370012B2 JP 14228799 A JP14228799 A JP 14228799A JP 14228799 A JP14228799 A JP 14228799A JP 3370012 B2 JP3370012 B2 JP 3370012B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は牛蹄削蹄装置にお
ける尻尾固定装置に関するものであり、特に、牛収容室
内に入室した牛の尻尾を固定して、安全な削蹄作業がで
きるようにした牛蹄削蹄装置における尻尾固定装置に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】本願出願人は、先に牛蹄削蹄装置に関す
る出願を特願平10−254279号として出願した。
この先願に係る装置は、フレームによって箱型に形成さ
れる牛収容室であって、該牛収容室は後方に牛の出入部
を有し、該出入部の後扉及び前扉並びに側扉が開閉自在
に形成されるとともに、該牛収容室に入室した牛の吊り
上げ装置を備え、更に、左右両側扉下方部位の前方部位
及び後端部位に夫々牛足固定具を備えた牛蹄削蹄装置で
あり、この牛蹄削蹄装置によれば、牛の前後両側と四肢
が規制拘束されて牛を静止させることができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上述の装置
では、牛の前後両側及び四肢は拘束されて四肢の蹄を削
蹄することができるが、後肢の蹄を削蹄する場合、前記
牛の尻尾が削蹄位置近傍に垂下しており、そして、該牛
が往々にして該垂下した尻尾を振ることがある。然ると
きは、削蹄作業に支障を来すと共に危険をもたらすこと
がある。そこで、削蹄時に於て尻尾を固定し、そして、
安全な削蹄作業ができるようにするために解決すべき技
術的な課題が生じるのであり、この発明はこの課題を解
決すべきことを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
するために提案されたものであり、フレームによって箱
型に形成された牛収容室であって、該牛収容室は後方に
牛の出入部を有し、更に、該牛収容室の後扉及び前扉並
びに側扉は開閉自在に形成されるとともに、該牛収容室
に入室した牛の吊り上げ装置を備え、更に、左右両側扉
下方部の前方部位及び後端部位に夫々牛足固定具を備
、且つ、該牛収容室の後端部左右フレームの何れか一
方に尻尾の固定具を取付け、該固定具によって該牛収容
室内に入室した牛の尻尾を挟持して固定できるように構
成された牛蹄削蹄装置における尻尾固定装置に於いて、
上記尻尾の固定具は、底板と縦板とからなる平面L形状
のブラケットを備え、該ブラケットを牛収容室の後端の
左右何れかのフレームに固定し、更に、前記ブラケット
の縦板に偏心ローラーを回転自在に軸着し、且つ、該偏
心ローラーには把手が固定されており、該把手が下方に
回動したとき、該偏心ローラーが前記ブラケットの底板
に接近又は接触するように構成したことを特徴とする牛
蹄削蹄装置における尻尾固定装置を提案するものであ
る。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
図1乃至図12に従って詳述する。尚、説明の都合上、
先ず本願出願人が先に出願した特願平10−25427
9号の牛蹄削蹄装置について図6乃至図12に従って説
明する。 【0006】図に於て1は牛蹄削蹄装置である。該牛蹄
削蹄装置1はフレーム2によって箱型に形成された牛収
容室3を有し、更に、該牛収容室3の前面には中央部か
ら左右個別に設けられた左前扉4と右前扉4aが設けら
れている。而して、該左前扉4及び右前扉4aは牛収容
室3の前面中央部に位置する部分の夫々の左扉枠5及び
右扉枠5aの下端部を該牛収容室3の前面下方部のフレ
ーム2aに枢支され、そして、該枢支部6,6aを回動
支点として夫々上方部が左右へ回動して前扉を開放でき
るように構成されている。 【0007】而して、該前扉の開閉装置としては、図6
に於て該牛収容室3の前面上方部のフレーム2bの位置
から右側へ延設し、該延設部の先端部に作動杆7の略中
央部を枢着し、該枢着部8にレバー9を固設して、該レ
バー9を回動させることにより該作動杆7が該枢着部8
を回動支点として回動するように構成されている。そこ
で、該作動杆7の上端部には前記左前扉4の左扉枠5の
上端部に一端部を枢着した左前扉用連杆10の他端部が
枢着されており、更に、該作動杆7の下端部には前記右
前扉4aの右扉枠5aの上方部に一端部を枢着した右前
扉用連杆10aの他端部が枢着されている。従って、前
記レバー9を矢印X方向に回動させれば前記左前扉4は
下端部の枢支部6を回動基点として左方へ回動して該左
前扉4が開放され、そして、右前扉4aは右方へ回動し
て該右前扉4aが開放されることになる。 【0008】又、該レバー9を矢印Y方向(実線の位
置)に回動させれば左右の前扉5,5aは図示実線のよ
うに閉塞する。而して、この左右前扉4,4aは図6の
実線の位置で閉塞しているのであるが、この閉塞状態に
於て左扉枠5及び右扉枠5aが各別に左方及び右方へ湾
曲凹設され、そして、牛収容室3内に牛が収容されたと
き、前記左右の扉枠5,5aによって牛の首が遊挿でき
て上下移動が可能な縦長の牛首遊挿孔11が形成され
る。このように縦長の牛首遊挿孔11を形成すべく前記
左右の前扉4,4aが閉塞状態にあるとき、この閉塞状
態にある左右の前扉4,4aが不慮開放しないようにす
るために、先端部に歯部12aを有する固定具12の一
端部を前記左扉枠5の上端部近傍に枢着し、そして、前
記歯部12aを右方向の縦フレーム2cに設けた係止部
13に係止できるように構成されている。勿論、該左右
の前扉4,4aを開放しようとする際には該固定具12
を上方へ回動して前記歯部12aによる噛合を解除し、
そして、前述の操作により該左右の前扉4,4aを開放
させることは当然である。 【0009】又、図8に示す如く、該牛収容室3の左右
側部にも側扉14,14が設けられ、そして、該左右双
方の側扉14,14は夫々の前端部の側扉枠14a,1
4aの上下端部をフレームに枢支し、この枢支部を回動
支点として開放することができるように構成されてい
る。 【0010】更に又、図9に示すように、該牛収容室3
の後部を牛の出入部15とし、そして、該牛の出入部1
5は一端部を枢支して開閉自在に形成された後扉16が
配設されている。 【0011】又、図8に示す如く、前記左右双方の側扉
14,14の前方下部に開口部17,17を設け、該開
口部17,17部位に牛の前足固定具18,18を備え
ておく。而して、該前足固定具18は鍵型に折曲されて
成り、前端部の下部縦軸18aをフレーム2に対して回
動自在に枢着されており、そして、該下部縦軸18aの
上端部から水平方向にアーム18bを延設し、該アーム
18bの先端部に上部縦軸18cを上下長さ調整自在に
立設されている。詳しくは該上部縦軸18cは外筒に対
して中軸を遊挿し、外筒にピン孔を開穿して、該ピン孔
にピンを挿入固定して上下高さを調整できるように構成
されている。而して、該上部縦軸18cの上端部には半
月状に湾曲した牛足載置片18dが固設されており、更
に、牛足載置片18dの前端部に半月状に湾曲された牛
足固定片18eの前端部を枢支し、牛の前足を牛足載置
片18dの上面に載置した後、該牛足固定片18eを回
動して該牛足の上面から牛足を押えて該牛足を固定でき
るように、該牛足載置片18dと牛足固定片18eを合
接したときに双方によって卵形空所19が形成される。 【0012】斯くの如く、牛の前足は牛蹄を上方に向い
た状態で該卵形空所19内に固定される。該固定に当っ
ては、別途チェン20を前記牛足載置片18dと牛足固
定片18eの後端部に巻き付け、その余端部を前記上部
縦軸18cに突設した二又状引掛具21に引掛して固定
される。勿論、該牛の前足固定具18は左右双方の側扉
14,14の前記開口部17,17の位置に設けられて
該側扉14,14の開閉動作に支障を来さないように形
成されている。 【0013】又、図9及び図10に示す如く、左右の下
部フレーム2d,2dの後端部に牛の後足固定具22,
22が備えられている。該後足固定具22は鍵型に折曲
されて成り、基部である下部縦軸22aは前記下部フレ
ーム2dの後端部に設けた筒状支持軸22bに水平方向
回動自在に枢支されて成り、更に、該縦軸22aの上端
部に扇形盤23を固設し、そして、該扇形盤23の曲面
近傍に多数の孔23a,23a…を開穿し、該孔23
a,23a…のうち一つの孔23aにピン24を挿通
し、該ピン24を前記下部フレーム2dの後端部に設け
た開口筒25に挿通して所定角に回動された前記後足固
定具22の方向を固定できるように構成されている。 【0014】又、該扇形盤23から水平方向に延設され
る中軸22cが設けられ、更に、該中軸22cは外筒軸
22d内を摺動自在に遊嵌され、該外筒軸22dに複数
個のピン孔22e,22e…を開穿し、一つのピン孔2
2eにピン22fを挿通して中軸22cと外筒軸22d
とを固定できるように構成されて水平方向の長さ調整が
できるように構成されている。更に又、該外筒軸22d
の先端部には上部縦軸22gが立設され、該上部縦軸2
2gは前記前足固定具18と同様に上下高さ調整自在に
構成されると共に、牛足載置片22h及び牛足固定片2
2i並びに卵形空所19a,チェン20a,二又状引掛
片21aを有して前足固定具と全く同一の機能を有する
が、之は後足の固定に用いられるのであり、従って、左
右両側に備えられている事は当然である。又、前記後扉
16にも側扉14と同様に開口部17aが設けられてい
る。 【0015】又、該牛収容室3の内底部には略方形に形
成された腹帯26が敷設されている。該腹帯26は該牛
収容室3に入室した牛の腹部を下面より当接し、そし
て、該腹帯26を上方へ吊り上げることによって牛も同
時に地上に吊り上げることができるように構成されてい
る。而して、該腹帯26の左右両側縁には直線状の金具
27,27が固設されており、該金具27,27の夫々
の前後部に吊り上げ吊り下げ用のワイヤ28,28,2
8a,28aが取り付けられ、エアシリンダ29の駆動
により、該ワイヤ28,28,28a,28aが同一方
向に吊り上げられ、又は吊り下げられるように構成され
ている。 【0016】そこで、牛の吊り上げ装置に用いる動力伝
達機構について説明する。前記エアシリンダ29は牛収
容室3の天井部に前後方向に向って配設され、側方に備
え付けられているエアタンク30から圧力空気が供給さ
れる。而して、該エアシリンダ29からの動力は図11
の解説図に示すように、フレーム2に固設された該エア
シリンダ29のピストンロッド29aの先端部に第1チ
ェン31を連結し、そして、該第1チェン31は牛収容
室3の天井部フレーム2の左右方向に取り付けられた第
1回転軸32に軸着した第1ギヤ33に巻回され、更
に、該第1ギヤ33に巻回された該第1チェン31は前
記エアシリンダ29側のフレーム2に固設したスプリン
グ34の先端部に連結され、該スプリング34によって
該第1チェン31は常時緊張されている。 【0017】又、前記第1回転軸32には第2ギヤ35
が軸着されている。一方、牛収容室3の天井部フレーム
2の前後端部近傍にて左右方向に第2回転軸36及び第
3回転軸37が平行に対峙して取り付けられている。該
第2回転軸36の両端部には前部シーブ38,38が軸
着され、第3回転軸37の両端部にも後部シーブ38
a,38aが夫々前記前部シーブ38,38に対峙して
軸着されている。 【0018】而して、前記腹帯26の前部両側に取り付
けられている前記ワイヤ28,28の上方部は前記前部
シーブ38,38の夫々前面から巻回され乍らその端部
が任意の点Pで固定してある。又、該腹帯26の後部両
側に取り付けられている前記ワイヤ28a,28aの上
方部は前記後部シーブ38a,38aの背面から上面に
及んで巻回され乍ら該後部シーブ38a,38aと夫々
対峙する前記前部シーブ38,38の夫々の下面から巻
回されてその端部が任意の点Pにて固定されている。 【0019】又、前記第2回転軸36の中央部には前記
第2ギヤ35に対峙して第3ギヤ39が軸着されてい
る。そして、該第2ギヤ35と第3ギヤ39との間に第
2チェン40が巻装され、第1回転軸32の回転力を第
2回転軸36に伝達している。 【0020】更に又、前記エアシリンダ29のピストン
ロッド29aの先端部に突部29bを突設し、そして、
該ピストンロッド29aが収縮して前記腹帯26を所定
高さ、即ち、該腹帯26にて吊り上げられる牛が所定の
高さに達したとき、該突部29bがフレーム2等の所定
の位置に設けられたリミットスイッチ41に圧接して該
リミットスイッチ41をオンさせ、エアシリンダ29の
駆動を停止させると同時に後述の安全装置42にて吊り
上げられた牛が不慮落下しないように構成されている。 【0021】又、前記安全装置42は図12に示す如
く、前記第1回転軸32又は第2回転軸36の何れかに
安全ギヤ43を軸着し、そして、該安全ギヤ43に噛合
できる爪44の基部をフレーム2に回動自在に枢着し、
更に、該爪44の上端部を前記安全ギヤ43と反対側に
付勢すべくスプリング45にて引張している。又、前述
せるようにリミットスイッチ41がオンしたときにはフ
レーム2に取付けられている電磁切換弁46がオンして
ロッド47が突出する。而して、該ロッド47の先端部
は前記爪44の中央部に枢着されているので、該ロッド
47の突出により前記スプリング45の引張力に抗して
爪44が回動し、前記安全ギヤ43に噛合して所定高さ
まで吊り上げられた牛の落下を防止できるように構成さ
れている。 【0022】斯くして、牛蹄を削蹄する際には、先ず、
前後左右の夫々の扉を開放し、前記前足固定具18,1
8及び後足固定具22,22も横方向へ開いておく。そ
して、後部の牛の出入部15から牛収容室3内に削蹄し
ようとする牛を入れる。然る後、前面の左右の夫々の扉
を閉じる。このとき前面の扉は左右前扉4,4aによっ
て縦長の牛首遊挿孔11が形成され、該牛首遊挿孔11
に前記牛の首が遊挿され、更に、左右及び後部の夫々の
扉を閉じる。然るときは、該牛収容室3内に入室した牛
はおとなしくなる。そこで、エアシリンダ29を駆動さ
せてピストンロッド29aをシリンダ内に引き込む。然
るときは、第1チェン31の駆動により第1回転軸32
が図5中時計方向に回転し、該第1回転軸32に軸着さ
れている第2ギヤ35及び第2回転軸36に軸着されて
いる第3ギヤ39も第2チェン40により時計方向に回
転する。更に、第2回転軸36に軸着されている前部シ
ーブ38,38も時計方向に回転して該前部シーブ3
8,38に巻回されているワイヤ28,28が引き上げ
られる。 【0023】一方、該前部シーブ38,38に対峙して
いる後部シーブ38a,38aには夫々対向する前部シ
ーブ38,38の下面から後部シーブ38a,38aの
上面に向って前記ワイヤ28a,28aが巻装されてい
るので、後部シーブ38a,38aを軸着している第3
回転軸37は反時計方向に回転する。依って、前後のワ
イヤ28,28及び28a,28aは前記ピストンロッ
ド29aの収縮作用によって上方へ移動し、該ワイヤ2
8,28及び28a,28aに懸架されている腹帯26
が前記牛の腹に当接し乍ら、該牛を上方へ吊り上げる。
そして、牛を所定高さまで吊り上げたとき、前記リミッ
トスイッチ41がオンしてエアシリンダ29がオフし、
前記吊り上げ動作が停止すると同時に前記安全装置42
が働いて牛の不慮の落下を防止する。勿論、前記リミッ
トスイッチ41の位置は牛群によって任意に変更できる
ものとする。 【0024】前述せる如く、牛を上方へ吊り上げた後、
左右両側及び後部の扉を夫々開放し、そして、前足固定
具18,18及び後足固定具22,22を牛収容室3側
へ寄せて固定する。このとき、該固定具は角度及び長さ
又は上下を任意に調整できるのですべての牛足の固定に
適応できる。そこで、夫々の固定具にて固定された足は
牛蹄が上方に向いて固定されており、且つ、削蹄する作
業員の両手が自由に使えるので、該削蹄作業が極めて簡
易迅速に施行されることが可能となる。 【0025】該削蹄作業が終了すれば、前記足の固定を
解除し、更に、前記安全装置42もボタン操作等によっ
て解除し、エアシリンダ29の操作レバーを操作するこ
とにより可及的速やかに牛を下降させて着地させる。然
るときは、牛は自然に自己の前後の足によって立つこと
になる。そこで、前面の左右の扉を開放すれば、牛は自
ら後退して牛収容室3から外部へ出る。斯くして、牛の
削蹄作業は終了するのである。 【0026】而して、前記牛収容室3内に牛が収容され
て牛が吊り上げられ、そして、前記牛首遊挿孔11に牛
首が遊挿されたとき、該牛は牛首を水平方向へ移動させ
ることはできないが、該牛首遊挿孔11が縦長に形成さ
れている関係上、該牛は牛首を上下方向に対しては自在
に移動させることができる。このとき、牛は習性上、牛
首の上下動に伴って牛の前後の足も躍動して牛足固定具
18,18及び22,22に牛足の力が負荷され、その
ために牛足の固定が困難となる場合もあり、更に、一旦
牛足を牛足固定具18,18及び22,22に固定して
も、前述したように牛首の上下動によって牛足が躍動
し、該牛足が前記牛足固定具18,18及び22,22
並びに周辺器物を損壊させると云うことがある。 【0027】そこで、一旦、牛首を牛首遊挿孔11に遊
挿したときには、牛首の体形に応じて任意に高さ位置に
設定された本発明の規制杆48を該牛首遊挿孔11の適
正の高さ位置に装架し、そして、牛首が上下方向へ自在
に移動できないように規制する。 【0028】而して、該規制杆48は、シリンダ49
と、該シリンダ49の一端部に伸縮自在に嵌挿されてい
る爪片50と、該シリンダ49の他端部に突設した軸片
51、並びに該シリンダ49内に介装され、前記爪片5
0を外方へ付勢するためのスプリング52とから成る。 【0029】一方、フレーム2の前面に立設されている
片方の縦フレーム2cに、多数のラチェット爪53a,
53a…を縦方向に並設されて成るラチェット片53を
取付ける。而も、該ラチェット片53の該縦フレーム2
cに対する取付位置は上下のボルト孔53b,53b…
を介して任意に変更できるものとする。而して、該ラチ
ェット片53は前後にガイド53c,53cを縦方向に
対峙して設け、そして、前記ラチェット爪53a,53
a…は該ガイド53c,53cの間に設けられている。 【0030】又、該フレーム2の前面に立設されている
他方の縦フレーム2cに、縦方向に多数の取付孔54
a,54a…を開穿した板体54b,54bを前後に対
峙させて成る前記シリンダ49の枢支片54を取付け
る。勿論、前記前後の板体54b,54bに開穿した夫
々の取付孔54a,54a…は前後孔芯が一致している
ことは当然である。 【0031】斯くして、シリンダ49の一端に突設して
いる軸片51の先端部に設けた枢支孔片51aを前後の
取付孔54a,54a間に挿入し、ピンP等を用いて該
シリンダ49を該枢支片54に枢支して上下回動自在に
形成する。而も、該枢支片54の該縦フレーム2cに対
する取付位置は、上下のボルト孔54c,54c…を介
して任意に変更でき、且つ、該シリンダ49の枢支部の
取付位置も前記取付孔54aの選定により任意に変更で
きるものとする。然るときは、前記ラチェット片53の
取付位置の変更と相俟って牛の体形に対応させて、牛首
の遊挿位置を所定位置に設定することができる。 【0032】又、前記シリンダ49の前記爪片50の嵌
挿位置にスリーブ55を長手方向に開穿し、そして、該
スリーブ55を介して該シリンダ49内に把持片56を
挿入し、更に、該把持片56の先端部を前記爪片50に
固設する。而して、前記爪片50が前記スプリング52
の付勢により前記ラチェット爪53aに噛合していると
き、この噛合を脱して該規制杆48を上方へ回動し、該
規制杆48による牛首遊挿孔11に対する上下長さの規
制を解除する際、該把持片56を把持して該シリンダ4
9の中心方向へ摺動せしめれば、該爪片50もシリンダ
49内を中心方向へ摺動して前記ラチェット爪53aに
対する噛合を脱することになる。 【0033】又、該シリンダ49のラチェット片53側
には突片57が突設されており、そして、該突片57に
ロープ(図示せず)等を取付け、フレーム2の上方部に
リール(図示せず)等を回転自在に枢着し、該リールに
該ロープを巻回し乍ら下方へ垂下せしめ、そして、該ロ
ープを引張することにより該シリンダ49等から成る規
制杆48を上方へ回動させ、そして、縦フレーム2cに
沿設した状態に維持させることができるようにしてもよ
い。又、手動によって該規制杆48の回動操作を行って
もよい。 【0034】而して、該規制杆48は、前記取付孔54
a,54a…のうち任意の取付孔54aが選択されて枢
支される。そして、当初は上方へ回動されて縦フレーム
2cに沿設されている。そこで、牛蹄を削蹄しようとす
るときには、該牛収容室3内に牛が収容され、そして、
該牛は吊り上げられ、更に、前面の左右の扉枠5及び5
aを回動させて牛首遊挿孔11を形成する。然る後、前
記規制杆48を下方へ回動させて牛首の上面に当接さ
せ、ラチェット爪53aに爪片50が噛合して該規制杆
48が所定位置で固定される。然るときは、牛首遊挿孔
11の上下の長さが丁度牛首を遊嵌できる程度の長さに
規制され、依って、牛は牛首を上下左右何れにも自在に
動かすことができなくなる。斯かる場合には、牛の習性
上、牛足も静止することになり、依って、牛足固定具1
8,18及び22,22に対する牛足の固定も容易とな
ると共に、一旦、固定された牛足は牛首の動きの規制に
よってその力を牛足固定具18,18及び22,22に
負荷させることがないので、牛足及び牛足固定具18,
18及び22,22又はその周辺器物等を損傷させるよ
うなことはなくなる。 【0035】上述のようにして牛収容室3に入室した牛
の前後左右及び四肢と牛首の上下動は規制され、牛の動
きを止めて安全な削蹄作業を実行しようとするのである
が、該牛収容室3内に入室した牛は尻尾が未だフリーの
状態にあるから、削蹄時において、牛は往々にして該尻
尾を振ることがある。従って、削蹄作業に支障を来た
し、且つ、危険である。そこで、この発明は牛の尻尾を
固定する装置を提供して安全な削蹄作業が実行できるよ
うにしたものである。 【0036】図1乃至図5は、牛収容室3を構成するフ
レーム2に取付ける牛の尻尾の固定具59の具体例を示
す。該固定具59は図2乃至図5に示すように、底板6
0aと縦板60bとによって平面L形状に構成したブラ
ケット60と、該ブラケット60の前記縦板60bに枢
着された偏心ローラー60c及び該偏心ローラー60c
に取付けられた把手60dとから成る。 【0037】而して、該固定具59は牛収容室3のフレ
ーム2のうち、後端部のフレーム2の左右の何れかに把
手60dが自重によって下方に垂下するように、前記底
板60aを取付ける。そして、前記把手60dが自重に
よって下方に垂下するように回動したしきには、該偏心
ローラー60cの一側が前記ブラケット60の底板60
aに接近又は接触し、該把手60dを図2及び図3に示
すように上方へ回動したときには、該偏心ローラーの一
側が底板60aから離脱するように構成してある。 【0038】そこで、該固定具59を用いて牛の尻尾を
固定するには、片手で把手60dを上方へ回動し、更
に、他方の手で牛の尻尾を把持し、図2及び図3に示す
ように底板60aと偏心ローラー60cとの間に形成さ
れている隙間Cに該牛の尻尾を挿入した後、前記把手6
0dの把持を解除する。然るときは、該把手60dは偏
心ローラー60cを図5に示すように、時計方向へ回動
させ、該偏心ローラー60cの他側面が底板60aに接
近又は接触して前記挿入した牛の尻尾を把持して固定す
ることができる。その後、後扉16を閉じて前述の削蹄
作業を実施する。斯くして、削蹄作業が終了したときに
は、牛の尻尾の固定を解除するのであるが、先ず把手6
0dを手によって把持して上方に回動すれば、図3に示
すように該偏心ローラー60cは反時計方向へ回動し、
そして、該偏心ローラー60cの前記他側面が前記固定
具59の側面より離脱して前述の隙間Cを保持すること
になる。そこで、該偏心ローラー60cによって固定さ
れていた牛の尻尾はフリーとなり、前記固定状態が解除
されることになる。その後、前記把手60dの把持を解
放することにより該把手60dが自重により図5に示す
状態に復帰することになる。斯くの如く、本発明の固定
具59を用いることにより、牛の尻尾を容易に固定する
ことができるので削蹄作業が安全、且つ、容易迅速に行
われることができる。 【0039】已に述べたように牛収容室3の後扉16,
16を開放し、該牛収容室3内の牛を後退させて削蹄さ
れた牛を該牛収容室3から外部へ移動させることになる
のである。尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限
り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改
変されたものに及ぶことは当然である。 【0040】 【発明の効果】この発明は上記一実施の形態にて詳述し
たように、牛の尻尾の固定具を設け、且つ、該固定具
は、底板と縦板とからなる平面L形状のブラケットを備
え、該ブラケットを牛収容室の後端の左右何れかのフレ
ームに固定し、更に、前記ブラケットの縦板に偏心ロー
ラーを回転自在に軸着し、且つ、該偏心ローラーには把
手が固定されており、該把手が下方に回動したとき、該
偏心ローラーが前記ブラケットの底板に接近又は接触す
るように構成されているので、牛収容室内に収容された
牛の尻尾を片手で把持し、他方の手で前記把手を上方へ
回動して底板と偏心ローラーとの間に形成された隙間に
該牛の尻尾を挿入した後、前記把手の把持を解放すれ
ば、該把手は偏心ローラーを例えば時計方向へ回動させ
て、該偏心ローラーの他側面が底板に接近又は接触して
前記挿入された牛の尻尾を把持して固定することができ
る。その後、牛の削蹄作業が終了すれば、前記把手を再
び把持して上方へ回動すれば、前記偏心ローラーが例え
ば反対方向へ回動して該偏心ローラーの前記他側面が前
記底板より離脱して該底板との間に隙間が生じることに
なる。そこで、該偏心ローラーによって固定されていた
牛の尻尾はフリーとなって固定状態が解除されることに
なる。その後、把手に対する把持を解放すれば、該把手
は自重により元の状態に復帰することになる。斯くの如
く、本発明の固定具を用いることにより、牛の尻尾を容
易に固定することができるので、牛収容室内に収容され
た牛は、牛の尻尾を揺動させることができなくなる。斯
くして、牛の後足の削蹄を実施するとき、削蹄者は安定
に削蹄作業を実行でき、且つ、容易迅速に行われるとと
もに削蹄の性能も向上することになる等、正に諸種の効
果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施の形態を示し、この発明に係
る固定具の取付状態を示す牛蹄削蹄装置の背面図。 【図2】本発明の牛の尻尾の固定を示し、把手を上方へ
回動した状態の平面図。 【図3】図2の正面図。 【図4】図1の固定具の把手を下方へ回動した状態を示
す平面図。 【図5】図4の正面図。 【図6】従来例の牛蹄削蹄装置の正面図。 【図7】従来例の牛首の規制部分の縦断面図。 【図8】図6の側面図。 【図9】後扉を開放した状態の図6の背面図。 【図10】従来例の牛足固定具及び腹帯部分を示す側面
図。 【図11】従来例の腹帯の吊り上げ装置の動力伝達機構
を示す解説図。 【図12】従来例の安全装置の解説図。 【符号の説明】 1 牛蹄削蹄装置 2 フレーム 3 牛収容室 4 左前扉 4a 右前扉 11 牛首遊挿孔 14 側扉 15 牛の出入部 16 後扉 18 牛の前足固定具 22 牛の後足固定具 26 腹帯 48 規制杆 59 固定具 60a 底板 60b 縦板 60c 偏心ローラー 60d 把手

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 フレームによって箱型に形成された牛収
    容室であって、該牛収容室は後方に牛の出入部を有し、
    更に、該牛収容室の後扉及び前扉並びに側扉は開閉自在
    に形成されるとともに、該牛収容室に入室した牛の吊り
    上げ装置を備え、更に、左右両側扉下方部の前方部位及
    び後端部位に夫々牛足固定具を備え、且つ、該牛収容室
    の後端部左右フレームの何れか一方に尻尾の固定具を取
    付け、該固定具によって該牛収容室内に入室した牛の尻
    尾を挟持して固定できるように構成された牛蹄削蹄装置
    における尻尾固定装置に於いて、 上記尻尾の固定具は、底板と縦板とからなる平面L形状
    のブラケットを備え、該ブラケットを牛収容室の後端の
    左右何れかのフレームに固定し、更に、前記ブラケット
    の縦板に偏心ローラーを回転自在に軸着し、且つ、該偏
    心ローラーには把手が固定されており、該把手が下方に
    回動したとき、該偏心ローラーが前記ブラケットの底板
    に接近又は接触するように構成し たことを特徴とする牛
    蹄削蹄装置における尻尾固定装置。
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