JP3369894B2 - 非点収差補正方法及び非点収差補正装置 - Google Patents

非点収差補正方法及び非点収差補正装置

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JP3369894B2
JP3369894B2 JP04896297A JP4896297A JP3369894B2 JP 3369894 B2 JP3369894 B2 JP 3369894B2 JP 04896297 A JP04896297 A JP 04896297A JP 4896297 A JP4896297 A JP 4896297A JP 3369894 B2 JP3369894 B2 JP 3369894B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素子
の微細パターンを観察するのに用いられる走査型電子顕
微鏡等の荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法及
び非点収差補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の表面状態を観察する
には走査型電子顕微鏡(SEM)が用いられており、そ
の分解能は1nmを下回るようになっている。図14に
この種のSEMの一般的な構成を示し、これを簡単に説
明する。
【0003】カソード1及びアノード2により電界放出
型の電子銃3が構成されており、この電子銃3からは高
輝度の電子ビーム4が発生される。電子ビーム4は、コ
ンデンサレンズ5と絞り7及び対物レンズ6を介して縮
小され、試料8の表面に照射される。このとき、検出器
11によって試料表面から放出される2次電子が検出さ
れる。電子ビーム4は、走査制御回路12により制御さ
れる偏向器10によって、試料台9上に載置された試料
8上で2次元的に走査される。これと同期させて、検出
器11の信号を画像表示器13に表示することにより、
試料表面の情報が得られる。
【0004】ところで、このような対物レンズ6を用い
た集束系では、通常「非点収差」と呼ばれる収差が存在
する。これは、ビーム軸と垂直な2方向について電子ビ
ームが集束する位置が軸方向にずれるために起きるもの
である。このような収差が存在する場合、試料面上のビ
ーム断面形状は対物レンズ6の焦点距離に応じて図15
(a)〜(c)に示すように変化する。なお、図15
(b)に示す円形ビームが得られる状態のビーム径は、
このような非点収差が存在しない場合に比べ大きいもの
となる。かかる収差は、2方向の焦点距離が異なるため
に生じる。
【0005】そこで従来、電子銃3,コンデンサレンズ
5,対物レンズ6及び絞り7等からなる荷電粒子光学鏡
筒内に、「スティグマタ」と呼ばれる四重極の電場又は
磁場を発生する機構15を設け、非点収差を補正するよ
うにしている。具体的には、対物レンズ6の下方に、4
個の電磁石若しくは電極からなる4重極スティグマタを
光軸を中心に45度回転できるように設け、又は4重極
スティグマタを互いに45度ずらして2組設け、各々の
強度を調整することで、x方向及びy方向の2方向の集
束位置が一致するようにしている。
【0006】以下、図16を参照して実際に行われる非
点収差の調整法について説明する。図16(a)に示す
ような試料を観察する際、非点収差が存在すると表示器
13上の像には、例えばビームの断面形状が図15
(a)のときは、図16(b)(c)に示されるように
エッジの分解能の高い方向と低い方向とが現われる。対
物レンズ6の焦点距離を変えてビーム形状が図15
(c)のようになると、エッジの分解能の高い方向が入
れ替わる。そこで、スティグマタ15を調整して、対物
レンズ6の焦点距離を変えても像に方向性が無くなるよ
うに調節する。このとき、ビーム断面形状は図17
(a)〜(c)に示すように、円形ビームの径のみが変
わるものとなる。
【0007】ここで、非点収差の補正を自動的に行う場
合には、次のような操作が要求される。まず、異なるレ
ンズの焦点距離において得られる像のコントラストを求
め、当該コントラストが最大である位置を求める。非点
収差が大きい時には極大の位置が2点現われることがあ
るが、かかる場合は両者の中間をとる。こうして決定さ
れた焦点位置において、x方向のスティグマタを調整し
てコントラストを最大にする。次いで、y方向のスティ
グマタを調整してコントラストを最大にする。以上の操
作を繰り返し、収束したところを最適位置とする。
【0008】しかしながら、この種の非点収差補正方法
にあっては、次のような問題があった。即ち、表示器の
画像を見ながら作業者がスティグマタを調整するという
ように、スティグマタの調整を作業者の視覚に頼って行
うために、作業者の熟練度によって調整に差がでる。そ
して、スティグマタの調整が完全でないと観察精度が低
下する。また、人間が行うために調整に時間がかかり、
試料に必要以上にビームを照射することになる。これ
は、試料に損傷を与えたり、レジスト形状を変化させた
りするので、多くの場合は好ましくない。さらに、試料
に方向性がある場合には補正は難しい。
【0009】また、非点収差の補正を自動化する方法
は、現実の試料では人間の行う作業に比べて補正できる
範囲が限られており、殆どの場合には非点収差補正は人
手によるものより劣る。なお、例えばビームの断面形状
が図18のようなときに、図16(a)のような試料を
観察する場合には、分解能は2辺に垂直な方向に対して
概ね等しく、非点収差の補正が難しい。これは、非点補
正を自動化する場合も同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、荷電
粒子光学鏡筒における非点収差の補正には、スティグマ
タの調整を作業者の視覚に頼って行うために作業者の熟
練によって調整に差がでる、スティグマタの調整を人間
が行うために調整に時間がかかる、試料に方向性がある
場合には補正は難しい、等の問題があった。また上記の
問題は、SEM等の観察装置に限らず、電子ビームやイ
オンビームを用いた荷電粒子ビーム描画装置においても
同様に言えることである。
【0011】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
もので、その目的とするところは、荷電粒子光学鏡筒に
おける非点収差の補正を迅速且つ高精度で行うことがで
き、荷電粒子ビームの断面形状に起因する観察精度の低
下等を未然に防止し得る荷電粒子光学鏡筒における非点
収差補正方法及び非点収差補正装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(構成)上記課題を解決するために本発明は、次のよう
な構成を採用している。即ち本発明は、荷電粒子光学鏡
筒における非点収差補正方法において、非点収差を補正
するためのスティグマタを備えた荷電粒子光学鏡筒を用
い、試料上に荷電粒子ビームを2次元的に走査して得ら
れる2次粒子信号を抽出することにより作成される2次
粒子信号画像に対し、2次粒子信号画像情報に基づいて
前記荷電粒子光学鏡筒のレンズ系の焦点を合わせる第1
のステップと、合焦点位置で得られた2次粒子信号画像
に対し、荷電ビームの非点収差が小さくなるよう前記ス
ティグマタを調整することにより非点収差を補正する第
2のステップとを有することを特徴とする。
【0013】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 第1のステップが、スティグマタにより非点を発生
させる第3のステップと、非点が発生した状態で2次粒
子信号画像を入力する第4のステップと、入力した2次
粒子信号画像から非点収差の方向を求める第5のステッ
プと、予め設定しておいた位置に焦点位置を設定する第
6のステップと、設定した焦点位置において2次粒子信
号画像を入力する第7のステップと、入力された2次粒
子信号画像を非点収差の方向が画像中で水平又は垂直と
なるよう回転させる第8のステップと、回転した2次粒
子信号画像から画像の鮮明度を算出する第9のステップ
と、予め設定しておいた焦点位置に対してそれぞれ求め
た鮮明度の中から鮮明度がピークとなる焦点位置を算出
する第11のステップと、算出した鮮明度がピークとな
る焦点位置に合わせる第12のステップとからなる。 (2) 第2のステップが、x方向のスティグマタ値を設定
する第13のステップと、2次粒子信号画像を入力する
第14のステップと、入力された2次粒子信号画像を予
め設定しておいた角度だけ回転させる第15のステップ
と、回転した2次粒子信号画像から画像の鮮明度を算出
する第16のステップと、予め設定しておいたx方向の
スティグマタ値に対してそれぞれ求めた鮮明度の中から
鮮明度がピークとなるx方向のスティグマタ値を算出す
る第18のステップと、算出した鮮明度がピークとなる
x方向のスティグマタ値にx方向のスティグマタを合わ
せる第19のステップと、x方向のスティグマタ値を保
持したまま、y方向のスティグマタ値を設定する第20
のステップと、2次粒子信号画像を入力する第21のス
テップと、入力された2次粒子信号画像を予め設定して
おいた角度だけ回転させる第22のステップと、回転し
た2次粒子信号画像から画像の鮮明度を算出する第23
のステップと、予め設定しておいたy方向のスティグマ
タ値に対してそれぞれ求めた鮮明度の中から鮮明度がピ
ークとなるy方向のスティグマタ値を算出する第25の
ステップと、算出した鮮明度がピークとなるy方向のス
ティグマタ値にy方向のスティグマタを合わせる第26
のステップとからなる。 (3) 第5のステップが、2次粒子信号画像の2次空間で
のフーリエ変換を行いパワースペクトルを算出する第2
7のステップと、パワースペクトルを2値化した画像を
求める第28のステップと、2値化画像の主軸とこの主
軸に直交する方向の軸を求める第29のステップと、2
値化画像中の各点の主軸に対しての距離と主軸に直交す
る方向の軸に対しての距離を求めることで、非点収差の
強さと方向を決定する第30のステップとからなる。 (4) 第9,第16,第23のステップが、2次粒子信号
画像中で各点の周囲に設定した複数の探索領域をそれぞ
れ2つの領域に分け、これら2つの領域間の分散値を各
探索領域において求め、これら各探索領域で定めた領域
間分散値の最大値又は平均値を画像中の各点の分散値と
し、画像中で設定した領域内の各点で求めた分散値の総
和又は平均値を、2次粒子信号画像の鮮明度として算出
する。 (5) 第9,第16,第23のステップが、2次粒子信号
画像中で各点を重心とする縦方向及び横方向の2つの探
索領域を画像中で設定し、これらの探索領域を各点を中
心とした2つの領域A,Bにそれぞれ分割し、mA 及び
B を領域A及びBに含まれる画素の平均輝度、mT
領域A,Bを合わせた探索領域全体の平均輝度とした場
合に、 σ=(mA −mT )×(mA −mT )+(mB −mT
×(mB −mT ) なる時により横方向の探索領域及び縦方向の探索領域に
おける領域AとBの間の分散値をそれぞれ求め、これら
の分散値の総和又は平均値を、2次粒子信号画像の鮮明
度として算出する。 (6) 第11のステップが、予め設定しておいた複数の焦
点位置において算出した鮮明度の中から最大値を示す焦
点位置を選択する。 (7) 第11のステップが、予め設定しておいた複数の焦
点位置において求めた鮮明度に対し、焦点位置と鮮明度
の関係を示した鮮明度曲線を作成し、この鮮明度曲線に
ガウス分布曲線又は2次曲線等の曲線を当てはめ、この
曲線がピークとなる位置の焦点位置を算出する。 (8) 第18のステップが、予め設定しておいた複数のx
方向のスティグマタ値において算出した鮮明度の中か
ら、最大値を示すx方向のスティグマタ値を選択する。 (9) 第18のステップが、予め設定しておいた複数のx
方向のスティグマタ値において求めた鮮明度に対し、x
方向のスティグマタ値と鮮明度の関係を示した鮮明度曲
線を作成し、この鮮明度曲線にガウス分布曲線又は2次
曲線等の曲線を当てはめ、この曲線がピークとなる位置
の焦点位置を算出する。 (10)第25のステップが、予め設定しておいた複数のy
方向のスティグマタ値において算出した鮮明度の中か
ら、最大値を示すy方向のスティグマタ値を選択する。 (11)第25のステップが、予め設定しておいた複数のy
方向のスティグマタ値において求めた鮮明度に対し、y
方向のスティグマタ値と鮮明度の関係を示した鮮明度曲
線を作成し、この鮮明度曲線にガウス分布曲線又は2次
曲線等の曲線を当てはめ、この曲線がピークとなる位置
の焦点位置を算出する。
【0014】また本発明は、非点収差を補正するための
スティグマタを備えた荷電粒子光学鏡筒における非点収
差補正装置において、試料上に荷電粒子ビームを2次元
的に走査して得られる2次粒子信号を抽出することによ
り作成される2次粒子信号画像を入力する2次粒子信号
画像入力手段と、2次粒子信号画像の焦点を合わせる合
焦点位置検出手段と、前記荷電粒子光学鏡筒の対物レン
ズを変化させて焦点位置を調整する焦点調整手段と、前
記合焦点位置検出手段で得られた合焦点位置に焦点を合
わせて入力した2次粒子信号画像に対し、荷電ビームの
非点収差が小さくなるよう前記スティグマタを調整する
ことにより非点収差を補正する非点収差補正手段とを具
備してなることを特徴とする。
【0015】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) スティグマタはx方向及びy方向の非点収差を補正
するものであり、非点収差補正手段によりx方向スティ
グマタを調整するx方向スティグマタ調整手段と、非点
収差補正手段によりy方向スティグマタを調整するy方
向スティグマタ調整手段とを具備すること。 (2) 合焦点検出手段が、2次粒子信号画像入力手段より
入力した2次粒子信号画像から非点収差の方向を求める
非点収差方向算出手段と、設定した焦点位置において2
次粒子信号画像入力手段より入力された2次粒子信号画
像を非点収差の方向が画像中で水平又は垂直となるよう
回転させる画像回転手段と、回転した2次粒子信号画像
から画像の鮮明度を算出する鮮明度算出手段と、予め設
定しておいた焦点位置に対してそれぞれ求めた鮮明度の
中から鮮明度がピークとなる焦点位置を算出する鮮明度
ピーク焦点位置算出手段とを具備すること。 (3) 非点収差補正手段が、合焦点位置検出手段により入
力された焦点が合っている2次粒子信号画像を予め設定
しておいた角度だけ回転させる画像回転手段と、回転し
た2次粒子信号画像から画像の鮮明度を算出する鮮明度
算出手段と、予め設定しておいたx方向のスティグマタ
値及びy方向のスティグマタ値に対して、それぞれ求め
た鮮明度の中から鮮明度がピークとなるx方向のスティ
グマタ値及びy方向のスティグマタ値を算出する鮮明度
ピークスティグマタ値算出手段とを具備すること。 (4) 非点収差方向算出手段が、2次粒子信号画像の2次
元空間でのフーリエ変換を行いパワースペクトルを2値
化した画像を求め、2値化画像の主軸とこの主軸と直交
する方向の軸を求め、2値化画像中の各点の主軸に対し
ての距離と主軸に直交する方向の軸に対しての距離を求
めることで、非点収差の強さと方向を決定すること。 (5) 鮮明度算出手段が、2次粒子信号画像中で各点の周
囲に設定した複数の探索領域をそれぞれ2つの領域に分
け、これら2つの領域間の分散値を各探索領域において
求め、これら各探索領域で定めた領域間分散値の最大値
又は平均値を画像中の各点の分散値とし、画像中で設定
した領域内の各点で求めた分散値の総和又は平均値を、
2次粒子信号画像の鮮明度として算出すること。 (6) 鮮明度算出手段が、2次粒子信号画像中で各点を重
心とする縦方向及び横方向の2つの探索領域を画像中で
設定し、これらの探索領域を各点を中心とした2つの領
域A,Bにそれぞれ分割し、mA 及びmB を領域A及び
Bに含まれる画素の平均輝度、mT を領域A,Bを合わ
せた探索領域全体の平均輝度とした場合に、 σ=(mA −mT )×(mA −mT )+(mB −mT
×(mB −mT ) なる式により横方向の探索領域及び縦方向の探索領域に
おける領域AとBの間の分散値をそれぞれ求め、これら
の分散値の総和又は平均値を、2次粒子信号画像の鮮明
度として算出すること。 (7) 鮮明度ピーク焦点位置算出手段が、予め設定してお
いた複数の焦点位置において算出した鮮明度の中から最
大値を示す焦点位置を選択すること。 (8) 鮮明度ピーク焦点位置算出手段が、予め設定してお
いた複数の焦点位置において求めた鮮明度に対し、焦点
位置と鮮明度の関係を示した鮮明度曲線を作成し、この
鮮明度曲線にガウス分布曲線又は2次曲線等の曲線を当
てはめ、この曲線がピークとなる位置の焦点位置を算出
すること。 (9) 鮮明度ピークスティグマタ値算出手段が、予め設定
しておいた複数のx方向のスティグマタ値において算出
した鮮明度の中から、最大値を示すx方向のスティグマ
タ値を選択し、さらにピーク位置にx方向スティグマタ
値を保持しながら、予め設定しておいた複数のy方向の
スティグマタ値において算出した鮮明度の中から、最大
値を示すy方向のスティグマタ値を選択すること。 (10)鮮明度ピークスティグマタ値算出手段が、予め設定
しておいた複数のx方向のスティグマタ値において求め
た鮮明度に対し、x方向のスティグマタ値と鮮明度の関
係を示した鮮明度曲線を作成し、この鮮明度曲線にガウ
ス分布曲線又は2次曲線等の曲線を当てはめ、この曲線
がピークとなる位置の焦点位置を算出し、このピーク位
置にx方向スティグマタ値を保持しながら、予め設定し
ておいた複数のy方向のスティグマタ値において求めた
鮮明度に対し、y方向のスティグマタ値と鮮明度の関係
を示した鮮明度曲線を作成し、この鮮明度曲線にガウス
分布曲線又は2次曲線等の曲線を当てはめ、この曲線が
ピークとなる位置の焦点位置を算出すること。
【0016】(作用)本発明によれば、試料上に荷電粒
子ビームを2次元的に走査して得られる2次粒子信号を
抽出することにより2次粒子信号画像を作成し、この2
次粒子信号画像に対し荷電粒子光学鏡筒のレンズ系の焦
点を合わせ、次いで合焦点位置で得られた2次粒子信号
画像に対し、荷電ビームの非点収差が小さくなるようス
ティグマタを調整することにより、非点収差の補正を行
うことができる。そしてこの場合、作業者の視覚に頼っ
てスティグマタの調整を行うのではないため、作業者の
熟練によって調整に差がでたり調整に時間がかかる等の
不都合はない。従って、非点収差の補正を高精度かつ容
易に行うことができ、非点収差に起因するビームの断面
形状による観察精度の低下等を未然に防止することが可
能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。図1に、同実施形態に係わる荷
電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法の処理フロー
を示す。ここで、荷電粒子光学鏡筒は走査型電子顕微鏡
(SEM)の光学系を構成しており、その基本的な構成
は前記図14と同じである。まず、SEMにより2次粒
子信号画像(SEM画像)を撮像し、合焦点位置を検出
して焦点を合わせる(第1のステップ:S1)。次い
で、合焦点位置に焦点を合わせた状態でスティグマタを
調整し、非点収差を補正する(第2のステップ:S
2)。
【0018】また、図2に本実施形態に係わる荷電粒子
光学鏡筒における非点収差補正装置の構成図を示す。こ
の装置は、前記図14に示すようなSEMにおける荷電
粒子光学鏡筒の検出器11の検出信号を入力し、電子ビ
ームの2次元走査による2次粒子信号を抽出する2次粒
子信号画像入力部21、入力された2次粒子信号画像を
用いて合焦点位置を求める合焦点位置検出部22、焦点
位置を変化させるために対物レンズ24を制御する焦点
調整部23、焦点を合わせた後に非点収差を補正する非
点収差補正部25、非点収差補正部25による制御によ
りx方向スティグマタ27の駆動を調整するためのx方
向スティグマタ調整部26、非点収差補正部25による
制御によりy方向スティグマタ29の駆動を調整するた
めのy方向スティグマタ調整部28からなる。
【0019】ここで、対物レンズ24は前記図14の対
物レンズ6に相当しており、x方向スティグマタ27と
y方向スティグマタ29から図14のスティグマタ15
が構成されている。
【0020】非点収差を調整するための標準サンプルと
して、図3に示すような円形パターンを有する持つ試料
を用意しておく。このような円形パターンとしては、半
導体のコンタクトホールや金粒子等があるため、これら
を有する試料を非点収差補正時にSEMにセットし、補
正処理を行う。
【0021】図4に、SEM画像を用い合焦点位置を検
出して焦点を合わせる手法(S1)の処理フローを示
し、以下にこれを説明する。まず、x方向スティグマタ
27及びy方向スティグマタ29を正常位置から大きく
ずらし、大きな非点収差を故意に発生させる(S3)。
予め設定しておいた数値にx方向スティグマタ27及び
y方向スティグマタ29をそれぞれ合わせることで、大
きな非点収差は容易に発生可能である。
【0022】次いで、焦点位置を合焦位置から僅かにず
らした2次粒子信号画像Iを入力する(S4)。そし
て、入力した2次粒子信号画像Iを基に非点収差の方向
を求める(S5)。
【0023】ここで、S5における非点収差の方向を求
める処理フローを図5に示し、これを説明しておく。ま
ず、焦点位置を合焦位置から僅かにずらした2次粒子信
号画像Iをフーリエ変換し、パワースペクトル画像If
を作成する(S27)。この画像If は、画像中心に低
周波成分がくるよう作成する。そして、図6に示すよう
に、画像Ifの中心から一定距離dの位置に矩形形状の
帯Bを設定し、帯Bの内部の輝度平均a及び標準偏差σ
を求める。この帯Bの形状は、矩形の代わりに円環とし
ても良い。距離dの値及び帯Bの幅は実験的に設定す
る。調整に使うサンプルは常に同じであるため、これら
の値は一度設定すれば、以後は固定して用いることがで
きる。
【0024】次いで、パワースペクトル画像If をa+
2σで2値化する(S28)。コンタクトホールの画像
If は中心付近の低周波成分が極端に大きいため、この
2値化により、画像If の中心部分のみを抽出すること
ができる。2値化して得られた画像Ib に対し、ラベリ
ング及びヒストグラム処理を施し、微小面積部分をノイ
ズとして除去する。非点収差が存在する場合、SEM画
像Iには、ある方向にボケが生じているため、ボケの方
向に低周波成分が多くなる。このため、図7に示すよう
に、画像If 中の領域R(図中のハッチング部分)はボ
ケの方向を短軸とする楕円状の細長い形状となる。
【0025】しかし、実際には、領域Rは真の楕円では
なく、輪郭に凹凸もあるため、画像Ib から楕円を検出
し、長軸長及び短軸長を求めるのは容易ではない。この
ため、領域Rの主軸a1 及び主軸に直交する軸a2 を、
以下の2次モーメントを算出することにより求める(S
29)。
【0026】tan2 θ+[{M(2,0)-M(0,2)}/M(1,1)]
tanθ−1=0 M(p,q) =Σ(i,j) (i−xc )p (i−yc )q fij ここで、(i,j)は画像Ib 上の座標であって、(x
c ,yc )は領域RのIb 中の重心座標である。また、
fijは、Ib において点(i,j)の値が0の時はfij
=0となり、0ではない時はfij=1となる関数であ
る。
【0027】上式を解いて得られたθ1,θ2の2つの
解が、主軸方向と主軸に直交する軸方向を示している。
θ1方向の軸a1とθ2方向の軸a2のいずれかが主軸
かを判定するために、領域Rに含まれる各点とa1及び
a2との間の距離をそれぞれ求め、これらの平均D1,
D2を求める。そして、D1>D2ならば、a1を主軸
とする。ボケの方向は主軸に対し垂直方向であるため、
主軸に垂直な方向を非点収差の方向とする(S30)。
【0028】なお、上述の非点収差の方向を求める手順
に関し、2次モーメントを算出する代わりに、画像Ib
の画像中心から楕円形状の輪郭部分までの距離を画像中
心の回りで求め、最大距離を示す方向の垂直方向を非点
収差の方向としても良い。また、最大距離を示す方向の
垂直方向と最短距離を示す方向との間の平均方向を非点
収差の方向としても良い。また、最短距離を示す方向を
非点収差の方向としても良い。
【0029】さて、S5における非点収差の方向を求め
るステップが終了した後に、焦点位置を変化させながら
2次粒子信号画像を入力し、合焦点位置を求める。焦点
を変化させる範囲は予め設定しておき、この範囲内で予
め設定しておいた一定のステップ毎に焦点をずらしてい
く(S6)。そして、設定した焦点位置において2次粒
子信号画像を入力する(S7)。入力した2次粒子信号
画像に対し、画像中心を回転中心としたアフィン変換を
適用して、非点収差の方向θsだけ画像を回転させた画
像IR を求める(S8)。入力画像中の点(x,y)に
対し、 x´=x cos(θs)−y sin(θs) y´=x sin(θs)+y cos(θs) なる変換式を適用することにより回転後の位置(x',
y')が求まる。この回転画像IR に関し、鮮明度を算出
する(S9)。
【0030】非点収差が存在すると、前記図15(a)
(c)又は図18(a)(c)に示すように、ビーム形
状が合焦点位置を境にして90度変化するため、ボケの
方向(非点収差の方向)も合焦点位置を境に90度変化
する。つまり、回転画像IRにおいては、合焦点位置を
境にボケの方向がx方向からy方向、又はy方向からx
方向に変化するため、x方向及びy方向のボケの度合い
から画像の鮮明度を算出する。
【0031】そして、上記の焦点位置設定ステップ(S
6)から鮮明度算出ステップ(S9)までを、予め設定
した焦点位置の範囲内で繰り返す(S10)。焦点が合
っている画像は、焦点がずれている画像より画像中の高
周波成分が多くなる。このため、通常はフーリエ変換に
より周波数のパワースペクトルを求めたり、微分フィル
タ等の高域強調フィルタをかけたりして、高周波成分が
最大となる焦点位置を算出する。しかし、SEM画像は
ノイズによる高周波成分を多く含むため、フーリエ変換
や通常の微分フィルタでは試料上の高周波成分の変化を
細かく調べることが難しい。
【0032】そこで、ランダムノイズの影響を受けず、
試料上のエッジ部分が強調可能なフィルタをSEM画像
に施し、得られたエッジ強調画像の輝度の総和を鮮明度
の尺度とすることにより、ノイズの多い画像に対しても
安定に合焦点位置が求まる手法を開発した。詳細を図9
を用いて説明する。
【0033】画像中の各点Pを重心とする縦方向及び横
方向の探索領域(それぞれ高さH,幅W)を設定する。
そして、この探索領域を点Pを中心とした2つの領域
A,Bにそれぞれ分割する。この領域AとBの間の分散
値 σ=(mA −nT )×(mA −nT )+(mB −nT
×(mB −nT ) を横探索領域及び縦探索領域においてそれぞれ求め、σ
A 及びσB と記述する。ここで、σA 及びσB は領域A
及びBに含まれる画素の平均輝度、mT は領域A,Bを
合わせた探索領域全体の平均輝度である。領域間分散値
は、領域Aと領域Bの間にステップ状のエッジが存在す
る場合、大きな値を示すが、探索領域の高さや幅がある
程度大きい場合、ランダムノイズのみを含む領域では小
さな値となる。このため、ノイズの多い画像において
も、試料上に存在する真のエッジ部分のみを強調するこ
とが可能である。画像中の各点Pにおいて横探索領域の
分散値σh,縦探索領域の分散値σvをそれぞれ求め、
σh<σvならばσvを、σh>σvならばσhを点P
の分散値σとする。
【0034】横探索領域の分散値σhは、点Pの付近に
縦エッジが存在する場合に大きな値を持つ。逆に、縦探
索領域の分散値σvは、点Pの付近に横エッジが存在す
る場合に大きな値を持つ。焦点位置がずれている場合、
回転画像IR は横方向(x方向)又は縦方向(y方向)
にボケた画像となるため、縦エッジか横エッジのいずれ
か一方がボケた状態となり、各点Pにおいてσhかσv
のいずれか一方が合焦点位置に比べ低い値を示す。この
ため、分散値σの画像全体に対する総和Sは、合焦点位
置で入力した画像が最も高い値となる。このため、画像
中の各点での分散値の総和Sを、画像のボケの度合いを
はかる鮮明度として用いる。
【0035】予め設定した始点から終点まで焦点位置を
等間隔で順次ずらし、2次粒子信号画像を入力する。そ
して、各焦点位置Fi での鮮明度Si を求める。図10
に示すように、横軸に焦点位置Fi を、縦軸に鮮明度S
i をプロットした鮮明度曲線は、合焦点位置がピークと
なる上に凸な形状を示すため、鮮明度曲線を作成し、そ
の鮮明度がピークとなる焦点位置Fmax を求めることで
合焦点位置を検出することができる(S11)。そし
て、対物レンズ24を調整し、焦点位置をFmaxに合わ
せる(S12)。
【0036】ピーク位置を算出する手法としては、鮮明
度が最大となる焦点位置を単純に求める手法の他、鮮明
度曲線にガウス分布曲線や2次曲線等の曲線を当ては
め、この曲線上のピーク位置を求める手法等が適用可能
である。また、鮮明度を求めるために用いる点は、画像
中の全点に限らず一部領域内でも良い。さらに、各点の
分散値σを各点の分散値の最大値σmax で正規化した
値、例えば(σ/σmax )×255なる式で8ビット画
像に変換した値の総和を求め、鮮明度とすることも可能
である。また、横探索領域の高さをH=1とし、縦探索
領域の幅をW=1と設定した1ライン上の領域間の分散
値を用いることも可能である。
【0037】なお、鮮明度算出ステップ(S9)では、
画像中の各点での分散値の総和Sを画像のボケの度合い
をはかる鮮明度として用いたが、画像中の各点での分散
値の平均値を鮮明度として用いても良い。また、各探索
領域で定めた領域間分散値の最大値を画像中の各点の分
散値としたが、領域間分散値の平均値を画像中の各点の
分散値としても良い。
【0038】図11に、本実施形態における非点収差補
正装置の合焦点位置検出部22の構成図を示す。前記図
14に示すようなSEMにおける荷電粒子光学鏡筒の検
出器11の検出信号を入力し、電子ビームの2次元走査
による2次粒子信号画像を入力する2次粒子信号画像入
力部21より得られた画像から、非点収差の方向を算出
する非点収差方向算出部30と、2次粒子信号画像入力
部21より入力された画像を非点収差方向算出部30に
より得られた非点収差の方向だけ回転し、非点収差の方
向を画像の横方向(x方向)とする画像回転部31と、
回転した画像に対し上述の手法で鮮明度を算出する鮮明
度算出部32と、複数の焦点位置で算出した鮮明度を用
いて作成した鮮明度曲線から鮮明度がピークとなる焦点
位置を算出し、焦点調整部23及び非点収差補正部25
に焦点位置を出力する鮮明度ピーク焦点位置算出部33
から構成されている。なお、鮮明度算出部32は、焦点
調整部23に予め設定しておいた焦点位置を出力し、焦
点位置を変化させる。
【0039】図12に、焦点の合っている画像を入力し
て非点収差を補正する手法(S2)の処理フローを示
し、以下にこれを説明する。まず、予め設定しておいた
位置からx方向のスティグマタ27を予め設定しておい
たステップ毎に変化させ(S13)、2次粒子信号画像
を入力する(S14)。次いで、入力した2次粒子信号
画像を予め設定しておいた角度θ1だけ回転させる(S
15)。通常、θ1=45度とする。画像の回転手法
は、合焦点位置検出手法と同じ手法を用いる。次いで、
回転画像の鮮明度を合焦点位置検出手法と同じ手法で求
める(S16)。そして。上記のx方向スティグマタ設
定ステップ(S13)から鮮明度算出ステップ(S1
6)までを、予め設定した範囲内で繰り返す(S1
7)。
【0040】次いで、鮮明度がピークとなるx方向のス
ティグマタ値XSmax を、合焦点位置検出手法での手法
同じやり方で求める(S18)。そして、x方向のステ
ィグマタ27をXSmax に合わせる(S19)。次い
で、予め設定しておいた位置からy方向のスティグマタ
29を予め設定しておいたステップ毎に変化させ(S2
0)、2次粒子信号画像を入力する(S21)。そし
て、入力した2次粒子信号画像を予め設定しておいた角
度θ2だけ回転させる(S22)。通常、θ2=0度と
する。画像の回転手法は、合焦点位置検出手法と同じ手
法を用いる。次いで、回転画像の鮮明度を合焦点位置検
出手法と同じ手法で求める(S23)。そして。上記の
y方向スティグマタ設定ステップ(S20)から鮮明度
算出ステップ(S23)までを、予め設定した範囲内で
繰り返す(S24)。
【0041】次いで、鮮明度がピークとなるy方向のス
ティグマタ値YSmax を、合焦点位置検出手法と同じや
り方で求める(S25)。そして、y方向のスティグマ
タ29をYSmax に合わせる(S26)。以上の手法に
より、SEMの非点収差の補正を行うことができる。
【0042】図13に、非点収差補正装置の非点収差補
正部25の構成を示す。合焦点位置検出部22より入力
されてくる焦点の合った2次粒子信号画像に対し、予め
設定しておいた回転角で画像を回転させる画像回転部3
4と、回転させた画像に対し鮮明度を算出すると共に、
x方向スティグマタ調整部26とy方向スティグマタ調
整部28にスティグマタの設定値を出力する鮮明度算出
部35と、複数のx方向又はy方向スティグマタ設定値
で算出した鮮明度を用いて作成した鮮明度曲線から鮮明
度がピークとなるx方向又はy方向スティグマタ値を算
出し、x方向スティグマタ調整部26又はy方向スティ
グマタ調整部28に出力する鮮明度ピークスティグマタ
値算出部36から構成されている。
【0043】このように本実施形態によれば、電子ビー
ムを試料上で2次元走査した時に得られる2次粒子信号
を抽出することにより2次粒子信号画像を作成し、この
2次粒子信号画像に対し対物レンズ24の焦点を合わせ
る。このとき、x方向及びy方向のスティグマタ27,
29により故意に非点を発生させ、非点が発生した状態
で入力した2次粒子信号画像から非点収差の方向を求
め、予め設定した焦点位置において入力された2次粒子
信号画像を非点収差の方向が画像中で水平又は垂直とな
るよう回転させ、回転した2次粒子信号画像から画像の
鮮明度を算出し、鮮明度がピークとなる焦点位置を算出
してこの焦点位置に合わせる。
【0044】次いで、合焦点位置で得られた2次粒子信
号画像に対し電子ビームの非点収差が小さくなるようス
ティグマタを調整することにより、非点収差の補正を行
う。このとき、x方向のスティグマタ値を設定し、入力
された2次粒子信号画像を回転した画像の鮮明度を算出
し、鮮明度がピークとなるx方向のスティグマタ値を算
出し、算出したスティグマタ値にx方向のスティグマタ
27を合わせ、x方向のスティグマタ値を保持したまま
y方向のスティグマタ値を設定し、入力された2次粒子
信号画像を回転した画像の鮮明度を算出し、鮮明度がピ
ークとなるy方向のスティグマタ値を算出し、鮮明度が
ピークとなるy方向のスティグマタ値にy方向のスティ
グマタ29を合わせる。
【0045】これにより、試料表面を観察するためのS
EMにおいて、作業者の視覚に頼ることなくスティグマ
タの調整を自動で行うことができ、非点収差の補正を高
精度かつ容易に行うことができ、非点収差に起因する電
子ビームの断面形状による観察精度の低下を未然に防止
することが可能となる。
【0046】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。実施形態では、非点収差補正する第
2のステップにおいて、x方向のスティグマタ値を合わ
せた後にy方向のスティグマタ値を合わせたが、y方向
のスティグマタ値を合わせた後にx方向のスティグマタ
値を合わせてもよい。さらに、x方向及びy方向のステ
ィグマタ値を同時に変化させ、鮮明度がピークとなる位
置を求めても良い。また実施形態では、標準サンプルと
して円形パターンを有する試料を用いたが、サンプルと
してはこれに限定されることはなく、フーリエ変換して
低周波成分を2値化により抽出した際、主軸が存在する
試料なら全て標準サンプルとして用いることができる。
【0047】また本発明は、SEMのような観察装置に
限るものではなく、電子ビームやイオンビーム等を用い
てLSIパターンを描画する荷電粒子描画装置に適用す
ることも可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、種々変形して実施することができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、試
料上に荷電粒子ビームを2次元的に走査して得られる2
次粒子信号を抽出することにより2次粒子信号画像を作
成し、この2次粒子信号画像に対し荷電粒子光学鏡筒の
レンズ系の焦点を合わせ、次いで合焦点位置で得られた
2次粒子信号画像に対し、荷電ビームの非点収差が小さ
くなるようスティグマタを調整することにより、非点収
差の補正を行うことができる。従って、非点収差の補正
を高精度かつ容易に行うことができ、非点収差に起因す
るビームの断面形状による観察精度の低下等を未然に防
止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる非点収差補正方法
の処理フローを示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係わる非点収差補正装置
の概略構成を示す図。
【図3】実施形態に用いた標準サンプルの例を示す図。
【図4】焦点を合わせる手法の処理フローを示す図。
【図5】非点収差の方向を求める手法の処理フローを示
す図。
【図6】2値化しきい値を設定するための帯状領域を説
明するための図。
【図7】主軸及び主軸と直交する方向の軸を説明するた
めの図。
【図8】非点収差が存在しない時のビーム断面形状を示
す図。
【図9】領域間分散を求めるための探索領域を説明する
ための図。
【図10】鮮明度曲線を説明するための図。
【図11】合焦点位置検出部の概略構成を示す図。
【図12】非点収差を補正する手法の処理フローを示す
図。
【図13】非点収差補正部の概略構成を示す図。
【図14】従来技術に係わるSEMの基本構成を示す
図。
【図15】焦点距離に応じたビームの断面形状の変化を
示す図。
【図16】試料表面形状とビーム断面形状のx,y方向
の分布を示す図。
【図17】非点収差が無い時のビーム断面形状の変化を
示す図。
【図18】ビーム断面がx,y軸に45度傾いた方向に
変形する非点収差が存在する時のビーム断面形状の変化
を示す図。
【符号の説明】
S1〜S30…各種ステップ 1…カソード 2…アノード 3…電子銃 4…電子ビーム 5…コンデンサレンズ 6,24…対物レンズ 7…絞りマスク 8…試料 9…試料台 10…偏向器 11…検出器 12…走査制御回路 13…画像表示装置 15…スティグマタ 21…2次粒子信号画像入力部 22…合焦点位置検出部 23…焦点調整部 25…非点収差補正部 26…x方向スティグマタ調整部 27…x方向スティグマタ 28…y方向スティグマタ調整部 29…y方向スティグマタ 30…非点収差方向算出部 31…画像回転部 32…鮮明度算出部 33…鮮明度ピーク焦点位置算出部 34…画像回転部 35…鮮明度算出部 36…鮮明度ピークスティグマタ値算出部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−194839(JP,A) 特開 平5−234555(JP,A) 特開 平10−154479(JP,A) 特開 平1−220351(JP,A) 特開 平9−161706(JP,A) 特開 昭58−137948(JP,A) 特開 昭63−202835(JP,A) 特開 昭59−46745(JP,A) 特開 昭55−137653(JP,A) 特開 昭48−52467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/153 H01J 37/21

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非点収差を補正するためのスティグマタを
    備えた荷電粒子光学鏡筒を用い、試料上に荷電粒子ビー
    ムを2次元的に走査して得られる2次粒子信号を抽出す
    ることにより作成される2次粒子信号画像に対し、前記
    荷電粒子光学鏡筒のレンズ系の焦点を合わせる第1のス
    テップと、 合焦点位置で得られた2次粒子信号画像に対し、2次粒
    子信号画像情報に基づいて荷電ビームの非点収差が小さ
    くなるよう前記スティグマタを調整することにより非点
    収差を補正する第2のステップとを備え、 前記第1のステップは、 前記スティグマタにより非点を発生させるステップ、非
    点が発生した状態で2次粒子信号画像を入力する第1の
    画像入力ステップ、第1の画像入力ステップにより入力
    された2次粒子信号画像から非点収差の方向を算出する
    非点収差方向算出ステップ、予め設定された位置に焦点
    位置を設定する焦点位置設定ステップ、設定された焦点
    位置において2次粒子信号画像を入力する第2の画像入
    力ステップ、第2の画像入力ステップにより入力された
    2次粒子信号画像を非点収差の方向が画像中で水平又は
    垂直となるよう回転させる第1の画像回転ステップ、及
    び第1の画像回転ステップにより回転した2次粒子信号
    画像から画像の鮮明度を算出する第1の鮮明度算出ステ
    ップを予め設定された焦点位置の範囲内で繰り返すこと
    により、各焦点位置に対してそれぞれ鮮明度を求めるス
    テップと、 各焦点位置に対してそれぞれ求められた鮮明度の中から
    鮮明度がピークとなる焦点位置を合焦点位置として算出
    する合焦点位置算出ステップと、 前記算出した合焦点位置に前記荷電粒子光学鏡筒のレン
    ズ系の焦点を合わせる焦点合わせステップとからなる
    とを特徴とする荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正
    方法。
  2. 【請求項2】前記第2のステップは、 x方向のスティグマタ値を設定するx方向スティグマタ
    値入力ステップ、2次粒子信号画像を入力する第3の画
    像入力ステップ第3の画像入力ステップによ 入力さ
    れた2次粒子信号画像を予め設定しておいた角度だけ回
    転させる第2の画像回転ステップ、及び第2の画像回転
    ステップにより回転した2次粒子信号画像から画像の鮮
    明度を算出する第2の鮮明度算出ステップを予め設定さ
    れた範囲内で繰り返すことにより、x方向のスティグマ
    タ値に対してそれぞれ鮮明度を求めるステップと、 x方向のスティグマタ値に対してそれぞれ求められた鮮
    明度の中から鮮明度がピークとなるx方向のスティグマ
    タ値を算出するx方向スティグマタ値算出ステップ、算
    出した鮮明度がピークとなるx方向のスティグマタ値に
    x方向のスティグマタを合わせるステップ、x方向のス
    ティグマタ値を保持したまま、y方向のスティグマタ値
    を設定するステップ、2次粒子信号画像を入力する第4
    の画像入力ステップ第4の画像入力ステップにより
    力された2次粒子信号画像を予め設定された角度だけ回
    転させる第3の画像回転ステップ、及び第3の画像回転
    ステップにより回転した2次粒子信号画像から画像の鮮
    明度を算出する第3の鮮明度算出ステップを予め設定し
    た範囲内で繰り返すことにより、予め設定しておいたy
    方向のスティグマタ値に対してそれぞれ鮮明度を求める
    ステップと、 前記予め設定されたy方向のスティグマタ値に対してそ
    れぞれ求めた鮮明度の中から鮮明度がピークとなるy方
    向のスティグマタ値を算出するy方向スティグマタ値算
    出ステップと、 算出した鮮明度がピークとなるy方向のスティグマタ値
    にy方向のスティグマタを合わせるステップとからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子光学鏡筒に
    おける非点収差補正方法。
  3. 【請求項3】前記非点収差方向方向算出ステップは、 2次粒子信号画像の2次空間でのフーリエ変換を行いパ
    ワースペクトルを算出するステップ7と、 パワースペクトルを2値化した画像を求めるステップ
    と、 2値化画像の主軸とこの主軸に直交する方向の軸を求め
    ステップと、 2値化画像中の各点の主軸に対しての距離と主軸に直交
    する方向の軸に対しての距離を求めることで、非点収差
    の強さと方向を決定するステップとからなることを特徴
    とする請求項に記載の荷電粒子光学鏡筒における非点
    収差補正方法。
  4. 【請求項4】請求項1における第1の鮮明度算出ステッ
    プ又は請求項2における第2の鮮明度算出ステップ及び
    第3の鮮明度算出ステップは、 2次粒子信号画像中で該2次粒子信号画像中の各点の周
    囲に設定した複数の探索領域をそれぞれ2つの領域に分
    け、これら2つの領域間の分散値を各探索領域において
    求め、これら各探索領域で定めた領域間分散値の最大値
    又は平均値を画像中の各点の分散値とし、画像中で設定
    した領域内の各点で求めた分散値の総和又は平均値を、
    2次粒子信号画像の鮮明度として算出することを特徴と
    する荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法。
  5. 【請求項5】請求項における第1の鮮明度算出ステッ
    又は請求項における第2の鮮明度算出ステップ及び
    第3の鮮明度算出ステップは、 2次粒子信号画像中で該2次粒子信号画像中の各点を重
    心とする縦方向及び横方向の2つの探索領域を画像中で
    設定し、これらの探索領域を各点を中心とした2つの領
    域A,Bにそれぞれ分割し、mA 及びmB を領域A及び
    Bに含まれる画素の平均輝度、mT を領域A,Bを合わ
    せた探索領域全体の平均輝度とした場合に、 σ=(mA −mT )×(mA −mT )+(mB −mT )×(mB −mT ) なる式により横方向の探索領域及び縦方向の探索領域に
    おける領域AとBの間の分散値をそれぞれ求め、これら
    の分散値の総和又は平均値を、2次粒子信号画像の鮮明
    度として算出することを特徴とする荷電粒子光学鏡筒に
    おける非点収差補正方法。
  6. 【請求項6】前記合焦点位置算出ステップは、予め設定
    された複数の焦点位置において算出した鮮明度の中から
    最大値を示す焦点位置を選択することを特徴とする請求
    記載の荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正方
    法。
  7. 【請求項7】前記合焦点位置算出ステップは、予め設定
    された複数の焦点位置において求めた鮮明度に対し、焦
    点位置と鮮明度の関係を示した鮮明度曲線を作成し、こ
    の鮮明度曲線にガウス分布曲線又は2次曲線等の曲線を
    当てはめ、この曲線がピークとなる位置の焦点位置を算
    出することを特徴とする請求項記載の荷電粒子光学鏡
    筒における非点収差補正方法。
  8. 【請求項8】前記x方向スティグマタ値算出ステップ
    は、予め設定された複数のx方向のスティグマタ値にお
    いて算出した鮮明度の中から、最大値を示すx方向のス
    ティグマタ値を選択することを特徴とする請求項記載
    の荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法。
  9. 【請求項9】前記x方向スティグマタ値算出ステップ
    は、予め設定された複数のx方向のスティグマタ値にお
    いて求めた鮮明度に対し、x方向のスティグマタ値と鮮
    明度の関係を示した鮮明度曲線を作成し、この鮮明度曲
    線にガウス分布曲線又は2次曲線等の曲線を当てはめ、
    この曲線がピークとなる位置の焦点位置を算出すること
    を特徴とする請求項記載の荷電粒子光学鏡筒における
    非点収差補正方法。
  10. 【請求項10】前記y方向スティグマタ値算出ステップ
    は、予め設定された複数のy方向のスティグマタ値にお
    いて算出した鮮明度の中から、最大値を示すy方向のス
    ティグマタ値を選択することを特徴とする請求項記載
    の荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法。
  11. 【請求項11】前記y方向スティグマタ値算出ステップ
    は、予め設定された複数のy方向のスティグマタ値にお
    いて求めた鮮明度に対し、y方向のスティグマタ値と鮮
    明度の関係を示した鮮明度曲線を作成し、この鮮明度曲
    線にガウス分布曲線又は2次曲線等の曲線を当てはめ、
    この曲線がピークとなる位置の焦点位置を算出すること
    を特徴とする請求項記載の荷電粒子光学鏡筒における
    非点収差補正方法。
  12. 【請求項12】非点収差を補正するためのスティグマタ
    を備えた荷電粒子光学鏡筒と、 試料上に荷電粒子ビームを2次元的に走査して得られる
    2次粒子信号を抽出することにより作成される2次粒子
    信号画像を入力する画像入力手段と、 2次粒子信号画像の合焦点位置を検出する合焦点位置検
    出手段と、 前記荷電粒子光学鏡筒の対物レンズを変化させて焦点位
    置を調整する焦点調整手段と、 前記合焦点位置検出手段で検出された合焦点位置に焦点
    を合わせて入力した2次粒子信号画像に対し、荷電ビー
    ムの非点収差が小さくなるよう前記スティグマタを調整
    することにより非点収差を補正する非点収差補正手段と
    を具備し、 前記合焦点位置算出手段は、 前記スティグマタにより非点を発生が発生した状態で前
    記画像入力手段により入力される2次粒子信号画像から
    非点収差の方向を求める非点収差方向算出手段と、予め
    設定された焦点位置において前記画像入力手段により入
    力される2次粒子信号画像を非点収差の方向が画像中で
    水平又は垂直となるよう回転させる画像回転手段と、該
    画像回転手段により回転した2次粒子信号画像から画像
    の鮮明度を算出する鮮明度算出手段と、該鮮明度算出手
    段により予め設定された範囲内の各焦点位置に対してそ
    れぞれ算出された鮮明度の中から鮮明度がピークとなる
    焦点位置を前記合焦点位置として算出する合焦点位置算
    出手段とからなる ことを特徴とする荷電粒子光学鏡筒に
    おける非点収差補正装置。
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