JP3340327B2 - 非点収差補正方法及び非点収差補正装置 - Google Patents

非点収差補正方法及び非点収差補正装置

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JP3340327B2 JP25951496A JP25951496A JP3340327B2 JP 3340327 B2 JP3340327 B2 JP 3340327B2 JP 25951496 A JP25951496 A JP 25951496A JP 25951496 A JP25951496 A JP 25951496A JP 3340327 B2 JP3340327 B2 JP 3340327B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素子
の微細パターンを観察するのに用いられる電子顕微鏡等
の荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法及び非点
収差補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の表面状態を観察する
には走査型電子顕微鏡(SEM)が用いられており、そ
の分解能は1nmを下回るようになっている。図7にこ
の種のSEMの一般的な構成を示し、これを簡単に説明
する。
【0003】カソード1及びアノード2により電界放出
型の電子銃3が構成されており、この電子銃3からは高
輝度の電子ビーム4が発生される。電子ビーム4は、コ
ンデンサレンズ5と絞り7及び対物レンズ6を介して縮
小され、試料8の表面に照射される。このとき、検出器
11によって試料表面から放出される2次電子が検出さ
れる。電子ビーム4は、走査制御回路12により制御さ
れる偏向器10によって、試料台9上に載置された試料
8上で2次元的に走査される。これと同期させて、検出
器11の信号を画像表示器13に表示することにより、
試料表面の情報が得られる。
【0004】ところで、このような対物レンズ6を用い
た集束系では、通常「非点収差」と呼ばれる収差が存在
する。これは、ビーム軸と垂直な2方向について電子ビ
ームが集束する位置が軸方向にずれるために起きるもの
である。このような収差が存在する場合、試料面上のビ
ーム断面形状は対物レンズ6の焦点距離に応じて図8
(a)〜(c)に示すように変化する。なお、図8
(b)に示す円形ビームが得られる状態のビーム径は、
このような非点収差が存在しない場合に比べ大きいもの
となる。かかる収差は、2方向の焦点距離が異なるため
に生じる。
【0005】そこで従来、電子銃3,コンデンサレンズ
5,対物レンズ6及び絞り7等からなる荷電粒子光学鏡
筒内に、「スティグマタ」と呼ばれる四重極の電場又は
磁場を発生する機構15を設け、非点収差を補正するよ
うにしている。具体的には、対物レンズ6の下方に、4
個の電磁石若しくは電極からなる4重極スティグマタを
光軸を中心に45度回転できるように設け、又は4重極
スティグマタを互いに45度ずらして2組設け、各々の
強度を調整することで、X方向及びY方向の2方向の集
束位置が一致するようにしている。
【0006】以下、図9を参照して実際に行われる調整
法について説明する。図9(a)に示すような試料を観
察する際、非点収差が存在すると表示器13上の像に
は、例えばビームの断面形状が図8(a)のときは、図
9(b)(c)に示されるようにエッジの分解能の高い
方向と低い方向とが現われる。対物レンズ6の焦点距離
を変えてビーム形状が図8(c)のようになると、エッ
ジの分解能の高い方向が入れ替わる。そこで、スティグ
マタ15を調整して、対物レンズ6の焦点距離を変えて
も像に方向性が無くなるように調節する。このとき、ビ
ーム断面形状は図10(a)〜(c)に示すように、円
形ビームの径のみが変わるものとなる。
【0007】ここで、非点収差の補正を自動的に行う場
合には、次のような操作が要求される。まず、異なるレ
ンズの焦点距離において得られる像のコントラストを求
め、当該コントラストが最大である位置を求める。非点
収差が大きい時には極大の位置が2点現われることがあ
るが、かかる場合は両者の中間をとる。こうして決定さ
れた焦点位置において、X方向のスティグマタを調整し
てコントラストを最大にする。次いで、Y方向のスティ
グマタを調整してコントラストを最大にする。以上の操
作を繰り返し、収束したところを最適位置とする。
【0008】しかしながら、この種の非点収差補正方法
にあっては、次のような問題があった。即ち、表示器の
画像を見ながら作業者がスティグマタを調整するという
ように、スティグマタの調整を作業者の視覚に頼って行
うために、作業者の熟練度によって調整に差がでる。そ
して、スティグマタの調整が完全でないと観察精度が低
下する。また、人間が行うために調整に時間がかかり、
試料に必要以上にビームを照射することになる。これ
は、試料に損傷を与えたり、レジスト形状を変化させた
りするので、多くの場合は好ましくない。さらに、試料
に方向性がある場合には補正は難しい。
【0009】また、非点収差の補正を自動化する方法
は、現実の試料では人間の行う作業に比べて補正できる
範囲が限られており、殆どの場合には非点収差補正は人
手によるものより劣る。なお、例えばビームの断面形状
が図11のようなときに、図9(a)のような試料を観
察する場合には、分解能は2辺に垂直な方向に対して概
ね等しく、非点収差の補正が難しい。これは、非点補正
を自動化する場合も同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、荷電
粒子光学鏡筒における非点収差の補正には、スティグマ
タの調整を作業者の視覚に頼って行うために作業者の熟
練によって調整に差がでる、スティグマタの調整を人間
が行うために調整に時間がかかる、試料に方向性がある
場合には補正は難しい、等の問題があった。また上記の
問題は、SEM等の観察装置に限らず、電子ビームやイ
オンビームを用いた荷電粒子ビーム描画装置においても
同様に言えることである。
【0011】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
もので、その目的とするところは、荷電粒子光学鏡筒に
おける非点収差の補正を迅速且つ高精度で行うことがで
き、荷電粒子ビームの断面形状に起因する観察精度の低
下等を未然に防止し得る荷電粒子光学鏡筒における非点
収差補正方法及び非点収差補正装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(構成)上記課題を解決するために本発明は、次のよう
な構成を採用している。即ち本発明は、荷電粒子光学鏡
筒における非点収差補正方法において、非点収差を補正
するためのスティグマタを備えた荷電粒子光学鏡筒を用
い、試料上に荷電粒子ビームを2次元的に走査して得ら
れる2次粒子信号を抽出する第1のステップと、抽出さ
れた2次粒子信号の2次元空間でのフーリエ変換を行
い、パワースペクトルを算出する第2のステップと、算
出されたパワースペクトルを2値化した画像を求める第
3のステップと、求められた2値化画像の主軸と該主軸
に直交する方向の軸を求める第4のステップと、前記主
軸と前記2値化画像中の試料画像領域の両端とが交わる
2点間の距離と、前記主軸に直交する方向の軸と前記2
値化画像中の試料画像領域の両端とが交わる2点間の距
離を求めることで、非点収差の強さと方向を決定する第
5のステップと、決定された非点収差の強さと方向から
前記スティグマタを調整する第6のステップとを有する
ことを特徴とする。
【0013】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 第1のステップにおいて、焦点位置を合焦位置から
僅かにずらした状態で2次粒子信号を抽出する。 (2) 第3のステップにおいて、パワースペクトルの直流
成分が中心となるよう設定した帯状領域中で、該パワー
スぺクトル値の平均a及び標準偏差σを求め、a+2σ
なるしきい値で2値化することにより2値化画像を求め
る。 (3) 帯状領域として、円環や矩形を用いる。 (4) 第4のステップにおいて、2値化画像の2次モーメ
ントを求めることで該2値化画像の主軸を算出する。 (5) 第5のステップにおいて、前記非点収差の方向を2
値化画像の主軸と直交する方向とする。 (6) 第5のステップにおいて、非点収差の強さが、2値
化画像中の各点の主軸に対しての距離の平均D1と、2
値化画像中の各点の主軸と直交する方向の軸に対しての
距離の平均D2との比である。 (7) 第5のステップにおいて、非点収差の強さが、2値
化画像中の各点の主軸に対しての距離の総和S1と、2
値化画像中の各点の主軸と直交する方向の軸に対しての
距離の総和S2との比である。 (8) 第6のステップにおいて、スティグマタの調整手法
を記したテーブルを参照してスティグマタの調整を行
う。
【0014】また本発明は、荷電粒子光学鏡筒における
非点収差補正装置において、非点収差を補正するための
スティグマタを備えた荷電粒子光学鏡筒と、この荷電粒
子光学鏡筒により試料上に荷電粒子ビームを2次元的に
走査して得られる2次粒子信号を抽出する2次粒子信号
抽出手段と、この2次粒子信号抽出手段で抽出された2
次粒子信号の2次元空間でのフーリエ変換を行い、パワ
ースペクトルを算出するフーリエ変換手段と、このフー
リエ変換手段で算出されたパワースぺクトルを2値化し
た画像を求める2値化手段と、この2値化手段で求めら
れた2値化画像の主軸と該主軸に直交する方向の軸を求
める軸抽出手段と、前記主軸と前記2値化画像中の試料
画像領域の両端とが交わる2点間の距離と、前記主軸に
直交する方向の軸と前記2値化画像中の試料画像領域の
両端とが交わる2点間の距離を求めることで、非点収差
の強さと方向を決定する非点情報算出手段と、この非点
情報算出手段で決定された非点収差の強さと方向から前
記荷電粒子光学鏡筒のスティグマタを調整する調整手段
とを具備してなることを特徴とする。
【0015】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 2次粒子信号抽出手段において、2次粒子信号の抽
出を、焦点位置を合焦位置から僅かにずらした状態で行
うこと。 (2) 2値化手段において、2値化画像を、パワースペク
トルの直流成分が中心となるよう設定した帯状領域中
で、該パワースペクトル値の平均a及び標準偏差σを求
め、a+2σなるしきい値で2値化することにより求め
ること。 (3) 帯状領域として、円環や矩形を用いること。 (4) 軸抽出手段において、2値化画像の主軸を、2値化
画像の2次モーメントを求めることで算出すること。 (5) 非点情報算出手段において、非点収差の方向を前記
主軸と直交する方向に設定したこと。 (6) 非点情報算出手段において、非点収差の強さを、2
値化画像中の各点の主軸に対しての距離の平均D1と、
2値化画像中の各点の主軸と直交する方向の軸に対して
の距離の平均D2との比に設定したこと。 (7) 非点情報算出手段において、非点収差の強さを、2
値化画像中の各点の主軸に対しての距離の総和S1と、
2値化画像中の各点の主軸と直交する方向の軸に対して
の距離の総和S2との比に設定したこと。 (8) 調整手段において、スティグマタの調整を、スティ
グマタの調整手法を記したテーブルを参照して行うこ
と。 (作用)本発明によれば、荷電粒子ビームを試料上に走
査した時に得られる2次粒子信号のフーリエ変換による
パワースぺクトルを2値化し、これにより得られる画像
中の各点の主軸及び主軸と直交する方向の軸に対する距
離を求めることで、非点収差の方向と強さを高精度に求
めることができる。そしてこの場合、作業者の視覚に頼
ってスティグマタの調整を行うのではないため、作業者
の熟練によって調整に差がでたり調整に時間がかかる等
の不都合はない。従って、非点収差の補正を高精度かつ
容易に行うことができ、非点収差に起因するビームの断
面形状による観察精度の低下等を未然に防止することが
可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。図1に、同実施形態に係わる荷
電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法の処理フロー
を示す。この処理フローに関しては後に詳しく説明す
る。
【0017】また、図2に本実施形態に係わる荷電粒子
光学鏡筒における非点収差補正装置の構成図を示す。こ
の装置は、前記図7に示すようなSEMにおける荷電粒
子光学鏡筒の検出器11の検出信号を入力し、電子ビー
ムの2次元走査による2次粒子信号を抽出する2次粒子
信号抽出部21、各2次粒子信号の2次元空間でのフー
リエ変換を行いパワースペクトルを算出するフーリエ変
換部22、パワースぺクトルを2値化した画像を求める
2値化部23、2値化画像の主軸と該主軸に直交する方
向の軸を求める軸抽出部24、2値化画像中の各点の主
軸に対しての距離と前記主軸に直交する方向の軸に対し
ての距離を求めることで、非点収差の強さと方向を決定
する非点情報算出部25、非点収差の強さと方向から前
記荷電粒子光学鏡筒のスティグマタ15の駆動を調整す
る調整部26からなる。
【0018】非点を調整するための標準サンプルとし
て、図3に示すような円形形状を持つ試料を用意してお
く。このような試料としては、半導体のコンタクトホー
ルや金粒子等があるため、これらを非点収差補正時にS
EMにセットし、補正処理を行う。
【0019】まず、これらのサンプルを写したSEM画
像の合焦位置をオートフォーカス機能を用いて求める。
オートフォーカス機能としては、SEM画像のX方向の
コントラストが最大となる焦点位置と、Y方向のコント
ラストが最大となる焦点位置をそれぞれ求め、それらの
平均位置を合焦位置とする手法を用いる。
【0020】次いで、焦点位置を合焦位置から僅かにず
らしたSEM画像Iを入力する。即ち、電子ビームを試
料上で2次元走査し、このとき得られる2次粒子信号を
2次元粒子信号抽出部21により抽出する(図1のS
1)。
【0021】次いで、フーリエ変換部22により画像I
をフーリエ変換し、パワースペクトル画像If を作成す
る(図1のS2)。画像If は画像中心に低周波成分が
くるよう作成する。そして、画像If の中心から一定距
離dの位置に図4に示すような矩形形状の帯Bを設定
し、帯Bの内部の輝度平均a及び標準偏差σを求める。
この帯Bは、矩形の代わりに円環を用いても良い。距離
dの値及び帯Bの幅は実験的に設定する。調整に使うサ
ンプルは常に同じであるため、これらの値は一度設定す
れば、以後は固定して用いることができる。
【0022】次いで、2値化部23によりパワースペク
トル画像If をa+2σで2値化する(図1のS3)。
コンタクトホールの画像If は中心付近の低周波成分が
極端に大きいため、この2値化により、画像If の中心
部分のみを抽出することができる。2値化して得られた
画像Ib に対し、ラベリング及びヒストグラム処理を施
し、微小面積部分をノイズとして除去する。非点収差が
存在する場合、SEM画像Iには、ある方向にボケが生
じているため、ボケの方向に低周波成分が多くなる。こ
のため、図5に示すように、画像If 中の領域Rはボケ
の方向を短軸とする楕円状の細長い形状となる。これに
対し、非点収差が存在しないと、図6に示すように、領
域Rは円形に近い形状を示すため、長軸方向の長さと短
軸方向の長さの比がボケの方向性の強さ示す尺度とな
る。
【0023】実際には、領域Rは真の楕円ではなく、輪
郭に凹凸もあるため、画像Ib から楕円を検出し、長軸
長及び短軸長を求めるのは容易ではない。このため、軸
抽出部24により、領域Rの主軸a1 及び主軸に直交す
る軸a2 を、以下の2次モーメントを算出することによ
り求める(図1のS4:図5)。
【0024】tan2 θ十[{M(2,0)-M(0,2)}/M(1,1)]
tanθ−1=0 M(p,q) =Σ(i,j) (i−xc )p (1−yc )q fij ここで、(i,j)は画像Ib 上の座標であって、(x
c ,yc )は領域RのIb 中の重心座標である。また、
fijは、Ib において点(i,j)の値が0の時はfij
=0となり、0ではない時はfij=1となる関数であ
る。上式を解いて得られたθ1,θ2の2つの解が、主
軸方向と主軸に直交する軸方向を示している。
【0025】次いで、非点情報算出部25により、θ1
方向の軸a1 とθ2方向の軸a2 のいずれが主軸かを判
定するために、領域Rに含まれる各点とa1 及びa2 と
の間の距離をそれぞれ求め、これらの平均D1 ,D2 を
求める。そして、D1 >D2ならば、a1 を主軸とし、
h=D1 /D2 を算出して、非点収差の方向と強さを求
める。また、D2 >D1 であるなら、a2 を主軸とし、
h=D1 /D2 を算出して、非点収差の方向と強さを求
める(図1のS5)。
【0026】領域Rが細長い形状の場合はhは0に近く
なり、円形に近い場合は1に近くなる。このため、hが
ボケの方向性の強さを示す指標となり、hが1に近付く
よう調整部26により前記ステイグマタ15の駆動電圧
又は駆動電流を調整していく(図1のS6)。
【0027】ボケの方向は、主軸と垂直な方向であるた
め、このボケの方向とボケの強さhの値に応じて、最適
なステイグマタの調整値を書き込んだ調整用テーブルを
予め用意しておき、このテーブルを参照しながらスティ
グマタを調整すれば、より迅速に非点収差の補正が可能
である。
【0028】このように本実施形態によれば、電子ビー
ムを試料上で2次元走査した時に得られる2次粒子信号
のフーリエ変換によるパワースぺクトルを2値化し、こ
れにより得られる画像中の各点の主軸及び主軸と直交す
る方向の軸に対する距離を求めることによって、非点収
差の方向と強さを高精度に求めることができる。このた
め、試料表面を観察するためのSEMにおいて、非点収
差の補正を高精度かつ容易に行うことができ、非点収差
に起因する電子ビームの断面形状による観察精度の低下
を未然に防止することが可能となる。
【0029】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。実施形態では、標準サンプルとして
円形形状を持つ試料を用いたが、サンプルとしてはこれ
に限定されることはなく、フーリエ変換して低周波成分
を2値化により抽出した際、主軸が存在する試料なら全
て標準サンプルとして用いることができる。また実施形
態では、非点収差の強さを、2値画像中の各点の主軸に
対しての距離の平均D1と、直交する方向の軸に対して
の距離の平均D2との比として求めたが、この代わり
に、2値画像中の各点の主軸に対しての距離の総和S1
と、2値画像中の各点の主軸と直交する方向の軸に対し
ての距離の総和S2との比として求めてもよい。
【0030】また本発明は、SEMのような観察装置に
限るものではなく、電子ビームやイオンビーム等を用い
てLSIパターンを描画する荷電粒子描画装置に適用す
ることも可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、種々変形して実施することができる。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、荷
電粒子ビームを試料上に走査した時に得られる2次粒子
信号のフーリエ変換によるパワースぺクトルを2値化
し、これにより得られる画像中の各点の主軸及び主軸と
直交する方向の軸に対する距離を求めることよって、非
点収差の方向と強さを高精度に求めることができる。従
って、非点収差の補正を高精度かつ容易に行うことがで
き、非点収差に起因するビームの断面形状による観察精
度の低下等を未然に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる非点収差補正方法
の処理フローを示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係わる非点収差補正装置
の概略構成を示す図。
【図3】実施形態に用いた標準サンプルの例を示す図。
【図4】2値化しきい値を設定するための帯状領域を説
明するための図。
【図5】主軸及び主軸と直交する方向の軸を説明するた
めの図。
【図6】非点収差が存在しない時のビーム断面形状を示
す図。
【図7】従来技術に係わるSEMの基本構成を示す図。
【図8】焦点距離に応じたビームの断面形状の変化を示
す図。
【図9】試料表面形状とビーム断面形状のx,y方向の
分布を示す図。
【図10】非点収差が無い時のビーム断面形状の変化を
示す図。
【図11】ビーム断面がx,y軸に45度傾いた方向に
変形する非点収差が存在する時のビーム断面形状の変化
を示す図。
【符号の説明】
1…カソード 2…アノード 3…電子銃 4…電子ビーム 5…コンデンサレンズ 6…対物レンズ 7…絞りマスク 8…試料 9…試料台 10…偏向器 11…検出器 12…走査制御回路 13…画像表示装置 15…スティグマタ 21…2次粒子信号抽出部 22…フーリエ変換部 23…2値化部 24…軸抽出部 25…非点情報算出部 26…調整部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−92354(JP,A) 特開 平9−82257(JP,A) 特開 平5−283028(JP,A) 特開 平3−194839(JP,A) 特開 昭63−202835(JP,A) 特開 昭58−137948(JP,A) 特開 昭48−52467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/21

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非点収差を補正するためのスティグマタを
    備えた荷電粒子光学鏡筒を用い、試料上に荷電粒子ビー
    ムを2次元的に走査して得られる2次粒子信号を抽出す
    る第1のステップと、 抽出された2次粒子信号の2次元空間でのフーリエ変換
    を行い、パワースペクトルを算出する第2のステップ
    と、 算出されたパワースペクトルを2値化した画像を求める
    第3のステップと、 求められた2値化画像の主軸と該主軸に直交する方向の
    軸を求める第4のステップと、 前記主軸と前記2値化画像中の試料画像領域の両端とが
    交わる2点間の距離と、前記主軸に直交する方向の軸と
    前記2値化画像中の試料画像領域の両端とが交わる2点
    間の距離を求めることで、非点収差の強さと方向を決定
    する第5のステップと、 決定された非点収差の強さと方向から前記スティグマタ
    を調整する第6のステップと、 を有することを特徴とする荷電粒子光学鏡筒における非
    点収差補正方法。
  2. 【請求項2】前記2値化画像を、前記パワースペクトル
    の直流成分が中心となるよう設定した帯状領域中で、該
    パワースぺクトル値の平均a及び標準偏差σを求め、a
    +2σなるしきい値で2値化することにより求めること
    を特徴とする請求項1に記載の荷電粒子光学鏡筒におけ
    る非点収差補正方法。
  3. 【請求項3】前記2値化画像の主軸を、該2値化画像の
    2次モーメントを求めることで算出することを特徴とす
    る請求項1に記載の荷電粒子光学鏡筒における非点収差
    補正方法。
  4. 【請求項4】前記非点収差の方向が、前記主軸と直交す
    る方向であることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒
    子光学鏡筒における非点収差補正方法。
  5. 【請求項5】前記非点収差の強さが、前記2値化画像中
    の各点の主軸に対しての距離の平均D1と、前記2値化
    画像中の各点の主軸と直交する方向の軸に対しての距離
    の平均D2との比であることを特徴とする請求項1に記
    載の荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法。
  6. 【請求項6】前記非点収差の強さが、前記2値化画像中
    の各点の主軸に対しての距離の総和S1と、前記2値化
    画像中の各点の主軸と直交する方向の軸に対しての距離
    の総和S2との比であることを特徴とする請求項1に記
    載の荷電粒子光学鏡筒における非点収差補正方法。
  7. 【請求項7】非点収差を補正するためのスティグマタを
    備えた荷電粒子光学鏡筒と、 この荷電粒子光学鏡筒により試料上に荷電粒子ビームを
    2次元的に走査して得られる2次粒子信号を抽出する2
    次粒子信号抽出手段と、 この2次粒子信号抽出手段で抽出された2次粒子信号の
    2次元空間でのフーリエ変換を行い、パワースペクトル
    を算出するフーリエ変換手段と、 このフーリエ変換手段で算出されたパワースぺクトルを
    2値化した画像を求める2値化手段と、 この2値化手段で求められた2値化画像の主軸と該主軸
    に直交する方向の軸を求める軸抽出手段と、 前記主軸と前記2値化画像中の試料画像領域の両端とが
    交わる2点間の距離と、前記主軸に直交する方向の軸と
    前記2値化画像中の試料画像領域の両端とが交わる2点
    間の距離を求めることで、非点収差の強さと方向を決定
    する非点情報算出手段と、 この非点情報算出手段で決定された非点収差の強さと方
    向から前記荷電粒子光学鏡筒のスティグマタを調整する
    調整手段と、を具備してなることを特徴とする荷電粒子
    光学鏡筒における非点収差補正装置。
  8. 【請求項8】前記2値化手段において、前記パワースペ
    クトルの直流成分が中心となるよう設定した帯状領域中
    で、該パワースペクトル値の平均a及び標準偏差σを求
    め、a+2σなるしきい値で2値化することにより2値
    化画像を求めることを特徴とする請求項7に記載の荷電
    粒子光学鏡筒における非点収差補正装置。
  9. 【請求項9】前記軸抽出手段において、前記2値化画像
    の2次モーメントを求めることで該2値化画像の主軸を
    算出することを特徴とする請求項7に記載の荷電粒子光
    学鏡筒における非点収差補正装置。
  10. 【請求項10】前記非点情報算出手段において、前記非
    点収差の方向が前記主軸と直交する方向であることを特
    徴とする請求項7に記載の荷電粒子光学鏡筒における非
    点収差補正装置。
  11. 【請求項11】前記非点情報算出手段において、前記非
    点収差の強さが、前記2値化画像中の各点の主軸に対し
    ての距離の平均D1と、前記2値化画像中の各点の主軸
    と直交する方向の軸に対しての距離の平均D2との比で
    あることを特徴とする請求項7に記載の荷電粒子光学鏡
    筒における非点収差補正装置。
  12. 【請求項12】前記非点情報算出手段において、前記非
    点収差の強さが、前記2値化画像中の各点の主軸に対し
    ての距離の総和S1と、前記2値化画像中の各点の主軸
    と直交する方向の軸に対しての距離の総和S2との比で
    あることを特徴とする請求項7に記載の荷電粒子光学鏡
    筒における非点収差補正装置。
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