JP3369867B2 - 有機エレクトロルミネッセンスパネル - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンスパネルInfo
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Description
に使用される有機エレクトロルミネッセンスパネルに係
り、特に、薄膜トランジスタによって駆動される有機エ
レクトロルミネッセンスパネルにおいて、この有機エレ
クトロルミネッセンスパネルを折り曲げた場合等におい
ても、この有機エレクトロルミネッセンスパネルに設け
られた発光層が破損するということがなく、収納や運搬
等が容易に行なえる有機エレクトロルミネッセンスパネ
ルに関するものである。
て、従来より一般に使用されているCRTに比べて消費
電力や空間占有面積が少ない平面表示素子のニーズが高
まり、このような平面表示素子の一つとしてエレクトロ
ルミネッセンス素子(以下、EL素子と略す。)が注目
されている。
って無機EL素子と有機EL素子に大別され、無機EL
素子においては、一般に発光部に高電界を作用させ、電
子をこの高電界中で加速して発光中心に衝突させ、これ
により発光中心を励起させて発光させるようになってい
る一方、有機EL素子においては、電子注入電極とホー
ル注入電極とからそれぞれ電子とホールとを発光部内に
注入させ、このように注入された電子とホールとを発光
中心で再結合させて、有機材料を励起させ、この有機材
料が励起状態から基底状態に戻るときに蛍光を発光する
ようになっている。
に高電界を作用させるため、その駆動電圧として100
〜200Vと高い電圧を必要とするのに対し、上記の有
機EL素子においては、5〜20V程度の低い電圧で駆
動できるという利点があり、近年、このような有機EL
素子について様々な研究が行なわれるようになった。
プレイ等に使用するため、複数の画素で構成された有機
ELパネルを製造することが検討され、従来において
は、単純マトリクス型のディスプレイが提案された。
プレイにおいては、基板上に走査線に相当する線状のホ
ール注入電極を所要間隔を介して複数設け、このように
複数の線状になったホール注入電極が形成された基板上
に発光層や電荷輸送層等を形成し、その上に上記のホー
ル注入電極と直交するようにして信号線に相当する線状
になった電子注入電極を所要間隔を介して複数設けるよ
うにしていた。
等の上に適当なパターンの電子注入電極を設ける場合、
一般にフォトリソグラフィやマスク蒸着が用いられる
が、発光層や電荷輸送層等は水分や有機溶剤に対する耐
性が低いため、フォトリソグラフィによって適当なパタ
ーンの電子注入電極を設けるようにすると、発光層や電
荷輸送層等が劣化するという問題があり、またマスク蒸
着によって適当なパターンの電子注入電極を形成する場
合、微細なパターンの加工が困難になるという問題があ
った。
等に使用する複数の画素で構成された有機ELパネルを
製造するにあたり、特開平7−111341号公報や特
開平8−54836号公報等に示されるように、基板上
に薄膜トランジスタにより駆動される駆動電極を各画素
に対応して設け、適当な位置における駆動電極を薄膜ト
ランジスタにより駆動させて、駆動電極に対応した部分
における有機ELを発光させるようにしたものが開発さ
れた。
パネルにおいては、薄膜トランジスタにより駆動される
駆動電極を各画素に対応して設けた基板上に発光層が連
続して形成されていた。
Lパネルにおける基板に可撓性の基板を用い、この有機
ELパネルを巻き取ったり折り曲げるようにした場合、
この基板に形成された発光層にクラック等が生じて有機
ELが劣化し、安定した発光が行なえなくなるという問
題があった。
パネルにおける上記のような様々な問題を解決すること
を課題とするものであり、特に、基板上に薄膜トランジ
スタにより駆動される駆動電極を各画素に対応して設
け、適当な位置における駆動電極を薄膜トランジスタに
より駆動させて、駆動電極に対応した部分における有機
ELを発光させるようになった有機ELパネルにおい
て、この有機ELパネルにおける基板に可撓性のものを
用いて、この有機ELパネルを巻き取ったり折り曲げた
りするようにした場合であっても、この有機ELパネル
に形成された発光層にクラック等が生じて有機ELが劣
化するということがなく、有機ELパネルの収納や運搬
等が容易に行なえるようにすることを課題とするもので
ある。
Lパネルにおいては、上記のような課題を解決するた
め、外部信号により薄膜トランジスタを介して駆動され
る複数の駆動電極を基板上に設け、この基板上に少なく
とも有機材料を用いた発光層と上記の駆動電極に対向す
る対向電極とを積層させるにあたり、上記の各駆動電極
に対応して発光層を間隔を空けて分離させるようにした
のである。この際、発光層上にキャリア輸送層を設ける
場合、このキャリア輸送層が発光層の側面まで覆ってお
り、または、発光層下にキャリア輸送層を設ける場合、
発光層がこのキャリア輸送層を覆っているので、いずれ
の場合においても、両電極間に発光層の他に少なくとも
キャリア輸送層が介在することになり、両電極間の短絡
事故の可能性を低減させている。
のように、外部信号により薄膜トランジスタを介して駆
動される複数の駆動電極を基板上に設け、この基板上に
少なくとも有機材料を用いた発光層と上記の駆動電極に
対向する対向電極とを積層させるようにすると、薄膜ト
ランジスタにより適当な位置における駆動電極と対向電
極との間に電圧を印加させて、適当な位置における発光
層を発光させることが簡単に行なえるようになると共
に、対向電極を従来のようにフォトリソグラフィやマス
ク蒸着等によってパターニングする必要がなくなる。
ように各駆動電極に対応して発光層を間隔を空けて分離
させるようにすると、上記の基板に可撓性のものを使用
し、この有機ELパネルを巻き取ったり折り曲げるよう
にした場合に、発光層にクラックが生じるということが
少なくなり、特に、発光層が設けられていない部分で有
機ELパネルを折り曲げることによって、発光層を傷つ
けることなく有機ELパネルをコンパクトにできるよう
になる。
り有機ELを駆動させるようにすると、この薄膜トラン
ジスタにラッチアップ回路等を付加することによって、
この有機ELパネルの各画素に対して様々な制御が簡単
に行なえるようになる。
る有機ELの素子構造は、ホール注入電極と電子注入電
極との間にホール輸送層と発光層と電子輸送層とを積層
させたDH構造と称される三層構造のもの、ホール注入
電極と電子注入電極との間にホール輸送層と電子輸送性
の発光層とが積層されたSH−A構造と称される二層構
造のもの、ホール注入電極と電子注入電極との間にホー
ル輸送性の発光層と電子輸送層とが積層されたSH−B
構造と称される二層構造のものの何れであってもよい。
る有機ELパネルを添付図面に基づいて具体的に説明す
る。
いては、可撓性でかつ耐熱性に優れた樹脂製の基板10
を用い、図1及び図2に示すように、この基板10上に
薄膜トランジスタ1を設けるようにした。
を設けるにあたっては、X方向の各電極線2xにそれぞ
れ複数のゲート電極3を接続させると共に、Y方向の各
電極線2yにそれぞれ複数のソース電極4を接続させ、
それぞれのソース電極4にアモルファスシリコン層5を
接続させるようにした。
れた各アモルファスシリコン層5に対して各駆動電極6
を接続させるようにした。
適当なX方向の電極線2xとY方向の電極線2yとに電
圧を印加すると、その交点における駆動電極6がアモル
ファスシリコン層5を介してY方向の電極線2yと等電
位になる。
おいては、図2に示すように、上記のように構成された
薄膜トランジスタ1において、上記の各電極線2x,2
y、各ゲート電極3、各ソース電極4及び各アモルファ
スシリコン層5を全て絶縁膜7で覆うようにし、駆動電
極6のみを露出させるようにした。なお、この実施形態
においては、この駆動電極6を電子注入電極として用い
るようにし、この電極材料にはマグネシウム・インジウ
ム合金等を用いるようにした。
びこの薄膜トランジスタ1に接続された各駆動電極6が
設けられた基板10上に電子輸送層11を形成した後、
この電子輸送層11に対してレーザ光を照射し、図3に
示すように、各駆動電極6に対応するようにして電子輸
送層11を分離させ、各駆動電極6上に電子輸送層11
を形成した。なお、電子輸送層11を構成する材料とし
ては、一般に使用されている電子輸送材料を用いること
ができ、例えば、下記の化1に示すオキサジアゾール誘
導体[tBu−PBD]等を用いることができる。
るように電子輸送層11が分離して形成された基板10
上に発光層12を形成した後、この発光層12に対して
レーザ光を照射し、図4に示すように、各駆動電極6に
対応するように発光層12を分離させ、各駆動電極6上
に形成された各電子輸送層11を覆うようにして発光層
12を形成した。なお、発光層12を構成する材料とし
ては、一般に使用されている有機発光材料を用いること
ができ、例えば、下記の化2に示すトリス(8−ヒドロ
キシキノリン)アルミニウム[Alq3 ]を用いるよう
にしたり、また電荷輸送性のホスト材料中に下記の化3
に示すルブレン等の発光材料をドープさせるようにして
もよい。
るようにして発光層12が分離されて形成された基板1
0上に、図5に示すように、ホール輸送層13を分離さ
せることなく形成し、さらにこのホール輸送層13上に
対向電極14としてホール注入電極を分離させることな
く形成した。そして、このようにホール輸送層13を分
離させることなく形成した場合においても、この実施形
態のものにおいては、前記のように発光層12が各電子
輸送層11を覆うようにして形成されているため、ホー
ル輸送層13が電子輸送層11と接触することがない。
としては、一般に使用されているホール輸送材料を用い
ることができ、例えば下記の化4に示すN,N’−ジフ
ェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン[TPD]等の
トリフェニルアミン誘導体やヒドラゾン誘導体等を用い
ることができる。
極14には、透明なITOを用いるようにした。
おいて、基板10上に形成された薄膜トランジスタ1に
より適当な位置における駆動電極6と対向電極14との
間に電圧を印加させると、この駆動電極6に対応した位
置における発光層12が発光し、この光が上記の透明な
ITOで構成された対向電極14から出光されるように
なった。
いては、前記のように基板10を可撓性の樹脂で構成す
ると共に、各発光層12を各駆動電極6に対応するよう
にして分離させたため、発光層12が設けられていない
部分において上記の基板10を折り曲げることにより、
発光層12を傷つけることなくこの有機ELパネルをコ
ンパクトにすることができ、有機ELパネルの収納や運
搬等が容易に行なえるようになった。
ルにおいては、ホール輸送層13を発光層12が形成さ
れた基板10の表面全体に設けるようにしたが、図6に
示すように、ホール輸送層13についても発光層12と
同様にレーザ光による加工を行ない、各駆動電極6に対
応するようにしてホール輸送層13を分離させることも
可能であり、このようにホール輸送層13を分離させて
形成した上に、図7に示すように、対向電極14として
ホール注入電極を分離させることなく形成することもで
きる。
ルにおいては、薄膜トランジスタ1によって駆動される
駆動電極6を電子注入電極として用いる一方、対向電極
14をホール注入電極として用いるようにしたが、上記
の駆動電極6を透明なITOで構成してホール注入電極
として使用する一方、対向電極14をマグネシウム・イ
ンジウム合金等で構成して電子注入電極として使用する
ことも可能である。
射させるため、上記の基板10には透明なものを用いる
ようにし、またこの駆動電極6の上にホール輸送層1
4、発光層13、電子輸送層12の順で積層させるよう
にする。
6と対向電極14との間に電子輸送層12と、発光層1
3と、ホール輸送層14とが設けられたDH構造になっ
た有機ELパネルの例を示したが、この有機ELパネル
の素子構造はこのようなDH構造のものに限定されず、
前記のSH−A構造やSH−B構造のものであってもよ
い。
有機ELパネルにおいては、外部信号により薄膜トラン
ジスタを介して駆動される複数の駆動電極を基板上に設
け、この基板上に、少なくとも有機材料を用いた発光層
と駆動電極と対向する対向電極とを積層させるようにし
たため、薄膜トランジスタにより適当な位置における駆
動電極と対向電極との間に電圧を印加させて、適当な位
置におけるで発光層を発光させることが簡単に行なえる
ようになると共に、対向電極を従来のようにフォトリソ
グラフィやマスク蒸着等によってパターニングする必要
がなくなった。
おいては、各駆動電極に対応して発光層を分離させるよ
うにしたため、基板に可撓性のものを使用し、この有機
ELパネルを巻き取ったり折り曲げるようにした場合
に、発光層にクラックが生じるということが少なくな
り、特に、発光層が設けられていない部分で有機ELパ
ネルを折り曲げることにより、発光層を傷つけることな
くこの有機エレクトロルミネッセンスパネルをコンパク
トにすることができ、その収納や運搬等が容易に行なえ
るようになった。
ミネッセンスパネルにおいて、基板上に形成した薄膜ト
ランジスタの状態を示した概略平面図である。
タとこの薄膜トランジスタに接続された駆動電極を設け
た状態を示した断面説明図である。
動電極の上に電子輸送層を形成した状態を示した断面説
明図である。
の上に発光層を形成した状態を示した断面説明図であ
る。
にホール輸送層と対向電極とを形成した有機エレクトロ
ルミネッセンスパネルの断面説明図である。
ンスパネルにおいて、発光層と同様にホール輸送層を各
駆動電極に対応するように分離させた状態を示した断面
説明図である。
層の上に対向電極を形成した有機エレクトロルミネッセ
ンスパネルの断面説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 外部信号により薄膜トランジスタを介し
て駆動される複数の駆動電極が基板上に設けられ、この
基板上に少なくとも有機材料を用いた発光層が上記の駆
動電極に対向する対向電極とが積層され、上記の各駆動
電極に対応して発光層が間隔を空けて分離された有機エ
レクトロルミネッセンスパネルにおいて、上記発光層の
上面及び側面を覆うようにしてキャリア輸送層が形成さ
れてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
スパネル。 - 【請求項2】 請求項1に記載した有機エレクトロルミ
ネッセンスパネルにおいて、上記キャリア輸送層は複数
の発光層を覆うように分離させること無く形成したこと
を特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。 - 【請求項3】 外部信号により薄膜トランジスタを介し
て駆動される複数の駆動電極が基板上に設けられ、この
基板上に少なくとも有機材料を用いた発光層と上記の駆
動電極に対向する対向電極とが積層され、上記の各駆動
電極に対応して発光層が分離された有機エレクトロルミ
ネッセンスパネルにおいて、上記の駆動電極上にキャリ
ア輸送層が形成され、このキャリア輸送層を覆うように
して上記の発光層が形成されてなることを特徴とする有
機エレクトロルミネッセンスパネル。 - 【請求項4】 請求項1、2、又は3に記載した有機エ
レクトロルミネッセンスパネルにおいて、可撓性の基板
を用いたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
スパネル。
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