JP3369610B2 - 炭化珪素とオーステナイト鋼の接合体の製造方法 - Google Patents
炭化珪素とオーステナイト鋼の接合体の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化珪素とオ−ステナ
イト鋼の接合体の製造方法に関し、特に半導体製造装置
への適用が期待できる炭化珪素−オ−ステナイト鋼接合
体、詳細には、リン酸系ガス雰囲気中においても使用し
得る炭化珪素−オ−ステナイト鋼接合体の製造方法に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、半導体製造工程において、高温の
リン酸系ガスを導入するため、オ−ステナイト鋼製パイ
プラインを用い、その途中に加熱部分を設け、その部分
を加熱していた。しかし、この加熱時にオ−ステナイト
鋼より金属イオンが放出され、この金属イオンがそのま
ま半導体製造工程に導入されてしまうため、半導体製造
時に歩留り低下を招く欠点を有している。 【0003】上記欠点を解消するため、該加熱部分をセ
ラミックス化する試みが提案されている。特に熱伝導率
の優れた炭化珪素を用いるべく炭化珪素とオ−ステナイ
ト鋼とを市販の銀−銅−チタン系活性金属ロウを用いて
接合させる試みが提案されているが、加熱時にロウ成分
中の銀、銅のイオンが放出し、これも半導体製品の歩留
まりを低下することになるので、この公知の貴金属系ロ
ウ材を用いることができない。そこで、上記貴金属系ロ
ウ材にかえて卑金属類であるニッケル、チタンに着目
し、これを用いたロウ材で炭化珪素とオ−ステナイト鋼
とを接合させる試みが提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ニッケルと
チタンから成るロウ材として、それらが共晶組成となる
ように調合された合金やクラッド材が知られており、市
販されているが、このようなロウ材を用いても炭化珪素
とオ−ステナイト鋼とを実用強度で接合させることがで
きない。そこで、セラミックスとオ−ステナイト鋼との
実用強度を有する接合体の開発が望まれており、特に熱
伝導率に優れた炭化珪素とオ−ステナイト鋼を接合する
方法として、ニッケルやチタン等の卑金属を用いて実用
強度を示す接合方法の開発が今日強く要望されている。 【0005】本発明は、上記要望に沿う炭化珪素−オ−
ステナイト鋼接合体の製造方法を提供するものであり、
詳細には、ニッケル、チタンの卑金属材料を用いて実用
強度(高接合強度)の炭化珪素とオ−ステナイト鋼接合
体(リン酸系ガス雰囲気中においても使用し得る炭化珪
素−オ−ステナイト鋼接合体)の製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】そして、本発明は、炭化
珪素とオ−ステナイト鋼との間に中間材として、ニッケ
ル及びチタンを挿入し、この炭化珪素、ニッケル及びチ
タンをまず加熱接合するにあたり、中間材として挿入す
るニッケルを特定厚さ (0.1〜0.5mm) とし、かつ、炭
化珪素、ニッケル及びチタンを加熱接合する条件とし
て、特定の雰囲気中 (1×10-4Torr以下の真空度) で特
定の加熱温度 (920〜1120℃) で接合することを特徴と
し、これにより実用強度 (高接合強度) の炭化珪素−オ
−ステナイト鋼接合体を提供するものである。 【0007】即ち、本発明は、「炭化珪素とオ−ステナ
イト鋼との間にチタンを挿入し、更に炭化珪素側に0.1
〜0.5mm厚のニッケルを挿入し、この炭化珪素、ニッ
ケル及びチタンを1×10-4Torr以下の真空中で920〜1120
℃で加熱接合し、次に、該チタン面にオ−ステナイト鋼
を溶接することを特徴とする炭化珪素とオ−ステナイト
鋼の接合体の製造方法。」を要旨とするものである。 【0008】以下、本発明を図1(本発明による炭化珪
素−オ−ステナイト鋼の接合構造を示す模式図)に基づ
いて詳細に説明する。炭化珪素1とオ−ステナイト鋼2
を接合させる場合、その間に0.1〜0.5mm厚みのニッケ
ル3と所望厚さのチタン4とを中間材として挿入する。
そして、まず炭化珪素1とニッケル3及びチタン4を1
×10-4Torr以下の真空中で920〜1120℃の条件で加熱接
合し、次に、チタン4とオ−ステナイト鋼2とを溶接部
5で溶接接合する。 【0009】ニッケルの厚みとして、例えば0.7mm厚
さのニッケルを炭化珪素とチタンの間に挿入すると、こ
れを加熱しただけでもニッケルが炭化珪素及びオ−ステ
ナイト鋼の両方に拡散し、ある程度の接合強度のものが
得られる。しかし、この接合強度は低く、実用に供する
ことができない(後記表1No.5参照)。 【0010】ニッケルの厚みを薄くすると、チタンがニ
ッケルに浸透して炭化珪素表面に至り、そこでチタン−
シリコン化合物が生成し、強固に接合する作用が生ず
る。これに対して、ニッケルが極端に厚い場合、チタン
が炭化珪素表面に至らなくなり、強固な接合が生じな
い。実験の結果、ニッケル厚みは、その上限としては0.
5mmが限界であることを見いだした。 【0011】一方、ニッケルが薄過ぎると、炭化珪素と
チタンとの熱膨張差(炭化珪素:3.8×10-6/℃、チタ
ン:8.5×10-5/℃)に起因する残留応力が炭化珪素表
面に作用し、炭化珪素表面が破壊されるので接合強度は
低下する。実験の結果、ニッケル厚みの下限は0.1mm
が限界であることを見いだした。以上の実験結果より、
本発明においてニッケル厚みとしては、0.1〜0.5mmが
好ましい。 【0012】炭化珪素、ニッケル及びチタンの加熱接合
時の雰囲気は、酸素濃度に支配される。真空で1×10-4T
orrを超える場合、つまり酸素濃度が高くなると炭化珪
素に接触するニッケルが酸化ニッケルとなってしまい、
炭化珪素表面にヌレることができなくなり、接合できな
くなるので好ましくない。また、接合温度として920℃
未満の場合、炭化珪素へのニッケルやチタンの拡散が少
なく、接合しているものの実用強度を示さず(後記表1
No.9参照)、逆に1120℃を超える高温で接合すると、ニ
ッケルとチタンとが一体化してしまい、ニッケルが応力
緩衝層の役目を果たさなくなり、接合残留応力が作用し
て実用強度に至らず(後記表1No.13参照)、時には破
棄してしまうので好ましくない。したがって、本発明に
おいて、炭化珪素、ニッケル及びチタンの三者の加熱接
合条件としては、1×10-4Torr以下の真空中で920〜1120
℃の条件で行うのが好ましい。 【0013】上記したように炭化珪素、ニッケル及びチ
タンの三者を加熱接合した後、本発明では、このチタン
面にオ−ステナイト鋼を溶接して炭化珪素−オ−ステナ
イト鋼接合体を製造する。この溶接手段としては、周知
・慣用の溶接接合法を採用することができ、例示すれ
ば、TIG溶接法、電子ビ−ム溶接法を挙げることがで
きる。 【0014】 【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。接合用炭化珪素及びオ−
ステナイト鋼として、炭化珪素(日本セラテック社製)
及びSUS 304を用いた。接合体の形状・寸法は、図2に
示すとおりである。 【0015】まず、図2に示すように、φ6×10mmの
炭化珪素1の両端に後記(1)の種々の厚みのニッケル3
(φ6mm)とφ6×10mmのチタン4を後記(2)及び(3)
の種々の条件で加熱接合した。次に、チタン4とφ6×1
5mmのSUS 304 2aとを電子ビ−ム溶接した。得られ
た接合体について、接合強度を測定した。その測定結果
を表1に示す。なお、この測定法としては、両端のSUS
304 2aにネジを切り、このネジに引張りジグを咥えさ
せて引張り試験を行い、その接合強度を求めた。 【0016】(1) ニッケル厚みの確認 ニッケル厚みの効果を確認するため、接合時の真空度を
5×10-5Torr、接合温度を1020℃とし、種々のニッケル
厚みで接合した試料の接合強度を求めた。ニッケル厚み
は、0mm(ニッケルを入れない)、0.05mm、0.1m
m、0.5mm、0.7mmとした(表1No.1〜5参照)。 【0017】(2) 真空度の効果 接合時の真空度の効果を確認するため、ニッケルの厚み
を0.1mm、接合温度を1020℃とし、種々の真空度で接
合した試料の接合強度を求めた。真空度としては、5×1
0-4Torr、1×10-4Torr、5×10-5Torrとした(表1No.6
〜8参照)。 【0018】(3) 接合温度の効果 接合温度の効果を確認するため、ニッケルの厚みを0.1
mm、接合時の真空度を5×10-5Torrとし、種々の接合
温度で接合した試料の接合強度を求めた。接合温度とし
ては、880℃、920℃、1020℃、1120℃、1150℃とした
(表1No.9〜13参照)。 【0019】 【表1】 【0020】表1の結果より、本発明で規定するニッケ
ル厚さ(0.1〜0.5mm)及び加熱接合条件(1×10-4Tor
r以下の真空度、920〜1120℃の加熱温度)で接合したも
のは、53MPa以上の実用強度を示すが、この範囲外のも
のでは、50MPaに満たず、高くても38MPa程度であり(表
1No.5参照)、実用的強度が得られないことが認められ
た。 【0021】 【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、炭化珪
素とオ−ステナイト鋼との間に中間材としてニッケル
(0.1〜0.5mm厚さ)及びチタンを挿入し、この炭化珪
素、ニッケル及びチタンを加熱接合する(1×10-4Torr
以下の真空度、920〜1120℃の加熱温度)ことを特徴と
し、これにより実用強度(高接合強度)の炭化珪素−オ
−ステナイト鋼接合体を得ることができる効果が生ず
る。そして、本発明により、リン酸系ガス雰囲気中にお
いても使用し得る、特に半導体製造装置への適用が期待
できる炭化珪素−オ−ステナイト鋼接合体を提供するこ
とができる。
イト鋼の接合体の製造方法に関し、特に半導体製造装置
への適用が期待できる炭化珪素−オ−ステナイト鋼接合
体、詳細には、リン酸系ガス雰囲気中においても使用し
得る炭化珪素−オ−ステナイト鋼接合体の製造方法に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、半導体製造工程において、高温の
リン酸系ガスを導入するため、オ−ステナイト鋼製パイ
プラインを用い、その途中に加熱部分を設け、その部分
を加熱していた。しかし、この加熱時にオ−ステナイト
鋼より金属イオンが放出され、この金属イオンがそのま
ま半導体製造工程に導入されてしまうため、半導体製造
時に歩留り低下を招く欠点を有している。 【0003】上記欠点を解消するため、該加熱部分をセ
ラミックス化する試みが提案されている。特に熱伝導率
の優れた炭化珪素を用いるべく炭化珪素とオ−ステナイ
ト鋼とを市販の銀−銅−チタン系活性金属ロウを用いて
接合させる試みが提案されているが、加熱時にロウ成分
中の銀、銅のイオンが放出し、これも半導体製品の歩留
まりを低下することになるので、この公知の貴金属系ロ
ウ材を用いることができない。そこで、上記貴金属系ロ
ウ材にかえて卑金属類であるニッケル、チタンに着目
し、これを用いたロウ材で炭化珪素とオ−ステナイト鋼
とを接合させる試みが提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ニッケルと
チタンから成るロウ材として、それらが共晶組成となる
ように調合された合金やクラッド材が知られており、市
販されているが、このようなロウ材を用いても炭化珪素
とオ−ステナイト鋼とを実用強度で接合させることがで
きない。そこで、セラミックスとオ−ステナイト鋼との
実用強度を有する接合体の開発が望まれており、特に熱
伝導率に優れた炭化珪素とオ−ステナイト鋼を接合する
方法として、ニッケルやチタン等の卑金属を用いて実用
強度を示す接合方法の開発が今日強く要望されている。 【0005】本発明は、上記要望に沿う炭化珪素−オ−
ステナイト鋼接合体の製造方法を提供するものであり、
詳細には、ニッケル、チタンの卑金属材料を用いて実用
強度(高接合強度)の炭化珪素とオ−ステナイト鋼接合
体(リン酸系ガス雰囲気中においても使用し得る炭化珪
素−オ−ステナイト鋼接合体)の製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】そして、本発明は、炭化
珪素とオ−ステナイト鋼との間に中間材として、ニッケ
ル及びチタンを挿入し、この炭化珪素、ニッケル及びチ
タンをまず加熱接合するにあたり、中間材として挿入す
るニッケルを特定厚さ (0.1〜0.5mm) とし、かつ、炭
化珪素、ニッケル及びチタンを加熱接合する条件とし
て、特定の雰囲気中 (1×10-4Torr以下の真空度) で特
定の加熱温度 (920〜1120℃) で接合することを特徴と
し、これにより実用強度 (高接合強度) の炭化珪素−オ
−ステナイト鋼接合体を提供するものである。 【0007】即ち、本発明は、「炭化珪素とオ−ステナ
イト鋼との間にチタンを挿入し、更に炭化珪素側に0.1
〜0.5mm厚のニッケルを挿入し、この炭化珪素、ニッ
ケル及びチタンを1×10-4Torr以下の真空中で920〜1120
℃で加熱接合し、次に、該チタン面にオ−ステナイト鋼
を溶接することを特徴とする炭化珪素とオ−ステナイト
鋼の接合体の製造方法。」を要旨とするものである。 【0008】以下、本発明を図1(本発明による炭化珪
素−オ−ステナイト鋼の接合構造を示す模式図)に基づ
いて詳細に説明する。炭化珪素1とオ−ステナイト鋼2
を接合させる場合、その間に0.1〜0.5mm厚みのニッケ
ル3と所望厚さのチタン4とを中間材として挿入する。
そして、まず炭化珪素1とニッケル3及びチタン4を1
×10-4Torr以下の真空中で920〜1120℃の条件で加熱接
合し、次に、チタン4とオ−ステナイト鋼2とを溶接部
5で溶接接合する。 【0009】ニッケルの厚みとして、例えば0.7mm厚
さのニッケルを炭化珪素とチタンの間に挿入すると、こ
れを加熱しただけでもニッケルが炭化珪素及びオ−ステ
ナイト鋼の両方に拡散し、ある程度の接合強度のものが
得られる。しかし、この接合強度は低く、実用に供する
ことができない(後記表1No.5参照)。 【0010】ニッケルの厚みを薄くすると、チタンがニ
ッケルに浸透して炭化珪素表面に至り、そこでチタン−
シリコン化合物が生成し、強固に接合する作用が生ず
る。これに対して、ニッケルが極端に厚い場合、チタン
が炭化珪素表面に至らなくなり、強固な接合が生じな
い。実験の結果、ニッケル厚みは、その上限としては0.
5mmが限界であることを見いだした。 【0011】一方、ニッケルが薄過ぎると、炭化珪素と
チタンとの熱膨張差(炭化珪素:3.8×10-6/℃、チタ
ン:8.5×10-5/℃)に起因する残留応力が炭化珪素表
面に作用し、炭化珪素表面が破壊されるので接合強度は
低下する。実験の結果、ニッケル厚みの下限は0.1mm
が限界であることを見いだした。以上の実験結果より、
本発明においてニッケル厚みとしては、0.1〜0.5mmが
好ましい。 【0012】炭化珪素、ニッケル及びチタンの加熱接合
時の雰囲気は、酸素濃度に支配される。真空で1×10-4T
orrを超える場合、つまり酸素濃度が高くなると炭化珪
素に接触するニッケルが酸化ニッケルとなってしまい、
炭化珪素表面にヌレることができなくなり、接合できな
くなるので好ましくない。また、接合温度として920℃
未満の場合、炭化珪素へのニッケルやチタンの拡散が少
なく、接合しているものの実用強度を示さず(後記表1
No.9参照)、逆に1120℃を超える高温で接合すると、ニ
ッケルとチタンとが一体化してしまい、ニッケルが応力
緩衝層の役目を果たさなくなり、接合残留応力が作用し
て実用強度に至らず(後記表1No.13参照)、時には破
棄してしまうので好ましくない。したがって、本発明に
おいて、炭化珪素、ニッケル及びチタンの三者の加熱接
合条件としては、1×10-4Torr以下の真空中で920〜1120
℃の条件で行うのが好ましい。 【0013】上記したように炭化珪素、ニッケル及びチ
タンの三者を加熱接合した後、本発明では、このチタン
面にオ−ステナイト鋼を溶接して炭化珪素−オ−ステナ
イト鋼接合体を製造する。この溶接手段としては、周知
・慣用の溶接接合法を採用することができ、例示すれ
ば、TIG溶接法、電子ビ−ム溶接法を挙げることがで
きる。 【0014】 【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。接合用炭化珪素及びオ−
ステナイト鋼として、炭化珪素(日本セラテック社製)
及びSUS 304を用いた。接合体の形状・寸法は、図2に
示すとおりである。 【0015】まず、図2に示すように、φ6×10mmの
炭化珪素1の両端に後記(1)の種々の厚みのニッケル3
(φ6mm)とφ6×10mmのチタン4を後記(2)及び(3)
の種々の条件で加熱接合した。次に、チタン4とφ6×1
5mmのSUS 304 2aとを電子ビ−ム溶接した。得られ
た接合体について、接合強度を測定した。その測定結果
を表1に示す。なお、この測定法としては、両端のSUS
304 2aにネジを切り、このネジに引張りジグを咥えさ
せて引張り試験を行い、その接合強度を求めた。 【0016】(1) ニッケル厚みの確認 ニッケル厚みの効果を確認するため、接合時の真空度を
5×10-5Torr、接合温度を1020℃とし、種々のニッケル
厚みで接合した試料の接合強度を求めた。ニッケル厚み
は、0mm(ニッケルを入れない)、0.05mm、0.1m
m、0.5mm、0.7mmとした(表1No.1〜5参照)。 【0017】(2) 真空度の効果 接合時の真空度の効果を確認するため、ニッケルの厚み
を0.1mm、接合温度を1020℃とし、種々の真空度で接
合した試料の接合強度を求めた。真空度としては、5×1
0-4Torr、1×10-4Torr、5×10-5Torrとした(表1No.6
〜8参照)。 【0018】(3) 接合温度の効果 接合温度の効果を確認するため、ニッケルの厚みを0.1
mm、接合時の真空度を5×10-5Torrとし、種々の接合
温度で接合した試料の接合強度を求めた。接合温度とし
ては、880℃、920℃、1020℃、1120℃、1150℃とした
(表1No.9〜13参照)。 【0019】 【表1】 【0020】表1の結果より、本発明で規定するニッケ
ル厚さ(0.1〜0.5mm)及び加熱接合条件(1×10-4Tor
r以下の真空度、920〜1120℃の加熱温度)で接合したも
のは、53MPa以上の実用強度を示すが、この範囲外のも
のでは、50MPaに満たず、高くても38MPa程度であり(表
1No.5参照)、実用的強度が得られないことが認められ
た。 【0021】 【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、炭化珪
素とオ−ステナイト鋼との間に中間材としてニッケル
(0.1〜0.5mm厚さ)及びチタンを挿入し、この炭化珪
素、ニッケル及びチタンを加熱接合する(1×10-4Torr
以下の真空度、920〜1120℃の加熱温度)ことを特徴と
し、これにより実用強度(高接合強度)の炭化珪素−オ
−ステナイト鋼接合体を得ることができる効果が生ず
る。そして、本発明により、リン酸系ガス雰囲気中にお
いても使用し得る、特に半導体製造装置への適用が期待
できる炭化珪素−オ−ステナイト鋼接合体を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による炭化珪素−オ−ステナイト鋼の接
合構造を示す模式図。 【図2】接合強度測定用試験体の形状・寸法を示す図。 【符号の説明】 1 炭化珪素 2 オ−ステナイト鋼 2a SUS 304 3 ニッケル 4 チタン 5 溶接部
合構造を示す模式図。 【図2】接合強度測定用試験体の形状・寸法を示す図。 【符号の説明】 1 炭化珪素 2 オ−ステナイト鋼 2a SUS 304 3 ニッケル 4 チタン 5 溶接部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭62−182168(JP,A)
特開 昭62−65987(JP,A)
特開 昭56−80380(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 37/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 炭化珪素とオ−ステナイト鋼との間にチ
タンを挿入し、さらに炭化珪素側に0.1〜0.5mm厚のニ
ッケルを挿入し、この炭化珪素、ニッケル及びチタンを
1×10-4Torr以下の真空中で920〜1120℃で加熱接合し、
次に、該チタン面にオ−ステナイト鋼を溶接することを
特徴とする炭化珪素とオ−ステナイト鋼の接合体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30299692A JP3369610B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 炭化珪素とオーステナイト鋼の接合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30299692A JP3369610B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 炭化珪素とオーステナイト鋼の接合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06128048A JPH06128048A (ja) | 1994-05-10 |
JP3369610B2 true JP3369610B2 (ja) | 2003-01-20 |
Family
ID=17915682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30299692A Expired - Fee Related JP3369610B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 炭化珪素とオーステナイト鋼の接合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3369610B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-15 JP JP30299692A patent/JP3369610B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06128048A (ja) | 1994-05-10 |
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